JP3456284B2 - 多孔質四弗化エチレン樹脂積層体とその製造方法 - Google Patents
多孔質四弗化エチレン樹脂積層体とその製造方法Info
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Description
樹脂積層体の製造方法に関し、さらに詳しくは、微細な
孔を有し、かつ、気孔率の高い多孔質四弗化エチレン樹
脂積層体の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】四弗化エチレン樹脂(以下、PTFEと
略記)を素材とする多孔質体は、燃料電池、メンブラン
フィルター、電線、分析装置、人工血管などの広範な分
野で使用されている。ところで、近年、精密濾過フィル
ターや高機能分離膜、人工肺隔膜等の用途において、小
孔径で透過性に優れたPTFE多孔質体が求められてい
る。そのためには、微細な孔と高い気孔率を有するPT
FE多孔質体が必要となる。しかし、従来、微細な孔と
高い気孔率とを兼備し、優れた透過性を有するPTFE
多孔質体を製造することは、非常に困難であった。 【0003】従来、PTFE多孔質体を製造する方法と
して、PTFEのペースト押出により得られた未焼結成
形体を融点以下の温度で延伸し、次いで、焼結する方法
が知られている(特公昭42−13560号公報)。こ
の未焼結成形体を延伸する方法によれば、種々の気孔率
を有するPTFE多孔質体を得ることができるが、気孔
率を高めるために延伸倍率を上げると、それにつれて孔
径が大きくなるため、微細な孔を有し、しかも気孔率の
高いPTFE多孔質体を製造するには限度があった。 【0004】PTFE多孔質体を製造する方法として、
焼成されたPTFE成形体を327℃以上に加熱した
後、徐冷して結晶化度が80%以上になるように熱処理
し、次いで、25〜260℃の温度において延伸倍率
1.5〜4倍に一軸延伸する方法が提案されている(特
公昭53−42794号公報)。この方法(以下、徐冷
法という)によれば、微細孔が形成されたPTFE多孔
質体を得ることができる。しかし、この徐冷法では、P
TFE成形体を徐冷する工程において、冷却速度が早過
ぎると結晶化が充分に進まないため、冷却速度を遅くす
る必要があり、そのため、精密な温度制御と大きな設備
を必要とするという問題があった。 【0005】すなわち、前記徐冷法では、PTFE成形
体の結晶化度を高くするために、通常、約0.5℃/分
より遅い速度で冷却することが好ましいとされており、
該公報記載の実施例では、0.25℃/分、0.1℃/
分、及び0.05℃/分の各冷却速度が採用されてい
る。このような冷却速度の小さな徐冷を実施するには、
極めて精度の高い温度制御が必要となる。しかも、PT
FE多孔質体は、一般に、PTFEファインパウダーの
ペースト押出によりロッド、チューブ、ストリップ、シ
ート等の長尺成形体として作成され、熱処理工程や延伸
工程などを経て多孔質体とされるが、前記の徐冷法をこ
れらの長尺成形体に適用することは困難であり、実際的
ではない。例えば、長尺シート状成形体を長さ3mの炉
を用いて、350℃から290℃まで0.5℃/分の冷
却速度で徐冷するには、2時間かけて炉中を通過させる
必要があり、炉中での通過速度は、線速1.5m/時間
となる。したがって、長尺シートの長さが100mの場
合には、約67時間が必要となる。逆に、100mの長
尺シートを前記冷却条件で20時間で徐冷するには、線
速5m/時間で炉中を通過させる必要があり、そのため
には長さ10mもの大型炉が必要となる。 【0006】このように、PTFEの融点以上の温度か
ら徐冷する方法では、長尺成形体の場合、非常に長い炉
を必要とするか、あるいは非常にゆっくりとした線速で
処理する必要があるため、工業的な実施には限界があ
る。特開昭64−78823号公報には、数平均分子量
100万以下のPTFEファインパウダーをペースト押
出して成形体を作成した後、該成形体を焼結し、次い
で、焼結温度から10℃/時間より遅い速度(実施例で
は1℃/時間)で徐冷して結晶化度を高めた後、少なく
とも一軸方向に延伸を行うPTFE多孔質膜の製造方法
が開示されている。また、本発明の共同発明者の一人
は、PTFE連続成形体を焼結した後、350〜290
℃の温度範囲内において、高温領域から低温領域にかけ
て順次設定した少なくとも2つの異なる実質的に一定の
温度帯域を各0.5〜10分間の時間内で通過させなが
ら冷却することにより、高結晶化度とする方法を提案
し、先に特許出願を行った(特開平6−8344号公
報)。 【0007】これらの方法により結晶化度を高めた成形
体を延伸すると、微細な孔と高い気孔率を有するPTF
E多孔質体を得ることができる。しかしながら、これら
の方法によって結晶化度を高めた成形体は、延伸倍率を
10倍以上に高くすると、延伸時に切れ易く、高延伸倍
率とすることができないため、得られるPTFE多孔質
体の気孔率は、65%程度が上限であった。その理由と
しては、これらの結晶化度を高める方法では、成形体を
PTFEの融点以上の温度で、かなり長時間保持するた
めに、ミクロな熱分解が起こり、伸び率が低下するため
であると推定される。 【0008】PTFEフィルターは、耐熱性及び耐薬品
性に優れることから、半導体分野において、主に薬液や
ガスの濾過に使用されている。半導体分野では、高集積
化度に伴い、より微小な孔径のPTFEフィルターに対
する要求が高まっている。高集積化半導体の歩留は、P
TFEフィルターの除粒子性能により影響を受けるた
め、微小な粒子の除去率の高いものが望まれている。す
なわち、最近のPTFEフィルターに対する要求性能か
らみて、粒子径0.109μmの粒子の除去率が90%
以上、好ましくは99%以上、より好ましくは100%
であることが望まれる。しかしながら、市販のPTFE
フィルター(孔径0.1μm及び0.05μm)では、
粒子径0.109μmの粒子の除去率が最大で70%程
度までである。一方、孔径0.02μmのPTFE多孔
質膜が知られているが、インプロピルアルコールにより
測定した流量(IPA流量)が0.0005ml/cm
2/min(差圧0.95kg/cm2で測定)と極端に
小さく、フィルターとして実用性能に欠けるものであ
る。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微細
な孔と高い気孔率を併せ持つ四弗化エチレン樹脂多孔質
体の製造方法を提供することにある。本発明者らは、前
記従来技術の有する問題点を克服するために鋭意研究を
行った結果、PTFEファインパウダーのペースト押出
によって得られた成形体を少なくとも一軸方向に延伸
し、次いで、延伸により得られた多孔質シートを少なく
とも2枚重ねて、圧着して一体化することにより、微細
な孔と高い気孔率を併せ持つ多孔質PTFE積層体の得
られることを見いだした。 【0010】従来の徐冷法では、製造の際に精密な温度
制御と冷却速度の制御を行うために大がかりな設備を必
要とするが、本発明の方法によれば、延伸したシートを
2枚以上重ねて圧着し、一体化するといった非常に簡便
な方法で、微細な孔を有し、気孔率の高いPTFE多孔
質体(積層体)を得ることができる。本発明の多孔質P
TFE積層体は、粒子径が0.109μmの粒子を90
%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは100
%の粒子除去率で除去することが可能である。しかも、
本発明の多孔質PTFE積層体は、差圧0.95kg/
cm2で測定したIPA流量が0.6ml/cm2/mi
n以上であり、フィルターとしての実用性能に優れてい
る。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至っ
たものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、(1)四弗化エチレン樹脂ファインパウダーのペー
スト押出によって成形体を作製した後、(2)該成形体
を少なくとも一軸方向に延伸し、(3)次いで、延伸に
より得られた多孔質シートを少なくとも2枚重ねて、加
圧することにより、多孔質シート相互間を接着させ、そ
の後、必要に応じて、(4)四弗化エチレン樹脂の融点
未満の温度で熱処理することにより、粒子径0.109
μmの粒子を90%以上の粒子除去率で除去可能で、か
つ、差圧0.95kg/cm2でイソプロピルアルコー
ルにより測定した流量(IPA流量)が0.7ml/c
m2/min以上の多孔質四弗化エチレン樹脂積層体を
得ることを特徴とする多孔質四弗化エチレン樹脂積層体
の製造方法が提供される。〔ただし、粒子除去率の測定
方法は、以下の通りである。試料膜を直径φ47mmの
円形に打ち抜いてホルダーにセットし、次いで、粒子径
が0.109μmのポリエチレンラテックス均一粒子を
1.4×1010個/cm3の割合で含有する水溶液32
cm3を、加圧0.42kg/cm2で濾過させ、その際
の粒子除去率を、紫外可視分光光度計を用いて、波長3
10nmで測定する。〕 【0012】 【0013】以下、本発明について詳述する。四弗化エチレン樹脂ファインパウダー 本発明で使用するPTFEは、ファインパウダーであ
る。PTFEの数平均分子量は、数十万から数千万のも
のまであり、特に限定されないが、本発明の製造方法を
適用するには、分子量が比較的高いPTFEファインパ
ウダーを使用することが好ましい。分子量200万以
上、好ましくは400万以上のPTFEファインパウダ
ーを用いることにより、比較的強度が高く、微細な孔と
高い気孔率を有する多孔質PTFE積層体を容易に得る
ことができる。 【0014】ペースト押出 本発明の方法により多孔質PTFE積層体を製造する第
一の工程は、従来から未焼結シート等の製造法として知
られているペースト押出法による成形体の製造である。
ペースト押出工程では、PTFEファインパウダー10
0重量部に対して、液状潤滑剤を通常15〜40重量
部、好ましくは20〜30重量部の割合で混和して押出
成形を行う。 【0015】液状潤滑剤としては、従来からペースト押
出法で用いられている各種潤滑剤が使用できる。具体例
としては、ソルベント・ナフサ、ホワイトオイルなどの
石油系溶剤・炭化水素油、トルオール、キシロールなど
の芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステ
ル類、シリコーンオイル、フルオロカーボンオイル、こ
れらの溶剤にポリイソブチレン、ポリイソプレンなどの
ポリマーを溶かした溶液、これらの2つ以上の混合物、
表面活性剤を含む水または水溶液などが挙げられる。 【0016】ペースト押出による成形は、PTFEの焼
結温度(327℃)以下、通常は室温付近で行われる。
ペースト押出に先立って、通常、予備成形を行う。一般
的には、PTFEと液状潤滑剤との混合物を、例えば1
〜50kg/cm2程度の圧力下で予備成形してから、
ペースト押出機により押出し、またはカレンダーロール
などにより圧延し、あるいは押出した後に圧延するなど
して所定の形状の成形体を作成する。 【0017】ペースト押出による成形体の形状として
は、ロッド、チューブ、ストリップ、シートなど各種の
ものがあり、さらに、圧延すれば、薄いシートを得るこ
ともできる。本発明の成形体は、焼結後に延伸処理し得
る形状のものであればよい。液状潤滑剤は、ペースト押
出による成形体を焼結する前に加熱、押出または溶解な
どにより成形体から除去する。この場合の加熱温度は、
通常、100〜330℃であるが、シリコーンオイルや
フルオロカーボンなどの比較的沸点が高い液状潤滑剤を
使用する場合には、押出による除去が好ましく用いられ
る。 【0018】なお、液状潤滑剤の他に目的に応じて他の
物質を含ませることもできる。例えば、着色のための顔
料、耐摩耗性の改良、低温流れの防止や気孔の生成を容
易にする等のためにカーボンブラック、グラフィイト、
シリカ粉、アスベスト粉、ガラス粉、ガラス繊維、ケイ
酸塩類や炭酸塩類などの無機充填剤、金属粉、金属酸化
物粉、金属硫化物粉などを添加することができる。ま
た、多孔質構造の生成を助けるために加熱、抽出、溶解
等により除去または分解され得る物質、例えば、塩化ア
ンモニウム、塩化ナトリウム、他のプラスチック、ゴム
等を粉末または溶液の状態で配合することができる。 【0019】延 伸 ペースト押出によって得られた成形体は、少なくとも一
軸方向に延伸する。延伸は、シートやロッド、チューブ
などの形状の成形体を通常の方法で機械的に引き伸ばし
て行うことができる。例えば、シートの場合には、その
相対する2辺をつかんでその間隔を広げるように引き伸
ばしたり、一つの芯棒から他の芯棒に巻き取る際に、巻
き取り速度を送り速度より大きくしたりして延伸させる
ことができる。ロッドやチューブでは、その長さ方向に
引き伸すのが簡単である。また、逐次二軸延伸あるいは
同時二軸延伸などもできる。延伸工程の後の積層工程を
勘案すると、通常、シート状に一軸または二軸延伸する
ことが好ましい。 【0020】延伸は、PTFEの融点以下の温度、通
常、0〜280℃の温度で行われる。低い温度での延伸
は、比較的孔径が大きく気孔率の高い多孔質体を生じ易
く、高い温度での延伸は、比較的孔径が小さく緻密な多
孔質体を生じ易い。また、延伸倍率が高くなるほど気孔
率が増大する。そこで、これらの条件を組み合わせるこ
とにより、所望の物性を有する多孔質体を得ることがで
きる。 【0021】延伸工程において、延伸倍率を高くするほ
ど得られるPTFE多孔質体の気孔率が増大するので、
気孔率が高く透過性の優れた多孔質PTFE積層体を得
るには、延伸倍率を5倍以上(面積比)、好ましくは6
〜30倍程度、より好ましくは9〜30倍程度で延伸を
行うことが望ましい。二軸延伸する場合には、通常、一
方向に2倍(200%)から15倍(1500%)程度
延伸し、縦横の延伸比を1:8〜8:1の範囲とするこ
とが好ましい。延伸した後、通常、PTFEの融点未満
の温度で熱固定する。 【0022】積層化 少なくとも一方向の延伸により得られたPTFE多孔質
体を少なくとも2枚重ねて圧着し、一体化した積層体を
製造する。圧着は、延伸により得られた多孔質PTFE
シートを少なくとも2枚重ねて、加圧し、多孔質PTF
Eシート相互間を接着させることにより行う。加圧する
には、通常、カレンダーロールやラミネーターを用いる
が、プレス機を用いてもよい。圧着の際の温度は、室温
でも加熱して行ってもよい。 【0023】加圧の際の圧力(圧着力)は、弱すぎると
接着強度が弱く、積層体の各層が容易に剥離してしま
う。圧着力が強すぎると、PTFE多孔質体の孔をつぶ
してしまい、気孔率を高い状態に保つことができず、流
量が低下してしまう。高流量を確保するためには、気孔
率は約50%以上、好ましくは約60%〜約90%程度
が望ましく、そのために圧着力は、圧着後の膜厚が圧着
前の膜厚の5〜8割程度になるように制御することが好
ましい。このような膜厚の制御には、カレンダーロール
等を用いた圧延を行うことが好ましい。 【0024】このようにして得られた多孔質PTFE積
層体は、加熱したり、あるいは長期間固定せずに放置し
ておくと、収縮したり、あるいは多孔質構造にむらが生
じたりするので、圧着工程の後、熱固定することが好ま
しい。しかし、熱固定の温度がPTFEの融点以上であ
ると、延伸によって生成した細かい繊維状のフィブリル
同士が熱融着し、太くなると共に、孔径も大きくなり、
微細な構造が崩れてしまう。そこで、熱固定は、多孔質
PTFE積層体を収縮しないように拘束した状態で、P
TFEの融点の327℃未満の温度で1〜30分間程度
保持することによって行う。 【0025】多孔質PTFE積層体 本発明の多孔質PTFE積層体は、微細な孔と高い気孔
率を併せ持つ点に特徴を有する。具体的には、本発明の
多孔質PTFE積層体は、以下のような特性を有してい
る。 (1)PTFE多孔質体の2層以上の積層構造を有して
いる。 (2)多孔質PTFE積層体の孔径は、PTFE多孔質
体の延伸倍率や積層時の圧着力、積層枚数等を変化させ
ることにより、制御することができる。 (3)本発明の方法では、延伸時のPTFEシートの延
伸倍率を大きくすることができるため、微細な孔を有す
ると共に、気孔率(ASTM−D−792に従って測
定)を50〜90%程度、好ましくは60〜90%程度
と高くすることが可能である。 【0026】(4)多孔質PTFE積層体の厚さについ
ても、延伸倍率や圧着力、積層枚数等を変化させること
により種々なものが作製可能である。 (5)本発明の多孔質PTFE積層体のIPAバブルポ
イント(イソプロピルアルコールを使用し、ASTM−
F−316−76に従って測定)は、通常3〜8kg/
cm2程度である。 (6)本発明の多孔質PTFE積層体のIPA流量(差
圧0.95kg/cm2で、イソプロピルアルコールに
より測定)は、0.7ml/cm2/min以上であ
る。後記の実施例では、0.9〜2.6ml/cm2/
minのIPA流量を実現している。 【0027】(7)本発明の多孔質PTFE積層体は、
除粒子性能(粒子除去率)が顕著に優れており、濾過膜
とした場合に、粒子径0.109μmの粒子を90%以
上、好ましくは99%以上、より好ましくは100%の
粒子除去率で除去可能である。これに対して、市販の孔
径0.1μm及び0.05μmのPTFE多孔質体は、
粒子径0.109μmの粒子除去率が、それぞれ10%
及び70%程度である。また、本発明の多孔質PTFE
積層体は、0.073μmの粒子を30%以上、好まし
くは50%以上の粒子除去率で除去することが可能であ
る。 【0028】本発明の多孔質PTFE積層体は、微細な
孔と高い気孔率を有すると共に、均一度が高く、平滑な
表面を有し、機械的強度に優れ、非粘着性で、低摩擦性
を有し、しかも柔軟性も有している。そして、このよう
な特徴から、本発明の多孔質PTFE積層体は、気体や
液体などの濾過材のみでなく、隔膜、滑動材、非粘着材
等幅広い用途に使用することができる。また、特に微細
な孔と高い気孔率を有することから、本発明の多孔質P
TFE積層体は、半導体、医療、バイオ関連の分野で、
薬液の濾過フィルター、血漿成分の分離膜、人工肺用隔
膜などに利用することができる。 【0029】 【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明につ
いて詳述するが、本発明は、これらの実施例のみに限定
されるものではない。なお、以下の実施例及び比較例に
おける物性の測定法は、次の通りである。 (1)IPAバブルポイント(kg/cm2) イソプロピルアルコールを使用し、ASTM−F−31
6−76に従って測定した。 (2)気孔率(%) ASTM−D−792に従って測定した。 (3)IPA流量(kg/cm2/min) 差圧0.95kg/cm2でイソプロピルアルコールに
より測定した。 (4)除粒子性能(%) 試料膜を直径φ47mmの円形に打ち抜いてホルダーに
セットし、次いで、粒子径が0.109μmのポリエチ
レンラテックス均一粒子(ダウ・ケミカル社製)を1.
4×1010個/cm3の割合で含有する水溶液32cm3
を、前記ホルダーにセットした試料膜により、加圧0.
42kg/cm2で濾過させた際の粒子除去率を測定し
た。粒子除去率は、(株)島津製作所製の紫外可視分光
光度計UV−160を用い、波長310nmで測定する
ことにより評価した。評価精度は、1/100であっ
た。また、0.073μm粒子径の場合は、粒子径0.
073μmのポリスチレンラテックス均一粒子を用いた
こと以外は上記と同様にして、粒子除去率を測定した。 【0030】[実施例1]四弗化エチレン樹脂ファイン
パウダー(旭硝子社製CD−123:分子量1000
万)100重量部に対して、潤滑剤としてドライゾール
20重量部を配合した混和物を予備成形後、シート状に
押出し、これを更に圧延し、その後、加熱ロールを通し
て潤滑剤を除去して0.3mm厚の乾燥シートを作製し
た。次いで、このシートをシートの押出方向にロール温
度280℃で200%延伸し、次いで、押出方向と垂直
な方向に延伸ゾーン温度70℃、熱固定ゾーン温度30
0℃で1500%延伸した。このようにして得られた延
伸シートを2枚重ねてロール温度室温で、元の膜厚の6
割になるように再圧延し、多孔質PTFE積層体を得
た。得られた多孔質PTFE積層体(積層シート)の特
性を表1に示す。 【0031】[実施例2]四弗化エチレン樹脂ファイン
パウダー(ダイキン社製F−104:分子量400万)
100重量部に対して、潤滑剤としてドライゾール20
重量部を配合した混和物を予備成形後、シート状に押出
し、これを更に圧延し、その後、加熱ロールを通して潤
滑剤を除去して0.3mm厚の乾燥シートを作製した。
次いで、このシートをシートの押出方向にロール温度2
80℃で250%延伸し、次いで、押出方向と垂直な方
向に延伸ゾーン温度70℃、熱固定ゾーン温度300℃
で1500%延伸した。このようにして得られた延伸シ
ートを2枚重ねてロール温度室温で、元の膜厚の6割に
なるように再圧延し、多孔質PTFE積層体を得た。得
られた多孔質PTFE積層体の特性を表1に示す。 【0032】[実施例3]実施例1で得られた多孔質P
TFE積層体を更に表面温度325℃の加熱ロールに通
し、熱処理した。得られた多孔質PTFE積層体の特性
を表1に示す。 【0033】[実施例4]実施例1で得られた多孔質P
TFE積層体を表面温度300℃の加熱ロールに通し、
熱処理した。得られた多孔質PTFE積層体の特性を表
1に示す。 【0034】[比較例1]実施例1と同様にして作製し
た0.3mm厚の乾燥シートをシートの押出方向にロー
ル温度280℃で200%延伸し、次いで、押出方向と
垂直な方向に延伸ゾーン温度70℃、熱固定ゾーン温度
300℃で1500%延伸した。その時のPTFE多孔
質シートの特性を表1に示す。 【0035】[比較例2]実施例1と同様にして作製し
た0.3mm乾燥シートをシートの押出方向にロール温
度を280℃200%延伸し、次いで、押出方向と垂直
な方向に延伸ゾーン温度70℃、熱固定ゾーン温度30
0℃で1500%延伸した。次いで、このシートを1枚
のみで圧延する以外は、実施例1と同様にしてPTFE
多孔質シートを作製した。このようにして得られたPT
FE多孔質シートの特性を表1に示す。 【0036】[比較例3]実施例1と同様に作製した多
孔質PTFE積層体を表面温度350℃の加熱ロールに
通し、熱処理した。このとき得られた多孔質PTFE積
層体の特性を表1に示す。 【0037】 【表1】【0038】 【発明の効果】本発明によれば、除粒子性能が顕著に優
れたPTFE多孔質体(多孔質PTFE積層体)を提供
することができる。また、本発明の製造方法によれば、
微細な孔と高い気孔率を有し、優れた透過性を持つ多孔
質PTFE積層体を提供することができる。本発明の多
孔質PTFE積層体は、半導体、医療、バイオ関連分野
の分離膜、人工肺用隔膜など幅広い分野で利用すること
ができる。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (1)四弗化エチレン樹脂ファインパウ
ダーのペースト押出によって成形体を作製した後、 (2)該成形体を少なくとも一軸方向に延伸し、 (3)次いで、延伸により得られた多孔質シートを少な
くとも2枚重ねて、加圧することにより、多孔質シート
相互間を接着させ、その後、必要に応じて、 (4)四弗化エチレン樹脂の融点未満の温度で熱処理す
ることにより、 粒子径0.109μmの粒子を90%以上の粒子除去率
で除去可能で、かつ、差圧0.95kg/cm 2 でイソ
プロピルアルコールにより測定した流量(IPA流量)
が0.7ml/cm 2 /min以上の多孔質四弗化エチ
レン樹脂積層体を得ることを特徴とする多孔質四弗化エ
チレン樹脂積層体の製造方法。
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|---|---|---|---|
| JP33553394A JP3456284B2 (ja) | 1994-12-21 | 1994-12-21 | 多孔質四弗化エチレン樹脂積層体とその製造方法 |
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