JP3456228B2 - 電子楽器用楽音信号制御装置 - Google Patents

電子楽器用楽音信号制御装置

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JP3456228B2
JP3456228B2 JP21176493A JP21176493A JP3456228B2 JP 3456228 B2 JP3456228 B2 JP 3456228B2 JP 21176493 A JP21176493 A JP 21176493A JP 21176493 A JP21176493 A JP 21176493A JP 3456228 B2 JP3456228 B2 JP 3456228B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器用楽音信号制
御装置に関し、特に新規な操作子を有する電子楽器用楽
音信号制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子楽器に用いられる細長い形状の操作
子を押圧した場合の押圧力等を検出するために、操作子
の下に圧電素子、弾性抵抗体等のセンサを設けることは
従来から公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、操作子に同
一の力が加えられた場合でも、その力が加えられた長手
方向の位置によって、検出される力の大きさが異なって
しまう。
【0004】本発明の目的は、力が加えられた位置と、
その位置とは無関係の正しい力を知ることができる電子
楽器用楽音信号制御装置を提供することである。本発明
の他の目的は、力が加えられた位置と、その力の大きさ
をパラメータとして、楽音信号を制御することのできる
電子楽器用楽音信号制御装置を提供することである。
【0005】本発明のさらに他の目的は、力が加えられ
た方向をパラメータとして、楽音信号を制御することの
できる電子楽器用楽音信号制御装置を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本発明による電子楽器
用楽音信号制御装置は、支持板に一端側が固定支持さ
れ、押圧操作される操作子体と、該操作子体の支持され
た点から異なる距離にある2個所に設けられ、操作子体
に対する操作に応じて信号を出力するセンサと、前記各
センサからの信号に基づいて前記操作子体に加えられた
力の大きさおよび位置を求め、該力の大きさおよび位置
に対応する制御信号を発生する楽音制御信号発生手段
と、前記楽音制御信号発生手段からの制御信号に基づい
て楽音信号を発生する楽音信号発生手段とを備えること
を特徴とする。
【0007】 また、本発明による電子楽器用楽音信号
制御装置は、支持板に一端側が固定支持され、押圧操作
される操作子体と、該操作子体の支持された点から異な
る距離にある2個所に設けられ、操作子体に対する操作
に応じて信号を出力するセンサと、前記操作子体に力の
加えられた位置に応じた信号を出力する押圧位置検出手
段と、前記センサのそれぞれからの信号及び前記押圧検
出手段からの信号に基づいて、前記操作子体に加えられ
た力の方向を求め、該力の方向に対応する制御信号を発
生する楽音制御信号発生手段と、前記楽音制御信号発生
手段からの制御信号に基づいて楽音信号を発生する楽音
信号発生手段とを備えることを特徴とする。
【0008】また、本発明による電子楽器用楽音信号制
御装置は、弾性を有し、一方向に長い操作子体と、少な
くとも該操作子体の軸方向の異なった2個所に設けら
れ、さらに該軸方向からずれた個所に少なくとも1つ設
けられ、前記操作子体に対する操作に応じて信号を出力
するセンサと、前記軸方向の異なった2個所のセンサか
らの信号に基づいて前記操作子体に加えられた力の大き
さおよび位置を求め、前記軸方向からずれた個所のセン
サの複数にてもしくは前記軸方向からずれたセンサと軸
方向にあるセンサの複数にて前記操作子体に加えられた
力の方向を求め、該力の大きさ、位置および力の方向に
対応する制御信号を発生する楽音制御信号発生手段と、
前記楽音制御信号発生手段からの制御信号に基づいて楽
音信号を発生する楽音信号発生手段とを備える。
【0009】
【作用】演奏者が指で操作子体を押圧すると、歪み量を
検出するセンサが歪む。このセンサの出力から、該セン
サの受けたモーメントMを知ることができる。
【0010】また、操作子体の受ける力F、モーメント
の釣合条件から、力Fの大きさとモーメントMの関係お
よび操作子体上の力Fの加えられている位置xとモーメ
ントMとの関係を知ることができる。このモーメントの
大きさは、歪みセンサの出力より知ることができるの
で、力Fの大きさおよび位置が分る。
【0011】同様に、センサの出力と、操作子体の受け
る力F、モーメントの釣合条件から、力Fの方向θを知
ることができる。楽音制御信号発生手段はセンサからの
信号に基づいて、この力Fの大きさと位置x、あるいは
その方向θを求め、制御信号を発生する。
【0012】楽音信号発生手段は、この制御信号に基づ
いて、楽音信号を発生する。
【0013】
【実施例】図1は本発明の一実施例による電子楽器の操
作子装置の側面図である。電子楽器のフレーム2には支
持板4が固定され、この支持板4の左端に軸受6が設け
られている。操作子体8はその左端(回転支点)10が
軸受6により上下方向に回動可能に支持されている。図
面には操作子体8を1個だけ示してあるが、本実施例で
は鍵盤状に複数個並べたものを用いる。
【0014】また、支持板4の右端近くにはキースイッ
チ14が設けられている。このキースイッチ14は弾性
ゴムからなる膨出部の裏面の可動接点と支持板上に形成
された固定接点とからなり、前記膨出部は、押鍵時に反
力Pを与え、離鍵時の鍵復帰力を与える。
【0015】操作子体8の右方には下方に突出する突出
部16が設けられ、該突出部16の先端部16Aは支持
板4の端部に設けた緩衝部材22と当接することによ
り、操作子体8の上方回動を制限するストッパとしての
機能を果たす。
【0016】なお、鍵復帰状態においては操作子体8が
キースイッチ14から受ける反力Pにより上方に付勢さ
れ、突出部16の先端部16Aが支持板4の端部に設け
た緩衝材22と当接している。本実施例ではキースイッ
チ14からの反力Pにより操作子体8が常時上方に付勢
されるようにしたが、他の弾性手段たとえばばねにより
操作子体8を上方に付勢してもよい。
【0017】操作子体8の左方には2個の歪みゲージ1
8,20が適当な間隔をおいて設けられ、右方のキース
イッチ14に対応する位置には圧力センサ21が設けら
れている。
【0018】また、上記歪みゲージ18,20の左方
で、軸受6の少し右方の支持板4上には、歪みゲージ1
8,20を作用させるための曲げ応力発生用突起12が
設けられている。
【0019】この突起12は、図示で明らかなように、
操作子体8の非操作時に先端部16Aと緩衝部材22と
が当接して操作子体8の上方への規制をすると共に、こ
の当接位置にて操作子体8の基端部(左方)下面と対向
するように形成される。
【0020】そして、該下面と該突起12の上端との間
にわずかな間隙を形成する。この間隙により、操作子体
8の押下時に歪みゲージ18、20からの出力発生に不
感帯(あがき)を設けている。この不感帯は、操作子体
8を操作しようとする意志が働いて、その駆動を指に受
けるタッチ感にて確認するために都合のよいものであ
り、あがきが十分ある従来の鍵盤装置に慣れた人でも違
和感なく演奏できる。
【0021】最も、鍵盤装置にあまり馴染みのない人に
は、表現力向上という観点のみから考察すると、むしろ
この不感帯は後述の図9、10、17の実施例で示すよ
うに、ない方がよい。
【0022】図2は図1の実施例の力学的模式図であ
る。一般的に曲げモーメントMは断面係数(z)×応力
(σ)に比例し、歪みゲージの抵抗変化△Rと応力σと
は比例する。すなわち、 M=z×σ σ=k×△R ただし、kは定数である。
【0023】したがって、歪みゲージ18,20の設け
られている場所A,Bにおける曲げモーメントをそれぞ
れM1,M2とすると、この曲げモーメントは式(1)
を用い、歪みゲージ18,20の抵抗変化△R1,△R
2から次のように求めることができる。
【0024】 M1=z1×k1×△R1 ・・・式1 M2=z2×k2×△R2 ・・・式2 ただし、z1,z2はそれぞれA点、B点における操作
子体8の材料の断面係数、k1,k2は定数である。
【0025】また、図1および図2に示すように、曲げ
応力発生用突起12の位置を基準として、歪みゲージ1
8,20の位置がそれぞれ該曲げ応力発生用突起12か
ら右方へa,bの距離にあり、キースイッチ14の位置
が同じくc、演奏者が指19でキースイッチ14を押す
位置をxとし、演奏者が操作子体8を下方に押す力を
F、キースイッチ14からの反力をPとすると、モーメ
ントの釣合条件より、 M1=(x−a)F−(c−a)P ・・・式3 M2=(x−b)F−(c−b)P ・・・式4 となる。
【0026】これを連立して解くと、 F=P+(M1−M2)/(b−a) ・・・式5 x=a+{(b−a)M1+(b−a)(c−a)P} /{M1−M2+P(b−a)} ・・・式6 となる。
【0027】したがって、歪みゲージ18,20の出力
から△R1,△R2を、圧力センサ21の出力からPを
得、演算処理を施すことによって力Fと位置xを求める
ことができる。なお、操作子体8の回動による反力Pの
変化が少ないときは、反力Pを一定として扱うことがで
き、圧力センサ21を省くことができる。
【0028】図3(A)は図1および図2に示す操作子
を組み込んだ電子楽器のブロック図である。歪みゲージ
18,20、圧力センサ21からの出力は楽音制御信号
発生部22に入力される。楽音制御信号発生部22は、
CPU、プログラムを格納したROM、各種レジスタを
格納するRAMから構成され、歪みゲージ18,20、
圧力センサ21からの入力値を基に演算処理を行ない、
その処理結果に基づいて楽音信号発生回路23を制御す
る。楽音信号発生回路23は楽音制御信号発生部22か
らの指令に基づいて楽音信号を発生し、アンプ24を介
し、スピーカ25から楽音を発生させる。
【0029】図3(B)は楽音信号発生回路23の例を
示す。この楽音信号発生回路23では、力Fを管楽器の
息圧(吹奏圧)を表す息圧信号(PRES)として用い、F
の加わる位置xを演奏時における唇の構え、締め等を表
すアンブッシュ信号(EMBS)として用いている。
【0030】なおこの楽音信号発生回路23は、特開平
2−294693号公報に開示されているものである。
図3(B)において、楽音信号発生回路23は楽音制御
信号入力部26、波形信号ループ部32および波形信号
伝送部33を含むループ回路を有する。楽音制御信号入
力部26は減算回路SUB1を有し、該減算回路SUB
1は、信号ラインL2からの波形信号から口内圧力信号
PRESを減算することにより、両信号の合成信号を出力す
る。
【0031】図4(A)は自然楽器としての管楽器の断
面図を示す。図4(A)において、反射波W2が管楽器
の共鳴管からマウスピース27内へ伝播してくるが、信
号ラインL2からの波形信号は、この反射波W2を表
す。
【0032】また、口内圧力PRESと、共鳴管からマウス
ピース27内へ伝播してきた反射波圧力Qとの差圧に応
じてリード28が変位し、この変位に応じて入射波W1
が形成される。減算回路SUB1の出力はマウスピース
27のリード28を変位させるための差圧に対応したも
のとなる。
【0033】減算回路SUB1の出力にはローパスフィ
ルタ29が接続されており、このローパスフィルタ29
は前記差圧信号の高域成分を除去して出力する。これ
は、リード28が固有の周波数特性を有するため、たと
えば高域成分の振動波に応答しないためである。ローパ
スフィルタ29の出力には加算回路ADD1が接続され
ており、該加算回路ADD1はアンブッシュ信号EMBSと
前記ローパスフィルタ29の出力とを加算して非線形回
路30に出力する。この加算回路ADD1におけるアン
ブッシュ信号EMBSの加算により、前記差圧に対するリー
ド28の変位に関し、唇の構え、締め等による補正がシ
ミュレートされる。
【0034】非線形回路31はリード28の力に対する
曲げの非線形特性、すなわち付与された圧力に対するリ
ード28の変位量をシミュレートするもので、たとえば
図4(B)のような入出力特性を有している。これによ
り、非線形回路31の出力はマウスピース27のリード
28部における空気通路面積を表す信号となる。この非
線形回路31の出力は乗算回路MUL1の一方の入力に
接続される。
【0035】乗算回路MUL1の他方の入力には加算回
路ADD1からの差圧信号が非線形回路30を介して供
給されている。この非線形回路30は、差圧が大きくな
っても狭い管路では流速が飽和して差圧と流速とが比例
しないことをシミュレートするもので、図4(C)のよ
うな入出力特性に設定されている。
【0036】これにより、マウスピース27内のリード
28部で差圧が流速に与える影響を考慮して補正された
差圧信号が乗算回路MUL1の他方の入力に供給される
ことになる。乗算回路MUL1はリード28部における
空気流路面積を表す信号と補正された差圧信号とを乗算
して出力するので、該乗算回路MUL1の出力信号はマ
ウスピース27内のリード28部における空気流速を表
す信号となる。
【0037】乗算回路MUL1の出力は乗算回路MUL
2の入力に接続されている。該乗算回路MUL2は前記
空気流速を表す信号にマウスピース27内のインピーダ
ンス(空気抵抗)を表す固定係数Kを乗算して、該乗算
結果を音圧信号として信号ラインL1を介して波形信号
ジャンクション部32に供給する。
【0038】波形信号ジャンクション部32は各信号ラ
インL1,L2内に挿入された加算回路ADD2,AD
D3を有する。加算回路ADD2は、その2つの入力へ
信号ラインL1,L2からの2つの波形信号が供給さ
れ、これら2つの波形信号を加算して信号ラインL1へ
出力する。加算回路ADD3は、その2つの入力へ信号
ラインL1,L2からの波形信号が供給され、これら2
つの波形信号を加算して信号ラインL2へ出力する。こ
れにより、図4(B)に示すように、マウスピース27
とリード28との間隙直後における入力流速による入射
波W1、共鳴管からの反射波W2および両波W1,W2
の合成として圧力Qの発生状態がシミュレートされる。
【0039】波形信号伝送部33は信号ラインL1上の
波形信号を信号ラインL2へ帰還するもので、その帰還
路にはローパスフィルタ34、ハイパスフィルタ35お
よび遅延回路36が挿入されている。ローパスフィルタ
34およびハイパスフィルタ35は基本的には共鳴管の
形状をシミュレートするもので、それらのカットオフ周
波数がピッチ信号PIT すなわち発生楽音の音高に応じて
変更制御される。
【0040】遅延回路36は共鳴管の長さおよび該共鳴
管の端部からトーンホールまでの長さに対応してマウス
ピース27から入射した入射波が反射波としてマウスピ
ース27へ戻ってくる状態をシミュレートするものであ
る。この遅延回路36はピッチ信号PIT によりその遅延
時間が可変制御され、該可変制御により、循環する波形
信号の共振周波数が発生すべき楽音の音高に対応したも
のとなる。
【0041】また、信号ラインL1には空気中の楽音の
放射特性をシミュレートするためのバンドパスフィルタ
37が接続され、該バンドパスフィルタ37から波形信
号が出力される。
【0042】図5は楽音制御信号発生部22の処理内容
を示すフローチャートである。このプログラムは、図5
(A)に示すメインルーチンと図5(B)に示すタイマ
インタラプトルーチンを含む。
【0043】メインルーチンでは、まずステップS1に
おいて、各種レジスタたとえば現在処理中のチャンネル
(トーンジェネレータ)番号を表すレジスタCH、各チ
ャンネルに割り当てた操作子がオンとなっているかどう
かを表すレジスタ、各チャンネル毎に歪みゲージ18,
20および圧力センサ21からのデータを格納するレジ
スタR1N(CH),R2N(CH),PN(CH) 、同データの直前の
値を格納するレジスタR1O(CH),R2O(CH),PO(CH) 等
を初期設定する。
【0044】ここでレジスタCHの数、すなわち発音処
理数、がN個の複音発音の場合を前提に図5のフローチ
ャートは書かれている。自然楽器のリード楽器はもとも
と単音発音の楽器であり、同時に1音しか出ないが、図
5の構成では、複音発音が可能となっている。これは、
楽音発音の入力装置が鍵盤であるため複音発音も可能で
あるからである。
【0045】次に、ステップS2において、キースキャ
ンを行ない、キーオンがあればそのデータをキーオフが
あればそのキーデータをキーオン信号もしくはキーオフ
信号と共に楽音信号発生回路23へ送る。
【0046】楽音信号発生回路23は前の説明ではただ
1つあるかのように説明したが、図5のフローチャート
に示すように、この回路23がチャンネル数すなわち発
音処理数N個分あるものとする。そしてマイクロコンピ
ュータ等からなる楽音制御信号発生部22で鍵からの種
々の信号が信号処理されて各チャンネルに対応した楽音
信号発生回路へ送出されるものとする。またこの楽音信
号発生回路23を複音処理にするため時分割処理回路と
してもよい。
【0047】次に図5(B)に基づいてタイマインタラ
プトルーチンを説明する。このタイマインタラプトはた
とえば約10msec毎に発生する。処理がスタートす
るとまずステップS3においてレジスタCHへ0が格納
される。次にステップS4においてレジスタCHの内容
がインクリメントされる。ステップS5ではレジスタC
Hの値がチャンネル(楽音信号発生回路23)の数Nを
越えたかどうかが判断され、越えた場合はメインルーチ
ンへ戻り、越えていない場合はステップS6へ進む。ス
テップS6では、レジスタCHに格納されている値に対
応するチャンネルに割り当てられたキーのデータがある
かどうか(キーがONされているかどうか)を判定し、
もしデータがなければステップS4へ戻り、データがあ
れば次のステップS7へ進む。
【0048】ステップS7では、歪みゲージ18,2
0、圧力センサ21からのデータを取り込み、R1N(C
H),R2N(CH),PN(CH) へ代入する。次いでステップS
8において各データが直前のデータR1O(CH),R2O(C
H),PO(CH) から変化したか否かを判断し、変化してい
れば次のステップS9へ進み、変化していなければステ
ップS4へ戻る。
【0049】ステップS9ではR1N(CH)が直前のデータ
R1O(CH)から変化したか否かを判断し、変化していれば
ステップS10でその変化分△R1(CH)を計算した後レ
ジスタR1O(CH)へR1N(CH)を代入してR1O(CH)を更新す
る。変化していなければステップS9,S10はバイパ
スする。次にステップS11、S12へ進んでR2N(CH)
について同様な判断および計算・代入を行ない、最後に
ステップS13において、式1〜式6に従ってF(CH),
x(CH)を計算する。この処理をチャンネル数分繰り返
し、メインルーチンにリターンする。
【0050】図6は本発明の他の実施例による電子楽器
の操作子装置の側面図である。本実施例が図1に示した
実施例と異なるのは、曲げ応力発生用突起12がキース
イッチ14の右方のフレーム2上に設けられている点で
ある。
【0051】図7は本発明の他の実施例による電子楽器
の操作子装置を示し、(A)は側面図、(B)要部の平
面図である。本実施例は、操作子体8へ上方からみて幅
が狭くなるような切欠部38を設け、操作子体8の左右
方向(図7(B)の上下方向)の曲げに対する剛性を小
さくしてある。この切欠部38へ歪みゲージ39を設け
ている。この歪みゲージ39を取り付けた面は、歪みゲ
ージ18,20を取り付けた面と直交する。その他の点
は図1に示した実施例と同様である。
【0052】本実施例では、横方向の力による歪みゲー
ジ39の位置の曲げモーメントM3を検出することがで
きる。すなわち、横方向の力をSとすれば、 S=M3/(x−d) ・・・式7 である。ただしxは、曲げ応力発生用突起12と演奏者
の指の位置との間の距離であり、式1〜式4,式6と同
様にして求めることができるものである。また、dは曲
げ応力発生用突起12と歪みゲージ39との距離であ
る。
【0053】図8は操作子体8の変形例であり、その手
前端部のみを示している。本操作子体8は手前端部の上
面に凹凸を設けたものである。したがって、図7の実施
例の操作子装置に本操作子体8を組み込むと、左右の方
向の力を加えても指と操作子体8間の摩擦力により指が
滑べらず、操作しやすくなる。
【0054】図9は本発明の他の実施例による電子楽器
の操作子装置を示す。本実施例は、操作子体8の固定端
10が支持板4に固定されている点、キースイッチが設
けられていない点、操作子体8の上下回動を制限するス
トッパが設けられていない点が図7に示した実施例と異
なる。
【0055】図10は本発明の他の実施例による電子楽
器の操作子装置を示す。本実施例は、操作子体8がL字
形状で、固定側が下方に湾曲して垂直面41を形成し、
該垂直面41の背面に2つの歪みゲージ42,44が固
定されている。この垂直面41はボルト46等の固定具
によりフレーム2に固定されている。なお、歪みゲージ
42,44は該垂直面41の内面に固着されるようにし
てもよい。
【0056】操作子体8の上面のほぼ全域に渡って押圧
位置検出手段48が設けられている。この押圧位置検出
手段48としては、実開平2−131793号公報に開
示されているようなものを用いることができる。図11
および図12に基づいてこの押圧位置検出手段48を説
明する。
【0057】操作子体8の表面に上抵抗体シート52
と、導電シート54と、下抵抗体シート56が設けられ
ている。導電シート54は上下面にX,Y方向に等間隔
に絶縁性の突起54aを有し、上抵抗体シート52と下
抵抗体シート56との間にはウレタン等からなるスペー
サ58が介在している。
【0058】図のP方向に力が加わると、上抵抗体シー
ト52と下抵抗体シート56とが下方向に湾曲し、導電
シート54を挟んで上下の抵抗体シート52,56がサ
ンドイッチ状となり、導電シート54に上下の抵抗体シ
ート52,56のP点の位置が接触する。
【0059】図12(A)に示すように、上抵抗体シー
ト52は、操作子体8表面のX方向両端部に長手方向
(Y方向)に沿って設けられている2本の電極52A,
52Bに接触するように操作子体8表面全体を覆ってい
る。
【0060】また、下抵抗体シート56は、同図(B)
に示すように、操作子体8表面のY方向両端部に設けら
れている2本の電極56A,56Bに接触するように操
作子体8表面全体を覆っている。そして2本の電極52
A,52B間には電圧E1が印加されており、2本の電
極56A,56B間には電圧E2が印加されている。
【0061】導電シート54には2つのアンプ60,6
2が接続されている。アンプ60の基準電圧は、下抵抗
体シート56に電圧を加える電源E2のマイナス電極か
ら与えられ、アンプ62の基準電圧は、上抵抗体シート
52に電圧を加える電源E1のマイナス電極から与えら
れる。これらのアンプ60,62は、操作子体8表面に
演奏者の指が接触したときに導電シート54に現れる直
流電圧を増幅するものである。
【0062】各アンプの出力は、A/D変換器64,6
6によってA/D変換され、それぞれX方向の(座標)
データKX、Y方向の(座標)データKYとして出力さ
れる。これらのデータKX、KYは後述の楽音信号発生
回路23へ入力される。
【0063】図13は図10の実施例の模式図で、同図
を参照して、演奏者の指による押圧力F、該押圧力Fの
方向θを求める。操作子体8の上面と歪みゲージ42,
44との距離をそれぞれa,b、力Fの延長線と歪みゲ
ージ42,44との距離をそれぞれL1,L2とする
と、 L1=xsinθ−acosθ ・・・式11 L2=xsinθ−bcosθ ・・・式12 となる。
【0064】したがって、歪みゲージ42,44が受け
る曲げモーメントM1,M2は次式で得られる。 M1=(xsinθ−acosθ)F ・・・式13 M2=(xsinθ−bcosθ)F ・・・式14 式13、14より、 θ=tan-1{(M1b−M2a)/x(M1−M2)} ・・・式15 となる。このθを式13へ代入するとFを求めることが
できる。
【0065】図14(A)は図10の実施例を組み込ん
だ電子楽器のブロック図である。歪みゲージ42,4
4、押圧位置検出手段48からの出力は楽音制御信号発
生部22に入力される。楽音制御信号発生部22は、C
PU、プログラムを格納したROM、各種レジスタを格
納するRAMから構成され、歪みゲージ42,44、押
圧位置検出手段48からの入力値を基に演算処理を行な
い、その処理結果に基づいて楽音信号発生回路23を制
御する。楽音信号発生回路23は楽音制御信号発生部2
2からの指令に基づいて楽音信号を発生し、アンプ2
4、スピーカ25から楽音を発生させる。
【0066】なお、この操作子体8は複数個組み込んで
電子楽器を構成する。図14(B)はヴァイオリン等の
擦弦楽器用の音源モデルであり、特開平3−18409
4号公報に開示されているものである。
【0067】楽音信号発生回路23として、この音源モ
デルを用いる場合について説明する。図14(B)に示
す楽音信号形成回路においては、楽音発生の駆動力とな
る信号が弓速によって与えられている。また、非線形回
路67の特性を制御する信号として弓圧が用いられてい
る。ピッチを指定するパラメータは、複数個ある操作子
体8の選択によって得られ、弓速情報と弓圧情報は演奏
者による操作子体8の押下方向θ、押下力Fによって得
られる。
【0068】また、演奏者の指の押下位置xを弓の位置
に対応させて、音色情報とすることができる。演奏者が
操作子体8を押すことに対応して、弓速信号が加算回路
ADD4に入力される。この弓速信号は、起動信号であ
り、加算回路ADD5、除算回路DIV1を介して非線
形回路67に供給される。非線形回路67はヴァイオリ
ンの弦の非線形特性を表す回路である。
【0069】図15(A)に示すように、非線形回路6
7の特性Cは、原点からある範囲までのほぼ線形な領域
とそれよりも外側の特性の変化した領域との2つの部分
を含む。ヴァイオリン等の擦弦楽器の弦を弓で擦る場
合、弓速が遅い間は、弦の変位はほぼ弓の変位と同等で
あり、弦の運動は静摩擦係数によって表すことができ
る。これが原点を中心としたほぼ線形の範囲の特性で表
される。弓の弦に対する相対速度がある値を越えると、
弓の速度と弦の変位速度とは同一ではなくなる。すなわ
ち、静摩擦係数に代わって動摩擦係数が運動を支配する
ようになる。この静摩擦係数から動摩擦係数への切り替
えが、段差部分で表される。
【0070】図14(B)において、非線形回路67の
出力は、乗算回路MUL3を経て2つの加算回路ADD
6,ADD7に供給される。非線形回路67の入力側の
除算回路DIV1、出力側の乗算回路MUL3は、弓圧
信号を受けて、非線形回路67の特性を変更させる。入
力側の除算回路DIV1は、入力信号を除算することに
よって、小さな値に変更する。すなわち、除算回路DI
V1がある場合、図15(A)の破線Caで示すよう
に、大きな入力を受けても小さな入力を受けたかのよう
な出力を与える。
【0071】出力側の乗算回路MUL3は、非線形回路
67の出力を増大させる役割を果たす。すなわち、図1
5(A)の1点鎖線特性Cbで示すように、除算回路D
IV1と非線形回路67で形成される特性Caを出力側
に増大した特性を作る。
【0072】なお、同一の弓圧信号を受けて、入力を始
めに除算し、後で出力を乗算することは、除算回路DI
V1で係数C0 で除算し、乗算回路MUL3で同一の係
数C0 を乗算することを表す。この場合は、1点鎖線の
総合特性Cbは非線形回路67のみの特性Cの延長線上
にあり、それを横軸、縦軸にC0 倍した形状を有する。
乗算回路の係数を除算回路の係数と異なるように変化さ
せることにより、異なる形状を作るようにさせてもよ
い。
【0073】加算回路ADD6,ADD7は循環信号路
La、Lbの内に設けられている。この循環信号路L
は、擦弦楽器の弦に対応して楽音信号を循環させる閉ル
ープを構成する。この循環信号路内には、2つの遅延回
路68,69、2つのLPF(ローパスフィルタ)7
0,71、2つの減衰回路72,73、2つの乗算回路
MUL4,MUL5を含む。遅延回路68,69は音高
(ピッチ)を表す遅延信号dと係数αないし(1−α)
との積を受け、所定の遅延時間d・α、d・(1−α)
を与える。
【0074】循環信号路La、Lbを信号が循環し、元
の位置に戻るまでの全遅延時間によって、楽音の基本ピ
ッチが定まる。すなわち、主として2つの遅延回路6
8,69の遅延時間の和、d×[α+(1−α)]=
d、が基本ピッチを定める。一方の遅延回路は、弓と弦
との接触する位置から駒までの距離、他方の遅延回路は
弓と弦の接触する位置から押指位置までの距離に対応す
る。
【0075】なお、遅延回路68,69によってピッチ
がほぼ決定するが、この循環信号路中に含まれる他の要
素、たとえばLPF70,71、減衰回路72,73等
によっても遅延が発生する。厳密に発生する楽音のピッ
チを定めるのはこれらのループ中に含まれる全遅延時間
の和である。
【0076】LPF70,71は循環している波形信号
の伝達特性を変更することにより、種々の弦の振動特性
をシミュレートする。操作子体8上の押下位置によっ
て、音色信号を発生させ、LPF70,71に供給し
て、その特性を切り替え、所望の擦弦楽器の楽音をシミ
ュレートする。
【0077】弦を振動が伝搬する際に、振動は次第に減
衰する。減衰回路72,73はこの弦を伝わる振動が減
衰する減衰量をシミュレートするものである。乗算回路
MUL4,MUL5は弦固定端での振動の反射に対応し
て反射係数−1を乗算するものである。すなわち、減衰
なしの固定端での反射を想定して弦の振幅が逆位相に変
化する。係数−1がこの逆相反射を示す。反射における
振幅の減衰は、減衰回路72,73の減衰量に組み込ん
である。
【0078】このようにして、弦に相当する循環信号路
La、Lbの上を振動が循環することによって擦弦楽器
の弦の運動をシミュレートする。また、擦弦楽器の弦の
運動はヒステリシス特性を有する。これをシミュレート
するため乗算回路MUL3の出力は、LPF74と、M
UL7を介して非線形回路67の入力側にフィードバッ
クされている。LPF74はフィードバックループの発
振を防止するためのものである。
【0079】今、加算回路ADD4から加算回路ADD
5への入力をuとし、フィードバック路から加算回路A
DD5への入力をvとし、除算回路DIV1、非線形回
路67、乗算回路MUL3を合わせた増幅率をAとする
と、乗算回路MUL3の出力wは、(u+v)A=wで
表される。LPF74とMUL7を含む負帰還回路のゲ
インがBであるとすると、帰還量vはv=wBで表され
る。これらの2つの式を整理すると、 (u+wB)A=w ∴w=uA/(1−AB) となる。
【0080】フィードバックなし、すなわち、B=0の
場合は、w=uAであり、入力uが単に係数A倍されて
出力する。ゲインBの負帰還をかけた場合、同じ出力を
得るには、B=0の場合の1/(1−AB)の入力を印
加しなければならない。
【0081】このように、フィードバックがある場合の
特性を、図15(B)の特性Ccで示す。入力がある大
きさに達すると静摩擦係数から動摩擦係数への切り替え
が起り、出力が階段的に減少する。このしきい値をTh
で示す。
【0082】一旦入力がしきい値Thを越してから、再
び減少する場合には、出力wが小さいので、フィードバ
ックされる量v=Bwも小さい。すなわち、非線形回路
67に入力する信号の大きさが同じでも、静摩擦係数領
域の場合と比べて、動摩擦係数領域の場合は、負のフィ
ードバック量が小さいので、加算回路ADD4から加算
回路ADD5への入力uは小さな値となる。
【0083】非線形回路67の入力が、しきい値になる
時の加算回路ADD4からの入力uの大きさを考える
と、入力増大時には静摩擦係数が支配し、小さな出力に
対応して強い負帰還を受けるので、より大きな入力Th
でこの切り替えが起るが、入力減少時には動摩擦係数が
支配し、小さな出力に対応して負帰還量が小さいので、
より小さな入力uの値で切り替えが起る。従って、入力
uと出力wとの関係を入力が次第に増大するときと次第
に減少する時とで求めると、図15(B)の曲線Ccと
曲線Cdに示すようなヒステリシス特性が得られる。ヒ
ステリシスの大きさは、MUL7のゲインによって制御
される。
【0084】図14(B)に示すように、循環信号路L
a、Lbのいずれかの点から出力を取り出して、擦弦楽
器の胴の特性をシミュレートするフォルマントフィルタ
75を介して出力信号をサウンドシステムに供給する。
フォルマントフィルタ75も音色信号を受けてその特性
を変化させるようにすることができる。
【0085】上記で説明した図14(B)に示す擦弦楽
器用楽音信号発生回路23が、図3で説明したと同様に
複数個あるものとし、マイクロコンピュータ等からなる
楽音制御信号発生部の図5によるプログラム処理にて複
音処理がなされるものとする。例えば図14(B)の回
路がバイオリンを想定したものとするとN=4とし、4
チャンネルまで発音可能とすることが望ましい。しか
し、電子楽器という性格上、それ以上もしくは単音処理
でもよいことはもちろんである。
【0086】図16(A)〜(D)は図10に示した実
施例の変形例を示す概略図である。図16(A)は、図
10の操作子装置と同様なL字形状の操作子体8である
が、歪みゲージ42,44を取り付ける位置が異なり、
一方の歪みゲージ42を操作子体8の上面へ、他方の歪
みゲージ44を操作子体8の垂直面41へ取り付けてあ
る。
【0087】図16(B)はコ字形状の操作子体8を用
い、一方の歪みゲージ42を垂直面41へ、他方の歪み
ゲージ44を操作子体8の下方の水平部分の上面に取り
付けてある。
【0088】図16(C)は、図10の操作子装置と同
様なL字形状の操作子体8であるが、2つの歪みゲージ
42,44を操作子体8の上面へ取り付けてある。図1
6(D)は、緩やかに湾曲した形状の操作子体8の上面
へ2つの歪みゲージ42,44を取り付けたものであ
る。
【0089】図17は本発明の他の実施例による電子楽
器の操作子装置を示す。本実施例では、操作子体8がた
とえばアルミニウムの金属製の部分8Aと、該部分8A
へねじ68により固定された合成樹脂製の部分8Bとか
ら構成されている。操作子体8の固定端はフレーム2へ
ボルト46等の固定具により固定されている。
【0090】支持板4はフレーム2へねじ70等の固定
具により固定されている。この支持板4の上には図1と
同様のキースイッチ14が設けられている。操作子体8
の金属製の部分8Aには上面に2個の歪みゲージ18,
20、垂直面に2個の歪みゲージ42,44が設けられ
ている。また、操作子体8には図7および図9の実施例
と同様な切欠部38が設けられ、図17(B)に示すよ
うに、この切欠部38の表裏面にもそれぞれ歪みゲージ
39,40が設けられている。
【0091】本実施例によれば、歪みゲージ18,2
0、圧力センサ21により、上下方向の力Fとその位置
を検出することができ、さらに歪みゲージ39,40に
より横方向の力を検出することが出来、さらに歪みゲー
ジ42、44により力Fの方向θを検出することができ
る。なお、力Fの方向θは歪みゲージ18、44により
検出することもできる。
【0092】図18は本発明のさらに他の実施例による
電子楽器の操作子装置を示す。本実施例では、操作子体
8の左右両端近くに歪みゲージ18,20を設けてあ
り、右方の歪みゲージ20の右方のフレーム2上にスト
ッパ12aが設けられている。
【0093】操作子体8にはこのストッパ12aの上方
に水平に延出する突起76が設けられている。また、操
作子体8のキースイッチ14に対応する位置には圧力セ
ンサ21が設けられている。
【0094】演奏者の指19により力Fを操作子体8へ
加えると、操作子体8は左端(回転支点)10を中心と
して時計回りに回動し、ストッパ12aに当接する。当
接した後の操作子体8の受ける力、モーメントの状態を
図19へ模式的に示す。
【0095】歪みゲージ18,20の設けられている場
所A,Bにおける断面係数をz1,z2、曲げモーメン
トをそれぞれM1,M2とすると、式1、式2より、こ
の曲げモーメントは歪みゲージ18,20の出力から次
のように求めることができる。
【0096】M1=z1×k1×△R1 M2=z2×k2×△R2 歪みゲージ18,20として、特性が同一のものを用い
ると、k1=k2、断面形状を同一とすると、z1=z
2とおくことができる。
【0097】したがって、z1×k1=z2×k2=c
とおくことができる。 M1=c×△R1 ・・・式16 M2=c×△R2 ・・・式17 また、操作子体8の左端(回転支点)10とストッパ1
2a間の距離をL、キースイッチ14が操作子体8の左
端(回転支点)10からL/2の位置にあり、歪みゲー
ジ18,20がそれぞれ回転支点10,ストッパ12a
からaの位置にある場合、力Fの大きさおよび該力Fの
位置xを求める。
【0098】モーメントの釣合条件より、 H1={(L−x)/L}F−P/2 H2=xF/L−P/2 が得られる。ただし、Pはキースイッチ14から受ける
反力で、圧力センサ21により出力される。
【0099】したがって、 M1={(L−x)/F−P/2}×a ・・・式18 M2=(LF/x−P/2)×a ・・・式19 となる。
【0100】式18を式16へ、式19を式17へ代入
して、式16、17を連立してx、Fについて解くと、 F={(c△R1+c△R2)/a}+P x={c△R2+(Pa/2)}/(c△R1+c△R
2+aP) となる。
【0101】したがって、P、△R1、△R2を観測し
演算することにより、力Fとその位置xとを知ることが
できる。図20は本発明のさらに他の実施例による電子
楽器の操作子装置を示す。この実施例は、図18の実施
例と同様に操作子体8の左右両端近くに歪みゲージ1
8,20を設けてありフレーム2上にストッパ12aが
設けられている。また、操作子体8にはこのストッパ1
2aの上方に水平に延出する突起76が設けられてい
る。本実施例が図18の実施例と異なるのは、ストッパ
12aが右方の歪みゲージ20の右方ではなく左方に設
けられている点である。
【0102】図21は、本発明の他の実施例による操作
子装置を示す。操作子本体80はコ字状の弾性体の上片
80Cをのばした形を有する。コの字の下片80aを、
支持板4にネジ等で固着し、延片部80Dの基端部(上
片80Cの先端部)にある操作子支点10を介して回動
自在に操作子8を配設する。延片部80Dの先端には、
突状ガイド片80Da、80Dbに操作子被ガイド部8
Aがガイドされる。先端部のすぐ後方には、上限ストッ
パ80Dcと下限ストッパ80Ddとを配設する。操作
子8を押下すると、下限ストッパ80Ddの操作子側対
向部8Bがストッパ80Ddに当接する。このあがき
(遊び)は、たとえば1mm〜3mmである。ちなみ
に、普通の鍵のあがき(鍵の全ストローク)は約10m
mである。操作子8の復帰用コイルバネ82の強さの選
定は、以下の条件を満たすようにする。
【0103】 軽くて、ストッパ80Ddに対向部8
Bが当接するまでは操作子本体80はほとんどひずま
ず、歪センサ20a、20b、18a、18b、84
a、84bからも出力が出ない。
【0104】 適度にバネ力があり、上記センサから
当接時直前でわずかに出力が出る。もし、この出力を音
量に対応させたとしたら、ppまたはpppぐらいとす
る。各種センサの基本構成は、ペア構成とする。原理的
には1ヶ所1個でよいが、上下または左右にセンサをは
りつけて2個にすると、一方向の変位に対し、2倍の出
力が得られる。すなわち、差動的に取り出し得るからで
ある。
【0105】センサ20a、20bと18a、18bと
で、図11、図13、図16、図17、図19、図16
(C)のセンサ42、44、図17のセンサ20、18
と同様の機能を果たせる。センサ39a、40aは、図
17のセンサ39、40と同様に用いる(左、右にある
のは、前述したように倍出力を取りたいためである)。
【0106】センサ84a、84bは、センサ18a、
18bとの組合せにて前後方向の操作子の変位(紙面上
では左右方向)を検出するものである。また、コの字内
の空間部には制御回路86が設けられる。この回路部は
各鍵毎の各種センサをブリッジ回路の各辺として検出回
路本体、たとえば22等へ導くインタフェイス回路であ
ってもよいし、それらを全部含めたものを22としてこ
こに配設してもよい。
【0107】以上図面に示した実施例に基づいて本発明
を説明したが、本発明はこれらの実施例には限定されず
種々変更可能である。
【0108】
【発明の効果】本発明の電子楽器用楽音信号制御装置に
よれば、力が加えられた位置と、その位置とは無関係の
正しい力を知ることができ、感覚にマッチした楽音制御
が可能となる。
【0109】また、本発明によれば、力が加えられた位
置と、その力の大きさをパラメータとして、楽音信号を
制御することのできる電子楽器用楽音信号制御装置が提
供される。
【0110】さらに本発明によれば、力が加えられた角
度をパラメータとして、楽音信号を制御することのでき
る電子楽器用楽音信号制御装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による電子楽器の操作子装
置の側面図である。
【図2】 図1の実施例の力学的模式図である。
【図3】 図1の実施例を組み込んだ電子楽器のブロッ
ク図であり、(A)は全体ブロック図、(B)は楽音信
号発生回路として管楽器用の物理音源モデルを用いた例
を示す。
【図4】 図3に示した楽音信号発生回路の特性を説明
するための図であり、(A)は自然楽器としての管楽器
の断面図、(B)は楽音信号発生回路の一方の非線形回
路の入出力特性を示し、(C)は他方の非線形回路の入
出力特性を示す。
【図5】 楽音制御信号発生部の処理内容を示すフロー
チャートであり、(A)はメインルーチンを示し、
(B)はタイマインタラプトフローチャートを示す。
【図6】 本発明の他の実施例による電子楽器の操作子
装置の側面図である。
【図7】 本発明の実施例による電子楽器の操作子装置
を示し、(A)は側面図、(B)は要部の平面図であ
る。
【図8】 操作子体の変形例であり、その手前端部のみ
を示している。
【図9】 本発明の電子楽器の操作子装置の他の実施例
を示す。
【図10】 本発明の他の実施例による電子楽器の操作
子装置を示す。
【図11】 図10の実施例の押圧位置検出手段を説明
するための断面図である。
【図12】 図10の実施例の押圧位置検出手段の分解
平面図であり、(A)は上抵抗体シートを示し、(B)
は下抵抗体シートを示す。
【図13】 図10の実施例の模式図である。
【図14】 図10の実施例を組み込んだ電子楽器を示
し、(A)はブロック図、(B)は(A)の楽音信号発
生回路の例を示す図である。
【図15】 図14に示した電子楽器の特性を示し、
(A)は非線形回路の特性を示す図であり、(B)は弦
の運動のヒステリシス特性を示す図である。
【図16】 図10に示した実施例の変形例を示す概略
図である。
【図17】 本発明の他の実施例による電子楽器の操作
子装置を示し、(A)は側面図、(B)は部分平面図で
ある。
【図18】 本発明のさらに他の実施例による電子楽器
の操作子装置を示す。
【図19】 図18の実施例の模式図である。
【図20】 本発明のさらに他の実施例による電子楽器
の操作子装置を示す。
【図21】 本発明の実施例による操作子装置を示す側
面図である。
【符号の説明】
ADD1〜ADD6 加算回路 DIV1 除算回路
E1,E2 電源 L1,L2 信号ライン MUL1〜MUL4 乗算
回路 SUB1 減算回路 W1 入射波 W2
反射波 2 フレーム 4 支持板 6 軸受 8 操作子体 8A,8B 部分 1
0 左端(回転支点) 12 曲げ応力発生用突起 12a ストッパ 1
4 キースイッチ 16 突出部 16A 先端部 18,20 歪み
ゲージ 19 指 21 圧力センサ 22 楽音制御信号発生部 2
3 楽音信号発生回路 24 アンプ 25 スピーカ 26 楽音制御信
号入力部 27 マウスピース 28 リード
29,34,35 ローパスフィルタ 30,31
非線形回路 32 波形信号ジャンクション部 3
3 波形信号伝送部 36 遅延回路 37 バン
ドパスフィルタ 38 切欠部 39,40 歪み
ゲージ 41 垂直面 42,44 歪みゲージ
46ボルト 48 押圧位置検出手段 52 上
抵抗体シート 52A,52B 電極 54 導電
シート 54a 突起 56 下抵抗体シート 56A,56B 電極 58 スペーサ 60,6
2 アンプ 64,66 A/D変換器 67 非
線形回路 68,69 遅延回路 70,71,7
4 LPF 72,73 減衰回路 75 フォル
マントフィルタ 76 突起

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持板に一端側が固定支持され、押圧操
    作される操作子体と、 該操作子体の支持された点から異なる距離にある2個所
    に設けられ、操作子体に対する操作に応じて信号を出力
    するセンサと、 前記各センサからの信号に基づいて前記操作子体に加え
    られた力の大きさおよび位置を求め、該力の大きさおよ
    び位置に対応する制御信号を発生する楽音制御信号発生
    手段と、 前記楽音制御信号発生手段からの制御信号に基づいて楽
    音信号を発生する楽音信号発生手段とを備えることを特
    徴とする電子楽器用楽音信号制御装置。
  2. 【請求項2】 支持板に一端側が固定支持され、押圧操
    作される操作子体と、 該操作子体の支持された点から異なる距離にある2個所
    に設けられ、操作子体に対する操作に応じて信号を出力
    するセンサと、 前記操作子体に力の加えられた位置に応じた信号を出力
    する押圧位置検出手段と、 前記センサのそれぞれからの信号及び前記押圧検出手段
    からの信号に基づいて、前記操作子体に加えられた力の
    方向を求め、該力の方向に対応する制御信号を発生する
    楽音制御信号発生手段と、 前記楽音制御信号発生手段からの制御信号に基づいて楽
    音信号を発生する楽音信号発生手段とを備えることを特
    徴とする電子楽器用楽音信号制御装置。
  3. 【請求項3】 弾性を有し、一方向に長い操作子体と、 少なくとも該操作子体の軸方向の異なった2個所に設け
    られ、さらに該軸方向からずれた個所に少なくとも1つ
    設けられ、前記操作子体に対する操作に応じて信号を出
    力するセンサと、 前記軸方向の異なった2個所のセンサからの信号に基づ
    いて前記操作子体に加えられた力の大きさおよび位置を
    求め、前記軸方向からずれた個所のセンサの複数にても
    しくは前記軸方向からずれたセンサと軸方向にあるセン
    サの複数にて前記操作子体に加えられた力の方向を求
    め、該力の大きさ、位置および力の方向に対応する制御
    信号を発生する楽音制御信号発生手段と、 前記楽音制御信号発生手段からの制御信号に基づいて楽
    音信号を発生する楽音信号発生手段とを備える電子楽器
    用楽音信号制御装置。
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