JP3455778B2 - 信号合成装置 - Google Patents

信号合成装置

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JP3455778B2
JP3455778B2 JP2000364661A JP2000364661A JP3455778B2 JP 3455778 B2 JP3455778 B2 JP 3455778B2 JP 2000364661 A JP2000364661 A JP 2000364661A JP 2000364661 A JP2000364661 A JP 2000364661A JP 3455778 B2 JP3455778 B2 JP 3455778B2
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ゆう子 花土
理人 今江
瑞彦 細川
衛 関戸
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独立行政法人通信総合研究所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、信号合成装置に
関し、とくに、非周期信号を低間隔でサンプリングして
元の信号を再現する信号合成装置に関する。本願発明は
高精度タイミング計測システムとして利用される。
【0002】
【従来の技術】現在、パルス信号がサンプリングオシロ
により計測されている。図19によりその原理を説明す
る。ここで観測信号22は周期をTとする。この観測信
号22について、周期Tより長い周期T+ΔTでサンプ
リングしていく。図19によるサンプリング点a、b、
c、d、e…を図20のように各周期の切り替え開始時
間から経過した時間(tb、tc、td、te…)と、
そのサンプル値をプロットしていく。そして、このプロ
ットした各点を曲線でつなげると1周期分の信号23が
再現される。そして、再現された信号を周期的に繰り返
すことにより元の観測信号22を再現した合成信号22
aが得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のサンプリングオ
シロにおける信号観測方式は観測信号が周期性を必要と
しており、例えば単一のインパルス応答信号は測定する
ことができない。また、各周期毎に安定した信号でない
と、再現された信号に「揺らぎ」が起きるという問題が
あった。
【0004】本願発明は、上記背景より、電離媒質を通
過した信号について、周期性あるいは非周期性の信号に
かかわらず、低間隔のサンプリングにより元の波形が再
現できる信号合成装置を供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
願発明による信号合成装置は、所定の帯域で受信された
電離媒質を通過する信号を複数の周波数チャネルに分割
する分割フィルタと、上記複数の周波数チャネルから出
力したデータをサンプリングするサンプリング手段と、
上記周波数ごとのサンプリングデータについて上記電離
媒質にて遅延された時間を対応する周波数ごとに補正す
る遅延補正部と、この補正された遅延補正データのサン
プリング点を重ね合わせて信号を合成する重ね合わせ部
とを具備することを特徴とする。また、所定の帯域で受
信された電離媒質を通過する信号を複数の周波数チャネ
ルに分割する分割フィルタと、上記複数の周波数チャネ
ルから出力したデータをサンプリングしこのサンプリン
グの際にすべての周波数チャネルの補間点を同一時刻で
揃えた状態で補間する補間部と、この補間された時間補
間データについて上記電離媒質にて遅延された時間を対
応する周波数ごとに補正する遅延補正部と、この補正さ
れた遅延補正データを重ね合わせて信号を合成する重ね
合わせ部とを具備することを特徴とする。また、請求項
2記載の信号合成装置において、上記補間部による補間
が直線にてなされることを特徴とする。また、請求項2
記載の信号合成装置において、上記補間部による補間が
曲線にてなされることを特徴とする。また、請求項2記
載の信号合成装置において、上記補間部による補間のた
めの分割が等分になされることを特徴とする。また、請
求項2記載の信号合成装置において、上記補間部による
補間のための分割が不等分になされることを特徴とす
る。また、請求項2記載の信号合成装置において、上記
重ね合わせ部による信号の合成が各サンプリング点の遅
延補正データの平均値を重ね合わせることを特徴とす
る。また、請求項2乃至請求項7のいずれか一記載の信
号合成装置において、上記分割フィルタにて分割された
信号を所定の同期信号により同期をとって複数回加算
し、次いで複数の周波数チャネルの遅延補正データを重
ね合わせて信号を合成することを特徴とする。また、請
求項2請求項8のいずれか一記載の信号合成装置におい
て、上記電離媒質を通過する信号を受信する手段がアン
テナであることを特徴とする。また、請求項1又は請求
項2のいずれか一記載の信号合成装置において、上記重
ね合わせ部によるデータの重ね合わせが複数の周波数チ
ャネルの全チャネルについてなされることを特徴とす
る。また、請求項1又は請求項2のいずれか一記載の信
号合成装置において、上記重ね合わせ部によるデータの
重ね合わせが複数の周波数チャネルについて選択的にな
されることを特徴とする。また、請求項1又は請求項2
記載の信号合成装置において、上記遅延補正をデジタル
処理により行うことをを特徴とする。また、請求項1又
は請求項2記載の信号合成装置において、上記遅延補正
をアナログ処理により行うことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本願発明による信号合成装
置の実施の形態を図面に示す基づき詳しく説明する。な
お、便宜上同一の機能を奏する部分には同一の符号を付
してその説明を省略する。
【0007】図1乃至図5は本願発明にかかる信号合成
装置の第一の実施の形態を示す。1はアンテナ、2はロ
ーカルオシレタ、3はミキサ、4はフィルタ、5は分割
フィルタ、6−1〜6−256は検波器、7−1〜7−
256はアナログ・デジタル変換部、10は遅延補正
部、11は重ね合わせ部、12は制御部であり、上記各
機器は電気的に接続されている。
【0008】アンテナ1は図示しない駆動部により可動
し、天体のパルサーについて追尾可能な機能を有してい
る。パルサー20から放射された信号は電離媒質21を
通過し、アンテナ1に到達する。アンテナ1により受信
した信号22は、ミキサ3により、ローカルオシレタ2
から出力されたローカル周波数の差である中間周波数
(IF周波数)に変換され、さらにフィルタ4を通って
fmin〜fmaxに帯域制限されたIF信号17とす
る。
【0009】IF信号17は、分割フィルタ5により、
図2に示すように、狭帯域の多チャネル(本実施例では
256チャネル)に分割される。該分割フィルタ5によ
り分割された各チャネルの信号は、検波器6−1〜6−
256により検波され、アナログ・デジタル変換部7−
1〜7−256によりアナログ信号がデジタル化され
る。ここで、アナログ・デジタル変換(A/D変換)さ
れたデジタルデータ(サンプリングデータ17a)は、
図3に示すように、Δtの間隔でサンプリングされる。
そして、サンプリングされた各チャネルのデータ17a
は遅延補正部10にて後に説明する[数1]により計算
した遅延量だけ遅延処理される。この遅延処理された遅
延補正データ18aは重ね合せ部11により1チャネル
(1ch)から256チャネル(256ch)までの全
チャネルが重ね合わされて合成され(図4)、点の集合
たる合成信号13として外部に出力される(図5)。
【0010】この点を図4及び図5に基づき詳しく説明
する。即ち、図4においては、上記した遅延補正を行っ
た後、各サンプリング点のデータを取り出してプロット
している。なお図4においては便宜上IF信号17の波
形を4チャネルに分割している。電離媒体21により遅
延された信号22はチャネル毎に遅延量が異なる。そし
て、周波数fが低くなる毎に遅延量(τ)が大きくなっ
ている。これを遅延補正することにより、各チャネルか
らの遅延補正データ18aが遅延前のように揃わず、図
4に示すようにばらばらになってくる。そこで、これら
位相がばらばらになったデータを全チャネル重ね合わせ
ることにより、次に述べる補間したことと同じ効果が得
られ、元のパルスが合成信号13(図5に詳しく示す)
として正確に再現される。すなわち、サンプリング間隔
が低くても全チャネルを重ね合わせるときにサンプリン
グ間隔が見かけ上向上したのと同じ効果が期待できるの
である。
【0011】上記第一の実施の形態は処理が簡単である
という利点があるので、サンプリングデータ17aを単
純に重ね合わせても信号再現性が損なわれない信号対雑
音比(S/N比)が良好の場合に適用するのが望まし
い。
【0012】図6乃至図11は本願発明にかかる信号合
成装置の第二の実施の形態を示す。この場合は補間によ
りサンプリング点を平均値としてプロットする。図6に
おいて、8は補間部、9はメモリであり、その余は図1
の場合と同様である。
【0013】アンテナ1は図示しない駆動部により可動
し、天体のパルサーについて追尾可能な機能を有してい
る。パルサー20から放射された信号は電離媒質21を
通過し、アンテナ1に到達する。アンテナ1により受信
した信号22は、ミキサ3により、ローカルオシレタ2
から出力されたローカル周波数の差である中間周波数
(IF周波数)に変換され、さらにフィルタ4を通って
fmin〜fmaxに帯域制限されたIF信号17とす
る。
【0014】IF信号17は、分割フィルタ5により、
図2に示すように、狭帯域の多チャネル(本実施例では
256チャネル)に分割される。該分割フィルタ5によ
り分割された各チャネルの信号は、検波器6−1〜6−
256により検波され、アナログ・デジタル変換部7−
1〜7−256によりアナログ信号がデジタル化され
る。ここで、アナログ・デジタル変換(A/D変換)さ
れたデジタルデータ(サンプリングデータ17a)は、
図7に示すように、Δtの間隔でサンプリングされる。
そして、サンプリングされた各チャネルのデータ17a
(例えば図7のa、b)は補間部8により直線補間され
る。本実施の形態では図7に示すようにa、bのΔt間
をc、d、e…のように10等分して直線補間してい
る。以下、各チャネルで直線補間されたデータを時間補
間データ18という。時間補間データ18はメモリ9に
蓄積される。メモリ9に蓄積された時間補間データ18
は遅延補正部10にて後に説明する[数1]により計算
した遅延量だけ遅延処理される。この遅延処理されたデ
ータ(遅延補正データ)18aは重ね合せ部11により
1チャネル(1ch)から256チャネル(256c
h)までの全チャネルが重ね合わされて合成され、点の
集合たる合成信号13として外部に出力される。
【0015】上記構成において、電離媒質21を通過し
た信号22は、電離媒質21の分散のために観測信号2
2の到着時間に周波数に応じたずれを生じる。すなわ
ち、周波数の高い成分は早く、低い成分は遅く到着す
る。そこで、観測信号22を周波数に応じたマルチチャ
ネルにより受信し、各チャネルについてそのチャネルの
周波数に対応して前記遅れ分を補正し、全チャネルの信
号を重ね合わせる。これにより、単一信号でも各チャネ
ルの信号の遅れ分がランダムになって重ね合わされるこ
とになり、サンプリング間隔を高くすることなく、補間
が行なわれて元の信号を正確に再現することができるの
である。
【0016】次に図8及び図9を参照して本願発明によ
る信号合成装置の動作を詳しく説明する。いずれも各チ
ャネルにおいてΔtの間隔でサンプリングされた観測デ
ータを合成する過程を模式的に描いた図で、図8は各観
測データの配置を立体的に示し、図9は波形を中心に描
いたものである。
【0017】まず各チャネルにおいて、A/D変換部7
−1〜7−256により、サンプリング間隔Δtの間隔
で8bitA/D変換が行われる(図8(1))。本実
施の形態では100回サンプリングする。よって、各チ
ャネルがΔtの間隔で100回サンプリングされる(図
8(2))。
【0018】次に、前記A/D変換されたデータは補間
部8によりΔt間を時間方向に10等分しこの間を直線
補間する(図8(3))。
【0019】次に、この直線補間されたデータは一度補
間部8内のメモリ9にバッファリングされる。メモリ9
はサンプリング間隔Δtで100回サンプリングした信
号を直線補間して得られた1000回(100×10)
のデータをバッファリングする。このように補間部8に
て前記サンプリングしたデータを10等分して補間する
ことにより、時間方向の分解能は見かけ上サンプリング
間隔ΔtからΔt/10に向上したことになる(図8
(4))。
【0020】次に、前記メモリ9にバッファリングされ
たデータは遅延補正部10により各チャネル毎に遅延補
正される。この際、[数1]によりΔt/10の分解能
で遅延補正される(図8(5))。
【0021】次に、遅延補正された1chから256c
hまでの全チャネルのデータは重ね合せ部11により重
ね合わせられて合成信号13が再現されるのである(図
8(6))。
【0022】上記したことを図9に基づき信号の合成と
いう観点より再説する。ここでは、サンプリングした波
形を10等分して遅延補正をした後、平均値を重ね合わ
せている。即ち、まず、各チャネルにおいてΔtの間隔
で100回サンプリングする(図9(1))。この10
0回のサンプリング期間の中に被測定パルスが含まれて
いる。また同図中A、B及びCは、夫々1ch、nc
h、256chにおけるサンプリングを示す。即ち、1
chは電離媒質21を通過するとτ1だけ遅延する。ま
た、nchはτnだけ遅延し、256chはτ256だ
け遅延する(図9(2))。ここで、τ1、τn、τ2
56はサンプリング周期に同期していない。また、1c
h、nch、256chにおけるA/D変換後のサンプ
リングデータ17aはサンプリング周期によりサンプリ
ングされるため、各サンプリング間のデータについては
欠落が起きる。そこで、本実施の形態は各チャネルの観
測データについて、補間部8によりサンプリング間隔Δ
tの間を更に10等分に分割して、直線補間することに
より精度を向上させている。
【0023】この点を図7を参照してさらに詳しく説明
する。図7のように、観測波形についてa、b間のΔt
を10等分し、各分割したデータを補間部8により直線
補間する。これに欠落したc、d、e…のデータを補充
するのである。この直線補間により、サンプリングデー
タ17aとしてのサンプリング波形A(図9(1))は
時間補間データ18としてのサンプリング波形A1とな
り、同Bはサンプリング波形B1となり、同Cはサンプ
リング波形C1となる(図9(2))。これらサンプリ
ング波形A1、B1、C1は、各サンプリング間隔を10
分割したため、全体では100×10=1000等分の
刻みになっている。
【0024】次に1ch乃至256chの全チャネルに
おいてサンプリング間隔を10分割し、メモリ9にバッ
ファリングする(図8(4)参照)。そして、各チャネ
ルについて遅延補正するために[数1]により計算す
る。計算した結果について、Δt/10の精度で丸め
る。チャネル1の遅延時間をτ1´、チャネルnの遅延
時間をτn´、チャネル256の遅延時間をτ256´
とする。τ1´は前記τ1、τn´はτn及びτ256
´はτ256に近似した値になっている(図9
(3))。
【0025】即ち、図9に示す時間補間データ18のサ
ンプリング波形A1につきτ1´だけ時間軸を戻すとそ
の波形は遅延補正された遅延補正データ18aからなる
波形A2となり、同様に同サンプリング波形B1をτn´
だけ時間軸を戻すとその波形はB2となり、同サンプリ
ング波形C1をτ256´だけ時間軸を戻すとその波形
はC2となる(図9(3))。
【0026】また、このサンプリングの際に、例えばチ
ャネル1の補間点j、チャネルnの補間点k、チャネル
256の補間点lを同一時刻で揃える。
【0027】このようにして、図9(3)に示すよう
に、各チャネルについて遅延時間を計算し、直線近似し
た波形について前記遅延時間τ1´、τn´、τ256
´だけ時間軸を戻す。そして前記の時間軸を戻すことに
より、時間軸の精度を損なうことなく、図9のサンプリ
ング波形Aをτ1、図同Bをτn、図同Cをτ256だ
け時間軸上において戻したことになる。
【0028】次に、重ね合わせ部11により1チャネル
から256チャネルまでの各チャネルの平均値を重ね合
わせる(図9(4))。即ち、上記遅延補正により時間
軸方向に移動した波形について、波高値を加算する。図
9(4)は1chの波高値(1ch−am)、nchの
波高値(nch−am)及び256chの波高値(25
6ch−am)を夫々A3、B3、C3として示してい
る。同様に他のチャネルの波高値も重ね合わせる。すな
わち、256ch全部の波高値を重ね合わせることによ
り合成信号13が算出されるのである。
【0029】ここで[数1]について説明する。天体か
ら到着するパルサー波形はその伝搬の際に、電離媒質に
よる分散により信号遅延を生ずる。この信号遅延は[数
1]のτによる。(参考文献:A.G.Lyne and F.Graham-
Smith,”Pulsar Astronomy”,pp. 28,Cambridge Univer
sity Press, 1990)
【0030】
【数1】
【0031】[数1]でDMはパルサーと地球が遠距離に
あるため一定値としても差し支えない。信号遅延は周波
数fの2乗に反比例する。図10はこの現象を模式的に
説明した図であり、電離媒質21を通った各チャネルの
波形が遅延される状態を示す。即ち、パルサー20の発
する信号を広帯域で受信する際に、帯域を狭帯域のチャ
ネルに分割して多チャネルで受信する。すると、周波数
fの高いチャネルの信号は早く到着し、周波数fの低い
チャネルの信号は遅く到着する。各チャネルにおける受
信信号の遅延量はチャネルの中心周波数をfとすると
[数1]によりτとなる。
【0032】そこで、パルサー20の発する信号22を
再現するため、図11に示すch1、ch2…のように
多チャネルで受信し、かかる受信波形を[数1]により
チャネルの周波数fに応じて遅延補正を行う。かくして
最終的に全チャネルの波形を合成することにより、元来
の信号22を合成信号13として再現するのである。
【0033】上記した図6乃至図11に基づく実施例
は、信号を直線補間して256ch×1000のメモリ
にバッファリングした後重ね合わせて単発の信号を再現
した場合である。しかし、実際のパルサー20から放射
している信号の波形は弱いため、パルサー20の周期毎
に上記した実施例と同様の方法を繰り返すと更に正確
で、信号対雑音比(S/N比)の高い信号が再現でき
る。
【0034】図12及び図13はこのような場合を示
す。図12は信号をパルサー20の周期毎に重ね合わせ
る方法を示したブロック図であり、図13はこの方式を
模式的に説明するためのデータの流れを説明した図であ
る。本実施例ではアナログ・デジタル変換部7−1〜7
−256により変換された各チャネルのデータを加算回
路14−1〜14−256およびメモリ15−1〜15
−256により信号周期毎に加算および蓄積を繰り返し
ている。本実施例では、パルサー20からの信号周期毎
に100回のサンプリングが行われる。ここで、前記加
算および蓄積の繰り返し回数Nは、例えば分単位などを
選択することができる。
【0035】この実施例においても、256ch×10
0のメモリ15は時間方向に10等分して直線補間さ
れ、256ch×1000に変換されてメモリ9に蓄積
される。そして、メモリ9に蓄積されたデータは遅延補
正部10にて[数1]により時間方向に遅延補正が行わ
れ、重ね合わせ部11にて全chのデータが重ね合わさ
れ、合成信号13が出力される。
【0036】また、予測周期計算部16は予め外部の計
算機あるいは計測器から入力され、信号としての周期が
確定している。
【0037】上記第二の実施の形態は、パルサー20か
らの信号22のように信号対雑音比(S/N比)が不良
の場合にノイズの影響を相殺できるので、信号再現性に
優れるという利点がある。
【0038】パルサーPSR1937+21についてサンプリング
間隔16μsにより観測した結果を図14(A)に示
す。横軸の分解能は上述したサンプリング間隔を10分
割した時間である。また縦軸は2Vを256等分した強
度を示す。即ち、0.1の場合、0.1×2/256V
=0.0078125Vになる。そして、243chの
みの強度、245chのみの強度、及び1chから25
6chまでの全チャネル合成後の強度を示す。これによ
り全チャネルを合成すると明確な信号が再現されること
が分かる。図14(B)は時間軸における50〜250
の間を拡大して示した図である。拡大しても全chを合
成すると信号の形が崩れていないことが分かる。
【0039】本願発明による信号合成装置は上記した実
施の形態に限定されない。例えば、周波数チャネルの分
割個数は任意であり、256個に限定されない。
【0040】また、地球の表面近くには太陽から放射す
るプラズマにより電離媒質を生成しているので、本願発
明の方式により人工衛星から放射する信号を正確に再現
することにも適用することができる。
【0041】また補間部による補間は直線補間に限られ
ず、円弧、N次曲線等の曲線補間であってもよい。
【0042】また、サンプリングは観測信号22の周期
Tより短い周期t−Δtでも同じ効果を得ることができ
る。
【0043】また、補間のための分割は、不等分にする
場合も考えられ、信号の傾斜に合わせて細かくしたり荒
くしたりして、任意の間隔で分割してもよい。この場
合、全チャネルの時間補正データを重ね合わせて合成波
形を求める際に、すべての周波数チャネルの補間点を同
一時刻にそろえることが難しくなる。そこで、重ね合わ
せの際、サンプリング時間で、再度そのサンプリング時
間における各チャネルの補間値を求め、該補間値を重ね
合わせて合成波形を求めるとよい。
【0044】またサンプリングされる重ね合わせ部で
は、合成された信号の精度及び波形が実用上問題なけれ
ば、全チャネルを重ね合わせることなく、複数のチャネ
ルを選択して重ね合わせることとしてもよい。図16乃
至図18はかかる場合を示す。即ち、図15は通常の使
い方であり、バンド幅(BW)を均等に256チャネル
に分割する場合である。これに対し、図16は1バンド
ずつ歯抜け状態にして、全体で例えば128チャネルに
する場合である。図17は1バンド(BW/256)を
バンド幅(BW)の中央に128チャネル分集中させる
場合である。 図18は1バンドをBW/128として
広くし、バンド幅(BW)の中に128チャネル分入れ
る場合である。
【0045】さらに、上記した各実施の形態においては
遅延補正についてデジタル処理を行った場合を示した
が、アナログのデレーライン等を使用してもよい。
【0046】さらに、合成信号13は、図示しないフィ
ルタを通過させることにより、連続線として出力するこ
ともできる。
【0047】
【発明の効果】このように本願発明による信号合成装置
によれば、電離媒質を通過した信号について、周期性あ
るいは非周期性の信号にかかわらず、低間隔のサンプリ
ングにより元の波形を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明による信号合成装置の第一の実施の形
態を示す構成図である。
【図2】本願発明による信号合成装置のIF信号をチャ
ネル毎に分割した状態を示す説明図である。
【図3】本願発明による信号合成装置の動作原理を示す
説明図である。
【図4】本願発明による信号合成装置の動作原理を説明
する概念図である。
【図5】図4により合成された信号を示す図である。
【図6】本願発明による信号合成装置の第二の実施の形
態の一実施例を示す構成図である。
【図7】本願発明による信号合成装置の補間部の動作原
理を示す説明図である。
【図8】本願発明による信号合成装置の信号合成を行な
うための動作を説明するための図であり、各観測データ
の配置を立体的に示すものである。
【図9】本願発明による信号合成装置の信号合成を行な
うための動作を説明するための図であり、波形を中心に
描いたものである。
【図10】[数1]による現象を説明する模式図であ
る。
【図11】[数1]による現象を説明する模式図であ
る。
【図12】本願発明による信号合成装置の第二の実施の
形態の他の実施例を示す構成図である。
【図13】図12の場合の動作を示す説明図である。
【図14A】本願発明による信号合成装置の実測データ
から全チャネルのデータを合成し信号を再現した場合と
1チャネルのデータにより信号を合成した場合について
対比して示したグラフである。
【図14B】図14AのB部拡大図である。
【図15】本願発明による信号合成装置の実施の形態を
示し、重ね合わせ部によるデータの重ね合わせの態様の
一例を示す説明図である。
【図16】本願発明による信号合成装置の実施の形態を
示し、重ね合わせ部によるデータの重ね合わせの態様の
他の例を示す説明図である。
【図17】本願発明による信号合成装置の実施の形態を
示し、重ね合わせ部によるデータの重ね合わせの態様の
さらに他の例を示す説明図である。
【図18】本願発明による信号合成装置の実施の形態を
示し、重ね合わせ部によるデータの重ね合わせの態様の
さらに他の例を示す説明図である。
【図19】サンプリングオシロの原理を説明するための
図である。
【図20】サンプリングオシロの原理を説明するための
図である。
【符号の説明】
1 アンテナ 2 ローカルオシレタ 3 ミキサ 4 フィルタ 5 分割フィルタ 6 検波器 7 アナログ・デジタル変換部 8 補間部 9 メモリ 10 遅延補正部 11 重ね合せ部 12 制御部 13 合成信号 14 加算回路 15 メモリ 16 予測周期計算部 17 IF信号 17a サンプリングデータ 18 時間補間データ 18a 遅延補正データ 20 パルサー 21 電離媒質 22 観測信号 22a 合成信号 23 信号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関戸 衛 茨城県鹿嶋市平井893−1 郵政省通信 総合研究所 鹿島宇宙通信センター内 (56)参考文献 特開 平11−220429(JP,A) 特開 平1−197640(JP,A) 特開 平1−107180(JP,A) 特開 平7−154818(JP,A) 特開 昭55−66114(JP,A) 特開 平7−131294(JP,A) 特開 昭62−30296(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 13/00 - 13/42

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の帯域で受信された電離媒質を通過
    する信号を複数の周波数チャネルに分割する分割フィル
    タと、上記複数の周波数チャネルから出力したデータを
    サンプリングするサンプリング手段と、上記周波数ごと
    のサンプリングデータについて上記電離媒質にて遅延さ
    れた時間を対応する周波数ごとに補正する遅延補正部
    と、この補正された遅延補正データのサンプリング点を
    重ね合わせて信号を合成する重ね合わせ部とを具備する
    ことを特徴とする信号合成装置。
  2. 【請求項2】 所定の帯域で受信された電離媒質を通過
    する信号を複数の周波数チャネルに分割する分割フィル
    タと、上記複数の周波数チャネルから出力したデータを
    サンプリングしこのサンプリングの際にすべての周波数
    チャネルの補間点を同一時刻で揃えた状態で補間する補
    間部と、この補間された時間補間データについて上記電
    離媒質にて遅延された時間を対応する周波数ごとに補正
    する遅延補正部と、この補正された遅延補正データを重
    ね合わせて信号を合成する重ね合わせ部とを具備するこ
    とを特徴とする信号合成装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の信号合成装置において、
    上記補間部による補間が直線にてなされることを特徴と
    する信号合成装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の信号合成装置において、
    上記補間部による補間が曲線にてなされることを特徴と
    する信号合成装置。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の信号合成装置において、
    上記補間部による補間のための分割が等分になされるこ
    とを特徴とする信号合成装置。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の信号合成装置において、
    上記補間部による補間のための分割が不等分になされる
    ことを特徴とする信号合成装置。
  7. 【請求項7】 請求項2記載の信号合成装置において、
    上記重ね合わせ部による信号の合成が各サンプリング点
    の遅延補正データの平均値を重ね合わせることを特徴と
    する信号合成装置。
  8. 【請求項8】 請求項2乃至請求項7のいずれか一記載
    の信号合成装置において、上記分割フィルタにて分割さ
    れた信号を所定の同期信号により同期をとって複数回加
    算し、次いで複数の周波数チャネルの遅延補正データを
    重ね合わせて信号を合成することを特徴とする信号合成
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項2請求項8のいずれか一記載の信
    号合成装置において、上記電離媒質を通過する信号を受
    信する手段がアンテナであることを特徴とする信号合成
    装置。
  10. 【請求項10】 請求項1又は請求項2のいずれか一記
    載の信号合成装置において、上記重ね合わせ部によるデ
    ータの重ね合わせが複数の周波数チャネルの全チャネル
    についてなされることを特徴とする信号合成装置。
  11. 【請求項11】 請求項1又は請求項2のいずれか一記
    載の信号合成装置において、上記重ね合わせ部によるデ
    ータの重ね合わせが複数の周波数チャネルについて選択
    的になされることを特徴とする信号合成装置。
  12. 【請求項12】 請求項1又は請求項2記載の信号合成
    装置において、上記遅延補正をデジタル処理により行う
    ことをを特徴とする信号合成装置。
  13. 【請求項13】 請求項1又は請求項2記載の信号合成
    装置において、上記遅延補正をアナログ処理により行う
    ことを特徴とする信号合成装置。
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