JP3451228B2 - 近赤外吸収フィルター - Google Patents
近赤外吸収フィルターInfo
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Description
ターに関するものであり、更に詳しくは、別の機能を有
する層と組み合わせることにより、特にプラズマディス
プレイパネル用の近赤外吸収フィルターとして使用して
好適な近赤外吸収フィルターに関するものである。
式のディスプレイが開発、商品化されていて、プラズマ
ディスプレイもそのひとつであるが、このプラズマディ
スプレイからは、原理的にも明らかなようにプラズマ放
電の際に近赤外線が発生し、この近赤外線が、家電用テ
レビ、クーラー、ビデオデッキ等の電子機器のリモート
コントロールシステムが使用する近赤外線と近似するた
め、プラズマディスプレイは近傍のこれらの電子機器の
誤動作を誘発することが問題となっている。
00nm、特に850〜1000nmの領域を吸収して
遮蔽する近赤外線フィルターを利用することが提案され
ており、このような近赤外吸収フィルターとしては、金
属イオン(例えば2価の銅イオン)を含むリン酸塩ガラ
ス製フィルター、ガラス等の表面に金属(例えば銀)の
薄い層を蒸着法、スパッター法やイオンプレーティング
法その他の方法により形成したフィルター、金属イオン
(例えば2価の銅イオン)を含むリン酸基含有のアクリ
ル製フィルターや、近赤外領域の波長を吸収する色素を
樹脂中に添加したフィルター等を挙げることができる。
ィルターのうち、金属イオンを含むリン酸塩ガラス製フ
ィルターには、吸湿性や製造工程の煩雑さ等の問題が、
ガラス等の表面に金属(例えば銀)の薄い層を蒸着法、
スパッター法やイオンプレーティング法その他の方法に
より形成したフィルターには、近赤外領域と比較すれば
少ないものの、可視光領域の光も反射してしまい、厚く
しすぎると透過率が低下し、又、製造コストが高い等の
問題があり、両者に共通して、多くの場合ガラスを用い
るので、得られるフィルターが重い、割れ易い、加工が
困難等といった問題がある。
リル製フィルターにも、製造工程の煩雑さ等の問題が指
摘されている。
色素を樹脂中に添加したフィルターは、ガラスを用いた
フィルターに比べ軽量であり、製造も簡便であるという
ように利点が多い。
領域の波長を吸収する色素には、同時に可視光領域にお
いても吸収を持つものが多く、これら色素を添加した近
赤外吸収フィルターは、近赤外領域以外にも吸収を持つ
ことになるので、不適当となる場合が多いという難点が
ある。
にジイモニウム系化合物の色素は、耐熱性や熱安定性に
劣るものが多く、例えば練り込み法により製造された近
赤外吸収フィルターには、練り込んだ色素の熱分解物が
含有されることになり、この熱分解物は近赤外領域の波
長を元の色素に比較してほとんど吸収せず、一方で可視
光領域の波長をより多く吸収し、従って近赤外領域の吸
収は可視光領域の吸収に比べて相対的に低くなるので、
結果的に近赤外領域の波長を十分に吸収する近赤外吸収
フィルターは可視光領域の透過率が低くなってしまう。
特にジイモニウム系化合物の色素は、同時に配合する他
の色素等によって、更に劣化が早まることがあるため、
上記のような近赤外吸収フィルターに対して色素の配合
を行うに当たって、相互作用の無いものを選択して使用
するか、或いは、複数の層に別個に配合するという煩雑
な作業が必要であった。
を解消し、耐熱性に優れ、長期間に亘って安定した吸収
特性を示すばかりか、可視光透過率及び近赤外線吸収効
率が高く、特にプラズマディスプレイパネル用の近赤外
吸収フィルターに使用して好適な近赤外吸収フィルター
を提供することを目的としてなされた。
に本発明が採用した近赤外吸収フィルターの構成は、ポ
リカーボネート及びポリアリレートの一方或いは双方を
原料とし、溶液流延法により作成した樹脂フィルム中
に、式(1)
アルキル基、アリール基であり、X-はハロゲンアニオ
ン、過塩素酸アニオン、6フッ化アンチモンアニオン又
は硝酸アニオンで代表される陰イオンである。)で表さ
れるジイモニウム化合物の少なくとも1種以上を添加し
てなることを特徴とするものである。
成は、上記のように、ポリカーボネート及びポリアリレ
ートの一方或いは双方を原料とし、溶液流延法により作
成した樹脂フィルム中に、所定のジチオールニッケル錯
体、及び、ジインモニウム化合物を添加してなるもので
あり、上記の樹脂フィルムを作成するためのポリカーボ
ネートとしては、数平均分子量10000〜30000
の範囲のものを、又、ポリアリレートとしては、数平均
分子量18000〜30000の範囲のものをそれぞれ
例示することができる。
ずれを使用するか、或いは、ポリカーボネート及びポリ
アリレートの双方を使用する場合の配合比は、得られる
近赤外吸収フィルターの適用形態や適用方法に応じて決
定すればよく、例えば、近赤外吸収フィルターに耐衝撃
性や可視光透過性を求めるのであれば、ポリカーポネー
トを使用することが好ましく、表面硬度や紫外線吸収能
を求めるのであれば、ポリアリレートを使用することが
好ましい。
らの性能をバランスよく求めるのであれば、ポリカーボ
ネートとポリアリレートとを配合して用いればよく、そ
の配合比は、例えばポリアリレート:ポリカーボネート
=3:7〜9:1の範囲(重量比)であることが好まし
い。
ル錯体は、上記式(1)で表されるものであり、本発明
で使用する上記樹脂フィルム中における最大吸収波長が
900nmで、吸収の波形も最大吸収波長に対してほぼ
対称であり、特にプラズマディスプレイパネル用として
必要とされる850〜1000nmの近赤外領域を、こ
の色素単独で、しかも効率良く遮蔽することができる。
錯体の上記樹脂フィルムに対する添加割合は、本発明の
近赤外吸収フィルターを製造する際の、当該近赤外吸収
フィルターの厚さや要求される吸収能を勘案して決定さ
れるものであり、吸収能を一定とすれば、薄い近赤外吸
収フィルターの場合にはジチオールニッケル錯体を多く
添加する必要があり、逆に厚い近赤外吸収フィルターの
場合にはジチオールニッケル錯体の添加量は少なくてよ
いことになる。
具体的には、例えば本発明の近赤外吸収フィルターの単
位面積、即ち、1m2当たり1mg乃至後述する近赤外
吸収フィルターの製造工程における溶液への飽和濃度に
近い800mg、好ましくは1m2当たり5mg乃至5
00mg、更に好ましくは1m2当たり30mg乃至3
00mgという範囲を例示することができる。
範囲より少ない場合は、所望の吸収能が得られない場合
があり、あまりに多いと可視光の透過率が低下する場合
がある。
は、式(2)
同一或いは相異なる水素、アルキル基、アリール基であ
り、X-はハロゲンアニオン、過塩素酸アニオン、6フ
ッ化アンチモンアニオン又は硝酸アニオンで代表される
陰イオンを表している。尚、R1乃至R8は、互いに同一
或いは相異なる水素或いは炭素数1乃至8のアルキル基
であることが、入手性の点からより好ましい。
至R8がアルキル基である化合物は、近赤外領域に比べ
て可視光領域にほとんど吸収を持たず、又、溶媒に対す
る溶解度が高いので色素濃度を高めることができ、樹脂
フィルムの厚みを薄くすることができるので好ましく、
このようなジイモニウム化合物としては、
化合物の添加量としては、例えば本発明の近赤外吸収フ
ィルターの単位面積1m2に対して、1mg乃至800
mg、好ましくは5mg乃至500mg、更に好ましく
は30mg乃至300mgという範囲を例示することが
できる。
り少ない場合は、所望の吸収能が得られないこともあ
り、逆に上記範囲より多い場合は、可視光の透過率が低
下する場合もあり、いずれも好ましくない。
ニッケル錯体と上記式(2)で表わされるジイモニウム
化合物との配合比を1:2〜2:1(重量比)とする
と、近赤外領域の波長をバランスよく吸収できる近赤外
吸収フィルターを得ることができる。
物は、1種類を使用しても2種類以上を使用してもよい
が、この化合物は、特に他の色素と混合した場合に、そ
の耐熱性が著しく低下することが知られているもので、
従来は他の色素と併用する場合は、別個の層に配合する
必要があった。
ールニッケル錯体及び式(2)で表されるジイモニウム
化合物に加え、式(3)
種以上添加し、比較的高価である上記上記式(1)で表
されるジチオールニッケル錯体の使用量を減少させるこ
とによるコストダウンを図ってもよい。
相異なる炭素数が1から4のアルキレン基、アリール
基、アラルキル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、
ハロゲン原子又は水素を表している。尚、R9〜R
12は、互いに同一或いは相異なる水素或いはアルキル基
部分が炭素数1乃至4のアルコキシ基やジメチルアミノ
基であることが、入手性の点からより好ましい。
上記樹脂に対して、例えばフィルターの単位面積1m2
当たり1mg乃至後述する近赤外吸収フィルターの製造
工程における溶液への飽和濃度に近い800mg、好ま
しくは1m2当たり5mg乃至500mg、更に好まし
くは1m2当たり30mg乃至300mgという範囲を
例示することができる。
が上記の範囲より少ない場合は、所望の吸収能が得られ
ない場合があり、逆に添加量があまりに多いと、可視光
の透過率が低下する場合があって、いずれも好ましくな
い。
ールニッケル錯体は、前述のように上記式(1)で表わ
されるジチオールニッケル錯体の使用量の一部を置き換
えることができるものであって、上記式(1)で表わさ
れるジチオールニッケル錯体のみの使用量の範囲におい
て、上記式(1)で表わされるジチオールニッケル錯体
と、式(3)で表わされる他のジチオールニッケル錯体
との配合比を1:4〜4:1(重量比)の範囲にするこ
とにより、近赤外領域の波長をバランスよく吸収でき、
又は800〜900nの吸収能を高め、或いはコストを
制限した近赤外吸収フィルターを得ることができる。
には、上記式(1)で表されるジチオールニッケル錯
体、式(2)で表されるジイモニウム化合物、及び、必
要に応じて使用される式(3)で表される他のジチオー
ルニッケル錯体を、溶液流延法により樹脂フィルムを作
成するためのポリカーボネート又はポリアリレート或い
はポリカーボネートとポリアクリレートの混合物に添加
するだけでよく、その手段に特に制限はないが、上記成
分を上記樹脂又は樹脂混合物を溶解する溶媒を用いて溶
液とし、樹脂又は樹脂混合物の溶液に添加することが好
ましい。
合物を溶解するものであれば特に制限はないが、塩素系
溶媒、エーテル系溶媒又はこれらの混合溶媒が好まし
く、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチル
エーテル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、クロロホルム、塩化メチレン等、又はこれらの混合
溶媒を挙げることができる。
造方法を具体的に例示すれば、上記樹脂の溶液に、上記
式(1)で表されるジチオールニッケル錯体、式(2)
で表されるジイモニウム化合物、及び、必要に応じて使
用される式(3)で表される他のジチオールニッケル錯
体の溶液を添加し、均一な溶液になるまで攪拌溶解し、
溶液流延法等により板又はフィルム等の適宜の基材上に
流して乾燥すればよいのである。
ーコーター、ナイフコーター、ダイコーター、ドクター
ブレード等を用いることができる。又、板又はフィルム
等の基材を透明なもの、或いは、後述の別の機能を有す
るものとして、これらに対してフィルターを形成しつつ
貼合せてもよい。
としては、所望の近赤外吸収能を発揮しうるに必要な近
赤外吸収色素量を含有するのであれば特に制限はなく、
フィルターとして実用的な透過率を保つことができる厚
みであればよい。例えば1〜300μm、好ましくは3
〜200μm、更に好ましくは5〜100μmという範
囲を例示することができる。
収フィルターは、反射防止、電磁波遮蔽やニュートンリ
ング防止、帯電防止等の他の機能を有する層と組み合わ
せることにより、特にプラズマディスプレイパネル用の
近赤外吸収フィルターとして使用するのに好適な特性を
備えている。
更に又、近赤外吸収物質、例えばフタロシアニン系及び
/又はナフタロシアニン系化合物の少なくとも1種以
上、紫外線吸収物質、可塑剤、架橋剤、酸化防止剤、重
合遅延剤、色素、染料、顔料や色補正剤を、添加するこ
とができ、特に色素、染料、顔料、色補正剤を添加した
場合は、本発明の近赤外吸収フィルターをカラーフィル
ターとして使用することができる。
する。
(パンライトL−1225[商品名、帝人化成製])1
0.2重量部、式(1)で表されるジチオールニッケル
錯体0.065重量部、及び、式、
例においてこれをジイモニウム化合物[1]という)
0.095重量部を加え溶解した。この溶液を、隙間寸
法300μmのバーコーター(ドクターブレードYDー
7型[商品名、ヨシミツ精機製]、以下、実施例及び比
較例において同じである。)を用いて、ポリエステルフ
ィルム上にキャスト法にて成膜し、近赤外吸収フィルタ
ーとしてのフィルムを得た。
0時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前
及び耐熱試験後の分光スぺクトルを図1に示す。チャー
トから分かるように、850乃至1000nmの近赤外
領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好であ
る。又、500時間の耐熱試験後でも色素の分解が抑え
られており、スぺクトルにほとんど変化は見られず、P
DP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
(尚、上の方の破線曲線が500時間の耐熱試験後に対
応する。)。
(パンライトL−1225[商品名、帝人化成製])1
0.2重量部、式(1)で表されるジチオールニッケル
錯体0.065重量部、及び、式、
例においてこれをジイモニウム化合物[2]という)
0.095重量部を加え溶解した。この溶液を、隙間寸
法300μmのバーコーターを用いて、ポリエステルフ
ィルム上にキャスト法にて成膜し、近赤外吸収フィルタ
ーとしてのフィルムを得た。このフィルムの分光スペク
トルを図2に示す。チャートから分かるように、850
乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されてお
り、可視光透過率も良好である。
(パンライトC1400[商品名、帝人化成製])1
0.0重量部、式(1)で表されるジチオールニッケル
錯体0.015重量部、ジイモニウム化合物[2]0.
06重量部及び式、
比較例においてこれをジチオールニッケル錯体[1]と
いう)0.03重量部を溶解し、隙間寸法300μmの
バーコーターを用いて、ポリエステルフィルム上にキャ
スト法にて成膜し、近赤外吸収フィルターとしてのフィ
ルムを得た。このフィルムの分光スペクトルを図3に示
す。チャートから分かるように、850乃至1000n
mの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率
も良好である。
ドロフラン=40:40:30(体積比)の混合溶液1
00重量部に、ポリカーボネート樹脂(パンライトL−
1225[商品名、帝人化成製])23.4重量部、式
(1)で表されるジチオールニッケル錯体0.025重
量部、ジイモニウム化合物[2]0.10重量部、ジチ
オールニッケル錯体[1]0.06重量部、色補正剤と
してのKaya Violet AR(商品名[日本化
薬製])0.01重量部及びKaya Blue N
(商品名[日本化薬製])0.003重量部を加え溶解
した。この溶液を、隙間寸法300μmのバーコーター
を用いて、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成
膜し、近赤外吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
得られたフィルムはPDP用フィルターとして好ましい
灰色を呈していた。このフィルムの分光スペクトルを図
4に示す。チャートから分かるように、850乃至10
00nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光
透過率も良好である。
ト樹脂(パンライトL−1225[商品名、帝人化成
製])16.0重量部、式(1)で表されるジチオール
ニッケル錯体0.025重量部、ジイモニウム化合物
[1]0.10重量部、ジチオールニッケル錯体[1]
0.06重量部、色補正剤としてのKayaRed B
(商品名[日本化薬製])0.007重量部及びKay
a BlueN(商品名[日本化薬製])0.007重
量部を加え溶解した。この溶液を、隙間寸法300μm
のバーコーターを用いて、ポリエステルフィルム上にキ
ャスト法にて成膜し、近赤外吸収フィルターとしてのフ
ィルムを得た。得られたフィルムはPDPフィルターと
して好ましい灰色を呈していた。このフィルムの分光ス
ペクトルを図5に示す。チャートから分かるように、8
50乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されて
おり、可視光透過率も良好である。
パウダー[商品名、ユニチカ製])16.7重量部、式
(1)で表わされるジチオールニッケル錯体0.07重
量部及びジイモニウム化合物[2]0.09重量部を加
え溶解した。この溶液を、隙間寸法300μmのバーコ
ータ−を用いて、ポリエステルフィルム上にキャスト法
にて成膜した。このフィルムの分光スペクトルを図6に
示す。チャートから分かるように、850乃至1000
nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過
率も良好である。又、500時間の耐熱試験後でも色素
の分解が抑えられており、スぺクトルにほとんど変化は
見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性
を有している(尚、破線曲線が500時間の耐熱試験後
に対応する。)。
ボネートのアロイ(1:1)樹脂(P−5001[商品
名、ユニチカ製])16.7重量部、式(1)で表わさ
れるジチオールニッケル錯体0.05重量部及びジイモ
ニウム化合物[2]0.09重量部を加え溶解した。こ
の溶液を、隙間寸法300μmのバーコータ−を用い
て、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜し
た。このフィルムの分光スペクトルを図7に示す。チャ
ートから分かるように、850乃至1000nmの近赤
外領域が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好で
ある。又、500時間の耐熱試験後でも色素の分解が抑
えられており、スぺクトルにほとんど変化は見られず、
PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有してい
る(尚、破線曲線が500時間の耐熱試験後に対応す
る。)。
(パンライトLー1250Z[商品名、帝人化成製])
10.2重量部、及び、式(1)で表されるジチオール
ニッケル錯体0.065重量部を加え溶解した。この溶
液を、隙間寸法300μmのバーコーターを用いて、ポ
リエステルフィルム上にキャスト法にて成膜し、近赤外
吸収フィルターとしてのフィルムを得た。このフィルム
の分光スペクトルを図8に示す。図8より900〜10
00nmの吸収が弱いことがわかる。
(パンライトLー1250Z[商品名、帝人化成製])
10.2重量部、及び、ジイモニウム化合物[1]0.
095重量部を加え溶解した。この溶液を、隙間寸法3
00μmのバーコーターを用いて、ポリエステルフィル
ム上にキャスト法にて成膜し、近赤外吸収フィルターと
してのフィルムを得た。このフィルムの分光スペクトル
を図9に示す。図9より850〜900nmの吸収が弱
いことがわかる。
ペット[商品名、三菱レーヨン製])10.2重量部、
式(1)で表されるジチオールニッケル錯体0.065
重量部及びジイモニウム化合物[1]0.095重量部
を加え溶解した。この溶液を、隙間寸法300μmのバ
ーコーターを用いて、ポリエステルフィルム上にキャス
ト法にて成膜し、近赤外吸収フィルターとしてのフィル
ムを得た。更に、このフィルムについて90℃、500
時間の耐熱試験を行った。このフィルムの耐熱試験前及
び耐熱試験後の分光スペクトルを図10に示す。チャー
トから分かるように、500時間の耐熱試験後では、色
素の分解により特に900nm以上の吸収が弱くなって
いる(尚、上の方の曲線が500時間の耐熱試験後に対
応する。)。
樹脂パンライトL−1250Z(帝人化成製)32重量
部、式(1)で表されるジチオール・ニッケル錯体0.
47重量部、ジイモニウム化合物[1]0.53重量部、
フタロシアニン系化合物TX−EX 812K(株式会
社日本触媒製)0.25重量部を加え溶解した。この溶
液を隙間寸法100μmのバーコーターを用いてポリエ
ステルフィルム上にキャスト法にて成膜した。このフィ
ルムの分光スペクトルを図11に示す。このチャートか
ら分かるように、850乃至1000nmの近赤外領域
が十分に遮蔽されており、可視光透過率も良好である。
又、500時間の耐熱試験後でも色素の分解が抑えられ
ており、スペクトルにほとんど変化は見られず、PDP
用フィルターとして十分な長期耐熱性を有している
(尚、破線曲線が500時間の耐熱試験後に対応す
る。)。
樹脂パンライトL−1250Z(帝人化成製)32重量
部、式(1)で表されるジチオール・ニッケル錯体(化
合物1)0.13重量部、ジチオール・ニッケル錯体
[1]0.34重量部、ジイモニウム化合物[2]0.53
重量部、フタロシアニン系化合物TX−EX 801B
(株式会社日本触媒製)0.25重量部を加え溶解し
た。この溶液を隙間寸法100μmのバーコーターを用
いてポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜し
た。このフィルムの分光スペクトルを図12に示す。こ
のチャートから分かるように、850乃至1000nm
の近赤外領域が十分に遮蔽されており可視光透過率も良
好である。又、500時間の耐熱試験後でも色素の分解
が抑えられており、スペクトルにほとんど変化は見られ
ず、PDP用フィルターとして十分な長期耐熱性を有し
ている(尚、破線曲線が500時間の耐熱試験後に対応
する。)。
樹脂パンライトL−1250Z(帝人化成製)36重量
部、式(1)で表されるジチオール・ニッケル錯体0.
5重量部、ジイモニウム化合物[2]0.5重量部、フタ
ロシアニン系化合物 TX−EX 812K(株式会社
日本触媒製)0.25重量部、色補正剤としてKaya vio
let AR(日本化薬製)0.083重量部及びKaya Blue
N(日本化薬製)0.025重量部を加え溶解した。こ
の溶液を隙間寸法150μmのバーコーターを用いてポ
リエステルフィルム上にキャスト法にて成膜した。得ら
れたフィルムはPDP用フィルターとして好ましい灰色
を呈していた。このフィルムの分光スペクトルを図13
に示す。このチャートから分かるように、850乃至1
000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されており可視光
透過率も良好である。又、500時間の耐熱試験後でも
色素の分解が抑えられており、スペクトルにほとんど変
化は見られず、PDP用フィルターとして十分な長期耐
熱性を有している(尚、破線曲線が500時間の耐熱試
験後に対応する。)。
樹脂パンライトL−1250Z(帝人化成製)36重量
部、式(1)で表されるジチオール・ニッケル錯体0.
13重量部、ジチオール・ニッケル錯体IRaddit
ive200(大日本インキ化学工業株式会社製)0.
34重量部、ジイモニウム化合物[2]0.53重量部、
フタロシアニン系化合物 TX−EX 801B(株式
会社日本触媒製)0.25重量部、色補正剤としてKaya
violet AR(日本化薬製)0.083重量部及びKaya B
lue N(日本化薬製)0.025重量部を加え溶解し
た。この溶液を隙間寸法150μmのバーコーターを用
いてポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜し
た。得られたフィルムはPDP用フィルターとして好ま
しい灰色を呈していた。このフィルムの分光スペクトル
を図14に示す。このチャートから分かるように、85
0乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮蔽されてお
り可視光透過率も良好である。又、500時間の耐熱試
験後でも色素の分解が抑えられており、スペクトルにほ
とんど変化は見られず、PDP用フィルターとして十分
な長期耐熱性を有している(尚、破線曲線が500時間
の耐熱試験後に対応する。)。
樹脂パンライトL−1250Z(帝人化成製)36重量
部、式(1)で表されるジチオール・ニッケル錯体0.
6重量部、フタロシアニン系化合物 TX−EX 81
2K(株式会社日本触媒製)0.3重量部、フタロシア
ニン系化合物 TX−EX 903B(株式会社日本触
媒製)0.4重量部を加え溶解した。この溶液を隙間寸
法150μmのバーコーターを用いてポリエステルフィ
ルム上にキャスト法にて成膜した。このフィルムの分光
スペクトルを図15に示す。このチャートから分かるよ
うに、850乃至1000nmの近赤外領域が十分に遮
蔽されており可視光透過率も良好である。又、500時
間の耐熱試験後でも色素の分解が抑えられており、スペ
クトルにほとんど変化は見られず、PDP用フィルター
として十分な長期耐熱性を有している(尚、破線曲線が
500時間の耐熱試験後に対応する。)。
ルターは、ポリカーボネート及びポリアリレートの一方
或いは双方を原料とし、溶液流延法により作成した樹脂
フィルム中に、ジチオールニッケル錯体及びジイモニウ
ム化合物を添加することにより、特に他の色素と混合し
た際に著しく低下するジイモニウム化合物の耐熱性の問
題を解消し、高温下であっても長期間に亘って安定した
吸収特性を示すものである。
チオールニッケル錯体及びジイモニウム化合物を併用す
ることにより、高い可視光透過率、及び、近赤外領域
(850〜1000nm)吸収能を有するものであり、
ジチオールニッケル錯体及びジイモニウム化合物を別個
の層に添加するのではなく、一層に添加し得ることと相
まって、特にプラズマディスプレイパネル用の近赤外吸
収フィルターに使用して好適である。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ー)の分光スペクトルである。
ター)の分光スペクトルである。
ター)の分光スペクトルである。
ター)の分光スペクトルである。
ルター)の分光スペクトルである。
ルター)の分光スペクトルである。
ルター)の分光スペクトルである。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリカーボネート及びポリアリレートの
一方或いは双方を原料とし、溶液流延法により作成した
樹脂フィルム中に、式(1) 【化1】 で表されるジチオールニッケル錯体、及び、式(2) 【化2】 (式中、R1乃至R8は互いに同一或いは相異なる水素、
アルキル基、アリール基であり、X-はハロゲンアニオ
ン、過塩素酸アニオン、6フッ化アンチモンアニオン又
は硝酸アニオンで代表される陰イオンである。)で表さ
れるジイモニウム化合物の少なくとも1種以上を添加し
てなることを特徴とする近赤外吸収フィルター。 - 【請求項2】 更に、式(3) 【化3】 (式中、R9〜R12は互いに同一或いは相異なる炭素数
が1から4のアルキレン基、アリール基、アラルキル
基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ハロゲン原子又
は水素を表す。)で表されるジチオールニッケル錯体の
少なくとも1種以上を添加してなる請求項1に記載の近
赤外吸収フィルター。 - 【請求項3】 更に、フタロシアニン系及び/又はナフ
タロシアニン系化合物の少なくとも1種以上を添加して
なる請求項1又は2に記載の近赤外吸収フィルター。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の近赤
外吸収フィルターを使用してなることを特徴とするプラ
ズマディスプレイパネル用の近赤外吸収フィルター。
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-
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- 1999-11-08 JP JP31618699A patent/JP3451228B2/ja not_active Expired - Fee Related
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