JP3457762B2 - 油圧ショベルの掘削軌跡制御装置 - Google Patents

油圧ショベルの掘削軌跡制御装置

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JP3457762B2 JP08277095A JP8277095A JP3457762B2 JP 3457762 B2 JP3457762 B2 JP 3457762B2 JP 08277095 A JP08277095 A JP 08277095A JP 8277095 A JP8277095 A JP 8277095A JP 3457762 B2 JP3457762 B2 JP 3457762B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧ショベルの掘削軌
跡制御装置に係り、特に、アームの先端が基準平面の両
側に設定された作動許可領域内を移動するようにアーム
とブームの各動作を制御する油圧ショベルの掘削軌跡制
御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は一般的な油圧ショベルの側面図
であり、この図16において、1は走行体、2は運転室
2aを有し走行体1の上部に配置された旋回体であり、
これら走行体1と旋回体2とで作業機本体3を構成して
いる。4は旋回体2の前方に回動可能に連結されたブー
ム、5はブーム4の先端に回動可能に連結されたアー
ム、6はアーム5の先端に回動可能に連結されたバケッ
トであり、これらブーム4とアーム5及びバケット6で
フロントアタッチメント7を構成している。8はブーム
4を駆動するブームシリンダ、9はアーム5を駆動する
アームシリンダ、10はバケット6を駆動するバケット
シリンダ、11は作業機本体3とブーム4とを連結する
ブームフートピン、12はブーム4とアーム5とを連結
するブーム先端ピン、13はアーム5とバケット6とを
連結するアーム先端ピンであり、各シリンダ8,9,1
0は運転室2a内に配置した操作レバー14や操作ペダ
ル(図示せず)によって動作され、運転者がこれら操作
レバー14や操作ペダルを適宜操作すると、その操作量
に応じた指示信号に基づいて、各シリンダ8,9,10
に供給される圧油の供給量が制御される。
【0003】従来より、このような油圧ショベルにおい
て、コントローラからの制御信号に応じて、バケット6
の刃先があらかじめ設定された軌跡に沿って移動するよ
うブーム4とアーム5の少なくとも一方を制御する掘削
軌跡制御装置が提案されており、その一例が特公平5−
844330号公報に記載されている。この掘削軌跡制
御装置では、指令手段により例えばアーム5の引き操作
を行なう場合、ブーム4とアーム5及びバケット6の各
角度センサにより検出される回動角度に基づいて演算す
ることにより、ブーム4を操作する操作指令信号を出力
すると共に、圧力センサ等によりブームシリンダ8やア
ームシリンダ9の各作動圧力を検出して前記操作指令信
号を随時補正して、この補正した操作指令信号に応じて
ブーム操作用スプールを移動させる。これによって、ア
ーム5の手動操作のみで、バケット6の刃先が所定の軌
跡に沿うようにブーム4を自動的に動作させることがで
きる。
【0004】また、例えば特開平2−15660号公報
に記載されているように、ブーム4の自動回動角度位置
を検出したとき、ブーム4及びアーム5の相対角度の変
化によってコントローラからの自動制御信号を操作伝動
装置に出力し、油圧力及び機械的操作伝達手段でブーム
操作用スプールを切り替え操作してブーム4を自動的に
動作させることにより、アーム5の手動操作のみで水平
ならし作業等を行なう油圧ショベルの掘削軌跡制御装置
も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の油圧ショベルの掘削軌跡制御装置では、アーム5の
手動操作のみでコントローラからの制御信号に応じてブ
ーム4を自動的に動作できるため、操作が容易になると
いう利点を有するものの、運転者がブーム4の操作にま
ったく関与できないため良好な操作感覚が得られず、通
常の手動操作に慣れている運転者に違和感を抱かせると
いう不具合があった。
【0006】また、特開平2−15660号公報に記載
されているものでは、ブームシリンダ8やアームシリン
ダ9の各作動圧力を検出してフィードバック制御を行な
うようになっているため、複雑な制御機構が必要である
という問題があり、さらに、ブーム4及びアーム5の各
回動角のみならずバケット6の回動角をも検出するた
め、その信頼性を高める必要もあり、コストがかさむと
いう問題もあった。
【0007】本発明は、このような従来技術の実情に鑑
みてなされたもので、その第1の目的は、通常の手動操
作に近い良好な操作感覚で直線引き作業やならし整地作
業を容易に行なえると共に、複雑な制御機構や操作伝動
装置を要せずにコストが安価な油圧ショベルの掘削軌跡
制御装置を提供することにある。また、その第2の目的
は、上述した直線引き作業やならし整地作業を傾斜面で
も容易に行なえる油圧ショベルの掘削軌跡制御装置を提
供することにある。また、その第3の目的は、運転者の
熟練度などに応じて、アームの先端座標を制御する精度
を変更できる油圧ショベルの掘削軌跡制御装置を提供す
ることにある。さらに、その第4の目的は、ブーム及び
アームの少なくとも一方の動作が禁止されたことを運転
者が容易に確認できる油圧ショベルの掘削軌跡制御装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るために、本発明の請求項1に記載の発明は、作業機本
体に回動可能に連結され、ブームシリンダにより駆動さ
れるブームと、このブームの先端に回動可能に連結さ
れ、アームシリンダにより駆動されるアームと、このア
ームの先端に回動可能に連結され、バケットシリンダに
より駆動されるバケットと、前記ブームの回動角度と前
記アームの回動角度をそれぞれ検出して角度信号を出力
する角度検出手段と、前記角度信号に基づいて前記アー
ムの先端座標を演算するコントローラと、前記ブームと
アーム及びバケットの各操作レバーにそれぞれ連動して
パイロット圧を供給するパイロット弁と、前記パイロッ
ト圧に応じて作動し、前記ブームシリンダ、アームシリ
ンダ及びバケットシリンダに供給される作動油の流れを
制御するコントロール弁と、前記パイロット圧を減圧す
るパイロット圧減圧手段とを備えた油圧ショベルであっ
て、前記アームの先端座標を含む基準平面の上下両側に
前記アームとブームの各動作を許可する作動許可領域を
設定すると共に、この作動許可領域の上下外側に前記ア
ームとブームの各動作を選択的に抑制する作動抑制領域
を設定し、前記アームの先端が前記作動許可領域から外
れて前記作動抑制領域に侵入したとき、前記ブームとア
ームの少なくとも一方の動作のうち、前記アームの先端
が前記作動許可領域から離れる方向への動作を禁止し、
前記アームの先端が前記作動許可領域に近づく方向への
動作のみを許可するようにしたことを特徴とする。
【0009】また、前記第2の目的を達成するために、
本発明の請求項2に記載の発明は、上記構成に加えて、
前記基準平面を基準として所定の傾斜角まで傾斜させる
調整指令を前記コントローラに出力する傾斜角調整手段
を設け、前記傾斜角まで傾斜した基準傾斜面を基準とし
てその上下両側に前記アームとブームの各動作を許可す
る傾斜時の作動許可領域を設定すると共に、この作動許
可領域の外側に前記アームとブームの各動作を選択的に
抑制する傾斜時の作動抑制領域を設定したことを特徴と
する。
【0010】また、前記第3の目的を達成するために、
本発明の請求項3に記載の発明は、上記構成に加えて、
前記作動許可領域の領域幅を調整する指令を前記コント
ローラに出力する領域幅調整手段を設けたことを特徴と
する。
【0011】さらに、前記第4の目的を達成するため
に、本発明の請求項4に記載の発明は、上記構成に加え
て、前記ブームとアームの少なくとも一方の動作が禁止
されたことを報知する警告手段を設けたことを特徴とす
る。
【0012】
【作用】アームの先端座標を含む任意の基準平面が設定
されると、この基準平面を基準としてその上下両側にア
ームとブームの各動作を許可する作動許可領域が設定さ
れると共に、この作動許可領域の上下外側にアームとブ
ームの各動作を選択的に抑制する作動抑制領域が設定さ
れる。そして、アームとブームを複合操作する際、アー
ムの先端座標が前記作動許可領域内にある場合は、アー
ムとブームの各動作が許可されるが、例えば、ブームの
上げ動作によりアームの先端座標が前記作動許可領域か
ら外れて前記作動抑制領域に侵入した場合は、前記アー
ムの先端座標が前記作動許可領域から離れる方向へのブ
ーム動作、すなわちブームの上げ動作が自動停止され、
一方、アームの先端座標が前記作動許可領域に近づく方
向へのブーム動作、すなわちブーム下げ動作は許可され
る。また、アームの引き動作に関しても同様である。し
たがって、運転者がブームとアームの各操作レバーを操
作することに伴ってブームとアームが動作するため、通
常の手動操作に近い良好な操作感覚が得られる。また、
これらブームとアームの動作は、アームの先端座標が作
動許可領域内を移動するように自動的に制御されるた
め、直線引き作業やならし整地作業を容易に行なうこと
ができる。さらに、シリンダ作動圧力を検出してフィー
ドバック制御を行なうための制御機構や、油圧力及び機
械的操作力をブーム操作用スプールに付与するための操
作伝動装置を要せずに済むと共に、バケット用の回動角
センサが不要なので、その分コストを安価なものにでき
る。
【0013】また、傾斜角調整手段の操作により前記基
準平面を基準として所定の傾斜角まで傾斜させる調整指
令をコントローラに出力するものでは、前記傾斜角まで
傾斜した基準傾斜面の両側に傾斜時の作動許可領域が設
定されると共に、この作動許可領域の外側に傾斜時の作
動抑制領域が設定される。したがって、上述した基準平
面を基準として作業する場合と同様に、傾斜面でも運転
者がブームとアームの各操作レバーを操作することに伴
ってブームとアームが前記傾斜時の作動許可領域内で動
作すると共に、アームの先端座標がこの作動許可領域に
位置するように自動的に制御できるので、上述した平面
の場合と同様に傾斜面でも直線引き作業やならし整地作
業を行なうことができる。
【0014】また、領域幅調整手段の操作により作動許
可領域の領域幅を調整する指令を前記コントローラに出
力するものにあっては、前記指令に基づいて作動許可領
域の領域幅が増減するので、運転者の熟練度などに応じ
てアーム先端座標の制御精度を変更することができる。
【0015】さらに、ブームとアームの少なくとも一方
の動作が禁止されると警告手段が作動するものにあって
は、この警告手段の作動によって前記動作が禁止された
ことを運転者が容易に確認できる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図に基づいて説明す
る。図1は本発明の一実施例に係る油圧ショベルの掘削
軌跡制御装置のブロック図、図2は該油圧ショベルに備
えられるアームとブームの油圧駆動回路を示す回路図、
図3は図1の掘削軌跡制御装置で設定される制御対象領
域を示す説明図、図4は該制御対象領域を拡大して示す
説明図、図5は図1の掘削軌跡制御装置に備えられる基
準設定スイッチの正面図、図6は図1の掘削軌跡制御装
置に備えられる演算装置の処理内容の一部を示すフロー
チャート、図7は該演算装置の処理内容の残りの部分を
示すフローチャート、図8は該演算装置の通常動作処理
を示すフローチャート、図9は該演算装置の作業許可処
理を示すフローチャート、図10は該演算装置の作業抑
制A処理を示すフローチャート、図11は該演算装置の
作業抑制B処理を示すフローチャート、図12は該演算
装置の作業抑制C処理を示すフローチャート、図13は
該演算装置の作業抑制D処理を示すフローチャート、図
14は図1の掘削軌跡制御装置により設定される各領域
と軌跡制御モード及びその内容との関係を示す説明図で
あり、前述した図16に対応する部分には同一符号を付
してある。
【0017】図3,図4に示すように、本実施例に係る
油圧ショベルにおいては、掘削軌跡制御の対象となる制
御対象領域Zが設定されるようになっており、この制御
対象領域Zは、アーム5とブーム4の各動作を許可する
作動許可領域Xと、アーム5とブーム4の各動作を選択
的に抑制する作動抑制領域Yとからなっている。前記作
動許可領域Xは、アーム5の先端座標、例えばアーム先
端ピン13の軸心を含む基準平面Pを基準としてその上
下両側に設定されており、この作動許可領域Xは、ブー
ム先端ピン12の軸心を通る垂直線Qより前方(図3,
図4の左側)で、かつ基準平面Pより下方の領域Xa及
び上方の領域Xbと、垂直線Qより作業機本体3側(図
3,図4の右側)で、かつ基準平面Pより下方の領域X
c及び上方の領域Xdとに区分される。また、前記作動
抑制領域Yは、作動許可領域Xの外側に設定されてお
り、この作動抑制領域Yは、垂直線Qより前方でかつ作
動許可領域Xより下方の領域Ya及び上方の領域Yb
と、垂直線Qより作業機本体3側でかつ作動許可領域X
より下方の領域Yc及び上方の領域Ydとに区分され
る。
【0018】図1において、15,16はブーム4
アーム5の回動角度をそれぞれ検出して角度信号を出力
する角度検出手段としてのブーム角センサ、アーム角セ
ンサであり、これら各センサ15,16によって検出さ
れた各部材間の相対角度信号θ1,θ2はコントローラ
に内蔵された演算装置17に入力される。また、運転室
2a内には、作動許可領域X及び作動抑制領域Yを設定
する設定指令を出力する基準面設定部18と、作動許可
領域Xの領域幅を調整する指令を出力する領域幅設定部
19とが配置され、これら設定指令及び調整指令も演算
装置17に入力される。さらに、操作レバー14先端に
配置した解除スイッチ20から出力される一時解除指令
も演算装置17に入力される。図5に示すように、前記
基準面設定部18は基準設定スイッチ18aとLED1
8bを有し、この基準設定スイッチ18aは、運転者が
把持して反時計方向へ回動することにより「セット」位
置で設定指令を出力し、その反対に時計方向への回動に
より「クリア」位置で解除指令を出力し、その後、運転
者が手放すことにより内蔵されたばね(図示せず)によ
って自動復帰する。
【0019】前記演算装置17は、角度信号θ1,θ2
に基づいてアーム5の先端座標、例えばアーム先端ピン
13の軸心位置を算出する座標演算部21と、前述した
基準平面Pを記憶する基準面記憶部22と、前述した各
領域Z,X,Yを記憶する領域記憶部23と、座標演算
部21で算出されたアーム先端ピン13の軸芯位置がど
の領域にあるか否かを判断し、その結果に応じて所定の
制御信号を出力する比較演算部24と、この比較演算部
24からの制御信号に基づいて油圧駆動回路25へ所定
の制御信号を出力する駆動制御部26とを備えている。
【0020】この演算装置17では、軌跡制御モードが
設定されたときフラグF1はクリアされて「0」とな
り、その反対に、軌跡制御モードが解除されたときフラ
グF1はセットされて「1」となる。また、各領域X,
Y,Zが設定されたとき他のフラグF2がセットされて
「1」となり、その反対に、これら領域X,Y,Zが解
除されたときフラグF2がクリアされて「0」となる。
【0021】前記油圧駆動回路25は、駆動制御部26
からの制御信号の他に、運転室2a内に配置した操作レ
バー14などからの指示信号を入力し、これらの信号に
基づいて各シリンダ8〜10への作動油の供給量が制御
される。また、前記駆動制御部26の制御信号は警告手
段、例えば図示しない警告灯にも入力され、この警告灯
の点灯によってブーム4とアーム5の少なくとも一方の
動作が禁止されたことを報知する。さらに、前記解除ス
イッチ20から出力される一時解除指令に応じて、演算
装置17により通常動作処理を行なう際、図示しないブ
ザー等により警報音を発する。
【0022】図2に示すように、前記油圧駆動回路25
は、図示しないエンジンによって駆動される油圧ポンプ
27及びパイロットポンプ28と、油圧ポンプ27から
前記各シリンダ8,9に供給される作動油の流れを制御
するブーム用コントロール弁29、アーム用コントロー
ル弁30と、ブーム4及びアーム5の各操作レバー14
とそれぞれ連動してパイロット圧を供給するブーム用パ
イロット弁31、アーム用パイロット弁32等を備えて
おり、バケットシリンダ10や走行モータ等の他のアク
チュエータについては図示省略してある。各パイロット
弁31,32は前記パイロットポンプ28に連通する左
側の室と右側の室とを有しており、パイロットポンプ2
8から吐出される圧油は、前記操作レバー14からの指
示信号に応じてこれら左または右側の室に供給される。
【0023】前記ブーム用コントロール弁29は左右両
側にパイロット室を有しており、このブーム用コントロ
ール弁29の左側のパイロット室と前記ブーム用パイロ
ット弁31の左側の室とはブーム上げパイロット管路3
3によって接続され、ブーム用コントロール弁29の右
側のパイロット室とブーム用パイロット弁31の右側の
室とはブーム下げパイロット管路34によって接続され
ている。また、前記アーム用コントロール弁30も左右
両側にパイロット室を有しており、このアーム用コント
ロール弁30の左側のパイロット室と前記アーム用パイ
ロット弁32の左側の室とはアーム引きパイロット管路
35によって接続され、アーム用コントロール弁30の
右側のパイロット室とアーム用パイロット弁32右側の
室とはアーム押しパイロット管路36によって接続され
ている。
【0024】前記ブーム上げパイロット管路33にはブ
ーム上げ用電磁比例減圧弁37が、前記ブーム下げパイ
ロット管路34にはブーム下げ用電磁比例減圧弁38
が、前記アーム引きパイロット管路35にはアーム引き
用電磁比例減圧弁39がそれぞれ介設されており、これ
ら電磁比例減圧弁37〜39はタンクに接続されるポー
トを有している。これら電磁比例減圧弁37〜39は、
前記演算装置17の駆動制御部26から出力される制御
信号の電流値に比例して動作され、通常は最大レベルの
電流Iaを入力してブーム上げパイロット管路33、ブ
ーム下げパイロット管路34及びアーム引きパイロット
管路35を全開し、制御信号として電流値が最小レベル
の電流Ibを入力した場合、ブーム上げパイロット管路
33、ブーム下げパイロット管路34及びアーム引きパ
イロット管路35の圧油を遮断してタンクに戻し、制御
信号として電流値が最大レベルと最小レベルの間の電流
Icを入力した場合、ブーム上げパイロット管路33、
ブーム下げパイロット管路34及びアーム引きパイロッ
ト管路35の圧油を絞ってパイロット圧を減圧する。こ
れによって、これら電磁比例減圧弁37〜39により、
パイロット弁31,32から供給されるパイロット圧を
減圧するパイロット圧減圧手段が構成されている。
【0025】なお、上記実施例では、基準面設定部18
と比較演算部24により、アーム先端ピン13の軸芯位
置を含む基準平面Pを設定する基準面設定手段が構成さ
れ、領域幅設定部19及び比較演算部24により、作動
許可領域Xの領域幅を調整する指令を出力する領域幅調
整手段が構成されている。
【0026】次に、本実施例の動作を主に図6,図7に
示すフローチャートを用いて説明する。なお、これらの
図6,図7はE部,F部,G部を介してそれぞれ連続し
ている。 (エンジンの始動)まずエンジンを始動させると、図6
の手順S−1において演算装置17では領域未設定に伴
ってフラグF1とフラグF2がクリアされる。このとき、
ブーム上げ及び下げ用の各電磁比例減圧弁37,38と
アーム引き用の電磁比例減圧弁39は全て図2に示す位
置にある。この状態で、例えばブーム用の操作レバー1
4が図2の左側に倒されると、パイロットポンプ28か
ら吐出される圧油は、ブーム用パイロット弁31の左側
の室からブーム上げパイロット管路33、ブーム上げ用
電磁比例減圧弁37を経てブーム用コントロール弁29
の左側のパイロット室に供給され、ブーム用コントロー
ル弁29は作動を開始する。そして、ブーム用コントロ
ール弁29が中立位置から左側の位置に切り換えられる
と、油圧ポンプ27の圧油はブーム用コントロール弁2
9を経てブームシリンダ8のボトム側に供給され、ブー
ムシリンダ8が伸長してブーム4が上昇する。これとは
反対に、ブーム用の操作レバー14が図2の右側に倒さ
れると、パイロットポンプ28から吐出される圧油はブ
ーム用パイロット弁31の右側の室からブーム下げパイ
ロット管路34、ブーム下げ用電磁比例減圧弁38を経
てブーム用コントロール弁29の右側のパイロット室に
供給され、ブーム用コントロール弁29は作動を開始す
る。そして、ブーム用コントロール弁29が中立位置か
ら右側の位置に切り換えられると、油圧ポンプ27の圧
油はブームコントロール弁29を経てブームシリンダ8
のロッド側に供給され、ブームシリンダ8が伸縮してブ
ーム4が下降する。同様に、アーム用の操作レバー14
の操作量に応じてアームシリンダ9が伸縮し、アーム5
が引きあるいは押し操作される。
【0027】次いで、手順S−2において比較演算部2
4で軌跡制御モードのフラグF1がセットされているか
どうか否かを判断し、フラグF1がセットされていない
場合(すなわちF1=0の場合)は、手順S−3におい
て操作レバー14先端の解除スイッチ20から一時解除
信号が入力されたか否かを判断する。
【0028】(各領域X,Y,Zの設定)手順S−3で
の判断結果がNOのとき、すなわち一時解除信号が入力
されていない場合、手順S−4において運転者が操作レ
バー14を操作してアーム先端ピン13を所望の高さ位
置に配置した後、基準設定スイッチ18aをセット位置
に回動操作して基準面設定部18から比較演算部24へ
基準設定信号を入力すると、手順S−5において演算装
置17で領域設定のフラグF2がセットされてF2=1と
なり、手順S−6においてブーム角センサ15及びアー
ム角センサ16からの相対角度信号θ1,θ2を座標演
算部21に入力し、手順S−7において相対角度信号θ
1,θ2からアーム5の先端座標、例えばアーム先端ピ
ン13の軸心位置を演算して、この軸心位置を含む基準
平面Pを基準面記憶部22により記憶すると共に、この
基準平面Pを基準として作動許可領域Xと作動抑制領域
Y及び制御対象領域Zを設定して領域記憶部23に記憶
する。
【0029】(軌跡制御モードの解除)一方、手順S−
2での判断結果がNOのとき、すなわち軌跡制御モード
のフラグF1=1の場合、手順S−8において運転者が
解除スイッチ20を操作して一時解除信号を入力する
と、手順S−9において軌跡制御モードのフラグF1
クリアして「0」とした後、手順S−4に移行する。し
かしながら、手順S−8で解除スイッチ20からの一時
解除信号が入力されない場合、手順S−10において通
常動作処理を行なう。この場合、図8に示すように、駆
動制御部26はブーム上げ用電磁比例減圧弁37、ブー
ム下げ用電磁比例減圧弁38及びアーム引き用電磁比例
減圧弁39に最大レベルの電流Iaを出力し、ブーム上
げパイロット管路33、ブーム下げパイロット管路34
及びアーム引きパイロット管路35を全開する。したが
って、各シリンダ8,9は対応する操作レバー14の操
作量に応じた通常の動作が行われる。
【0030】また、手順S−3での判断結果がYESの
とき、すなわち一時解除信号が入力された場合、手順S
−11において軌跡制御モードのフラグF1をセットし
て「F1=1」とした後、手順S−12において、前記
手順S−10と同様の通常動作処理を行なう。さらに、
手順S−4での判断結果がNOのとき、すなわち基準設
定信号が入力されない場合、手順S−13において領域
設定のフラグF2がセットされているか否かを判定し、
フラグF2がセットされているとき、すなわちF2=1の
場合、手順S−6へ移行し、その反対にフラグF2がセ
ットされていないとき、すなわちF2=0の場合、手順
S−14において前記手順S−10と同様の通常動作処
理を行なう。
【0031】(アーム先端ピン13の位置確認)上記の
ように図6の手順S−7で制御対象領域Zなどを設定し
て記憶した後、所定時間、例えば5ミリ秒(0.005
秒)毎にアーム先端ピン13の軸芯位置を周期的に演算
し、図7の手順S−15において、比較演算部24は座
標演算部21で算出されたアーム先端ピン13の軸芯位
置と領域記憶部23で記憶される制御対象領域Zとを比
較することにより、アーム先端ピン13の軸芯位置が制
御対象領域Zの外部にあるか否かを判断する。
【0032】(制御対象領域Zの外部にある場合の処
理)手順S−15での判断結果がYESのとき、すなわ
ち、アーム先端ピン13の軸芯位置が制御対象領域Zの
外部にある場合は、手順S−16に移行して警報灯を点
灯すると共に、手順S−17において、図6の手順S−
10と同様の通常動作処理を行なう。
【0033】(作業許可領域X内に位置する場合の処
理)一方、手順S−15での判断結果がNOのとき、す
なわち、アーム先端ピン13の軸芯位置が制御対象領域
Zの内部にある場合は、手順S−18に移行してアーム
先端ピン13の軸芯位置が作業許可領域X内にあるか否
かを判断し、この手順S−18での判断結果がYESの
とき、すなわち、アーム先端ピン13の軸芯位置が作業
許可領域X内にある場合は、手順S−19に移行して作
業許可処理を行なう。この場合、図9に示すように、駆
動制御部26はブーム上げ用電磁比例減圧弁37、ブー
ム下げ用電磁比例減圧弁38及びアーム引き用電磁比例
減圧弁39に電流値が最大レベルと最小レベルの間の電
流Icを出力し、これによって、ブーム上げパイロット
管路33、ブーム下げパイロット管路34及びアーム引
きパイロット管路35の圧油を絞ってパイロット圧を減
圧する。したがって、ブーム用やアーム用の操作レバー
14を操作すると、ブーム用コントロール弁29及びア
ーム用コントロール弁30が前記減圧されたパイロット
圧で中間位置まで作動されるので、ブームシリンダ8は
減速状態で上げ及び下げ動作の両方とも可能であり、ア
ームシリンダ9も減速状態で引き動作が可能となる。
【0034】(領域Ya内に位置する場合の処理)一
方、手順S−18での判断結果がNOのとき、すなわ
ち、アーム先端ピン13の軸芯位置が作業許可領域X内
にない場合、手順S−20に移行してアーム先端ピン1
3の軸芯位置が作業抑制領域Yのうちの領域Ya内にあ
る否かを判断する。この手順S−20での判断結果がY
ESのとき、すなわち、アーム先端ピン13の軸芯位置
が前記領域Ya内にある場合は、手順S−21に移行し
て作業抑制A処理を行なう。この場合、図10に示すよ
うに、駆動制御部26はブーム上げ用電磁比例減圧弁3
7に電流値が最大レベルと最小レベルの間の電流Icを
出力すると共に、ブーム下げ用電磁比例減圧弁38及び
アーム引き用電磁比例減圧弁39に電流値が最小レベル
の電流Ibを出力し、これによって、ブーム上げパイロ
ット管路33の圧油を絞ってパイロット圧を減圧して、
ブーム下げパイロット管路34及びアーム引きパイロッ
ト管路35を遮断する。その結果、ブームシリンダ8の
下げ動作及びアームシリンダ9の引き動作が禁止され、
ブームシリンダ8の上げ動作のみが減速状態で可能とな
る。
【0035】(領域Yb内に位置する場合の処理)手順
S−20での判断結果がNOのとき、すなわち、アーム
先端ピン13の軸芯位置が領域Ya内にない場合、手順
S−22に移行してアーム先端ピン13の軸芯位置が作
業抑制領域Yのうちの領域Yb内にある否かを判断す
る。この手順S−22での判断結果がYESのとき、す
なわち、アーム先端ピン13の軸芯位置が領域Yb内に
ある場合は、手順S−23に移行して作業抑制B処理を
行なう。この場合、図11に示すように、駆動制御部2
6はブーム上げ用電磁比例減圧弁37に電流値が最小レ
ベルの電流Ibを出力すると共に、ブーム下げ用電磁比
例減圧弁38及びアーム引き用電磁比例減圧弁39に電
流値が最大レベルと最小レベルの間の電流Icを出力
し、これによって、ブーム上げパイロット管路33を遮
断して、ブーム下げパイロット管路34及びアーム引き
パイロット管路35の圧油を絞ってパイロット圧を減圧
する。その結果、ブームシリンダ8の上げ動作のみが禁
止され、ブームシリンダ8の下げ動作及びアームシリン
ダ9の引き動作が減速状態で可能となる。
【0036】(領域Yc内に位置する場合の処理)手順
S−22での判断結果がNOのとき、すなわち、アーム
先端ピン13の軸芯位置が領域Yb内にない場合、手順
S−24に移行してアーム先端ピン13の軸芯位置が作
業抑制領域Yのうちの領域Yc内にある否かを判断す
る。この手順S−24での判断結果がYESのとき、す
なわち、アーム先端ピン13の軸芯位置が領域Yc内に
ある場合は、手順S−25に移行して作業抑制C処理を
行なう。この場合、図12に示すように、駆動制御部2
6はブーム上げ用電磁比例減圧弁37及びアーム引き用
電磁比例減圧弁39に電流値が最大レベルと最小レベル
の間の電流Icを出力すると共に、ブーム下げ用電磁比
例減圧弁38に電流値が最小レベルの電流Ibを出力
し、これによって、ブーム上げパイロット管路33及び
アーム引きパイロット管路35の圧油を絞ってパイロッ
ト圧を減圧し、ブーム下げパイロット管路34を遮断す
る。その結果、ブームシリンダ8の上げ動作及びアーム
シリンダ9の引き動作が減速状態で可能となり、ブーム
シリンダ8の下げ動作のみが禁止される。
【0037】(領域Yd内に位置する場合の処理)手順
S−24での判断結果がNOのとき、すなわち、アーム
先端ピン13の軸芯位置が領域Yc内にもない場合、作
業抑制領域Yのうちの残りの領域Yd内にあると判断
し、手順S−26に移行して作業抑制D処理を行なう。
この場合、図13に示すように、駆動制御部26はブー
ム上げ用電磁比例減圧弁37及びアーム引き用電磁比例
減圧弁39に電流値が最小レベルの電流Ibを出力する
と共に、ブーム下げ用電磁比例減圧弁38に電流値が最
大レベルと最小レベルの間の電流Icを出力し、これに
よって、ブーム上げパイロット管路33及びアーム引き
パイロット管路35を遮断し、ブーム下げパイロット管
路34の圧油を絞ってパイロット圧を減圧する。その結
果、ブームシリンダ8の上げ動作及びアームシリンダ9
の引き動作が禁止され、ブームシリンダ8の下げ動作の
みが減速状態で可能となる。
【0038】(軌跡制御後の復帰処理)前記手順S−1
9で作業許可処理を行なったり、あるいは手順S−2
1,S−23,S−25,S−26のいずれかで作業抑
制処理を行なった後、手順S−27において、運転者が
基準設定スイッチ18aをクリア位置に回動操作するこ
とにより基準設定状態を解除した場合、手順S−28に
おいて基準設定のフラグF2をクリアして復帰処理が終
了し、図6の手順S−2に戻る。一方、手順S−27で
基準設定状態が解除されていない場合には、そのまま図
6の手順S−2に戻る。
【0039】次に、直線引き作業やならし整地作業等の
ため、図3に示す垂直線Qより前方の位置R1から垂直
線Qより作業機本体3側の位置R2までアーム先端ピン
13の軌跡制御を行なう際の動作について説明する。ま
ず、アーム先端ピン13を前方の位置R1に配置して基
準設定スイッチ18aの操作により基準平面P、各領域
X,Y,Zをそれぞれ設定した後、運転者が操作レバー
14によりブーム上げ及びアーム引き操作を行なうと、
アーム先端ピン13は必ずしも基準平面Pに沿って水平
移動せず、下降あるいは上昇しながらアーム先端ピン1
3が図4の右側へ移動する。その結果、例えばアーム先
端ピン13が下降して作業許可領域Xの領域Xaから作
動抑制領域Yの領域Yaに侵入した場合、アーム引き動
作及びブーム下げ動作が禁止され、ブーム上げ動作のみ
が許可されるため、ブーム4用操作レバー14の上げ操
作によりブーム4が上昇してアーム先端ピン13が作業
許可領域Xの領域Xaに戻る。一方、アーム先端ピン1
3が上昇して作業許可領域Xの領域Xbから作動抑制領
域Yの領域Ybに侵入した場合、ブーム上げ動作が禁止
され、アーム下げ動作及びアーム引き動作が許可される
ため、アーム5用操作レバー14の引き操作によりアー
ム5が引き動作するか、あるいはブーム4用操作レバー
14の下げ操作によりブーム4が下降してアーム先端ピ
ン13が作業許可領域Xの領域Xbに戻る。このように
してアーム先端ピン13は作業許可領域X内を上下しな
がら前方の位置R1から垂直線Qの位置まで移動する。
次いで、この垂直線Qの位置で運転者はアーム引き及び
ブーム下げの操作からアーム引き及びブーム上げの操作
に切り替えると、アーム先端ピン13は作業許可領域X
内を上下しながら垂直線Qの位置から作業機本体3側の
位置R2まで移動する。
【0040】このような軌跡制御による掘削作業を終了
した後、通常動作処理によるダンプ作業に移行する際、
作業機本体3側の位置R2で操作レバー14先端の解除
スイッチ20を押圧操作すると、一時的に基準設定状態
が解除されて通常動作処理に切り替わり、ブザー等が鳴
動して報知すると共に操作レバー14の操作に伴ってア
ーム及びブーム動作が通常速度で可能になるため、ブー
ム4とアーム5及びバケット6の各動作によりバケット
6内の土砂を排出する。次いで、解除スイッチ20をも
う一度押圧操作することにより通常動作処理を解除した
後、アーム先端ピン13を前方の位置R1に戻して下降
させると、アーム先端ピン13が作業抑制領域Yの領域
Yaまで下降した時点でブーム下げ動作が禁止される。
そこで、運転者はアーム引き操作などにより上述した軌
跡制御動作を再び開始する。
【0041】このように構成した実施例では、運転者が
ブーム4とアーム5用の各操作レバー14を操作するこ
とに伴ってブーム4とアーム5が動作するため、通常の
手動操作に近い良好な操作感覚が得られ、運転者に違和
感を抱かせることがなくて済む。同時に、前記ブーム4
とアーム5の動作が、アーム先端ピン13の軸芯位置が
作動許可領域X内を移動するように自動的に制御される
ため、直線引き作業やならし整地作業を容易に行なうこ
とができる。
【0042】また、アーム先端ピン13の軸芯位置が作
業許可領域X内を移動する際、ブーム上げ又は下げとア
ーム引きとの各動作が減速されるので、これらの複合操
作時に各操作レバー14の操作量を微調整しなくても済
む。したがって、運転者はブーム4とアーム5用の操作
レバー14を所定位置まで操作したままバケット6のみ
の動作に注意を払うことにより直線引き作業やならし整
地作業を行なえるため、この点からも操作が容易であ
る。
【0043】また、シリンダ作動圧力を検出してフィー
ドバック制御を行なうための制御機構や、油圧力及び機
械的操作力をブーム操作用スプールに付与するための操
作伝動装置を要せずに済むと共に、バケット6の回動角
を検出しないので、コストアップを抑えることができる
また、ブーム4とアーム5の少なくとも一方の動作が禁
止されると警告灯が点灯するため、前記動作が禁止され
たことを運転者が容易に確認できる。したがって、ブー
ム4とアーム5の動作を制御する状態を確認しながら操
作レバー14を操作することができ、この操作にとまど
うことがなくなるので、軌跡制御時の操作性を向上でき
る。
【0044】また、領域幅設定部19の操作により作動
許可領域Xの領域幅が増減するので、運転者の熟練度な
どに応じて、アーム先端ピン13の軸芯位置を制御する
精度を変更することができる。したがって、熟練者には
前記領域幅を広くすることによって、さらに手動操作に
近い操作感覚を与えることができ、その反対に、未熟練
者には前記領域幅を狭くすることによって、直線引き作
業やならし整地作業を行なう際の精度向上を図ることが
できる。
【0045】なお、上記実施例では、ブーム角センサ1
5とアーム角センサ16からアーム先端ピン13の軸心
位置を算出する場合について説明したが、本発明はこれ
に限らず、例えばアーム先端ピン13の軸心位置を算出
する代わりに、バケット角センサを追加してバケット6
の先端位置を算出することも可能である。
【0046】図15は本発明の他の実施例に係る油圧シ
ョベルの掘削軌跡制御装置を説明する図であり、図1〜
14に対応する部分には同一符号を付してある。
【0047】この実施例に係る油圧ショベルの掘削軌跡
制御装置が前述した実施例と相違する点は、前記基準平
面Pを基準として所定の傾斜角Kまで傾斜させる調整指
令を演算装置17に出力する傾斜角調整手段(図示せ
ず)を追加したことにあり、それ以外の構成は基本的に
同じである。すなわち、この掘削軌跡制御装置では、前
記傾斜角Kまで傾斜した基準傾斜面Pkを基準としてそ
の両側に、アーム5及びブーム4の各動作を許可する傾
斜時の作動許可領域が設定されると共に、この作動許可
領域の外側に、アーム5及びブーム4の各動作を選択的
に抑制する傾斜時の作動抑制領域が設定される。したが
って、上述した基準平面Pを基準として作業する場合と
同様に、傾斜面でも運転者がブーム4とアーム5の各操
作レバーを操作することに伴って、ブーム4とアーム5
が前記作動許可領域内で動作すると共に、アーム5の先
端がこの作動許可領域に位置するように自動的に制御で
きるので、前述した平面で直線引き作業やならし整地作
業を行なう場合と同様の効果を奏する。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
手動操作時に近い良好な操作感覚で直線引き作業やなら
し整地作業を容易に行なえると共に、コストを安価なも
のにできる。また、ブームとアームの少なくとも一方の
動作が禁止されると警告手段が作動するものにあって
は、ブームとアームの操作にとまどうことがなくて済
み、軌跡制御時の操作性を向上でき、さらに、作業許可
領域の幅を調整するものにあっては、運転者の熟練度な
どに応じてアーム先端座標の制御精度を変更できるた
め、作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る油圧ショベルの掘削軌
跡制御装置のブロック図である。
【図2】該油圧ショベルに備えられるアームとブームの
油圧駆動回路を示す回路図である。
【図3】図1の掘削軌跡制御装置で設定される制御対象
領域を示す説明図である。
【図4】該制御対象領域を拡大して示す説明図である。
【図5】図1の掘削軌跡制御装置に備えられる基準設定
スイッチの正面図である。
【図6】図1の掘削軌跡制御装置に備えられる演算装置
の処理内容の一部を示すフローチャートである。
【図7】該演算装置の処理内容の残りの部分を示すフロ
ーチャートである。
【図8】該演算装置の通常動作処理を示すフローチャー
トである。
【図9】該演算装置の作業許可処理を示すフローチャー
トである。
【図10】該演算装置の作業抑制A処理を示すフローチ
ャートである。
【図11】該演算装置の作業抑制B処理を示すフローチ
ャートである。
【図12】該演算装置の作業抑制C処理を示すフローチ
ャートである。
【図13】該演算装置の作業抑制D処理を示すフローチ
ャートである。
【図14】図1の掘削軌跡制御装置により設定される作
業許可領域及び作業抑制領域と軌跡制御モード及びその
内容との関係を示す説明図である。
【図15】本発明の他の実施例に係る油圧ショベルの制
御対象領域を示す説明図である。
【図16】一般的な油圧ショベルの側面図である。
【符号の説明】
3 作業機本体 4 ブーム 5 アーム 6 バケット 8 ブームシリンダ 9 アームシリンダ 10 バケットシリンダ 13 アーム先端ピン 14 操作レバー 15,16 センサ(角度検出手段) 17 演算装置 18 基準面設定部 19 領域幅設定部 24 比較演算部 29,30 コントロール弁 31,32 パイロット弁 37〜39 電磁比例減圧弁(パイロット圧減圧手段) P 基準平面 Pk 基準傾斜面 X 作動許可領域 Y 作動抑制領域 Z 制御対象領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 孝治 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機 株式会社 土浦工場内 (72)発明者 山田 修道 富山県富山市不二越本町一丁目1番1号 株式会社不二越内 (72)発明者 松田 隆 富山県富山市不二越本町一丁目1番1号 株式会社不二越内 (72)発明者 石坂 俊之 富山県富山市不二越本町一丁目1番1号 株式会社不二越内 (56)参考文献 特開 平3−221628(JP,A) 特開 平6−57781(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02F 3/43

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業機本体に回動可能に連結され、ブー
    ムシリンダにより駆動されるブームと、このブームの先
    端に回動可能に連結され、アームシリンダにより駆動さ
    れるアームと、このアームの先端に回動可能に連結さ
    れ、バケットシリンダにより駆動されるバケットと、前
    記ブームの回動角度と前記アームの回動角度をそれぞれ
    検出して角度信号を出力する角度検出手段と、前記角度
    信号に基づいて前記アームの先端座標を演算するコント
    ローラと、前記ブームとアーム及びバケットの各操作レ
    バーにそれぞれ連動してパイロット圧を供給するパイロ
    ット弁と、前記パイロット圧に応じて作動し、前記ブー
    ムシリンダ、アームシリンダ及びバケットシリンダに供
    給される作動油の流れを制御するコントロール弁と、前
    記パイロット圧を減圧するパイロット圧減圧手段とを備
    えた油圧ショベルであって、 前記アームの先端座標を含む基準平面の上下両側に前記
    アームとブームの各動作を許可する作動許可領域を設定
    すると共に、この作動許可領域の上下外側に前記アーム
    とブームの各動作を選択的に抑制する作動抑制領域を設
    定し、前記アームの先端が前記作動許可領域から外れて
    前記作動抑制領域に侵入したとき、前記ブームとアーム
    の少なくとも一方の動作のうち、前記アームの先端が前
    記作動許可領域から離れる方向への動作を禁止し、前記
    アームの先端が前記作動許可領域に近づく方向への動作
    のみを許可するようにしたことを特徴とする油圧ショベ
    ルの掘削軌跡制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、前記基準平面
    を基準として所定の傾斜角まで傾斜させる調整指令を前
    記コントローラに出力する傾斜角調整手段を設け、前記
    傾斜角まで傾斜した基準傾斜面の両側に前記アームとブ
    ームの各動作を許可する傾斜時の作動許可領域を設定す
    ると共に、この作動許可領域の上下外側に前記アームと
    ブームの各動作を選択的に抑制する傾斜時の作動抑制領
    域を設定したことを特徴とする油圧ショベルの掘削軌跡
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の記載において、前記
    作動許可領域の領域幅を調整する指令を前記コントロー
    ラに出力する領域幅調整手段を設けたことを特徴とする
    油圧ショベルの掘削軌跡制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または2の記載において、前記
    ブームとアームの少なくとも一方の動作が禁止されたこ
    とを報知する警告手段を設けたことを特徴とする油圧シ
    ョベルの掘削軌跡制御装置。
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