JP3458428B2 - 多孔体の製造方法 - Google Patents

多孔体の製造方法

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JP3458428B2 JP28590693A JP28590693A JP3458428B2 JP 3458428 B2 JP3458428 B2 JP 3458428B2 JP 28590693 A JP28590693 A JP 28590693A JP 28590693 A JP28590693 A JP 28590693A JP 3458428 B2 JP3458428 B2 JP 3458428B2
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  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)
  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、触媒の担体等に使用す
ることができる、アルミナを含有する多孔体の製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高温で用いる触媒担体としては、
比表面積が大きいこと、熱的安定性が良好であることよ
りアルミナ(主としてγアルミナ(γ−Al23 ))
が用いられてきた。例えば、自動車等の内燃機関より排
出される排ガスの浄化用触媒の担体では、常用温度が約
850℃であり、アルミナのみでも担体として用いるこ
とができる。
【0003】ところで、ファンヒータやガスタービンエ
ンジン等において、燃焼の安定化、あるいは窒素酸化物
(NOX )低減のため燃焼触媒を使用した燃焼技術が開
発されている。ファンヒータ用の燃焼触媒では900〜
1200℃、ガスタービンエンジン用の燃焼触媒では1
100〜1500℃で使用可能な触媒担体が必要とされ
ている。しかし、比表面積が大きいことから通常触媒担
体として多用されているγアルミナ等の遷移アルミナは
1000℃以上でαアルミナ(α−Al23)に変態
するとともに急激に焼結し、比表面積が小さくなる(触
媒、29〔4〕293−298(1987))。
【0004】このように、単体の酸化物では上記要求レ
ベルが達成できないことから、複合酸化物の系が検討さ
れている。その中で、比較的耐熱性の高いものにLa−
β−Al23 とBaO−6Al23 とがある。La
−β−Al23 は、La/Alが5/95の組成が最
も熱的安定性が高く、1200℃で40m2 /gの比表
面積を持つ。しかし、1400℃では8m2 /gに低下
する。また、BaO−6Al23 は、比表面積が12
00℃で50m2 /gであるが、1400℃では10m
2 /gとなる(化学装置、29〔2〕134−137
(1987))。
【0005】また、アルミナとシリカとよりなるムライ
ト(3Al23 ・2SiO2 )は、高温で最も安定な
化合物のひとつとして知られており、この組成のアルミ
ナ・シリカ系多孔体を触媒等の担体として使用すること
が考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のムライト組成の
アルミナ・シリカ系多孔体を製造する方法としては、水
系アルミナゾルと水系シリカゾルとをムライト組成(3
Al23 ・2SiO2)に混合し、焼成する方法があ
る(特開平3−266985号公報)。
【0007】しかし、得られた多孔体の比表面積は12
00℃で47m2 /gであるが、1300℃では10m
2 /gとなり、この場合にも高温での比表面積の低下が
著しい。
【0008】このように、従来のアルミナを含有する多
孔体は、高温において比表面積の低下が大きい。
【0009】この現象について、本発明者らが検討した
ところ、以下のような原因であると考えた。
【0010】従来触媒担体として用いられているアルミ
ナを含有する多孔体は湿式法により製造され、γアルミ
ナの形となっている。しかし、このγアルミナは、10
00℃以上の高温において急激に比表面積が減少する。
これは、高温においてγアルミナがα相に転移し、それ
に伴いアルミナが急激に粒成長するためである。
【0011】湿式法により製造されたγアルミナは、数
〜数十nm以下の微細な1次粒子を持つため、100m
2 /g以上の大きな比表面積を持つが、強固な2次凝集
によるμmオーダーの粒子として存在している。そのた
め、一旦αアルミナが生成すると、ほぼ2次粒子全体に
おいてγ相がα相に転移しやすく、α化の速度が速い。
また、このような2次粒子の大きなγアルミナにシリカ
やアルカリ土類金属または希土類金属の酸化物を添加す
る場合には、ある程度の耐熱性の改善が見られるが、凝
集部分からα転移が伝播するため、比表面積は小さくな
る。
【0012】また、2次凝集の大きなδ相およびθ相の
アルミナについても同様である。
【0013】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑みなされたものであり、1200℃以上の高温におい
ても大きな比表面積を有する多孔体を製造する方法を提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本第1発明(請求項1に
記載の発明)は、粒子内部に水を含有せず、平均粒径が
10〜100nmのアルミナ粉末と、以下に示す(a)
〜(j)のうちの少なくとも1種とを混合用媒体中で混
合し、これらを乾燥することにより混合用媒体を除去
し、その後焼成することを特徴とする多孔体の製造方法
である。 (a)粒子内部に水を含有せず、平均粒径が50nm以
下のシリカ粒子よりなる粉末。 (b)シリカ粒子が平均粒径50nm以下で液体中に分
散したゾル。 (c)シリカが液体中に溶解した溶液。 (d)1つの粒子内にアルミナとシリカとを、シリカ/
(アルミナ+シリカ)=24〜28.2wt%の範囲で
含有する粒子よりなり、粒子内部に水を含有せず、平均
粒径が50nm以下の粉末。 (e)1つの粒子内にアルミナとシリカとを、シリカ/
(アルミナ+シリカ)=24〜28.2wt%の範囲で
含有する粒子が平均粒径50nm以下で液体中に分散し
たゾル。 (f)平均粒径が50nm以下のバリウム化合物の粒子
よりなる粉末。 (g)バリウム化合物の粒子が平均粒径50nm以下で
液体中に分散したゾル。 (h)バリウム化合物が液体中に溶解した溶液。 (i)平均粒径が50nm以下のランタン化合物の粒子
よりなる粉末。 (j)ランタン化合物が液体中に溶解した溶液。
【0015】本第2発明(請求項2に記載の発明)は、
粒子内部に水を含有せず、平均粒径が10〜100nm
のアルミナ粉末と、以下に示す(k)〜(n)のうちの
少なくとも1種よりなるアルコキシドとを混合用媒体中
で混合すると共に上記アルコキシドを加水分解する工程
と、上記混合物を乾燥することにより混合用媒体を除去
する工程と、上記混合物を焼成する工程とよりなること
を特徴とする多孔体の製造方法である。 (k)シリコンのアルコキシド。 (l)1つの粒子内にアルミナとシリカとを、シリカ/
(アルミナ+シリカ)=24〜28.2wt%の範囲で
含有する粒子のアルコキシド。 (m)バリウムのアルコキシド。 (n)ランタンのアルコキシド。
【0016】
【作用】本第1発明、本第2発明ともに、1200℃以
上の高温においても大きな比表面積を有する多孔体を製
造することができる。この理由は明確ではないが、以下
のように推定する。
【0017】本第1発明では、原料として用いた、上記
(a)〜(j)の物質が本多孔体の製造過程中で原料で
あるアルミナ粒子同士の間に介入して難焼結性の結晶相
を形成する。原料のアルミナ粒子は、粒子内部に水を含
有せず、かつ平均粒径が10〜100nmと非常に微細
であるため、上記難焼結性の結晶相がアルミナ粒子同士
の間に挿入しやすい。そのため、得られた多孔体は、ア
ルミナ粒子が、難焼結性の結晶相を介して結合し、それ
らの粒子同士の間に空隙をもつ構造となる。このような
構造により、αアルミナの核が生成しても、α相の成長
は難焼結性の結晶相にブロックされて、隣のアルミナ粒
子まで波及しない。従って、多孔体全体のα化速度は通
常のγアルミナ等よりもはるかに遅くなり、1200℃
以上の高温においても高比表面積を長時間維持すること
ができる。
【0018】また、本第2発明では、原料として用い
た、上記(k)〜(n)のアルコキシドはアルミナ粒子
と混合し、加水分解することにより、本第1発明と同様
に本多孔体の製造過程中で原料であるアルミナ粒子同士
の間に介入して難焼結性の結晶相を形成する。従って、
1200℃以上の高温においても高比表面積を長時間維
持することができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、1200℃以上の高温
においても大きな比表面積を有する多孔体を製造するこ
とができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明をより具体的にした具体例を説
明する。
【0021】(第1発明の具体例)本第1発明の多孔体
の製造方法は、アルミナ粒子よりなる粉末と上記(a)
〜(j)のうちの少なくとも1種とを混合用媒体中で混
合し(第1工程)、次にこれらを乾燥し(第2工程)、
その後焼成する(第3工程)。
【0022】第1工程の混合工程において、原料である
アルミナ粒子よりなる粉末は、粒子内部に結晶水、構造
水等の水を含有せず、平均粒径が10〜100nmの超
微粒子状とする。粒子内部に結晶水、構造水等の水が含
まれると、混合媒体の乾燥時あるいは焼成時の500〜
1000℃で水分が脱離する際に焼結が進み、比表面積
が小さくなる。なお、アルミナ粒子の周囲には水が存在
してもよい。また、粒子の平均粒径が10〜100nm
の範囲以外では、上記(a)〜(j)の物質と混合した
際にアルミナ粒子同士間に上記(a)〜(j)の物質が
介入しにくくなる。さらに、粒子の平均粒径が10nm
未満では、アルミナ粒子の焼結性が高まり、非常に焼結
しやすくなるとともに、α相の核発生は粒子表面から起
こるため変態も起こりやすい。従って、所定の耐熱性が
得られない。また、粒子の平均粒径が100nmを越え
ると、該粉末自身比表面積が小さいため、比表面積の大
きい多孔体を製造することができない。さらに、望まし
くは、アルミナ粒子の平均粒径は、20〜50nmの範
囲がよい。平均粒径が20nm以上では、粒径が大きく
なって焼結しにくくなる。一方、50nm以下では、触
媒担体としての利用価値がある、大きな比表面積のもの
が得られる。
【0023】また、アルミナ粒子よりなる粉末を構成す
る10〜100nmのアルミナ粒子は、単結晶でも多結
晶でもよい。
【0024】また、アルミナの結晶相としては、γ(ガ
ンマ)相よりもより高温相であるδ(デルタ)相、θ
(シータ)相の方が望ましい。また、凝集が小さい乾式
法で作製したアルミナ粒子よりなる粉末が、特に適して
いる。さらに、アルミナ粒子の粒径分布が狭い方がより
望ましい。
【0025】上記(a)は、粒子内部に水を含有せず、
平均粒径が50nm以下のシリカ粒子よりなる粉末であ
る。
【0026】粒子内部に結晶水、構造水等の水が含まれ
ると、上記アルミナ粒子と同様に、混合用媒体の乾燥時
あるいは焼成時の500〜1000℃で水分が脱離する
際に焼結が進み、比表面積が小さくなる。なお、シリカ
粒子の周囲には水が存在してもよい。また、平均粒径が
50nmを越えると、アルミナ粒子同士の間隙に十分に
分散することができないため、耐熱性を向上させる効果
が小さい。
【0027】アルミナ粒子よりなる粉末と(a)との配
合割合は、特に明確な限定領域はない。しかし、120
0℃以上の高温における比表面積の低下は原料のアルミ
ナがαアルミナに変態することにより生じる。このαア
ルミナへの変態は原料中のシリカの量に依存しており、
シリカによりアルミナがαアルミナへ変態することを抑
制している。そのため、アルミナとシリカとの合計量に
対してシリカの配合量は0.1〜30重量%(wt%)
の範囲が好ましい。シリカ量が0.1wt%未満では、
アルミナのαアルミナへの変態を抑制する効果が不十分
となる。また、シリカ量が30wt%を越えると、αア
ルミナへの変態防止に不必要な過剰のシリカが増えるこ
とになる。望ましくは1〜20wt%の範囲、さらに望
ましくはシリカ量が3〜15wt%の範囲がよい。
【0028】上記(b)は、シリカ粒子が平均粒径50
nm以下で液体中に分散したゾルである。
【0029】平均粒径が50nmを越えると、アルミナ
粒子同士の間隙に十分に分散することができないため、
耐熱性を向上させる効果が小さい。
【0030】また、ゾルとするための液体としては、ア
ルミナと混合するための混合用媒体と十分に混合するも
のであれば特に制限がない。
【0031】また、平均粒径を50nm以下としたゾル
を形成する方法としては、超微粒子作製後に液体中に分
散する方法、アルコキシドの加水分解法、またはアルカ
リシリケートの中和法等どのような方法を用いてもよ
い。
【0032】アルミナ粒子よりなる粉末と(b)との配
合割合は、特に明確な限定領域はないが、上記(a)と
同様、アルミナ粒子よりなる粉末と(b)との合計量に
対して(b)の配合量がSiO2 に換算して0.1〜3
0wt%の範囲とするのがよい。望ましくは1〜20w
t%の範囲、さらに望ましくは3〜15wt%の範囲と
するのが望ましい。
【0033】上記(c)は、シリカが液体中に溶解した
溶液である。
【0034】この溶液としては、例えば、一般に水ガラ
スと呼ばれている一連のアルカリ金属シリケート水溶液
が挙げられる。また、アルカリ金属イオンの代わりにア
ンモニウムイオンを用いたアンモニウムシリケート水溶
液等も挙げられる。これらの中でも、多孔体の耐熱性を
低下させないため、焼成時にアルカリ成分が気散するア
ンモニウムシリケートが望ましい。溶液中におけるシリ
カ成分の配合量としては、SiO2 に換算して0.1〜
30wt%の範囲が望ましい。シリカ量が0.1wt%
未満では、αアルミナへの転移を抑制する効果が小さ
く、また、シリカ量が30wt%を越えるとα転移の抑
制に不必要なシリカが増え、ムライトの生成量が多くな
り、ムライト化による比表面積の低下が引き起こされ
る。
【0035】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(c)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(c)との合計量に対して(c)
の配合量がSiO2 に換算して0.1〜30wt%の範
囲とするのがよい。望ましくは1〜20wt%の範囲が
よく、さらに3〜15wt%の範囲が最も耐熱性に優れ
た多孔体が得られるので望ましい。
【0036】上記(d)は、1つの粒子内にアルミナと
シリカとを含有する粒子よりなり、粒子内部に水を含有
せず、平均粒径が50nm以下の粉末である。
【0037】粒子内部に結晶水、構造水等の水が含まれ
ると、上記アルミナ粒子と同様に、混合用媒体の乾燥時
あるいは焼成時の500〜1000℃で水分が脱離する
際に焼結が進み、比表面積が小さくなる。なお、シリカ
粒子の周囲には水が存在してもよい。また、平均粒径が
50nmを越えると、該粒子自身比表面積が小さいた
め、比表面積の大きい多孔体を製造することはできな
い。また、アルミナ粒子同士の間隙に十分に分散するこ
とができないため耐熱性向上の効果が不十分となる。
【0038】また、該粉末は、2次凝集が弱いものが望
ましい。2次凝集が強いと、アルミナ粒子との混合工程
で1次粒子にすることができず、やはりアルミナ粒子同
士の間隙に分散させることができない。
【0039】また、1つの粒子内でのアルミナとシリカ
との含有率の比は、ムライト相におけるシリカの固溶範
囲、すなわち、シリカ/(アルミナ+シリカ)=24〜
28.2wt%の範囲である。
【0040】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(d)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(d)との合計量に対して(d)
の配合量がSiO2 に換算して、上記(c)と同様、
0.1〜30wt%の範囲で耐熱性向上の効果が大き
く、また、1〜20wt%の範囲が望ましく、さらに3
〜15wt%の範囲が望ましい。
【0041】上記(e)は、1つの粒子内にアルミナと
シリカとを含有する粒子が平均粒径50nm以下で液体
中に分散したゾルである。
【0042】平均粒径が50nmを越えると、アルミナ
粒子同士の間隙に十分に分散することができないため、
耐熱性を向上させる効果が小さい。
【0043】また、ゾルとするための液体としては、ア
ルミナと混合するための混合用媒体と十分に混合するも
のであれば特に制限がない。
【0044】また、平均粒径を50nm以下としたゾル
を形成するには、アルミニウムとシリコンとを含むアル
コキシドまたは塩の溶液の加水分解、中和等によっても
よく、一旦超微粒子にした後に液体中に分散させてもよ
い。
【0045】また、1つの粒子内でのアルミナとシリカ
との含有率の比は、上記(d)と同様、ムライト相にお
けるシリカの固溶範囲であるシリカ/(アルミナ+シリ
カ)=24〜28.2wt%の範囲である。
【0046】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(e)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(e)との合計量に対して(e)
の配合量がSiO2 に換算して、上記(c)と同様、
0.1〜30wt%の範囲で耐熱性向上の効果が大き
く、また、1〜20wt%の範囲が望ましく、さらに3
〜15wt%の範囲が望ましい。
【0047】上記(f)は、平均粒径が50nm以下の
バリウム化合物の粒子よりなる粉末である。
【0048】また、バリウム化合物としては、硝酸バリ
ウム、酢酸バリウム、ギ酸バリウム等が挙げられる。な
お、硫酸塩、塩化物等は白金等の貴金属に対して触媒毒
となりうるため、貴金属担持触媒用担体には用いない方
がよい。
【0049】また、粒子の平均粒径が50nmを越える
と、アルミナ粒子同士の間隙に十分に分散することがで
きず、耐熱性向上の効果が不十分となる。
【0050】平均粒径が50nm以下のバリウム化合物
の粒子よりなる粉末を製造する方法としては、以下の方
法がある。下記(g)に示すように、バリウム化合物の
ゾルを作製した後、超臨界乾燥、または凍結乾燥のよう
な液体の表面張力が働かない状態での乾燥を行う。ま
た、エタノール等の液体中にバリウム化合物を溶解させ
た後、高温下にさらし、酸化雰囲気中で急激な乾燥また
は燃焼を利用する乾式法も用いることができる。上記の
方法でバリウム化合物の粒子よりなる粉末を作製する場
合、バリウム化合物は、溶液となるものであればどのよ
うなものでも用いることができる。
【0051】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(f)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(f)との合計量に対して(f)
の配合量がBaOに換算して0.1〜30wt%の範囲
で耐熱性向上の効果が大きく、また、0.5〜20wt
%の範囲が耐熱性向上の効果が顕著となるため望まし
く、3〜15wt%の範囲では最高の耐熱性が得られる
ためにさらに望ましい。
【0052】上記(g)は、バリウム化合物の粒子が平
均粒径50nm以下で液体中に分散したゾルである。
【0053】バリウム化合物としては、硝酸バリウム、
酢酸バリウム、ギ酸バリウム等が挙げられる。
【0054】また、平均粒径が50nmを越えると、ア
ルミナ粒子同士の間隙に十分に分散することができない
ため、耐熱性を向上させる効果が小さい。
【0055】また、ゾルとするための液体としては、ア
ルミナと混合するための混合用媒体と十分に混合するも
のであれば特に制限がない。
【0056】また、平均粒径を50nm以下としたゾル
を形成するには、以下の方法がある。例えば、酢酸バリ
ウム、硝酸バリウム、ギ酸バリウム等のような水とエタ
ノールとへの溶解度が大きく異なるものでは、該バリウ
ム化合物の高濃度の水溶液を作った後に該水溶液を大量
のエタノールに希釈して、微粒子を析出させてゾルとす
る。また、水酸化バリウムのような温度により溶解度が
大きく変化するものでは、加熱した水中で該バリウム化
合物の飽和溶液とし、急激に冷却することによりゾルと
する。
【0057】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(g)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(g)との合計量に対して(g)
の配合量がBaOに換算して0.1〜30wt%の範囲
で耐熱性向上の効果が大きく、また、0.5〜20wt
%の範囲が耐熱性向上の効果が顕著となるため望まし
く、3〜15wt%の範囲では最高の耐熱性が得られる
ためにさらに望ましい。
【0058】上記(h)は、バリウム化合物が液体中に
溶解した溶液である。
【0059】バリウム化合物としては、硝酸バリウム、
酢酸バリウム、ギ酸バリウム等が挙げられる。
【0060】また、該溶液中のバリウム化合物の濃度と
しては、特に明瞭な限定領域はないが、次の乾燥工程の
効率化のためなるべく高濃度であることが望ましい。
【0061】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(h)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(h)との合計量に換算して
(h)の配合量がBaOに換算して0.1〜30wt%
の範囲内で耐熱性向上の効果が大きく、また、0.5〜
20wt%の範囲が耐熱性向上の効果が顕著となるため
望ましく、3〜15wt%の範囲では最高の耐熱性が得
られるためにさらに望ましい。
【0062】上記(i)は、平均粒径が50nm以下の
ランタン化合物の粒子よりなる粉末である。
【0063】ランタン化合物としては、硝酸ランタン、
酸化ランタン、酢酸ランタン、炭酸ランタン等が挙げら
れる。
【0064】また、粒子の平均粒径が50nmを越える
と、アルミナ粒子同士の間隙に十分に分散できないため
に耐熱性向上の効果が不十分となる。
【0065】平均粒径が50nm以下のランタン化合物
の粒子よりなる粉末を製造する方法としては、以下の方
法がある。
【0066】(f)について示したのと同様に、まず、
ランタン化合物の溶解度の差を利用してゾルを作る。例
えば、酸化ランタンの場合、エタノールにはよく溶ける
が、アセトンには溶けないことを利用し、エタノール中
で高濃度の溶液とした後大量のアセトン中に混ぜて酸化
ランタンゾルを得ることができる。次に、超臨界乾燥、
または凍結乾燥のような液体の表面張力が働かない状態
での乾燥を行うことによって粉末を得る。
【0067】また、エタノール等の液体中にランタン化
合物を溶解させた後、高温下にさらし、酸化雰囲気中で
急激な乾燥または燃焼を利用する、乾式法も用いること
ができる。上記の方法でランタン化合物の粒子よりなる
粉末を作製する場合、ランタン化合物は、溶液となるも
のであればどのようなものでも用いることができる。
【0068】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(i)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(i)との合計量に対して(i)
の配合量がLa2 3 に換算して0.05〜30wt%
の範囲内で耐熱性向上の効果が大きく、また、0.1〜
20wt%の範囲が耐熱性向上の効果が顕著となるため
望ましく、0.5〜10wt%の範囲では最高の耐熱性
が得られるためにさらに望ましい。
【0069】上記(j)は、ランタン化合物が液体中に
溶解した溶液である。
【0070】ランタン化合物としては、硝酸ランタン、
酸化ランタン、酢酸ランタン、炭酸ランタン等が挙げら
れる。
【0071】また、該溶液中のランタン化合物の濃度と
しては、特に明確な限定領域はないが、次の乾燥工程の
効率化のためなるべく高濃度であることが望ましい。
【0072】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(j)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(j)との合計量に対して(j)
の配合量がLa2 3 に換算して0.05〜30wt%
の範囲内で耐熱性向上の効果が大きく、また、0.1〜
20wt%の範囲が耐熱性向上の効果が顕著となるため
望ましく、0.5〜10wt%の範囲では最高の耐熱性
が得られるためにさらに望ましい。
【0073】アルミナ粒子よりなる粉末と上記(a)〜
(j)のうちの少なくとも1種とを混合するための混合
用媒体としては、500℃以下の加熱で容易に除去で
き、アルミナまたは上記(a)〜(j)のうちの少なく
とも1種と化学的な相互作用を伴なわない液体であれば
特に不都合はない。例えば、水、エタノール、メタノー
ル、アセトン等が挙げられる。また、表面張力が小さい
溶媒がより望ましい。
【0074】混合方法としては、ボールミルよりはプロ
ペラ攪拌機等の剪断応力の低い機器を利用する混合方法
が望ましい。また、超音波による振動は十分な分散のた
めに有効である。
【0075】混合状態が不十分な場合、アルミナと上記
(a)〜(j)のうちの少なくとも1種とが焼成時にそ
れぞれ別々に焼結されるので望ましくない。すなわち、
アルミナ粉末、上記(a)〜(j)のうちの少なくとも
1種それぞれが1μm程度の大きな集まりが残る程度の
混合では不十分である。また、ボールミルやアトリッシ
ョンミル等の粉末に高エネルギーを与える混合器を用い
て長時間混合を行うと、アルミナと上記(a)〜(j)
のうちの少なくとも1種とが混合工程で強固な2次凝集
を起こし、かさ密度の大きな粉末となる。これにより、
焼成時に凝集粒子内の焼結が進みやすくなり、比表面積
の小さな多孔体となる。そのため、上記混合条件は好ま
しくない。すなわち、アルミナ粒子と添加物粒子が十分
に相互に分散することは必要であるが、両者が強固な2
次凝集を起こすことは望ましくなく、なるべく少ない接
触点でルーズな結合をしていることが好ましい。
【0076】なお、従来技術のように水系アルミナゾル
と水系シリカゾルとを用いる場合、比表面積の大きいゾ
ルから出発したにもかかわらず多孔体の比表面積が小さ
くなる原因としては、ゾル粒子内部の水の脱離に伴う焼
結が挙げられる。また、それに伴い両者が強固な2次凝
集を起こし、1200℃以上の高温でさらに比表面積が
低下するのである。
【0077】第2工程の乾燥により混合用媒体を除去す
る。そのため、乾燥温度としては、混合用媒体として用
いた液体の沸点より数十℃高い温度とするのがよい。
【0078】この乾燥の後第3工程の焼成を行うが、第
3工程の前に、乾燥により得られた凝集体を適度な大き
さに解砕してペレットとしてもよく、あるいは金型等に
より大きな成形体を作製した後、再度解砕してもよい。
また、プリケッティング等で直接ペレットを作製するこ
とやアルミナまたはムライト粒子を骨材として添加し、
押し出し成形等の成形を行ってもよい。
【0079】このように、本発明では、加工性のよい原
料を使用しているため、ハニカム形状のように触媒担体
と触媒支持体とを兼ねた成形体を作製することができ
る。特に、高温で使用される触媒で問題となる、支持体
からの担体の剥離の問題を解決することができる。
【0080】第3工程では、上記混合物を焼成すること
により多孔体を製造する。焼成温度は、800〜150
0℃の範囲とするのが好ましい。焼成温度が800℃未
満では、焼結がほとんど起こらないため多孔体の強度が
不十分である。また、1500℃を越えると、焼成段階
で比表面積が低下するおそれがある。
【0081】焼成雰囲気としては、大気中でも不活性ガ
ス中でもよい。また、焼成時間、昇温速度はともに特に
制限はない。
【0082】(第2発明の具体例)本第2発明の多孔体
の製造方法は、アルミナ粒子よりなる粉末と上記(k)
〜(n)のうちの少なくとも1種よりなるアルコキシド
とを混合用媒体中で混合すると共に上記アルコキシドを
加水分解し(第1工程)、次にこれらを乾燥し(第2工
程)、その後焼成する(第3工程)。
【0083】第1工程の混合工程において、原料である
アルミナ粒子よりなる粉末は、本第1発明と同様なもの
を利用することができる。
【0084】上記(k)は、シリコンのアルコキシドで
ある。
【0085】該シリコンのアルコキシドとしては、シリ
コンテトラメトキシド、シリコンテトラエトキシド、シ
リコンテトライソプロポキシド等が挙げられる。また、
アルミナ粒子よりなる粉末と(k)との配合割合は、特
に明確な限定領域はないが、ムライト相におけるシリカ
の固溶範囲、すなわち、シリカ/(アルミナ+シリカ)
=24〜28.2wt%の範囲が望ましい。
【0086】上記(l)は、1つの粒子内にアルミナと
シリカとを含有する粒子のアルコキシドである。
【0087】このアルコキシドとしては、Si(OR)
4 (R=CH3 、C2 5 、C3 7 等)で示されるシ
リコンテトラメトキシド、シリコンテトラエトキシド、
シリコンテトライソプロポキシド等の化合物と、Al
(OR)3 (R=C3 7 、C4 9 等)で示されるア
ルミニウムプロポキシド、アルミニウムブトキシド等の
化合物との混合物等が挙げられる。
【0088】1つの粒子内でのアルミナとシリカとの含
有率の比は、ムライト相におけるシリカの固溶範囲、す
なわち、シリカ/(アルミナ+シリカ)=24〜28.
2wt%の範囲である。
【0089】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(l)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、(l)
の粒子中のSiO2 量に換算して、0.1〜30wt%
の範囲で耐熱性向上の効果が大きく、また、上記(c)
と同様、1〜20wt%の範囲が望ましく、さらに3〜
15wt%の範囲が望ましい。
【0090】上記(m)は、バリウムのアルコキシドで
ある。
【0091】バリウムのアルコキシドとしては、バリウ
ムプロポキシド、バリウムブトキシド等が挙げられる。
【0092】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(m)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(m)との合計量に対して(m)
の配合量がBaOに換算して0.1〜30wt%の範囲
内で耐熱性向上の効果が大きく、また、0.5〜20w
t%の範囲が耐熱性向上の効果が顕著となるため望まし
く、3〜15wt%の範囲では最高の耐熱性が得られる
ためにさらに望ましい。
【0093】上記(n)は、ランタンのアルコキシドで
ある。
【0094】ランタンのアルコキシドとしては、ランタ
ンプロポキシド、ランタンブトキシド等が挙げられる。
【0095】また、アルミナ粒子よりなる粉末と(n)
との配合割合は、特に明確な限定領域はないが、アルミ
ナ粒子よりなる粉末と(n)との合計量に対して(n)
の配合量がLa2 3 に換算して0.05〜30wt%
の範囲で耐熱性向上の効果が大きく、また、0.1〜2
0wt%の範囲が望ましく、0.5〜10wt%の範囲
が最も耐熱性に優れた多孔体が得られるために最も望ま
しい。
【0096】アルミナ粒子よりなる粉末と上記(k)〜
(n)のうちの少なくとも1種よりなるアルコキシドと
を混合するための混合用媒体、混合条件等は本第1発明
と同様にすることができる。
【0097】このアルミナ粒子よりなる粉末と上記アル
コキシドとの混合物中の上記アルコキシドを加水分解す
る方法としては、アルコキシドと水とを混合することが
できる分散媒を用いるか、分散させるための補助分散媒
を添加する。例えば、エタノールを分散媒に用いた場合
は、シリコンテトラエトキシドと水との両者ともに混合
しうる。また、水に対してはシリコンテトラエトキシド
は溶解しないが、補助分散媒として若干のエタノールを
加えてやれば均一に混合することができる。後は自然に
加水分解が進行する。さらに酸またはアルカリを用いて
加水分解速度を調整してもよい。すなわち、塩酸等を加
えることにより、加水分解が速まり、微細な粒子を得る
ことができ、また、アルカリを用いて加水分解速度を遅
くすれば、アルミナ粒子をコートするような析出を起こ
させることができる。
【0098】上記アルコキシドを加水分解する時期は、
アルミナ粒子よりなる粉末と上記アルコキシドとを完全
に混合した後でもよく、あるいは両者を混合すると同時
に加水分解してもよい。
【0099】第2工程における乾燥の条件についても、
本第1発明と同様にすることができる。
【0100】また、第3工程における焼成方法、その条
件、および焼成前の成形条件等についても本第1発明と
同様にすることができる。
【0101】本発明により得られた多孔体は、原料のア
ルミナと上記(a)〜(n)との一部が反応して反応生
成物が生成し、反応しないアルミナと上記(a)〜
(n)とが残存したものとなる。該多孔体は、貴金属等
の触媒成分を担持させ、高耐熱性の触媒として使用する
ことができ、特に触媒燃焼用触媒担体として適してい
る。
【0102】以下、本発明の実施例を説明する。
【0103】(実施例1)平均粒径33nm、粒子内部
に水分を含まず、2次凝集のないアルミナ超微粉と、平
均粒径40nm、粒子内部に水分を含まず、2次凝集の
ないシリカ超微粉とを表1に示すような混合割合で、こ
れら粉末の10倍の重量のエタノールを混合用媒体と
し、プロペラ攪拌機を用いて10分間混合した。次に、
これを100℃で乾燥した後、32メッシュの篩いに通
し、その後アルミナ製坩堝中で800〜1400℃、2
時間で焼成した。これにより、4種類の多孔体を作製し
た。
【0104】また、比較のため、原料としてアルミナの
み、あるいはシリカのみからなるものを用い、それ以外
は上記と同様にして2種類の多孔体(比較例1、比較例
2)を作製した。
【0105】(実施例2)平均粒径33nm、粒子内部
に水分を含まず、2次凝集のないアルミナ超微粉と、平
均粒径40nm、粒子内部に水分を含まず、2次凝集の
ないシリカ超微粉とを表1に示すような混合割合で、こ
れら粉末の10倍の重量の水を混合用媒体とし、プロペ
ラ攪拌機を用いて10分間混合した。次に、これを12
0℃で乾燥した後、32メッシュの篩いに通し、その後
アルミナ坩堝中で1300℃、2時間で焼成した。これ
により多孔体を作製した。
【0106】(比較例3)水系アルミナゾルと水系シリ
カゾルとをモル比でAl2 3 :SiO2 =3:2とな
るように混合し、乾燥、固化した原料粉末に30wt%
の流動パラフィンを加えて粒状に成形し、その後120
0℃および1300℃で5時間焼成して多孔体を作製し
た。
【0107】(比較例4)硝酸アルミニウムと硝酸ラン
タンとをLa/(La+Al)=0.05となるように
混合した混合物の水溶液に、アンモニア水を加えて、ラ
ンタンとアルミニムウとの両者を含む水酸化物の沈殿を
得た。これを1000℃、1200℃、および1400
℃で5時間焼成して多孔体を作製した。
【0108】(比較例5)金属バリウムとアルミニウム
イソプロポキシドとをモル比でBa:Al=1:6とな
るようにイソプロパノールに溶解し、これを窒素雰囲気
において80℃で5時間還流攪拌して均一な溶液とし
た。これに蒸留水を滴下してゾルを生成した。このゾル
を80℃で熟成し、減圧乾燥した後、1000〜140
0℃で5時間焼成して多孔体を作製した。
【0109】(実施例3)平均粒径33nm、粒子内部
に水分を含まず、2次凝集のないアルミナ超微粉と、平
均粒径15nmの水系シリカゾルとを表2に示すような
割合で、アルミナ粉末の10倍の重量のエタノールを混
合用媒体とし、プロペラ攪拌機を用いて混合し、さらに
そのスラリーを1リットルガラスビーカに移し、超音波
を照射してさらに分散させた。次に、これを120℃で
乾燥した後、アルミナ坩堝中で1200℃および130
0℃で5時間焼成した。これにより5種類の多孔体を作
製した。
【0110】(比較例6)平均粒径0.5μmのγアル
ミナ粉末と、平均粒径15nmの水系シリカゾルとを表
2に示すような混合割合で、アルミナ粉末の10倍の重
量のエタノールを混合用媒体とし、プロペラ攪拌機を用
いて混合し、さらにそのスラリーを1リットルガラスビ
ーカに移し、超音波を照射してさらに分散させた。次
に、これを120℃で乾燥した後、アルミナ坩堝中で1
200℃および1300℃で5時間焼成した。これによ
り3種類の多孔体を作製した。
【0111】(実施例4)平均粒径33nm、粒子内部
に水分を含まず、2次凝集のないアルミナ超微粉と、シ
リコンテトラエトキシドとを表2に示すような混合割合
で、アルミナ粉末の10倍の重量のエタノールを混合用
媒体とし、プロペラ攪拌機を用いて混合し、次にHCl
を加えてHCl濃度を0.003Nとした。さらにこの
スラリーを1リットルガラスビーカに移し、超音波を照
射してさらに分散させた。次に、これを室温で5時間放
置した後、120℃で乾燥し、その後アルミナ坩堝中で
1200℃および1300℃で5時間焼成した。これに
より5種類の多孔体を作製した。
【0112】(比較例7)平均粒径0.5μmのγアル
ミナ粉末と、シリコンテトラエトキシドとを表2に示す
ような混合割合で、アルミナ粉末の10倍の重量のエタ
ノールを混合用媒体とし、プロペラ攪拌機を用いて混合
し、次にHClを加えてHCl濃度を0.003Nとし
た。さらにこのスラリーを1リットルガラスビーカに移
し、超音波を照射してさらに分散させた。次に、これを
室温で5時間放置した後、120℃で乾燥し、その後ア
ルミナ坩堝中で1200℃および1300℃で5時間焼
成した。これにより3種類の多孔体を作製した。
【0113】(実施例5)平均粒径33nm、粒子内部
に水分を含まず、2次凝集のないアルミナ超微粉を、ア
ルミナ粉末の10倍の重量のエタノールを混合用媒体と
し、プロペラ攪拌機を用いて混合した後、さらにプロペ
ラ攪拌機で攪拌しながら、表2に示す混合割合で酢酸バ
リウムの飽和水溶液を添加した。さらにこのスラリーを
1リットルガラスビーカに移し、超音波を照射してさら
に分散させた。次に、これを120℃で乾燥し、その後
アルミナ坩堝中で1200℃および1300℃で5時間
焼成した。これにより4種類の多孔体を作製した。
【0114】(実施例6)平均粒径33nm、粒子内部
に水分を含まず、2次凝集のないアルミナ超微粉を、ア
ルミナ粉末の10倍の重量のエタノールを混合用媒体と
し、プロペラ攪拌機を用いて混合した後、さらにプロペ
ラ攪拌機で攪拌しながら、表2に示す混合割合で硝酸ラ
ンタンの飽和水溶液を添加した。さらにこのスラリーを
1リットルガラスビーカに移し、超音波を照射してさら
に分散させた。次に、これを120℃で乾燥し、その後
アルミナ坩堝中で1200℃で5時間焼成した。これに
より4種類の多孔体を作製した。
【0115】(評価試験)上記実施例1〜6および比較
例1〜7により得られた多孔体の比表面積を、窒素を用
いたBET法により測定した。その結果を表1、表2、
図1(表1に記載の内容をグラフ化したもの)、および
図2(表2に記載の内容をグラフ化したもの)に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】表1、表2、図1、および図2より明らか
なように、本実施例の多孔体は比較例のものよりも12
00℃以上の高温で比表面積が大きいことが分かる。な
お、試料No.3−1、試料No.4−1のようなアル
ミナの多い領域では、通常従来では1000℃付近から
比表面積が低下し、10m2 /g以下の小さい値になっ
てしまう。しかし、試料No.3−1、試料No.4−
1の比表面積はアルミナが多いものの1200℃以上の
値としては非常に大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例および比較例により得られた多
孔体の焼成温度と比表面積との関係を示す線図
【図2】本発明の実施例および比較例により得られた多
孔体の比表面積を示す線図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−317178(JP,A) 特開 平2−229713(JP,A) 特開 平3−266985(JP,A) 特開 昭50−18504(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 38/00 - 38/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子内部に水を含有せず、平均粒径が1
    0〜100nmのアルミナ粒子よりなる粉末と、以下に
    示す(a)〜(j)のうちの少なくとも1種とを混合用
    媒体中で混合する工程と、 上記混合物を乾燥することにより混合用媒体を除去する
    工程と、 上記混合物を焼成する工程とよりなることを特徴とする
    多孔体の製造方法。 (a)粒子内部に水を含有せず、平均粒径が50nm以
    下のシリカ粒子よりなる粉末。 (b)シリカ粒子が平均粒径50nm以下で液体中に分
    散したゾル。 (c)シリカが液体中に溶解した溶液。 (d)1つの粒子内にアルミナとシリカとを、シリカ/
    (アルミナ+シリカ)=24〜28.2wt%の範囲で
    含有する粒子よりなり、粒子内部に水を含有せず、平均
    粒径が50nm以下の粉末。 (e)1つの粒子内にアルミナとシリカとを、シリカ/
    (アルミナ+シリカ)=24〜28.2wt%の範囲で
    含有する粒子が平均粒径50nm以下で液体中に分散し
    たゾル。 (f)平均粒径が50nm以下のバリウム化合物の粒子
    よりなる粉末。 (g)バリウム化合物の粒子が平均粒径50nm以下で
    液体中に分散したゾル。 (h)バリウム化合物が液体中に溶解した溶液。 (i)平均粒径が50nm以下のランタン化合物の粒子
    よりなる粉末。 (j)ランタン化合物が液体中に溶解した溶液。
  2. 【請求項2】 粒子内部に水を含有せず、平均粒径が1
    0〜100nmのアルミナ粒子よりなる粉末と、以下に
    示す(k)〜(n)のうちの少なくとも1種よりなるア
    ルコキシドとを混合用媒体中で混合すると共に上記アル
    コキシドを加水分解する工程と、 上記混合物を乾燥することにより混合用媒体を除去する
    工程と、 上記混合物を焼成する工程とよりなることを特徴とする
    多孔体の製造方法。 (k)シリコンのアルコキシド。 (l)1つの粒子内にアルミナとシリカとを、シリカ/
    (アルミナ+シリカ)= 24〜28.2wt%の範囲で
    含有する粒子のアルコキシド。 (m)バリウムのアルコキシド。 (n)ランタンのアルコキシド。
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