JP3456167B2 - 多機能アンテナ装置 - Google Patents

多機能アンテナ装置

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JP3456167B2 JP17761199A JP17761199A JP3456167B2 JP 3456167 B2 JP3456167 B2 JP 3456167B2 JP 17761199 A JP17761199 A JP 17761199A JP 17761199 A JP17761199 A JP 17761199A JP 3456167 B2 JP3456167 B2 JP 3456167B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、航空機等に搭載す
るアクティブフェーズドアレイアンテナ(APAA)に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図26は従来の航空機搭載アンテナ装置
の概要を示すブロック図である。図において、1i,1
jはそれぞれA,B機能(例えば、レーダー機能、電波
妨害機能等)に対応したアンテナIおよびJ、2d,2
eは各機能に対応したアンテナと接続された送受信部D
および送受信部E、3m,3nは各機能に対応したアン
テナおよび送受信部を制御する各制御部である。
【0003】次に動作について説明する。受信時はアン
テナ1iに到来した電波が、送受信部2dで受信されD
機能に対応した解析を行う。一方、送信時は送受信部2
dからの各機能に対応した送信信号をアンテナ1iから
空中に放射する。これらの送受信の制御を制御部3mで
行う。アンテナ1j、送受信部2e、制御部3nについ
ても同様にB機能に対応した送受信を行う。
【0004】図27は従来のAPAAを使用した航空機
搭載電子装置の概要を示すブロック図である。図におい
て2dは前記の従来の航空機搭載電子装置の送受信部と
同じである。1kはAPAAであり、11はAPAAを
構成する素子アンテナで、これらは二次元的に配置され
ている。また、12は送受信モジュール(MDL)、さ
らに合成分配部13gと、制御部3pからなる。
【0005】受信時は、アンテナ1k内の素子アンテナ
11に到来した電波が、モジュール12で増幅され、か
つ制御部3pにより位相制御される。モジュール12の
受信出力は合成・分配部13gで合成されることにより
受信ビームが形成され、送受信部2dで受信、解析され
る。一方、送信時は、送受信部2dからの送信種信号を
合成分配部13gで分配して各モジュール12へ供給す
る。供給された送信種信号はモジュール12で増幅さ
れ、かつ制御部3pにより位相制御され素子アンテナ1
1により送信される。各素子アンテナ11からの出力は
空間で合成されてビームを形成する。
【0006】APAAでは、レーダー機能や電波妨害機
能等で使用する際、目標を自動追尾するために、一個の
パルス信号で目標の角度を検出するモノパルス方位探知
方式が一般的に用いられている。モノパルス方位探知で
は目標に対する水平、垂直の両方の角度を検出するため
に4個のアンテナ開口面を必要とする。水平方向には、
水平方向に並んだ2個の近接したアンテナ開口面の領域
を用いる。これらの2個のアンテナ領域から得られる受
信信号を合成比較し、2種類の合成信号を得る。この2
種類の合成信号は2つのアンテナ領域の受信信号を足し
あわせた和のパターン(Σ信号)と、もう1つは2つの
受信信号のうち、1つの位相を180度反転させたのち
足しあわせた差のパターン(Δ信号)である。差のパタ
ーンは、角度誤差の絶対値を示し、和のパターンは角度
誤差の正負を判断する。これらの和のパターンと差のパ
ターンを比較することにより、方位探知を行う。同様の
方法によって、垂直方向に並んだ2個のアンテナ開口面
を使うことにより、垂直方向の方位探知も行うことによ
って、二次元的な方位探知を行う。
【0007】図28に従来のAPAAの合成分配部13
gのブロック図を示す。合成分配部13gは、合成・分
配器21、分配・前置比較器22、前置比較器23、分
配器26と、制御器27よりなる。
【0008】合成分配部13gの動作について説明す
る。送信時は、まず制御部3pからの制御信号を受けて
制御器27が、合成・分配器21と分配・前置比較器2
2をそれぞれ分配器として作動するように切り替える。
送受信部2dから供給された送信種信号は、分配器26
によって分配・前置比較器22に分配し供給され、分配
・前置比較器22で更に分配され、合成・分配器21に
供給される。送信種信号は合成・分配器21で更に分配
され各開口面の領域の素子アンテナ11と接続されたモ
ジュール12に供給される。
【0009】受信時は、制御部3pからの制御信号を受
けて制御器27が、合成・分配器21は合成器として、
分配・前置比較器22は前置比較器として作動するよう
に切り替える。送信信号がモジュール12から供給され
ると、合成・分配器21は各開口面ごとの受信信号の和
をとり、各開口面のアンテナパターンを合成し、分配・
前置比較器22に供給する。分配・前置比較器22で
は、各領域のアンテナパターンを比較合成し、モノパル
ス方位探知方式に必要な水平・垂直両方の和のパターン
と差のパターンを合成する。開口面を分割して一つの機
能で、多目標を処理する場合には、分配・前置比較器2
2から直接に送受信部2dへ合成された受信信号が供給
されるが、開口面全体を使う場合には、前置比較器23
に分配・前置比較器22から合成された受信信号の一部
が供給され開口面全面での和のパターンと差のパターン
が合成され、送受信部2dに供給される。供給された受
信信号は送受信部2dで解析される。
【0010】図29は、APAAのアンテナ開口面を前
面から見た図である。図29に示すようにアンテナ開口
面を分割して、それぞれの面に対して異なる周波数で異
なる方位のビームを同一機能について形成することがで
きる。つまり、送信時は分割した各開口面に対して、そ
れぞれに設定した周波数の種信号を送受信部2dから入
力し、制御部3pによりそれぞれに設定した方位となる
位相設定を行う。一方、受信時は、分割した各開口面に
対して制御部3pによりそれぞれに設定した方位となる
位相設定を行い、それぞれの信号を送受信部2d内で受
信、解析する。これにより、1つのAPAAで複数の目
標に対する自動追尾が可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
アクティブフェーズドアレイアンテナは、複数の目標に
対し1つの機能で用いることは可能であったが、複数の
機能が必要とされる場合には、それぞれ異なったアンテ
ナ装置を設ける必要があった。
【0012】しかし、航空機等に搭載する場合、空力特
性上の問題から機体表面および外装ポッド内等に設置す
る必要のあるアンテナは少ないほうが望ましい。
【0013】よって、本発明の目的は1つのアンテナ開
口面を複数の機能で共用することによって、航空機に搭
載する電子装置の数を減らすことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る多機能ア
ンテナ装置は、複数の素子アンテナを配列したアレーア
ンテナと、第1の送信信号を生成し第1の受信信号を分
析するレーダ機能を有する第1の送受信部と、第2の送
信信号を生成し第2の受信信号を分析する電波妨害機能
を有する第2の送受信部と、上記アレーアンテナの素子
アンテナに上記第1の送信信号又は第2の送信信号を分
配し上記素子アンテナからの信号を第1の受信信号又は
第2の受信信号に合成する合成分配部と、上記複数の素
子アンテナからレーダ機能を有する第1の素子アンテナ
群と電波妨害機能を有する第2の素子アンテナ群を形成
し、第1の送受信部と上記第1の素子アンテナ群との間
で第1の送信信号の分配と第1の受信信号の合成を行
い、第2の送受信部と上記第2の素子アンテナ群との間
で第2の送信信号の分配と第2の受信信号の合成を行う
ように上記合成分配部を制御する制御部とを備えたこと
を特徴とするものである。
【0015】請求項2に係る多機能アンテナ装置は、複
数の素子アンテナを配列したアレーアンテナと、第1の
送信信号を生成する第1の送受信部と、第2の送信信号
を生成する第2の送受信部と、上記複数の素子アンテナ
から第1の送受信部に対応する第1の素子アンテナ群と
第2の送受信部に対応する第2の素子アンテナ群を形成
する制御部と、上記第1の送信信号を上記第1の素子ア
ンテナ群へ供給し、上記第2の送信信号を上記第2の素
子アンテナ群へ供給する送信切替器とを備えたことを特
徴とするものである。
【0016】請求項3に係る多機能アンテナ装置は、複
数の素子アンテナを配列したアレーアンテナと、第1の
受信信号を分析する第1の送受信部と、第2の受信信号
を分析する第2の送受信部と、上記複数の素子アンテナ
から第1の送受信部に対応する第1の素子アンテナ群と
第2の送受信部に対応する第2の素子アンテナ群を形成
する制御部と、上記第1の素子アンテナ群からの信号を
合成した第1の受信信号を上記第1の送受信部に供給
し、上記第2の素子アンテナ群からの信号を合成した第
2の受信信号を上記第2の送受信部に供給する受信切替
器とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】請求項4に係る多機能アンテナ装置は、複
数の素子アンテナを配列したアレーアンテナと、第1の
送信信号を生成し第1の受信信号を分析する第1の送受
信部と、第2の送信信号を生成し第2の受信信号を分析
する第2の送受信部と、上記アレーアンテナの素子アン
テナに上記第1の送信信号又は第2の送信信号を分配し
上記素子アンテナからの信号を第1の受信信号又は第2
の受信信号に合成する合成分配部と、上記複数の素子ア
ンテナから第1の素子アンテナ群と第2の素子アンテナ
群を形成し、第1の送受信部と上記第1の素子アンテナ
群との間で第1の送信信号の分配と第1の受信信号の合
成を行い、第2の送受信部と上記第2の素子アンテナ群
との間で第2の送信信号の分配と第2の受信信号の合成
を行い、上記第1の送受信部と第2の送受信部とが独立
に動作するように上記合成分配部を制御する制御部とを
備えたことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明に係
わるアンテナ装置の実施例を図面に従って説明する。図
1に本発明の実施の形態1に関わるアンテナ装置のブロ
ック図を示す。実施の形態1は二次元的に配列された素
子アンテナ11、モジュール12、合成・分配部13
a、前記3つの装置からなるアンテナ1aと、送受信部
2a,2bと、制御部3aからなる。
【0019】また、図2は、素子アンテナのグループ化
して、アンテナ開口面を上下に2分割して使用した場合
の開口面の領域分割を示す図である。この例では、上半
分をA機能(例えば、レーダー機能)、下半分をB機能
(例えば、電波妨害機能)として使用しており、A機能
を割り付けられた領域は31,32,33,34、B機
能を割り付けられた領域は35,36,37,38とな
っている。
【0020】まず、図1の制御部3aにおいて、素子ア
ンテナのグループ化と機能の割り付けを設定する。グル
ープ化を開口面の領域について行った場合、領域ごとに
A機能(例えばレーダー機能)およびB機能(例えば電
波妨害機能)が割り付けられる。自動追尾の方法として
モノパルス方位探知が用いられるため開口面が4個必要
となる。今の場合、図2の領域31〜34がA機能、領
域35〜38がB機能を割り付けられている。割り付け
られた開口面に応じて、送受信部2aおよび送受信部2
bがそれぞれのA機能、B機能のアンテナとなるように
設定される。
【0021】図3は素子アンテナをグループ化し、開口
面の領域を2分割して使用した場合の送信時の合成・分
配部内の信号の流れを示したブロック図である。実施の
形態1の合成・分配部13aは、合成・分配器21a,
21b,21c,21d,21e,21f,21g,2
1h、分配・前置比較器22a,22b、前置比較器2
3、受信切替器24、送信切替器25、分配器26、お
よび制御部27からなる。
【0022】以下、送信時の動作について説明する。送
信時は制御部からの信号によって、図1のモジュール1
2において送受信切替がおこなわれ、受信信号を合成分
配部13a内に入らないようにする。合成分配部13a
内の制御器27は合成・分配器21a,21b,21
c,21d,21e,21f,21g,21hと、分配
・前置比較器22a,22bがそれぞれ送信信号を分配
する分配器として作動するように切り替える。また、送
信切替器25に、全面開口時ならばA、B機能どちらか
の信号を、また開口面を2分割して2つの機能で共有す
るなら2種類の信号を分配器26に出力するように制御
する。
【0023】送受信部2aおよび2bから合成分配部1
3aに向けて各機能に対応した2種類の送信種信号が出
力されると、開口面を2分割しているのでA機能とB機
能の送信種信号が両方とも送信切替器25を介して分配
器26に供給される。分配器26では、A機能の送信種
信号を分配・前置比較器22aに、またB機能の送信種
信号を分配・前置比較器22bに分配し、それぞれの分
配・前置器22a,22bではA、Bそれぞれの信号を
4分配して合成・分配器21a,21b,21c,21
dにA機能の送信種信号を、また合成・分配器21e,
21f,21g,21hにB機能の送信種信号を出力す
る。
【0024】入力された送信種信号は合成・分配部21
a,21b,21c,21d,21e,21f,21
g,21hから各領域のそれぞれの素子アンテナに接続
されたモジュール12に分配され供給される。モジュー
ル12において送信種信号は増幅され、設定した方位に
送信するように制御部3aによって位相制御され、素子
アンテナ11により放射され、空間で合成されてビーム
を形成する。
【0025】図4は、送信時に素子アンテナを1つのグ
ループで使用した場合、つまり開口面全面を1つの機能
(この例ではA機能とする)で使用した場合の、合成・
分配部13a内の送信種信号の流れを表すブロック図で
ある。送信前の制御は上記の素子アンテナを2つのグル
ープに分けた場合と同様である。ただ、送信切替器25
をA機能の送信種信号のみ分配器26に供給するように
制御器27が制御する点が異なる。
【0026】A機能の送信種信号は送受信部2aから出
力され、送信切替器25を介して分配器26に供給され
る。分配器26はA機能の送信種信号を2つに分割して
分配・前置器22a,22bに供給する。分配・前置器
22a,22bは、送信種信号を4分割して合成・分配
器21a,21b,21c,21d,21e,21f,
21g,21hにそれぞれ分配する。
【0027】それぞれの合成・分配器からモジュール1
2を介してグループ化した各素子アンテナ11に送信信
号が供給され、各素子アンテナから放射され送信ビーム
を形成する。
【0028】次に、受信時の動作について説明する。は
じめに素子アンテナをグループ化し、開口面の領域で2
分割して2種類の機能で使用する場合について説明す
る。制御部3aの制御によって素子アンテナがグループ
化され、開口面の領域は図2で示したように、上半分の
領域31,32,33,34にA機能、下半分の領域3
5,36,37,38にB機能が割り付けられる。
【0029】まず、制御部3aによってモジュール12
で送受信の切替が行われ、送信信号がモジュール12に
供給されないようにする。
【0030】また、合成・分配部13a内の制御器27
は制御部3aからの制御信号を受け、受信切替器24
を、全面開口時には前置比較器23からの1種類の受信
信号をその機能に対応した送受信部に供給するように、
また開口面を2分割している時には、各分配・前置比較
器22からの2種類の受信信号をその機能に対応した送
受信部に供給するように切り替え制御を行う。
【0031】また、同時に、制御器27は受信信号を送
受信部2a,2bが解析可能な信号に変換するために、
合成・分配器21a,21b,21c,21d,21
e,21f,21g,21hと分配・前置比較器22
a,22bが受信信号のモノパルス方位探知方式の解析
で必要な和のパターン(Σ信号)と差のパターン(Δ信
号)を合成するように制御する。
【0032】その際、A機能のΣ信号とは、領域31,
32,33,34の信号の和をとることによって得られ
る信号のことである。。
【0033】また、A機能のΔ信号とは、水平方向は領
域31と33の和と32と34の和をとり、一方の位相
を180度ずらしてから和をとることによって、また垂
直方向には領域31と32の和と領域33と34の和を
とり、同様に一方の位相を180度ずらした後、和をと
ることによって得られる信号のことである。
【0034】同様に、B機能の場合には、Σ信号は領域
35,36,37,38の和をとることによって得られ
る信号のことである。
【0035】また、B機能のΔ信号は、水平方向には、
領域35と37の和と領域36と38の和をとり、一方
の位相を180度ずらしてから、和をとることによっ
て、また垂直方向には、領域35と36の和と領域37
と38の和のうち、一方の位相を180度ずらしてか
ら、和をとることによって得られる信号のことである。
【0036】図5は素子アンテナをグループ化し、アン
テナ開口面の領域を2分割して2つの機能で使用した場
合の、合成・分配部13a内の受信信号の流れを表した
ブロック図である。開口面の各素子アンテナ11で受信
された受信信号は、モジュール12で制御部3aによる
制御に従って増幅された後、合成・分配部13a内の合
成・分配器21a,21b,21c,21d,21e,
21f,21g,21hに出力される。出力された素子
アンテナごとの受信信号は合成・分配器21a,21
b,21c,21d,21e,21f,21g,21h
でそれぞれ合成され開口面領域31,32,33,3
4,35,36,37,38の計8種類の和信号をそれ
ぞれ形成し、分配・前置比較器22a,22bに出力さ
れる。それぞれの分配・前置比較器22a,22bで
は、入力された各開口面の和信号からA機能と機能Bの
和と差のパターンを水平方向と垂直方向について合成
し、直接、受信切替器24に供給する。開口面全面を使
用するのでなければ、前置比較器23は動作を行わな
い。
【0037】受信切替器24に入力されたA機能とB機
能の水平および垂直方向のΣ信号とΔ信号は、それぞれ
対応する送受信部2a,2bに振り分けられ出力され
る。
【0038】それぞれの送受信部2a,2bでは、Σ信
号とΔ信号の比較を行い、目標の角度を測定し、各機能
に応じた動作を行う。
【0039】次に、受信時に素子アンテナのグループが
1つしかない、すなわち、開口面全面を1つの機能(A
機能とする)で使用する場合について説明する。図6
は、開口面全面を1つの機能で使用した場合の、合成・
分配部内の信号の流れを示したブロック図である。
【0040】素子アンテナを2つのグループに分割した
場合の受信と異なる点は、前置比較器23の動作であ
る。開口面全面を使用した場合は、和信号と差信号の合
成に用いるアンテナ領域が、素子アンテナを2つのグル
ープに分けた場合と異なる。
【0041】すなわち、全面開口時のΣ信号とは、領域
31,32,33,34,35,36,37,38すべ
ての領域の信号を足しあわせて得られる信号のことであ
る。
【0042】また、全面開口時のΔ信号は、水平方向に
は領域31,33,35,37の信号の和と、領域3
2,34,36,38の和の、どちらか一方の位相を1
80度ずらしてから和をとった信号のことであり、また
垂直方向には領域31,32,33,34の信号の和
と、領域35,36,37,38の和の、どちらか一方
の位相を180度ずらしてから和をとった信号のことで
ある。
【0043】受信時に、各素子アンテナ11から各合成
・分配器21a,21b,21c,21d,21e,2
1f,21g,21hに受信信号が供給され各合成・分
配器21a,21b,21c,21d,21e,21
f,21g,21hが各素子アンテナの信号の和をとる
動作は、素子アンテナをグループ化して2分割した場合
と同様である。
【0044】次に、合成・分配器21a,21b,21
c,21d,21e,21f,21g,21hから各開
口面の領域に対応した8個の受信信号が分配・前置器2
2a,22bに出力されるが、このままでは全面開口時
のΣ信号とΔ信号を合成することができない。そのため
分配・前置器22a,22bを介して、開口面全領域の
8個の受信信号がさらに前置比較器23に供給される。
前置比較器23において、前述の開口面全面使用時のΣ
信号およびΔ信号が合成され、受信切替器24に出力さ
れる。このΣおよびΔ信号はA機能の信号であるから、
受信切替器24は送受信部2aに受信信号を出力し、送
受信部2aにおいて受信、解析が行われる。
【0045】以上のように、素子アンテナをグループ化
し、開口面を分割することによって1つのアンテナを2
種類の機能で共用すれば、アクティブフェイズドアレイ
アンテナと制御部を共通化でき、従来と比べて少なくす
ることができる。
【0046】実施の形態2.図7は発明に係る多機能ア
ンテナ装置の実施の形態2を示すブロック図である。1
bは素子アンテナをn個のグループに分けて開口面領域
をn分割し、n個の機能で共用できるアクティブフェイ
ズドアレイアンテナであり、13bは実施の形態1にお
ける合成・分配部13aと同様の構成で、合成・分配器
と分配・前置器を機能の数に応じて設置し、また受信切
替器をn個の送受信部にそれぞれの機能に対応した受信
信号を振り分けるようにして、アンテナをn個の機能で
共用することに対応した合成・分配部である。2nは、
X機能(例えば、レーダー機能、電波妨害機能のほか、
ESM(Electronic Support Mea
sure)機能やMWS(Missile Warni
ng System)機能など)に対応した送受信部で
ある。3bは、実施の形態1における制御部3aの機能
に加え、n個の機能に対応した制御を実施する制御部で
ある。
【0047】また、図7において、2a,2b,11,
12は実施の形態1と同一の装置である。
【0048】図8は、実施の形態2の合成分配部13b
のブロック図である。各装置の基本的な動作は実施の形
態1と同じであるが、素子アンテナを開口面の領域によ
ってn個のグループに分け、1つのアクティブフェイズ
ドアレイアンテナをn個の機能で共用するため、それぞ
れの機能に方位探知のための4個のアンテナ開口面が必
要になり、合計4n個の合成・分配器211〜21(4n)
が設置されている。またn個の分配・前置比較器221
〜22nが設置されている。素子アンテナのn個のグル
ープとn個の送受信部間の組み合わせの切替は、それぞ
れ受信切替器24と送信切替器25が行う。制御器27
は合成・分配器21および分配・前置比較器22の送受
切替のほか、全面開口時とn分割時で受信切替器24と
送信切替器25を、それぞれの機能に対応する信号に応
じて、各送受信部と各分配・前置比較器との組み合わせ
を切り替える制御を行う。
【0049】図9は、アンテナ1bの開口面の図であ
る。アンテナ開口面をn分割することにより、発明の実
施の形態1と同様にn個の機能を1つのアンテナに割り
付けることができる。
【0050】以上のように、機能の種類がn個(レーダ
ー機能、電波妨害機能、ESM機能、MWS機能等)で
も、合成・分配部内に合成・分配器と分配・前置比較器
を増設し、送信切替器および受信切替器の対応数を増や
すことによって、アンテナ開口面をn個の機能で共用で
き、アクティブフェイズドアレイアンテナおよび制御部
を共通化し、従来と比べアンテナ装置の数を減らすこと
ができる。
【0051】実施の形態3.図10は、この発明に係る
多機能アンテナ装置の実施の形態3を示すブロック図で
ある。1cは水平方向方位探知時と垂直方向方位探知時
とで、素子アンテナのグループを時間的に切り替え、グ
ループを形成している開口面領域を時間的に切り替える
開口面全面を使用時と同程度の方位探知精度を持つアン
テナである。13cは、前記の切替に対応した合成・分
配部である。3cは、実施の形態1における制御部3a
の機能に加え、水平および垂直方向方探時でアンテナの
開口面を時間的に切り替える制御を行う制御部である。
【0052】この他、2a,2b,11,12は実施の
形態1と同一の装置である。
【0053】図11aに、実施の形態3のアンテナ開口
面を前から見た図を示す。素子アンテナをアンテナ開口
面の領域に従って4分割してグループ化している。符号
111〜114はグループ化したアンテナ開口面の領域
を表している。
【0054】方位探知は受信時のみの動作であるので、
受信時の動作を説明する。図12は水平方向方位探知時
の受信信号の流れを表すブロック図である。まず、図1
1bのように制御部3cにより領域111と112にA
機能、および領域113と114にB機能を割り付け
る。同時に、図12の合成分配部13c内の制御器27
に、受信信号合成のために合成・分配器21i,21
j,21k,21l、分配・前置比較器22c,22d
に受信信号の合成器および前置比較器として動作するよ
うに制御する。また、前置比較器23は水平方向方位探
知時は使用しない。
【0055】まず、受信信号が開口面領域111〜11
4でグループ化された素子アンテナ11で受信される
と、モジュール12で増幅されて、合成・分配器21
i,21j,21k,21lに出力される。
【0056】合成・分配器21i,21j,21k,2
1lでは、各素子アンテナの受信信号の和をとり開口面
領域111,112,113,114のアンテナパター
ンを形成する。合成されたパターンは分配・前置器22
cに領域111,112のアンテナパターンが、分配・
前置器22dに領域113,114のアンテナパターン
が入力される。分配・前置器22cでA機能の水平方向
のΣ、Δ信号が合成され、分配・前置器22dでB機能
の水平方向のΣ、Δ信号が合成される。
【0057】合成されたA,B機能の水平方向のΣ、Δ
信号は前置比較器23には入力されず、直接受信切替器
24に入力され、受信切替器24はA機能の信号を送受
信部2aに、B機能の信号を送受信部2bに向けて出力
する。
【0058】つぎに、垂直方向方位探知時の動作につい
て説明する。垂直方探時は開口面の様子は図11cのよ
うになっている。図13は垂直方向方位探知時の合成・
分配部13c内の受信信号の流れを表したブロック図で
ある。
【0059】水平方向方探時と同様に、受信信号は合成
・分配器21i,21j,21k,21lで合成され
る。しかし、垂直方探時は開口面領域111,113に
A機能、112,114にB機能が割り付けられている
ため、開口面領域111,112のアンテナパターンが
入力される分配・前置器22c、および領域113,1
14のアンテナパターンが入力される分配・前置器22
dでは、垂直方探時の各機能のΣ、Δ信号を合成するこ
とができない。
【0060】そこで垂直方探時は分配・前置器22c、
22dは信号の合成は行わず、各領域のアンテナパター
ンをそのまま前置比較器23に入力する。前置比較器2
3は開口面領域111,113のアンテナパターンから
A機能のΣ、Δ信号を、領域112,114のアンテナ
パターンからB機能のΣ、Δ信号を合成し、受信切替器
24に入力する。受信切替器24はA、B機能のΣ、Δ
信号を機能別に送受信部2a,2bに向けて出力する。
【0061】送受信部2a,2bは水平方向方探時と垂
直方向方探時のΣ、Δ信号から目標の方位を検出し、各
機能に対応した動作を行う。
【0062】モノパルス方式は一つの受信パルス信号か
ら水平方向と垂直方向の角度を決定するために、水平方
向に2個、垂直方向に2個の合計4個のアンテナ開口面
が必要になる。実施の形態1では、A機能の素子アンテ
ナグループとB機能の素子アンテナグループは完全に固
定していたが、実施の形態1のように素子アンテナをグ
ループ化し固定化した場合、垂直方向の方位探知を行う
際、水平方向の場合と比べてビームの幅が倍になってし
まう。このため開口面全面を使用時と比べると垂直方向
の方位探知性能が劣る。実施の形態3では、素子アンテ
ナのグループ化を時間的に切り替えることにより、開口
面全面を用いる場合と同程度の方位探知性能を得る。
【0063】開口面を時間的に切り替えているため、全
面開口時と比べると瞬時性が落ちるものの、目標が遠方
ならば目標の位置が急激に変化することは考えられず、
問題は無い。また、目標が近傍にあり瞬時性が要求され
る場合には、必要に応じて水平、垂直方向切替の時間幅
を短くすれば問題ない。
【0064】なお、以上は受信時のみの動作についてで
あり、送信時には開口面を固定して送信ビームを放射す
る。その際の合成・分配部の動作は実施の形態1と同じ
である。
【0065】以上、実施の形態3では、アクティブフェ
イズドアレイアンテナと制御部を共通化することにより
従来と比べアンテナ装置を減らすことができ、かつ受信
時に素子アンテナのグループを時間的に切り替えること
により、開口面全面を1つの機能で用いた場合と同程度
の方位探知性能のアンテナ装置を提供する。
【0066】実施の形態4.図14は、この発明に係る
多機能アンテナ装置の実施の形態4を示すブロック図で
ある。1dは、受信時は実施の形態3と同様に水平方向
方探時と垂直方向方探時とで、素子アンテナのグループ
切り替えを行い、開口面を時間的に切り替えて方位探知
を行うことができ、かつ送信時も受信時と同様にアンテ
ナ開口面を切り替えることのできるアンテナである。1
3dは、前記の送信時の開口面切替に対応した合成・分
配部である。3dは、実施の形態3における制御部3c
の機能に加え、送信時もアンテナの開口面を時間的に切
り替える制御を行う制御部である。
【0067】図15aは実施の形態4のアンテナ開口面
の使用について表した図である。素子アンテナを開口面
領域151,152,153,154の4つに分割して
グループ化し、ビームの指向性を良くしたい方向にあわ
せて、縦割か横割を決定する。図15bは水平方向にビ
ームを細くする時で、図15cは垂直方向にビームを細
くする場合のアンテナ開口面の分割方法を表した図であ
る。
【0068】図16に、図15bのように開口面を横分
割した実施の形態4のアンテナ装置の、送信時における
合成・分配部13d内の送信種信号の流れを表すブロッ
ク図を示す。実施の形態1と異なる点は、合成・分配部
21i,21j,21k,21lが開口面切替器28を
介して分配・前置比較器22c,22dと接続されてい
る点である。前記開口面切替器28により送信時の開口
面領域と送受信部との組み合わせが自由に設定できる。
【0069】送受信部2a、2bが送信種信号を出力す
る前の動作は、実施の形態1とほぼ同じであるが、異な
る点は合成・分配部21i,21j,21k,21lの
どれに分配・前置器22c,22dが送信信号を送るか
を開口面切替器28が切り替えるところである。その際
の開口面切替器28の制御は制御器27が行う。
【0070】図15bのように開口面を横分割した場
合、実施の形態1と同様、送信種信号が分配・前置器2
2c,22dに供給されると、領域151,152にA
機能、領域153,154のB機能の送信種信号が供給
されるように合成・分配器21i,21j,21k,2
1lと分配・前置器22c,22dの組み合わせを切り
替え、送信種信号が供給される。
【0071】また、図17に図15cのように開口面を
縦分割した場合の、合成・分配部13d内の送信信号の
流れを表すブロック図を示す。実施の形態1と同様に送
信種信号A,Bがそれぞれ分配・前置器22c,22d
に供給されると、領域151,153にA機能が、また
領域152,154にB機能の送信種信号が供給される
ように開口面切替器28が合成・分配器21i,21
j,21k,21lと分配・前置器22c,22dの組
み合わせを切り替え、送信種信号が供給される。
【0072】送信時にも開口面の切替が行える利点につ
いて説明する。開口面の分割を縦割・横割で切り替える
と形成される送信ビームの幅が方向によって異なる。つ
まり、仮に元のアンテナの開口面が正方形だとすると、
実施の形態1の図2で示した横割の分割方法だと、垂直
方向の素子アンテナの数が減るために垂直方向のビーム
幅が水平方向と比べて約2倍になる。縦割の分割方法の
場合、逆に水平方向のビーム幅が垂直方向と比べて約2
倍になる。この性質を利用して、水平方向に機体の動揺
が多い場合は縦割、垂直方向に機体の動揺が多い場合は
横割に設定することにより、機体動揺による影響を少な
くすることができる。
【0073】実施の形態5.図18は、本発明の実施の
形態5を示すブロック図である。実施の形態1のように
アンテナ開口面の領域によって各素子アンテナをグルー
プ化するのではなく、各素子アンテナごとに対応する機
能を設定しアンテナ開口面を共通化する。
【0074】図19では、アンテナ素子1つおきにA機
能対応、B機能対応と設定することにより、アンテナ開
口面全面を共通化することによって2つの機能で共用で
きるアンテナ開口面の図を示す。モノパルス方位探知方
式のため、アンテナ開口面は領域191,192,19
3,194に4分割され、それぞれの領域がA、B両方
の機能で動作する。
【0075】図20に合成・分配部13eのブロック図
を示す。装置は実施の形態1と同一である。実施の形態
1と異なる点は、同じアンテナ開口面領域にA機能に対
応した素子アンテナとB機能に対応した素子アンテナが
両方存在している点である。そのため4分割された開口
面に対し、必要となる合成・分配器21の数はA機能に
4個、B機能に4個の合計8個必要になる。
【0076】なお、受送信時の動作は実施の形態1と同
じである。
【0077】実施の形態5では、アンテナ開口面積が機
能分割前後で変化しないため、アンテナ利得とビーム幅
が変わらず、高利得の狭ビーム幅のアンテナ特性が保持
され、実施の形態1の例と比べると、送信時の実効放射
電力が向上し、また受信時は全面開口時と同程度の方位
探知精度が得られる。
【0078】実施の形態6.実施の形態5においては、
各素子アンテナごとに機能を設定することで、アンテナ
開口面を共通化し、アンテナを2つの機能で共用する例
を示したが、この方法を拡張してn個の機能でアンテナ
を共用する方法を示したものが実施の形態6である。図
21に、実施の形態6のブロック図を示す。この図にお
いて、2a,2b,2n,3b,11,12は、実施の
形態2と同じである。1fは、実施の形態5の方法を拡
張して、n個の機能に対応できるようにしたAPAAで
ある。
【0079】図22に、実施の形態6のアンテナ開口面
の図を示す。アンテナn−1個ごとに同じ機能を設定
し、アンテナ開口面を共通化してn個の機能で共用す
る。
【0080】図23に合成・分配部13fのブロック図
を示す。実施の形態2の合成・分配部13bと構成は同
じである。
【0081】実施の形態5と同様、アンテナ開口面積が
機能分割前後でほとんど変わらないため、アンテナ利得
とビーム幅が変わらず、高利得の狭ビーム幅のアンテナ
特性が保持され、実施の形態2の分割方法と比べると、
送信時の実効放射電力が向上し、また受信時は全面開口
時と同程度の方位探知精度が得られる。
【0082】実施の形態7.図24は、本発明の実施の
形態7を示すブロック図である。この図において、送受
信部2a,2bは実施の形態1と同一である。また、ア
ンテナ部1gは発明の実施の形態1,3,4,5で用い
られていたアンテナ1a〜1eのいずれでもよい。切替
機4aは、2個以上のアンテナ1gを切り替える切替機
である。制御部3eは実施の形態1の制御部3aが持つ
機能のほかに、2個以上のアンテナ1gを制御できる制
御器である。
【0083】2個以上のアンテナ1g内の複数の素子ア
ンテナグループに割り付けられた機能と、送受信部2
a,2bの機能とを対応させる送受信信号の切替作業を
切替器4aが行う。それ以外の送受信信号の流れは実施
の形態1と同じである。
【0084】切替器4aを設け、2個以上のアンテナ1
を接続することにより、実施の形態1のアンテナ1一個
ではカバーできない覆域を確保することができる。
【0085】実施の形態8.図25は、本発明の実施の
形態8を示すブロック図である。この図において、送受
信部2a,2b,2nは実施の形態2,6と同一であ
る。アンテナ1hは実施の形態2,6で用いられていた
アンテナいずれでもよい。切替器4bは実施の形態7の
切替器4aと同様2個以上のアンテナ1hを切り替える
切替器である。3fは、実施の形態2の制御機3bと同
様n個の機能に対応した制御を行うことができ、かつ2
個以上のアンテナ1hに割り当てて制御することのでき
る制御機である。切替器4bを設け、2個以上のアンテ
ナ1hを接続することにより、実施の形態2のアンテナ
1h一個ではカバーしきれない覆域を確保することがで
きる。
【0086】
【発明の効果】請求項1に係る多機能アンテナ装置は、
複数の素子アンテナを配列したアレーアンテナと、第1
の送信信号を生成し第1の受信信号を分析するレーダ機
能を有する第1の送受信部と、第2の送信信号を生成し
第2の受信信号を分析する電波妨害機能を有する第2の
送受信部と、上記アレーアンテナの素子アンテナに上記
第1の送信信号又は第2の送信信号を分配し上記素子ア
ンテナからの信号を第1の受信信号又は第2の受信信号
に合成する合成分配部と、上記複数の素子アンテナから
レーダ機能を有する第1の素子アンテナ群と電波妨害機
能を有する第2の素子アンテナ群を形成し、第1の送受
信部と上記第1の素子アンテナ群との間で第1の送信信
号の分配と第1の受信信号の合成を行い、第2の送受信
部と上記第2の素子アンテナ群との間で第2の送信信号
の分配と第2の受信信号の合成を行うように上記合成分
配部を制御する制御部とを備えることにより、レーダ機
能と電波妨害機能とでアレーアンテナと制御部を共通化
することができ、航空機等に搭載するアクティブフェイ
ズドアレイアンテナの装置を減らすことができる。
【0087】請求項2に係る多機能アンテナ装置は、複
数の素子アンテナを配列したアレーアンテナと、第1の
送信信号を生成する第1の送受信部と、第2の送信信号
を生成する第2の送受信部と、上記複数の素子アンテナ
から第1の送受信部に対応する第1の素子アンテナ群と
第2の送受信部に対応する第2の素子アンテナ群を形成
する制御部と、上記第1の送信信号を上記第1の素子ア
ンテナ群へ供給し、上記第2の送信信号を上記第2の素
子アンテナ群へ供給する送信切替器とを備えることによ
り、複数の送信信号を同一のアレイアンテナを用いて独
立に送信することができる。
【0088】請求項3に係る多機能アンテナ装置は、複
数の素子アンテナを配列したアレーアンテナと、第1の
受信信号を分析する第1の送受信部と、第2の受信信号
を分析する第2の送受信部と、上記複数の素子アンテナ
から第1の送受信部に対応する第1の素子アンテナ群と
第2の送受信部に対応する第2の素子アンテナ群を形成
する制御部と、上記第1の素子アンテナ群からの信号を
合成した第1の受信信号を上記第1の送受信部に供給
し、上記第2の素子アンテナ群からの信号を合成した第
2の受信信号を上記第2の送受信部に供給する受信切替
器とを備えることにより、複数の受信信号を同一のアレ
イアンテナを用いて独立に受信することができる。
【0089】請求項4に係る多機能アンテナ装置は、複
数の素子アンテナを配列したアレーアンテナと、第1の
送信信号を生成し第1の受信信号を分析する第1の送受
信部と、第2の送信信号を生成し第2の受信信号を分析
する第2の送受信部と、上記アレーアンテナの素子アン
テナに上記第1の送信信号又は第2の送信信号を分配し
上記素子アンテナからの信号を第1の受信信号又は第2
の受信信号に合成する合成分配部と、上記複数の素子ア
ンテナから第1の素子アンテナ群と第2の素子アンテナ
群を形成し、第1の送受信部と上記第1の素子アンテナ
群との間で第1の送信信号の分配と第1の受信信号の合
成を行い、第2の送受信部と上記第2の素子アンテナ群
との間で第2の送信信号の分配と第2の受信信号の合成
を行い、上記第1の送受信部と第2の送受信部とが独立
に動作するように上記合成分配部を制御する制御部とを
備えることにより、複数の送信信号の送信と受信信号の
受信に対しアレーアンテナと制御部を共通化することが
でき、航空機等に搭載するアクティブフェイズドアレイ
アンテナの装置を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態1を示すブロック図である。
【図2】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態1のアンテナ開口面を示す図である。
【図3】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態1の送信時に開口面を分割して使用した場合の合成・
分配部内の送信信号の伝達経路を示すブロック図であ
る。
【図4】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態1の送信時に開口面全面使用時を使用した場合の合成
分配部内の送信信号の伝達経路を示すブロック図であ
る。
【図5】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態1の受信時に開口面を分割して使用した場合の合成・
分配部内の受信信号の伝達経路を示すブロック図であ
る。
【図6】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態1の受信時に開口面全面使用時を使用した場合の合成
分配部内の受信信号の伝達経路を示すブロック図であ
る。
【図7】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態2を示すブロック図である。
【図8】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態2の合成・分配部のブロック図である。
【図9】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の形
態2のアンテナ開口面を示す図である。
【図10】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態3を示すブロック図である。
【図11】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態3のアンテナ開口面を示す図である。
【図12】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態3の水平方向方位探知時の合成・分配部内の受信信
号の伝達経路を示すブロック図である。
【図13】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態3の垂直方向方位探知時の合成・分配部内の受信信
号の伝達経路を示すブロック図である。
【図14】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態4を示すブロク図である。
【図15】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態4のアンテナ開口面を示す図である。
【図16】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態4の開口面を横分割時の合成・分配部内の送信種信
号の伝達経路を示すブロック図である。
【図17】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態4の開口面を縦分割時の合成・分配部内の送信種信
号の伝達経路を示すブロック図である。
【図18】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態5を示すブロック図である。
【図19】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態5のアンテナ開口面を示す図である。
【図20】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態5の合成・分配部のブロック図である。
【図21】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態6を示すブロック図である。
【図22】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態6のアンテナ開口面を示す図である。
【図23】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態6である多機能アンテナ装置を示すブロック図であ
る。
【図24】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態7を示すブロック図である。
【図25】 本発明に係る多機能アンテナ装置の実施の
形態8を示すブロック図である。
【図26】 従来の航空機搭載電子装置を示すブロック
図である。
【図27】 従来のアクティブフェイズドアレイアンテ
ナを使用した航空機搭載電子装置を示すブロック図であ
る。
【図28】 従来のアクティブフェイズドアレイアンテ
ナの合成・分配部を示すブロック図である。
【図29】 従来のアクティブフェイズドアレイアンテ
ナのアンテナ開口面を示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 送受信部 3 制御部
4 切替器 11 素子アンテナ 12 モジュール 13
合成・分配部 21 合成・分配器 22 分配・前置器 23
前置比較器 24 受信切替器 25 送信切替器 26 分
配器 27 制御器 28 開口面切替器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−249944(JP,A) 特開 平10−197629(JP,A) 特開 平10−209750(JP,A) 特開 昭63−157507(JP,A) 特開 平10−126136(JP,A) 特開 平10−190539(JP,A) 特開 平2−199905(JP,A) 特開 昭61−150504(JP,A) 特開 昭54−149450(JP,A) 特開 平8−340209(JP,A) 特開 平11−27043(JP,A) 特開 昭64−60101(JP,A) 特開 平9−260930(JP,A) 特開 平11−186829(JP,A) 特表2002−512465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 25/00 G01S 7/02 H01Q 3/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の素子アンテナを配列したアレーア
    ンテナと、第1の送信信号を生成し第1の受信信号を分
    析するレーダ機能を有する第1の送受信部と、第2の送
    信信号を生成し第2の受信信号を分析する電波妨害機能
    を有する第2の送受信部と、上記アレーアンテナの素子
    アンテナに上記第1の送信信号又は第2の送信信号を分
    配し上記素子アンテナからの信号を第1の受信信号又は
    第2の受信信号に合成する合成分配部と、上記複数の素
    子アンテナからレーダ機能を有する第1の素子アンテナ
    群と電波妨害機能を有する第2の素子アンテナ群を形成
    し、第1の送受信部と上記第1の素子アンテナ群との間
    で第1の送信信号の分配と第1の受信信号の合成を行
    い、第2の送受信部と上記第2の素子アンテナ群との間
    で第2の送信信号の分配と第2の受信信号の合成を行う
    ように上記合成分配部を制御する制御部とを備えたこと
    を特徴とする多機能アンテナ装置。
  2. 【請求項2】 複数の素子アンテナを配列したアレーア
    ンテナと、第1の送信信号を生成する第1の送受信部
    と、第2の送信信号を生成する第2の送受信部と、上記
    複数の素子アンテナから第1の送受信部に対応する第1
    の素子アンテナ群と第2の送受信部に対応する第2の素
    子アンテナ群を形成する制御部と、上記第1の送信信号
    を上記第1の素子アンテナ群へ供給し、上記第2の送信
    信号を上記第2の素子アンテナ群へ供給する送信切替器
    とを備えたことを特徴とする多機能アンテナ装置。
  3. 【請求項3】 複数の素子アンテナを配列したアレーア
    ンテナと、第1の受信信号を分析する第1の送受信部
    と、第2の受信信号を分析する第2の送受信部と、上記
    複数の素子アンテナから第1の送受信部に対応する第1
    の素子アンテナ群と第2の送受信部に対応する第2の素
    子アンテナ群を形成する制御部と、上記第1の素子アン
    テナ群からの信号を合成した第1の受信信号を上記第1
    の送受信部に供給し、上記第2の素子アンテナ群からの
    信号を合成した第2の受信信号を上記第2の送受信部に
    供給する受信切替器とを備えたことを特徴とする多機能
    アンテナ装置。
  4. 【請求項4】 複数の素子アンテナを配列したアレーア
    ンテナと、第1の送信信号を生成し第1の受信信号を分
    析する第1の送受信部と、第2の送信信号を 生成し第2
    の受信信号を分析する第2の送受信部と、上記アレーア
    ンテナの素子アンテナに上記第1の送信信号又は第2の
    送信信号を分配し上記素子アンテナからの信号を第1の
    受信信号又は第2の受信信号に合成する合成分配部と、
    上記複数の素子アンテナから第1の素子アンテナ群と第
    2の素子アンテナ群を形成し、第1の送受信部と上記第
    1の素子アンテナ群との間で第1の送信信号の分配と第
    1の受信信号の合成を行い、第2の送受信部と上記第2
    の素子アンテナ群との間で第2の送信信号の分配と第2
    の受信信号の合成を行い、上記第1の送受信部と第2の
    送受信部とが独立に動作するように上記合成分配部を制
    御する制御部とを備えたことを特徴とする多機能アンテ
    ナ装置。
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