JP3461033B2 - 陳列棚用カード類装着具 - Google Patents

陳列棚用カード類装着具

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JP3461033B2
JP3461033B2 JP14001794A JP14001794A JP3461033B2 JP 3461033 B2 JP3461033 B2 JP 3461033B2 JP 14001794 A JP14001794 A JP 14001794A JP 14001794 A JP14001794 A JP 14001794A JP 3461033 B2 JP3461033 B2 JP 3461033B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、商店やスーパーマーケ
ット等に設置した陳列棚における棚板の前端面に取り付
けて、商品の価格票や管理用ラベル等のカード類を装着
するようにしたカード類装着具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のカード類装着具として本願出願
人は、実開平5−86259号公報において、図9に示
すように、陳列棚における棚板Bの前面に蟻溝Cが形成
されている点に着目し、この蟻溝Cを利用してカード類
装着具を取り付けるべく、前面にカード類装着面11a
を形成した板状の本体11の裏面に、蟻溝Cの上端縁C
1に嵌まる短い長さの上係合片12と蟻溝Cの下端縁に
嵌まる短い長さの下係止片13とを突設した形態のカー
ド類装着具10を提案した。
【0003】しかし、この装着具10は一般に合成樹脂
の押し出し成形にて形成されるもので、全長にわたって
同じ断面形状であるため、図9のように上下両係止片1
2,13の突出寸法が短いと装着具10を弾性変形させ
ることが困難で、このため蟻溝Cへの取り付け・取り外
しが厄介であった。
【0004】そこで本願出願人は、蟻溝Cへの着脱の容
易性を向上する手段として、先の実用新案登録出願(実
願平5−12134号)において、図10に示すよう
に、本体11の裏面に突設した上下係止片12,13の
うち下方の係止片13を側面視で下向きU字状に大きく
湾曲した形状に形成し、下係止片13をその弾性に抗し
て下方に押し曲げることにより、蟻溝Cに着脱する構成
を提案した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10の発明は、図9
のものに比べると着脱を容易にすることはできるが、下
係止片13を容易に弾性変形する状態に製造することが
厄介であると言う問題があった。
【0006】つまり、この装着具10を合成樹脂の押し
出し成形で製造した場合、本体11は硬質の合成樹脂を
素材として成形する必要があることから、装着具10の
全体を単一の合成樹脂を素材として押し出し加工した場
合には、下係止片13を上方から大きく押し曲げできる
ようにするためには下係止片13の厚さを極く薄い寸法
にせねばならないのであるが、押し出し成形法では成形
できる厚さ寸法に限界があることから、容易に変形し得
る程度の厚さに下係止片13を成形することは困難であ
る。
【0007】従って、下係止片13を押し出し成形法で
成形し得る厚さでしかも容易に変形し得る状態に形成す
るには、係止片13のみを軟質の合成樹脂製として、共
押し出し成形法にて、別種類から成る本体11と下係止
片13とを一体的に接合するようにせねばならず、かく
すると製造コストが嵩むのであった。
【0008】本発明は、棚板に容易に着脱できるように
したカード類装着具を、単一種類の合成樹脂による押し
出し成形にて製造し得る形態で提供することを目的とす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のカード類装着具
は、基本構成として、陳列棚における棚板の前面に水平
状に長く延びるように形成されている蟻溝の手前側に位
置して蟻溝と平行に延びるように配置される横長で板状
の本体と、前記棚板における蟻溝の上端に嵌まり係合す
るように本体の裏面から突設した上係止片と、前記棚板
における蟻溝の上端に嵌まり係合するように本体の裏面
から突設した上係止片とを備えており、前記本体の前面
にカード類装着面を形成している。
【0010】そして、特徴的構成として、前記上係止片
と下係止片とのうちいずれか一方又は両方を、側面視で
本体とV字状を成した姿勢で蟻溝の外側から蟻溝の内側
に向けて延びる板状に形成し、この係止片の先端に、前
記棚板における蟻溝の上端部又は下端部に嵌まり係合す
るように側面視で湾曲した係合部を形成している。
【0011】
【発明の作用・効果】この構成において、例えば上下係
止片のうちいずれか一方のみを側面視で長く延びる板状
に形成した場合、カード装着具を棚板の蟻溝に取り付け
るには、先ず、他方の係止片を蟻溝の縁に嵌めて、その
状態で本体を蟻溝に向けて押し付ければ良く、板状に形
成した係止片が本体の裏面に接近するように弾性に抗し
て変形することにより、係止片の係合部が蟻溝に嵌まり
係合する。
【0012】カード類装着具を棚板から取り外す場合
は、本体を棚板の前方に引っ張って、一方の係止片をそ
の弾性に抗して蟻溝から引き離せば良い。
【0013】また、上下係止片の両方を側面視で長く延
びる板状に形成した場合、カード装着具を棚板に取り
付けるには、先ず、いずれか一方の係止片を陳列棚の棚
板に嵌めて、その状態で本体を蟻溝に向けて押し付ける
ことにより、他方の係止片を、本体の裏面に接近するよ
うに弾性に抗して変形させることにより、係合部を蟻溝
に嵌め込めば良い。
【0014】カード類装着具を棚板から取り外す場合
は、本体を単に棚板の前方に引っ張って、いずれか一方
の係止片をその弾性に抗して曲げ変形させることによ
り、蟻溝に対する係合を解除したら良い。
【0015】そして、いずれの場合においても、側面視
で本体と二股状を成す姿勢で長く延びる板状の係止片
は、側面視でいわば片持ち梁の状態で本体に取り付いて
いるから、本体を棚板の前方から蟻溝に向けて押し付け
たり、本体を蟻溝から棚板の前方に向けて引き離したり
して係止片の係合部を蟻溝に係脱させるに際し、板状に
形成した係止片に大きなモーメントが作用するから、板
状に形成した係止片がある程度の厚さであっても、ま
た、長手方向に沿って長く延びている場合であっても、
板状に形成している係止片を容易に弾性変形させること
ができる。
【0016】このように本発明によると、係止片が全長
にわたって長く延びている場合でも軽い力で弾性変形さ
せることができるから、1種類の合成樹脂を素材として
押し出し成形法にて製造されるカード類装着具であって
も、棚板に容易に取り付け・取り外しできるのであり、
従って、棚板に容易に着脱できるカード類装着具を安価
に製造できる効果を有する。
【0017】また、請求項2のように、下係止片の係合
部を下向きU字状に形成すると、当該係合部と蟻溝の下
端縁とが互いに嵌まり合った状態になるから、カード類
装着具をガタ付きなく棚板に取り付けることができる利
点を有する。
【0018】ところで、陳列棚における各段の棚板に装
着したカード類を人が見る場合、陳列棚の下部に位置し
た棚板に装着したカード類は上方から見下ろす状態にな
り、逆に人の眼の高さよりも上方に位置した棚板に装着
したカード類は下方から見上げる状態になる。
【0019】従って、下部の棚板にカード類装着具を取
り付ける場合は、カード類装着面を後傾した姿勢にする
とカード類を見やすい一方、陳列棚の上部に位置した棚
板にカード類装着具を取り付ける場合は、カード類装着
面を起こした姿勢にするとカード類を見やすいものであ
る。
【0020】しかし、従来のカード類装着具は取り付け
姿勢が各段の棚において同じであるため、陳列棚の上部
と下部との両方においてカード類を見やすい状態にする
ことができなかった。
【0021】これに対して請求項2の構成にすると、下
係止片が本体に対して傾斜状の姿勢で延びているから、
下係止片の先端の係合部と本体との間隔が広がることに
なり、従って、下係止片を蟻溝の下端に係合させた通常
の姿勢でカード類装着具を棚板に取り付けると、本体は
側面視で大きく後傾した状態になり、従って、カード類
を見やすい状態で陳列棚の下部の棚板に表示することが
できる。
【0022】他方、棚板の蟻溝は上下対称状に形成され
ているから、カード類装着具は上下ひっくり返した状態
でも棚板に取り付けることができるのであり、このよう
に上下にひっくり返した状態で棚板に取り付けると、蟻
溝の上端縁と本体との間の間隔が広がるから、本体は前
向きに起きた姿勢になり、従って、カード類装着具を陳
列棚の上部に位置した棚板に取り付ける場合には、上下
にひっくり返した状態で取り付けることにより、カード
類を見やすい状態にすることができる。
【0023】従って請求項2によると、1種類のカード
類装着具にて、陳列棚の全高にわたってカード類を見や
すい状態で装着することができる利点も有する。
【0024】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面(図1〜図8)
に基づいて説明する。
【0025】図1〜図4は第1実施例を示しており、カ
ード類装着具1は、前面にカード類装着面2aを形成し
た平板状の本体2を備えており、該本体2の裏面には、
棚板Bにおける蟻溝Cの上端縁C1に係合する短い突出
寸法の上係止片3と、蟻溝Cの下端縁C2に係合する下
係止片4とを一体的に設けている。
【0026】前記下係止片4は、側面視で本体2と二股
状(V字状)を成すようにして本体2の下端から傾斜状
に長く延びる板状に形成することにより、その弾性に抗
しての変形にて本体2との間隔が狭まり得るように形成
されており、該下係止片4の先端には、蟻溝Cの下端縁
C2に被嵌する下向きU字状の係合部4aを形成してい
る。
【0027】前記本体2のカード類装着面2aは、平滑
面2a′を挟んだ上下両方に凹凸面2a″を形成した形
態になっている(図2(b)参照)。また、本体2の上
端と下端には、側面視でカード類装着面2aとく字状を
成して延びる溝5を形成しており、これらの溝5に差し
込んだ合成樹脂製の透明板6にて、カード類Dを本体2
に押え固定できるようにしている。溝5の付け根箇所に
は、透明板6のずれ動きを防止するための突起7を形成
している。
【0028】上記のカード類装着具1は、単一種類の合
成樹脂を素材として押し出し成形することにより、全長
にわたって同じ断面形状に形成されている。
【0029】以上の構成において、カード類装着具1を
棚板Aに取り付けるには、図3に示すように、上係止片
3を蟻溝Cの上端縁C1に嵌めて、その状態で本体2を
蟻溝Cに向けて押し付ければ良い。すると、下係止片4
が本体2に接近するように弾性変形したのち復元して、
下係止片4の係合部4aが蟻溝Cの下端縁C2に嵌まる
ことにより、図1及び図2に示すように、カード類装着
具1は棚板Bに取り付けられる。
【0030】カード類装着具1を棚板Bから取り外す場
合は、本体2の下部を指で摘んで手前に引っ張って、下
係止片4を弾性変形させることにより、下係止片4の係
合部4aを蟻溝Cの下係合部C2から引き離せば良い。
【0031】このようなカード類装着具1の取り付け・
取り外しにおいて、下係止片4は側面視でいわば片持ち
梁の状態で本体2に取り付いているから、本体2を蟻溝
Cに向けて押し付けたり、或いは本体2を蟻溝Cから引
き離したりするに際して係合部4aに外力が作用する
と、その外力が下係止片4に対して大きなモーメントと
して作用する。
【0032】このため、下係止片4の厚さが押し出し成
形法にて成形し得る厚さでしかも本体2の全長にわたっ
て長く延びている場合であっても、下係止片4を容易に
弾性変形させることができる。
【0033】従って、カード類装着具1が1種類の合成
樹脂を素材とした安価な押し出し成形品であっても、棚
板Bへの取り付け・取り外しを容易に行うことができる
のである。
【0034】また、下係止片4の係合部4aを下向きU
字状に形成したことにより、下係止片4の係合部4aと
蟻溝Cの下端縁C2とが互いに嵌まり合っているから、
カード類装着具1はガタ付きのない状態で棚板Bに取り
付けられるのである。
【0035】下係止片4は本体2から側面視で傾斜状に
延びているため、下係止片4の係合部4aと本体2との
間隔が広い。従って、下係止片4を蟻溝Cの下端縁C2
に係合させた状態では、本体2と蟻溝Bの下端縁C2と
の間隔が広がることになる。このため、カード類装着具
1はかなり後傾した姿勢で棚板Bに取り付けられる。従
って、陳列棚1における下部の棚板Bに取り付けた場合
でも、カード類Dの表示を容易に読み取ることができ
る。
【0036】他方、カード類装着具1が大きく後傾した
姿勢であると、高い高さの棚板Bに取り付けた場合には
逆にカード類Dが見にくくなる。この場合は、図4に示
すように上下逆向きにした姿勢で棚板Bに取り付ければ
良く、このようにすると、下係止片4が蟻溝Cの上端縁
に係合して、蟻溝Cの上端縁C1と本体2との間隔が広
がることにより、本体2を大きく起こした姿勢になるた
め、カード類Dの表示を見やすくなる。
【0037】なお、上記の実施例では、カード類装着具
1の上端が棚板Bの上面と同じか又は下方に位置するよ
う設定しており、このため、商品を棚板Bの前方にはみ
出した状態で載せる場合に好適である。
【0038】上記の実施例のように、カード類装着面2
aを、平滑面2a′と凹凸面2a″とで形成すると、平
滑面2a′の存在により、カード類Dを貼りつけたとき
簡単に剥れることが防止される一方、凹凸面2a″の存
在により、カード類Dを引き剥しやすいと共に、カード
類Dの離面に塗布した粘着剤がカード類装着面2aに残
ることが防止される。
【0039】図5に示すのは前記第1実施例の変形例で
ある第2実施例で、第1実施例とは、上部の溝5をカー
ド類装着面2aと平行に形成している点、及び、カード
類装着面2aを下部の溝5の付け根まで形成している点
で異なっている。
【0040】図6に示す第3実施例は、上下係止片3,
4を長く延びる板状に形成し、その先端にそれぞれ断面
U字状の係合部3a,4aを形成したものである。
【0041】なお、本発明は、1種類の合成樹脂を素材
とした押し出し成形法によって成形する場合に好適であ
るが、係止片と本体とを別々の素材からなる合成樹脂の
共押し出しにて成形することにも適用できる。また、係
止片を本体とは別体に製造して、これを本体の裏面に固
着しても良い(この場合は、上下係止片は本体の長手方
向に沿って部分的に設けても良い)。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の斜視図である。
【図2】(a)は図1の右側断面図、(b)はカード類
装着面の図である。
【図3】取り付け状態を示す図である。
【図4】上下逆向きにして取り付けた状態の図である。
【図5】第2実施例の断面図である。
【図6】第3実施例の断面図である。
【図7】従来例を示す図である。
【図8】従来例を示す図である。
【符号の説明】
A 陳列棚 B 棚板 C 蟻溝 D カード類 1 カード類装着具 2 本体 2a カード類装着面 3 上係止片 4 下係止片3a,4a 係合部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陳列棚における棚板の前面に水平状に長く
    延びるように形成されている蟻溝の手前側に位置して蟻
    溝と平行に延びるように配置される横長で板状の本体
    と、前記棚板における蟻溝の上端に嵌まり係合するよう
    に本体の裏面から突設した上係止片と、前記棚板におけ
    る蟻溝の上端に嵌まり係合するように本体の裏面から突
    設した上係止片とを備えており、前記本体の前面にカー
    ド類装着面を形成して成るカード類装着具であって、 前記上係止片と下係止片とのうちいずれか一方又は両方
    を、側面視で本体とV字状を成した姿勢で蟻溝の外側か
    ら蟻溝の内側に向けて延びる板状に形成し、この係止片
    の先端に、前記棚板における蟻溝の上端部又は下端部に
    嵌まり係合するように側面視で湾曲した係合部を形成し
    ている、 陳列棚用カード類装着具。
  2. 【請求項2】記上係止片を短い長さで突出する側面視
    上向き鉤状に形成する一方、前記下係止片を、側面視で
    本体の裏面から斜め上向きに長く延びる平板状に形成
    し、該下係止片の先端に、前記蟻溝の下端縁に被嵌する
    下向き開口U字状の係合部を形成している、請求項1に
    記載した陳列棚用カード類装着具。
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