JP3460343B2 - 送信回路 - Google Patents

送信回路

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JP3460343B2
JP3460343B2 JP29753294A JP29753294A JP3460343B2 JP 3460343 B2 JP3460343 B2 JP 3460343B2 JP 29753294 A JP29753294 A JP 29753294A JP 29753294 A JP29753294 A JP 29753294A JP 3460343 B2 JP3460343 B2 JP 3460343B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタルデータの送信
とアナログ信号の送信とが切換えで可能な送信回路に関
する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話や自動車電話のような無線電話
システムは、基地局と端末局(無線電話機)との間の伝
送を、通話用音声などをアナログ信号として伝送するシ
ステムと、音声信号をデジタルデータ化して伝送するシ
ステムとがある。アナログ信号を伝送するシステムの場
合には、無線電話機などの構成が比較的簡単で、無線電
話システムが実用化された当初から実施されているシス
テムである。これに対し、近年デジタル伝送技術の進歩
に伴い、アナログ伝送システムよりも伝送効率の高いデ
ジタル伝送による無線電話システムが、徐々に実用化さ
れつつある。
【0003】このアナログ伝送による無線電話機と、デ
ジタル伝送による無線電話機とは、伝送を行う信号が全
く異なるので、アナログ伝送による無線電話システムと
デジタル伝送による無線電話システムの双方のサービス
を受けるためには、アナログ方式用とデジタル方式用の
2台の無線電話機を所持する必要があった。即ち、無線
電話システムは、システムを運用する電話会社毎に通話
ができるサービスエリアが異なるが、例えば商用などで
頻繁に移動する必要のある人が、アナログ方式で運用し
ている或る電話会社のサービスエリア内での携帯電話機
による通話と、デジタル方式で運用している別の電話会
社(或いは同一の電話会社で複数の方式による無線電話
システムを運用している場合もある)のサービスエリア
内での携帯電話機による通話とを、随時行う必要がある
場合には、それぞれの方式に適合した携帯電話機を合計
2台所持する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
無線電話機を複数台所持するのは無駄であるので、1台
の無線電話機でアナログ方式とデジタル方式の双方の伝
送方式の送受信が可能なものが提案されている。
【0005】この両方式を兼用させた無線電話機は、基
本的にはデジタルデータの変調回路及び復調回路と、ア
ナログ信号の変調回路及び復調回路とを備え、伝送方式
に応じて何れかの変調回路で変調された変調信号を、各
方式で共通の高周波回路で送信処理して無線送信させる
と共に、各方式で共通の高周波回路で受信処理した信号
を、伝送方式に応じてデジタルデータの復調回路又はア
ナログ信号の復調回路で復調させるものである。
【0006】従って、送信信号を送信チャンネルに周波
数変換するための周波数発生回路は各方式で共用化する
ことが考えられるが、アナログ方式とデジタル方式とで
は、周波数発生回路の動作が異なり、従来の周波数発生
回路をアナログ方式とデジタル方式とに兼用させるのに
は無理があった。
【0007】即ち、例えばTDMA方式と称される時分
割送受信方式の場合には、伝送データが図3に示すスロ
ット構成で伝送される。即ち、送信スロットTの期間
で、端末機から基地局へのデジタルデータの送信を行
い、受信スロットRの期間で、基地局から送信されるデ
ジタルデータの端末機での受信を行い、アイドルスロッ
トIの期間で、現在通信中の基地局の隣接基地局の受信
電界強度を知る。基本的には、この送信スロットT,受
信スロットR,アイドルスロットIが周期的に繰り返し
配置されている。例えば、1スロットが6.7m秒で、
20m秒周期で繰り返し送受信が行われる。
【0008】ここで、送信スロットTでの送信チャンネ
ル(送信周波数)と、受信スロットRでの受信チャンネ
ル(受信周波数)とは、同一である場合がある(異なる
場合もある)が、アイドルスロットIでは、送信周波数
や受信周波数とは異なる周波数を受信する必要がある。
【0009】従って、このようなTDMA方式のデジタ
ル無線電話機の場合には、送信チャンネルや受信チャン
ネルを決める周波数発生回路として、高速で出力周波数
が変化できるものを使用する必要がある。
【0010】これに対し、アナログ方式の場合には、例
えば送信時にはアナログ音声信号を、周波数発生回路が
出力する送信周波数信号でFM変調することが考えられ
るが、周波数発生回路として高速で出力周波数が変化す
るものを使用すると、周波数発生回路に加わるノイズな
どにより発振周波数が不安定になり、変調された音声信
号が歪む等の不都合があった。
【0011】図4は、無線電話機などに使用される周波
数発生回路としての周波数シンセサイザの構成の一例を
示す図で、図中51は電圧制御発振器(VCO)を示
し、この電圧制御発振器51の発振出力が送信チャンネ
ルを決める周波数信号として端子52から後段の回路に
供給されると共に、1/N分周器53に供給され、所定
の分周比で分周される。そして、この分周信号を位相比
較器54に供給し、発振器55が出力する基準周波数信
号と位相比較する。そして、位相比較による誤差信号
を、ループフィルタを構成する抵抗器Raを介して、電
圧制御発振器51の制御信号入力に供給する。ここで、
ループフィルタとしては、抵抗器Raの一端が、コンデ
ンサCaと抵抗器Rbとの直列回路を介して接地されて
構成される。また、アナログ信号を変調するための構成
として、アナログ音声信号を端子56から制御信号に重
畳して電圧制御発振器51に供給するようにしてある。
【0012】この図4に示す周波数シンセサイザにおい
て、その特性を決める上で重要なのはループフィルタで
ある。即ち、T1 =Ra・Ca,T2 =Rb・Caと定
義したとき、ループフィルタの自然角周波数ωn及びダ
ンピングファクタζは、次式で示される。
【0013】
【数1】
【0014】
【数2】
【0015】ここで、この周波数シンセサイザのロック
アップ時間t(即ち周波数を変化させて安定するまでの
時間)は、ループフィルタの自然角周波数ωnの値に反
比例する。従って、高速に周波数を変化させる必要があ
る場合には、自然角周波数ωnが大きな値となるよう
に、ループフィルタを構成する各素子の特性を選定する
必要がある。一方、図4に示す周波数シンセサイザの場
合には、アナログ信号の変調が同時にできるようにして
あるが、端子56に供給されるアナログ音声信号にノイ
ズが重畳される場合には、このノイズがループに影響さ
れないように、自然角周波数ωnを小さな値とする必要
がある。
【0016】このため、周波数シンセサイザとして要求
される特性がアナログ方式の場合とデジタル方式の場合
とで異なり、周波数シンセサイザを両方式で兼用させる
のには特性上無理があり、両方式兼用の無線電話機を構
成させる場合には、従来は例えば周波数シンセサイザを
アナログ方式用とデジタル方式用との2種類用意する必
要があった。
【0017】本発明はかかる点に鑑み、携帯電話機のよ
うな送信回路において、アナログ信号の送信とデジタル
信号の送信とを兼用させた回路を構成させる場合に、両
方式で周波数発生回路を兼用できるようにすることを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、例えば図1に
示すように、送信する変調用デジタルデータである変調
の発生手段5と、この発生手段5が出力する変調波に
より変調する変調手段6I,6Qと、この変調手段6
I,6Qが出力する変調信号を送信する送信処理手段
9,10,11と、変調手段6I,6Qに供給する搬送
波を発生する搬送波発生手段31と、この搬送波発生手
段31の出力波を制御する制御信号を発生させる変調制
御手段32,33と、この変調制御手段32,33が出
力する制御信号によりフィルタリングするループフィル
タ34と、このループフィルタ34が出力する制御信号
にアナログ信号を混合して搬送波発生手段31に供給す
る混合手段35と、変調用デジタルデータである変調波
の発生手段5が出力する変調波による変調手段6I,6
Qでの変調及びアナログ信号の混合手段35での制御信
号への混合を制御する送信制御手段21とを備え、送信
制御手段21の制御で、デジタルデータである変調波
発生手段5が出力する変調波により変調する変調手段6
I,6Qにおける変調と、アナログ信号の混合手段35
での混合とを選択的に行い、デジタルデータである変調
の送信とアナログ信号の送信とが選択的にできるよう
にすると共に、送信制御手段21の制御で、変調手段6
I,6Qでデジタルデータである変調波により変調する
ときと、混合手段35でアナログ信号を混合するときと
で、ループフィルタ34の定数を変化させるようにした
ものである。
【0019】また、この場合に変調手段6I,6Qでデ
ジタルデータを変調するとき、ループフィルタ34の自
然角周波数を大きくし、混合手段35でアナログ信号を
混合するとき、ループフィルタ34の自然角周波数を小
さくするようにしたものである。
【0020】さらに、それぞれの場合に混合手段35で
アナログ信号を混合するとき、搬送波発生手段31が出
力する変調波を変調手段6I,6Qで無変調状態でその
まま出力させて、信号処理手段9,10,11に供給す
るようにしたものである。
【0021】さらに、それぞれの場合に変調手段6I,
6Qでのデジタルデータの変調として、I成分の信号と
Q成分の信号とを、搬送波発生手段31が出力する搬送
により直交変調するようにしたものである。
【0022】
【作用】本発明によると、デジタルデータの変調を行う
際と、アナログ信号を変調波発生手段に供給してアナロ
グ変調を行う際とで、変調波発生手段の制御信号をフィ
ルタリングさせるループフィルタの定数を変化させるこ
とで、デジタルデータの変調時とアナログ信号の変調時
とでそれぞれ適正なフィルタの特性を設定でき、変調波
発生手段の制御が両変調方式で良好に行われ、デジタル
伝送,アナログ伝送いずれの場合でも良好な変調波によ
る良好な送信ができる。
【0023】この場合、デジタルデータを変調すると
き、ループフィルタの自然角周波数を大きくし、アナロ
グ信号を変調するとき、ループフィルタの自然角周波数
を小さくすることで、デジタルデータの変調時には、送
信周波数(即ち変調波の周波数)の変更を高速で行うこ
とができ、アナログ信号の変調時には、搬送波発生手段
の制御ループの外乱信号に対する影響を抑えることがで
きる。
【0024】また、混合手段でアナログ信号を混合して
搬送波発生手段が出力する搬送波がアナログ信号を変調
した信号であるときには、変調手段で無変調状態でその
まま出力させて、送信処理手段に供給することで、アナ
ログ信号の変調が搬送波発生手段側で行われると共に、
この変調信号が良好に送信されるようになる。
【0025】さらに、変調手段でのデジタルデータの変
調として、I成分の信号とQ成分の信号とを、搬送波
生手段が出力する搬送波により直交変調するようにした
ことで、I成分の信号とQ成分の信号とを位相変調で伝
送するデジタル伝送が、良好に行われるようになる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1及び図2を参
照して説明する。
【0027】本例においては、基地局との間で双方向の
デジタルデータによる無線通信が行われる無線電話シス
テムで使用できると共に、基地局との間で双方向のアナ
ログ信号による無線通信が行われる無線電話システムで
使用できるようにした携帯用無線電話装置(端末局)に
適用したもので、この電話装置側でいずれの方式のシス
テムで伝送させるのか選択できるように構成された無線
電話装置である。なお、以下の説明において、デジタル
データの伝送を行う場合をデジタルモードと称し、アナ
ログ信号の伝送を行う場合をアナログモードと称する。
【0028】図1は本例の無線電話装置の送信回路の構
成を示す図で、図1において1はマイクロフォンを示
し、このマイクロフォン1が拾った音声を、音声信号と
してアナログ処理回路2に供給し、増幅などのアナログ
処理を行った後、アナログ/デジタル変換器3に供給
し、所定フォーマットのデジタル音声データに変換す
る。なお、アナログ処理回路2が出力するアナログ音声
信号は、スイッチ23を介して後述する周波数シンセサ
イザ内の混合器35にも供給するようにしてある。
【0029】そして、アナログ/デジタル変換器3で変
換されたデジタルデータを、ベースバンド処理回路4に
供給し、訂正符号の生成・付加や制御データの付加を行
い、伝送用のスロット構成のデータとする。そして、こ
のスロット構成のデータを、Iチャンネル信号及びQチ
ャンネル信号発生回路5に供給し、Iチャンネル信号と
Qチャンネル信号の2チャンネルの信号とする。なお、
この発生回路5でのIチャンネル信号とQチャンネル信
号との生成は、この電話装置の通信制御を行う制御部2
1の制御に基づいて行われ、アナログモード時には、両
チャンネルの信号として“0”データを連続的に出力さ
せるように制御される。
【0030】そして、この発生回路5が出力する2チャ
ンネルの信号を、それぞれ乗算器6I,6Qに供給す
る。このそれぞれの乗算器6I及び6Qは、π/2移相
器8の出力が供給され、各チャンネルの信号と乗算され
る。ここでπ/2移相器8は、電圧制御発振器31の発
振出力(搬送波)をπ/2だけ位相シフトさせる回路と
され、乗算器6IでのIチャンネルの信号の乗算と、乗
算器6QでのQチャンネルの信号の乗算とでは、π/2
だけ位相がずれた発振信号を乗算する。
【0031】そして、各乗算器6I,6QでIチャンネ
ル信号及びQチャンネル信号と変調波とが乗算された信
号を、混合器7で1系統の信号とし、この混合器7の出
力で各チャンネルの信号が直交変調された送信信号を得
る。このようなIチャンネルの信号とQチャンネルの信
号とを直交変調する変調方式は、π/4シフトDQPS
K変調等と称される位相変調である。
【0032】ここで、電圧制御発振器31が搬送波を発
生させる構成について説明すると、電圧制御発振器31
とその周辺回路で搬送波発生用周波数シンセサイザが構
成される。即ち、電圧制御発振器31の発振出力を1/
N分周器32に供給し、制御部21の制御で決まる分周
比で分周する。そして、この分周器32の分周出力を位
相比較器33に供給する。この位相比較器33では、基
準発振器24が出力する基準周波数信号との位相差を検
出し、検出した位相差による誤差信号を出力する。そし
て、この誤差信号をループフィルタ34に供給する。こ
のループフィルタ34は、ローパスフィルタとして誤差
信号を直流化するフィルタで、その特性が制御部21の
制御でアナログモードとデジタルモードの切換えに連動
して切換えられるようにしてある。このループフィルタ
34の構成については後述する。
【0033】そして、このフィルタ34の出力を混合器
35に供給する。この混合器35は、フィルタ34が出
力する制御電圧に、アナログ処理回路2が出力するアナ
ログ音声信号を混合する処理が行われる。この場合、ア
ナログ処理回路2からのアナログ音声信号は、制御部2
1で開閉が制御されるスイッチ23を介して混合器35
に供給される。そして、この混合器35で混合された電
圧信号を、電圧制御発振器31に発振制御電圧として供
給する。なお、スイッチ23の開閉の制御は、アナログ
モードとデジタルモードの切換えに連続して制御され、
アナログモード時だけ接続状態とする制御が行われる。
【0034】このようにして電圧制御発振器31とその
周辺回路でPLL回路(フェーズ・ロックド・ループ回
路)による周波数シンセサイザが構成され、この周波数
シンセサイザが出力する周波数信号を搬送波としてπ/
2移相器8側に供給する。また、図示はしないが、周波
数シンセサイザが出力する周波数信号をローカル信号
して、受信系の復調回路にも同様に供給する。
【0035】そして、この搬送波により各乗算器6I,
6Qで変調されて、混合器7で1系統の信号とされた送
信信号を、乗算器9に供給する。この乗算器9では、電
圧制御発振器41が出力する発振信号を乗算し、所定の
送信チャンネルの信号に周波数変換する。この場合、電
圧制御発振器41は送信チャンネル設定用周波数シンセ
サイザとしてのPLL回路を構成する発振器である。即
ち、電圧制御発振器41の発振出力を1/N分周器42
に供給し、この分周器42の分周出力を位相比較器43
に供給する。そして、この位相比較器43で、基準発振
器24が出力する基準周波数信号との位相差による誤差
信号を出力する。そして、この誤差信号をループフィル
タ44に供給する。このループフィルタ44は、ローパ
スフィルタとして誤差信号を直流化するフィルタで、フ
ィルタ44の出力を電圧制御発振器41に発振制御電圧
として供給する。
【0036】このように構成される周波数シンセサイザ
により発生した周波数信号を乗算器9で送信信号に乗算
することで、送信信号が所定の送信チャンネル(送信周
波数)に周波数変換され、この周波数変換された送信信
号を、バンドパスフィルタ10を介して送信用増幅器1
1に供給されて増幅した後、アンテナ切換器12を介し
てアンテナ13に供給し、アンテナ13から無線送信さ
せる。
【0037】なお、アンテナ切換器12を介して受信回
路(図示せず)も接続され、アンテナ13で受信した信
号が、この切換器12を介して受信回路側に供給されて
受信処理されるようにしてある。
【0038】また、制御部21でのデジタルモード又は
アナログモードのモード設定は、例えば操作キー22の
操作に基づいて設定されるようにしてある(或いは通信
状態の判断などで自動的に適正なモードを設定するよう
にしても良い)。
【0039】次に、変調波発生用周波数シンセサイザを
構成するループフィルタ34の構成について説明する。
図2は、本例のループフィルタ34を示す図で、位相比
較器33から供給される誤差信号を端子34aに供給
し、この端子34aから抵抗器R1 ,R2 の直列回路を
介して端子34bに供給する。そして、抵抗器R1 と並
列にアナログスイッチS1 を接続する。そして、抵抗器
2 と端子34bとの間を、コンデンサC1 と抵抗器R
3 と抵抗器R4 との直列回路を介して接地し、抵抗器R
3 と並列にアナログスイッチS2 を接続する。さらに、
コンデンサC1 と並列にコンデンサC2 とアナログスイ
ッチS3 との直列回路を接続する。
【0040】そして、各アナログスイッチS1 ,S2
3 は、制御部21から供給されるモード制御信号によ
り制御される。この場合、スイッチS3 へはインバータ
34dを介して制御信号が供給されるようにしてあり、
例えばスイッチS1 とスイッチS2 が閉状態とされると
き、スイッチS3 を開状態とされる。
【0041】各モードによるスイッチの制御状態を示す
と、アナログモード時には、スイッチS1 とスイッチS
2 が開状態とされ、スイッチS3 を閉状態とされる制御
が行われる。また、デジタルモード時には、スイッチS
1 とスイッチS2 が閉状態とされ、スイッチS3 を開状
態とされる制御が行われる。
【0042】このようなスイッチの制御が行われること
で、このフィルタの特性を決める定数T1 及びT2 は、
アナログモードとデジタルモードとで以下のように変化
する。
【0043】まず、アナログモードでのフィルタの定数
1 及びT2 は、次式で示される。
【0044】
【数3】T1 =(R1 +R2 )×(C1 +C2 ) T2 =(R3 +R4 )×(C1 +C2
【0045】そして、デジタルモードでのフィルタの定
数T1 ′及びT2 ′は、次式で示される。
【0046】
【数4】T1 ′=R2 ×C12 ′=R4 ×C1
【0047】従って、T1 ′≪T1 となると共にT2
≪T2 となり、上述した〔数1〕式に基づいて自然角周
波数を求めると、デジタルモードでのフィルタの自然角
周波数ωn′とアナログモードでのフィルタの自然角周
波数ωnとを比較すると、次式の関係が得られる。
【0048】
【数5】ωn′≫ωn
【0049】この式より判るように、本例のループフィ
ルタは、デジタルモードで自然角周波数が大きくなり、
アナログモードで自然角周波数が小さくなる。
【0050】次に、このようなループフィルタ34が組
み込まれた図1に示す送信回路の動作を説明する。
【0051】まず、デジタルモードが設定されている場
合の動作について説明すると、このときには、アナログ
処理回路2が出力するアナログ音声信号がアナログ/デ
ジタル変換器3でデジタルデータに変換された後、ベー
スバンド処理回路4でスロット構成のデータとされ、こ
のスロット構成のデータがIチャンネル信号及びQチャ
ンネル信号発生回路5でIチャンネル信号及びQチャン
ネル信号とされる。
【0052】そして、このIチャンネル信号とQチャン
ネル信号とが乗算器6I,6Qで変調波と乗算され、直
流変調される。このとき、この直流変調器を構成する乗
算器6I,6Q側にπ/2移相器8を介して供給される
搬送波は、搬送波発生用周波数シンセサイザを構成する
電圧制御発振器31の出力波である。ここで、この搬送
発生用周波数シンセサイザのループフィルタ34は、
制御部21により上述した状態に制御されるため、デジ
タルモード時には自然角周波数が大きく設定され、1/
N分周器32の分周比の制御で、迅速に搬送波の周波数
が変化するようになる。
【0053】従って、例えば送信スロット,受信スロッ
ト,アイドルスロットなどのスロット期間毎に(即ち短
時間で)、搬送波(又は受信ローカル信号)の周波数を
変化させる必要がある場合でも、対応して変化し、対処
できる。
【0054】そして、この変調波で変調された送信信号
が、乗算器9から増幅器11までの送信回路で送信処理
され、アンテナ13からデジタルデータが無線送信され
る。
【0055】なお、このデジタルモード時には、スイッ
チ23が開状態に制御されるので、アナログ処理回路2
が出力するアナログ音声信号は、搬送波発生用周波数シ
ンセサイザ内の混合器35には供給されず、電圧制御発
振器31に供給される制御電圧としては、ループフィル
タ34の出力だけになる。
【0056】次に、アナログモードが設定されている場
合の動作について説明すると、このときには、スイッチ
23が閉状態に制御され、アナログ処理回路2が出力す
るアナログ音声信号が搬送波発生用周波数シンセサイザ
内の混合器35に供給される。従って、電圧制御発振器
31の制御電圧として、ループフィルタ34の出力に音
声信号が重畳された制御電圧が供給され、電圧制御発振
器31の出力波は変調波が音声信号でFM変調された信
号となる。
【0057】そして、電圧制御発振器31が出力する音
声信号がFM変調された信号が、π/2移相器8を介し
て直交変調器を構成する乗算器6I,6Qに供給され
る。ここでアナログモード時には、Iチャンネル信号及
びQチャンネル信号発生回路5でIチャンネル信号及び
Qチャンネル信号は、それぞれ“0”データが連続する
信号となるので、各乗算器6I,6Qでは無変調状態と
なり、電圧制御発振器31が出力するFM変調された信
号が、そのまま各乗算器6I,6Qから出力されること
になる。従って、電圧制御発振器31でFM変調された
信号が、そのまま乗算器9に供給され、乗算器9から増
幅器11までの送信回路で送信処理され、アンテナ13
からアナログ信号が無線送信される。
【0058】ここで、アナログモード時には変調波発生
用周波数シンセサイザ内のループフィルタ34の特性と
して、自然角周波数が小さく設定され、周波数シンセサ
イザを構成するループがノイズなどの外乱により変調波
が乱れることがなく、良好なFM変調されたアナログ信
号が得られ、良好にアナログ信号が送信処理される。
【0059】このように本例の回路によると、デジタル
データを送信させる場合と、アナログ信号を送信させる
場合のいずれの場合でも、変調波を発生させる周波数シ
ンセサイザを共用化させた上で良好に送信処理される。
従って、デジタル方式とアナログ方式を共用化した通信
装置として、変調波を発生させる周波数シンセサイザを
共用化させることができ、それだけ通信装置としての構
成を簡単にすることができる。
【0060】なお、上述実施例では送信回路での変調波
の発生についてだけ説明したが、受信回路での復調波の
発生にも適用できる。即ち、搬送波発生回路が出力する
搬送波を、受信系の復調回路にローカル信号として供給
すれば良い。この場合にも、アナログモードでの復調と
デジタルモードでの復調が兼用できる構成とすれば、両
方式で良好な復調ができるものである。
【0061】また、上述実施例では搬送波発生回路を構
成する周波数シンセサイザの出力で変調した後、周波数
変換用周波数シンセサイザの出力波で周波数変換する送
信構成としたが、搬送波発生回路を構成する周波数シン
セサイザの出力で直接送信周波数の信号とするようにし
ても良い。
【0062】また、本例のように周波数変換用周波数シ
ンセサイザが変調波発生用周波数シンセサイザと別にあ
る構成の場合には、周波数変換用周波数シンセサイザを
構成するループフィルタ44の定数を、ループフィルタ
34と同様にモードにより切換える構成としても良い。
【0063】また、上述実施例ではDQPSK変調によ
りIチャンネルの信号とQチャンネルの信号とを直交変
調する変調方式の送受信機としたが、他の変調方式の送
信回路(又は受信回路)にも適用できる。
【0064】また、上述実施例では携帯型無線電話装置
に適用したが、デジタル方式の伝送とアナログ方式の伝
送とが切換えられる通信装置であれば、他の用途に使用
される通信装置にも適用できることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、デジタルデータの変調
を行う際と、アナログ信号を搬送波発生手段に供給して
アナログ変調を行う際とで、搬送波発生手段の制御信号
をフィルタリングさせるループフィルタの定数を変化さ
せることで、デジタルデータの変調時とアナログ信号の
変調時とでそれぞれ適正なフィルタの特性を設定でき、
搬送波発生手段の制御が両変調方式で良好に行われ、デ
ジタル伝送,アナログ伝送いずれの場合でも良好な変調
波による良好な送信ができる。従って、デジタル方式に
よる伝送とアナログ方式による伝送との双方が可能な送
信回路を構成させる場合に、搬送波の発生手段とその周
辺の回路を両伝送方式で兼用させることが可能になり、
それだけ送信回路の構成を簡単にすることができる。
【0066】この場合、デジタルデータを変調すると
き、ループフィルタの自然角周波数を大きくし、アナロ
グ信号を変調するとき、ループフィルタの自然角周波数
を小さくすることで、デジタルデータの変調時には、送
信周波数(即ち変調波の周波数)の変更を高速で行うこ
とができ、デジタル伝送で要求されている変調波の高速
性を満たすことができると共に、アナログ信号の変調時
には、変調波発生手段の制御ループの外乱信号に対する
影響を抑えることができ、アナログ変調信号の歪みなど
を抑えることができる。
【0067】また、混合手段でアナログ信号を混合して
変調波発生手段が出力する変調波がアナログ信号を変調
した信号であるときには、変調手段で無変調状態でその
まま出力させて、送信処理手段に供給することで、アナ
ログ信号の変調が変調波発生手段側で行われると共に、
この変調信号が良好に送信されるようになる。
【0068】さらに、変調手段でのデジタルデータの変
調として、I成分の信号とQ成分の信号とを、搬送波
生手段が出力する搬送波により直交変調するようにした
ことで、I成分の信号とQ成分の信号とを位相変調で伝
送するデジタル伝送が、良好に行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による送信回路を示す構成図
である。
【図2】一実施例のループフィルタを示す構成図であ
る。
【図3】デジタル伝送時の伝送データのスロット配置の
一例を示す構成図である。
【図4】従来の周波数シンセサイザの一例を示す構成図
である。
【符号の説明】
5 Iチャンネル信号及びQチャンネル信号発生回路 6I,6Q 乗算器 8 π/2移相器 21 制御部 31 電圧制御発振器 32 1/N分周器 33 位相比較器 34 ループフィルタ 35 混合器 S1 ,S2 ,S3 アナログスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/04 H04B 1/40 H04Q 7/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信する変調用デジタルデータである変
    調波の発生手段と、 該発生手段が出力する変調波により変調する変調手段
    と、 該変調手段が出力する変調信号を送信する送信処理手
    段と、 上記変調手段に供給する搬送波を発生する第1の搬送
    発生手段と、 該搬送波発生手段の出力波を制御する制御信号を発生さ
    せる変調制御手段と、 該変調制御手段が出力する制御信号によりフィルタリン
    グするループフィルタと、 該ループフィルタが出力する制御信号にアナログ信号を
    混合して上記第1の搬送波発生手段に供給する混合手段
    と、 上記変調用デジタルデータである変調波の発生手段が出
    力する変調波による上記変調手段での変調及び上記アナ
    ログ信号の混合手段での制御信号への混合を制御する送
    信制御手段とを備え、 上記送信制御手段の制御で、上記デジタルデータである
    変調波の発生手段が出力する変調波により変調する上記
    変調手段における変調と、アナログ信号の上記混合手段
    での混合とを選択的に行い、デジタルデータである変調
    の送信とアナログ信号の送信とが選択的にできるよう
    にすると共に、 上記送信制御手段の制御で、上記変調手段でデジタルデ
    ータである変調波により変調するときと、上記混合手段
    でアナログ信号を混合するときとで、上記ループフィル
    タの定数を変化させるようにした送信回路。
  2. 【請求項2】 上記変調手段でデジタルデータである変
    調波により変調するとき、上記ループフィルタの自然角
    周波数を大きくし、上記混合手段でアナログ信号を混合
    するとき、上記ループフィルタの自然角周波数を小さく
    するようにした請求項1記載の送信回路。
  3. 【請求項3】 上記混合手段でアナログ信号を混合する
    とき、上記第1の搬送波発生手段が出力する無変調搬送
    波をそのまま出力させて、上記送信処理手段に供給する
    ようにした請求項1又は請求項2記載の送信回路。
  4. 【請求項4】 上記変調手段において、I成分の信号と
    Q成分の信号とから成るデジタルデータである変調波に
    より第2の搬送波発生手段が出力する搬送波を直交変
    調するようにした請求項1〜3のいずれか1項記載の送
    信回路。
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