JP2669107B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP2669107B2
JP2669107B2 JP2115599A JP11559990A JP2669107B2 JP 2669107 B2 JP2669107 B2 JP 2669107B2 JP 2115599 A JP2115599 A JP 2115599A JP 11559990 A JP11559990 A JP 11559990A JP 2669107 B2 JP2669107 B2 JP 2669107B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電子楽器に関し、特に圧力を楽音信号形成の
一要素とする電子楽器に関する。
電子楽器においては、種々の音色を発生することがで
きる。擦弦楽器や管楽器の楽音を発生させる場合、楽音
が弓圧や息圧に相当する圧力データによって制御される
ことが好ましい。そこで、圧力を楽音信号形成の一要素
とする電子楽器が提供される。
[従来の技術] 従来の電子楽器のリアルタイム操作子のほとんどは鍵
盤を用いていた。鍵盤には各音高に対応した複数の鍵が
設けられている。鍵を押鍵操作すると、キースイッチが
閉成(メイク)すること等により、その鍵の音高に対応
した楽音信号を出すことができる。
発生する楽音の効果を制御するものとして、鍵盤全体
の横揺れや前後揺れを利用するもの、鍵盤を最下位まで
押し込んで用いるアフタータッチコントロール等のタッ
チビブ等がある。
このような鍵盤装置を備えた電子楽器は、ピアノ、オ
ルガン等の鍵盤楽器の音をシミュレートするのに適して
いる。
電子楽器としては、他にギターシンセやウインドコン
トローラ等がある。ギターシンセはギターの楽音を、ウ
インドコントローラは管楽器の楽音をシミュレートする
のに適している。
ところで、バイオリン等の擦弦楽器は、指板上の押弦
位置によって楽音の音高を定めると共に、弦を擦る弓の
速度や弦を押す弓の圧力によって楽音を表情豊かにさせ
る。
また、フルート、サキソフォン等の管楽器は指孔のポ
ジション等によって音高を定めると共に、アンブシュア
ー(唇の構え、締め等)や吹奏圧(息圧等)によって楽
音を表情豊かに変化させる。
第6図に、擦弦楽器の楽音を発生させる場合の物理音
源モデルを示す。
弓で擦弦楽器の弦を擦ることに対応して、弓速信号が
作られ、加算回路52に入力される。この弓速信号は起動
信号であり、加算回路53、除算回路54を介して非線形回
路55に供給される。非線形回路55は、バイオリン等の弦
の非線形特性を表わす回路である。
非線形回路55の非線形特性は、第7図(A)の実線の
特性に示すように、原点からある範囲までのほぼ線形な
領域とそれよりも外側の特性の変化した領域との二つの
部分を含む。バイオリン等の擦弦楽器の弦を弓で擦る場
合、弓速が遅い間は、弦の変位はほぼ弓の変位と同等で
あり、弦の運動を静摩擦係数によって表すことができ
る。これが原点を中心としたほぼ線形の範囲の特性で表
される。弓の弦に対する相対速度が、ある値を越える
と、弓の速度と弦の変位速度とは同一でなくなる。すな
わち、静摩擦係数に代って動摩擦係数が運動を支配する
ようになる。この静摩擦係数から動摩擦係数への切り替
えが、段差部分で表される。
第6図において、非線形回路52の出力は、乗算回路56
を経て二つの加算回路44、45に供給される。
非線形回路55の入力側の除算回路54、出力側の乗算回
路56は、弓圧信号を受けて非線形回路55の特性を変更さ
せる。入力側の除算回路54は、入力信号を除算すること
によって小さな値に変更する。すなわち、第7図(A)
の破線63aで示すように、除算回路54がある場合、大き
な入力を受けても小さな入力を受けたかのような出力を
与える。
出力側の乗算回路56は、非線形回路55の出力を増大さ
せる役割を果たす、すなわち、第7図(A)の一点鎖線
特性63bで示すように、除算回路54と非線形回路55で形
成される特性63aを出力側に増大した特性を作る。
なお、同一の弓圧信号を受けて、入力を初めに除算し
後に出力を乗算することは、除算回路54で係数C0で除算
し、乗算回路56で同一の係数C0を乗算することを表す。
この場合は、一点鎖線の総合特性63bは非線形回路55の
みの時の特性63の延長線上にあり、それを横軸、縦軸に
C0倍した形状を有する。すなわち、弓圧が増大するにつ
れて静摩擦係数から動摩擦係数に切り換る値が増加す
る。乗算回路の係数を除算回路の係数と異なるように変
化させることにより、異なる形状を作るようにさせても
よい。
加算回路44、45は、半循環信号路31a、31bの内に設け
られている。二つの半循環信号路を合わせた循環信号路
31は、擦弦楽器の弦に対応して楽音信号を循環させる閉
ループを構成する。すなわち、弦においては振動が両端
で反射して往復する。また、管楽器においては、共鳴体
中を振動が往復する。これを信号が循環する閉ループで
近似する。この循環信号路内には、二つの遅延回路32、
33、二つのLPF(ローパスフィルタ)34、35、二つの減
衰回路38、39、二つの乗算回路42、43を含む。
遅延回路32、33は音高を表すピッチ信号と係数αない
し(1−α)との積を受け、所定の遅延時間を与える。
循環信号路31a、31bを信号が循環し、元の位置に戻る
までの全遅延時間によって、楽音の基本ピッチが定ま
る。すなわち、主として二つの遅延回路32、33の遅延時
間の和、ピッチ×[α+(1−α)]=ピッチ、が基本
ピッチを定める。一方の遅延回路は、弓と弦との接触す
る位置から駒間での距離、他方の遅延回路は弓と弦の接
触する位置から押指位置までの距離に対応する。
なお、遅延回路32、33によってピッチがほぼ決定する
が、この循環信号路中に含まれる他の要素、たとえばLP
F34、35、減衰コントロール38、39等によっても遅延が
発生する。厳密には、発生する楽音のピッチを定めるの
は、これらのループ中に含まれる全遅延時間の和であ
る。
LPF34、35は、循環している波形信号の伝達特性をシ
ミュレートする。鍵盤上の音色パッドの選択等によっ
て、音色信号を発生させ、LPF34、35に供給して、その
特性を切り換え、所望の擦弦楽器の楽音をシミュレート
する。
弦を振動が伝播する際に、振動は次第に減衰する。減
衰コントロール38、39はこの弦を伝わる振動が減衰する
減衰量をシミュレートするものである。
乗算器42、43は弦固定端での振動の反射に対応して反
射係数−1を乗算するものである。すなわち、減衰なし
の固定端での反射を想定して弦の振幅を逆位相に変化さ
せる。係数−1がこの逆相反射を示す。反射における振
幅の減衰は、減衰コントロール38、39の減衰量に組み込
んである。
このようにして、弦に相当する循環信号路31a、31bの
上を振動が循環することによって擦弦楽器の弦の運動を
シミュレートする。
また、擦弦楽器の弦の運動はヒステリシス特性を有す
る。これをシミュレートするため乗算回路56の出力は、
LPF58と、乗算回路59を介して非線形回路55の入力側に
フィードバックされている。LPF58はフィードバックル
ープの発振を防止するためのものである。
今、加算回路52から加算回路53への入力をuとし、フ
ィードバック路から加算回路53への入力をvとし、除算
回路54、非線形回路55、乗算回路56を合わせた増幅率を
Aとすると、乗算回路56の出力wは、(u+v)A=w
で表される。LPF58と乗算回路59を含む負帰還回路のゲ
インがB(負の値)であるとすると、帰還量vはv=wB
で表される。これらの2つの式を整理すると、 (u+wB)A=w ∴w=uA/(1−AB) となる。
フィードバックなし、すなわち、B=0の場合は、w
=uAであり、入力uが単に係数A倍されて出力する。ゲ
インBの負帰還をかけた場合、同じ出力を得るには、B
=0の場合の(1−AB)倍(Bは負)の入力を印加しな
ければならない。
フィードバックがある場合の入力増大時の特性を、第
7図(B)の特性63cで示す。入力がある大きさに達す
ると静摩擦係数から動摩擦係数への切り換えが起り、出
力が階段的に減少する。
一旦入力が閾値を越してから、再び減少する場合に
は、出力wが小さいので、フィートバックされる量v=
Bwも小さい。すなわち、非線形回路55に入力する信号の
大きさが同じでも、静摩擦係数領域の場合と比べて、動
摩擦係数領域の場合は、負のフィードバック量が小さい
ので、加算回路52から加算回路53への入力uは小さな値
となる。
非線形回路55の入力が、閾値になる時の加算回路52か
らの入力uの大きさを考えると、入力増大時には静摩擦
係数が支配し、大きい出力に対応して強い負帰還を受け
るので、より大きな入力でこの切り換えが起るが、入力
減少時には動摩擦係数が支配し、小さな出力に対応して
負帰還量が小さいので、同じ入力値では切り換えは起こ
らずより小さな入力uの値で切り換えが起る。従って、
入力uと出力wとの関係を入力が次第に増大するときと
次第に減少する時とで求めると、第7図(B)の曲線63
cと曲線63dに示すようなヒステリシス特性が得られる。
ヒステリシスの大きさは、乗算回路59のゲインによって
制御される。
このようにして、第6図に示す楽音信号形成回路によ
れば、擦弦楽器の弦の運動がシミュレートでき、楽音の
基本波形を作ることができる。
第6図に示すように、循環信号路31のいずれかの点か
ら出力を取り出して、擦弦楽器の胴の特性をシミュレー
トするフォルマントフィルタ61を介して出力信号をサウ
ンドシステムに供給する。フォルマントフィルタ61も音
色信号を受けてその特性を変化させるようにすることが
できる。
第6図に示す楽音信号形成回路においては、楽音発生
の起動力となる信号が弓速によって与えられている。ま
た、非線形回路55の特性を制御する信号として弓圧が用
いられている。これらのパラメータは演奏者の意志ない
し演奏操作に基づいて制御できることが好ましい。ピッ
チを指定するパラメータは、鍵盤の鍵を操作すること等
によって得られる。弓速情報と弓圧情報とをどのように
得るかが解決すべき課題である。
同様に、管楽器の楽音発生の場合は、どのようにアン
ブシュアーや息圧の信号を形成すべきかが課題である。
[発明が解決しようとする課題] 以上説明したように、擦弦楽器、管楽器等の楽音を発
生させようとすると、楽音信号形成の一要素として圧力
の情報が必要である。
本発明の目的は、容易に所望の圧力情報を発生するこ
とのできる電子楽器を提供することである。
本発明の他の目的は、迅速に変化する圧力情報を発生
することのできる電子楽器を提供することである。
[予備的検討] 擦弦楽器や管楽器等の楽音を電子楽器で発生させよう
とする場合、楽音信号形成の要素としての圧力等の情報
を得る方法として、以下のようなものが考えられる。
一つは弓、弦、指板という擦弦楽器の基本演奏操作
子、吹口等の管楽器の基本演奏操作子をそのまま用い、
たとえば弦の振動を電気信号に変換して電子的に処理す
る方法であり、他は、基本演奏操作子として自然擦弦楽
器の弓、弦、指板等を用いず、これらと異なる鍵盤等を
用いた演奏に基づいて楽音をシミューレートする方法で
ある。
第一の方法による場合、演奏操作子として自然楽器同
様の弓、弦、指板を用いて実際に弦を振動させれば、表
情豊かな演奏をすることのできる擦弦電子楽器を実現で
きる。ビブラート等の効果付与も当然行える。しかし、
自然擦弦楽器同様の演奏操作子を用いた演奏は、高度の
技術を必要とし、その習得には長期の練習を必要とす
る。従って、演奏技術に熟練していない者は、擦弦楽器
等の演奏を楽しめないことになる。
他の方法による場合、たとえばバイオリンの基本的音
色の倍音構成等を調べ、基本的楽音を電子的に合成でき
るようにしておき、鍵盤操作に応じてバイオリン等の音
を発生させるようにする。しかし、バイオリンの音は、
弓が弦に接している間、その弓速、弓圧等に応じてその
音楽的表情を豊かに変化させ、さらにビブラート等の効
果を付与できるのに対し、鍵盤入力の電子楽器では、発
音の仕方や持続時の音の変化、表情、効果等を演奏者の
意志通りに正確にコントロールするのは困難であり、し
かも操作も容易でなかった。
感圧センサ等を押し付けて押圧力を検出し、圧力情報
を作ることはできる。しかし、現実的な構造で圧力セン
サを構成し、指、手等で操作する場合、圧力センサの応
答は悪く、急峻に立上がる圧力情報を得ることが難し
い。
アッタク、ディケイ、サスティン、リリースの明確な
楽音エンベロープを作ろうとしても、アタック部がなだ
らか、もしくは無いものになり易い。
[課題を解決するための手段] 本願請求項1に記載の発明による電子楽器は、圧力を
楽音信号形成の一制御要素とする物理モデル音源を有す
る電子楽器において、操作子を操作したときの操作子の
移動速度に相当する速度相当信号を出力する操作子手段
と、該速度相当信号を微分したものを制御楽音要素とし
て圧力信号を形成する制御信号形成手段を有することを
特徴とする。
また、請求項2に記載の発明による電子楽器は、圧力
を楽音信号形成の一制御要素とする物理モデル音源を有
する電子楽器において、操作子の操作による操作圧力に
相当する圧力相当信号を発生する操作子手段と、該圧力
相当信号と、その圧力相当信号を微分した信号の双方に
より、制御要素として圧力信号を形成する制御信号形成
手段を有することを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明による電子楽器は、圧
力を楽音信号形成の一制御要素とする物理モデル音源を
有する電子楽器において、操作子を操作したときの操作
子の位置および操作圧力に相当する位置相当信号および
圧力相当信号を発生する操作子手段と、該位置相当信号
を微分した信号と該圧力相当信号の双方により、制御要
素として圧力信号を形成する制御信号形成手段を有する
ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明による電子楽器は、請求項3に
記載の電子楽器において、位置相当信号と圧力相当信号
を出力する操作子手段は、夫々独立した別個のものとし
たことを特徴とする。
[作用] “0"から次第に立上がり、ある一定値に達する増加信
号の微分をとると、“0"から最も変化が急峻であるとこ
ろまでが増大する部分となり、その後減少し、一定値と
なる点で再び“0"となる特性が得られる。原関数と微分
関数とを比較すると、微分関数は、前半部においてその
変化がより急峻となっている。また、増大する関数から
ピークを有する関数を発生させることができる。
圧力データとして、微分されたデータを用いることに
よって、急峻に変化する圧力信号を得ることができる。
圧力データと圧力データの微分データ等を用いること
により、立上がりが急で、立上がり部にピークを有する
ことのできる圧力信号が得られる。
圧力データと、位置のデータの微分を用いることによ
り、応答が素早く立上がりが急峻で、立上がり部にピー
クを形成することのできる圧力信号が得られる。
[実施例] 第1に本発明の実施例による、電子楽器の要部を示
す。
演奏操作子1は、スライド型ボリュームの摺動端子に
接続されたつまみ2を有し、つまみ2の位置に対応した
位置信号を電圧信号として発生する。また、つまり2を
下に押し付ける力を感圧シート等の圧力センサ3が検出
し、圧力信号を発生する。また、鍵盤9からは、押鍵し
た鍵のピッチに対応するピッチ信号が物理音源10に供給
される。位置信号は、微分回路5aで微分されて速度信号
を発生する。この速度信号は、弓速信号として物理音源
10aに供給される。また、速度信号はさらに、微分回路5
bで微分されて、加速度信号を発生する。この加速度信
号を変換テーブル等の変換回路6aで変換することによ
り、補助圧力データを作成する。圧力センサ3からの圧
力データと、この補助圧力信号とを演算回路7で合成す
ることにより、弓圧信号を形成し、物理音源10aに供給
する。
このようにして、物理音源10aは弓速信号、弓圧信号
を受け、擦弦楽器の楽音を発生させることができる。
物理音源10aとしては、第6図に示したような、音源
回路を用いることができる。
第1図の電子楽器による、弓圧信号の形成を第2図の
グラフを参照して説明する。第2図最上段は、圧力セン
サ3が発生する圧力データの波形を示す。圧力センサ3
は一般に応答が悪く、立上がりが遅れがちである。一
方、演奏者は演奏操作子1のつまみ2を操作し、擦弦楽
器の弓の操作に相当する演奏操作を行う。すなわち、弓
の移動に対応した位置信号が演奏操作子1から発生す
る。この演奏操作によって、第2図第2段に示す弓速信
号が得られるとする。なお、この弓速信号は微分回路5a
における位置信号の微分によって形成されている。弓速
信号は、次第に立上がり、一定値をしばらく取った後、
立ち下がって“0"となっている。
この弓速信号を微分することにより、立上がり部分お
よび立下がり部分で正、負のピークを形成する加速度信
号が得られる。この加速度信号の波形の例が、第2図第
3段に示してある。
第2図最上段に示す、圧力データの立上がりは、弱々
しく、アタック部(頭)を形成することも難しい。そこ
で、加速度信号を圧力データに加算することにより、合
成信号として、第2図最下段に示すような、波形を得る
ことができる。すなわち、立上がりが急峻でかつ頭を形
成した楽音信号波形が得られる。なお、加速度信号の負
のピークは、圧力信号の立下がりを形成するために利用
することもできるが、正のピークのみを用いて圧力信号
の立上がり部分のみの修飾を行うこともできる。変換回
路6aは、加速度信号から、補助圧力信号として利用すべ
き信号を作り出す。たとえば、一定の係数を乗算した
り、負のピークを除去したりする。演算回路7は、変換
回路6aから供給される補助圧力信号と、圧力センサ3か
ら供給される圧力信号とを合成し、物理音源10aに供給
する弓圧信号を作成する。
第3図は、本発明の他の実施例による、管楽器の楽音
を発生するのに適した電子楽器を示す。第1図に用いた
参照番号と同等の参照番号は、同等の部品を示す。演奏
操作子1aは、スライド型ボリュームと圧力センサとを有
する点は、第1図の実施例と同様であるが、つまみ2の
位置によって管楽器のアンブシュアーを指定する点が、
第1図の実施例と異なる。また、圧力センサ3が検出す
る圧力データは、管楽器の息圧を表す。演奏操作子1aの
つまみ2の位置でアンブシュアー信号が供給され、つま
み2の移動の加速度から補助圧力データが変換回路6aで
作成され、圧力センサ3からの圧力データと演算回路7
で合成されて息圧信号が形成される。
このようにして、アンブシュアー信号と息圧信号を供
給された管楽器用物理音源10bが形成される。なお、信
号波形の形成は第1図の実施例同様である。
第4図に他の実施例による擦弦楽器用電子楽器を示
す。本実施例においては、第1図の実施例と異なり、演
奏操作子1のつまみ2の位置によって弓速信号を指定す
る。すなわち、実際につまみ2を移動させる速さではな
く、つまみ2の位置そのものが弓速信号の大きさを決定
する。つまみ2を常時移動させる代りに、一定の位置に
保持すればよいので、初心者にも容易に擦弦楽器の演奏
が可能となる。スライド型ボリュームからの位置信号
は、変換回路6bで所定の関係に従って弓速信号に変換さ
れる。
圧力センサ3からは、圧力信号が検出される。この圧
力信号は、直接演算回路7に供給される一方、微分回路
4に供給され、圧力の微分信号が変換回路6cで補助圧力
データに変換され、演算回路7に供給される。演算回路
7は、圧力センサ3からの圧力データと変換回路6cから
の補助圧力データに基づき、圧力信号を形成し、弓圧信
号として物理音源10aに供給する。物理音源10aは、この
ようにして供給された弓速信号、弓圧信号および鍵盤9
からのピッチ信号に基づき、擦弦楽器の楽音を発生させ
る。
第4図の電子楽器による弓圧信号の形成を、第5図の
グラフを参照して説明する。圧力センサ3からの圧力デ
ータは、第5図上段に示すように、徐々に立上がるもの
とする。この圧力データを微分回路4で微分した圧力の
微分信号は、第5図中段に示すように、圧力データの立
上がり部分でピークを形成する。この圧力データと微分
信号とを合成することにより、第5図下段に示すよう
に、アタック部に頭を有する楽音信号を形成することが
できる。圧力センサからの圧力データとその微分とを用
いるので、合成信号の頭のテール部分は、平坦なエンベ
ロープに連続することになる。
なお、圧力の2次微分を形成し、補助圧力信号を形成
することもできる。1次微分のピークの立ち上がり部が
正のピークとなり、より素早く急峻な応答を発生でき
る。
以上の実施例により、応答の悪い圧力センサを用いて
も発生する楽音が急峻に立上ることができ、かつアタッ
ク部に頭を付けた楽音を形成することができる。
従って、スタッカート演奏がし易くなる。特に速い演
奏での効果が大きい。
なお、操作子を加速して音の立上がりを急峻にする動
作は、感覚的にもよく適合する動作である。
なお、以上の実施例においては、位置データを微分す
ることによって、速度データ、加速度データを得ている
が、位置データと独立に速度データないし加速度データ
を得ることもできる。また、一次微分ないしは二次微分
を圧力データとして利用する場合を説明したが、より急
峻な変化が望ましい場合には、さらに高次の微分をもち
いることもできる。また、演奏操作子に圧力センサが備
えられ、圧力を検出する実施例を説明したが、実際の圧
力は検出せず、加速度データから作成した圧力データや
何等かの他の操作子からの入力に従って、圧力データを
用いることもできる。たとえば、面操作子を用い、ペン
等の手許操作子を面操作子上で操作し、手許操作子の軌
跡の曲率半径等から圧力信号を得ることもできる。ま
た、音源として擦弦楽器モデル、管楽器モデルを説明し
たが、他の音源を用いることもできる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、圧力を楽音信
号形成の一要素とする電子楽器において、演奏操作子か
ら供給されたデータを微分した信号も圧力データとして
利用することにより、圧力信号の急峻な変化を可能とす
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例による電子楽器を示すブロッ
ク図、 第2図は、第1図の電子楽器における弓圧信号の形成を
説明するためのグラフ、 第3図は、本発明の他の実施例による電子楽器を示すブ
ロック図、 第4図は、本発明の他の実施例による電子楽器を示すブ
ロック図、 第5図は、第4図の電子楽器における弓圧信号の形成を
説明するためのグラフ、 第6図は、楽音信号形成回路の要部を示すブロック図、 第7図(A)、(B)は、第6図に示す楽音信号形成回
路の非線形回路の特性を示すグラフであり、第7図
(A)は、除算回路54、乗算回路56の機能を説明するた
めのグラフ、第7図(B)は、フィードバックによるヒ
ステリシス特性を説明するためのグラフである。 図において、 1……演奏操作子 2……スライド型ボリュームのつまみ 3……圧力センサ 4、5……微分回路 6……変換回路 7……演算回路 9……鍵盤 10……物理音源

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力を楽音信号形成の一制御要素とする物
    理モデル音源を有する電子楽器において、 操作子を操作したときの操作子の移動速度に相当する速
    度相当信号を出力する操作子手段と、 該速度相当信号を微分したものを制御楽音要素として圧
    力信号を形成する制御信号形成手段を有することを特徴
    とする電子楽器。
  2. 【請求項2】圧力を楽音信号形成の一制御要素とする物
    理モデル音源を有する電子楽器において、 操作子の操作による操作圧力に相当する圧力相当信号を
    発生する操作子手段と、 該圧力相当信号と、その圧力相当信号を微分した信号の
    双方により、制御要素として圧力信号を形成する制御信
    号形成手段を有することを特徴とする電子楽器。
  3. 【請求項3】圧力を楽音信号形成の一制御要素とする物
    理モデル音源を有する電子楽器において、 操作子を操作したときの操作子の位置および操作圧力に
    相当する位置相当信号および圧力相当信号を発生する操
    作子手段と、 該位置相当信号を微分した信号と該圧力相当信号の双方
    により、制御要素として圧力信号を形成する制御信号形
    成手段を有することを特徴とする電子楽器。
  4. 【請求項4】前記位置相当信号と前記圧力相当信号を出
    力する操作子手段は、夫々独立した別個のものである請
    求項3に記載の電子楽器。
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