JP3460199B2 - 放射線センサ等の直流高電圧供給システム - Google Patents

放射線センサ等の直流高電圧供給システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線あるいは中性子
を測定する装置の放射線センサあるいは中性子センサに
直流電圧を供給システムに関する。
【0002】例えば、原子力分野において、放射線セン
サに直流電圧を供給して、当該放射線センサが出力する
微小のパルス信号を前置増幅器で増幅し、放射線信号パ
ルスと雑音を弁別すると共に、信号パルスの数を計数す
ることにより放射線の強さを計測する方法が用いられて
いる。また、商業用原子力発電炉や研究用原子力炉を運
転制御するため原子炉出力の測定が必要であるが、これ
には、放射線センサの一種である中性子センサ(核分裂
計数管電離箱、等)を原子炉内またはその近傍に設置し
て、中性子センサに直流電圧を供給し、当該中性子セン
サからの信号パルスを計数するか、もしくは、極めて多
数のパルスの重なりによって生じる信号のゆらぎの実効
電力を計測することにより行う方法が用いられている。
【0003】本発明は、詳細には、かかる分野に対して
好適である前置増幅器付きの放射線あるいは中性子測定
装置の放射線センサあるいは中性子センサに直流電圧を
供給するシステムに関する。
【0004】
【従来の技術】図13は、従来の直流電圧供給システム
120を一体的に含む前置増幅器101を信号伝送同軸
ケーブル111を介してガス電離型放射線センサ112
に接続した例を示す図である。放射線センサ112に放
射線が入射するとセンサ内の電離ガスが電離され、多数
のイオンと電子が発生する。これらのイオンと電子がセ
ンサ電極間に印加されている高電圧によってそれぞれの
電極に収集される過程でセンサの電極に電流パルスが誘
起される。この電流パルスを前置増幅器101で増幅し
た後、図示されていないパルス整形増幅器、波高弁別器
を介してパルス計数回路で信号パルスの数を計数するこ
とにより入射した放射線の数を知ることができる。
【0005】前置増幅器101は、信号入力部102、
カップリングコンデンサ103、パルス増幅部108、
信号出力部109、パルス増幅部108に含まれるパル
ス増幅部入力インピーダンス要素104、及び同じくパ
ルス増幅部108に含まれる抵抗とコンデンサからなる
パルス増幅部高周波遮断時定数回路110と、直流電圧
供給システム120とから構成されている。直流電圧供
給システム120は、直流高電圧電源(図示せず)に接
続される高圧電源接続用端子105と、一端を当該高圧
電源接続用端子105に接続され他端を信号入力部10
2とカップリングコンデンサ103の一方の端子との接
続点に接続されたセンサ高圧電源用負荷抵抗106とか
ら構成されている。なお、高周波遮断時定数回路110
の時定数をRf・Cfとすると、パルス増幅部108の高
域遮断周波数fは1/2πRffである。
【0006】従来型の直流電圧供給システム120で
は、高圧電源(図示せず)から高圧電源接続用端子10
5及びセンサ高圧電源用負荷抵抗106を介して放射線
センサ112のセンサ電極間に高電圧を印加する。この
負荷抵抗106は、放射線センサ112の電極に誘起さ
れるパルス状の信号が高圧電源に流れるのを阻止し、パ
ルス信号電流を前置増幅器101のパルス増幅部108
の入力側に流入させるための役割をもっている。カップ
リングコンデンサ103は高圧電源の直流電圧がパルス
増幅部108にかからないようにし、且つ電流パルス信
号のみが入力するようにするための役割をもっている。
【0007】図13に示されるガス電離型放射線センサ
112、信号伝送同軸ケーブル111、及び従来型の直
流電圧供給システム120を含む前置増幅器101まで
の作動原理を説明する。ガス電離型放射線センサ112
の作動原理は、センサ電極間に高圧電源により直流の高
電圧(センサ用高圧)を印加しておき、電極間に放射線
が入射した時に放射線自身の電離作用によるか、また
は、放射線がセンサ内の反応物質と作用して発生された
粒子の電離作用によって、センサ内の電離ガスを電離
し、これによって生じた電子及び陽イオンが電極に電荷
を誘導し電流を発生させることを用いている。放射線の
数が少ない領域では、信号の直流電流成分が無視できる
ほど小さく、電流パルス信号は信号伝送同軸ケーブル1
11、カップリングコンデンサ103及びパルス増幅部
入力インピーダンス要素104を通してパルス増幅部1
08に流入する。放射線センサ112から出力される電
流パルスは、パルス幅が数ナノ秒(〜10-9秒)から数
マイクロ秒(〜10-6秒)で極めて高速の電流パルスで
あること、更に、その波高が1〜数マイクロアンペア
(〜10-6A)程度で極めて小さいため、前置増幅器1
01によって増幅及び電流電圧変換される。前置増幅器
の出力部109から出力された電圧パルスは、図示され
ていない主増幅器によってもう一度増幅されるとともに
パルス整形された上で計測される。また、放射線センサ
112から出力される信号パルスは極めて高速及び微小
であるため、同軸ケーブル111を用いてセンサから前
置増幅器101まで伝送されるが、信号パルスの減衰や
反射をできる限り小さくする必要があり、信号伝送経路
及び前置増幅器のインピーダンスを整合させることが重
要である。
【0008】放射線センサを用いた計測で特徴的なこと
は、信号の計測範囲が極めて広いことであり、これが一
般の計測系と異なる点である。例えば、原子炉の出力制
御に用いられる計測系では、10桁の原子炉出力変化を
一本の放射線センサで計測する計測回路もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図13に示すように、
放射線センサ112に高い直流電圧を供給するための従
来の直流電圧供給システム120では、放射線センサ1
12と高圧電源105の間に必要な高圧電源用負荷とし
て例えば5×104Ωの高電気抵抗RLを有する抵抗10
6を用い、放射線センサ112からの高速電流パルス信
号が高圧電源105に流れ込むのを阻止し、電流パルス
が、カップリングコンデンサ103を通して、放射線セ
ンサ112の信号増幅用として用いられている前置増幅
器101のパルス増幅部108に流入するような構造と
していた。このように、センサ高圧電源用負荷として高
抵抗106を用いた電子回路では、センサの信号パルス
数が多くなり、電流パルス信号の重畳により直流電流が
流れるようになると高抵抗によって電圧降下が生じ、結
果的にセンサ電極にかかる直流電圧が低下することにな
った。
【0010】また、高い温度環境で使用される放射線セ
ンサでは、センサに用いられている絶縁体及び耐熱型信
号伝送用同軸ケーブルの絶縁抵抗が低下するため、漏れ
電流が増加する。漏れ電流が高圧電源用負荷の高抵抗を
通して流れることによっても、センサ電極間電圧が低下
する。
【0011】なお、図13に示されるILは高圧電源か
ら供給されセンサ高圧電源用負荷抵抗106を介して流
れる全直流電流を、ICは信号伝送同軸ケーブル111
の絶縁抵抗の低下による漏れ電流を、Idは放射線セン
サ112の絶縁体の絶縁抵抗の低下による漏れ電流を、
sは信号の直流成分をそれぞれ示す。また、rCは信号
伝送同軸ケーブル111の分布絶縁抵抗を、RCは当該
分布絶縁抵抗を集中定数で表した等価抵抗を、Rdは放
射線センサ112の絶縁体の絶縁抵抗をそれぞれ示す。
【0012】上述のようにセンサ電極間電圧が低下する
と、センサから出力される電流パルス信号が小さくなっ
て測定する放射線々量とセンサ出力との比例性が失わ
れ、計測範囲が大幅に制限されるなど放射線センサの性
能が低下する。また、直流電流によるセンサ電極間電圧
の降下が大きい場合には信号パルスの計測が不可能にな
る。従来の直流電圧供給システムでは上記のような問題
点を有していた。
【0013】本発明の目的は、上記の問題点を克服して
放射線センサあるいは中性子センサの感度に悪影響を及
ぼさない直流電圧供給システムを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、直流高電圧を供給されて動作するタイプの放射線セ
ンサあるいは中性子センサと、前記センサに結合され前
記センサからの信号を増幅する増幅部とを含む放射線あ
るいは中性子の測定装置に用いられ、直流高電圧電源か
ら前記センサに直流高電圧を供給する本発明の直流高電
圧供給システムは、前記直流高電圧電源と前記センサと
の間に接続されたチョーク手段を備えることを特徴とす
る。
【0015】
【作用】上記のように構成された本発明の直流高電圧供
給システムにおいて、直流高電圧電源からの高電圧がチ
ョーク手段を介して放射線センサあるいは中性子センサ
に供給されることになる。チョーク手段は実質的に抵抗
分がないので、直流高電圧供給システムにおいて、電圧
降下が発生することがない。また、センサから生じる信
号の交流成分が占める周波数帯域においてチョーク手段
のインピーダンスを前置増幅器の入力インピーダンスよ
り十分大きく取れ、それにより当該信号が直流高電圧供
給システムへ分流することがない。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。
【0017】図1は、本発明による一実施例の直流高電
圧供給システム20を一体的に含む前置増幅器1の回路
構成を示す。図1においては、前置増幅器1は放射線セ
ンサ112に信号伝送同軸ケーブル111を介して接続
された状態で示されている。なお、図1に示される構成
要素で図13の参照番号と同一のものは図13に示され
る同一又は類似のものを示し、説明を繰り返さない。本
実施例においては、前置増幅器1は、前述のように直流
高電圧供給システム20を一体的に含み、かつ、信号入
力部2、カップリングコンデンサ3、パルス増幅部8、
及び信号出力部9とから構成されている。なお、カップ
リングコンデンサ3は高圧電源の直流電圧がパルス増幅
部8にかからないようにし、且つ電流パルス信号のみが
入力するようにするための役割をもっている。
【0018】前置増幅器1の信号入力部2の一方の端子
は接地され、他方の端子は信号伝送同軸ケーブル111
の芯線側に接続され、かつカップリングコンデンサ3を
介してパルス増幅部8の入力に接続されている。
【0019】本発明による直流高電圧供給システム20
は、直流高圧電源接続用端子5、センサ高圧電源用負荷
チョーク6、及び小抵抗7a及び7bとから構成されて
いる。直流高圧電源接続用端子5は図示されてない直流
高圧電源と接続されている。小抵抗7a、センサ高圧電
源用負荷チョーク6、及び小抵抗7bとがこの順で直列
に直流高圧電源接続用端子5と、前置増幅器1の信号入
力部2の上記他方の端子とカップリングコンデンサ3と
の接続点との間で接続されている。小抵抗7aの両端
は、後述する直流電流方式による計測の場合に直流信号
計測用端子11と引き出しラインを介して接続され得
る。
【0020】パルス増幅部8は、パルス増幅部入力イン
ピーダンス要素4、差動演算増幅器12、及びパルス増
幅部高周波遮断時定数回路10とから構成されている。
差動演算増幅器12の+入力は接地され、その−入力は
パルス増幅部入力インピーダンス要素4を介してカップ
リングコンデンサ3に接続され、その出力は信号出力部
9に接続されている。パルス増幅部高周波遮断時定数回
路10は並列接続された抵抗RfとコンデンサCfとから
なり、差動演算増幅器12の出力と−入力との間に接続
されている。
【0021】従来型ではセンサ高圧電源用負荷として高
抵抗素子を用いていたが、本発明の直流高電圧供給シス
テムでは、センサ高圧電源用負荷として、チョーク(ま
たはコイル)を用いるか、あるいは、チョークに少なく
とも一個以上の小さな電気抵抗を直列に接続した回路構
成としていることに特徴を有する。かかる回路構成で
は、チョークが高周波成分で構成される信号パルスに対
して大きな負荷となることを利用し、電流パルス信号が
高圧電源方向には流れず、全電流がカップリングコンデ
ンサ3及びパルス増幅部入力インピーダンス要素4を通
してパルス増幅部8に流入する原理を用いている。一
方、放射線センサ112において誘起された電流パルス
信号の直流電流成分はチョーク抵抗分及び直列抵抗から
なる小さな抵抗を通して高圧電源に流入する。
【0022】図1に示される実施例においては、チョー
ク(またはコイル)をセンサ高圧電源用負荷チョーク6
により、またチョークに直列接続された少なくとも一個
以上の小さな電気抵抗を2つの小抵抗7a及び7bによ
り構成している。
【0023】なお、パルス増幅部8の低域遮断周波数は
充分低いように構成する。そのように構成されている場
合には、センサ高圧電源用負荷チョーク6のインダクタ
ンスL及びセンサ高圧電源用負荷チョーク6に含まれる
チョーク抵抗分rLそれに直列接続された小抵抗7aの
抵抗値ra及び小抵抗7bの抵抗値rbとの和の抵抗値r
Tとカップリングコンデンサ3のキャパシタンスCi及び
パルス増幅部入力インピーダンス要素4の抵抗値Ri
の組み合わせにより、増幅される信号の低域遮断周波数
が決定される。また、増幅される信号の高域遮断周波数
はパルス増幅部8の高周波遮断時定数回路10で決定さ
れる。即ち、高周波遮断時定数回路10の抵抗の値をR
f、コンデンサのキャパシタンスをCfとすると、パルス
増幅部8の高域遮断周波数fは1/2πRffである。
【0024】高圧電源用負荷にチョークを用いた場合、
チョーク6とカップリングコンデンサ3の共振により、
前置増幅器1の周波数特性(周波数に対する増幅率の変
化を表した特性)に共振ピークを生じることが予想され
る。共振ピークは周波数により増幅率の大幅な変動を生
じさせるため、パルス信号増幅には障害となる。しか
し、本発明では、チョークのインダクタンスLとカップ
リングコンデンサのキャパシタンスCiの組み合わせを
適切に選定することで共振ピークを生じないようにして
いる。
【0025】また、前置増幅器1の信号入力部2におけ
る入力インピーダンスZinを信号伝送同軸ケーブル11
1の特性インピーダンスZc と整合させることは、パル
スの反射を防ぐことからも重要である。高圧電源用負荷
にチョークを用いた場合、前置増幅器1の信号入力部2
から見た入力インピーダンスZinは、入力信号の周波数
の変化によって変動することが予想される。
【0026】しかし、本発明においては、直流高電圧供
給システム20のインダクタンスLと前置増幅器1のカ
ップリングコンデンサ3のキャパシタンスCiを適切に
設計することにより、前置増幅器1の信号入力部2にお
ける信号伝送同軸ケーブル111側から見た入力インピ
ーダンス、即ち、直流高電圧供給システム20を含めた
前置増幅器1の入力インピーダンスZinを必要な全周波
数帯域において一定になるようにしてある。
【0027】以下に、チョーク6のインダクタンスL、
カップリングコンデンサ3のキャパシタンスCi及び入
力インピーダンスZinを決定するために用いる計算式を
示す。
【0028】パルス増幅部8の入力インピーダンス要素
4の抵抗値をRiとすると、差動演算増幅器12の−入
力の入力インピーダンスは極めて小さいので、パルス増
幅部8の入力インピーダンスは実質的にRiであるとい
える。
【0029】低域遮断周波数をfL[Hz]に設定し、
チョークの直流抵抗分rLとチョークに直列接続された
小抵抗7a及び7bのそれぞれの抵抗ra及びrbとの和
をrT、及びパルス増幅部8の入力インピーダンスをRi
とすると、チョーク6に必要なインダクタンスL[H]
は次式で与えられる。
【0030】
【数1】 前置増幅器に必要な全周波数帯域において、入力電流信
号が共振によって変動しないようなカップリングコンデ
ンサ3のキャパシタンスCi[F]は次式で与えられ
る。
【0031】
【数2】 チョーク6のインダクタンスL及びカップリングコンデ
ンサ3のキャパシタンスCiが決定されると、前置増幅
器1の入力インピーダンスZinは次式で与えられる。
【0032】
【数3】 ただし、上式のXL及びXCは下式で表されるリアクタン
スである。ただしfは信号周波数である。
【0033】
【数4】XL=2πfL (4)
【数5】Xc=1/2πfCi (5) チョークのインダクタンスL及びカップリングコンデン
サのキャパシタンスCiは上記に示した計算式(1)及
び(2)で与えられるが、それには先ず、前置増幅器入
力に必要な低域遮断周波数を決める必要がある。本発明
の直流高電圧供給システムを含む前置増幅器では、放射
線センサ112からの信号が有する周波数成分の下限周
波数を充分カバーする周波数、即ち前置増幅器入力の低
域遮断周波数を信号下限周波数(信号大きさが3dB下
がった周波数)の1/50〜1/500となるように決
定する。
【0034】例として、実際の電流パルス型、AC型及
び広領域型前置増幅器について、それぞれのチョークの
インダクタンスL、カップリングコンデンサのキャパシ
タンスCi及び入力インピーダンスZinを求めてみる。
【0035】なお、上記それぞれの型の前置増幅器のパ
ルス計数率(単位:カウント/秒)に換算した計測範囲
はそれぞれ、電流パルス型では1〜106、AC型(キ
ャンベル系)では105〜1010、広領域型(電流パル
ス型とキャンベル系との結合タイプ)では1〜1010
あり、後述する直流電流方式では107〜1012であ
る。
【0036】信号伝送同軸ケーブル111の特性インピ
ーダンスを50Ωとし、それに対応してRiも50Ωと
し、また、rTを後述するように50Ωにする。
【0037】放射線センサからの電流パルスのみを計測
する電流パルス型前置増幅器に必要な低域遮断周波数は
5kHz程度である。この場合、Ri=50Ω、rT=5
0Ω、fL=5kHzを式(1)に入れてセンサ高圧電
源用負荷チョーク6のインダクタンスを求めると1.6
×10-3Hとなる。次に、これらの値を式(2)に入れ
てカップリングコンデンサ3のキャパシタンスを求める
と6.5×10-7Fとなる。
【0038】電流パルス波形は立ち上がり時間が10×
10-9秒、立ち下がり時間が100×10-9〜250×
10-9秒程度の鋸波である。これを周波数帯域に換算す
ると、おおよそ1.4×106〜3.5×107Hz程度
になる。
【0039】交流信号の分岐比は、放射線センサ112
からの全交流信号電流をIS、前置増幅器1のパルス増
幅部8に入力する交流信号電流をIiとすると次式で表
される。
【0040】
【数6】 式(6)に、Ri=50Ω、rT=50Ω、L=1.6×
10-3H、Ci=6.5×10-7Fを、そして、周波数
fには上記周波数帯域のうちで最も条件の悪くなる低周
波数1.4×106Hzを代入してIS/Iiを求める
と、 IS/Ii=0.999993≒1.0 となる。
【0041】上記の計算結果から明らかなように放射線
センサ112からの交流信号はほぼ100%前置増幅器
1のパルス増幅部8に入力され、直流高電圧供給システ
ム20には分岐しないことが分かる。即ち、電流信号パ
ルスに対する充分大きな分岐比が得られる。
【0042】また、センサ高圧電源用負荷チョーク6の
インダクタンスL及びカップリングコンデンサ3のキャ
パシタンスCiをそれぞれ1.6×10-3H及び6.5
×10-7Fにすることにより、共振周波数での信号の変
動をほぼなくすことができる。そして、入力インピーダ
ンスZinはRi[Ω]一定となり、この場合は50[Ω]
となる。
【0043】放射線センサの出力パルス数が多くなり、
重畳した出力信号のゆらぎの実効値から放射線量を計測
するような領域で用いられるAC型前置増幅器では、そ
の低域遮断周波数は170Hz程度必要となる。これは
次の理由による。
【0044】ゆらぎ信号計測では、信号パルス(立ち下
がり時間が100×10-9秒程度の場合)が有する周波
数成分0〜5×106Hzのうち、バンドパスフィルタ
を使って、低周波仕様のものは10〜30kHz、比較
的高周波仕様のものは100〜300kHzの範囲の信
号成分を取り出して使用している。バンドパスフィルタ
は通常前置増幅器1の後段に設けられている。
【0045】前置増幅器1の周波数帯域は、後段に設け
られるバンドパスフィルタの帯域を十分カバーすること
が要求される。このため、前置増幅器1の低域遮断周波
数をバンドパスフィルタの低域遮断周波数のおおよそ1
/50に設定した。バンドパスフィルタのうち、低周波
仕様のものの低域遮断周波数は10kHzであるから、
前置増幅器1の低域遮断周波数の下限は200Hzであ
れば条件を満たすことになるが、余裕をとって170H
zとした。
【0046】電流パルス型の場合と同様にして、Ri
50Ω、rT=50Ω、fL=170Hzを式(1)に入
れてセンサ高圧電源用負荷チョーク6のインダクタンス
を求めると0.047Hとなる。次に、これらの値を式
(2)に入れてカップリングコンデンサ3のキャパシタ
ンスCiを求めると18×10-6Fとなる。
【0047】式(6)に、Ri=50Ω、rT=50Ω、
L=0.047H、Ci=18×10-6Fを、そして、
周波数fには上記周波数帯域のうちで最も条件の悪くな
る低周波数10kHzを代入してIS/Iiを求めると、 IS/Ii=0.99987≒1.0 となる。
【0048】上記の計算結果から明らかなように放射線
センサ112からの交流信号はほぼ100%前置増幅器
1のパルス増幅部8に入力され、直流高電圧供給システ
ム20には分岐しないことが分かる。即ち、電流信号パ
ルスに対する充分大きな分岐比が得られる。
【0049】また、センサ高圧電源用負荷チョーク6の
インダクタンスL及びカップリングコンデンサ3のキャ
パシタンスCiをそれぞれ0.047H及び18×10
-6Fにすることにより、共振周波数での信号の変動をほ
ぼなくすことができる。そして、入力インピーダンスZ
inはRi[Ω]一定となり、この場合は50[Ω]とな
る。
【0050】広領域型前置増幅器では、電流パルスから
ゆらぎ信号までの増幅を必要とするから、低域遮断周波
数はゆらぎ信号の低い方の周波数で決まる。従って、低
域遮断周波数を170Hz程度とすると、インダクタン
スが0.047Hのチョーク6を用いればよい。カップ
リングコンデンサ3のキャパシタンスCiは18×10
-6Fとなる。
【0051】ここで、rTの取り得る範囲について考察
する。L及びCiを決定する式(1)及び(5)から明
らかなように、rTがゼロ(実際にはチョーク自体の抵
抗があるためゼロにはならない。)であっても、L及び
iを適切に選べば、所望の性能は満足させ得る。
【0052】AC型あるいは広領域型前置増幅器の場合
の諸元Ri=50Ω、L=0.047H、Ci=18×1
-6Fにおいて、式(6)を用いて、rTが0、10、
20、50及び100Ωの場合の周波数特性を計算した
結果を図2に示す。
【0053】図2に示される計算結果から分かるよう
に、rTが0Ωの時は共振によるピークが生じる。さら
に、rTが10及び20Ωでは若干減衰が小さく、10
0Ωでは少し大きすぎる。50Ωでは高周波遮断周波数
における減衰カーブに近いカーブが得られる。
【0054】上記の結果では50Ωが最善であるが、C
iを例えば10倍大きい180×10-6F程度まで大き
くすればrT=0でもrT=50Ωの時と同等のカーブ
が、図3に示されるように得られる。このようにrT
適当な値にすることにより、Ciを小さくすることが可
能である。
【0055】従って、rTは、測定範囲、L及びCiの大
きさとの兼ね合いを考慮し、0ΩからrTによる電圧降
下が測定誤差とならない範囲の値を取り得る。
【0056】ここで、本発明による直流高電圧供給シス
テムを含む図1に示される前置増幅器1を核分裂計数管
電離箱のための広領域型前置増幅器に適用した場合の具
体的諸元の例を示す。高圧電源用負荷としてのチョーク
6のインダクタンスLを0.047H、チョーク6に直
列に接続された全抵抗rT(前述のようにチョーク6の
抵抗分を含む)を50Ω、カップリングコンデンサ3の
キャパシタンスCiを18μF、パルス増幅部の入力イ
ンピーダンスZinを50Ωとした。
【0057】次に、本発明の直流高電圧供給システムを
用いることにより放射線センサの大信号電流における計
測誤差が改善されることを示す。
【0058】核分裂計数管電離箱のようなガス電離型放
射線センサでは、その電極に直流の高電圧を印加し、一
定に保持することが要求される。もし、核分裂計数管電
離箱の出力電流の増加に伴ってセンサ電極間電圧が低下
すると、核分裂計数管電離箱の出力電流パルスの波高が
低下し、計測する放射線々量と核分裂計数管電離箱出力
の比例性が失われ、計測誤差を生じる。核分裂計数管電
離箱の出力電流が増加した時に生じる計測誤差を、本発
明の直流高電圧供給システムと従来のものを用いた場合
で比較した。
【0059】初めに比較の方法について説明する。放射
線センサが放射線を検出するに必要な直流印加電圧、即
ち放射線センサの電極間にかかる直流印加電圧Vdは、
信号パルス数が多くなりパルスの重なりによって直流電
流が流れるようになると、従来の直流高電圧供給システ
ム120(図13参照)ではRL、本発明による直流高
電圧供給システム20ではrT(=ra+rb+rL)によ
って電圧降下が生じるため、低下する。無信号における
放射線センサの電極間電圧をVd0とし、信号電流の直流
分をisDとする。従来及び本発明の直流高電圧供給シス
テムにより直流電圧を印加した場合の電極間電圧をそれ
ぞれVdR及びVdCとすると、それぞれ式(7)及び式
(8)で表される。但し、この場合では漏洩電流は無視
できるほど小さいとした。
【0060】従来の直流高電圧供給システムの場合
【数7】 VdR=Vd0−RL・isD (7) 本発明の直流高電圧供給システムの場合
【数8】 VdC=Vd0−rT・isD (8) 上記の式(7)及び(8)が示すように、直流信号電流
が増加するに従い、放射線センサの電極間電圧Vdは低
下することが理解される。Vdの低下により計測誤差が
以下のようにして生じる。
【0061】図4は、放射線センサ(この場合、核分裂
計数管、放射線電離箱あるいは比例計数管)の印加電圧
に対する出力電流特性(一般にプラトー特性と呼ばれ
る。)を示す。図4において、実線の丸で囲った領域は
プラトー領域と呼ばれ、放射線の数と放射線センサから
の出力電流、即ち出力信号が比例する領域で、実際にこ
の領域が使われる。C1、C2、C3の順に放射線の数
が多くなったことを示す。点線の丸で囲った領域は電極
間電圧が高くなるに従って出力電流が増加する領域で、
不飽和領域と呼ばれ、誤差が生じるため放射線の検出に
は適さない領域である。
【0062】放射線センサの直流信号電流が増加するに
伴い、放射線センサの電極間電圧が低下すると、放射線
センサの作動が図4で示すプラトー領域から不飽和領域
にずれ、出力信号が低下するため誤差が生じることにな
る。即ち、計測誤差は電極間電圧の低下によりプラトー
領域の信号値がどの程度減少したかを調べることにより
評価できる。
【0063】誤差評価のためのプラトー特性には、実際
に核分裂計数管を原子炉内で試験した結果を用いた。図
5は、揺らぎ信号計測の時のプラトー特性を示す。信号
計測領域における信号出力は放射線センサの電極間電圧
の定格値150Vにおける値を1.0に正規化して示し
た。図5において、「・」印が測定データで、曲線はフ
ィッティングにより得られた曲線である。フィッティン
グにより得られた式を以下に示す。
【0064】
【数9】 但し、k0=1.19684、k1=−1.4020
5、k2=−52.1965、k3=144.5であ
る。
【0065】放射線センサとしての核分裂計数管のプラ
トー特性として式(9)を用いた。Sが出力信号の減少
割合を、Vdが放射線センサの電極間電圧を表してい
る。
【0066】この式(9)を用いて、従来及び本発明の
直流高電圧供給システムを用いた場合のそれぞれの計測
誤差ErR及びErC[%]は次式で表される。
【0067】従来の直流高電圧供給システムの場合
【数10】 本発明の直流高電圧供給システムの場合
【数11】 図6は、上記の計測誤差を用いて、本発明の直流高電圧
供給システムと前置増幅器との組合せが従来の直流高電
圧供給システムと前置増幅器との組合せよりも計測範囲
を大幅に拡大できることを示した図である。図6は、本
発明の直流高電圧供給システムと組合された前置増幅器
を核分裂計数管電離箱のゆらぎ信号から中性子束を計測
(二乗平均モードあるいはキャンベルモードと言う)す
るための信号増幅に用いた場合と、従来の直流高電圧供
給システムと組合された前置増幅器を用いた場合の計測
誤差を比較したものである。計測誤差は信号電流の増加
に伴ってどのように変化するかで比較した。比較のため
の諸元は、本発明、従来とも信号伝送同軸ケーブルの特
性インピーダンスが50Ω、カップリングコンデンサの
iは同一の18μF、及びパルス増幅部は同一の特
性、即ち、Ri=50Ω、同一のRf及びCfとし、本発
明においては全抵抗rTを50Ω、Lを47mHとし、
従来のものにおいてはRLを50kΩとした。曲線が
本発明の直流高電圧供給システムを組合せた前置増幅器
を用いた場合の計測誤差を示したものである。曲線が
従来の直流高電圧供給システムを組合せた前置増幅器を
用いた場合の結果である。曲線から、信号電流が2×
10-2[A]程度までほとんど計測誤差がないことを示
している。従って、本発明の直流高電圧供給システムを
用いることにより、センサ信号に大きい直流電流成分が
含まれる領域における入出力直線性を大幅に拡大もしく
は改善が可能になる。
【0068】従来の直流高電圧供給システムを用いた場
合には、曲線からわかるように、2×10-5[A]程
度から計測誤差が増加し始め、1×10-3[A]では、
おおよそ30%の計測誤差が生じることを示しており、
1×10-3[A]の電流レベルでは実用に供しえないこ
とがわかる。以上のことから、本発明の直流高電圧供給
システムを用いることによって、従来のものよりも10
00倍以上、計測範囲を大きくできることがわかる。
【0069】また、図1に示される実施例においては、
小抵抗として2本の抵抗素子(7a及び7b)を用い、
1つの抵抗、例えば小抵抗7aの両端に生じる直流電圧
を当該両端に接続された直流信号計測用端子11に電圧
計を接続して計測することにより、放射線センサの直流
電流領域での計測をも可能にした。この結果、パルス計
測、ゆらぎ信号計測に加え直流電流計測と3方式の計測
方法をつなぐことによって極めて広い計測範囲の有する
放射線計測システムの実現を可能にした。
【0070】絶縁抵抗が低い放射線センサにおける計測
誤差の改善について以下に説明する。
【0071】核分裂計数管電離箱では高温ガス炉のよう
な800℃以上の高温の原子炉内で用いられるものもあ
る。このような放射線センサでは、高温によりセンサ内
絶縁体及び信号伝送同軸ケーブル内絶縁物の電気抵抗が
低下するため、図1に示されるように信号ラインに漏れ
電流Id及びICが流れる。この漏れ電流によりセンサ電
極間電圧が低下し、計測誤差を生じる。また、図1に示
されるように直流信号電流isDから放射線々量を計測す
る方式では、漏れ電流Id及びICが直流信号電流isD
加算されるため大きな計測誤差となる。
【0072】信号の直流成分をisD、放射線センサの絶
縁体の絶縁抵抗Rdを介しての漏洩電流をId、信号伝送
同軸ケーブルの絶縁抵抗RCを介しての漏洩電流をIC
すると、従来の直流高電圧供給システムのセンサ高圧電
源用負荷抵抗106のRL及び本発明の直流高電圧供給
システムの直列の全抵抗rTに流れる直流電流は、
sD、Id及びICを合計したILになる。従って、放射
線センサの電極間電圧はそれぞれの場合下式で表され
る。
【0073】従来の直流高電圧供給システムの場合
【数12】 VdR=Vd0−RL(isD+Id+IC)=Vd0−RL・IL (12) 本発明の直流高電圧供給システムの場合
【数13】 VdC=Vd0−rT(isD+Id+IC)=Vd0−rT・IL (13) 計測誤差を表す式は、先に説明した式(10)及び式
(11)における直流電流isDがILに変わるだけであ
るから、それぞれの場合、下式のようになる。
【0074】従来の直流高電圧供給システムの場合
【数14】 本発明の直流高電圧供給システムの場合
【数15】 図7は、上記の計測誤差による比較を示し、高温環境下
で作動させる核分裂計数管電離箱のように絶縁抵抗が低
い放射線センサの直流高電圧供給システムとして、本発
明のものを用いた場合に、従来のものよりも計測範囲を
大幅に拡大できることを示した図である。本図は絶縁抵
抗の低下に伴って計測誤差がどのように変化するかを比
較したものである。横軸は絶縁体の抵抗値の逆数で目盛
られている。曲線は本発明の直流高電圧供給システム
を用いた場合のゆらぎ計測方式による計測誤差を、曲線
は従来のものを用いた場合のゆらぎ計測方式による計
測誤差を示したものである。曲線は以下に簡単に説明
する従来のDCチャンバの直流電流信号から放射線々量
を計測する方式における計測誤差を示したものである。
【0075】中性子の検出方式として、高温(600〜
800°C)原子炉内の高い中性子束を測定するには、
中性子センサとしての核分裂計数管の出力のゆらぎ信号
(交流信号)を計測する方法と、中性子センサとしての
核分裂電離箱(DCチャンバ)の直流電流信号を計測す
る方法とがある。DCチャンバでは直流信号を直接計測
するため、電流計測器はグラウンドから浮かせて使用さ
れる例が多い。従って、DC直接計測の高圧電源には負
荷用抵抗はない。かかるDCチャンバ方式による計測に
おける計測誤差ErDC[%]は次式により表される。
【0076】
【数16】 ここで、Ifuはフルパワーにおける電流値を、Ileは絶
縁物の漏洩電流を、Vaはセンサ高圧電圧を、Rins
高温における絶縁物の抵抗を示す。
【0077】図7において、曲線から、本発明の直流
高電圧供給システム用いた場合の計測誤差は、5×10
3Ω(2×10-4Ω-1)位までは、ほとんどないことがわ
かる。曲線から、従来の直流高電圧供給システムを用
いた場合の計測誤差は、約3.3×105Ω(3×10
-6Ω-1)程度から計測誤差が増加し始め、1×105Ω
(1×10-5Ω-1)では計測誤差がおおよそ30%にも
なることがわかる。曲線は直流電流でセンサ信号を計
測した場合の計測誤差を示したものであるが、約2×1
Ω(5×10-8Ω-1)程度から計測誤差が増加し始
め、約5×105Ω(2×10-6Ω-1)では計測誤差が
おおよそ30%にもなることがわかる。このように、漏
れ電流が大きくなる高温環境下では、高圧電源から流れ
る直流信号電流から中性子束等の放射線々量を計測する
ことは事実上不可能であった。つまり、従来のゆらぎ信
号計測方式及びDCチャンバ方式では、高温環境下での
計測が困難であった。
【0078】以上のことから、本発明の直流高電圧供給
システムを採用して核分裂計数管電離箱のゆらぎ信号か
ら中性子束を計測する方法を用いることにより、従来の
計測系に比べて1/1000低下した絶縁抵抗の条件に
おいても、充分少ない計測誤差で測定が可能になること
がわかる。従って、従来の方式では測定できなかった非
常に高い温度環境下(例えば、上記の800°C以上の
高温の原子炉内)においても、本発明の直流高電圧供給
システムを用いて電流ゆらぎ信号から放射線々量を計測
することにより、放射線測定が可能になった。即ち、本
発明の直流高電圧供給システムを用いることにより、セ
ンサ絶縁体あるいは信号伝送同軸ケーブルによる漏れ電
流が大きい領域において、入出力直線性を大幅に拡大も
しくは改善することが可能になった。
【0079】次に、信号周波数の違いによって前置増幅
器に入力する電流が変わる様子を表す周波数特性が本発
明により改善されることを以下に示す。
【0080】図8は、本発明の直流高電圧供給システム
20と組合わされた前置増幅器と従来の直流電圧供給シ
ステム120と組合わされた前置増幅器との周波数特性
(信号周波数に対する入力電流の変化)を比較して示し
たものである。なお、一例として、核分裂計数管電離箱
を10桁以上の中性子束計測に必要な信号の周波数帯域
を曲線により合わせて示してある。なお、比較のため
の諸元は、本発明、従来とも信号伝送同軸ケーブルの特
性インピーダンスが50Ω、カップリングコンデンサの
iは同一の18μF、及びパルス増幅部は同一の特
性、即ち、Ri=50Ω、同一のRf及びCfとし、本発
明においては全抵抗rTを50Ω、Lを47mHとし、
従来のものにおいてはRLを50kΩとした。
【0081】入力電流の変化は、核分裂計数管電離箱の
信号ラインから前置増幅器1又は101の信号入力部2
又は102に流入する信号の交流成分ISとカップリン
グコンデンサ3又は103を通してパルス増幅部8又は
108に入力される電流Iiの比をデシベル(dB)、
即ち20Log(Ii/IS)で示している。なお、比較
のための諸元は、本発明、従来とも信号伝送同軸ケーブ
ルの特性インピーダンスが50Ω、カップリングコンデ
ンサのCiは同一の18μF、及びパルス増幅部は同一
の特性、即ち、Ri=50Ω、高域遮断周波数を決定す
る時定数はRf・Cf=2.3×10-9秒とし、本発明に
おいては全抵抗rTを50Ω、Lを47mHとし、従来
のものにおいてはRLを50kΩとした。
【0082】図中の曲線は本発明の直流高電圧供給シ
ステム20を含めた前置増幅器の周波数帯域(低周波数
側で電流比が−3dBになる周波数から高周波数側で電
流比が−3dBになる周波数の幅)を示したものであ
る。曲線は従来の直流電圧供給システム120を含め
た前置増幅器の周波数帯域を示したものである。曲線
は核分裂計数管電離箱の電流パルスとゆらぎ電流信号を
計測するに必要な周波数帯域である。曲線及びの比
較から明らかなように、両方の周波数帯域には大きな違
いがないこと、更に103〜107Hzの4桁の周波数帯
域において、増幅率は一定であることを示しており、即
ち、周波数帯域の全域にわたって信号電流と入力電流の
比(Ii/IS)が0dBで一定であることがわかる。Ii
/ISが0dBであるということはIi=ISであり、信
号電流が変化なくパルス増幅部に流入することを表して
いる。
【0083】これを核分裂計数管電離箱の出力信号の周
波数帯域と比較してみると、出力信号の周波数帯域は直
流高電圧供給システム20を含めた前置増幅器の増幅率
が一定な範囲に充分余裕をもって入っており、本発明の
直流高電圧供給システムと組合わされた前置増幅器が低
周波から高周波までの信号増幅を充分カバーしているこ
とを示している。即ち、曲線は曲線に比べて周波数
帯域が充分狭く、完全に曲線の内側に位置している。
これは、核分裂計数管電離箱信号を計測するに必要な全
周波数成分が Ii/ISが0dBの領域に入っており、
信号が変動なく増幅されることを示している。
【0084】図9は、チョークを放射線センサの高圧電
源用負荷とした本発明の直流高電圧供給システムと前置
増幅器との組合わせにおいて、チョーク6のインダクタ
ンスLとカップリングコンデンサ3のキャパシタンスC
iの組み合わせの違いによる直流高電圧供給システムを
含めた前置増幅器の周波数特性を比較したものである。
詳細には、図9は、カップリングコンデンサ3のキャパ
シタンスCiの値を、本発明の上述の計算式(2)によ
って決定した場合と、チョーク6のインダクタンスLを
固定して、カップリングコンデンサ3のキャパシタンス
iを入力信号が充分通過するいろいろな値に選んだ場
合の周波数特性を比較したものである。曲線は、本発
明の直流高電圧供給システムを含めた前置増幅器の好適
な周波数特性である。この場合は、チョーク6のインダ
クタンスLを0.047H、カップリングコンデンサ3
のキャパシタンスCiの値を18μFにした。曲線、
及びは、カップリングコンデンサのキャパシタンス
iの値をそれぞれ4.5μF、1.8μF及び0.5
μFにした場合の周波数特性である。本発明の直流高電
圧供給システムと前置増幅器との組合せは、適正なイン
ダクタンスとキャパシタンスの組み合わせにより設計さ
れているため、周波数特性曲線では103〜107Hz
の周波数帯域にわたって、増幅率は一定である、即ち、
信号電流と入力電流の比(Ii/IS)が一定である。
【0085】これに対して、インダクタンスとキャパシ
タンスの他の組合せでは、特性曲線、及びに示さ
れるように、低周波領域において、チョーク6とカップ
リングコンデンサ3の共振により、約2、5及び10d
Bもの増幅率の鋭いピークが生じていることがわかる。
このような増幅率の鋭いピークは、信号ラインから前置
増幅器に入る低周波雑音を極度に大きくすることにな
り、放射線センサ信号を計測する際のS/N比(信号対
雑音比)を低下させる原因になる。
【0086】このように、本発明の直流高電圧供給シス
テムを含めた前置増幅器では、チョーク6のインダクタ
ンスとカップリングコンデンサ3のキャパシタンスを適
性な大きさに設計している結果、極めて良好な周波数特
性、即ちフラットな周波数特性が得られた。
【0087】次に、入力インピーダンスの改善について
以下に説明する。
【0088】放射線センサの信号は高速かつ微小である
ため、放射線センサから前置増幅器までの信号伝送には
高周波信号伝送に優れた性能を有する同軸ケーブルが用
いられる。同軸ケーブルを用いた高周波信号伝送におい
ては、直流高電圧供給システムを含めた前置増幅器入力
でのパルスの反射を防ぐため、同軸ケーブルと、直流高
電圧供給システムを含めた前置増幅器の入力インピーダ
ンスを整合させることが重要であり、更に、入力インピ
ーダンスが信号周波数帯域において変動のないことが要
求される。
【0089】図10は本発明及び従来の直流高電圧供給
システムと組合わされた前置増幅器の入力インピーダン
スが入力信号周波数の変化でどのように変動するかを比
較したものである。具体的には、当該入力インピーダン
スは、図1及び図13に示される構成において、前置増
幅器1及び101の信号入力部2及び102からみた入
力インピーダンスである。なお、比較のための諸元は、
本発明及び従来とも信号伝送同軸ケーブルの特性インピ
ーダンスは高周波伝送に最適な50Ω、カップリングコ
ンデンサ3,103のCiは同一の18μF、及びパル
ス増幅部8,108は同一の特性、即ち、Ri=50
Ω、同一のRf及びCfとし、本発明においては全抵抗r
Tを50Ω、Lを47mHとし、従来のものにおいては
Lを50kΩとした。
【0090】図10において、曲線は本発明の直流高
電圧供給システム20を含めた前置増幅器1の入力イン
ピーダンスを、また曲線は従来の直流高電圧供給シス
テム120を含めた前置増幅器101の入力インピーダ
ンスを示している。本発明の場合には、入力インピーダ
ンスは、102〜103Hzの低周波数領域で少しの変化
が見られるが、103Hz以上の周波数で全域において
50Ω一定であることがわかる。従来の場合では周波数
が 103Hz以下で入力インピーダンスが増大すること
を表している。ただし、これらの低い周波数領域での入
力インピーダンスの変化は、検出信号の周波数帯域以下
で生じているもので、実用上では問題ない。
【0091】従って、本発明によれば、前置増幅器1の
入力インピーダンスが信号伝送同軸ケーブル111の特
性インピーダンスに実質的に等しい場合には、直流高電
圧供給システムを含む前置増幅器1の信号入力部2から
見た入力インピーダンスが放射線センサ112の信号の
交流成分を通すのに要する周波数帯域において実質的に
変動しないように、信号入力部2から直流高圧電源側を
見た当該直流高電圧供給システムのインピーダンスが、
前置増幅器1の入力インピーダンスより十分高ければよ
い。更に、直流高電圧供給システムのセンサ高圧電源用
負荷チョーク6と前置増幅器1のカップリングコンデン
サ3との共振作用を積極的に用いて、センサ高圧電源用
負荷チョーク6のインダクタンスLとカップリングコン
デンサ3のキャパシタンスCiとを適切な値にすること
により、信号入力部2から見た上記入力インピーダンス
が変動しない範囲は上記周波数帯域の低域側に広げるこ
とができる。
【0092】図11は、チョークを放射線センサの高圧
電源用負荷とした本発明の直流高電圧供給システム20
と前置増幅器1との組合せにおいて、チョーク6のイン
ダクタンスとカップリングコンデンサ3のキャパシタン
スの組み合わせの違いによる直流高電圧供給システムを
含めた前置増幅器の入力インピーダンスの変化を比較し
たものである。詳細には、図11は、上述した実施例の
ようにカップリングコンデンサ3のキャパシタンスCi
を適性に設計した場合と、入力パルス信号の通過条件か
ら適当に決めた場合とで比較したものである。曲線は
上述の実施例の入力インピーダンスであり、全周波数領
域において一定していて、設計した値50Ωが得られる
ことがわかる。曲線、及びはキャパシタンスを小
さくしていった場合の入力インピーダンスの変化を示し
たものである。これらの曲線から、低周波領域において
入力インピーダンスが急激に増大し、しかもキャパシタ
ンスを小さくすればするほど高い周波数から入力インピ
ーダンスが増加し、50Ωが得られる周波数帯域が狭ま
ることを示している。
【0093】図12に、参考として、高抵抗106を放
射線センサの高電圧用負荷とした従来型の直流高電圧供
給システム120と前置増幅器101との組合せにおい
て、カップリングコンデンサ103のキャパシタンスC
i を入力パルス信号の通過条件から適当な大きさに選ん
だ時、入力インピーダンスが入力信号の周波数によって
どのように変動するかを示す。なお、負荷抵抗は50k
Ωである。曲線がキャパシタンスを18μFにした時
の入力インピーダンスである。曲線、及びはキャ
パシタンスを小さくしていった場合の入力インピーダン
スの変化を示したものである。従来の直流高電圧供給シ
ステム120を含めた前置増幅器101ではどのような
キャパシタンスを選んでも、低周波領域において入力イ
ンピーダンスは急激に増大することがわかる。なお、従
来型の直流高電圧供給システム120を含めた前置増幅
器101においても、キャパシタンスを小さくすればす
るほど、高い周波数から入力インピーダンスが増加し、
50Ωが得られる周波数帯域が狭まることを示してい
る。
【0094】最後に、本発明の直流高電圧供給システム
を実際の放射線センサあるいは中性子センサに適用した
場合、当該システムのセンサ高圧電源用負荷チョークの
インダクタンス、それに直列接続される抵抗、及びカッ
プリングコンデンサのキャパシタンスの実際的な範囲に
ついて説明する。
【0095】センサ高圧電源用負荷チョークに抵抗を直
列接続状態に付加する目的は以下の理由による。チョー
クとカップリングコンデンサによる共振を生じさせない
ためには、チョークのインダクタンスの値に応じてカッ
プリングコンデンサのキャパシタンスを大きくする必要
があるが、この時、チョークに直列に接続された小抵抗
は、キャパシタンスが極度に大きくなるのを防ぐ働きを
するため、比較的小さなキャパシタンスで共振をなくす
ことができるようになる。一方、この抵抗を大きくする
と、信号の直流電流成分が大きくなった時に電圧降下が
生じ、放射線センサあるいは中性子センサの直流印加電
圧が低下して誤差を生じさせ、従来の高抵抗負荷型の直
流高電圧供給システムに近づくことになる。従って、こ
の抵抗の大きさを決定する条件は、信号の直流電流成分
が大きくなった時のセンサへの印加電圧の降下をどの程
度許容するかとなる。即ち、最大の直流電流をどのよう
な値にとるか、センサ印加電圧降下(計測誤差)をどの
程度にするかによって決まるため、相互に関連する。電
圧降下Vd[V]を表す式は、抵抗の値をrT[Ω]、信
号の直流電流成分をisD[A]、センサ漏洩電流をId
[A]、及び信号伝送同軸ケーブルの漏洩電流をI
C[A]、これら電流の和をIL[A]とすると次式で表
される。
【0096】
【数17】 Vd=rT・IL=rT(isD+Id+IC) [V] (17) 例えば、センサの印加電圧Vaを200[V]、直流信
号電流と漏洩電流の合計の最大電流ILを20[m
A]、電圧降下の許容パーセントPaを0.5%とする
と、
【数18】 従って、電圧降下許容値を0.5%として、直列の抵抗
Tを10[Ω]とすれば、最大直流電流は100[m
A]まで許容されることになる。一方、直列抵抗を1×
103[Ω]とすれば最大直流電流は1[mA]とな
る。但し、電圧降下許容値が5%までの場合には10
[mA]となる。このセンサ印加電圧及び電圧降下許容
値はセンサの特性仕様により決まる値である。センサの
仕様は本発明とは別の事項である。例えば、この仕様と
して、センサ印加電圧を200[V]、電圧降下許容値
を0.5%、最大直流電流を100〜1[mA]の範囲
とすると、直列の抵抗は10〜1×103[Ω]とな
る。
【0097】センサ高圧電源用負荷チョーク6のインダ
クタンスは、主として信号増幅系の低域遮断周波数をど
のような値にするかに依存する。信号伝送同軸ケーブル
の特性インピーダンスを50[Ω]とした場合、直列の
抵抗rTを上記の値の範囲の1つ、50Ω、パルス増幅
部8の入力インピーダンス要素4の抵抗Riを50
[Ω]に選定し、一方、低域遮断周波数fLはおよそ1
7Hzからその1000倍程度、即ち、17kHz程度
が考えられるので、式(1)により、チョークのインダ
クタンスの値は0.47〜4.7×10-4Hとなる。
【0098】カップリングコンデンサ3のキャパシタン
スは、式(2)に上記チョークのインダクタンスの値を
入れることにより求まり、2×10-4〜2×10
-7[F]となる。
【0099】センサ高圧電源用負荷チョーク6のインダ
クタンス及びカップリングコンデンサ3のキャパシタン
スを上記した範囲にすると、チョーク6とカップリング
コンデンサ3との共振によって生じる信号振幅の変動は
前置増幅器の周波数特性において30%以下に押さえら
れ得る。
【0100】本発明の直流高電圧供給システム20を含
めた前置増幅器1の総合入力インピーダンスの実際の範
囲は、以下の考え方から100〜300×106[H
z]の周波数帯域において30〜100[Ω]の範囲を
取り得る。パルス計測系ではセンサの出力電流パルス
(立ち上がり時間1.0×10-8秒程度)をパルス波形
を変えずに増幅するためには、これより速いパルス増幅
器が必要である。そこで、パルス増幅器の立ち上がり時
間を信号パルスのそれの約1/10とする。300×1
6[Hz]を立ち上がり時間に換算すると約1.2×
10-9秒である。この300×106[Hz]が周波数
帯域の上限となる。
【0101】次に、センサのゆらぎで計測する回路系
(通称MSV系又はキャンベル系と呼ばれる。)では、
センサからの検出信号のゆらぎ成分の内、数kHzから
数百kHzの周波数成分を選択して計測される。ゆらぎ
信号を増幅する前置増幅器(AC型)では、その周波数
帯域は上記の周波数成分を充分カバーしていることが要
求される。高域帯域遮断周波数である上記の上限300
×106[Hz]は、この要求を充分満たしている。低
域遮断周波数は、余裕を与えるため、ゆらぎの低周波帯
域である数kHzの1/50〜1/500程度にする。
従って、低域遮断周波数は100[Hz]あれば充分要
求を満たすことができる。
【0102】次に、中性子検出器等に使用されている信
号伝送ケーブルのインピーダンスが30、50、75及
び93Ωであるため、総合入力インピーダンスは30〜
100Ωの範囲が適する。
【0103】以上、本発明を実施例に基づいて詳述した
が、本発明は、上記実施例における信号伝送同軸ケーブ
ル111がなく放射線センサ112が直流高電圧供給シ
ステム20を含む前置増幅器1が直結されている場合に
も適用可能であることは明らかである。
【0104】また、実施例においては、直流高電圧供給
システム20を前置増幅器1の中に一体的に組み込んだ
構造について説明したが、本発明は直流高電圧供給シス
テム20を前置増幅器1から独立させて信号伝送同軸ケ
ーブル111に接続させてもよい。
【0105】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0106】直流高電圧電源からの高電圧がチョーク手
段を介して放射線センサあるいは中性子センサに供給さ
れることになり、チョーク手段は実質的に抵抗分がない
ので、直流高電圧供給システムにおいて、電圧降下が発
生することがない。また、センサから生じる信号の交流
成分が占める周波数帯域においてチョーク手段のインピ
ーダンスを前置増幅器の入力インピーダンスより十分大
きく取れ、それにより当該信号が直流高電圧供給システ
ムへ分流することがない。
【0107】直流高電圧供給システムにおいて、電圧降
下が発生しないので、測定する放射線々量とセンサ出力
との比例性が失われることなく、計測範囲が制限されな
いため放射線センサの性能を低下させることがない。
【0108】また、従来の方式では測定できなかった非
常に高い温度環境下(例えば、800°C以上の高温の
原子炉内)において、放射線センサあるいは中性子セン
サの絶縁体や信号伝送同軸ケーブルの絶縁抵抗が低下し
てもチョーク手段の抵抗が実質的にないので電圧降下が
実質的に生じないため、本発明の直流高電圧供給システ
ムを用いることにより放射線測定が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の直流高電圧供給システ
ム20を一体的に含む前置増幅器1の回路構成を示し、
放射線センサ112に信号伝送同軸ケーブル111を介
して接続された状態を示した図である。
【図2】図1に示される直流高電圧供給システムをAC
型あるいは広領域型前置増幅器と組み合わせた場合にお
いて、当該システムの直列の全抵抗rTをパラメータに
取ったときの全体の周波数特性の変化を示す図である。
【図3】図1に示される直流高電圧供給システムをAC
型あるいは広領域型前置増幅器と組み合わせた場合にお
いて、カップリングコンデンサ及び全抵抗の大きさの組
合せにより同様の全体の周波数特性が得られることを示
す図である。
【図4】放射線センサの印加電圧に対する出力電流特性
を示す図である。
【図5】誤差評価のため、核分裂計数管を原子炉内で試
験した結果得られた揺らぎ信号計測の時のプラトー特性
を示す図である。
【図6】本発明の直流高電圧供給システムと前置増幅器
との組合せと従来の直流高電圧供給システムと前置増幅
器との組合せとにおける信号電流が増加したときの計測
誤差の比較を示す図である。
【図7】本発明の直流高電圧供給システムと従来のもの
とにおける放射線センサの絶縁物や信号伝送同軸ケーブ
ルの絶縁抵抗が低下したときの計測誤差の比較を示す図
である。
【図8】本発明の直流高電圧供給システムと組合わされ
た前置増幅器と従来の直流電圧供給システムと組合わさ
れた前置増幅器との周波数特性(信号周波数に対する入
力電流の変化)の比較を示す図である。
【図9】チョークを放射線センサの高圧電源用負荷とし
た本発明の直流高電圧供給システムと前置増幅器との組
合わせにおいて、チョークのインダクタンスLと組合わ
されるカップリングコンデンサのキャパシタンスCi
違いによる直流高電圧供給システムを含めた前置増幅器
の周波数特性を比較した図である。
【図10】本発明及び従来の直流高電圧供給システムと
組合わされた前置増幅器の入力インピーダンスが入力信
号周波数の変化でどのように変動するかを比較した図で
ある。
【図11】チョークを放射線センサの高圧電源用負荷と
した本発明の直流高電圧供給システムと前置増幅器との
組合せにおいて、カップリングコンデンサのキャパシタ
ンスをパラメータにしたときの総合の入力インピーダン
スの周波数特性を示す図である。
【図12】高抵抗を放射線センサの高電圧用負荷とした
従来型の直流高電圧供給システムと前置増幅器との組合
せにおいて、カップリングコンデンサのキャパシタンス
i をパラメータにしたときの総合の入力インピーダン
スの周波数特性を示す図である。
【図13】従来の直流電圧供給システムを一体的に含む
前置増幅器を信号伝送同軸ケーブルを介してガス電離型
放射線センサに接続した例を示す図である。
【符号の説明】
1:前置増幅器 2:信号入力部 3:カップリングコンデンサ 4:パルス増幅部入力インピーダンス要素 5:直流高圧電源接続用端子 6:センサ高圧電源用負荷チョーク 7a,7b:小抵抗 8:パルス増幅部 9:信号出力部 10:パルス増幅部高周波遮断時定数回路 11:直流信号計測用端子 20:直流高電圧供給システム 111:信号伝送同軸ケーブル 112:放射線センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−31787(JP,A) 特開 平6−138241(JP,A) 特開 昭58−2682(JP,A) 特開 昭58−187885(JP,A) 特開 昭55−26484(JP,A) 特開 昭51−67177(JP,A) 特開 昭61−236988(JP,A) 特開 平10−17587(JP,A) 特開 昭60−36980(JP,A) 特開 昭58−50500(JP,A) 特開 昭60−111979(JP,A) 特開 昭62−250396(JP,A) 特開 昭63−171070(JP,A) 特開 平5−199745(JP,A) 特開 平5−236741(JP,A) 実開 平2−35431(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/175 H01F 37/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流高電圧を供給されて動作するタイプ
    の放射線センサあるいは中性子センサと、前記センサに
    結合され前記センサからの信号を増幅する増幅部とを含
    む放射線あるいは中性子の測定装置に用いられ、直流高
    電圧電源から前記センサに直流高電圧を供給するシステ
    ムにおいて、 前記直流高電圧電源と前記センサとの間に接続されたチ
    ョーク手段を備えることを特徴とする直流高電圧供給シ
    ステム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の直流高電圧供給システム
    において、前記チョーク手段に直列接続された少なくと
    も1つ以上の抵抗を更に備えることを特徴とする直流高
    電圧供給システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の直流高電圧供給システム
    において、前記少なくとも1つ以上の抵抗の両端電圧を
    計測するための端子手段を更に備えることを特徴とする
    直流高電圧供給システム。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の直流高電圧供給システム
    において、両端電圧を計測される抵抗が、前記直流高電
    圧電源と前記チョーク手段との間に介挿されていること
    を特徴とする直流高電圧供給システム。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の直流高電圧供給システム
    において、前記抵抗の1つが前記センサ及び前記増幅部
    の結合点と前記チョーク手段との間に介挿されているこ
    とを特徴とする直流高電圧供給システム。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の
    直流高電圧供給システムにおいて、 前記センサは、前記センサの信号の交流成分を通すのに
    要する周波数帯域において所定の特性インピーダンスを
    有する信号伝送線路を介して、前記周波数帯域において
    前記所定の特性インピーダンスと実質的に同じ入力イン
    ピーダンスを有する前記前置増幅器に接続され、 前記直流高電圧供給システムが前記信号伝送線路及び前
    記増幅部の接続点に接続され、 前記信号伝送線路及び前記前置増幅器の接続点から前記
    直流高電圧電源側を見た前記直流高電圧供給システムの
    インピーダンスは、前記直流高電圧供給システムを含む
    前記増幅部の前記信号伝送線路及び前記増幅部の接続点
    から見た入力インピーダンスが前記周波数帯域において
    実質的に変動しないように前記増幅部の入力インピーダ
    ンスより十分高いことを特徴とする直流高電圧供給シス
    テム。
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