JP3458209B2 - 絹原綿加工方法 - Google Patents

絹原綿加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絹含有不織布製造
に用いられる絹原綿加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、絹綿精練技術は和装織物の後練り
商品と同じ加工方法が実施され、試験的に乾燥・湿度調
整にタンブラー乾燥を使用した原綿加工が使用されてい
た。
【0003】しかしながら、タンブラー乾燥を行うと、
塊及び綿の絡みが発生する他、静電気、沈み込み及び水
流交絡方式の絹不織布製造工程において、フィルターの
つまりの問題があり、加工方法が確立されていなかった
こと及び絹特有の腐敗臭を有する等の不具合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、絹100%
及びブレンド不織布を安定生産することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題に
鑑み検討を重ねた結果、絹原料を倦縮処理することによ
り、タンブラー乾燥等の乾燥処理を行った場合にも塊及
び綿の絡みの発生を抑制できることを見出した。
【0006】本発明は、以下の絹原綿加工方法に関す
る。 項1.裁断した家蚕絹原綿を精練処理後、倦縮処理を行
うことを特徴とする絹原綿の加工方法であって、ここで
該倦縮処理が、所定間隔で上下攪拌しながらボイル温度
での浸漬処理する段階及び強制乾燥を行う段階を含む、
絹原綿の加工方法。.強制乾燥がタンブラー処理である項に記載の絹
原綿の加工方法。 項.精練処理を、粗精練(脱脂)工程、水洗工程及び
仕上げ精練工程により行い、各工程を塩素イオン濃度の
少ない水を用いて行う項1に記載の絹原綿の加工方法。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、家蚕絹原綿とし
ては、養蚕・製糸より生じる絹くず(副蚕糸)の中で比
較的に強力がある良質なものを長繊維紡績法にて粗精
練、乾燥後、一定の長さに切断し、ふさ状のフリンジに
し、不純物及び短繊維の除去を行い、その後開繊し、均
一な長さで平行にそろえた精綿とし、その後連続してい
ない精綿を延展機にかけてくしけずり、繊維を平行にそ
ろえた展綿(ラップ)を作り、製条機にてスライバー状
にし、島田作りにした綿(ペニー)を好ましく例示でき
るが、これに限定されず、同様な処理を行った絹原綿も
含まれる。
【0008】本発明の好ましい実施態様では、家蚕絹原
綿を原料とし、たとえば35〜63mm程度に裁断後、
精練処理、水洗、湯洗段階で熱利用と上げ返しをし、ま
た最終工程において12〜17%の水分までフリー乾燥
で処理したものをタンブラー機を利用し強制乾燥し、再
度10〜15%の水分を持たせ、倦縮効果をあげ、不織
布生産を安定的にし得る絹原綿加工方法を例示できる。
【0009】本発明の他の好ましい実施態様では、家蚕
絹原綿を原料とし、35〜63mm程度に裁断後、油、
腐敗臭除去を目的とし、粗精練、水洗、仕上げ精練段階
での時間処理の徹底及び塩素イオンの少ない地下水を利
用し、絹特有の光沢及び柔らかさを保持した絹不織布製
造用原綿加工方法を例示できる。本発明の方法は、たと
えば以下のようにして実施できる。 *第1段階 家蚕絹原綿を35〜63mm程度に裁断後、まず脱脂処
理としての粗精練を、裁断した絹原綿を吊り練りして、
ボイル温度で90分〜100分間浸漬することにより実
施する。その後脱水・水洗して不純物を再除去し、引き
続き仕上げ精練を石けんソーダ練り法にて、ボイル温度
で120分〜140分間吊り練りにて実施する。この段
階で絹の外側の成分であるセリシンが除去され、絹繊維
の主成分であるフィブロインのみからなり、セリシンに
由来する腐敗臭の発生を抑えることができる。石けんソ
ーダ法は、例えば、絹練り石けん10%、ケイ酸ソーダ
(弱アルカリ)5%、およびソーダ灰1%の溶液を使用
して実施できる。 *第2段階 石けんソーダ練り法で処理された裁断絹原綿を脱水し、
湯洗をボイル温度で50〜70分間吊り練りで行う。そ
の間、本発明の特徴である倦縮を持たせるため所定時間
(例えば数分)毎に上下攪拌を実施する。 *第3段階 静電気ないし浸水対策としてオイリング処理を、帯電防
止剤(たとえばサンスタット249)ないし浸透剤(た
とえばマイネックスSO)を用い、35〜45℃の温度に
て55〜65分間吊り練りにて実施する。 *第4段階 得られた裁断絹原綿の脱水を行うが、好ましくは上記の
脱水処理時間よりも数分間長く実施し、その後水分率約
12〜17%までラジエーター平場乾燥にて実施後、強
制乾燥(好ましくはタンブラー乾燥)をし、再度水分率
が10〜15%になるように加湿する。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説
明する。 実施例1 第1段階 家蚕絹原綿を35〜63mmに裁断後、各3.5kgずつ精
練用のメッシュ袋に梱包し、精練液に浸漬し、ボイル温
度で90〜100分間吊り練りして、脱脂する。その
後、遠心脱水機にて30秒間脱水し、常温にて水洗を3
0分間吊り練りし、引き続き遠心脱水機にて30秒間脱
水し、仕上げ精練を石けんソーダ法にて、ボイル温度で
120分〜140分間吊り練りにて浸漬し実施する。石
けんソーダ法は、絹練り石けん10%、ケイ酸ソーダ
(弱アルカリ)5%、およびソーダ灰1%を使用する精
練法であり、1回の精練液量1300cc,絹原綿32
kgで行う。
【0011】上記の処理により絹の外側の成分であるセ
リシンを除去することができ、腐敗臭を防止するととも
に、ソフトな繊維となる。 第2段階 引き続き脱水し、湯洗をボイル温度で50〜70分間吊
り練りで行う。その間特徴である倦縮を持たせるため5
分毎に上下攪拌を実施する。この処理によりストレート
な繊維から倦縮のある繊維への基礎となる。 第3段階 静電気、浸水対策としてオイリング処理を水溶液に対し
帯電防止剤(サンスタット249;アニオン界面活性
剤)を1〜2%と浸透剤(マイネックスSO;ノニオン界
面活性剤)を0.5〜1.5%用い、35〜45℃の温
度にて55〜65分間吊り練りにて実施した。 第4段階 引き続き脱水を行うが、今迄の脱水処理時間よりも3分
間長く実施し、その後水分率が約12〜17%になるま
でラジエーターの熱利用による平場乾燥にて実施後、タ
ンブラー方式にて倦縮仕上げを行った。この間に水分が
飛び静電気の発生を防止するため、再度水分率が10〜
15%になるように加湿して絹原綿を得た。
【0012】得られた絹原綿を用い、常法に従って絹1
00%の不織布を製造した。この不織布は化粧品用途に
使用した場合、汚れを落とす効果が大きく、新陳代謝を
活発化させ、また肌の水分保持作用に優れている。 比較例1 実施例1の第2段階において、ボイル温度での湯洗の代
わりに常温での水洗を行った他は実施例1と同様にして
絹原綿を得た。
【0013】得られた絹原綿を用い、常法に従って絹1
00%の不織布を製造したが、この原綿では倦縮度が少
ないため、不織布製造が難しく、特にカード工程で綿が
出ない状況となり、ロスの発生、あるいは生産不能とな
ってしまい、実施例1との差は大きい。
【0014】
【発明の効果】家蚕絹原綿は、副蚕糸を利用するため、
通常不織布原綿として使用するには倦縮がなく、また、
絹自体極細繊維であることから、不適合な綿である。本
発明の方法により、絹の特徴を失わずして、倦縮させる
ことができ、絹不織布を容易に製造できるようになっ
た。
【0015】例えば、実施例1で得られた本発明の絹原
綿の静摩擦係数は0.415、動摩擦係数は0.275
であり、比較例1の絹原綿の静摩擦係数は0.366、
動摩擦係数は0.243ということからもわかるよう
に、本発明によれば、倦縮性が上昇することにより、繊
維同士の絡みがよくなる。
【0016】また、本発明で製造された絹原綿を用いる
ことにより、不織布製造工程での開繊も塊が少なく円滑
に行える。
【0017】更に、従来のハイドロサルファイト(亜二
チオン酸ナトリウム)による腐敗臭除去に比べ、本発明
によれば、より安全性の追及が行え、水流交絡方式の製
造だけでなく、水を用いないニードルパンチ方式の不織
布でも安全性が訴求できるようになる。
【0018】また、他工程での排水処理上でも環境対応
に効果がある。
【0019】絹特有の腐敗臭が改善されたため、当該不
織布は化粧用途(化粧用カット綿、紙おむつ、生理用
品)などに使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 高志 京都府中郡峰山町字杉谷691番地 丹後 織物工業組合内 (56)参考文献 特開 平9−279410(JP,A) 特開 昭59−37977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 D01C 3/00 - 3/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裁断した家蚕絹原綿を精練処理後、倦縮
    処理を行うことを特徴とする絹原綿の加工方法であっ
    て、ここで該倦縮処理が、所定間隔で上下攪拌しながら
    ボイル温度での浸漬処理する段階及び強制乾燥を行う段
    階を含む、絹原綿の加工方法。
  2. 【請求項2】 強制乾燥がタンブラー処理である請求項
    に記載の絹原綿の加工方法。
  3. 【請求項3】 精練処理を、粗精練(脱脂)工程、水洗
    工程及び仕上げ精練工程により行い、各工程を塩素イオ
    ン濃度の少ない水を用いて行う請求項1に記載の絹原綿
    の加工方法。
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