JPH09236656A - 捜索レーダ装置 - Google Patents

捜索レーダ装置

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Publication number
JPH09236656A
JPH09236656A JP8044802A JP4480296A JPH09236656A JP H09236656 A JPH09236656 A JP H09236656A JP 8044802 A JP8044802 A JP 8044802A JP 4480296 A JP4480296 A JP 4480296A JP H09236656 A JPH09236656 A JP H09236656A
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JP
Japan
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transmission
reception
antennas
antenna
search radar
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Application number
JP8044802A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Shinonaga
充良 篠永
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的安価な構成で全周の捜索が可能で、特
に長距離用として有用な捜索レーダ装置を提供する。 【解決手段】 方位面内で回転する回転台13と、この
回転台13に互いに指向方向が異なるように載置され、
それぞれ任意の仰角覆域を選択可能な複数のアンテナ1
1A,11Bと、それぞれのアンテナ11A,11Bに
対応して設けられ、対応するアンテナ毎に独立して仰角
覆域の制御及びレーダパルスの送受信を行う複数の送受
信処理装置14A,14Bと、前記複数の送受信処理装
置14A,14Bに対し、モードに応じてそれぞれ対応
するアンテナ11A,11Bの送受信時における仰角覆
域を指定し、時間的に少なくとも一部重畳する送信期間
でアンテナ毎に異なる方位に送信させる演算処理装置1
5とを具備して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主に地上に設置
して全周の監視を行う捜索レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の捜索レーダ装置としては、リフレ
クタを回転させて全周を監視するタイプが主に用いられ
ているが、このタイプでは、長距離レーダを実現しよう
とすると、反射信号が到達するまでに時間が長くなるた
め、回転数を遅くすることが必要であった。
【0003】ところが、回転を遅くすると、1回転に要
する時間が長くなるため、同じ目標(同じ方位)からの
信号を受ける時間間隔が大きくなり、監視システムの応
答遅れや追尾の自動化ができない。このため、上記のよ
うなリフレクタを回転させるタイプのレーダは中距離レ
ーダまでしか用いられていない。
【0004】これに対して、フェーズドアレイと呼ばれ
るタイプのレーダは、送信方向を自由に制御できること
から、主として長距離レーダに用いられている。但し、
フェーズドアレイ方式はレーダとして複雑かつ高価であ
る上、全周を捜索するためには大型のフェーズドアレイ
を3乃至4個配置する必要があり、システムとして極め
て高価なものにならざるを得ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来の主として長距離用に用いられる捜索レーダ装置で
は、大型のフェーズドアレイの使用を余儀なくされ、シ
ステムとして複雑かつ高価なものとなっている。この発
明は上記の問題を解決し、比較的安価な構成で全周の捜
索が可能で、特に長距離用として有用な捜索レーダ装置
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めにこの発明に係る捜索レーダ装置は、方位面内で回転
する回転台と、この回転台に互いに指向方向が異なるよ
うに載置され、それぞれ任意の仰角覆域を選択可能な複
数のアンテナと、それぞれのアンテナに対応して設けら
れ、対応するアンテナ毎に独立して仰角覆域の制御及び
レーダパルスの送受信を行う複数の送受信処理装置と、
前記複数の送受信処理装置に対し、モードに応じてそれ
ぞれ対応するアンテナの送受信時における仰角覆域を指
定し、時間的に少なくとも一部重畳する送信期間でアン
テナ毎に異なる方位に送信させる送受信制御手段とを具
備して構成される。
【0007】特に、前記複数のアンテナは、それぞれ仰
角面を複数に分割可能なアクティブ型であり、前記複数
の送受信処理装置は、対応するアンテナの仰角面分割領
域を互いに独立して任意に設定する手段を備え、前記送
受信制御手段は、モードに応じて前記複数の送受信処理
装置のアンテナ仰角面分割を制御する手段を備えること
を特徴とする。
【0008】この場合、前記複数のアンテナは、それぞ
れアンテナ素子を仰角方向に配列した一次放射器を備え
るリフレクタ型、あるいは、それぞれアンテナ素子を面
配列したアクティブフェーズドアレイであることを特徴
とする。
【0009】前記送受信制御手段は、前記複数の送受信
処理装置に対し、前記レーダパルスの送信期間が全ての
アンテナで同一であって、全てのアンテナで重畳する送
信期間を共有するように制御することを特徴とする。
【0010】また、前記送受信制御手段は、前記複数の
送受信処理装置に対し、前記モード毎に、前記レーダパ
ルスの連続する送信期間がアンテナ毎に共通のもしくは
異なる複数の互いに異なる周波数のサブパルスで構成さ
れるように制御することを特徴とする。
【0011】この場合、前記送受信制御手段は、前記複
数の送受信処理装置に対し、前記モード毎に、複数ある
それぞれのサブパルスのパルス幅を変化させつつ、送信
期間を一定時間幅に保つように制御することを特徴とす
る。
【0012】また、前記送受信制御手段は、前記複数の
送受信処理装置に対し、前記モード毎に、連続する送信
期間の構成を単一パルスと複数のサブパルスの切り替え
を行うことを特徴とする。
【0013】また、前記送受信制御手段は、前記複数の
送受信処理装置に対し、前記モード毎に、複数あるそれ
ぞれのサブパルスのパルス幅を変化させるか単一パルス
とすることで、送信期間を一定時間幅に保つことを特徴
とする。
【0014】また、前記送受信制御手段は、前記複数の
送受信処理装置に対し、サブパルス毎の覆域を同一もし
くは異なるものに切替制御することを特徴とする。さら
に、前記送受信制御手段は、前記複数の送受信処理装置
に対し、方位角毎にモードを切替制御することを特徴と
する。
【0015】さらに、前記複数のアンテナ毎に探知レポ
ートを統合処理する探知レポート処理手段を備えること
を特徴とする。この場合、前記送受信制御手段は、前記
探知レポート処理手段で得られる少なくとも一つのアン
テナ探知レポートにより、次に同一方向を捜索するアン
テナをその方向に送信エネルギーを集中させて、レポー
トの再確認を行う機能を備えることを特徴とする。
【0016】すなわち、この発明では、複数のアンテナ
で共通する一定の送信時間において、その送信パルスの
内部構造を単一パルス及び複数サブパルスの組み合わせ
などを各アンテナ毎に独立に制御することにより、各ア
ンテナに独立のモードを与えるものである。
【0017】送信パルスの組み合わせをアンテナ毎に独
立に制御することにより、各アンテナを別のモードで運
用できる。それによって、単一のアンテナでは実現でき
ない以下のような運用が可能となる。
【0018】複数のアンテナを同一のモードで使用する
ことにより、この発明の目的であるデータレート向上を
容易に設定することができる。地形などに応じた方位毎
の最適な運用を各アンテナ毎に独立に運用することが可
能となる。
【0019】片側を通常の運用に当てておきながら、他
方を特殊な運用(一定方向にエネルギーを集中するな
ど)に当てるなどの運用面での自由度が大幅に増える。
片側の機能が一部欠損した場合に、アンテナ毎にそれぞ
れ最適なモードが選択可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態を詳細に説明する。図1はこの発明に係る長
距離用捜索レーダ装置に用いるアンテナ装置の構成を示
すもので、11A,11Bはそれぞれ同一性能を持つリ
フレクタタイプのアンテナである。これらのアンテナ1
1A,11Bは共に支柱12に背中合わせにして取り付
けられる。支柱12は回転駆動機能(図示せず)によっ
て水平面内で低速回転させる回転台13の回転軸上に取
り付けられる。
【0021】各アンテナ11A,11Bは、それぞれ水
平方向に向けたメインリフレクタ111の前方にサブリ
フレクタ112を配置し、メインリフレクタ111の中
央部にリニアアレイによる一次放射器113を配置した
構造であり、互いに180度異なる方向に送受信を行
う。
【0022】上記支柱12の上部には、例えばSLC
(サイドローブ・キャンセラ)アンテナやIFF(アイ
デンティフィケイション・オブ・フレンド・オア・フ
ォ)用のSLS(サイドローブ・サプレッション)アン
テナなどの補助アンテナ11Cが取り付けられる。
【0023】各アンテナ11A,11B,11Cの信号
処理系はそれぞれ独立しており、必要に応じて個々に得
られたビデオ信号をリンクさせる。信号処理系の全体構
成を図2に示す。
【0024】図2において、アンテナ11A,11Bは
送受信処理装置14A,14Bに接続され、補助アンテ
ナ11Cは受信処理モジュール14Cに接続される。送
受信処理装置14A,14Bは、互いに独立して機能
し、対応するアンテナ11A,11Bを用いて、送信パ
ルスを送出し、その反射パルスを受信検波してデジタル
出力する。また、受信処理装置14Cは、例えば補助ア
ンテナ11Cで受けた信号のレベル検波を行い、その検
波出力からアンテナ11A,11Bにおける受信出力の
サイドローブ情報を得る。上記送受信処理装置14A,
14B及び受信処理装置14Cで得られた各情報は演算
処理装置15に入力される。
【0025】この演算処理装置15は、各送受信処理装
置14A,14Bの仰角選択制御、レーダパルスの送信
期間の設定、サブパルスの設定等を行うと共に、回転台
13の回転角度を選択制御する。さらに、マップ記憶部
16に登録されるマップ情報の読出し、更新を行い、そ
のマップ情報に基づいて各送受信処理装置14A,14
Bの受信情報からレーダ情報を求めて、表示装置17に
適宜表示する。
【0026】ここで、図3にアンテナ11A及び送受信
処理装置14Aの具体的な構成を示す。尚、アンテナ1
1B及び送受信処理装置14Bの構成は11A及び14
Aと同一なので、ここではその説明を省略する。
【0027】図3において、アンテナ11Aはm個のア
ンテナ素子AT1〜ATmを仰角(EL)方向に配列し
たリニアアレイによる一次放射器111を備えている。
一方、送受信処理装置14Aにおいて、送信機141は
所定周波数の繰返し送信パルスを発生するもので、この
送信パルスは可変分配器142で最大mチャンネルに分
配され、それぞれ移相器1431〜143m、送受切換
器(サーキュレータ)1441〜144mを介してアン
テナ素子AT1〜ATmに送られ、移相器1431〜1
43mで決定される方向に送出される。
【0028】また、アンテナ素子AT1〜ATmで得ら
れた受信信号はそれぞれ送受切換器1441〜144m
を介して受信機1451〜145mで復調検波され、さ
らにA/D(アナログ/デジタル)変換器1461〜1
46mでデジタル信号に変換されてEL合成部147に
送られる。
【0029】このEL合成部147は、図4に取り出し
て示すように、各チャンネル毎に乗算器M1〜Mmが設
けられ、各乗算器M1〜Mmにおいて、対応するチャン
ネルのデジタル受信信号に係数発生器148からチャン
ネル毎に与えられる係数ω1〜ωmを乗じて加算器AD
Dに送り、加算出力するように構成される。
【0030】上記EL合成部147の合成出力は信号処
理部149に送られる。この信号処理部149は移動目
標検出回路(MTI)1491とパルスドプラ処理回路
1492を備えている。移動目標検出回路1491は、
入力した合成受信信号からクラッタ成分を除去すること
で移動目標を抽出するものである。パルスドプラ処理回
路1492は、合成受信信号からあるドップラ成分のみ
を抽出することで移動目標を検出するものである。
【0031】上記信号処理部149は、選択処理部14
aからの選択指令信号に応じて、移動目標検出回路14
91及びパルスドプラ処理回路1492のいずれか一方
を適用する、または両方を適用する、または両方とも適
用しない、のいずれかを選択可能となっている。この上
記信号処理部149から出力されるレーダ受信情報は演
算処理装置15に送られる。
【0032】この演算処理装置15はレーダ受信情報か
ら距離、方位、仰角のそれぞれもしくは全てについての
受信強度を走査ごとに計測し、その計測結果を平均し、
各平均値に基づいてマップを作成してマップ記憶部16
に記憶する。
【0033】また、演算処理装置15はマップ記憶部1
6に記憶されたマップを参照して、適宜可変分配器14
2の分配チャンネル制御、係数発生器148の係数値制
御を行うと共に、選択処理部14aを通じて信号処理部
149の処理選択制御を行う。係数値制御としては、各
チャンネルの受信信号に対する位相制御、利得(振幅)
制御があり、その組み合わせにより利得、ビーム幅、サ
イドローブレベル等の受信パターン形状を所望の距離に
応じて変化させる。
【0034】上記構成において、以下にその動作につい
て説明する。水平面内で回転する回転台13上に2つの
アンテナ11A,11Bを背中合わせに配置し、180
度異なる方向に、時間的に少なくとも一部重畳する送信
期間で送信を実施する。すなわち、アンテナ11A,1
1Bはそれぞれ回転台13の回転駆動により指向方向が
互いに180度異なる方向に向いたまま回転し、遠距離
までの捜索を行う。
【0035】このような動作により、同一方向の信号に
ついては2つのアンテナ11A,11Bが順番にその方
向の捜索を実施するため、回転周期の半分の時間間隔で
信号が得られることになる。逆に時間間隔を一定するな
らば、従来よりも半分の回転速度としてもよいことにな
る。このため、容易に遠距離捜索への時間を配分するこ
とができる。
【0036】このように、同一の回転駆動機構上に2つ
のアンテナ11A,11Bを配置することで、従来実現
できなかった長距離捜索とデータレート(アンテナの回
転周期)の制約から免れることができる。
【0037】特に、2つの同一性能のアンテナ11A,
11bを持つレーダシステムとしての特徴をさらに発揮
するために、2つの送信周波数を変えることにより、お
互いの信号の干渉を避けるという消極的な効果のみでは
なく、MTIのブラインドを互いに補うことや、測高の
精度向上(周波数ダイバーシティ効果になる)などがシ
ステムとして折り込むことができる。
【0038】また、2つのアンテナ11A,11Bは冗
長構成とみなすことができるため、信頼性が飛躍的に向
上すると共に、SLCアンテナやIFF用のSLSアン
テナなどの補助アンテナ11Cが共通に1個だけあれば
よい場合に、図に示すように中央の支柱12の上部など
に配置することにより、最小限の構成とすることができ
る。
【0039】さらに、リフレクタ111,112を主副
の組み合わせたカセグレンタイプとした場合は、加重が
中央に集中するため、これによって回転トルクを抑える
ことが期待でき、サブリフレクタ112に送信/受信の
状態監視の少なくともいずれか一方を実施するためのモ
ニタアンテナを取り付けることも可能である。
【0040】一方、信号処理系については、以下のよう
に動作する。まず、アンテナ11Aまたは11Bにおい
て、送信機141から出力される送信パルスは、可変分
配器142で適宜各チャンネルに分配され、移相器14
31〜143mで位相調整され、送受切換器1441〜
144mを介して各アンテナ素子111〜11mから空
間に送出される。
【0041】各アンテナ素子111〜11mで受けた送
信パルスの反射信号はそれぞれ送受切換器1441〜1
44mを介して受信機1451〜145mで復調検波さ
れた後、A/D変換器1461〜146mでデジタル信
号に変換され、EL合成部147で合成される。
【0042】ここで、所要の覆域に対し、最大距離が必
要な低仰角についてアンテナパターンを形成する場合、
送信時においては、送信パルスを可変分配器142で全
チャンネルに分配し、移相器1431〜143mで低仰
角にかつビーム幅を狭めて、全てについてのアンテナ素
子を用いて送出する。これによって、図5(a)に示す
ように、低仰角で最大距離の覆域にペンシルビームによ
る送信パターンを形成することができる。
【0043】受信時においては、EL合成部147で各
チャンネルの受信信号を合成する際、乗算器M1〜Mm
に対する係数ω1〜ωmを制御することで、ビーム幅を
最大に狭くすると共に、利得を最大に設定する。これに
よって、図5(b)に示すように、低仰角で最大距離の
覆域にペンシルビームによる受信パターンを形成するこ
とができ、受信感度を最大にすることができる。
【0044】一方、高仰角のうち広い仰角ビーム幅が必
要な近距離においては、送信パルスを可変分配器142
で一部のチャンネル(例えば上下に分割した一方)に分
配し、対応するチャンネルの移相器1431〜143m
で高仰角にかつビーム幅を広げて、割り当てられたチャ
ンネルのアンテナ素子を用いて送出する。これによっ
て、図6(a)に示すように、高仰角で仰角ビーム幅の
広い cosecビームによる送信パターンを形成することが
できる。
【0045】受信時においては、EL合成部147で各
チャンネルの受信信号を合成する際、乗算器M1〜Mm
に与える係数ω1〜ωmについて、例えば部分的に
“0”にして合成チャンネル数を低減する等の制御を行
うことで、ビーム幅を最大に広げると共に、利得を必要
最小限に設定する。これによって、図6(b)中R1に
示すように、高仰角のうち広い仰角で近距離の覆域にフ
ァンビームによる受信パターンを形成することができ
る。
【0046】また、受信距離を長くする場合は、EL合
成部147で各チャンネルの受信信号を合成する際、乗
算器M1〜Mmに与える係数ω1〜ωmを距離に応じて
制御し、合成チャンネル数を増大し、ビーム幅を最大に
広げつつ、利得を増大していくことで、図6(b)中R
2,R3,R4に示すように、ファンビームによる受信
パターンを所要の覆域に沿って変化させることができ
る。
【0047】尚、このように距離によってパターンを制
御することは、最大距離かつ低仰角についても適用でき
ることは明らかである。このように、最大距離かつ低仰
角の場合と、高仰角かつ近距離の場合でビーム形成処理
を分割し、さらに受信時のアンテナパターンを距離に応
じて変化させていけば、仰角方向に多数の送信を順に行
う必要もなく、最大距離方向でのアンテナ利得の低下も
避けることができる。また、近距離において、ビーム幅
を広くすることでアンテナ利得が下がるため、近距離で
の感度を低下させるSTCの機能も同時に実施できる。
【0048】以上のことからわかるように、上記構成に
よるレーダ装置は、アンテナ11A,11Bそれぞれの
信号処理系において、最大距離、最大感度を低下させる
ことなく、捜索すべき全覆域に対して受信感度を適合さ
せることができる。
【0049】ところで、以上はアンテナパターンを距離
についてのみ制御する場合を説明したが、さらにクラッ
タの状況、サイドローブレベル等を考慮して受信感度を
制御すれば、よりいっそう効果的である。
【0050】そこで、演算処理装置15において、アン
テナ11A,11Bの受信信号から距離、方位、仰角の
それぞれ、もしくは全てについての受信強度を計測して
マップを作成し、マップ記憶部16に記憶しておく。そ
して、記憶しておいたマップを参照してクラッタ等が強
く生じる距離、仰角で受信感度が低くなるように、送信
時は可変分配器142及び移相器1431〜143m
を、受信時は係数発生器148を制御し、アンテナパタ
ーン形状を変化させる。これによって、クラッタ、サイ
ドローブレベルの抑圧を信号処理と相俟って効果的に実
行できる。
【0051】マップの精度を上げるためには、例えば移
相器1431〜143mの位相制御によりアンテナビー
ムを走査し、マップ作成時に距離、方位、仰角のそれぞ
れ、もしくは全てについての受信強度を走査ごとに計測
し、その計測結果を平均し、各平均値に基づいてマップ
を作成すればよい。
【0052】さらに、マップを作成した結果、信号処理
部149の負担を軽減することもできる。すなわち、演
算処理装置15において、マップ記憶部16に記憶され
ているマップを参照し、そのマップ上の距離、方位、仰
角のそれぞれ、もしくは全てについての受信強度情報か
ら、移動目標検出回路1491とパルスドプラ処理回路
1492を必要に応じて使い分けることで、よりいっそ
うの処理効果を期待できる。
【0053】特に、マップを移動目標検出回路1491
とパルスドプラ処理回路1492の処理結果から作成す
ることで、移動目標検出回路1491とパルスドプラ処
理回路1492のいずれか一方または両方の出力に生じ
たクラッタ消え残りに応じて選択判断の基準を調整する
ことができ、これによって目標検出の精度を高めること
ができる。
【0054】また、演算処理装置15は、各アンテナ1
1A,11Bの送受信処理装置14A,14Bに対し、
モード毎に、レーダパルスの連続する送信期間がアンテ
ナ毎に共通のもしくは異なる複数の互いに異なる周波数
のサブパルスで構成されるように制御することができ
る。
【0055】例えば、(1)複数あるそれぞれのサブパ
ルスのパルス幅を変化させつつ、送信期間を一定時間幅
に保つように制御する、(2)連続する送信期間の構成
を単一パルスと複数のサブパルスの切り替えを行う、
(3)複数あるそれぞれのサブパルスのパルス幅を変化
させるか単一パルスとすることで、送信期間を一定時間
幅に保つ、(4)サブパルス毎の覆域を同一もしくは異
なるものに切替制御する、といった制御が可能である。
【0056】さらに、上記演算処理装置15は、各アン
テナ11A,11Bの送受信処理装置14A,14Bに
対し、方位角毎にモードを切替制御したり、アンテナ毎
に探知レポートを統合処理することも可能である。さら
に、探知レポート処理によって得られる少なくとも一つ
のアンテナ探知レポートにより、次に同一方向を捜索す
るアンテナをその方向に送信エネルギーを集中させて、
レポートの再確認を行う機能を実現することも可能であ
る。
【0057】上記構成によれば、図7乃至図10に示す
ような運用が可能となる。尚、図7乃至図10におい
て、(a)はアンテナ11A,11Bのアンテナパター
ン面(以下、A面、B面と記す)、(b)はA面の送信
パルス、(c)はB面の送信パルスを示している。
【0058】まず、図7に示すように、A面、B面それ
ぞれが上方と下方に覆域を分担したまま、1面のアンテ
ナの場合の2倍のデータレートで捜索を実施することが
できる。この場合、上方と下方の送信パルスの周波数が
互いに異なるものとし、A面、B面とも、下方ビーム用
送信パルスと上方ビーム用送信パルスをサブパルスで構
成すればよい。
【0059】また、図8に示すように、例えばB面を図
7と同様に通常の覆域捜索モードとしておき、A面のみ
全ての送信エネルギーを下方に集めることで、通常の覆
域捜索性能を損なうことなく、より遠距離の目標が捜索
可能となる。この場合、A面の送信パルスとして下方ビ
ーム用長パルス(単パルス)とすればよい。
【0060】さらに、図9に示すように、山岳などがあ
る方向に対しては、その方向だけ下方のエネルギーを節
約して上方のパルス幅を延ばして検出を容易にすること
も可能である。この場合、A面の送信パルスを上方と下
方でサブパルスの幅を必要に応じて可変すればよい。
【0061】また、図10に示すように、例えばB面を
通常の覆域捜索モードとしておき、A面で特定の目標に
ついてS/Nを高めて確実な追尾を行う等の送信エネル
ギーの集中を図ることもできる。この場合、A面のサブ
パルスを必要に応じて周波数f1から周波数f2に切り
替え、目標方向に集中して送信すればよい。
【0062】いずれの運用においても、一方のアンテナ
は通常の捜索が可能であり、何ら制約も及ぼさないた
め、レーダとして非常に多彩な運用が可能となる。尚、
図7乃至図10では、B面を一定の捜索モードとした場
合について示したが、B面も独立に任意の運用モードを
選ぶことが可能である。また、独立に選択できることか
ら、両面の機能欠損が不釣合に起こった場合に最大限の
機能を発揮することができることはいうまでもない。
【0063】尚、上記実施形態では、アンテナ数が2個
の場合について説明したが、さらに多くのアンテナを用
いて覆域分割を行うことも可能であり、以上説明した効
果を享受することができる。
【0064】また、上記実施形態では、個々のアンテナ
にリニアアレイによる一次放射器を備えるリフレクタタ
イプのものを用いる場合について説明したが、アクティ
ブフェーズドアレイアンテナを用いても同様の効果が得
られることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、最大距
離、最大感度を低下させることなく、比較的安価な構成
で全周の捜索が可能で、捜索すべき全覆域に対して受信
感度を適合させることができ、特に長距離用として有用
な捜索レーダ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る捜索レーダ装置の一実施形態
のアンテナ構成を示す斜視図である。
【図2】 同実施形態の信号処理系の全体構成を示すブ
ロック図である。
【図3】 同実施形態のアンテナ及び送受信処理装置の
具体的な構成を示すブロック図である。
【図4】 同実施形態のEL合成部の具体的な構成を示
すブロック図である。
【図5】 同実施形態において、最大距離、低仰角の覆
域を捜索する場合の送受信時の各アンテナパターンを示
すパターン波形図である。
【図6】 同実施形態において、高仰角、近距離の覆域
を捜索する場合の送受信時の各アンテナパターンを示す
パターン波形図である。
【図7】 同実施形態の第1の運用内容を示す図であ
る。
【図8】 同実施形態の第2の運用内容を示す図であ
る。
【図9】 同実施形態の第3の運用内容を示す図であ
る。
【図10】 同実施形態の第4の運用内容を示す図であ
る。
【符号の説明】
11A,11B…アンテナ 11C…補助アンテナ 111…メインリフレクタ 112…サブリフレクタ 113…一次放射器 AT1〜ATm…アンテナ素子 12…支柱 13…回転台 14A,14B…送受信処理装置 14C…受信処理装置 141…送信機 142…可変分配器 1431〜143m…移相器 1441〜144m…送受切換器 1451〜145m…受信機 1461〜146m…A/D変換器 147…EL合成部 M1〜Mm…乗算器 ADD…加算器 148…係数発生器 149…信号処理部 1491…移動目標検出回路(MTI) 1492…パルスドプラ処理回路 14a…選択処理部 15…演算処理装置 16…マップ記憶部 17…表示装置

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】方位面内で回転する回転台と、 この回転台に互いに指向方向が異なるように載置され、
    それぞれ任意の仰角覆域を選択可能な複数のアンテナ
    と、 それぞれのアンテナに対応して設けられ、対応するアン
    テナ毎に独立して仰角覆域の制御及びレーダパルスの送
    受信を行う複数の送受信処理装置と、 前記複数の送受信処理装置に対し、モードに応じてそれ
    ぞれ対応するアンテナの送受信時における仰角覆域を指
    定し、時間的に少なくとも一部重畳する送信期間でアン
    テナ毎に異なる方位に送信させる送受信制御手段とを具
    備する捜索レーダ装置。
  2. 【請求項2】前記複数のアンテナは、それぞれ仰角面を
    複数に分割可能なアクティブ型であり、 前記複数の送受信処理装置は、対応するアンテナの仰角
    面分割領域を互いに独立して任意に設定する手段を備
    え、 前記送受信制御手段は、モードに応じて前記複数の送受
    信処理装置のアンテナ仰角面分割を制御する手段を備え
    ることを特徴とする請求項1記載の捜索レーダ装置。
  3. 【請求項3】前記複数のアンテナは、それぞれアンテナ
    素子を仰角方向に配列した一次放射器を備えるリフレク
    タ型であることを特徴とする請求項2記載の捜索レーダ
    装置。
  4. 【請求項4】前記複数のアンテナは、それぞれアンテナ
    素子を面配列したアクティブフェーズドアレイであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の捜索レーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記送受信制御手段は、前記複数の送受
    信処理装置に対し、前記レーダパルスの送信期間が全て
    のアンテナで同一であって、全てのアンテナで重畳する
    送信期間を共有するように制御することを特徴とする請
    求項1記載の捜索レーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記送受信制御手段は、前記複数の送受
    信処理装置に対し、前記モード毎に、前記レーダパルス
    の連続する送信期間がアンテナ毎に共通のもしくは異な
    る複数の互いに異なる周波数のサブパルスで構成される
    ように制御することを特徴とする請求項1記載の捜索レ
    ーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記送受信制御手段は、前記複数の送受
    信処理装置に対し、前記モード毎に、複数あるそれぞれ
    のサブパルスのパルス幅を変化させつつ、送信期間を一
    定時間幅に保つように制御することを特徴とする請求項
    6記載の捜索レーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記送受信制御手段は、前記複数の送受
    信処理装置に対し、前記モード毎に、連続する送信期間
    の構成を単一パルスと複数のサブパルスの切り替えを行
    うことを特徴とする請求項6記載の捜索レーダ装置。
  9. 【請求項9】 前記送受信制御手段は、前記複数の送受
    信処理装置に対し、前記モード毎に、複数あるそれぞれ
    のサブパルスのパルス幅を変化させるか単一パルスとす
    ることで、送信期間を一定時間幅に保つことを特徴とす
    る請求項6記載の捜索レーダ装置。
  10. 【請求項10】 前記送受信制御手段は、前記複数の送
    受信処理装置に対し、サブパルス毎の覆域を同一もしく
    は異なるものに切替制御することを特徴とする請求項6
    記載の捜索レーダ装置。
  11. 【請求項11】 前記送受信制御手段は、前記複数の送
    受信処理装置に対し、方位角毎にモードを切替制御する
    ことを特徴とする請求項1記載の捜索レーダ装置。
  12. 【請求項12】 さらに、前記複数のアンテナ毎に探知
    レポートを統合処理する探知レポート処理手段を備える
    ことを特徴とする請求項1記載の捜索レーダ装置。
  13. 【請求項13】 前記送受信制御手段は、前記探知レポ
    ート処理手段で得られる少なくとも一つのアンテナ探知
    レポートにより、次に同一方向を捜索するアンテナをそ
    の方向に送信エネルギーを集中させて、レポートの再確
    認を行う機能を備えることを特徴とする請求項12記載
    の捜索レーダ装置。
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