JP3454958B2 - プレハブコンクリートパネルとそのケーブル接合部構造とケーブル用配管部材 - Google Patents

プレハブコンクリートパネルとそのケーブル接合部構造とケーブル用配管部材

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JP3454958B2
JP3454958B2 JP04015295A JP4015295A JP3454958B2 JP 3454958 B2 JP3454958 B2 JP 3454958B2 JP 04015295 A JP04015295 A JP 04015295A JP 4015295 A JP4015295 A JP 4015295A JP 3454958 B2 JP3454958 B2 JP 3454958B2
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崎 昇 山
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株式会社サンショウ
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、建造物を構成するコ
ンクリート成型品からなるプレハブコンクリートパネル
とそのケーブル接合部構造とケーブル用配管部材に係
り、特にパネル接合部のケーブル接続構造を簡略化した
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、予め工場でプレハブコンクリー
トパネルを多数成型し、建設現場でこれらのパネルを組
み立てて建造物を構築する技術が知れられている。これ
らの建造物、特にビル等は、動力・照明用の電気ケーブ
ルや、情報伝達用の弱電用電気ケーブルあるいは光ケー
ブルを建物内に多数敷設しなければならない場合が多
い。
【0003】従来から、プレハブコンクリートパネル内
にケーブル等を通す管路を設け、ケーブル等をそのケー
ブル用管路に通して建物内部の壁面にケーブル等が露出
しないようにすることが広く行われていた。
【0004】この場合、プレハブコンクリートパネル同
士の接合部には、ケーブルを接続したり、ケーブルを引
っ張って各パネルのケーブル用管路に通すための切欠部
分(これを一般に「コッター」と呼んでおり、本明細書
において単に「コッター」という)を設けていた。
【0005】プレハブコンクリートパネルの製造業者に
おいては、プレハブコンクリートパネルの成型段階で、
ケーブル等を接続あるいは引っ張ったりする作業空間を
考慮し、プレハブコンクリートパネルに上記コッターを
設けていた。
【0006】図7は、従来のパネル接合部におけるケー
ブル接合部構造を示している。
【0007】図7(a) は、ベランダや屋根等の上部の水
平なプレハブコンクリートパネルに、下方から垂直なプ
レハブコンクリートパネルが当接している場合のパネル
のケーブル接合部構造を示している。
【0008】図7(a) において、上部の水平なプレハブ
コンクリートパネル30は、垂直なプレハブコンクリー
トパネル31と当接する部分に、パネルを上下に貫通す
る貫通孔32aと、パネル頂部で水平方向に延在する切
欠部32bとからなるコッター32を有している。
【0009】水平なプレハブコンクリートパネル30の
内部には、前記コッター32の水平方向の切欠部32b
に連通するケーブル用配管33が設けられている。
【0010】垂直なプレハブコンクリートパネル31の
内部には、壁面に沿って垂直に延在するケーブル用配管
34が設けられている。このケーブル用配管34は、垂
直なプレハブコンクリートパネル31の頂面に開口し、
コッター32に連通している。
【0011】図7(b) は、たとえば屋根の角部等のよう
に、縁部に立上り部35aを有する上部のプレハブコン
クリートパネル35の縁部に、下方から垂直なプレハブ
コンクリートパネル36が当接しているパネルのケーブ
ル接合部構造を示している。
【0012】上部のプレハブコンクリートパネル35
は、垂直なプレハブコンクリートパネル36と当接する
部分に、パネルを上下に貫通する貫通孔37aと、パネ
ル頂部で水平方向に延在する切欠部37bと、立上り部
35aの基部にある成型時の型抜き用の切欠部37cと
からなるコッター37を有している。
【0013】プレハブコンクリートパネル35の内部に
は、コッター37の水平方向の切欠部37bに連通する
ケーブル用配管38が設けられている。
【0014】垂直なプレハブコンクリートパネル36の
内部には、壁面に沿って垂直なケーブル用配管39が延
在している。このケーブル用配管39は、プレハブコン
クリートパネル36の頂面に開口し、コッター37に連
通している。
【0015】上記パネルのケーブル接合部構造において
は、建設現場で作業員がコッター32,37に手を入
れ、ケーブル用配管33,34,38,39内部にケー
ブルを挿通し、あるいはコッター32,37でケーブル
同士を接続する。
【0016】ケーブルを挿通・接続させた後は、コッタ
ー32,37のケーブルにカバーを取り付け、生コンク
リートを打設することによってコッター32,37の空
間を充填する。
【0017】図8は、上記施工を施した図7(a) のケー
ブル接合部を示している。図8に示すように、ケーブル
接続完了後は、ケーブルはカバー40(カバー40は可
撓性パイプであっても、ケーブルを通すときにその内部
に通す)によって外側を覆われ、コッター32は建設現
場で打設したコンクリート41によって充填されてい
る。
【0018】さらに、水平プレハブコンクリートパネル
30の頂面は、コンクリート41とコッター32の間の
隙間から水が漏れるのを防止するアスファルト等の防水
コーティング42が設けられている。
【0019】次に上記プレハブコンクリートパネルの成
型について以下に説明する。
【0020】図9は、従来のプレハブコンクリートパネ
ルの成型前の型枠等を準備した状態を示している。従来
のプレハブコンクリートパネルはコッターを設けるため
に、ベース43上に立設した型枠44の内面にコッター
を形成する突出部45を設けていた。このコッター用突
出部45を回避するために、構造用下端筋(以下下端筋
という)46は一部を切り欠き、型枠44の底部に敷設
した後に下端筋の切欠部に補強筋47を補充していた。
【0021】コッター45の端面にはケーブル用配管接
続用の治具48が取り付けられており、この治具48に
ケーブル用配管49を挿着し、ケーブル用配管49の上
方に、上端筋50を配設していた。
【0022】従来のプレハブコンクリートパネルは、上
記した状態に型枠等を準備した後に、型枠内にコンクリ
ートを流し込み、プレハブコンクリートパネルを成型し
ていた。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プレハブコンクリートパネルは、上述したように型枠に
コッター用突出部を設け、下端筋の一部を切り欠き、下
端筋の敷設後に補強筋を補充するようにしていたので、
プレハブコンクリートパネルの成型に手間と時間がかか
っていた。
【0024】また、建設時においては、コッター部にケ
ーブルを通した後に、ケーブルの外側にケーブルを保護
するカバーを取り付け、さらにコッターの空間をコンク
リートで充填していた。このため、建設現場での作業が
多くなり、建設費の高騰と建設時間の長期化を招いてい
た。
【0025】特に、プレハブコンクリートパネルの一方
が屋根板である場合は、コッターの空間をコンクリート
で埋めた後に、プレハブコンクリートパネルとコッター
内のコンクリートの間から漏水を防止するために、防水
工事を広い範囲で行わなければならなかった。この場合
は、さらに現場工事が煩雑化した。
【0026】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の
課題を解決し、成型が簡単であり、かつ、現場建設の手
間と時間を軽減するプレハブコンクリートパネルとその
ケーブル接合部構造とケーブル用配管部材を提供するこ
とにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に係るプレ
ハブコンクリートパネルは、建造物を構成するコンクリ
ート成型品からなるプレハブコンクリートパネルにおい
て、パネル壁体内に延設したケーブル用配管によって形
成されたケーブル用管路と、前記ケーブル用配管に接続
され、前記ケーブル用配管より大きい内部空間を有する
接続部部材と、前記接続部部材がパネル接合部のコッタ
ーに開口し、ケーブルの曲がりを許容する前記接続部部
材の内部空間と前記コッターの内部空間とからなる内部
空間を有するケーブル接続用凹部と、を有していること
を特徴とするものである。
【0028】本願請求項2に係るプレハブコンクリート
パネルは、請求項1に係るプレハブコンクリートパネル
において、前記ケーブル接続用凹部は、パネル接合部の
パネル壁面の開口部に向かって漸次拡開する内部空間を
有していることを特徴とするものである。
【0029】本願請求項3に係るプレハブコンクリート
パネルは、建造物を構成するコンクリート成型品からな
るプレハブコンクリートパネルにおいて、パネル壁体内
に延設したケーブル用配管によって形成されたケーブル
用管路と、前記ケーブル用配管に接続され、前記ケーブ
ル用配管より大きい内部空間を有する接続部部材とを有
し、前記ケーブル用配管と前記接続部部材の間に湾曲し
たエルボ部材を介設して、湾曲部を有するケーブル用管
路とケーブル接続用凹部とを形成したことを特徴とする
ものである。
【0030】本願請求項4に係るプレハブコンクリート
パネルは、請求項3のプレハブコンクリートパネルにお
いて、前記ケーブル接続用凹部は、パネル接合部のコッ
ターに開口していることを特徴とするものである。
【0031】本願請求項5に係るプレハブコンクリート
パネルのケーブル接合構造は、前記請求項1ないし請求
項3のいずれかに記載のプレハブコンクリートパネルの
接合部の壁面を互いに接合させ、前記ケーブル接続用凹
部の開口部をほぼ一致させたことを特徴とするものであ
る。
【0032】本願請求項6に係るプレハブコンクリート
パネルのケーブル接合構造は、前記請求項1あるいは前
記請求項2に記載のプレハブコンクリートパネルと前記
請求項3あるいは前記請求項4に記載のプレハブコンク
リートパネルの接合部の壁面を互いに接合させ、前記請
求項1あるいは前記請求項2に記載のケーブル接続用凹
部が、前記請求項3あるいは前記請求項4に記載のケー
ブル接続用凹部に開口するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0033】
【0034】本願請求項7に係るプレハブコンクリート
パネルのケーブル用配管部材は、ケーブル用配管と、前
記ケーブル用配管に接続可能、あるいは前記ケーブル用
配管と一体に成形されたエルボ部材と、前記エルボ部材
に接続可能、あるいは前記エルボ部材と一体に成形され
た前記ケーブル用配管より大きい内部空間を有する接続
部部材とを有していることを特徴とするものである。
【0035】
【作用】本願請求項1ないし請求項3のプレハブコンク
リートパネルによれば、ケーブル用管路とケーブル接続
用凹部が、それぞれパネル壁体内に配設したケーブル用
配管と接続部部材等によって形成される。これらケーブ
ル用配管と接続部部材等を使用することにより、本発明
のプレハブコンクリートパネルは、成型が容易なものと
なる。
【0036】すなわち、上記請求項3のプレハブコンク
リートパネルは、成型用の型枠にコッター用の突出部を
設けたり、下端筋に切欠部を設けたりする必要がない。
成型に際しては、パネル成型用型枠の底部に、切り欠い
ていない下端筋を配置し、その上にケーブル用配管と接
続部部材等を配置し、さらにその上に上端筋を配置すれ
ば、コンクリートを流し込んで成型することができる。
【0037】ケーブル接続用凹部は、コッターのように
広がった内部空間を有しているので、ケーブル接続部に
おいてコッターのようにケーブルの曲がりを許容するこ
とができる。
【0038】本願請求項4のプレハブコンクリートパネ
ルはコッターを有し、このコッターは、ケーブルの接続
等のために外部からケーブルに接近する必要があるパネ
ル接合部に対して、接近用の開口部を提供する。
【0039】本願請求項5のプレハブコンクリートパネ
ルのケーブル接合部構造によれば、隣接するプレハブコ
ンクリートパネルの接続用凹部同士が、互いに開口部を
一致させて一つの空間を形成する。上記ケーブル接合部
構造により、一本のケーブルを複数のプレハブコンクリ
ートパネルに通すような場合、一つのパネルのケーブル
用管路から、パネル接合部の上記接続用凹部の空間を通
って、他のパネルのケーブル用管路にケーブルを通すこ
とができる。
【0040】このケーブル接合部構造によれば、外部に
開放する開口部がないので、ケーブルを通した後にパネ
ル接合部のケーブルにカバーを取り付けたり、開口部を
コンクリートで充填したり、表面に防水工事を施したり
する必要がない。これによって、建設現場の工事を大幅
に簡略化できる。
【0041】本願請求項6のプレハブコンクリートパネ
ルのケーブル接合部構造によれば、隣接するプレハブコ
ンクリートパネルの接合部で、接続用凹部同士がコッタ
ーを介して互いに向き合う構造となっている。
【0042】このパネルのケーブル接合構造は、一つの
建物で本願請求項5と組み合わされて使用され、このケ
ーブル接合部のコッターからケーブルを引っ張ったり、
ケーブル同士を接続したりする作業空間を提供すること
ができる。すべてのケーブルを通した後は、請求項6の
コッターは、コンクリート等によって充填される。
【0043】本願請求項7のプレハブコンクリートパネ
ルのケーブル用配管部材によれば、パネル成型時に、型
枠内に下端筋を配設した後に、型枠や成型用のベースに
接するように接続部部材を配置し、この接続部部材に必
要なエルボ部材を介してケーブル用配管を接続すれば、
コンクリートを流し込み可能となる。
【0044】すなわち、このケーブル用配管部材によれ
ば、コッター用の突出部を設ける必要がないので、下端
筋の切り欠く必要もなく、成型のための準備作業が大幅
に簡略化される。また、型枠に固定的なコッター用突出
部を設ける必要がないので、ケーブルの配管経路が変更
された場合も、容易にこれに対応することができる。
【0045】
【実施例】以下に本発明によるプレハブコンクリートパ
ネルとそのケーブル接合部構造とケーブル用配管部材に
ついて、添付の図面を用いて説明する。
【0046】図1は、本発明によるプレハブコンクリー
トパネルを用いて構成したパネル接合部とそのケーブル
接合部構造を示している。
【0047】図1のパネル接合部は、ベランダや屋根等
の上部の水平なプレハブコンクリートパネル1に対し
て、下方から垂直なプレハブコンクリートパネル5が当
接している構造を有している。
【0048】上部の水平なプレハブコンクリートパネル
1は、パネル壁体内にケーブル用配管2と、ケーブル用
配管2に接続されたエルボ部材3と、エルボ部材3の他
端に接続された接続部部材4とを有している。
【0049】本実施例の接続部部材4は、ケーブル用配
管2に比して大きな内径を有し、一端がケーブル用配管
2に接続し、他端がパネル1の底面に接する開放端をな
し、開放端に向かってわずかに拡開する円筒状の部材か
らなる。
【0050】上記ケーブル用配管2と、エルボ部材3
と、接続部部材4によって、水平プレハブコンクリート
パネル1は、壁体内部に延在するケーブル用管路と、パ
ネル底面に開口するケーブル接続用凹部とからなる連続
したケーブル用通路を形成している。
【0051】一方、垂直なプレハブコンクリートパネル
5は、パネル接合部にコッター6を有し、パネル壁体内
に上記コッター6に開口する接続部部材4’と、接続部
部材4’に接続するケーブル用配管2’とを有してい
る。上記接続部部材4’とケーブル用配管2’によっ
て、パネル5内部にはコッター6に連通するケーブル用
通路が形成されている。
【0052】図2は、上記パネル1と5の接合部分を拡
大して示している。
【0053】図2(a) に示すように、本実施例のパネル
1のケーブル用配管2は、可撓性を有するように管壁に
凹凸を付した樹脂製配管からなる。ケーブル用配管2
は、継手7aを介してエルボ部材3の一端に接続されて
いる。エルボ部材3の他端は、継手7bを介して接続部
部材4に接続されている。一方、パネル5のケーブル用
配管2’は継手7cを介して接続部部材4’に接続され
ている。
【0054】図2(b) は、パネル接合部をコッター6の
開口部側から見たパネルの断面を示している。パネル1
内にはケーブル用配管2によるケーブル管路8が形成さ
れている。このケーブル管路8は、最終的にコッター6
に連通している。
【0055】このケーブル接合部構造によれば、コッタ
ー6内に作業員の手が入れられ、ケーブル通路にケーブ
ルを通すためにケーブルを引っ張ったり、コッター6内
でケーブルを接続することが可能となる。
【0056】本実施例のパネル接合部構造は、図7(a),
(b) ,図8に示した従来の同様なパネル接合部構造と比
べれば明らかなように、コッターの形状が極めて簡単で
ある。このため、コッターに関してプレハブコンクリー
トパネルの成型が大幅に容易になる。
【0057】また、建設現場でコッターをコンクリート
で充填した後に、図8に示した従来のパネル接合部構造
では上部の水平パネル30の頂面に防水工事42を施さ
なければならなかったのに対し、本実施例のパネル接合
部構造では上部の水平パネルにもともと開口部を有して
いないので、パネル頂面に防水工事を施す必要がない。
【0058】なお、上記ケーブル用配管2とエルボ部材
3、あるいはエルボ部材3と接続部部材4は、継手7
a,7bを介して接続しているが、ケーブル用配管2と
エルボ部材3、あるいはエルボ部材3と接続部部材4
は、直接接続していてもよく、あるいは一体に成形され
ていてもよい。
【0059】次に、他の形態のパネル接合部構造におけ
る本発明の作用・効果について説明する。
【0060】図3は、上部の水平なプレハブコンクリー
トパネル9の縁部分に、垂直なプレハブコンクリートパ
ネル5が下方から当接しているパネル接合部構造を示し
ている。
【0061】図3のパネル接合部構造は、上部のプレハ
ブコンクリートパネル9が、その縁部分に立上り部9a
を有しているほかは、図1のパネル接合部構造と同一の
構成を有しているので、図1と同一部分については同一
の符号を付して説明を省略する。
【0062】このパネル接合部構造によれば、図7(b)
に示した従来の同様なパネル接合部構造と比べ、コッタ
ー形状が簡単であることと、上部パネルの防水工事が不
要なことのほかに、いわゆる型抜き用コッター(図7
(b) の型抜き用コッター37c参照)を必要としない。
【0063】次に、本発明によるさらに他の形態のプレ
ハブコンクリートパネルのケーブル接合部構造について
以下に説明する。
【0064】図4は、接続用凹部の開口部同士を一致す
るようにしたプレハブコンクリートパネルのケーブル接
合部構造を示している。なお、図1と同一の部分につい
ては、図1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】図4のパネル接合部において、プレハブコ
ンクリートパネル10は図1の水平プレハブコンクリー
トパネル1と全く同一の構成を有している。
【0066】これに対して、垂直のプレハブコンクリー
トパネル11はコッターを有しておらず、接続部部材
4’によるケーブル接続用凹部がプレハブコンクリート
パネル11の上端面に開口している。接続部部材4と接
続部部材4’の開口部は、互いに一致する位置に設けら
れている。
【0067】このケーブル接合部構造は、作業員が直接
ケーブルに触れる必要がない場所のケーブル接合部に特
に好適である。このようなケーブル接合部としては、た
とえば、図示しない他のパネル開口部からケーブルを引
っ張ってケーブルを通すだけのケーブル接合部などがあ
る。
【0068】このようなケーブル接合部構造によれば、
接続部部材4と接続部部材4’のケーブル接続部凹部
が、互いに開口部を一致させて一つの比較的大きな空間
を形成し、ケーブルの湾曲を許容するので、ケーブルを
容易に挿通させることができる。
【0069】図5は上記図4のケーブル接合部構造の他
の実施態様であって、接合部分を拡大して示したもので
ある。
【0070】図5のケーブル接合部構造では、上部の水
平なプレハブコンクリートパネル12は、壁体内部にケ
ーブル用配管13を有し、このケーブル用配管13は継
手14を介してエルボ部材15bと一体に成形された接
続部部材15に接続している。
【0071】接続部部材15は、エルボ部分15bとラ
ッパ状部分15aとからなり、ラッパ状部分15aはエ
ルボ部分15bからパネル12の底面の開口部に向かっ
て内径が漸次拡開している。
【0072】下部の垂直なプレハブコンクリートパネル
16は、壁体内部にケーブル用配管17を有し、このケ
ーブル用配管17は継手18を介してラッパ状部分のみ
からなる接続部部材19に接続している。接続部部材1
9は、接合部のパネル頂面に大径の開口部を有してい
る。
【0073】パネル12の接続部部材15と、パネル1
6の接続部部材19は、互いに開口部が一致する位置に
設けられている。
【0074】本実施例のケーブル接合部構造によれば、
ケーブルを挿通する際に、ケーブルの先端が接続部部材
19のラッパ状傾斜面に案内され、隣接するパネルのケ
ーブル用配管内に挿入される。
【0075】これにより、ケーブルの挿通作業がきわめ
て容易になり、かつ、外部に露出する開口部を有してい
ないので、ケーブルを挿通した後にコッター部等にコン
クリート充填や防水工事を施す必要がない。
【0076】また、本発明によるプレハブコンクリート
パネルは、成型作業が極めて容易である利点を有する。
このことを図6を用いて以下に説明する。
【0077】図6は、コンクリートを流し込む前の型
枠、ケーブル用配管、接続部部材等配置を示している。
図6に示すように、本発明のプレハブコンクリートパネ
ルは、成型前に、ベース20上に型枠21を囲むように
立設し、その内側下部に格子状の切り欠いていない下端
筋22を配設し、所定の位置に接続部部材23とエルボ
部材24とケーブル用配管25を含むケーブル用配管部
材を配置し、さらに複数のスペーサー26によってケー
ブル用配管部材を支持し、その上方に格子状の構造用上
端筋27を配置し、ケーブル用配管25がコンクリート
打設による位置ズレを保持するために、前記上下端筋2
2,27と結束線などで拘束する。
【0078】このように準備した型枠21に、コンクリ
ートを流し込んでプレハブコンクリートパネルを成型す
る。
【0079】上記成型方法の説明から明らかなように、
本発明のプレハブコンクリートパネルは、型枠にコッタ
ー用の突出部を設ける必要がないので、下端筋22を切
り欠いたり、型枠内に下端筋22を配置した後に補強筋
を補充する必要がない。また、ケーブル用配管部材を自
由な位置に配置できるので、パネルによってケーブルの
配管経路が変更する度に、コッター用突出部を移設する
等、型枠21の変更を必要としない。また、ケーブル用
配管25が、継手を介してエルボ部材24にしっかり接
続されているので、スペーサー26などを適当に用いる
ことにより、ケーブル用配管25等がコンクリートの流
し込みによって脱落することがない。
【0080】なお、上記実施例は、接続用凹部はすべて
接続部部材によって形成されている場合について説明し
ているが、接続部部材を有することなく、単にケーブル
接続部のコンクリートパネルに、比較的大径な、あるい
はラッパ状に拡開するケーブル接続用凹部を設けるよう
にしてもよい。
【0081】また、上記実施例の説明では、ケーブル接
続用凹部は、いずれも横断面円形の形状を有している
が、ケーブル接続用凹部の形状はこれに限定されること
なく、たとえば、横断面楕円形あるいは長円形等のケー
ブル接続用凹部としてもよい。
【0082】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によるプレハブコンクリートパネルのケーブル接合部構
造によれば、コンクリートによる充填や防水加工が必要
なコッターの数が最小限に抑えられ、現場工事が大幅に
減少される。
【0083】また、コッターを有していないケーブル接
合部構造では、パネルを組み合わせれば、ケーブル用通
路が形成され、工事を迅速に行うことができる。
【0084】すなわち、本発明のケーブル接合部構造に
よれば、全体として建設工事の迅速化・省力化・低価格
化等を図ることができる。
【0085】また、本発明のプレハブコンクリートパネ
ルによれば、コッターを設ける必要が大幅に減少され
る。コッターが無いパネルの成型では、下端筋を切り欠
く必要がなく、また、補強筋を補充する必要もない。さ
らに、パネルによってケーブルの配管経路が変更されて
も、単にケーブル用配管部材の設置位置を移動させれば
対応でき、型枠を改変する必要がない。これにより、プ
レハブコンクリートパネル自体の製造が簡単になり、ひ
いては建設工事の迅速化・低価格化を図ることができ
る。
【0086】さらに、従来はプレハブコンクリートパネ
ルを製造するときに、比較的大きな寸法を有するコッタ
ーを回避するために、構造用鉄筋をコッターの近傍で曲
げて配置していた。このため、構造用鉄筋のピッチが不
揃いになり、場所によっては補強筋を補充していた。こ
れに対して、本発明のケーブル接合部構造によれば、ケ
ーブル用配管部材は寸法的に小さいために、プレハブコ
ンクリートパネルの構造用鉄筋を変形させる必要がな
く、構造的に安全なプレハブコンクリートパネルを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平なパネルに、下方から垂直なパネルを当接
させた場合の本発明によるケーブル接合部構造例を示し
た断面図。
【図2】水平なパネルに、下方から垂直なパネルを当接
させた場合の本発明によるケーブル接合部構造の接合部
を拡大して示した断面図。
【図3】縁部に立上り部を有する水平なパネルの縁部
に、下方から垂直なパネルを当接させた場合の本発明に
よるケーブル接合部構造を示した断面図。
【図4】水平なパネルに、下方から垂直なパネルを当接
させた場合の本発明によるケーブル接合部構造の他の例
を示した断面図。
【図5】水平なパネルに、下方から垂直なパネルを当接
させた場合の本発明によるケーブル接合部構造のさらに
他の例を示した断面図。
【図6】本発明によるプレハブコンクリートの成型前の
型枠等の準備状態を示した図。
【図7】従来のケーブル接合部構造を示した断面図。
【図8】従来のケーブル接合部構造にケーブルを通し、
コンクリートによる充填、防水工事を施した状態を示し
た断面図。
【図9】従来のプレハブコンクリートパネルを成型する
前の型枠等の準備状態を示した図。
【符号の説明】 1 プレハブコンクリートパネル 2 ケーブル用配管 3 エルボ部材 4 接続部部材 5 プレハブコンクリートパネル 6 コッター 7 継手 8 ケーブル管路 9 プレハブコンクリートパネル 9a 立上り部 10 プレハブコンクリートパネル 11 プレハブコンクリートパネル 12 プレハブコンクリートパネル 13 ケーブル用配管 14 継手 15 接続部部材 16 プレハブコンクリートパネル 17 ケーブル用配管 18 継手 19 接続部部材 20 ベース 21 型枠 22 下端筋 23 接続部部材 24 エルボ部材 25 ケーブル用配管 26 スペーサー 27 上端筋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−19142(JP,A) 実開 平4−56815(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04C 2/00 - 2/54 E04B 2/00 - 2/96 E04B 1/348

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建造物を構成するコンクリート成型品から
    なるプレハブコンクリートパネルにおいて、 パネル壁体内に延設したケーブル用配管によって形成さ
    れたケーブル用管路と、 前記ケーブル用配管に接続され、前記ケーブル用配管よ
    り大きい内部空間を有する接続部部材と、 前記接続部部材がパネル接合部のコッターに開口し、ケ
    ーブルの曲がりを許容する前記接続部部材の内部空間と
    前記コッターの内部空間とからなる内部空間を有する
    ーブル接続用凹部と、を有していることを特徴とするプ
    レハブコンクリートパネル。
  2. 【請求項2】前記ケーブル接続用凹部は、パネル接合部
    のパネル壁面の開口部に向かって漸次拡開する内部空間
    を有していることを特徴とする請求項1に記載するプレ
    ハブコンクリートパネル。
  3. 【請求項3】建造物を構成するコンクリート成型品から
    なるプレハブコンクリートパネルにおいて、 パネル壁体内に延設したケーブル用配管によって形成さ
    れたケーブル用管路と、 前記ケーブル用配管に接続され、前記ケーブル用配管よ
    り大きい内部空間を有する接続部部材とを有し、 前記ケーブル用配管と前記接続部部材の間に湾曲したエ
    ルボ部材を介設して、湾曲部を有するケーブル用管路と
    ケーブル接続用凹部とを形成したことを特徴とするプレ
    ハブコンクリートパネル
  4. 【請求項4】前記ケーブル接続用凹部は、パネル接合部
    のコッターに開口していることを特徴とする請求項3に
    記載のプレハブコンクリートパネル
  5. 【請求項5】前記請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載のプレハブコンクリートパネルの接合部の壁面を互
    いに接合させ、前記ケーブル接続用凹部の開口部をほぼ
    一致させたことを特徴とするプレハブコンクリートパネ
    ルのケーブル接合部構造。
  6. 【請求項6】前記請求項1あるいは前記請求項2に記載
    のプレハブコンクリートパネルと前記請求項3あるいは
    前記請求項4に記載のプレハブコンクリートパネルの接
    合部の壁面を互いに接合させ、前記請求項1あるいは前
    記請求項2に記載のケーブル接続用凹部が、前記請求項
    3あるいは前記請求項4に記載のケーブル接続用凹部
    開口するようにしたことを特徴とするプレハブコンクリ
    ートパネルのケーブル接合部構造。
  7. 【請求項7】ケーブル用配管と、 前記ケーブル用配管に接続可能、あるいは前記ケーブル
    用配管と一体に成形されたエルボ部材と、 前記エルボ部材に接続可能、あるいは前記エルボ部材と
    一体に成形された前記ケーブル用配管より大きい内部空
    間を有する接続部部材とを有していることを特徴とする
    プレハブコンクリートパネルのケーブル用配管部材。
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