JP3460834B1 - 電気掃除機 - Google Patents

電気掃除機

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JP3460834B1
JP3460834B1 JP2002317590A JP2002317590A JP3460834B1 JP 3460834 B1 JP3460834 B1 JP 3460834B1 JP 2002317590 A JP2002317590 A JP 2002317590A JP 2002317590 A JP2002317590 A JP 2002317590A JP 3460834 B1 JP3460834 B1 JP 3460834B1
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Abstract

【要約】 【課題】風路損を小さくすることができると共に、塵埃
が溜まっても風量が落ちず、エアから塵埃を分離する塵
埃分離手段に付着した塵埃を容易に剥離できる電気掃除
機を提供すること。 【解決手段】 掃除機本体20の吸気口52から電動送
風機33の吸気開口33Aに至るまでの吸込風路に設け
られて吸気口52からエアと共に吸い込まれる塵埃を分
離する塵埃分離部60と、前記塵埃分離部60でエアか
ら分離された塵埃を捕集する集塵部(集塵室部55)と
を備えている。しかも、前記塵埃分離部60は、上流側
に位置するメッシュ状のフィルタ筒部(ネットフィルタ
F2)と、前記フィルタ筒部(ネットフィルタF2)の
下流端に連設された非通気性の筒部(枠部W2)を備え
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、掃除機本体の吸
気口から吸引された塵埃を分離する塵埃分離部と塵埃を
集塵する集塵部を備えた電気掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図9に示すサイクロン方式の
電気掃除機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】かかる電気掃除機は、上部が開口されたダ
ストカップ1と、このダストカップ1内を負圧にする電
動送風機2等とを備えている。ダストカップ1の周壁1
Aには吸気口3が形成され、この吸気口3は塵埃を吸引
する吸込口体4に吸気通路5を介して連通している。
【0004】そして、吸込口体4から吸引された塵埃は
吸気通路5を介してダストカップ1の吸気口3からダス
トカップ1内に吸引される。このダストカップ1内では
旋回流が発生して、塵埃と空気が分離され、空気のみが
ダストカップ1の上部開口から電動送風機2に吸引され
て外部へ排気される。
【0005】
【特許文献1】特開2001−104223号公報(段
落38,45、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
電気掃除機にあっては、吸気通路5を上方に向かって吸
引された空気は90度向きが変えられて吸気口3からダ
ストカップ1内に入り、ここで旋回流となってダストカ
ップ1の周壁1Aに沿って回転され、この後空気のみが
上方に向かって電動送風機2に吸引されていく。このよ
うに、空気の流れの方向が2度変えられることにより、
その空気の風路損が大きく、しかも空気はダストカップ
1内で回転した後電動送風機2に吸引されていくので、
その風路損は非常に大きなものとなり、電動送風機の能
力を十分に発揮することができないという問題があっ
た。
【0007】また、紙フィルタである紙パックを集塵室
に装着する通常の電気掃除機にあっては、吸気口,紙パ
ック,電動送風機が一直線状に並んでいることにより、
風路損は大きくならないが、紙パックに塵埃が溜まると
極端に風量が落ちてしまう問題があった。
【0008】そこで、この発明の目的は、風路損を小さ
くすることができると共に、塵埃が溜まっても風量が落
ちず、エアから塵埃を分離する塵埃分離手段に付着した
塵埃を容易に剥離できる電気掃除機を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は、掃除機本体の吸気口から電動送風機の
吸気開口に至るまでの吸込風路に形成された負圧室部内
に設けられて前記吸気口からエアと共に吸い込まれる塵
埃を分離する塵埃分離部と、前記負圧室部と区画され
記塵埃分離部でエアから分離された塵埃を案内管を介し
捕集する集塵部とを備えた電気掃除機であって、前記
塵埃分離部は、前記吸気口に対向して連通する一端から
塵埃を含むエアが導入されるとともに上流側に位置する
フィルタ筒部と前記フィルタ筒部の下流端に連設された
非通気性の筒部とからなる筒状の風路を備え、前記筒状
の風路の下流端の径は前記吸気口の径よりも小径に形成
され、前記電動送風機の吸気開口は、前記風路を間にお
いて前記吸気口と反対側に配置され、前記筒状の風路に
導入されたエアが前記フィルタ筒部を介して前記電動送
風機の吸気開口に吸い込まれる一方、前記筒状の風路を
直進する塵埃が前記案内管を介して前記集塵部に導入さ
れて捕集される電気掃除機としたことを特徴とする。
【0010】
【実施の形態】以下、この発明に係る電気掃除機の実施
の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】図1において、20は掃除機本体であり、
この掃除機本体20にはホース21の一端が着脱自在に
接続され、その他端には手元操作管22が設けられてい
る。手元操作管22には延長管23が着脱自在に接続さ
れ、延長管23の先端部には吸込口体24が着脱自在に
接続されている。手元操作管22には操作部22Aが設
けられており、この操作部22Aには図示しない操作ス
イッチが設けられている。
【0012】掃除機本体20は、図2ないし図5に示す
ように、本体ケース30と、本体ケース30に着脱自在
に載置される集塵容器(ダストカップ)50と、後部が
本体ケース30にヒンジ結合されて上下方向に開閉可能
となっている蓋体40とを備えている。
【0013】本体ケース30は、吸気開口33Aおよび
排気口33Bが設けられた電動送風機33を内蔵してい
ると共に、この電動送風機33の前側の下部から前方へ
突出した皿状の載置部35を有する。この載置部35に
は集塵容器50が着脱自在に載置され、蓋体40を閉じ
た際にこの蓋体40と載置部35とで集塵容器50を挟
持して固定するようになっている。
【0014】本体ケース30の両側面には、前側の上部
から後部側の下部に亘って膨出部36が形成され、この
膨出部36の下部は後輪37を回転自在に保持してい
る。また膨出部36と本体ケース30の両側面の前側に
は複数の排気孔38が形成されている。この排気孔38
は図示しない排気風路を介して電動送風機33の排気口
33Bと連通しており、電動送風機33の排気口33B
から排気される空気は排気風路を介して排気孔38から
外へ排気されるようになっている。また、本体ケース3
0の電動部34には電動送風機33の下側に図示しない
バッテリーが内蔵されている。
【0015】蓋体40は、平面視がほぼ楕円形に形成さ
れた天板41を有し、この天板41の周囲に周壁42が
一体に形成されている。周壁42の前部には集塵ホース
21を着脱自在に接続する接続口43を有する接続パイ
プ44が設けられている。この接続パイプ44は前後方
向に延びており、その後端45は開口している。
【0016】集塵容器50は、図6ないし図8に示すよ
うに、後面(図6において右側の端部)に開口51を有
し且つ前面に吸気口(エア流入口)52を有する容器ケ
ース体53と、この容器ケース体53の吸気口52の下
に一体形成された把手部54とを有している。
【0017】容器ケース体53は、下部に形成した集塵
室部(集塵部)55と、この集塵室55の上に形成した
負圧室部56と、この負圧室部56内に設けられた塵埃
分離部60と、この塵埃分離部60で分離された塵埃を
集塵室部55へ案内する案内管70とを有している。
尚、容器ケース体53は前壁53aを有し、吸気口(エ
ア流入口)52は前壁53aの上部側に形成されてい
る。そして、吸気口52は負圧室部56に開口してい
る。
【0018】集塵室部55の底部には、底板57が軸J
回りに開閉可能に取り付けられており、この底板57を
開けることにより集塵室部55内に蓄積される塵埃が捨
てられるようになっている。集塵室部55と負圧室部5
6とを区画する集塵室部55の天板58には開口59が
形成され、この開口59には図8に示すようにネットフ
ィルタF1が取り付けられている。天板58の開口59
の後には接続穴58Aが形成されている。この接続穴5
8Aの下方には集塵室部55内で旋回流を発生させるた
めのガイド壁Gが設けられている。
【0019】また、集塵室部55の後壁部55Aは容器
ケース体53の開口51より内側に引っ込んでおり、そ
の開口51内にフィルタ80(図3参照)が着脱自在に
装着されるようになっている。しかも、負圧室部56は
フィルタ80を介して電動送風機33の吸気開口33A
に連通させられている。
【0020】塵埃分離部60は、筒状の風路61を形成
した筒状フィルタ62と、この筒状フィルタ62の他端
開口62Bに設けた突当て部63が設けられた突当部材
(筒体)を有している。その筒状フィルタ62の一端開
口62Aの径d1は容器ケース体53の吸気口(エア流
入口)52の径d2より大きく形成され、筒状フィルタ
62の他端開口62Bの径d3はその吸気口52の径d
2より小さく形成されている。
【0021】ここで、塵埃を含むエアが吸気口52から
筒状フィルタ62内に流入すると、塵埃を含むエアは筒
状フィルタ62の一端開口62Aから他端開口62Bに
向けて流れるので、エアの流れを基準に考えると、筒状
フィルタ62の一端開口62Aは上流端になり、筒状フ
ィルタ62の他端開口62Bは下流端になる。しかも、
筒状フィルタ62の一端開口62A(上流端)は、吸気
口(エア流入口)52の周囲の部分において容器ケース
体53の前壁53aの後面に密接又は固着されている。
これにより、吸気口52が一端開口62A内に位置する
ように、容器ケース体53の吸気口52とが一端開口2
Aとが接続されている。
【0022】また、筒状フィルタ62の径は一端(上流
端)から他端(下流端)に向かうに従って直線的に漸減
している。即ち、前記塵埃分離部60の筒状フィルタ6
2は、下流に向かうに従って徐々に円錐筒状(テーパ筒
状)に縮径させられている。
【0023】更に、筒状フィルタ62の風路61は前後
方向に直線状に延びており、蓋体40の接続パイプ44
と、容器ケース体53の吸気口52と、筒状フィルタ6
2と、容器ケース体53の開口51と、電動送風機33
の吸気開口33Aとが一直線上に配置されている。
【0024】また、筒状フィルタ62は、図6に示すよ
うに、複数の開口64が設けられた筒状枠Wと、この筒
状枠Wの内周面側に取り付けられたメッシュ状のネット
フィルタ(メッシュ状フィルタ)F2を備えている。こ
の筒状枠Wは、一端開口62Aを形成している環状(円
形)の枠部W1と、他端開口62Bを形成している円形
で筒状(環状)の枠部W2と、枠部W1,W2を連結し
ている複数の桟状の枠部(桟状フレーム部)W3を備え
ている。尚、各枠部W1〜W3によって囲まれた空間が
開口64となっている。この開口64は、筒状フィルタ
62の全周に亘って一様に設けられていている。また、
風路61は、枠部W1〜W3およびネットフィルタF2
によって囲まれて形成されている。
【0025】しかも、ネットフィルタF2は、筒状枠W
の内周面に沿って筒状に形成されてフィルタ筒部となっ
ていると共に、複数の開口64を覆うように筒状枠Wに
接着又は融着等により取り付けられている。また、筒状
枠Wの枠部W2は、幅広に形成されていて非通気性の筒
部となっている。この非通気性の筒部である枠部W2
は、上流端の径d4が吸気口(エア流入口)52の径d
2よりも大きく形成され、下流端の径d3が吸気口(エ
ア流入口)52の径d2より小さく形成されている。こ
れにより、吸気口52の周縁は枠部W2の幅方向中間部
に対応させられていて、吸気口52から風路61に流入
するエア中の塵埃のうち周縁部のものは流入する際の慣
性力により枠部W2に向けて移動させられるようになっ
ている。
【0026】このネットフィルタF2は、メッシュ状の
目の粗さが即ちメッシュ(網目)の開口が流路61の上
流側から下流側に向かうに従って徐々に又は段階的に小
さくなるように形成されている。例えば、ネットフィル
タF2は、メッシュ状の目の粗さが即ちメッシュ(網
目)の開口が流路61の上流側から下流側に向かうに従
って110μm〜30μmの間で徐々に又は段階的に小
さくなるように形成されている。
【0027】更に、ネットフィルタF2は、メッシュ状
の樹脂繊維フィルタの表面にスパッタリングにより金属
被膜層を形成したものが用いられていて、非常にゴミが
付着しにくいように滑りやすくなっている。尚、この金
属被膜層に変えてネットフィルタF2の表面をテフロン
(登録商標)加工やフッ素加工を施して、ネットフィル
タF2の表面に滑りやすい被膜層を形成してもよい。
【0028】そして、筒状フィルタ62の風路61は、
筒状フィルタ62の開口64と容器ケース体53の負圧
室部56と本体ケース30の電動部34の開口34Aを
介して電動送風機33の吸気開口33Aに連通してい
る。また、筒状フィルタ62の風路61の延びる方向と
蓋体40の接続パイプ44の延びる方向とが一直線状と
なっており、筒状フィルタ62の風路61の延びる方向
に電動送風機33の吸気開口33Aが向きあっている。
【0029】突当て部63は、筒状フィルタ62の他端
開口62Bの上部から斜め下方に向かって延びた傾斜壁
部63Aと、この傾斜壁部63Aの一端から湾曲して下
方に延びるとともに筒状フィルタ62の他端開口62B
に対向する突当壁部63Bと、傾斜壁部63Aおよび突
当壁部63Bの両側に形成された側壁部63Cとを有し
ている。また、突当て部63は、筒状フィルタ62の他
端開口62Bに接合された開口63Dを有すると共に下
方を向いた開口63Eを有する。
【0030】案内管70は、上下方向に延びていて突当
て部63の開口63Eと天板58の接続穴58Aを介し
て集塵室部55内とを連通している。尚、筒状フィルタ
62,突当部63,案内管70を、一体に形成すると共
に容器ケース体53とは別体に形成して、接着又は超音
波融着等により容器ケース体53の天板58に固着して
もよい。また、突当部63と案内管70を一体に形成す
ると共に筒状フィルタ62及び容器ケース体53とは別
体に形成して、筒状フィルタ62を突当て部63及び前
壁53aに接着又は超音波融着等により固着すると共
に、案内管70の下端を接着又は超音波融着等により天
板58に固着しても良い。 [動 作]次に、上記のように構成される電気掃除機の
動作について説明する。
【0031】先ず、図4に示すように、集塵容器50を
本体ケース30の載置部35に載置して蓋体40を閉
じ、ホース21を蓋体40の接続口43に接続する。そ
して、操作部22Aの図示しないスイッチを操作すると
電動送風機33が駆動される。この電動送風機33の駆
動により、本体ケース30の開口34Aを介して容器ケ
ース体53の負圧室部56が負圧となる。この負圧が筒
状フィルタ62の開口64,筒状フィルタ62の風路6
1,容器ケース体53の吸気口52,蓋体40の接続パイ
プ44,ホース21,延長管23および吸込口体24に作
用し、吸込口体24から空気とともに塵埃が吸引されて
いく。
【0032】この吸引された塵埃および空気が延長管2
3およびホース21を介して蓋体40の接続口43へ吸
引されていく。この接続口43へ吸引された塵埃および
空気は、集塵容器50の吸気口52を通って塵埃分離部
60の筒状フィルタ62の風路61に吸引されていく。
【0033】風路61に吸引された空気は筒状フィルタ
62の開口64のネットフィルタF2を介して容器ケー
ス体53の負圧室部56に吸引され、さらに容器ケース
体53の開口51に装着したフィルタ80を介して電動
送風機33の吸気開口33Aに吸引されていく。一方、
筒状フィルタ62の風路61に吸引された所定以上の質
量のある塵埃は、その風路61が前後方向に直線状に延
びていることにより、風路61を直進して突当て部63
の突当壁部63Bに突き当る。
【0034】この際、吸気口52から流入する塵埃のう
ち周縁部のもののうち、吸気口52から風路61内に流
入する際の慣性力により略直進するものは慣性エネルギ
ーが大きい。このため、吸気口52から流入する塵埃の
うち周縁部のもののうち、吸気口52から風路61内に
流入する際の慣性力により略直進するものがネットフィ
ルタ(フィルタ筒部)F2の下流端部に衝突した場合
に、ネットフィルタF2の下流端部の網目(メッシュ開
口)は慣性エネルギーにより目詰まりして通気性がなく
なり、通気性の回復も期待できなくなる。
【0035】しかし、本実施例では、吸気口52から流
入する塵埃のうち周縁部のもののうち、吸気口52から
風路61内に流入する際の慣性力により略直進するもの
がフィルタF2の下流端部に当たることなく非通気性の
筒部である枠部W2に当たった後に、突当て部63の突
当壁部63Bに突き当ることになるので、ネットフィル
タ(フィルタ筒部)F2の下流端部の目詰まりが軽減さ
れる。この突当壁部63Bに突き当った塵埃は、下方に
偏向させられた後に、案内管70により集塵室部55内
へ導入されていく。この様にして、塵埃分離部60によ
り空気と塵埃が分離されることになる。
【0036】また、空気の一部は突当て部63および案
内管70を介して集塵室部55内へ導入され、この導入
された空気は集塵室部55のガイド壁Gによって旋回流
となり、集塵室部55内へ導入さた塵埃はその旋回流に
より圧縮されながら蓄積されていく。
【0037】集塵室部55内に導入された空気は、旋回
流となった後集塵室部55の天板58の開口59を介し
て容器ケース体53の負圧室部56に吸引されていく。
【0038】重さの軽い微細な塵埃は、筒状フィルタ6
2の風路61を直進することなく開口64のネットフィ
ルタF2を通る空気に乗って流れていくので、ネットフ
ィルタF2に付着していく。そして、微細な塵埃の付着
によりネットフィルタF2の目詰まりが大きくなると、
そのネットフィルタF2を通る風量が減少していくが、
その減少した分だけ容器ケース体53の負圧室部56の
負圧が大きくなり、天板58の開口59を介して集塵室
部55内の負圧も大きくなる。このため、筒状フィルタ
62の風路61を直進する空気の風速が大きくなり、そ
の直進する風量も増加することになる。そして、筒状フ
ィルタ62の風路61を直進する風速が大きくなると、
その直進する空気がネットフィルタF2に付着した塵埃
を剥がしていく。
【0039】この様に風(エア)には微細で比較的軽い
塵埃も含まれ、この軽い塵埃はネットフィルタF2に捕
集されることになる。この軽い塵埃は慣性エネルギーが
小さいのでネットフィルタF2のメッシュ(網目)に強
く食い込むようなことはないので剥離しやすい状態とな
っている。また、この風(エア)に含まれる塵埃のう
ち、吸気口52から風路61内に流入する周縁部のもの
が吸気口52から風路61内に流入する際の慣性力によ
り略直進するものは慣性エネルギーが大きいが、この塵
埃はネットフィルタF2に当たらず幅広の枠部(非通気
性の筒部)W2にあたるため、ネットフィルタF2のメ
ッシュ(網目)の目詰まりの原因となることは回避でき
る。
【0040】従って、ネットフィルタF2に捕集された
塵埃はある程度の量になると、風路61に吸い込まれた
エアによりネットフィルタF2から容易に剥離され、こ
のネットフィルタF2から剥離された塵埃は突当て部6
3および案内管70を介して集塵室部55内へ導入され
て蓄積されていくことになる。
【0041】更に、筒状のネットフィルタF2の径が上
流端から下流端に行くにしたがって直線的に漸減するこ
とになるので、ネットフィルタF2内の風路61を直進
せずにネットフィルタF2のメッシュ(網目)側に向か
う風はネットフィルタF2の全面に一様に当たりやすく
なることになる。しかも、この風(エア)には比較的軽
い塵埃も含まれ、この軽い塵埃はネットフィルタF2の
全面に一様に当たってネットフィルタF2に捕集される
ことになる。この軽い塵埃は慣性エネルギーが小さいの
でネットフィルタF2のメッシュ(網目)に強く食い込
むようなことはないので剥離しやすい状態となっいる。
【0042】また、目詰まりによりネットフィルタF2
を通る風量が減少しても、筒状フィルタ62の風路61
を直進する風量が増加するので、電動送風機33が吸引
する風量は一定に保たれる。このため、ネットフィルタ
F2の目詰まりに拘わりなく、常に所定の吸引力で塵埃
を吸引することができることになる。
【0043】また、筒状フィルタ62の風路61内で旋
回流を生じさせて塵埃と空気とを分離させていないこと
により、その風路61内での風路損は小さなものとな
る。しかも、筒状フィルタ62の風路61からネットフ
ィルタF2を通って容器ケース体53の負圧室部56に
吸引されていく際、吸気口52と筒状フィルタ62と容
器ケース体53の開口51と電動送風機33の吸込開口
33Aとが一直線上に配置されていることにより、その
空気の流れの向きは矢印Q(図3参照)で示すように大
きく変わることがなく、ほぼ直線的に流れて電動送風機
33に吸引されていく。
【0044】このため、その風路損はさらに小さなもの
となり、電動送風機33の機能を十分に発揮することが
できることになる。さらに、蓋体40の接続パイプ44
と筒状フィルタ62とが一直線上に並んでいることによ
り、容器ケース体53の吸気口52に向けて導入される
空気の方向が筒状フィルタ62の延びる方向と一直線状
になるので、その風路損はより一層小さなものとなる。
【0045】以上説明したように、この発明の実施の形
態の電気掃除機は、掃除機本体20の吸気口52から電
動送風機33の吸気開口33Aに至るまでの吸込風路に
設けられて前記吸気口52からエアと共に吸い込まれる
塵埃を分離する塵埃分離部60と、前記塵埃分離部60
でエアから分離された塵埃を捕集する集塵部(集塵室部
55)とを備えている。しかも、前記塵埃分離部60
は、上流側に位置するメッシュ状のフィルタ筒部(ネッ
トフィルタF2)と、前記フィルタ筒部(ネットフィル
タF2)の下流端に連設された非通気性の筒部(枠部W
2)即ち非メッシュ部を備えている。
【0046】この構成によれば、フィルタ筒部(ネット
フィルタF2)内に流入する軽い塵埃は、フィルタ筒部
(ネットフィルタF2)に捕集されることになる。この
軽い塵埃は慣性エネルギーが小さいのでフィルタ筒部の
メッシュ(網目)に強く食い込むようなことはないので
剥離しやすい状態となっている。また、この風(エア)
に含まれる塵埃のうち、吸気口52から風路61内に流
入する周縁部のものが吸気口52からフィルタ筒部内の
風路61内に流入する際の慣性力により略直進するもの
は慣性エネルギーが大きいが、この塵埃はネットフィル
タF2に当たらず幅広の非通気性の筒部(枠部W2)に
あたるため、フィルタ筒部(ネットフィルタF2)のメ
ッシュ(網目)の目詰まりの原因となることは回避でき
る。
【0047】尚、上述した実施例では、筒状フィルタ6
2およびフィルタ筒部(ネットフィルタF2)は下流側
に向かうに従って徐々に縮径する円錐筒状に形成されて
いるが、筒状フィルタ62およびフィルタ筒部(ネット
フィルタF2)は上流端から下流端まで略同じ径の筒状
に形成することもできる。この場合でも、フィルタ筒部
内に流入した塵埃のうち周縁部の略直進するものがフィ
ルタ筒部の下流端部に当たった場合、フィルタ筒部の下
流端部が目詰まりして、目詰まりの原因となった塵埃が
容易に剥離できないことも生じる虞がある。従って、こ
の場合でも、フィルタ筒部内に流入した塵埃のうち周縁
部の略直進するものがフィルタ筒部に当たる部分は非メ
ッシュ部(非通気性の筒部)としておくことで、円錐筒
状のフィルタ筒部と同様にフィルタ筒部(ネットフィル
タF2)のメッシュ(網目)の目詰まりの原因となるこ
とを回避することができる。
【0048】また、この発明の実施の形態では、前記塵
埃分離部60は下流に向かうに従って徐々に縮径する円
錐筒状に形成されている。この構成によれば、フィルタ
筒部(ネットフィルタF2)の径が上流端から下流端に
行くにしたがって直線的に漸減することになるので、フ
ィルタ筒部内の風路61を直進せずにフィルタ筒部(ネ
ットフィルタF2)のメッシュ(網目)側に向かう風は
フィルタ筒部(ネットフィルタF2)の全面に一様に当
たりやすくなることになる。しかも、この風(エア)に
は比較的軽い塵埃も含まれ、この軽い塵埃はフィルタ筒
部(ネットフィルタF2)の全面に一様に当たってネッ
トフィルタF2に捕集されることになる。この軽い塵埃
は慣性エネルギーが小さいのでネットフィルタF2のメ
ッシュ(網目)に強く食い込むようなことはないので剥
離しやすい状態となっている。
【0049】更に、この発明の実施の形態では、前記フ
ィルタ筒部(ネットフィルタF2)と非通気性の筒部
(枠部W2)は筒状フィルタ62を構成し、前記筒状フ
ィルタ62のエア流入口側の径は前記吸気口52の径よ
りも大きく形成され、前記筒状フィルタ62の下流端の
径は前記吸気口52の径よりも小径に形成されていると
共に、前記非通気性の筒部(枠部W2)の上流端の径は
前記吸気口52の径よりも大きく形成されている。
【0050】この構成によれば、フィルタ筒部(ネット
フィルタF2)内に流入する軽い塵埃は、フィルタ筒部
(ネットフィルタF2)に捕集されることになる。この
軽い塵埃は慣性エネルギーが小さいのでフィルタ筒部の
メッシュ(網目)に強く食い込むようなことはないので
剥離しやすい状態となっている。また、この風(エア)
に含まれる塵埃のうち、吸気口52から風路61内に流
入する周縁部のものが吸気口52からフィルタ筒部内の
風路61内に流入する際の慣性力により略直進するもの
は慣性エネルギーが大きいが、この塵埃はネットフィル
タF2に当たらず幅広の非通気性の筒部(枠部W2)に
あたるため、フィルタ筒部(ネットフィルタF2)のメ
ッシュ(網目)の目詰まりの原因となることを回避する
ことができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、風路損を小さくすることができると共に、塵埃が溜
まっても風量が落ちず、エアから塵埃を分離する塵埃分
離手段に付着した塵埃を容易に剥離できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電機掃除機の外観を示した斜視
図である。
【図2】図1に示す電気掃除機の掃除機本体を示した斜
視図である。
【図3】図2に示す掃除機本体の一部を断面にした側面
図である。
【図4】蓋体を開けた状態を示した掃除機本体の側面図
である。
【図5】掃除機本体を示した斜視図である。
【図6】集塵容器の構成を示した縦断面図である。
【図7】ネットフィルタの円錐状フレームからメッシュ
部を除いた状態で集塵容器を示した斜視図である。
【図8】集塵容器の構成を示した平断面図である。
【図9】従来の電気掃除機の構成を示した説明図であ
る。
【符号の説明】
20・・・掃除機本体 33・・・電動送風機 33A・・・吸気開口 52・・・吸気口 55・・・集塵室部(集塵部) 60・・・塵埃分離部 62・・・筒状フィルタ F2・・・ネットフィルタ(フィルタ筒部) W2・・・枠部(非通気性の筒部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横山 広 神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テッ ク株式会社秦野工場内 (72)発明者 土屋 善弘 神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テッ ク株式会社秦野工場内 (72)発明者 鈴木 仁 神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テッ ク株式会社秦野工場内 (72)発明者 中戸川 靖 神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テッ ク株式会社秦野工場内 (72)発明者 大島 郁夫 神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テッ ク株式会社秦野工場内 (72)発明者 前田 豊 神奈川県秦野市堀山下43番地 東芝テッ ク株式会社秦野工場内 (56)参考文献 特開 昭54−12152(JP,A) 特開 昭52−99651(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 9/16

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】掃除機本体の吸気口から電動送風機の吸気
    開口に至るまでの吸込風路に形成された負圧室部内に設
    けられて前記吸気口からエアと共に吸い込まれる塵埃を
    分離する塵埃分離部と、前記負圧室部と区画され前記塵
    埃分離部でエアから分離された塵埃を案内管を介して
    集する集塵部とを備えた電気掃除機であって、 前記塵埃分離部は、前記吸気口に対向して連通する一端
    から塵埃を含むエアが導入されるとともに上流側に位置
    するフィルタ筒部と前記フィルタ筒部の下流端に連設さ
    れた非通気性の筒部とからなる筒状の風路を備え、前記筒状の風路の下流端の径は前記吸気口の径よりも小
    径に形成され、 前記電動送風機の吸気開口は、前記風路を間において前
    記吸気口と反対側に配置され、 前記筒状の風路に導入されたエアが前記フィルタ筒部を
    介して前記電動送風機の吸気開口に吸い込まれる一方、
    前記筒状の風路を直進する塵埃が前記案内管を介して
    記集塵部に導入されて捕集されることを特徴とする電気
    掃除機。
  2. 【請求項2】掃除機本体の吸気口から電動送風機の吸気
    開口に至るまでの吸込風路に形成された負圧室部内に設
    けられて前記吸気口からエアと共に吸い込まれる塵埃を
    分離する塵埃分離部と、前記負圧室部と区画され前記塵
    埃分離部でエアから分離された塵埃を捕集する集塵部と
    を備えた電気掃除機であって、 前記塵埃分離部は、前記吸気口に対向して連通する一端
    から塵埃を含むエアが導入されるとともに上流側に位置
    するフィルタ筒部と前記フィルタ筒部の下流端に連設さ
    れた非通気性の筒部とからなる筒状の風路と、該筒状の
    風路の下流端に対向する突当部とを備え、 前記筒状の風路の下流端の径は前記吸気口の径よりも小
    径に形成され、 前記電動送風機の吸気開口は、前記風路を間において前
    記吸気口と反対側に配置され、 前記筒状の風路に導入されたエアが前記フィルタ筒部を
    介して前記電動送風機の吸気開口に吸い込まれる一方、
    前記筒状の風路を直進する塵埃が前記突当部に 当てられ
    て前記集塵部に導入されて捕集されることを特徴とする
    電気掃除機。
  3. 【請求項3】掃除機本体の吸気口から電動送風機の吸気
    開口に至るまでの吸込風路に設けられて前記吸気口から
    エアと共に吸い込まれる塵埃を分離する塵埃分離部と、
    この塵埃分離部の下方に設けられ前記塵埃分離部でエア
    から分離された塵埃を捕集する集塵部とを備えた電気掃
    除機であって、 前記塵埃分離部は、前記吸気口に対向して連通する一端
    から塵埃を含むエアが導入されるとともに上流側に位置
    するフィルタ筒部と前記フィルタ筒部の下流端に連設さ
    れた非通気性の筒部とからなる筒状の風路を備え、 前記筒状の風路の下流端の径は前記吸気口の径よりも小
    径に形成され、 前記電動送風機の吸気開口は、前記風路を間において前
    記吸気口と反対側に配置され、 前記筒状の風路に導入されたエアが前記フィルタ筒部を
    介して前記電動送風機の吸気開口に吸い込まれる一方、
    前記筒状の風路を直進する塵埃が前記集塵部に導入され
    て捕集されることを特徴とする電気掃除機。
  4. 【請求項4】掃除機本体の吸気口から電動送風機の吸気
    開口に至るまでの吸込風路に形成された負圧室部内に設
    けられて前記吸気口からエアと共に吸い込まれる塵埃を
    分離する塵埃分離部と、前記負圧室部と区画され前記塵
    埃分離部でエアから分離された塵埃を案内管を介して捕
    集する集塵部とを備えた電気掃除機であって、 前記塵埃分離部は、前記吸気口に対向して連通する一端
    から塵埃を含むエアが導入されるとともに上流側に位置
    するフィルタ筒部と前記フィルタ筒部の下流端に連設さ
    れた非通気性の筒部とからなる筒状の風路を備え、 前記筒状の風路の下流端の径は前記吸気口の径よりも小
    径に形成され、 前記電動送風機の吸気開口に連通する開口は前記風路を
    間において前記吸気口と反対側に配置され、 前記筒状の風路に導入されたエアが前記フィルタ筒部を
    介して前記電動送風機の吸気開口に連通する開口に吸い
    込まれる一方、前記筒状の風路を直進する塵埃が前記案
    内管を介して前記集塵部に導入されて捕集されることを
    特徴とする電気 掃除機。
  5. 【請求項5】掃除機本体の吸気口から電動送風機の吸気
    開口に至るまでの吸込風路に形成された負圧室部内に設
    けられて前記吸気口からエアと共に吸い込まれる塵埃を
    分離する塵埃分離部と、前記負圧室部と区画され前記塵
    埃分離部でエアから分離された塵埃を捕集する集塵部と
    を備えた電気掃除機であって、 前記塵埃分離部は、前記吸気口に対向して連通する一端
    から塵埃を含むエアが導入されるとともに上流側に位置
    するフィルタ筒部と前記フィルタ筒部の下流端に連設さ
    れた非通気性の筒部とからなる筒状の風路と、該筒状の
    風路の下流端に対向する突当部とを備え、 前記筒状の風路の下流端の径は前記吸気口の径よりも小
    径に形成され、 前記電動送風機の吸気開口に連通する開口は前記風路を
    間において前記吸気口と反対側に配置され、 前記筒状の風路に導入されたエアが前記フィルタ筒部を
    介して前記電動送風機の吸気開口に連通する開口に吸い
    込まれる一方、前記筒状の風路を直進する塵埃が前記突
    当部に当てられて前記集塵部に導入されて捕集されるこ
    とを特徴とする電気掃除機。
  6. 【請求項6】掃除機本体の吸気口から電動送風機の吸気
    開口に至るまでの吸込風路に設けられて前記吸気口から
    エアと共に吸い込まれる塵埃を分離する塵埃分離部と、
    この塵埃分離部の下方に設けられ前記塵埃分離部でエア
    から分離された塵埃を捕集する集塵部とを備えた電気掃
    除機であって、 前記塵埃分離部は、前記吸気口に対向して連通する一端
    から塵埃を含むエアが導入されるとともに上流側に位置
    するフィルタ筒部と前記フィルタ筒部の下流端に連設さ
    れた非通気性の筒部とからなる筒状の風路を備え、 前記筒状の風路の下流端の径は前記吸気口の径よりも小
    径に形成され、 前記電動送風機の吸気開口に連通する開口は前記風路を
    間において前記吸気口と反対側に配置され、 前記筒状の風路に導入されたエアが前記フィルタ筒部を
    介して前記電動送風機 の吸気開口に連通する開口に吸い
    込まれる一方、前記筒状の風路を直進する塵埃が前記集
    塵部に導入されて捕集されることを特徴とする電気掃除
    機。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか一つに記載の電気
    掃除機において、前記フィルタ筒部は下流に向かうに従
    って徐々に縮径する円錐筒状に形成されていることを特
    徴とする電気掃除機。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の電気掃除機において、前
    記フィルタ筒部と非通気性の筒部は筒状の風路を構成
    し、前記筒状の風路のエア流入口側の径は前記吸気口の
    径よりも大きく形成され、前記筒状フィルタの下流端の
    径は前記吸気口の径よりも小径に形成されていると共
    に、前記非通気性の筒部の上流端の径は前記吸気口の径
    よりも大きく形成されていることを特徴とする電気掃除
    機。
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