JP3456366B2 - ブースタ装置の故障検出装置 - Google Patents

ブースタ装置の故障検出装置

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JP3456366B2
JP3456366B2 JP14412197A JP14412197A JP3456366B2 JP 3456366 B2 JP3456366 B2 JP 3456366B2 JP 14412197 A JP14412197 A JP 14412197A JP 14412197 A JP14412197 A JP 14412197A JP 3456366 B2 JP3456366 B2 JP 3456366B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブースタ装置の故障
検出装置に係り、特に負圧源から導圧配管を介して負圧
を導入することにより制動力を倍増させる構成とされた
ブースタ装置に対し故障検出を行なうブースタ装置の故
障検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ブレーキペダルの踏み込み力を軽
減するため、ブレーキ装置にブースタ装置を搭載した車
両が多い。このブースタ装置は、大略するとブレーキブ
ースタ,負圧源,及び導圧配管等により構成されてい
る。ブレーキブースタはブレーキ装置に直列的に配設さ
れており、負圧源から導圧配管を介して負圧が導入され
ることにより制動力を倍増させる構成とされている。ま
た、ブレーキブースタの負圧源としは、スロットル弁下
流の吸気管内に発生する負圧を使用することが一般的で
ある。
【0003】即ち、ブースタ装置は、スロットル弁下流
から分岐する導圧配管を介して負圧をブレーキブースタ
に導き、ブレーキペダルの踏み込み量に応じた負圧をブ
レーキブースタに内設されるダイヤフラムに作用させる
ことによってブレーキ操作力が増加される構成とされて
いる(例えば、特開平8−164840号公報)。ま
た、ディーゼル機関のように運転中は吸入空気量をほと
んど制御しない内燃機関においてはスロットル弁下流に
負圧が発生しにくいため、負圧発生用の真空ポンプを設
置してブレーキブースタに負圧を供給する構成のものも
ある。この構成では、真空ポンプで発生する負圧を導圧
配管を介してブレーキブースタに導き、上記構成と同様
にブレーキペダルの踏み込み量に応じた負圧をブレーキ
ブースタに内設されるダイヤフラムに作用させることに
よってブレーキ操作力が増加される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ブレーキ装
置は自動車が安全に走行するためには不可欠の装置であ
り高い信頼性が要求されており、従ってブレーキ装置と
接続されるブースタ装置についても高い信頼性が要求さ
れる。このため、ブースタ装置は高信頼性を実現しうる
設計とされており、ブレーキブースタと負圧源を接続す
る導圧配管についても高信頼性を実現しうる設計とされ
ている。
【0005】しかしなから、仮にブースタ(特に導圧配
管)に故障が発生した場合に、これを速やかに検出して
運転者に知らせたり、また所定のフェイルセーフ処理を
実施する手段が設けられていなかったため、導圧配管の
故障を速やかに検出することができないという問題点が
あった。本発明は上記課題に鑑みなさたものであり、ブ
レーキブースタに作用する圧力またはエンジン回転数の
変化に基づき、ブースタ装置に故障が発生したことを検
出する手段を設けることにより、ブースタ装置の故障を
正確かつ速やかに検出することができるブースタ故障検
出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、次の手段を講じたことを特徴とするもの
である。請求項1記載の発明では、負圧源から導圧配管
を介して負圧をブレーキブースタに導入することにより
制動力を倍増させるブースタ装置に対して故障検出を行
なうブースタ装置の故障検出装置であって、前記ブレー
キブースタに作用する圧力を検出する圧力検出手段と、
前記圧力検出手段によって検出されるブースタ圧の単位
時間当たりの変化量が正常値以上である時に、前記ブー
スタ装置に故障が発生したと判断する故障検出手段とを
具備することを特徴とするものである。
【0007】また、請求項2記載の発明では、エンジン
に設けられた負圧源から導圧配管を介して負圧をブレー
キブースタに導入することにより制動力を倍増させるブ
ースタ装置に対して故障検出を行なうブースタ装置の故
障検出装置であって、前記エンジンのエンジン回転数を
検出するエンジン回転数検出手段と、前記エンジンのエ
ンジン負荷を求めるエンジン負荷検出手段と、前記エン
ジン回転数検出手段により検出されるエンジン回転数
が、前記エンジン負荷検出手段により求められるエンジ
ン負荷から決まる正常エンジン回転数以上である時に、
前記ブースタ装置に故障が発生したと判断する故障検出
手段とを具備することを特徴とするものである。
【0008】上記の各手段は、次のように作用する。請
求項1記載の発明によれば、ブレーキブースタに作用す
る圧力(以下、ブースタ圧という)は、圧力検出手段に
より検出することができる。ところで、例えば導圧配管
に孔,亀裂等が発生してしまったり、また導圧配管がブ
レーキブースタ或いは負圧源から外れてしまった等の異
常(故障)が発生した場合を想定すると、ブレーキブー
スタには大気圧が作用することとなり、よって圧力検出
手段により検出されるブースタ圧は急激に上昇する(以
下、このブースタ圧の変化を故障時変化という)。従っ
て、圧力検出手段により検出されるブースタ圧の変化よ
り故障の発生を検知することが可能となる。
【0009】しかるに、ブースタ圧の上昇は、上記した
故障時ばかりではなく、正常時においても発生する。即
ち、運転者がブレーキの踏み込み操作と解除操作を頻繁
に行なったような場合には、負圧源からブレーキブース
タに対し頻繁に負圧の供給・停止が行なわれる。このた
め、負圧源における負圧が上昇し、これに伴いブースタ
圧が上昇することが考えられる(以下、このブースタ圧
の変化を正常時変化という)。
【0010】そこで、故障時変化の特性と正常時変化の
特性を比較する。故障時変化は、上記のように導圧配管
の外れ等が原因である。このため、故障時においてはブ
レーキブースタに対し大気が急激かつ大量に入り込むた
め、ブースタ圧は急減に上昇し、よってブースタ圧の単
位時間当たりの増大量(以下、これを変化量という)は
大きくなる。これに対し、正常時変化は上記のように運
転者の頻繁なブレーキ操作等が原因であるため、正常時
におけるブースタ圧の変化量は、故障時に比べて小さく
なる。
【0011】従って、ブースタ圧の変化量により故障の
発生を検知することが可能となる。そこで請求項1記載
の発明では故障検出手段を設け、圧力検出手段によって
検出される圧力の変化量が正常値(正常時におけるブー
スタ圧の変化量)以上である時に、ブースタ装置に故障
が発生したと判断する構成とした。この構成とすること
により、正確かつ速やかにブースタ装置に故障が発生し
たことを検出することができる。
【0012】また、請求項2記載の発明によれば、エン
ジン回転数検出手段によりエンジン回転数が検出される
と共に、エンジン負荷検出手段によりエンジン負荷が求
められる。エンジン回転数はエンジン負荷に相関してお
り、よってエンジン負荷に基づきエンジン回転数の正常
領域を求めることができる。ところで、導圧配管がブレ
ーキブースタから外れてしまったり、また導圧配管に穴
が開いたしまう異常(故障)が発生した場合には、導圧
配管に流入した大気(空気)はエンジンに流入する。こ
のように、エンジンに空気が流入すると、エンジンの回
転数は正常より上昇する。従って、エンジン回転数の変
化に基づき、故障の発生を検知することが可能となる。
【0013】そこで、請求項2記載の発明では故障検出
手段を設け、エンジン回転数検出手段により検出される
エンジン回転数が、エンジン負荷検出手段により求めら
れるエンジン負荷で決定される正常エンジン回転数以上
である時に、ブースタ装置に故障が発生したと判断する
構成とした。この構成とすることによっても、正確かつ
速やかにブースタ装置に故障が発生したことを検出する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面と共に説明する。図1は、本発明の一実施例であ
るブースタ装置の故障検出装置を適用した内燃機関10
(以下、エンジンという)を示す要部構成図である。同
図に示されるように、エンジン10は、吸気管11のシ
リンダヘッド近傍に燃料噴射弁12が配設されている。
この燃料噴射弁12には、図示しない燃料ポンプにより
燃料タンクから燃料が圧送される。 また、吸気管11
が接続されるサージタンク14には、スロットル弁15
を介して吸入空気が供給される。このサージタンク14
には、吸気管圧力センサ13が配設されており、吸気管
11内の圧力(吸気圧)を測定しうる構成とされてい
る。また、スロットル弁15の近傍にはスロットル開度
を検出するスロットル開度センサ20及びスロットル弁
15を駆動するスロットル弁アクチュエータ25が配設
されている。
【0015】一方、ブレーキ装置21は、大略するとブ
レーキペダル16とマスターシリンダ24とにより構成
されている。また、ブレーキペダル16とマスターシリ
ンダ24との間には、制動力を倍増させるためにブース
タ装置22が配設されている。このブースタ装置22
は、ブレーキブースタ17,導圧配管18,圧力検出手
段となるブースタ内圧力センサ23,及び負圧源となる
サージタンク14等により構成されている。
【0016】ブレーキブースタ17は、チェックバルブ
27,導圧配管18を介してサージタンク14に接続さ
れており、よってサージタンク14内の負圧はブレーキ
ブースタ17に供給される構成とされている。このブレ
ーキブースタ17は、ブレーキペダル16の踏み込み量
に応じた負圧をブレーキブースタ17に内設されるダイ
ヤフラム(図に現れず)に作用させることによってブレ
ーキ操作力が増加される構成とされている。即ち、ブレ
ーキペダル16の踏み込み力は、ブレーキブースタ17
によって増幅された上でマスターシリンダ24において
油圧に変換され、各車輪のブレーキアクチュエータ(図
示せず)を駆動する。
【0017】制御装置19はマイクロコンピュータで構
成されており、ブレーキブースタ17に接続された配管
28に取り付けられたブースタ内圧力センサ23で検出
されるブレーキブースタ内圧力PB を入力し、スロット
ル弁アクチュエータ25にスロットル弁開度指令を出力
する構成とされている。この際、スロットル弁15の弁
開度はスロットル開度センサ20により検出され、その
検出結果は制御装置19に供給される。このため、フィ
ードバック制御により、スロットル弁15の弁開度を指
定弁開度に精度よく設定することができる。
【0018】この構成とすることにより、ブレーキブー
スタ内圧力PB を一定に保つことが可能となる。即ち、
ブレーキブースタ内圧力PB が変化すると、ブレーキブ
ースタ17に内設されるダイヤフラムに印加される負圧
が変化するため、同一の踏み込み量でブレーキペダル1
6を踏み込んでも、一定の制動力を発生させることがで
きなくなってしまう。一方、ブレーキブースタ17の負
圧源となるサージタンク14は、スロットル弁15の下
流側に配設されるものであるため、スロットル弁15の
弁開度によりサージタンク14内の圧力を調整すること
ができる。
【0019】よって、ブースタ内圧力センサ23の検出
結果によりブレーキブースタ内圧力PB が所定値より大
きくなったと判断すると、制御装置19はスロットル弁
アクチュエータ25を駆動してスロットル弁15の弁開
度を小さくし、ブレーキブースタ内圧力PB を減少させ
る処理を行なう。これにより、ブレーキブースタ内圧力
B を一定に保つことが可能となり、安定した制動力の
倍増処理を行なうことができる。
【0020】また、上記した制御装置19には、エンジ
ン回転数センサ26が接続されている。このエンジン回
転数センサ26は、例えば図示しなすディストリビュー
タに配設されており、クランクシャフトが所定角度回転
する毎にエンジン回転数信号を出力する構成とされてい
る。このエンジン回転数信号は制御装置19に送信さ
れ、よって制御装置19はこのエンジン回転数信号に基
づきエンジン回転数を演算することができる。
【0021】更に、制御装置19はエンジン回転数セン
サ26から送信されるエンジン回転数信号,吸気管圧力
センサ13から送信される吸気圧信号、及びスロットル
開度センサ20から送信されるスロットル開度信号等の
種々の情報に基づき燃料噴射量を演算し、この演算され
た燃料噴射量だけ燃料を噴射するよう燃料噴射弁12に
対し燃料噴射指令を出力する。
【0022】続いて、上記構成とされたエンジン10に
配設されるブースタ装置22の故障検出装置の第1実施
例について説明する。第1実施例に係る故障検出装置
は、圧力検出手段となるブースタ内圧力センサ23と、
制御装置19が実行するプログラムとして構成される故
障検出手段とによりなる。前記したように、ブースタ内
圧力センサ23はブレーキブースタ内圧力PB を安定化
する制御のために従来から配設されているものであり、
また故障検出手段は制御装置19に組み込まれるソフト
ウェアである。このため、一般のエンジン10及びブー
スタ装置22の構成をそのまま利用して故障検出装置を
実現することができため、簡単かつ安価に故障検出装置
を実現することができる。
【0023】先ず、第1実施例に係る故障検出装置の故
障を検出する原理について図2(A)を用いて説明す
る。同図は、横軸に時間を取り、また縦軸にブースタ内
圧力センサ23の出力(即ち、ブレーキブースタ内圧力
B )を取っている。また、同図では、時刻t1におい
てブースタ装置22に故障(異常)が発生した例を示し
ている。
【0024】尚、同図では、説明の便宜上、ブースタ装
置22に故障が発生した時のブレーキブースタ内圧力P
B の変化を実線で、また故障が発生していないときブレ
ーキブースタ内圧力PB の変化を破線で示している。こ
こで、ブースタ装置22に発生した故障とは、例えば導
圧配管18に孔,亀裂等が発生してしまったり、また導
圧配管18がブレーキブースタ17或いは負圧源となる
サージタンク14から外れてしまった状態をいう。
【0025】同図に示すように、時刻t1においてブー
スタ装置22に故障が発生すると、ブレーキブースタ1
7には大気圧が作用することとなり、よってブースタ内
圧力センサ23により検出されるブレーキブースタ内圧
力PB は急激に上昇し、やがて大気圧と略等しい圧力と
なる。従って、ブースタ内圧力センサ23により検出さ
れるブレーキブースタ内圧力PB の変化より故障の発生
を検知することが可能となる。
【0026】しかるに、前記したようにブレーキブース
タ内圧力PB の上昇は、故障発生時ばかりではなく、正
常時(故障が発生していない状態をいう)においても発
生する。即ち、運転者がブレーキペダル16の踏み込み
操作と踏み込み解除操作を頻繁に行なったような場合、
サージタンク14からブレーキブースタ17に対し頻繁
に負圧の供給が行なわれる。また、エンジン10の運転
状態によっては、制御装置19によるスロットル弁15
の開弁制御では、サージタンク14内の圧力増大に対応
することができず、ブレーキブースタ内圧力PB が増大
することが考えられる。
【0027】そこで、ブレーキブースタ内圧力PB の故
障時変化(図2(A)に実線で示す)と、ブレーキブー
スタ内圧力PB の正常時変化(図2(A)に破線で示
す)とを比較する。故障発生時においては、ブレーキブ
ースタ17に対し大気が急激かつ大量に入り込むため、
ブレーキブースタ内圧力PB は急減に上昇する。いま、
単位時間におけるブレーキブースタ内圧力PB の増大量
を変化量と定義すると、単位時間Δtにおける故障発生
時の変化量は、図中矢印ΔP1で示す量となる。
【0028】これに対し、正常時におけるブレーキブー
スタ内圧力PB の変化は故障発生時に比べてなだらかな
上昇となるため、単位時間Δtにおける正常時の変化量
は、図中矢印ΔP2で示す量となる。そこで、故障発生
時における変化量ΔP1と正常時における変化量ΔP2
とを比べると、ΔP1>ΔP2となる。従って、ブレー
キブースタ内圧力PB の変化量ΔPB により、ブースタ
装置22に故障が発生したことを検知することが可能と
なる。
【0029】以上、説明した検出原理に基づき、制御装
置19が実行する故障検出処理について、図3を用いて
説明する。尚、図3に示される故障検出処理は、メイン
ルーチンの一部として一定時間毎(例えば、4ms毎)
の割り込み処理として実行される。同図に示される故障
検出処理が起動すると、先ずステップ10(図では、ス
テップをSと略称している)において、エンジン10が
回転中であるかどうかが判断される。具体的には、制御
装置19は、エンジン回転数センサ26からエンジン回
転数信号が出力されているかどうかを判断する。
【0030】このステップ10において否定判断がされ
た場合は、エンジン10が起動していない状態であり、
ブースタ装置22の故障検出を行なう必要がないため、
本ルーチンを終了する。一方、ステップ10において、
肯定判断がされた場合、即ちエンジン10が起動してい
ると判断された場合には、処理をステップ12に進め
る。
【0031】ステップ12では、ブースタ内圧力センサ
23から出力される信号に基づき、今回のルーチン処理
におけるブレーキブースタ内圧力PB(N)を演算し求める
と共にこれを記憶する。続くステップ14では、前回の
ルーチン処理において記憶しておいたブレーキブースタ
内圧力PB(N-1)を読み出し、ステップ12で求められた
今回のブレーキブースタ内圧力PB(N)との差、即ち変化
量ΔPB (ΔPB =P B(N)−PB(N-1))を演算する。
【0032】ステップ14において変化量ΔPB が演算
されると、続くステップ16では、変化量ΔPB が正常
値K以上であるかどうかを判断する。ここで、正常値K
とは、正常時に発生するブレーキブースタ内圧力PB
変化量において最も大きな値であり、例えば実験的に求
められるものである。従って、ステップ14で求められ
た変化量ΔPB が、この正常値K未満である場合には、
ブースタ装置22には故障が発生していないと判断する
ことができる。逆に、ステップ14で求められた変化量
ΔPB が、この正常値K以上である場合には、ブースタ
装置22に故障が発生していると判断することができ
る。
【0033】そこで、ステップ16で否定判断がされた
場合、即ち変化量ΔPB が正常値K未満であると判断さ
れた場合には、制御装置19はブースタ装置22には故
障が発生していないと判断し、今回のルーチン処理を終
了する。一方、ステップ16で肯定判断がされた場合、
即ち変化量ΔPB が正常値K以上であると判断された場
合には、制御装置19はブースタ装置22に故障が発生
していると判断し、処理をステップ18に進める。
【0034】ステップ18では、フェールセイフ処理を
実行する。このフェールセイフ処理としては、スロッ
トル弁アクチュエータ25を駆動してスロットル弁15
を閉弁する、燃料噴射弁12を制御し燃料噴射量を少
なくすることによりエンジン回転数を低下、或いはエン
ジンストールを発生させる等が考えられる。また、上記
の及びの処理に加え、ダイアイグノーシス検出、及
びコード記録等を行なうことにより、ブースタ装置22
に故障が発生したことを履歴として残す構成としてもよ
い。
【0035】上記のように、本実施例に係る故障検出処
理によれば、最低2回のルーチン処理を実施することに
より故障検出が行なえるため、速やかにブースタ装置2
2の故障検出を行なうことができる。また、故障が発生
した場合に、直接その影響を受けるブレーキブースタ内
圧力PB の変化に基づき故障検出を行なう構成とされて
いるため、精度の高い正確な故障検出を行なうことがで
きる。
【0036】続いて、上記構成とされたエンジン10に
配設されるブースタ装置22の故障検出装置の第2実施
例について説明する。第2実施例に係る故障検出装置
は、エンジン回転数検出手段となるエンジン回転数セン
サ26、エンジン負荷検出手段となる吸気管圧力センサ
13,スロットル開度センサ20,及び制御装置19、
そして制御装置19が実行するプログラムとして構成さ
れる故障検出手段とよりなる。
【0037】本実施例においても、エンジン回転数セン
サ26,吸気管圧力センサ13,スロットル開度センサ
20は従来からエンジン10に配設されているものであ
り、また故障検出手段は制御装置19に組み込まれるソ
フトウェアである。このため、本実施例においても、一
般のエンジン10及びブースタ装置22の構成をそのま
ま利用して故障検出装置を実現することができため、簡
単かつ安価に故障検出装置を実現することができる。
【0038】続いて、第2実施例に係る故障検出装置の
故障を検出する原理について図2(B)を用いて説明す
る。同図は、横軸に時間を取り、また縦軸にエンジン回
転数(Ne)を取っている。また、同図でも、時刻t1
においてブースタ装置22に故障(異常)が発生した例
を示している。本実施例においても、ブースタ装置22
に発生した故障とは、例えば導圧配管18に孔,亀裂等
が発生してしまったり、また導圧配管18がブレーキブ
ースタ17或いは負圧源となるサージタンク14から外
れてしまった状態をいう。従って、ブースタ装置22に
故障が発生すると、正常状態において負圧とされている
サージタンク14には大気(即ち、空気)が導入される
こととなる。
【0039】この状態は、あたかもスロットル弁15が
全開した状態と等価となり、図2(B)に示されるよう
に、エンジン回転数は正常領域を越えて急激に上昇す
る。ここで、正常領域とはブースタ装置22に故障が発
生していない状態(正常状態)におけるエンジンの回転
数領域である。この正常領域は、エンジン負荷から求め
ることができる。
【0040】一方、エンジン負荷は、スロットル開度セ
ンサ20により検出されるスロットル開度と吸気管圧力
センサ13により検出される吸気圧(エアフローメータ
を設けたエンジンの場合には、吸入空気量)とにより求
めることができる。また、エンジン回転数はエンジン負
荷に依存するものであり、よってエンジン負荷を求める
ことにより正常領域を求めることができる。
【0041】本実施例では、制御装置19内の記憶装置
に、予めエンジン負荷と正常領域とを対応させたマップ
(以下、このマップをエンジン負荷−正常領域対応マッ
プという)を格納しており、このエンジン負荷−正常領
域対応マップより正常領域を求める構成としている。ブ
ースタ装置22の故障判断は、エンジン回転数センサ2
6により検出されるエンジン回転数と、エンジン負荷か
ら決まる正常領域とを比較することにより行なう。具体
的には、エンジン回転数が正常領域以上である時に、ブ
ースタ装置22に故障が発生したと判断する。この構成
とすることによっても、正確かつ速やかにブースタ装置
22に故障が発生したことを検出することができる。
【0042】以上、説明した検出原理に基づき、制御装
置19が実行する故障検出処理について、図4を用いて
説明する。尚、図4に示される故障検出処理は、メイン
ルーチンの一部として一定時間毎(例えば、4ms毎)
の割り込み処理として実行される。同図に示される故障
検出処理が起動すると、先ずステップ20において、制
御装置19はエンジン回転数センサ26から送られるエ
ンジン回転数信号に基づきエンジン回転数を演算すると
共に、吸気管圧力センサ13から送られる吸気圧信号に
基づき吸気圧を演算する。尚、前記したように、吸気管
圧力センサ13に代えてエアフローメータを有した機関
では、ステップ20においてエアフローメータから送ら
れる吸入空気量信号に基づき吸入空気量を演算する。
【0043】続くステップ22では、ステップ20で求
められた吸気圧が、所定値以下であるかどうかが判断さ
れる。これは、エンジン10が正常な状態であっても、
スロットル弁15が略全開となった状態では大量の空気
がエンジン10に送り込まれるため、正確な故障検出を
行なうことが困難であるからである。よって、このステ
ップ22でいう所定値とは、スロットル弁15が略全開
した状態において発生する吸気圧に基づき設定される値
である。
【0044】このステップ22で否定判断がされた場合
は、ブースタ装置22に対し精度の高い故障検出を実施
することが困難な状態である。このため、ステップ22
で否定判断が行なわれた場合は、ステップ23以降の処
理を行なうことなく今回のルーチン処理を終了する。一
方、ステップ22で肯定判断が行なわれると、処理はス
テップ24に進む。
【0045】ステップ24では、制御装置19はステッ
プ20で演算されたスロットル開度及び吸気圧に基づき
エンジン負荷を演算すると共に、求められたエンジン負
荷を前記したエンジン負荷−正常領域対応マップと対照
することにより正常領域を決定する。上記のようにステ
ップ24において正常領域が決定されると、処理はステ
ップ26に進み、ステップ20で求められたエンジン回
転数が正常領域から外れた状態を一定時間継続している
かどうかを判断する。ここで、単にエンジン回転数が正
常領域から外れているかどうかを判定するのではなく、
正常領域から外れた状態を一定時間継続しているかどう
かを判断する構成としたのは、外乱の発生等により一時
的にエンジン回転数が正常領域から外れた場合を排除す
るためである。この構成とすることにより外乱の影響を
防止でき、よってブースタ装置22の故障検出処理の精
度を向上させることができる。
【0046】ステップ26において否定判断がされた場
合、即ちエンジン回転数が正常領域内にあると判断され
た場合は、ブースタ装置22に故障が発生していないと
判断することができる。よって、ステップ26において
否定判断がされた場合は、ブースタ装置22に故障が発
生していないと判断して今回のルーチン処理を終了す
る。
【0047】一方、ステップ26で肯定判断がされた場
合、即ちエンジン回転数が正常領域から外れた状態を一
定時間継続していると判断された場合には、制御装置1
9はブースタ装置22に故障が発生していると判断し処
理をステップ28に進める。ステップ28では、フェー
ルセイフ処理を実行する。このフェールセイフ処理とし
ては、第1実施例で説明したステップ18と同様に、
スロットル弁アクチュエータ25を駆動してスロットル
弁15を閉弁する、燃料噴射弁12を制御し燃料噴射
量を少なくすることによりエンジン回転数を低下、或い
はエンジンストールを発生させる等が考えられる。ま
た、上記の及びの処理に加え、ダイアイグノーシス
検出、及びコード記録等を行なうことにより、ブースタ
装置22に故障が発生したことを履歴として残す構成と
してもよい。
【0048】上記のように、本実施例に係る故障検出処
理によっても、速やかにブースタ装置22の故障検出を
行なうことができる。また、故障が発生した場合に、直
接その影響を受けるブレーキブースタ内圧力PB の変化
に基づき故障検出を行なう構成とされているため、精度
の高い正確な故障検出を行なうことができる。
【0049】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、次に述べる
効果を実現することができる。請求項1記載の発明で
は、異常検出手段を設け、圧力検出手段によって検出さ
れるブースタ圧の単位時間当たりの変化量が正常値以上
である時にブースタ装置に故障が発生したと判断する構
成としたことにより、また、請求項2記載の発明では、
異常検出手段を設け、エンジン回転数検出手段により検
出されるエンジン回転数が、エンジン負荷検出手段によ
り求められるエンジン負荷から決まる正常エンジン回転
数以上である時にブースタ装置に故障が発生したと判断
する構成としたことにより、正確かつ速やかにブースタ
装置に故障が発生したことを検出することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるブースタ装置の故障検
出装置を適用したエンジンの要部構成図である。
【図2】本発明に係る故障検出装置の故障を検出する原
理を説明するための図である。
【図3】本発明に係る故障検出装置の故障検出処理の第
1実施例を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る故障検出装置の故障検出処理の第
2実施例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン 11 吸気管 12 燃料噴射弁 13 吸気管圧力センサ 14 サージタンク 15 スロットル弁 16 ブレーキペダル 17 ブレーキブースタ 18 導圧配管 19 制御装置 20 スロットル開度センサ 21 ブレーキ装置 22 ブースタ装置 23 ブースタ内圧力センサ 24 マスターシリンダ 25 スロットルアクチュエータ 26 エンジン回転数センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 17/22 B60T 13/52

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧源から導圧配管を介して負圧をブレ
    ーキブースタに導入することにより制動力を倍増させる
    ブースタ装置に対して故障検出を行なうブースタ装置の
    故障検出装置であって、 前記ブレーキブースタに作用する圧力を検出する圧力検
    出手段と、 前記圧力検出手段によって検出されるブースタ圧の単位
    時間当たりの変化量が正常値以上である時に、前記ブー
    スタ装置に故障が発生したと判断する故障検出手段とを
    具備することを特徴とするブースタ装置の故障検出装
    置。
  2. 【請求項2】 エンジンに設けられた負圧源から導圧配
    管を介して負圧をブレーキブースタに導入することによ
    り制動力を倍増させるブースタ装置に対して故障検出を
    行なうブースタ装置の故障検出装置であって、 前記エンジンのエンジン回転数を検出するエンジン回転
    数検出手段と、 前記エンジンのエンジン負荷を求めるエンジン負荷検出
    手段と、 前記エンジン回転数検出手段により検出されるエンジン
    回転数が、前記エンジン負荷検出手段により求められる
    エンジン負荷から決まる正常エンジン回転数以上である
    時に、前記ブースタ装置に故障が発生したと判断する故
    障検出手段とを具備することを特徴とするブースタ故障
    検出装置
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DE19935899B4 (de) * 1999-07-30 2010-12-02 Robert Bosch Gmbh Verfahren zum sicheren Betreiben eines Bremskraftverstärkersystems, Bremskraftverstärkersystem und Diagnosevorrichtung dafür zur Ausführung des Verfahrens
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