JP3458284B2 - 管曲装置 - Google Patents

管曲装置

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JP3458284B2
JP3458284B2 JP14323194A JP14323194A JP3458284B2 JP 3458284 B2 JP3458284 B2 JP 3458284B2 JP 14323194 A JP14323194 A JP 14323194A JP 14323194 A JP14323194 A JP 14323194A JP 3458284 B2 JP3458284 B2 JP 3458284B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ステンレス管や鋼管
などの管体を所定の曲率に曲げ成形する曲管の製造に使
用される管曲装置にかかり、特に、ガイドに外嵌した管
体を加熱しながらガイドに沿って押し出し曲げ成形した
後に、所定温度で焼入れ処理して製造される曲管の製造
に使用される管曲装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】管体を所定の曲率に曲げ成形する曲管の
製造に使用される管曲装置は、例えば、IPC分類B2
1D7/025として数多くのものが提案されている。
図11は、管曲装置の従来例を示す概略図である。図1
1に示した管曲装置は、成形しようとする管体Wをガイ
ドに外嵌し、加熱成形炉内で加熱しながら図示しない油
圧シリンダなどを駆動原とする押出機構の押圧板43’
により管体Wを成形ガイド30’に沿って押し出し成形
するものである。外嵌した管体を案内するガイドは、管
体Wの内径よりも若干小径に形成された直線ガイド2
0’と、この直線ガイド20’の先端に連続して設けら
れ、管体Wを所定の曲率に曲げ成形するために湾曲部が
成形された略J字状の成形ガイド30’とからなってい
る。成形ガイド30’を含むガイドの先端部は加熱成形
炉50’内に延設されていて、加熱しながら管体Wを連
続的に成形ガイド30’の前記湾曲部に沿って押し出す
ことにより、前記湾曲部に沿った形状の成形管W’を得
ることができるものである。なお、図11中符号59’
は重油燃焼式の加熱成形炉における加熱源である。この
ようにして所定の曲率を有する曲管に成形された成形管
W’は、後続の管体Wに押されることにより成形ガイド
30’の先端から外れて落下し、回収される。回収され
た成形管W’は、室温中に放置されて冷却された後、今
度は図示しない焼入れ炉内で所定の温度(例えば900
度)に加熱され、冷却槽内で冷却されて焼入れ処理が施
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の成形方法によれば、成形工程で一旦加熱した管体を
室温中で自然冷却し、熱処理工程で再び所定温度に加熱
して冷却しているため、工程数が増えて時間と手間がか
かるという問題がある。また、それぞれの工程で加熱す
る必要があるため、燃料や電力等のエネルギが余計にか
かり、成形コストが高くなるという問題もある。この問
題を解決するためには、加熱成形炉の出口に冷却装置を
設けて、加熱成形炉内で曲げ成形し、成形された成形管
が加熱成形炉から押し出された直後に、焼入れ温度とほ
ぼ等しい温度に加熱されている成形管に、冷却流体を噴
射して冷却することが考えられるが、その場合、成形管
の全長にわたってむらのない焼入れ処理を行わなければ
ならないという問題があった。また、ガイドは管曲装置
に複数の支持ローラにより支持されていて、ガイドに外
嵌された状態で案内されてきた管体は前記支持ローラを
乗り越えてガイド末端まで移動するが、成形ガイドや直
線ガイドは重量物であることから、支持ローラを乗り越
える際に管体の内周面がガイドに摺接して管体の内周面
に傷(擦過傷)が付きやすいという問題もある。特に、
大型管を成形する場合ほどガイドや管体自体の重量が大
きくなるため、管体の内周面に傷が付きやすくなる。
【0004】さらに、前記した成形ガイド30’と直線
ガイド20’とは、両者を一体に鋳造成形する方法のほ
かに、図12で示すように成形ガイド30’の後端に連
結部材32’を突当溶接し(図において符号37’は溶
接部分を示す)、この連結部材32’を介してボルトま
たは溶接により直線ガイド20’を連結するのが一般的
である。ところが、成形ガイド30’は、その性質上、
材質的に非常に硬いものが用いられ容易に切削加工でき
るものではないから、連結部材32’を溶接するための
成形ガイド30’の端面加工が困難であるうえ、連結部
材32’と成形ガイド30’とは異種金属であることか
ら溶接のために高度な技術が要求されるなどの問題があ
った。また、連結部材32’の溶接強度の不足やばらつ
きにより、管曲装置の稼動中に成形ガイド30’と直線
ガイド20’との連結部が破断するという不慮の事故が
発生することもあった。また、上述した従来の管曲装
は、管曲装置からの成形管の取り出しや熱処理装置へ
の運搬は人手に頼っている部分が大きく、曲管の製造工
程および熱処理工程の自動化が困難であるという問題も
あった。
【0005】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
ので、成形管全長にわたってむらのない焼入れを行うこ
とができる管曲装置を得ること、および、管曲装置を構
成する部材の中で最も良く消耗される成形ガイドの製造
を容易にでき、かつ、軽量化を図った管曲装置を得るこ
と、さらに、管体の内周面に傷が付くことがなく、仕上
の良好な成形管を得ることができるとともに、成形管の
搬出を自動的に行うことにより、省人化、省力化を図る
ことのできる管曲装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の管曲装置は、直線ガイドと、この直線状
のガイドの先端に設けられた所定曲率の湾曲部を有する
成形ガイドとからなるガイドを有し、このガイドに外嵌
した管体を前記ガイドに沿って押し出し、ガイド先端部
に設けた加熱成形炉内で所定温度に加熱しながら前記成
形ガイドに沿った形状に前記管体を成形する管曲装置に
おいて、前記管体を所定温度に加熱するとともに、前記
成形ガイド先端に面した位置に成形管の出口が形成され
た前記加熱成形炉と、前記出口近傍に設けられ、前記出
口から押し出される成形管と同心状に配置されたノズル
から前記成形管に冷却流体を噴射することにより前記成
形管を冷却する冷却装置と、前記出口の下方に設けられ
前記成形管を案内するとともに成形ガイドから外れた前
記成形管を保持し、前記成形管の末端まで前記押し出し
速度と同じ速度で前記冷却装置を通過させる成形管保持
手段と、を備えたことを特徴とする管曲装置であって、
前記成形管保持手段は、前記成形ガイドの先端から前記
成形管が外れる際に、この成形管が落下しないように前
記成形管を支持するとともに押し出し移動方向に沿って
前記成形管を案内する案内支持部材と、前記成形管の先
端と当接し前記加熱成形炉から押し出される前記成形管
の押し出し力により押されて前記成形管とともに移動す
る当接部材と、この当接部材を移動可能にする駆動手段
と、前記成形管が前記成形ガイドの末端から外れたとき
に前記成形管の自重によって前記当接部材の移動速度が
変化しないように規制する規制手段と、この規制手段と
前記当接部材とを連絡し、この当接部材に付与される押
圧力を前記規制手段に伝達する押圧力伝達手段と、前記
成形管の末端が前記冷却装置を通過したときに、感知信
号を出力して前記駆動手段を駆動し、前記押し出し速度
よりも速い速度で前記当接部材と前記成形管を移動させ
る感知手段からと構成されたことを特徴とする。(請求
項1)。この構成においては、前記成形管保持手段は移
動自在な搬送台車上に設けてもよい。なお、前記規制手
段としては、円板クラッチや円錐クラッチなどの公知の
摩擦クラッチを使用することができる。 さらに、前記成
形ガイドは、中空管体を心材にし、この中空管体の先端
に前記 直線ガイドと前記成形ガイドとを連結するための
連結部材を設け、前記中空管体と前記連結部材との周囲
に溶湯を流し込んで一体に鋳造成形したものとしてもよ
い(請求項2)。
【0007】
【0008】
【0009】
【作用】本発明の管曲装置によれば以下のように作用す
る。冷却装置を通過した成形管の先端は、加熱成形炉の
下方に設けられた成形管保持手段により案内される。成
形管が成形ガイドの末端から外れると、成形管は自重に
より落下しようとするが、先端が成形管保持手段により
保持されているとともに、規制手段により前記成形管の
急激な移動速度の変化が妨げられる。これにより、成形
管は後続の成形管に押されて一定速度で移動を継続し、
成形管の末端まで均一速度で冷却装置を通過することに
なるので、成形管の全長にわたってむらなく焼入れ処理
されることになる。 また、中空管体を心材として連結部
材を一体に鋳込成形してなる成形ガイドは、成形ガイド
の端面加工や溶接作業などが不要となって製造が容易に
なり、かつ、成形ガイドの重量が軽くなって、支持ロー
ラを乗り越える際に管体にかかる負荷を軽減することが
できるようになる。また、支持ローラの前後の直線ガイ
ド下面に案内ローラを設けたものは、支持ローラを乗り
越える際に管体の内周面が直線ガイドの下面と非接触状
態になるので、管体の内周面に傷が付くことがない。
【0010】
【0011】
【0012】
【実施例】本発明の好適な一実施例を、図面に従って詳
細に説明する。 [管曲装置の全体構成]図1および図2は本発明の管曲
装置の一実施例にかかり、一部を断面した側面図で、図
1はその前部部分、図2はその後部部分である。なお、
図1および図2において「前後」というときには紙面の
左右方向を、「左右」というときには紙面に対して直交
する方向をいうものとする。ベース2上に管曲装置1の
基台10が固定され、この基台10上に直線ガイド20
が水平に設けられている。この直線ガイド20の先端に
湾曲部を有する成形ガイド30が連結されている。直線
ガイド20および成形ガイド30は、基台10の上部の
前後に設けられた支持ローラ11,11上に載置されて
いて、直線ガイド20に外嵌された管体Wは、この支持
ローラ11,11を乗り越えて成形ガイド30の方へ移
動することができるようになっている。また、符号40
は直線ガイド20に外嵌された管体Wを成形ガイド30
側に押し出す押出機構である。以下に、この押出機構の
全体構成を簡単に説明する。
【0013】押出機構40は、直線ガイド20の後端部
と係合して直線ガイド20の前後方向の移動を規制する
規制板41と、直線ガイド20の前方側(図面左方向
側)に設けられた前方板43と、直線ガイド20を挾む
ように直線ガイド20の左右両側に配置され、基端部を
規制板41に固定された一対の油圧シリンダ44と、こ
の油圧シリンダ44の伸縮自在なピストンロッドの先端
に連結され、規制板41と前方板43の間で往復移動可
能な押圧板42からなっている。規制板41と前方板4
3との間には、複数本のガイド45が直線ガイド20と
平行に架設され、押圧板42はこのガイド45に案内さ
れながら移動できるようになっている。そして、油圧シ
リンダ44が駆動してピストンロッドが伸長すると、直
線ガイド20に外嵌された管体Wを押圧板42の前面で
成形ガイド30側に押し出す。直線ガイド20には、複
数個の管体Wが連続して外嵌されているので、押圧板4
2による押し出し動作は管体Wを介して前方側の管体W
に伝達され、前方側の管体Wを成形ガイド30に沿った
形状に曲げ成形する。規制板41と押圧板42および油
圧シリンダ44は図2中矢印Zで示すように直線ガイド
20に対して昇降可能である。この規制板41等の昇降
は、基台10の上方に設けられた図示しない昇降用シリ
ンダにより昇降される。そして、前記昇降用シリンダを
駆動させて規制板41,押圧板42および油圧シリンダ
44を上昇させた状態で、直線ガイド20の後方に設け
られたコンベア13から所定個数の管体Wを直線ガイド
20に嵌装する。この後、前記昇降用シリンダを駆動し
て規制板41,押圧板42および油圧シリンダ44を下
降させる。
【0014】[加熱成形炉]基台10の前方側に張り出
す基台前部12には、成形ガイド30の全体を包むよう
に加熱成形炉50が設けられている。この加熱成形炉5
0の直線ガイド20に面した側には管体Wの入口51
が、下面側には成形ガイド30により所定の曲率に曲げ
成形された成形管W′の出口52が形成されている。こ
の実施例において加熱成形炉50は、補修や点検,清掃
などの作業の利便性を考慮して、左右2分割構造になっ
ている。図10は、図1において矢印Cの方向から見た
加熱成形炉50の説明図である。基台前部12上には、
左右(図10において紙面左右方向)にレール100,
100が平行に架設され、このレール100,100上
を加熱成形炉50の左側分割体50aと右側分割体50
bとが相反する方向に移動できるようになっている。両
分割体50a,50bの側面からは水平方向に螺子軸1
03a,103bがそれぞれ突設され、この螺子軸10
3a,103bの先端側は基台前部12上の左右両側に
設けられたブラケット101a,101bを貫通して支
持されている。このブラケット101a,101bに
は、螺子軸103a,103bと螺合できる回転自在な
螺合体が設けられていて、ブラケット101a,101
b近傍の基台前部12に固定されたモータ104,10
4により回転されるようになっている。
【0015】この態様により、加熱成形炉50を補修,
点検,清掃等する場合には、締結手段53による締結を
解除してモータ104を駆動させる。モータ104の駆
動により螺着体102a,102bが回転して、螺着体
102a,102bにそれぞれ螺合された螺子軸101
a,101bとともに、両分割体50a,50bがレー
ル100,100に沿ってそれぞれ矢印で示す方向にに
移動し、加熱成形炉50が左右に開放される。なお、図
10において加熱成形炉50が左右に開放した状態を仮
想線(二点鎖線)で示す。
【0016】また、図1に示すようにこの実施例におけ
る加熱成形炉50は、その内部略中央を隔壁50cによ
り前後(図1において左右)に区分けされている。そし
て、前部の加熱室59aでは加熱成形に必要な温度(約
850度〜950度程度)まで管体Wを加熱し、後部の
保温室59bでは焼入れ温度(約900度)よりも若干
高い温度(約950度程度)まで管体Wを昇温してその
温度を維持するようにしている。これは、後述する冷却
装置60が加熱成形炉50の外側に設けられていること
から、加熱成形炉50の出口52から押し出された成形
管W′が冷却装置60に達するまでの間に放熱されて、
冷却装置60により冷却される際には前記した焼入れ温
度になっているようにするためである。そのため、保温
室59b内における成形管W′の温度は、外気温度や成
形管W′の肉厚等を考慮して、予め実験的に定めておく
ことが望ましい。なお、図1において符号53は加熱成
形炉50の所定箇所に設けられた左右分割体50a,5
0bの締結手段,符号58は重油燃焼式の加熱成形炉5
0における加熱源である。
【0017】基台前部12の加熱成形炉50の下方に
は、出口52から押し出されてきた成形管W′を受け取
って所定の姿勢に保持するとともに、図1中矢印Yの方
向に移動して成形管W′を管曲装置1から搬出する搬送
装置70が設けられている。また、直線ガイド20およ
び成形ガイド30は、基台10上に前後に配置された2
つの支持ローラ11のみによって支持されているため、
支持ローラ11の前方側と後方側の重量配分は均等であ
ることが望ましい。しかし、成形後期において、成形ガ
イド30に外嵌された管体Wにより前記した重量配分が
前方側に著しく偏ってしまうような場合には、直線ガイ
ド20の後端にバランサ21を設けることが望ましい。
なお、図1および図2において、符号7は管曲装置1の
近傍に設けられた冷却水槽、符号9はこの冷却水槽7か
ら冷却水を汲み出して後述する冷却装置60に冷却流体
である冷却水を圧送する送水ポンプ、符号8はシリンダ
や油圧モータ等の駆動体を駆動するための油圧供給装置
である。
【0018】[直線ガイド]次に、この実施例における
直線ガイド20と成形ガイド30の構成を説明する。図
3は直線ガイドの説明図で、(イ)は前方部分の拡大
図、(ロ)は(イ)のX−X方向断面図、図4は直線ガ
イドの後端部に設けた位置調整手段の作用の概略説明
図、図5はこの実施例における成形ガイドの説明図で、
(イ)は成形ガイドの断面図、(ロ)は心材の先端部に
設けられる連結部材の断面正面図、(ハ)は心材の側面
図である。直線ガイド20は、管体Wを外嵌できるよう
に管体Wよりも若干小径に形成されているとともに、そ
の断面形状は、軽量化のために両側面を切落して略太鼓
形状に形成されている。また、この実施例において直線
ガイド20には、均等間隔で複数個のガイドローラ2
2,22が設けられている(図2参照)。このガイドロ
ーラ22は直線ガイド20の後方側では上面側に、前方
側の支持ローラ11の近傍では下面側に設けられてい
る。
【0019】直線ガイド20の両側面の対称位置にはU
字状のガイドローラ取付溝24a,24bが削成され、
一方側のガイドローラ取付溝24aから他方側のガイド
ローラ取付溝24bに軸穴25が貫通形成されている。
この軸穴25に軸26が挿通して設けられ、両取付溝2
4a,24bに突出する軸26の先端に軸受26aを介
して円板状のガイドローラ22,22が回転自在に取り
付けられている。ローラ22,22の外周面は、直線ガ
イド20の外周面より僅かに突出しているとともに、管
体Wの内周面と密接できるように前記内周面と同一形状
の円弧の一部をなすように形成されている。上記の態様
により、直線ガイド20の後方側では管体Wはガイドロ
ーラ22により僅かに直線ガイド20の外周面より浮き
上がった状態で移動するので、移動がスムースになり、
また、管体Wが重量物になっても直線ガイド20の表面
と摺接することがないので内周面に傷が付くことがな
い。さらに、直線ガイド20の前方側で支持ローラ11
を乗り越える際にも、下側に設けられたガイドローラ2
2により管体Wが直線ガイド20の外周面と接触するこ
とがなく、管体Wの内周面に傷が付くことがない。
【0020】[直線ガイド後部側の構成]なお、この実
施例において、直線ガイド20および規制板41には、
図4に示すような位置修正手段28が設けられている。
その理由は、直線ガイド20の後端には切欠溝27が形
成され、この切欠溝27と規制板41が係合することに
より、管体Wを前方側に押し出しても直線ガイド20の
前後方向へ移動しないように規制しているが、油圧シリ
ンダ44による押し出し力は強力なものであるため、規
制板41を上昇させて規制を解除すると直線ガイド20
および成形ガイド30が僅かだが前方側に移動すること
がある。このような場合、規制板41を下降させて規制
板41と前記切欠溝27とを係合させようとしても、切
欠溝27が前方側にずれてしまっているため両者を係合
させることが困難になるからである。この位置修正手段
28は、規制板41と切欠溝27とが係合する係合部分
に、同一方向に傾斜するテーパ部27a,41aを形成
してなっている。直線ガイド20が前方側に位置ずれし
ていても(図4(イ)の状態)、規制板41が下降して
きて切欠溝27と係合する際には、テーパ部27a,4
1aの傾斜面が互いに摺接して直線ガイド20を後方側
に移動させる(図4(ロ)矢印参照)。このような位置
修正手段28を設けることにより、直線ガイド20の前
方側への位置ずれによる規制板41と直線ガイド20と
の係合の困難さを解消して、管曲装置1の運転の再開を
迅速に行うことができるようになった。
【0021】[成形ガイド]図5は本発明の成形ガイド
の説明図にかかり、(イ)は成形ガイドの縦断面図、
(ロ)は連結部材の側面断面図、(ハ)は連結部材の正
面図である。図5(イ)に示すように成形ガイド30
は、所定の形状に曲げ成形された管状の心材31の周り
に成形ガイド30の母材となる金属39の溶湯を流し込
んで、一体に鋳造成形されている。成形ガイド30は、
管体Wを曲げ成形する際に歪みやしわが生じず、かつ、
円周方向の肉厚が成形管W′の全長にわたって均一にな
るように、先端側に向かうほど徐々に外径が増加するよ
うに形成されている。そのため、心材31も、図5
(イ)に示すように、成形ガイド30の外径の変化に応
じて段階的に、あるいは徐々に管径が増加するように形
成されている。直線ガイド20と成形ガイド30とをボ
ルトで連結するために心材31の後端に設けられる連結
部材32は、ボルト穴36を同一円周上に均等間隔で複
数有するフランジ部34を一側に有し、外周面には、円
周方向に数条の円周方向溝33が形成され、他側外周縁
には連結部材32の中心軸線と平行に軸方向溝35が均
等間隔で複数形成されている。前記した円周方向溝33
は、成形ガイド30から連結部材32が容易に抜け出な
いようにするためのもので、軸方向溝35は、連結部材
32が成形ガイド30の中で心材31を中心に回動しな
いように規制するためのものである。
【0022】成形ガイド30は公知の鋳造方法によって
成形することができる。成形ガイド30の成形方法を簡
単に説明すると、成形ガイド30の全長よりも若干長め
に形成した心材31を、キャビティの中心を通るように
砂型に配置し、キャビティから突出する両端を砂型に支
持させる。一方、連結部材32は、心材31に外嵌させ
た状態で、キャビティ内の成形ガイド30の後端に相当
する部位に配置する。この状態でキャビティ内に母材と
なる金属39の溶湯を流し込むと、心材31と連結部材
32が一体となった成形ガイド30が成形される。成形
ガイド30の両端から突出する心材31の余剰部分は後
に切断して処理すればよい。成形ガイド30をこのよう
に形成することにより、連結部材32を取り付けるため
の成形ガイド30の端面加工と溶接作業が不要となるう
え、成形ガイド30に対する連結部材32の固着強度が
均一かつ強固になり、溶接の不完全や溶接強度のばらつ
きがなくなり、管曲装置1の稼働中における直線ガイド
20と成形ガイド30の連結部の突然の破断による不慮
の事故を防止できるという効果がある。また、成形ガイ
ド30の重量が大幅に軽減されて、支持ローラ22を乗
り越える際に管体Wに付加される重量が軽減されて管体
Wの内周面に傷が付きにくくなり、良好で安定した品質
の成形管W′を提供できるという特徴を有する。
【0023】[冷却装置]次に加熱成形炉50で焼入れ
温度まで加熱されて成形管W′を、加熱成形炉50の出
口52の近傍で冷却するための冷却装置60の構成を、
図1,図2および図6に従って説明する。図6は冷却装
置60の説明図にかかり、図6(イ)は冷却装置60を
備えた加熱成形炉50の出口52近傍の拡大図、図6
(ロ)は冷却装置60の主要部を(イ)の矢印Rの方向
から見た平面図である。出口52近傍の基台前部12に
ブラケット61を介して二つの中空環状体62,63が
上下に平行に設けられている。この中空環状体62,6
3は、それぞれ成形管W′が挿通できるように成形管
W′の外径よりも大径に形成されているとともに、出口
52から押し出される成形管W′が円弧状に湾曲してい
ることから、成形管W′の中心軸線Oと各中空環状体6
2,63の中心とを一致させるべく、前後にずらしてブ
ラケット61に取り付けられている。また、図6(イ)
において符号62′,63′は成形管W′の中心軸線O
と各中空環状体62,63の中心とを一致させるための
他の態様を仮想線(二点鎖線)で表したものだが、上下
の中空環状体62′,63′をそれぞれ、成形管W′の
曲げ中心に向けて傾斜して設けている。このように構成
すると、中空環状体62′,63′の内周に設けた全て
のノズル65(後述)と成形管W′の外周面との距離が
等しくなって、成形管W′の全周にわたって均等に冷却
水を噴射できるようになるという特徴がある。
【0024】中空環状体62,63は内部を冷却流体で
ある冷却水が流通できるようになっていて、それぞれ冷
却水供給管64に接続されている。また、各中空環状体
62,63には、内側に向けて均等間隔でノズル65が
突設されている。冷却水供給管64の他端は送水ポンプ
9に接続され、冷却水槽7から送水ポンプ9により圧送
された冷却水は、ノズル65から成形管W′に向けて噴
射されて成形管W′を冷却する。
【0025】加熱成形炉50内には位置確認手段54が
設けられていて、加熱成形炉50内における成形管W′
の中心軸線Oの位置を常時監視している。すなわち、こ
の管曲装置1の始動開始直後には、熱膨張により成形ガ
イド30の先端位置が変化し、これにともなって成形ガ
イド30に外嵌された成形管W′の中心軸線Oの位置が
ずれることになる。そのため、この実施例では、加熱成
形炉50内の出口52近傍に成形管W′の位置確認手段
54を設け、この位置確認手段54の出力信号により作
業者に位置ずれを報知し、作業者がブラケット61の取
付位置をずらして常に成形管W′の中心軸線Oと各中空
環状体62,63の中心とを一致させることができるよ
うにしている。位置確認手段54としては、加熱成形炉
50内に設けられ常時高温に晒されることから、耐熱性
に優れた公知のタッチセンサ等を利用することができ
る。また、冷却装置60の取付位置の調整は、ブラケッ
ト61を取り付けるボルト(図示せず)を緩めることに
より、ブラケット61自体を前後に移動させて行うもの
としてもよいが、以下に説明するようなボルト・ナット
機構からなる位置調整手段68を設けることにより、よ
り簡単かつ迅速,正確に作業を行うことができるように
なる。すなわち、基台前部12上に、冷却装置60を取
り付ける取付板67を前後位置調整可能に載置し、この
取付板67にブラケット61を取り付ける。そして、取
付板67の端部に、ボルト,ナット機構からなる位置調
整手段68を設ければよい。この位置調整手段68のボ
ルト69をいずれかの方向に回転させることにより、取
付板67とともに冷却装置60が前後に移動して、位置
の微調整が可能になる。
【0026】なお、冷却装置60は、加熱成形炉50の
出口52から押し出されてきたときにただちに冷却水を
噴射して冷却することが望ましいため、中空環状体6
2,63はできるだけ出口52の近傍に設ける必要があ
る。一方、この冷却水は、ノズル65から常時噴射され
ているが、管体Wを直線ガイド20に外嵌するために一
時的に成形作業を停止するような場合には、冷却水が出
口52から加熱成形炉50内に浸入しないようにするた
めに、シャッタ装置55を設けることが望ましい。 こ
のシャッタ装置55は、冷却装置60と出口52の間の
基台前部12に設けられ、出口52の直下で前後に開閉
するシャッタ56a,56bと、このシャッタ56a,
56bをそれぞれ移動させて出口52の開閉を行う駆動
体としてのエアシリンダ57,57とからなっている。
【0027】[搬送手段]次に、成形管W′を受け取
り、管曲装置1から搬出す搬送装置70および保持手段
80の構成を図1および図7に従って説明する。図7
(イ)は、搬送装置70および保持手段80の駆動機構
の構成を説明するための要部の正面図、(ロ)は(イ)
のX′−X′方向断面図である。成形管W′を管曲装置
1から搬出する搬送装置70は、ベース2上に敷設され
た走行レール71と、この走行レール71上を矢印Yの
方向に走行する搬送台車72と、走行レール71の端部
に設けられ搬送台車72を走行自在にする駆動装置73
とからなっている。さらにこの駆動装置73は、ベース
2上に固定され正逆回転可能なモータ74と、このモー
タ74に連結された減速器75と、走行レール71の両
端に設けられた駆動側および従動側のスプロケット76
a,76bと、このスプロケット76a,76b間に張
設されたチェーン77とからなっている。搬送台車72
はチェーン77に連結され、モータ74の駆動によるチ
ェーン77の走行とともに走行できるようになってい
る。
【0028】図7において符号78は走行レール71の
端部に設けられたストッパ、符号79は搬送台車72の
端部に設けられたリミットスイッチで、このリミットス
イッチ79がストッパ78に当接することによりモータ
74の駆動を止め、搬送台車72を走行レール71の端
部の所定位置で停止させることができるようになってい
る。なお、図には示さないが、ストッパ78およびリミ
ットスイッチ79は走行レール71および搬送台車72
の反対側端部にも設けられている。
【0029】所定の温度(例えば950度)まで加熱さ
れ、出口52から押し出されてきた成形管W′を冷却装
置60により冷却して、成形管W′の全長にわたってむ
らのない焼入れ処理を行うには、成形管W′の先端から
末端までが均一速度で冷却装置60を通過できるように
しなければならない。成形管W′が成形ガイド30に外
嵌されている状態においては、成形管W′の押し出し速
度は一定であるため問題はないが、成形管W′の末端が
成形ガイド30から外れると、成形管W′の自重により
その速度が急激に変化する。そのため、成形管W′の末
端が成形ガイド30から外れても、成形管W′の移動を
案内するとともに成形管W′の自重を支えて押し出し速
度が変化しないように規制する保持手段および規制手段
を設ける必要がある。この実施例では、このような技術
的課題を解決するために以下に説明するような成形管保
持手段80と規制手段92を設けている。
【0030】[成形管の保持手段]搬送台車72の上に
は、出口52から押し出された成形管W′を保持する成
形管保持手段80が設けられている。この成形管保持手
段80は、図1に示すように、成形管W′の概形に合わ
せて同一の円弧線上に配置された複数個(この実施例で
は4個)の支持ローラ81と、搬送台車72の上面に前
後に相対向して設けられ、それぞれ内側に傾斜する傾斜
部に支持ローラ81を取り付けた取付部材82と、搬送
台車72上に進退移動自在に設けられた当接部材として
の当接板83と、この当接板83の移動経路に沿って両
側に立設されたブラケット84に回転自在に取り付けら
れた補助ローラ85と、当接板83を移動自在にするべ
く搬送台車72上の端部に設けられた駆動装置86とか
らなる。
【0031】補助ローラ85a,85bは、成形管W′
を両側から支持して左右のいずれかに倒れないようにす
るもので、成形管W′の外径とほぼ等しい距離をおいて
対向配置され、かつ、支持ローラ81上を移動する成形
管W′の中心軸線Oと同じ高さになるように設けられて
いる。勿論、成形管W′を両側から支持できるものであ
れば、上記した補助ローラ85a,85b間の距離およ
び高さは、適宜に設計変更することができる。また、こ
の実施例において補助ローラ85a,85bは、各取付
部材82,82の支持ローラ81,81の間に前後2組
設けるものとしているが、最低限度一組あれば成形管
W′を左右両側から支持することができるので、一組あ
るいは3組以上設けるものとしても差し支えない。上記
した支持ローラ81と補助ローラ85a,85bとで案
内支持部材が構成される。
【0032】搬送台車72のほぼ中央には、加熱成形炉
50の出口52から押し出されてくる成形管W’の押し
出し方向と平行になるようにレール96が敷設され、当
接板83の下部に設けられた上下一体のローラ87a,
87bがこのレール96を挟み込んでいる。当接板83
の下部には、レール96を両側から挟むように左右一対
の側板83a,83aが垂設され、この側板83a,8
3aの前後位置および左右対向位置に合計4組のローラ
87a,87bが設けられていて、当接板83がレール
96に沿って円滑に移動できるようになっている。当接
板83の中央には、図7に示すように、搬送台車72の
ほぼ中央に設けられた取付部材82と干渉しないように
逆U字状の切欠部83bが形成されている。この切欠部
83bの形状を逆U字状にしたのは、前記した案内支持
部材により案内されながら移動する成形管W’の先端
と、切欠部83bの内周縁とが干渉しないようにするた
めである。また、当接板83の両側は、当接板83の移
動経路の両側に内方に向けて設けられた補助ローラ85
a,85bと干渉しないようにするために、該当部分を
切り落として段付き状の肩部83cが形成されている。
【0033】駆動装置86は、正逆回転可能なモータ8
8と、このモータ88に連結された減速器89と、レー
ル96の両端に設けられた駆動側スプロケット90aお
よび従動側スプロケット90bと、この両スプロケット
90a,90b間に張設されたチェーン91と、駆動側
スプロケット90aに連結された規制手段92とからな
る。当接板83はチェーン91に連結されていて、モー
タ88の駆動によるチェーン91の移動とともにレール
96に沿って移動する。
【0034】[規制手段]この規制手段92は、一定の
押圧力の下では当接板83が移動しないように規制する
もので、モータ88と一体的または別体に設けられた図
示しないブレーキ装置と、出口52から押し出されてき
た成形管W′が当接板83に当接して所定力以上の押圧
力で当接板83を押したときに、滑りを生じて当接板8
3を移動させる摩擦クラッチ93と、この摩擦クラッチ
93と当接板83とを連結し当接板83に作用する押圧
力を摩擦クラッチ93に伝達する押圧力伝達手段として
のチェーン91,スプロケット90a,90bとからな
っている。図8は、図7(イ)の駆動機構を矢印Dの方
向から見た図で、規制手段92の主要部の説明図であ
る。減速器89の出力軸94aの先端に摩擦クラッチ9
3の一方の円板体93aがキー止めされ、出力軸94a
と同軸上で軸受99,99により回転自在に支持された
軸94bの一端に、他方の円板体93bがキー止めされ
ている。他方の円板体93bは、軸94bに嵌装された
コイルスプリング95の弾発力により所定の力で一方の
円板体93aに押し付けられている。当接板83が動き
出す力を強弱調整するには、このコイルスプリング95
の弾発力を強弱調整すればよい。前記したように当接板
83はチェーン91に連結されているため、当接板83
が移動するとチェーン91には張力が作用する。このチ
ェーンの張力は、軸94bに軸受99を支点とする回転
力を付与することになる。そして、この回転力により軸
94bの軸心と出力軸94aの軸心との間にずれが生じ
ると、両軸94a,94b間の円滑な回転力の伝達が困
難になるため、前記した回転力を相殺する必要がある。
この実施例では、軸94bの他端側にも軸受99とスプ
ロケット97を設け、従動側スプロケット90bと同軸
上に設けた別のスプロケット(図示せず)との間にチェ
ーンを張設している。これにより、軸受99を支点とす
る回転力は他側に張設したチェーン98の張力によって
相殺され、両軸94a,94bの心ずれを防止してい
る。
【0035】図9は、規制手段92の作用の説明図であ
る。成形ガイド30に沿って出口52から成形管W′が
押し出されてくると、成形管W′は出口52の近傍で冷
却装置60によりただちに冷却される。成形管W′は一
定の押し出し速度で出口52から押し出され、やがて成
形管保持手段80に達する。成形管W′の先端は、この
成形管保持手段80の支持ローラ81と補助ローラ85
により支持,案内される。成形管W′の先端が図中Aの
位置で待機している当接板83の一面に当接して当接板
83を押すと、この押圧力はチェーン91および駆動側
スプロケット92aに伝達され、摩擦クラッチ93の円
板体93a,93bとに滑りを生じさせる。これによ
り、当接板83は成形管W′の押し出し速度と同じ速度
で後方側に移動を開始する(図9(イ)の状態)。成形
ガイド30から成形管W′が外れると、成形管W′のほ
ぼ全重量が当接板83に負荷されるが、摩擦クラッチ9
3は成形管W′の全重量が当接板83に付与されても円
板体93a,93bに新たな滑りが生じないように調整
されているので、成形管W′は保持手段80に案内され
ながら後続の成形管W′に押されて引き続き同じ速度で
移動する。
【0036】成形管W′の末端が冷却装置60を通過す
ると、冷却装置60の下方近傍に設けられた感知手段と
してのセンサ66が成形管W′の末端を感知して管曲装
置1の駆動を制御する図示しない制御装置に感知信号を
出力する。制御装置は指令信号を出力してモータ88を
駆動させる。これにより、当接板83は、図9(ロ)で
示す位置Bからレール96の端部まで前記した押し出し
速度より速い速度で移動するので、成形管保持手段80
に保持された成形管W′と後続する他の成形管W′との
間に隙間Lが生じる(図9(ハ)の状態)。なお、前記
したセンサ66は、成形管W′と成形管W′の継ぎ目を
感知することができるものであれば、近接スイッチやリ
ミットスイッチ,反射式の光電スイッチなどの公知のセ
ンサを使用することができる。
【0037】次に、上記のように構成された本発明の曲
管の製造方法および上述した管曲装置の作用を説明す
る。初期状態においては、押出機構40を構成する図示
しない昇降用シリンダの駆動により、規制板41,押圧
板42および油圧シリンダ44が上昇している。管体W
は、コンベア13から直線ガイド20の後端に嵌装され
る。所定個数の管体Wを嵌装した後は、昇降用シリンダ
を駆動して規制板41,押圧板42および油圧シリンダ
44を下降させ、規制板41と直線ガイド20の後端と
を係合させる。油圧シリンダ44を駆動して押圧板42
を前方側に移動させると、この押圧板42に押されて管
体Wが移動する。管体Wが支持ローラ11を乗り越える
ときには、直線ガイド20の下側に設けられたガイドロ
ーラ22により管体Wの内周面と直線ガイド20とが摺
接することがなく、管体Wの内周面に傷が付くことがな
い。
【0038】[管体を所定温度に加熱する工程]後続の
管体Wに押されて加熱成形炉50内に進入した管体W
は、まず、焼入れ温度程度(例えば900度前後)に保
持されている加熱室59a内で加熱されながら成形さ
れ、次いで、焼入れ温度より若干高い温度(例えば約9
50度)に保たれている保温室59b内で加熱,保温さ
れながら成形ガイド30に沿った所定形状の成形管W′
に成形される。
【0039】[成形管を冷却する工程]成形ガイド30
により所定曲率の曲管に成形された成形管W′は、加熱
成形炉50の出口52から押し出されるが、出口52の
近傍に設けられた冷却装置60により冷却水を噴射され
て冷却され、焼入れ処理が施される。このとき、加熱成
形炉50の出口52から押し出された成形管W′は、外
気に晒されて若干温度が低下し、焼き入れ温度にほぼ等
しい温度(約900度)になっている。
【0040】[成形管体をその末端まで一定速度で移動
させる工程]冷却装置60の下方には搬送台車72が待
機している。また、成形管保持手段80の当接板83が
図7で示す符号Aの位置まで前進して待機している。こ
のとき、図示しないブレーキ機構が作動しているので、
当接板83は容易には移動しないようになっている。出
口52から押し出されてきた成形管W′の先端は、成形
管保持手段80の支持ローラ81に案内されながら当接
板83に当接し、押圧力を付与する。この押圧力が所定
の力以上になると、摩擦クラッチ93に滑りが生じて当
接板83が移動を開始する。成形管W′の末端が成形ガ
イド30から外れると、成形管W′の自重が当接板83
に負荷されるが、成形管W′の自重は前記押圧力よりも
十分に小さいので当接板83の移動速度が変わることは
ない。冷却装置60では、成形管W′の外周に均一に冷
却水を噴射し、かつ、成形管W′の移動速度は先端から
末端まで変わることがないので、成形管W′は全体にわ
たって均一でむらのない焼入れ処理が施されることにな
る。
【0041】成形管W′の末端が冷却装置60を通過す
ると、センサ66が成形管W′の末端を感知してモータ
88を駆動し、当接板83をレール96の末端まで移動
させる。これにより、後続の成形管W′との間に隙間L
が生じるので、保持手段80に保持した成形管W′を後
続の成形管W′と干渉することなく、搬送装置70によ
り図9(ハ)中矢印Fの方向に搬出することが可能にな
る。
【0042】本発明の好適な実施例を説明してきたが、
本発明の実施例は上記の態様のものには限定されない。
例えば、当接板83や搬送台車72を移動させるため
に、チェーン77,91やスプロケット76a,76
b,91a,91bを使用するものとして説明したが、
騒音が比較的小さく延びの少ないベルトやプーリによる
ものとしてもよいし、ボールねじ機構を利用するものと
してもよい。また、搬送台車72は、位置決めが確実に
行えるものであれば、自走式のものであってもよい。ま
た、当接板83は、成形管W′に押されたときに摩擦ク
ラッチ92を構成する一対の円板体93a,93bが滑
って移動するものとして説明したが、成形管W′が当接
板W′に当接したときに、押し出し速度に同期させてモ
ータ88を駆動させ、成形管W′と当接板83を同速度
で移動させるように構成してもよい。さらに、成形ガイ
ド30から成形管W′の末端が外れたか否かを感知する
手段としては、当接板83の位置をリミットスイッチ等
で感知する方法のほか、圧力スイッチなどを利用して、
成形管W′に作用する押し出し圧力の瞬間的な変化を感
知する方法などがある。また、冷却装置60は2つの中
空環状体62,63を上下に設け、その内周円にノズル
65を設けるものとして説明したが、中空環状体62,
63の数は必ずしも2つである必要はなく、1つまたは
3つ以上としてもよいことはいうまでもない。
【0043】なお、上記の実施例では、所定温度に加熱
後ただちに冷却水を噴射して急激に冷却する場合につい
て説明したが、所定温度に加熱した成形管W′を室温で
徐冷するような場合には、冷却装置60による冷却水の
噴射を停止させればよい。冷却水の噴射の停止は、送水
ポンプ9を停止させたり、冷却水の供給管64の途中に
設けられたバルブを閉じることにより行うことができ
る。また、上記の実施例では冷却流体を冷却水として説
明したが、成形管W′を冷却できるものであればその他
のクーラント、例えば冷却油や冷却用のエアであっても
よい。
【0044】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、以下のような効果を奏する。本発明の管曲装置によ
れば、成形管の全長にわたってむらのない焼入れを行う
ことができる。また、焼入れ処理を終えた成形管の搬出
が自動的に行えるようになり、省力化を図ることができ
る。
【0045】さらに、成形ガイドに中空管状の心材を通
し、一体に鋳込成形された連結部材を介して直線ガイド
と連結するようにしたものは、成形ガイドの端面加工と
溶接作業が不要となるうえ、成形ガイドに対する連結部
材の固着強度が均一かつ強固になり、溶接の不完全や溶
接強度のばらつきがなくなり、破断等の不慮の事故を防
止することができ、作業の安全性を高めることができ
る。また、成形ガイドが軽量になって管体の内周面に傷
が付きにくくなり、良好で安定した品質の成形管を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管曲装置の全体図にかかり、その前半
部分の一部を断面した側面図である。
【図2】本発明の管曲装置の全体図にかかり、その後半
部分を示す側面図である。
【図3】直線ガイドの説明図で、(イ)は前方部分の拡
大図、(ロ)は(イ)のX−X方向断面図である。
【図4】直線ガイドの後端部に設けた位置修正手段の作
用の概略説明図で、(イ)は直線ガイドが前方側に位置
ずれした状態を示し、(ロ)は位置修正手段により直線
ガイドの位置が修正された状態を示す。
【図5】この実施例における成形ガイドの説明図で、
(イ)は成形ガイドの断面図、(ロ)は心材の先端部に
設けられる連結部材の断面正面図、(ハ)は心材の側面
図である。
【図6】冷却装置の説明図にかかり、図6(イ)は冷却
装置を備えた加熱成形炉の出口近傍の拡大図、図6
(ロ)は冷却装置の主要部を(A)の矢印Rの方向から
見た平面図である。
【図7】図7(イ)は、搬送装置および保持手段の駆動
機構の構成を説明するための要部の正面図、(ロ)は
(イ)のX′−X′方向断面図である。
【図8】図7(イ)の駆動機構を矢印Dの方向から見た
図で、規制手段の主要部を説明する図である。
【図9】規制手段の作用の説明図である。
【図10】図1において矢印Cの方向から見た加熱成形
炉の説明図である。
【図11】管曲装置の従来例を示す概略図である。
【図12】従来の成形ガイドおよび連結部材の説明図に
かかり、その一部を破断した側面図である。
【符号の説明】
W 管体 W′ 成形管 1 管曲装置 10 基台 11 支持ローラ 12 基台前部 20 直線ガイド 22 ガイドローラ 28 位置修正手段 30 成形ガイド 31 心材 32 連結部材 40 押出機構 50 加熱成形炉 51 入口 52 出口 59a 加熱室 59b 保温室 55 シャッタ装置 60 冷却装置 62,63 中空環状体 65 ノズル 66 センサ(感知手段) 70 搬送装置 80 成形管保持手段 83 当接板 81 支持ローラ 85a,85b 補助ローラ 86 駆動装置(駆動手段) 88 モータ 90a,90b スプロケット(押圧力伝達手段) 91 チェーン(押圧力伝達手段) 93 摩擦クラッチ(規制手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B22D 19/00 B22D 19/00 A 19/06 19/06 Z C21D 9/08 C21D 9/08 E J (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21D 7/16 B21C 37/28 B21D 7/08 B21D 51/16 B22D 19/00 B22D 19/06 C21D 9/08 B21D 7/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直線ガイドと、この直線状のガイドの先
    端に設けられた所定曲率の湾曲部を有する成形ガイドと
    からなるガイドを有し、このガイドに外嵌した管体を前
    記ガイドに沿って押し出し、ガイド先端部に設けた加熱
    成形炉内で所定温度に加熱しながら前記成形ガイドに沿
    った形状に前記管体を成形する管曲装置において、 前記管体を所定温度に加熱するとともに、前記成形ガイ
    ド先端に面した位置に成形管の出口が形成された前記加
    熱成形炉と、 前記出口近傍に設けられ、前記出口から押し出される成
    形管と同心状に配置されたノズルから前記成形管に冷却
    流体を噴射することにより前記成形管を冷却する冷却装
    置と、 前記出口の下方に設けられ前記成形管を案内するととも
    に成形ガイドから外れた前記成形管を保持し、前記成形
    管の末端まで前記押し出し速度と同じ速度で前記冷却装
    置を通過させる成形管保持手段と、 を備えた管曲装置であって、 前記成形管保持手段、前記成形ガイドの先端から前記
    成形管が外れる際に、この成形管が落下しないように前
    記成形管を支持するとともに押し出し移動方向に沿って
    前記成形管を案内する案内支持部材と、前記成形管の先
    端と当接し前記加熱成形炉から押し出される前記成形管
    の押し出し力により押されて前記成形管とともに移動す
    る当接部材と、この当接部材を移動可能にする駆動手段
    と、前記成形管が前記成形ガイドの末端から外れたとき
    に前記成形管の自重によって前記当接部材の移動速度が
    変化しないように規制する規制手段と、この規制手段と
    前記当接部材とを連絡し、この当接部材に付与される押
    圧力を前記規制手段に伝達する押圧力伝達手段と、前記
    成形管の末端が前記冷却装置を通過したときに、感知信
    号を出力して前記駆動手段を駆動し、前記押し出し速度
    よりも速い速度で前記当接部材と前記成形管を移動させ
    る感知手段とから構成されたことを特徴とする管曲装
  2. 【請求項2】 前記成形ガイドは、中空管体を心材に
    し、この中空管体の先端に前記直線ガイドと前記成形ガ
    イドとを連結するための連結部材を設け、前記中空管体
    と前記連結部材との周囲に溶湯を流し込んで一体に鋳造
    成形したことを特徴とする請求項1に記載の管曲装置。
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