JP3454818B1 - 肝臓細胞の増殖方法、該方法により得られる肝臓細胞、およびその用途 - Google Patents

肝臓細胞の増殖方法、該方法により得られる肝臓細胞、およびその用途

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Abstract

【要約】 本発明は、哺乳類の肝臓細胞に細胞増殖因子遺伝子を導
入して不死化肝臓細胞を得る工程、該不死化肝臓細胞を
増殖する工程、および該不死化肝臓細胞から該細胞増殖
因子遺伝子を除去する工程からなる方法、該方法により
得られる大量の肝臓細胞、ならびに得られた肝臓細胞か
らなる治療剤および人工肝臓を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[技術分野] 本発明は、哺乳類の肝臓細胞の増殖方法、該方法により
得られる肝臓細胞、およびその用途に関する。さらに詳
細には、本発明は、遺伝子工学的手法を用いた哺乳類の
肝臓細胞の増殖方法、該方法により得られるインビトロ
肝臓細胞、および該肝臓細胞の治療剤や人工肝臓などの
用途に関する。
【0002】[背景技術] 肝移植は、代謝性肝疾患や肝不全の患者に利用できる唯
一の治療法である。しかしながら、その治療は、ドナー
肝の不足、手術リスクにともなう無視できぬ術後死亡
率、高費用、および長期におよぶ免疫抑制剤の使用など
の問題を抱えている。近年、分離肝臓細胞の移植や生き
た肝臓細胞を使用したバイオ人工肝臓が、肝移植または
肝臓再生までのつなぎとして期待されている。分離肝臓
細胞移植やバイオ人工肝臓の利点としては、肝移植手術
に比べ経済的であること、リスクが少ない点などが含ま
れる。分離肝臓細胞の移植やバイオ人工肝臓において
も、ドナー肝の不足のため、その臨床使用が制限されて
いる。
【0003】分離肝臓細胞の代用として、インビトロで
大量に増殖でき、分離肝臓細胞の性質を保持し、さらに
移植後に代謝補助を提供できる肝臓細胞株がある。大量
増殖可能でかつ高度な肝機能を有する肝臓細胞株の樹立
および細胞バンクの発達は、必要時に必要数の肝臓細胞
の移植を可能としドナー肝の不足を解消し得るものと期
待されている。
【0004】従来、癌遺伝子を導入して細胞を不死化す
ることにより、適度な分化機能を保持した細胞株を産出
できることが知られている(ケイ エイ ウェスタマン
(K.A. Westerman)ら、Proc.Natl.Aca
d.Sci.,USA.第93巻、8971頁、199
6年)。しかしながら、不死化細胞株を、生体内に注入
することにより、またはバイオ人工肝臓などの体外循環
補助装置に使用することにより、予期せぬ癌化の危険性
に患者を曝す可能性がある。異種動物の細胞や非適合の
同種のヒトの細胞を用いたとしても、移植細胞が最終的
に拒絶される保証は無い。異種動物との安定なキメラ状
態やHLA非適合の同種腫瘍の偶発的な生着がヒトにお
いて報告されている(ガートナー(Gartner)ら、N.
Eng.J.Med.、第335巻、1494頁、19
96年;ケイ パラディス(K. Paradis)ら、Scie
nce、第285巻、1236頁、1999年)。した
がって、安全性の高い肝臓細胞を容易に大量に入手でき
ることが望ましい。
【0005】さらに肝疾患の治療目的以外の面におい
て、大量増殖可能な正常肝臓細胞株および細胞バンクの
樹立に対するニーズが高まっている。主に1)ヒトの薬
物代謝検定モデル、2)新薬の開発、および3)ヒト肝
炎の感染モデルとしての利用が含まれる。
【0006】しかしながら、従来の培養技術では、安全
性の高い肝臓細胞を大量に増殖させることは困難であっ
た。
【0007】本発明は、前記のような点に鑑みて、哺乳
類肝臓細胞の無限に増殖可能な増殖方法を提供すること
を目的とする。さらに本発明は、該方法により得られる
肝臓細胞、ならびに治療剤や人工肝臓などの該肝臓細胞
の用途を提供することを目的とする。
【0008】[発明の開示] 本発明者らは、前記問題点を考慮して鋭意検討した結
果、以下の点を見出し、本発明を完成させた。本発明者
らは、特異的な細胞増殖因子遺伝子を哺乳類の肝臓細胞
に導入することにより不死化させた細胞を大量に増殖さ
せた後、該細胞増殖因子遺伝子を除去することにより、
大量の単一な哺乳類の肝臓細胞株をインビトロにて得る
ことができることを見出し、本発明を完成するにいたっ
た。
【0009】すなわち、本発明は、哺乳類の肝臓細胞に
細胞増殖因子遺伝子を導入して不死化肝臓細胞を得る工
程、該不死化肝臓細胞を増殖させる工程、および該不死
化肝臓細胞から該細胞増殖因子遺伝子を除去する工程か
らなる、インビトロでの肝臓細胞の増殖方法に関する。
【0010】前記方法において、哺乳類の肝臓細胞がヒ
トの肝臓細胞であることが好ましく、ヒトの成人肝臓細
胞であることがさらに好ましい。
【0011】前記方法において、細胞増殖因子遺伝子が
hTERT(ヒトテロメラーゼ逆転写酵素)遺伝子であ
ることが好ましく、さらに細胞増殖因子遺伝子がレトロ
ウイルスベクターを用いて導入されることが好ましい。
【0012】また、前記方法において、細胞増殖因子遺
伝子が一対の部位特異的組換え配列に挟まれていること
が好ましく、一対の部位特異的組換え配列がLoxP配
列であることが好ましく、さらに一対の部位特異的組換
え配列間にGFP(緑色蛍光タンパク質)が存在するこ
とが好ましい。
【0013】前記方法において、不死化肝臓細胞を無血
清培地で増殖させることが好ましい。
【0014】前記方法において、部位特異的組換え酵素
を用いて前記不死化肝臓細胞から前記細胞増殖因子遺伝
子を除去することが好ましく、該部位特異的組換え酵素
がCre組換え酵素であることが好ましく、さらに該C
re組換え酵素がアデノウイルスベクターによってコー
ドされることが好ましい。
【0015】本発明は、細胞増殖因子遺伝子を哺乳類の
肝臓細胞に導入して不死化肝臓細胞を得る工程、該不死
化肝臓細胞を増殖させる工程、および該不死化肝臓細胞
から該細胞増殖因子遺伝子を除去する工程からなる肝臓
細胞の増殖方法により得られるインビトロ肝臓細胞に関
する。
【0016】前記方法により得られるインビトロ肝臓細
胞は、ヒトの肝臓の薬物代謝検定モデルとして使用され
ることが好ましい。
【0017】本発明は、細胞増殖因子遺伝子を哺乳類の
肝臓細胞に導入して不死化肝臓細胞を得る工程、該不死
化肝臓細胞を増殖させる工程、および該不死化肝臓細胞
から該細胞増殖因子遺伝子を除去する工程からなる肝臓
細胞の増殖方法により得られるインビトロ肝臓細胞から
なる肝疾患用治療剤に関する。
【0018】さらに本発明は、細胞増殖因子遺伝子を哺
乳類の肝臓細胞に導入して不死化肝臓細胞を得る工程、
該不死化肝臓細胞を増殖させる工程、および該不死化肝
臓細胞から該細胞増殖因子遺伝子を除去する工程からな
るインビトロでの肝臓細胞の増殖方法を用いて得られる
インビトロ肝臓細胞からなる人工肝臓に関する。
【0019】前記人工肝臓がマイクロキャリアーを含む
ことが好ましい。該マイクロキャリアーがセルロースビ
ーズであることが好ましく、さらに、該セルロースビー
ズが細胞接着性ペプチドを表面に付着させたセルロース
ビーズであることが好ましい。さらに、マイクロキャリ
アーがコラーゲンミクロスフィアであることが最も好ま
しい。また該マイクロキャリアー上の細胞の付着占拠率
が80〜100%の範囲であることが好ましい。
【0020】さらに、本発明は、細胞増殖因子遺伝子を
哺乳類の肝臓細胞に導入する工程、不死化肝臓細胞を増
殖させる工程、および該不死化肝臓細胞から該細胞増殖
因子遺伝子を除去する工程からなる方法により得られる
インビトロ肝臓細胞を、無血清培地にて培養することか
らなるアルブミンの製造方法を提供する。
【0021】そのうえ、本発明は、前記不死化肝臓細胞
を得る工程が、細胞増殖因子遺伝子を哺乳類の肝臓細胞
に導入して不死化肝臓細胞を得る工程、薬剤誘導性プロ
モーターの下流で部位特異的組換え酵素がコードされる
DNA配列を該不死化肝臓細胞に導入する工程、および
薬剤依存的に部位特異的組換え酵素を発現する不死化肝
臓細胞を得る工程からなるインビトロでの肝臓細胞の増
殖方法を提供する。
【0022】[発明を実施するための最良の形態] 本発明で用いられる哺乳類の肝臓細胞としては、豚、
猿、類人猿、ヒトなどの肝臓細胞などである。その中で
もヒトの肝臓細胞が好ましく、ヒトの成人肝臓細胞が最
も好ましい。ヒトの胎児肝臓細胞を応用してもよい。本
明細書に記載される用語「肝臓細胞」とは、たとえば肝
機能の指標であるアルブミンや各種血液凝固因子などの
タンパク質の産生能、糖新生能、尿素産生能、血液の解
毒および浄化能、ならびに、アミノ酸、糖質および脂質
代謝能を有する細胞を意味する。具体的には、肝細胞、
肝類洞内皮細胞、肝星状細胞、ピット細胞およびクッパ
ー細胞などがあげられる。
【0023】本発明に使用される細胞増殖因子遺伝子は
正常細胞由来の遺伝子であり、導入することにより哺乳
類の肝臓細胞を不死化できるものである。該細胞増殖因
子遺伝子の産物は、正常細胞の細胞増殖および情報伝達
に基本的に関与するものである。その例としては、増殖
因子として機能するもの、細胞膜に存在しチロシンキナ
ーゼ活性を有するもの、細胞膜内側に存在しGTPと結
合するもの、細胞質に存在しセリン/トレオニンキナー
ゼ活性を有するもの、ならびに核内に存在しDNAに結
合能を有するものが含まれる。そのような細胞増殖因子
遺伝子としては、ラス遺伝子、myc遺伝子、hTER
T遺伝子などが含まれる。hTERT遺伝子の発現は、
血液、皮膚、腸管粘膜、子宮内膜などの、生涯にわたり
再生を繰り返している臓器の幹細胞および前駆細胞、な
らびに特定の抗原に暴露するたびにクローン増殖してい
るリンパ球では自然と発現増強している遺伝子であるた
めに、hTERT遺伝子が好ましい。
【0024】本発明において、細胞増殖因子遺伝子を哺
乳類の肝臓細胞に導入するためにレトロウイルスベクタ
ーが用いられる。レトロウイルスベクターは、動物細胞
への外来遺伝子導入手段として利用される。導入された
遺伝子は、宿主細胞の染色体DNAに組み込まれるため
に遺伝子は確実に嬢細胞に受け継がれ、したがって組み
込まれた遺伝子は長期にわたり安定に発現されることが
可能である。
【0025】レトロウイルスベクターの導入方法として
は、インビボでは静脈内投与、腹腔内投与、門脈内投与
および直接穿刺による投与、インビトロでは、レトロウ
イルスベクターの培養細胞への直接播種による方法など
が知られている。門脈内投与および直接穿刺による投
与、ならびに培養細胞への直接播種による方法が好まし
い。
【0026】レトロウイルスベクターを培養細胞に直接
播種することによりレトロウイルスベクターを培養細胞
に導入する方法としては、本発明の目的を達成するもの
であればあらゆる方法を使用してよい。たとえば、レト
ロウイルスベクター産生細胞を培養し、その培養上清
を、別途培養中の肝臓細胞に播種することにより導入を
達成することができる。各種細胞の培養条件および播種
濃度など種々の条件は、当該技術分野で周知の方法で決
定することができる。
【0027】また、培養細胞への播種は、細胞への影
響、たとえば染色体の安定性を考えると、1回のみが好
ましい。しかしながら、該ベクターの導入効率を考慮す
ると、細胞への播種回数は多い方が好ましい。これらの
ことに基づき、本発明では、4時間感染を日に2回、計
3日間実施することが最も好ましい。
【0028】さらに、本発明で用いられる細胞増殖因子
遺伝子は、肝臓細胞に導入されたプロウイルスから後に
切り出し可能なように一対の部位特異的組換え配列に挟
まれている。「部位特異的組換え配列」とは、部位特異
的組換え酵素によって認識される特異的な塩基配列であ
り、この配列間でDNA鎖の切断、鎖の交換、および結
合が行なわれる。
【0029】部位特異的組換え配列としては、LoxP
配列やFRT配列などがある。その中でLoxP配列が
好ましい。LoxP配列は、Cre組換え酵素単独で相
同組換えを行なうための「ATAACTTCGTATA
GCATACATTATACGAAGTTAT」の34
塩基からなる配列である。同一のDNA分子上に同方向
の一対のLoxP配列が存在する場合は、そのあいだに
挟まれたDNA配列が切り出されて環状分子となる(切
り出し反応)。異なるDNA分子上に一対のLoxP配
列が存在し、そのDNA分子の一方が環状DNAである
場合はLoxP配列を用いて環状DNAが他方のDNA
分子上に挿入される(挿入反応)。
【0030】さらに本発明において、細胞増殖因子遺伝
子を哺乳類の肝臓細胞に導入する際には、常に同時にG
FP遺伝子などの選択マーカーが、一対の部位特異的組
換え配列間に存在することが好ましい。「部位特異的組
換え配列間」とは、一対の部位特異的組換え配列に挟ま
れた位置関係を意味する。該GFP遺伝子は、レトロウ
イルスベクターが感染し、プロウイルスがゲノムに組み
込まれた肝臓細胞をFACS(蛍光活性化セルソータ
ー)にて選択的に同定するために用いられる。したがっ
て、プロウイルスがゲノムに組み込まれた肝臓細胞を選
択的に同定できれば、GFP遺伝子の代わりに薬剤耐性
遺伝子を用いてもよい。
【0031】該薬剤耐性遺伝子の例としては、ハイグロ
マイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、アンピ
シリン耐性遺伝子、大腸菌gpt遺伝子などがあり、と
くに限定されない。
【0032】本明細書に記載される「不死化肝臓細胞」
とは、腫瘍原性が無く、正常肝臓細胞様の形態を有し、
肝特異的機能を比較的保持し、特別な培養条件を必要と
せず短期間に増殖する特徴を有する細胞を意味する。
【0033】該不死化肝臓細胞の培養に関しては、増殖
速度が速いことが好ましい。しかし容器の取り扱いが容
易であるため、コラーゲンなどによる培養容器表面の特
別なコーティングを必要としないことがさらに好まし
い。該不死化細胞の倍化時間は24〜72時間であり、
好ましくは24〜48時間、さらに好ましくは24〜3
6時間である。該不死化肝臓細胞の培地としては、人畜
共通感染症を回避するために、ウシなどの動物の血清が
添加されていない無血清培地が好ましい。不死化細胞は
機能的にもアルブミンの産生量が増加することから無血
清培地が好ましい。CS−C培地がより好ましい。ダル
ベッコ改変イーグル培地(DMEM)で2〜3倍に希釈
されたCS−C培地を用いてもよい。
【0034】本明細書における不死化肝臓細胞は、導入
された細胞増殖因子遺伝子を部位特異的組換え酵素によ
り除去できる可逆的な不死化細胞である。部位特異的組
換え酵素は、部位特異的組換え配列を特異的に認識し、
切断および結合を含む相同組換えを単独で行なう酵素で
ある。部位特異的組換え酵素としては、Cre組換え酵
素、FLP組換え酵素などが含まれる。その中でもCr
e組換え酵素が好ましい。Cre組換え酵素はLoxP
配列を特異的に認識する組換え酵素である。
【0035】部位特異的組換え酵素は、アデノウイルス
またはプラスミドベクターなどの発現ベクターによって
コードされることができる。あるいは、部位特異的組換
え酵素は、ヒト免疫不全ウイルスI型由来のTATタン
パク質(Green, M. and Loewenstein, P. M., Cell 55,
p179-1188, 1988: Frankel, A. D. and Pabo, C. O.,
Cell 55, p1189-1193, 1988: Nagahara, H. et al., Na
t. Med. 1988, 4, 1449-1452)に融合されてもよい。T
ATタンパク質はタンパク質導入ドメインを有している
ため、融合タンパク質を培地に添加することにより、前
記不死化肝臓細胞内で部位特異的組換え反応が起こる。
アデノウイルスベクターは細胞傷害性である。そのよう
なリスクを予防するために、アデノウイルスベクター以
外の発現ベクターによってコードされること、またはT
ATタンパク質を融合することが好ましい。
【0036】部位特異的組換え酵素とTATタンパク質
との融合タンパク質は、部位特異的組換え酵素およびT
ATタンパク質のタンパク質導入ドメイン(すなわち、
Tyr-Gly-Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg)が含
まれる限り、限定されない。前記融合タンパク質は、不
死化細胞の培地に添加することにより、部位特異的組換
え反応を誘導することができる。
【0037】本発明において用いられる発現ベクター
は、部位特異的組換え酵素をコードする配列を含有する
ものである限り、とくに限定されない。部位特異的組換
え酵素のプロモーターとしては薬剤誘導性プロモーター
が好ましい。本明細書において、「薬剤誘導性プロモー
ター」は、薬剤を添加することにより遺伝子発現を誘導
するプロモーターを意味する。薬剤誘導性プロモーター
および部位特異的組換え酵素を含有する発現ベクターが
染色体に組み込まれた不死化肝臓細胞を樹立すれば、ウ
イルスの感染効率などを考慮する必要がない。そのよう
な細胞株を用いれば、部位特異的組換え酵素の発現の時
期を任意に設定することができる。
【0038】前記薬剤誘導性プロモーターはとくに限定
されるものではなく、たとえばテトラサイクリン誘導性
プロモーターおよびタモキシフェン誘導性プロモーター
など、公知のプロモーターを使用することができる。こ
れらの薬剤誘導性プロモーターは、当業者により適宜選
択され得る。
【0039】したがって、インビトロでの肝臓細胞の増
殖方法において、不死化肝臓細胞を得る工程は、細胞増
殖因子遺伝子を哺乳類の肝臓細胞に導入して不死化肝臓
細胞を得る工程、薬剤誘導性プロモーターの下流に部位
特異的組換え酵素がコードされるDNA配列を不死化肝
臓細胞に導入する工程、および薬剤依存的に部位特異的
組換え酵素を発現する不死化肝臓細胞を得る工程からな
ることが好ましい。
【0040】本発明の肝臓細胞は、ヒト肝臓の薬物代謝
検定モデルとして利用可能である。環境汚染や薬剤使用
時に生体への影響が問題となる毒性物質や発癌性物質の
代謝経路は、ヒトと動物では異なる。これまで、薬剤を
含む化学物質の毒性や発癌性、また体内での代謝経路の
検定はラット、イヌまたはブタといった実験動物を用い
て検討されてきた。しかしながら、ヒトと実験動物との
化学物質の代謝経路の違いは明らかであり、動物実験で
のデータをヒトに当てはめるには慎重でなけらばならな
い。また、近年の動物愛護の立場より、できるだけ動物
を用いた研究は控え、ヒトの病態変化はヒトで行なうと
いう研究手段の開発が重要な課題である。本発明の肝臓
細胞は、高度肝機能を発現しており、実験動物の代わり
でなくよりヒト肝の機能に近づいた新しい薬物代謝検定
モデルとして大きな意義を有する。具体的には、1)薬
物の肝での代謝系の解析、2)薬物の相互作用の検討、
3)肝における薬物からの変異原性物質産生の検定など
に利用される。
【0041】また、本発明の肝臓細胞は創薬の開発に利
用できる。すなわち、ヒト由来肝臓細胞株の大量培養に
より、生理活性物質の大量産生が可能となる。これらの
産生物は、遺伝子操作による酵母類、大腸菌、またはク
ローン動物などにより産生される生理活性物質より除去
しにくい夾雑物の混入が少なく、容易に単離される。創
薬開発の応用例としては、各種の血液凝固因子製剤およ
び/またはアルブミンの産生などがあげられる。
【0042】さらに、本発明の肝臓細胞はヒト肝炎ウイ
ルスの感染モデルとしても利用できる。ヒトB型肝炎ウ
イルス(HBV)およびヒトC型肝炎ウイルス(HC
V)の全容は明らかになりつつあるが、未だにウイルス
本体は確認されていない。これは、インビトロの培養系
が未だに確立されていないためであり、ウイルスの複
製、粒子形成、変異などの生物学および発癌機構の解明
などの基礎的研究の大きな障害となっている。本発明の
肝臓細胞を用いてHBVおよびHCVの感染実験系を確
立し、感染の機構と予防や治療の方策をたてる基礎実験
の系を確立することも可能である。
【0043】本発明の肝疾患用の治療剤は、細胞増殖因
子遺伝子を哺乳類の肝臓細胞に導入してインビトロ不死
化肝臓細胞を得る工程、該インビトロ不死化肝臓細胞を
増殖させる工程、および該インビトロ不死化肝臓細胞か
ら該細胞増殖因子遺伝子を除去する工程からなる肝臓細
胞の増殖方法により得られる肝臓細胞からなる。該治療
剤は、他に肝臓細胞を保護するために、電解質、アミノ
酸、糖質を含んでもよい。
【0044】本発明における「肝疾患」としては、たと
えばウイルス、薬剤、そして中毒(キノコ等)による急
性肝不全などの肝不全、血友病、α1−抗トリプシン欠
損症、ガラクトース血症、肝腎性チロシン血症、カエデ
シロップ尿症、糖原病1a型、肝性ポルフィリン症、低
ベータリポ蛋白血症、高コレステロール血症、原発性高
シュウ酸尿症1型、クリグラー−ナジャー症候群1型、
高フェニルアラニン血症などの代謝性肝疾患、慢性肝疾
患の急性増悪などが含まれる。本発明の治療剤は、肝不
全および代謝性肝疾患の治療に用いられることが好まし
い。
【0045】本発明における該治療剤の投与形態として
は、門脈内持続点滴投与、脾動脈内持続点滴投与、腹腔
内投与が好ましい。門脈内持続点滴投与、脾動脈内持続
点滴投与がさらに好ましく、門脈内持続点滴投与がもっ
とも好ましい。該治療剤の投与量は1×1010細胞であ
り、1.5×1010細胞が好ましく、2.0×1010
胞がさらに好ましい。
【0046】本発明の人工肝臓は、細胞増殖因子遺伝子
を哺乳類の肝臓細胞に導入してインビトロ不死化肝臓細
胞を得る工程、該不死化肝臓細胞を増殖させる工程、お
よび該不死化肝臓細胞から該細胞増殖因子遺伝子を除去
する工程からなる、肝臓細胞の増殖方法を用いて得られ
る肝臓細胞からなる。本明細書における「人工肝臓」と
は、マイクロ孔質糖マイクロキャリヤーまたは毛管やセ
ラミックのような他の生体適合性支持マトリックス系を
基盤とした機能的肝臓細胞の集合体がグルコースや尿素
を新生し、肝性脳症の原因物質であるアンモニア等を速
やかに解毒すると共に肝不全患者のアミノ酸異常を是正
するといった適確な肝機能の再現が行なえる体外循環肝
補助装置として定義される。
【0047】本発明の人工肝臓は、マイクロキャリアー
を含んでもよい。マイクロキャリアーは肝臓細胞の細胞
基質として単位面積当たりの培養肝臓細胞総数を増加さ
せるのに有用である。該マイクロキャリアーは、球型の
デキストラン、多孔質樹脂およびコラーゲンミクロスフ
ィアが好ましい。
【0048】また、生体適合性に優れたセルロースビー
ズが好ましく、細胞接着性ペプチドを表面に付着させた
セルロースビーズがより好ましい。細胞接着性ペプチド
としては、GRGDS、RGDS(G:グリシン、R:
アルギニン、D:アスパラギン酸、S:セリン)などの
アミノ酸配列が含まれるが、RGDのアミノ酸配列が含
まれればとくに限定されない。
【0049】コラーゲンミクロスフィアのなかでもコラ
ーゲンのフィブリンのみからなるコラーゲンミクロスフ
ィアが、インビボに類似した培養環境を作ることができ
るため、最も好ましい。
【0050】本発明においては、肝臓細胞の付着占拠率
を考えると、細胞接着性ペプチドを表面に付着させたセ
ルロースビーズ、およびコラーゲンのフィブリンのみか
らなるコラーゲンミクロスフィアが好ましい。コラーゲ
ンのフィブリンのみからなるコラーゲンミクロスフィア
は、ウシ真皮をペプシンで処理し、可溶化し、精製し、
ついでビーズ状に成形することにより製造することがで
きる。細胞接着性ペプチドを表面に付着させたセルロー
スビーズの場合は、肝臓細胞の付着占拠率は80〜90
%であり、コラーゲンのフィブリンのみからなるコラー
ゲンミクロスフィアでは、ほぼ100%である。したが
って、コラーゲンのフィブリンのみからなるコラーゲン
ミクロスフィアが最も好ましい(図4(a)および図4
(b)参照)。
【0051】これらの担体に対する肝臓細胞の付着率を
図4(a)および図4(b)により説明する。図4
(a)は、コラーゲンのフィブリンのみからなるコラー
ゲンミクロスフィア(商品番号KO−0000−01、
フナコシ社製)に付着した肝臓細胞の顕微鏡写真であ
る。図4(a)中、コラーゲンのフィブリンのみからな
るコラーゲンミクロスフィア1は肝臓細胞2に完全に覆
われているのが認められる。図4(b)は、細胞接着性
ペプチドを表面に付着させたセルロースビーズ(株式会
社クラレ製)に付着した肝臓細胞の顕微鏡写真である。
図4(b)中、細胞接着性ペプチドを表面に付着させた
セルロースビーズ3は、(a)より低い占拠率で肝臓細
胞2により覆われ、細胞の付着していないビーズ表面4
が観察される。
【0052】本発明の人工肝臓は、前記肝臓細胞を内蔵
するための容器を含んでもよい。容器としては、ホロー
ファイバー型、平板状に培養肝臓細胞をモジュール内に
積み上げた積層型、不織布充填型などがあげられ、細胞
密度が高く、機能的に長期間の培養維持が可能であれ
ば、とくに限定されない。
【0053】本発明の人工肝臓は、さらに導管を有して
もよい。患者の血液から有害物質を含む血漿の一部が導
管を介して血漿分離装置によって分離される。分離され
た血漿は、導管をとおってバイオ人工肝臓モジュール側
回路へ移動し、バイオ人工肝臓モジュールで有害物質が
解毒され、グルコースやその他の物質の新生が行なわれ
る。処理された血漿を再び患者体内へと導くために、導
管を用いることもできる。導管はバイオ人工肝臓モジュ
ール内の培養肝臓細胞への酸素供給のためにガス交換装
置や活性炭カラム等を直列に連結するために使用しても
よい。バイオ人工肝臓モジュールとは、患者側からの血
漿流入部路と処理された血漿が患者側に導かれる流出路
を有するものであれば、とくに限定されない。
【0054】本発明の方法は、ドナー肝の不足を解消す
べく価値ある治療戦略である。また将来的にも、本発明
による可逆的な不死化機構は、さまざまな治療状況下で
他の体細胞にも広く応用可能である。
【0055】実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0056】製造例1 レトロウイルスベクターSSR#197の製造 レトロウイルスベクターSSR#197(図1参照)
は、従来の方法(ケイエイ ウェスタマンら、Pro
c.Natl.Acad.Sci.,USA.93巻、
8971頁、1996年)にしたがい製造した。具体的
に、その方法は以下のとおりである。
【0057】1. LXSNレトロウイルスベクターを
EcoRIとRsr2で消化した。バックボーンベクタ
ー由来のEcoR1を変異させたのち、制限部位(No
t1、BamH1、Hind3、EcoR1、Hpa
1、Sal1、Sfi1、Cla1およびRsr2)を
含有するポリリンカーを挿入した。合成した511Lo
xP配列は、該ベクターのNot1/Hind3部位に
挿入した。hTERT遺伝子はEcoR1/Sal1部
位に挿入した。
【0058】2. IRES−GFP、511LoxP
およびB型肝炎転写後調節因子(ティー エス エン
(T. S. Yen)、Mol Cell Biol.、19
95年)を含有するカセットベクターを、以下のように
して製造した。
【0059】pUC19をEcoRIとHind3で消
化し、バックボーンベクター由来のEcoR1を変異さ
せたのち、制限部位(Xho1、Sal1、EcoR
V、Not1、Hpa1、Hind3、EcoR1、C
la1、Sfi1およびHind3)を含有するポリリ
ンカーを挿入した。合成した511LoxP配列は、該
ベクターのNot1およびHind3部位に挿入した。
ついで、pCITE−Novagen(ノバゲン社(No
vagen)製)由来のIRESとEGFP遺伝子(クロン
テク社(Clontech Inc)製)とがNco1部位で連結さ
れ、一方の末端がSal1部位、他方の末端が平滑Cl
a1部位である断片を製造した。この断片をバックボー
ンベクターのSal1および平滑Bgl2部位に挿入し
た。
【0060】3. 前記工程1で製造したベクターのS
al1およびCla1部位に、前記工程2で製造したカ
セットベクター由来のXho1およびCla1断片を挿
入し、SSR#197ベクターを完成させた。
【0061】実施例1 不死化ヒト成人肝細胞株TTNT−1の樹立 レトロウイルスベクターSSR#197産生細胞である
Crip細胞(Crip細胞のレトロウイルスベクター
SSR#197産生能力、すなわち、力価は1×105
cfu/ml)を、T−75フラスコに1×105細胞
/cm2で播種し、15mlのDMEM+10%NCS
(新生仔ウシ血清)培養液で培養した。細胞密度が約9
0%となった時点で、DEME+10%NCS培養液1
0mlで培養液の交換を行なった。
【0062】培養液交換24時間後に、レトロウイルス
ベクターSSR#197を含有するCrip細胞の培養
上清2mlを0.45μmのフィルターで濾過した液に
12μg/mlのポリブレン(polybrene、シグマ(Sig
ma)社製)を加えた。これを、1×106個の初代成人
ヒト肝細胞(カタログ番号CS−ABI−3716、大
日本製薬株式会社製)を培養した培養液と交換し、肝細
胞を4時間感染させた。同様な感染処置を日に2回、計
3日間実行した。各日の最終感染後は、培養液を新鮮な
CS−C培養液に置き換えて肝細胞を培養した。
【0063】最終感染から2日後に細胞をトリプシンに
て処理し、回収した。ついでFACSカリバー(FACS C
alibur)(ベクトンディッキンソン社(Becton Dickins
on)製)を用いてGFP陽性細胞を回収した(図2
(a)および(b)参照)。CS−C無血清培地キット
(カタログ番号CS−SF−4ZO−500、大日本製
薬株式会社製)において、限界希釈法(1/2細胞/穴
で播種)にてTTNT−1を樹立した。このTTNT−
1細胞を産業技術総合研究所特許寄託センターに寄託し
た(FERM BP−7498)。TTNT−1細胞
は、増殖が停止する危機もなく不死化しCS−C培地下
に単層に増殖し、約24時間後にその数が倍加した。T
TNT−1細胞は、数個の核小体を有する大きな核をも
ち細胞内顆粒に富んだ、いわゆる肝臓の実質細胞の形態
学的な特徴を示した。
【0064】実施例2 Cre組換え酵素によるhTERT遺伝子の切り出し
(図1参照) 核内限局信号(NLS)標識されたCre組換え酵素を
産生する複製不可能な組換えアデノベクターAxCAN
Cre(3.3×108pfu/ml)(理研ジーンバ
ンク、日本、RDB No.1748)をMOI(感染
多重度)=50でTTNT−1細胞に感染させた。Ax
CANCreで48時間感染したのち、細胞をトリプシ
ンで処理して回収し、ついでFACSカリバーにてhT
ERTを発現していない陰性細胞のみを入手した。これ
は蛍光顕微鏡で確認された(図2(c)および図2
(d)参照)。さらにRT−PCR法により、hTER
T遺伝子切り出し前後のTTNT−1細胞において、肝
臓代謝に関わる重要な遺伝子、すなわち、アルブミン遺
伝子、ASGPR遺伝子、ビリルビン−UGT遺伝子、
CYP3A4遺伝子、GK遺伝子、GS遺伝子、GST
−π遺伝子、ヒト血液凝固第X因子遺伝子およびヒトβ
−アクチン遺伝子ならびにhTERT遺伝子の発現を調
べた。RT−PCR法では、RNAzol(シンナ/バ
イオテックス社、フレンズウッド、テキサス州、アメリ
カ合衆国)を用いてTTNT−1細胞からRNAを抽出
し、2μgの総RNAを22℃で10分間、さらに42
℃で20分間、RNA逆転写酵素を用いて逆転写反応さ
せた。
【0065】得られた2μgの逆転写産物を、各プライ
マー20pmol/mlで、AmpliTag Gol
dキット(パーキン−エルマー/シータス社、ノーウォ
ーク、コネチカット州、アメリカ合衆国)を用い、その
プロトコールにしたがってPCR増幅に用いた。PCR
は、95℃で10分間インキュベーションし、95℃で
30秒、60℃で30秒および72℃で30秒からなる
インキュベーションを35サイクル行ない、最後に72
℃で7分間インキュベーションして実施した。各遺伝子
に対するプライマーには下記のものを使用した。
【0066】 アルブミン遺伝子 5′プライマー:AAACCTCTTGTGGAAGAGCC 3′プライマー:CAAAGCAGGTCTCCTTATCG ASGPR遺伝子 5′プライマー:TAGGAGCCAAGCTGGAGAAA 3′プライマー:ACCTGCAGGCAGAAGTCATC ビリルビン−UGT遺伝子 5′プライマー:ATGACCCGTGCCTTTATCAC 3′プライマー:TCTTGGATTTGTGGGCTTTC CYP3A4遺伝子 5′プライマー:CCAAGCTATGCTCTTCACCG 3′プライマー:TCAGGCTCCACTTACGGTGC GK遺伝子 5′プライマー:ATCAAACGGAGAGGGGACTT 3′プライマー:AGCGTGCTCAGGATGTTGTA GS遺伝子 5′プライマー:ATGCTGGAGTCAAGATTGCG 3′プライマー:TCATTGAGAAGACACGTGCG GST−π遺伝子 5′プライマー:GCCCTACACCGTGGTCTATT 3′プライマー:GGCTAGGACCTCATGGATCA ヒト血液凝固因子X遺伝子 5′プライマー:GTGCATGGAAGAGACCTGCT 3′プライマー:GAAGTCAAGCAGGTCGAAGG hTERT遺伝子 5′プライマー:CTGACCAGGGTCCTATTCCA 3′プライマー:TGGTTATCCCAAGCAAGAGG ヒトβ−アクチン遺伝子 5′プライマー:TGACGGGGTCACCCACACTGTGCCCAT CTA 3′プライマー:CTAGAAGCATTTGCGGTGGACGATGGA GGG 上記遺伝子はいずれも、Cre/LoxP組換えによる
hTERT遺伝子の除去前に比べ、除去後の方が高い発
現性を示した(図3(a)および図3(b)参照)。
【0067】実施例3アルブミンの製造2mlの無血清
培地CS−Cを用い、実施例2においてhTERT遺伝
子の切り出すことにより得られた肝臓細胞1×105
胞個を24時間37℃で培養した。ついで、培養上清1
00μlを採取し、それを、Albuwell(エキソ
セル社(EXOCELL INC.)製、PA、アメリカ合衆国)を
用いて、そのプロトコルどおりにアルブミン濃度を測定
するために用いた。コントロールとしては、2mlの4
%ウシ胎仔血清含有DMEMを用いるほかは同じ方法で
培養した肝臓細胞の培養上清を、培地として用いた。
【0068】測定の結果、培養上清に含まれるアルブミ
ン濃度は、無血清培地の場合37.36μg/dl、血
清を含む培地の場合には14.6μg/dlであった。
したがって無血清培地を用いることにより、より多くの
アルブミンが産生され得ることが示された。
【0069】[産業上の利用可能性] 本発明によると、哺乳類の肝臓細胞に細胞増殖遺伝子を
導入してインビトロ不死化肝臓細胞を得る工程、該イン
ビトロ不死化肝臓細胞を培養する工程、および該インビ
トロ不死化肝臓細胞から該細胞増殖因子遺伝子を除去す
る工程からなる肝臓細胞の増殖方法を用いることによ
り、大量増殖可能な哺乳類の肝臓細胞株を樹立すること
ができる。本発明のTTNT−1細胞には、Cre/L
oxP部位特異的組換えによる細胞増殖因子遺伝子の除
去という、安全手段が備わっているので、TTNT−1
細胞の移植により患者を腫瘍発現の危険性から回避でき
る。 配列表フリーテキスト 配列番号1:LoxP配列 配列番号2:アルブミン遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用5′プ ライマー 配列番号3:アルブミン遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用3′プ ライマー 配列番号4:ASGPR遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用5′プ ライマー 配列番号5:ASGPR遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用3′プ ライマー 配列番号6:ビリルビン−UGT遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応 用5′プライマー 配列番号7:ビリルビン−UGT遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応 用3′プライマー 配列番号8:CYP3A4遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用5′ プライマー 配列番号9:CYP3A4遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用3′ プライマー 配列番号10:GK遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用5′プライ マー 配列番号11:GK遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用3′プライ マー 配列番号12:GS遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用5′プライ マー 配列番号13:GS遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用3′プライ マー 配列番号14:GST−π遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用5′ プライマー 配列番号15:GST−π遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用3′ プライマー 配列番号16:ヒト血液凝固因子X遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反 応用5′プライマー 配列番号17:ヒト血液凝固因子X遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反 応用3′プライマー 配列番号18:hTERT遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用5′ プライマー 配列番号19:hTERT遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応用3′ プライマー 配列番号20:ヒトβ−アクチン遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応 用5′プライマー 配列番号21:ヒトβ−アクチン遺伝子を検出するためのポリメラーゼ連鎖反応 用3′プライマー 配列番号22:細胞接着性ペプチド 配列番号23:細胞接着性ペプチド [図面の簡単な説明]
【図1】図1は、アデノベクターAxCANCreの感
染によるLoxP配列特異的な切り出し機構を示す図で
ある。ここで、ATGは開始コドン、Ψはパッケージン
グシグナル、LoxPはLoxP配列、hTERTはh
TERT遺伝子、EGFPは増強GFP遺伝子、MoM
LV LTRはモロニーマウス白血病ウイルス長末端反
復、IRESは脳心筋炎ウイルス内リボゾームエントリ
ー部位をそれぞれ示す。
【図2a】図2(a)は、レトロウイルスベクターSS
R#197に感染した肝細胞の位相差顕微鏡像である。
【図2b】図2(b)は、図2(a)に示した細胞の蛍
光顕微鏡像である。
【図2c】図2(c)は、hTERTとGSTタンパク
質とをコードするDNA断片を除去するために、アデノ
ウイルスベクターAxCANCre処理された肝細胞の
位相差顕微鏡像である。
【図2d】図2(d)は、図2(c)に示した細胞の蛍
光顕微鏡像である。
【図3a】図3(a)は、hTERT遺伝子の切り出し
前におけるTTNT−1細胞での肝特異的遺伝子および
hTERT遺伝子の発現を示す図である。レーン1から
9は、それぞれアルブミン遺伝子、アシアロ糖タンパク
質受容体(以下、ASGPRという)遺伝子、肝臓性ビ
リルビン−ウリジンジフォスフェートグルクロノシルト
ランスフェラーゼ(以下、ビリルビン−UGTという)
遺伝子、チトクローム P 450 3A4(以下、C
YP3A4という)遺伝子、グルコキナーゼ(以下、G
Kという)遺伝子、グルタミンシンセターゼ(以下、G
Sという)遺伝子、グルタチオン−S−トランスフェラ
ーゼπ(以下、GST−πという)遺伝子、ヒト血液凝
固第X因子(HBCF−X)遺伝子、hTERT遺伝子
およびヒトβ−アクチン遺伝子の発現を示す。Mはマー
カーを示す。
【図3b】図3(b)は、hTERT遺伝子の切り出し
後におけるTTNT−1細胞での肝特異的遺伝子および
hTERT遺伝子の発現を示す図である。レーン1から
9は、それぞれ図3(a)と同じ遺伝子の発現を示す。
Mはマーカーを示す。
【図4a】図4(a)は、コラーゲンのフィブリンのみ
からなるコラーゲンミクロスフィアに付着した肝臓細胞
の顕微鏡像である。
【図4b】図4(b)は、細胞接着性ペプチドを表面に
付着させたセルロースビーズに付着した肝臓細胞の顕微
鏡像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 5/10 C12N 15/00 ZNAA C12P 21/02 5/00 B (73)特許権者 599173527 藤原 俊義 岡山県岡山市東山3−5−30 (73)特許権者 502381793 都津川 敏範 広島県福山市瀬戸町長和2374番地 (72)発明者 小林 直哉 日本国岡山県岡山市海吉2033−15 (72)発明者 レブルシュ、フィリップ アメリカ合衆国、02129 マサチューセ ッツ州、チャールズタウン、エイス ス トリート 197、ナンバー 729(番地な し) (72)発明者 田中 紀章 日本国岡山県浅口郡鴨方町六条院中2325 −1 (72)発明者 藤原 俊義 日本国岡山県岡山市東山3−5−30 (72)発明者 都津川 敏範 日本国広島県福山市瀬戸町長和2374番地 (56)参考文献 Journal of Hepato logy,Vol.33,pp.701−708 (2000) Cell Transplantat ion,Vol.9,pp.737−742 (2000) Nature Genetics,V ol.18,pp.65−68(1998) Journal of Gestro enterology,Vol.34,p p.83−87(1999) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のLoxP配列に挟まれたhTER
    T遺伝子を導入して得られたインビトロ不死化肝細胞F
    ERM BP−7498を増殖する工程、およびCre
    組換え酵素を用いて該インビトロ不死化肝細胞から該
    TERT遺伝子を除去する工程からなる肝細胞の増殖方
    法。
  2. 【請求項2】 前記不死化肝細胞を無血清培地で増殖さ
    せる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 Cre組換え酵素がアデノウイルスによ
    ってコードされる請求項記載の方法。
  4. 【請求項4】 一対のLoxP配列に挟まれたhTER
    T遺伝子を導入して得られたインビトロ不死化肝細胞F
    ERM BP−7498を増殖させる工程、およびCr
    e組換え酵素を用いて該インビトロ不死化肝細胞から該
    hTERT遺伝子を除去する工程からなる肝細胞の増殖
    方法により得られるインビトロ肝細胞
  5. 【請求項5】 ヒトの肝臓の薬物代謝検定モデルとして
    使用される請求項記載のインビトロ肝細胞
  6. 【請求項6】 一対のLoxP配列に挟まれたhTER
    T遺伝子を導入して得られたインビトロ不死化肝細胞F
    ERM BP−7498を増殖させる工程、およびCr
    e組換え酵素を用いて該インビトロ不死化肝細胞から該
    hTERT遺伝子を除去する工程からなる肝細胞の増殖
    方法により得られるインビトロ肝細胞からなる肝疾患治
    療剤。
  7. 【請求項7】 一対のLoxP配列に挟まれたhTER
    T遺伝子を導入して得られた不死化肝細胞FERM B
    P−7498を増殖させる工程、およびCre組換え酵
    素を用いて該不死化肝細胞から該hTERT遺伝子を除
    去する工程からなる方法により得られるインビトロ肝細
    を、無血清培地にて培養することからなるアルブミン
    の製造方法。
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