JP3452524B2 - ラケットフレーム - Google Patents

ラケットフレーム

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JP3452524B2
JP3452524B2 JP2000046458A JP2000046458A JP3452524B2 JP 3452524 B2 JP3452524 B2 JP 3452524B2 JP 2000046458 A JP2000046458 A JP 2000046458A JP 2000046458 A JP2000046458 A JP 2000046458A JP 3452524 B2 JP3452524 B2 JP 3452524B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テニス、バドミン
トン、スカッシュ等に使用されるラケットフレーム(以
下、単にラケットフレームと称する)に関するものであ
り、特に繊維強化樹脂から成形されるラケットフレーム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂製のラケットフレームは、
軽量で、強度、剛性、耐衝撃性に優れ、しかも、必要な
形状を得やすいといった設計上の自由度が大きいことか
ら近年では、ラケットフレームの主流を占めるようにな
っている。
【0003】通常、この種のラケットフレーム30は、
図13に示すように中実或いは、中空の芯材31と、そ
の周囲に配置される繊維強化樹脂製の外殻層32とから
成る構成を有しており、前記外殻層32は、一般に、炭
素繊維或いは、ガラス繊維を主体とする補強繊維層33
a〜33fを適宜積層して構成されるものが主流となっ
ている。
【0004】ところが、このようなラケットフレーム、
特にガラス繊維を主体として形成されるラケットフレー
ムでは、炭素繊維を用いたラケットフレームと比べて比
強度に劣るといった欠点があり、ラケットフレームとし
て実用上十分な強度を確保するためには、多量のガラス
繊維を用いなければならないが、ガラス繊維自体の比重
が大きいことからラケットフレームの重量及び、バラン
スが著しく増加して打球時のフィーリングに悪影響を与
えてしまう問題があった。又、このものは、ガラス繊維
の持つ低い弾性率が作用するため、ラケットフレームと
して必要な剛性を発現させることが難しく、打球時の反
発性や面安定性を満足させることが出来ないといった問
題があった。
【0005】このような問題は、上記のガラス繊維より
も比強度及び、引張り弾性率の高い炭素繊維を用いるこ
とで、軽量で、且つ強度及び、剛性に優れるラケットフ
レームを形成することが出来る。しかし、近年、ラケッ
トフレームの軽量化の流れが一段と加速されてきている
こともあり、より一層のラケットフレームの軽量化が望
まれるが、ラケットフレームの軽量化を更に図りつつ、
実用上十分な強度と剛性を維持させることは、現在では
難しい問題となっている。
【0006】即ち、これら従来の炭素繊維やガラス繊維
を用いたラケットフレームにおいて、軽量化を図るに
は、外殻層の肉厚を薄く構成するか、フレーム自体の外
径を細径化しなければならないため、結果として、ラケ
ットフレームの強度と剛性を低下させてしまいラケット
フレームとして必要な要求特性を満足させることが出来
ないといった問題があった。又、逆に、ラケットフレー
ムの強度と剛性を高めるためには、前記の補強繊維の使
用量を増やして、外殻層の肉厚を厚く構成するか、フレ
ーム自体の外径を大径化しなければならないため、ラケ
ットフレームの重量増加は免れないものとなっていた。
このように、ラケットフレームの軽量化を図ることと、
必要な強度と剛性を得ることは、互いに相反する設計構
成となり、双方を満足させるようなラケットフレームを
構成することは難しいものであった。
【0007】ところで近時では、ラケットフレームの補
強材料として、上記のような炭素繊維やガラス繊維を用
いるものに加え、例えば、特公昭55−38151号に
開示されるように、ラケットフレームの外殻層を形成す
る補強繊維の一部にメタルファイバーのクロスを配置さ
せてなるものや、特開平3−247362号に開示され
るように、炭素繊維やガラス繊維を主体とする補強繊維
層の層間或いは、最外層に、一方向に引き揃えた金属繊
維を配置させてなるラケットフレームが提案され公知と
なっている。この種のラケットフレームでは、金属繊維
を用いることによって、従来の炭素繊維やガラス繊維で
は得られない比強度や剛性、更には粘りなどの機械的特
性の向上を図ることができ、フレームの強度や剛性設計
の自由度を一段と高めることができるものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の金属繊維を用いたラケットフレームにおい
て、金属繊維を一方向に引き揃えた形態として用いるも
のにあっては、前記金属繊維をラケットフレーム成形用
の芯材の周囲に巻回させる際或いは、金型組み込み時
に、前記引き揃えられた各金属繊維がばらけてしまい、
設計通りの配向角度にきちんと配置させることが出来な
いといった問題があり、又、フレーム成形時において、
樹脂材料の流動で金属繊維が蛇行し易く、十分な強度と
剛性の発現が難しいといった問題を有していた。又、前
記金属繊維を外殻層の最外層に配置させた場合には、前
記のように蛇行した金属繊維が表面に表れるため、ラケ
ットフレームの外観上の美観が損なわれるといった問題
もあった。
【0009】金属繊維をクロス状に織り込み又は編み込
んだ形態として用いるものでは、上記のような金属繊維
のばらけや、蛇行等の問題は生じ難いが、クロス状に織
り込み又は編み込むことで金属繊維が比較的密に配置さ
れることから、重量増加を招く恐れがあり使用できる量
に制限が生じる問題があった。又、フレーム成形時にお
いては、各金属繊維間の網目が細かいことから樹脂材料
が浸透し難いといった難があり、又、クロス状に織り込
み又は編み込んだ金属繊維自体が他の補強繊維層に比べ
て格段に硬いため、成型圧力が均一にかかり難く、この
結果、前記クロス状の金属繊維と他の補強繊維層との間
にボイドが多く発生し層間剥離を招く恐れがあった。更
に、このようなクロス状に織り込み又は編み込んだ金属
繊維自体は、比較的肉厚も嵩むため、前記金属繊維の周
辺に位置する他の補強繊維の繊維配向に乱れを生じさせ
る問題があり、応力の集中や、強度低下を招くといった
問題があった。
【0010】そこで本発明は、これら上記従来の問題点
に鑑み、ラケットフレームとして実用上十分な強度と剛
性が確保でき、軽量でしかも、品質の安定したラケット
フレームを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、以下のような構成とした。即ち、本発明
の請求項1に係るラケットフレームは、繊維強化樹脂製
の外殻層を構成する補強繊維の少なくとも一部が、ラケ
ットフレームの周長方向の軸と、該周長方向の軸に対し
て互いに相反する傾斜角度を有する軸とで織り込み又は
編み込まれた3軸織物で構成されてなるラケットフレー
において、前記3軸織物は、その周長方向の軸の一部
が金属繊維で構成されると共に、該金属繊維を除く周長
方向の軸と、前記傾斜角度を有する軸とがガラス繊維で
構成されていることを特徴とするラケットフレームであ
る。本発明で言う3軸織物には、一般に言われる織物だ
けでなく編物をも含むものであり、具体的には、シート
状の織物や、管状に編み込まれたブレード等の組物など
から構成される。
【0012】そして、請求項2は、請求項1に係るラケ
ットフレームにおいて、前記3軸織物が、ラケットフレ
ームの内周面及び/又は外周面に配置されていることを
特徴とするものであり、又、請求項3は、請求項1に係
るラケットフレームにおいて、前記3軸織物が、ラケッ
トフレームの打球面側に相当する両側面に配置されてい
ることを特徴とするラケットフレームである。
【0013】又、本発明の請求項4は、前記請求項1、
2又は3に係るラケットフレームにおいて、前記3軸織
物が、前記ラケットフレームの打球部を構成する領域に
配置されていることを特徴とするものであり、請求項5
は、請求項1、2又は3に係るラケットフレームにおい
て、前記3軸織物が、前記ラケットフレームのシャフト
部を構成する領域に配置されていることを特徴とするも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、図面と共に詳記する好適
な実施例により本発明を説明する。即ち、図1は、本実
施例のラケットフレームの正面図を示し、図2は、図1
のA−A線部における切断端面図、図3は、打球部の構
成を説明する構成説明図、図4は、本実施例で用いる3
軸織物の拡大説明図を示す。
【0015】本実施例のラケットフレーム1は、図1に
示すように、ガットが張設されて網面が形成される打球
部2と、該打球部2とグリップ部3とを連結する左右2
本のシャフト部4とからなる構成を有している。
【0016】前記本実施例のラケットフレーム1は、図
2乃至図3に示すように、芯材5の周囲に配置される繊
維強化樹脂製の外殻層6が、炭素繊維やガラス繊維等の
一方向引き揃え、或いは織布、ブレード等の補強繊維層
7a〜7fを適宜巻回積層して形成される本体層8と、
打球部2を構成する領域において前記本体層8のフレー
ムの内周面9側に相当する部位に配置された3軸織物層
10とから構成されている。前記3軸織物層10は、図
4に示すように、補強繊維を前記ラケットフレーム1の
周長方向に沿って配向させた軸11と、該周長方向の軸
11に対して互いに相反する傾斜角度を有するように配
向させた軸12a、12bとを織り込んで形成される織
物或いは、編み込んで形成されるブレード等の組物から
なる3軸織物13であって、前記3軸織物13を構成す
る周長方向の軸11の一部の軸が金属繊維14で構成
されると共に、該金属繊維14aを除く周長方向の軸1
1と、前記傾斜角度を有する軸12a、12bがガラス
繊維14bで構成されているものである。
【0017】上記構成のラケットフレームを成形するに
は、先ず、予めラケットフレーム1を成形するのに必要
な長さに形成されたナイロン製のチューブからなる芯材
5の周囲に、炭素繊維やガラス繊維の一方向引き揃え、
或いは織布等を強化繊維とするシート状のプリプレグを
それぞれ所要数積層巻回させていき、更にその外周部に
前記の3軸織物13を、打球部2を構成するフレームの
内周面9側に相当する位置に配置してラケットフレーム
成形体を形成する。その後、前記ラケットフレーム成形
体を金型内に配置させ、型締め後、前記芯材5の内部に
圧縮空気を注入して芯材5を膨らませながら加熱硬化さ
せることによって形成されるものである。
【0018】以上のように、本実施例のラケットフレー
ム1では、繊維強化樹脂製の外殻層6を構成する補強繊
維の一部に3軸織物13を用いた構成のラケットフレー
ムであって、前記3軸織物13の周長方向の軸の一部を
金属繊維14aで構成し、該金属繊維14aを除く周長
方向の軸と、前記傾斜角度を有する軸12a、12bを
ガラス繊維14bで構成しているため、前記の金属繊維
14によって、従来の炭素繊維やガラス繊維では得ら
れない強度、剛性等の機械的特性の向上を図ることがで
き、ラケットフレームとして必要な強度、剛性を十分に
確保することが可能となる。
【0019】前記金属繊維14は、該金属繊維14a
を除く周長方向の軸を構成するガラス繊維14bととも
3軸織物13を構成する2方向の軸12a、12bに
織り込み又は編み込まれているので、従来の一方向引き
揃えや、クロス状としたものに比して金属繊維14a
おさまりが良い。従って、金属繊維14aがばらけてし
まったり、成形時の樹脂の流動で繊維の配向角度に狂い
が生じてしまうようなことがなく、金属繊維14aを設
計通りの位置にきれいに配置させることができ、外観上
の美観も優れたラケットフレームとすることができる。
前記金属繊維14は、前記3軸織物13の周長方向の
軸11を構成する一部の軸だけに配置され、前記金属繊
維14aを除く周長方向の軸と、前記傾斜角度を有する
軸12a、12bはガラス繊維14bで構成されている
ので、重量が際立って増大するようなことはなく、又、
樹脂の含浸もスムーズに行えるため、層間剥離等の問題
が生じることのない品質の安定したラケットフレームを
得ることができるものである。
【0020】尚、前記3軸織物13の積層位置として
は、前記外殻層6の最内層、層間、最外層の何れにも配
置させることができるが、前記3軸織物13に織り込み
又は編み込まれる金属繊維14の持つ特性を有効に発
現させるためにも、最外層に配置させることが望まし
い。又、前記3軸織物13の配置位置としては、上記実
施例のように、フレームの内周面9側のみに配置する構
成に限定されることなく、例えば、図5乃至図7に示す
ように、ラケットフレーム1の外周面15側や、前記外
周面15側と内周面9側の双方、更には、フレームの打
球面側に相当する両側面16a、16bに配置する構成
とすることも可能である。前記3軸織物13をフレーム
の外周面15側や内周面9側に配置させた場合では、フ
レームの特に打球部2における打球面内方向への圧縮強
度や剛性が増して、優れた面安定性能が発現でき、又、
前記3軸織物13をフレームの両側面16a、16bに
配置させた場合では、フレームの打球方向への曲げ強度
や剛性を一段と向上させることができ、優れた反発性能
が得られるものである。
【0021】また更に、前記3軸織物13の配置部位と
しては、上記実施例のように、打球部2を構成する領域
のみに配置させる構成とする他、シャフト部4を構成す
る領域や、前記打球部2とシャフト部4及び、グリップ
部3のすべての領域に亘って配置させる構成とすること
もできるものである。
【0022】上記において前記3軸織物13をラケット
フレーム1のすべての領域に配置させた構成では、ラケ
ットフレーム全体の強度や剛性が相対的に高まり、反発
特性及び、面安定性能が極めて良好なラケットフレーム
とすることができる。又、前記3軸織物13をラケット
フレームの打球部2を構成する領域のみに配置させた場
合では、シャフト部4に適度なしなり特性を残存させつ
つ、軽量であると共に、打球部2における面安定性能と
反発特性を高めたラケットフレームとすることができ
る。この場合、特に前記3軸織物13は、前記打球部2
のすべての領域に亘って配置させる構成としても良い
が、図1に示すように前記打球部2を構成する両サイド
部17a、17bや頂部18やヨーク部19等の領域に
部分的に配置させる構成とするだけでも十分に打球部に
おける面安定性能や反発特性を高めることができ、しか
もより一層のラケットフレームの軽量化を実現すること
ができるため好ましい。
【0023】前記3軸織物13をラケットフレーム1の
シャフト部4を構成する領域のみに配置させた構成で
は、スイング時及び、打球時におけるシャフト部4のし
なりを適度に抑制できるため、より強力な打球を可能と
することが出来ると共に、打球部2においてソフトな打
球感が得られるラケットフレームとすることができるも
のである。
【0024】尚、前記3軸織物13を構成する金属繊維
14としては、純チタン或いは、チタン合金からなる
チタン繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維、タン
グステン繊維、ボロン繊維、アモルファス繊維等の各種
金属繊維が使用できるが、なかでもチタン繊維、とりわ
けβ−チタン合金から形成される繊維が軽量で、強度や
剛性に優れることからより好ましい。又、このような金
属繊維14は、図8に示すように、前記周長方向の軸
11として用いる際に、前記金属繊維14の単繊維2
0を3〜6本集束させた状態で用いられても良く、又、
前記金属繊維14を集束させずに単繊維1本のみで前
記軸11を形成するように構成されていても良い。
【0025】更に、前記金属繊維14の太さは、所望
とするラケットフレームの強度や剛性等の特性に応じて
適宜選択することができるが、金属繊維14の織り込
み又は編み込み易さを考慮して、5μm〜500μmの
太さ、とりわけ、10μm〜200μmの太さのものが
好適である。又、前記金属繊維14の断面形状として
は、円形の他、三角形、四角形、多角形等種々の形態の
ものが使用できる。又、図9に示すように、その断面を
偏平形状としたものも使用可能である。このように断面
を偏平形状としたものにあっては、特に、各補強繊維軸
の織り込み又は編み込み交差部分21での繊維嵩みが少
なく抑えられるため、補強繊維のうねりを少なくでき、
成形時の樹脂の浸透がスムーズに行えるといった成形上
のメリットを有するため好ましい。
【0026】又、このような金属繊維14は、該金属
繊維自体の持つ特性を生かしてラケットフレームの強度
や剛性を向上させるためにも、ラケットフレーム1の周
長方向の軸11として用いることが望ましい。前記した
金属繊維14を傾斜角度を有する軸12a、12bに
用いた場合では、逆に、前記金属繊維14の特性を十
分に生かすことができないため、ラケットフレームの強
度や剛性の向上が望めず、又、前記金属繊維自体が極め
て剛直で柔軟性に欠ける特性を持つことから、3軸織物
13を芯材5の周囲に巻回積層させる際などに、前記金
属繊維14が曲げ折れてしまい必要な強度が発現でき
なくなるといった問題を生じるため好ましくない。
【0027】
【実施例】(実施例1) 芯材5として、幅が27mmで、長さが1,800mm
のナイロン製のチューブを用意した。又、外殻層形成用
のプリプレグとしては、炭素繊維の一方向引き揃えプリ
プレグと、ガラス繊維の一方向引き揃えプリプレグと、
ラケットフレームの周長方向の軸の一部に金属繊維を織
り込んだ3軸織物プリプレグを用意した。
【0028】本実施例では、前記3軸織物プリプレグと
して、図10に示すように、ガラス繊維の単繊維を約8
00本集束させた繊維束22a、22bを、傾斜角が±
35°となるように織り込んだ2軸織物に、周長方向の
軸として、ガラス繊維の単繊維を約800本集束させた
繊維束23と、繊維径が約100μmのβ−チタン合金
繊維の単繊維を約3本集束させた繊維束24とを、傾斜
角度が0°となるように織り込んだシート状の3軸織物
25を用意した。
【0029】そして、先ず炭素繊維の一方向引き揃えプ
リプレグと、ガラス繊維の一方向引き揃えプリプレグ
を、前記チューブの周囲に順次積層巻回させていき、次
に前記の3軸織物プリプレグをラケットフレームの打球
部を構成する領域の内周面側に相当する位置に積層して
ラケットフレーム成形体を得た。
【0030】その後、前記ラケットフレーム成形体を、
ラケットフレーム形状に曲げ沿わせながら、金型内に配
置させ、型締め後、前記チューブ内に圧縮空気を挿入し
加熱硬化させることにより本実施例のラケットフレーム
を得た。
【0031】(実施例2) 3軸織物プリプレグとして、図11に示すように、ガラ
ス繊維の単繊維を約800本集束させた繊維束26a、
26bを64本使用して、傾斜角が±35°となるよう
に管状に編み込んだ2軸ブレードに、周長方向の軸とし
て、ガラス繊維の単繊維を約800本集束させた繊維束
27を24本と、繊維径が約100μmのβ−チタン合
金繊維の単繊維を約3本集束させた繊維束28を8本と
を、傾斜角度が0°となるように編み込んだ3軸ブレー
ド29を用意した。
【0032】そして、前記3軸ブレード29を、図12
の(a)に示す管状の状態から、(b)に示すように押
し潰してシート状とし、これをラケットフレームの打球
部を構成する領域の内周面側に相当する位置に積層して
ラケットフレーム成形体を得た。その他の工程は、上記
実施例1と同様とした。
【0033】(実施例3) 3軸織物プリプレグとして、上記実施例2と同じ仕様の
3軸ブレード29で、図11に示すような管状の状態の
ものを用意した。そして、先ず炭素繊維の一方向引き揃
えプリプレグと、ガラス繊維の一方向引き揃えプリプレ
グを、チューブの周囲に順次積層巻回させていき、次に
ラケットフレームの打球部を構成する領域周辺の、前記
プリプレグの周囲に前記のような管状の3軸ブレード2
9を被覆させてラケットフレーム成形体を得た。その他
の工程は、上記実施例1と同様とした。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明のラケットフレー
ムは、繊維強化樹脂製の外殻層を構成する補強繊維の一
部に3軸織物を用いた構成のラケットフレームであっ
て、前記3軸織物の周長方向の軸の一部を金属繊維で構
成し、該金属繊維を除く周長方向の軸と、傾斜角度を有
する軸とをガラス繊維で構成しているため、前記の金属
繊維によって、従来の炭素繊維やガラス繊維では得られ
ない強度や剛性等の機械的特性を向上させることができ
る。従って、従来のラケットフレームのように、強度や
剛性を高めるために、外殻層の肉厚やフレーム自体の形
状を大きく設計しなくても済むため、ラケットフレーム
の重量の増大が回避できると共に、フレームの強度や剛
性、更には、バランス設計の自由度が大きくなる。又、
本発明のラケットフレームでは、ラケットフレームとし
て必要な強度や剛性が十分に確保できるため、補強繊維
の使用量を減らしてフレームの肉厚を従来のラケットフ
レームよりも薄く設計することが可能となり、この結
果、ラケットフレームの更なる軽量化が実現できるもの
である。
【0035】さらに、前記金属繊維は、3軸織物を構成
する周長方向の軸として織り込み又は編み込まれている
ことから、従来のラケットフレームのように、金属繊維
がばらけてしまったり、成形時の樹脂の流動で繊維の配
向角度に狂いが生じてしまうようなことがなく、しか
も、前記金属繊維は、前記3軸織物の周長方向の軸を構
成する一部の軸だけに配置され、前記金属繊維を除く周
長方向の軸と、傾斜角度を有する軸とはガラス繊維で構
成されているので、重量が際立って増大するようなこと
はなく、又、樹脂の含浸もスムーズに行えるため、層間
剥離等の問題が生じることのない品質の安定したラケッ
トフレームとすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のラケットフレームの正面図。
【図2】A−A線部における切断端面図。
【図3】打球部の構成を説明する構成説明図。
【図4】本実施例で用いる3軸ブレードの拡大説明図。
【図5】その他の実施例の構成を表わす説明図。
【図6】その他の実施例の構成を表わす説明図。
【図7】その他の実施例の構成を表わす説明図。
【図8】金属繊維の一実施例の構成を表す説明図。
【図9】金属繊維の一実施例の構成を表す説明図。
【図10】実施例の3軸織物を表す説明図。
【図11】実施例の3軸ブレードを表す説明図。
【図12】実施例の3軸ブレードを表す説明図。
【図13】従来のラケットフレームの構成説明図。
【符号の説明】
1 ラケットフレーム 2 打球部 3 グリップ部 4 シャフト部 5 芯材 6 外殻層 7a 補強繊維層 7b 補強繊維層 7c 補強繊維層 7d 補強繊維層 7e 補強繊維層 7f 補強繊維層 8 本体層 9 内周面 10 3軸織物層 11 軸 12a 軸 12b 軸 13 3軸織物 14 金属繊維14b ガラス繊維 15 外周面 16a 側面 16b 側面 17a サイド部 17b サイド部 18 頂部 19 ヨーク部 20 単繊維 21 交差部分 22a 繊維束 22b 繊維束 23 補強束 24 繊維束 25 3軸織物 26a 繊維束 26b 繊維束 27 繊維束 28 繊維束 29 3軸ブレード 30 ラケットフレーム 31 芯材 32 外殻層 33a 補強繊維層 33b 補強繊維層 33c 補強繊維層 33d 補強繊維層 33e 補強繊維層 33f 補強繊維層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63B 49/10

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂製の外殻層を構成する補強
    繊維の少なくとも一部が、ラケットフレームの周長方向
    の軸と、該周長方向の軸に対して互いに相反する傾斜角
    度を有する軸とで織り込み又は編み込まれた3軸織物で
    構成されてなるラケットフレームにおいて、前記3軸織
    は、その周長方向の軸の一部が金属繊維で構成される
    と共に、該金属繊維を除く周長方向の軸と、前記傾斜角
    度を有する軸とがガラス繊維で構成されていることを特
    徴とするラケットフレーム。
  2. 【請求項2】 前記3軸織物は、ラケットフレームの内
    周面及び/又は外周面に配置されていることを特徴とす
    る請求項1記載のラケットフレーム。
  3. 【請求項3】 前記3軸織物は、ラケットフレームの打
    球面側に相当する両側面に配置されていることを特徴と
    する請求項1記載のラケットフレーム。
  4. 【請求項4】 前記3軸織物は、前記ラケットフレーム
    の打球部を構成する領域に配置されていることを特徴と
    する請求項1、2又は3記載のラケットフレーム。
  5. 【請求項5】 前記3軸織物は、前記ラケットフレーム
    のシャフト部を構成する領域に配置されていることを特
    徴とする請求項12又は3記載のラケットフレーム。
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