JP3530789B2 - プラズマディスプレイパネルのフィルター用近赤外吸収組成物 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルのフィルター用近赤外吸収組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば各種のディ
スプレイ装置から放出される近赤外線(800〜100
0nm)を吸収して、周辺電子機器の誤動作を防止する
ことができると共に、可視光透過率が高く、且つ、近赤
外線のカット効率の高いためにプラズマディスプレイ
パネル用の近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適
な近赤外吸収組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、大型ディスプレイとして様々な形
式のディスプレイが開発、商品化されていて、プラズマ
ディスプレイもそのひとつであるが、このプラズマディ
スプレイからは、原理的にも明らかなようにプラズマ放
電の際に近赤外線が発生し、この近赤外線が、家電用テ
レビ、クーラー、ビデオデッキ等の電子機器のリモート
コントロールシステムが使用する近赤外線と近似するた
め、プラズマディスプレイは近傍のこれらの電子機器の
誤動作を誘発することが問題となっている。
【0003】そこで近赤外線、特に800nm〜100
0nmの領域を吸収して遮蔽するフィルターを利用する
ことが提案されていて、このような近赤外線吸収フィル
ターとしては、2価の銅イオンを含むリン酸塩ガラス製
フィルター、ガラス等の表面に金属(例えば銀)の薄い
層を蒸着法、スパッター法やイオンプレーティング法そ
の他の方法により形成したフィルターや、近赤外領域の
波長を吸収する色素を樹脂中に添加したフィルター等を
挙げることができる。
【0004】しかしながら、上記のような近赤外線吸収
フィルターのうち、前者には吸湿性や製造工程の煩雑さ
等の問題が、又、後者には近赤外領域と比較すれば少な
いものの、可視光領域の光も反射してしまい、厚くしす
ぎると透過率が低下し、又、製造コストが高い等の問題
があり、両者に共通して、ガラスを用いるので得られる
フィルターが重い、割れ易い、加工が困難等といった問
題がある。
【0005】これに対し、近赤外領域の波長を吸収する
色素を樹脂中に添加したフィルターは、ガラスを用いた
フィルターに比べ軽量であり、製造も簡便であるという
ように利点が多い。
【0006】上記近赤外吸収色素としては、従来よりシ
アニン系色素やフタロシアニン系色素が知られている
が、シアニン系色素は耐光堅牢性が低く、特にプラズマ
ディスプレイパネル用としては不向きであり、一方のフ
タロシアニン系色素は、吸収波長領域が600〜800
nmであって、特にプラズマディスプレイパネル用とし
て必要とされる800〜1000nmの領域において効
率よく遮蔽することができず、更に、両者共に可視光領
域の吸収も大きく、高い可視光透過率が必要とされるデ
ィスプレイ用としては不適当である。
【0007】これに対し、上記近赤外吸収色素としての
ジチオール金属錯体は、一般に耐熱性に優れ、可視光領
域の吸収も他の色素に比べ少なく、ディスプレイ用とし
て好都合であり、実際にもその使用が提案されている
(特開平9−230134号公報、特開平10−626
20号公報、特開平10−156991号公報、特開平
10−157023号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平10−156991号公報や特開平10−1570
23号公報に記載された構造のジチオール金属錯体は、
それ単独ではプラズマディスプレイ用として必要な性能
を得ることができず、他の近赤外吸収色素としてジイモ
ニウム系色素を併用することが不可欠となる。
【0009】又、特開平9−230134号公報や特開
平10−62620号公報に記載された構造のジチオー
ル金属錯体は、長期安定性に欠けるため、紫外線カット
層を必要とするという問題点があり、更に、特開平9−
230134号公報の実施例で使用されたジチオール金
属錯体は、800〜1000nmの間の波長領域に偏り
があり、この部分を効率よく遮蔽しているとは言い難
い。
【0010】本発明は、上述したような従来技術の難点
を解消し、例えばディスプレイ装置から放出される近赤
外線を吸収して、周辺電子機器の誤動作を防止すること
ができると共に、可視光透過率が高く、且つ、近赤外線
のカット効率の高いために、プラズマディスプレイパネ
ル用の近赤外線吸収フィルターとしての使用に好適な近
赤外吸収組成物を提供することを目的としてなされた。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用したプラズマディスプレイパネルのフィ
ルター用近赤外吸収組成物の構成は、樹脂中に、式
(1)
【化4】 で表されるジチオールニッケル錯体を、プラズマディス
プレイパネルのフィルターとした場合の1m 当りの含
有量が1mg乃至800mgとなるように添加してなる
ことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の態様】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明のプラズマディスプレイパネルのフ
ィルター用近赤外吸収組成物の主たる構成は、上記のよ
うに樹脂中に所定のジチオールニッケル錯体を添加して
なるものであり、この樹脂としては、特に制限はない
が、アクリル系、メタクリル系、ポリカーボネート系、
ポリアリレート系樹脂が透明性に優れているので好まし
い。
【0014】本発明において使用するジチオールニッケ
ル錯体は、上記式(1)で表されるものであり、本発明
で使用する上記樹脂中における最大吸収波長が900n
mで、吸収の波形も最大吸収波長に対してほぼ対称であ
り、特にプラズマディスプレイパネル用として必要とさ
れる800〜1000nmの近赤外領域を、この色素単
独で、しかも効率良く遮蔽することができる。
【0015】又、このジチオールニッケル錯体は、紫外
線に関しても安定であって、特に保護フィルムを必要と
せず、又、各種有機溶媒に対しての溶解性も良好であ
る。
【0016】本発明において、上記ジチオールニッケル
錯体の上記樹脂に対する添加割合は、本発明の近赤外吸
収組成物によりプラズマディスプレイパネル用の近赤外
吸収フィルターを製造する際の、当該近赤外吸収フィル
ターの厚さや要求される吸収能を勘案して決定されるも
のであり、吸収能を一定とすれば、薄い近赤外吸収フィ
ルターの場合にはジチオールニッケル錯体を多く添加す
る必要があり、逆に厚い近赤外吸収フィルターの場合に
はジチオールニッケル錯体の添加量は少なくてよいこと
になる。
【0017】上記ジチオールニッケル錯体の添加量は、
具体的には、本発明の近赤外吸収組成物をプラズマディ
スプレイパネルの近赤外吸収フィルターとした場合の、
当該近赤外吸収フィルターの単位面積、即ち、1m2
たり1mg乃至800mg、好ましくは1m2当たり5
mg乃至500mg、更に好ましくは1m2当たり30
mg乃至300mgという範囲を挙げることができる。
【0018】ジチオールニッケル錯体の添加量が上記の
範囲より少ない場合は、所望の吸収能が得られない場合
があり、あまりに多いと可視光の透過率が低下する場合
がある。
【0019】本発明の近赤外吸収組成物を製造するに
は、ジチオールニッケル錯体を樹脂に添加するだけでよ
く、その手段に特に制限はないが、本発明の近赤外吸収
組成物をキャスト法等によりフィルム状の近赤外吸収フ
ィルターとする場合のために、適宜の溶媒による溶液と
して樹脂に添加する方法をとることもできる。
【0020】上記の溶媒としては、例えば、テトラヒド
ロフラン(THF)、ジエチルエーテル等のエーテル系
溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステ
ル系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコール系溶媒;クロロホルム、塩化メチ
レン等の塩素系溶媒;ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチ
ルピロリドン(NMP)等の非プロトン性極性溶媒;ア
セトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶
媒や水等を挙げることができる。
【0021】一方、本発明のプラズマディスプレイパネ
ル用の近赤外線吸収フィルターは、上記のようにして得
た近赤外吸収組成物よりなるものであり、これを得るに
は、例えば、上記樹脂の溶液にジチオールニッケル錯体
の溶液を添加し、均一な溶液になるまで攪拌溶解し、適
宜の基材上にこの溶液をキャスト法等により塗付して乾
燥すればよい。
【0022】このようにして得られた本発明のプラズマ
ディスプレイパネル用の近赤外線吸収フィルターは、フ
ィルム状又は板状のものとして得ることができる
【0023】本発明では更に、式(2)
【化5】 で表されるジイモニウム化合物を少なくとも1種以上添
加し、比較的高価である上記ジチオールニッケル錯体の
使用量を減少させることによるコストダウンを図ると共
に、950〜1000nmの領域の吸収能を向上させて
もよい。
【0024】上記式中、R1乃至R8は互いに同一或いは
相異なるアルキル基であり、X-は過塩素酸アニオン又
は6フッ化アンチモンアニオンで代表される陰イオンを
表している。尚、R1乃至R8は、互いに同一或いは相異
なる炭素数1乃至8のアルキル基であることが、入手性
の点からより好ましい。
【0025】上記ジイモニウム化合物としては、
【化6】 や、
【化7】 等を例示することができる。尚、これら化合物は、可視
光透過率を大幅に低下させることなく、950〜100
0nmの領域の吸収能を向上させることができ、又、ジ
チオールニッケル錯体の使用量を減らすこともできる。
【0026】又、上記式(2)で表されるジイモニウム
化合物は、フィルターの単位面積、即ち1m2当り1〜
800mg、好ましくは1m2当り5〜500mg、更
に好ましくは1m2当り30〜300mg添加するもの
であり、添加量が少ない場合は所望の吸収能が得られな
い場合があり、あまり多いと可視光の透過率が低下する
場合があるのでいずれも好ましくない。
【0027】本発明では更に又、式(3)
【化8】 で表される他のジチオールニッケル錯体を少なくとも1
種以上添加し、式(1)で表わされるジチオールニッケ
ル錯体のみのときに比較的吸収が弱い、800〜850
nm、950〜1000nm付近の吸収能を向上させ、
又、比較的高価である上記ジチオールニッケル錯体の使
用量を減少させることによるコストダウンを図ってもよ
い。
【0028】上記式中、R9〜R12は互いに同一或いは
相異なる炭素数が1から4のアルキル基、アリール基、
アラルキル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、ハロ
ゲン原子又は水素を表している。尚、R9〜R12は、互
いに同一或いは相異なる水素或いはアルキル基部分が炭
素数1乃至4のアルコキシ基やジメチルアミノ基である
ことが、入手性の点からより好ましい。
【0029】上記ジチオールニッケル錯体としては、
【化9】 や、
【化10】 等を例示することができ、これら化合物を使用すると8
00〜850nmの吸収能を向上させることができる。
【0030】上記ジチオールニッケル錯体の添加量は、
具体的には、本発明の近赤外吸収組成物をプラズマディ
スプレイパネル用の近赤外吸収フィルターとした場合
の、当該近赤外吸収フィルターの単位面積、即ち、1m
2当たり1mg乃至800mg、好ましくは1m2当たり
5mg乃至500mg、更に好ましくは1m2当たり3
0mg乃至300mgという範囲を挙げることができ
る。
【0031】ジチオールニッケル錯体の添加量が上記の
範囲より少ない場合は、所望の吸収能が得られない場合
があり、あまりに多いと可視光の透過率が低下する場合
がある。
【0032】上記ジイモニウム化合物及び他のジチオー
ルニッケル錯体の上記樹脂或いは本発明の近赤外吸収組
成物への添加方法については、特に制限はなく、例え
ば、ジチオールニッケル錯体と共に樹脂溶液へ添加して
も、ジチオールニッケル錯体と樹脂よりなる本発明の近
赤外吸収組成物に添加してもよい。
【0033】もちろん、ジイモニウム化合物及び他のジ
チオールニッケル錯体を併せて使用することもできる。
【0034】又、本発明のプラズマディスプレイパネル
のフィルター用近赤外吸収組成物には、更に、近赤外吸
収物質(例えば、フタロシアニン型或いはナフタロシア
ニン型化合物)、紫外線吸収物質、架橋剤、酸化防止
剤、重合遅延剤、色素、染料、顔料や色補正剤を、透明
性ポリマーの種類等を勘案して、添加することができ
る。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
する。
【0036】実施例1 塩化メチレン100重量部に、ポリカ−ボネート樹脂
(パンライトL1250Z[商品名、帝人化成製])2
2.6重量部、及び、式(1)で表されるジチオールニ
ッケル錯体0.3重量部を溶解し、隙間寸法300μm
のバーコーター(ドクターブレードYD−7型[商品
名、ヨシミツ精機製])を用いて、ポリエステルフィル
ム上にキャスト法にて成膜し、近赤外線吸収フィルター
としてのフィルムを得た。このフィルムの分光スペクト
ルを図1に示す。図1より800〜1000nmの領域
が効率よく遮蔽されていることがわかる。
【0037】比較例1 塩化メチレン100重量部に、ポリカ−ボネート樹脂
(パンライトL1250Z[商品名、帝人化成製])2
2.6重量部、及び、式
【化11】 で表されるジチオールニッケル錯体0.25重量部を溶
解し、隙間寸法300μmのバーコーター(ドクターブ
レードYD−7型[商品名、ヨシミツ精機製])を用い
て、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜し、
近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。この
フィルムの分光スペクトルを図2に示す。図2より95
0〜1000nmの吸収が弱いことがわかる。
【0038】比較例2 塩化メチレン100重量部に、ポリカ−ボネート樹脂
(パンライトLー1250Z[商品名、帝人化成製])
22.6重量部、及び、式
【化12】 で表されるジチオールニッケル錯体0.25重量部を溶
解し、隙間寸法300μmのバーコーター(ドクターブ
レードYD−7型[商品名、ヨシミツ精機製])を用い
て、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜し、
近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。この
フィルムの分光スペクトルを図3に示す。図3より80
0〜850nmの吸収が弱いことがわかる。
【0039】比較例3 塩化メチレン100重量部に、ポリカ−ボネート樹脂
(パンライトLー1250Z[商品名、帝人化成製])
22.6重量部、及び、式
【化13】 で表されるジチオールニッケル錯体1.0重量部を溶解
し、隙間寸法300μmのバーコーター(ドクターブレ
ードYD−7型[商品名、ヨシミツ精機製])を用い
て、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜し、
近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。この
フィルムの分光スペクトルを図4に示す。図4より80
0〜850nmの吸収が弱く、可視光領域(400〜6
00nm)の透過率が低いことがわかる。
【0040】実施例2 クロロホルム100重量部に、ポリアレート樹脂(P−
5001[商品名、ユニチカ製])13.7重量部、式
(1)で表されるジチオールニッケル錯体0.07重量
部、及び、式
【化14】 で表されるジイモニウム化合物0.05重量部を加えて
溶解し、隙間寸法300μmのバーコーター(ドクター
ブレードYD−7型[商品名、ヨシミツ精機製])を用
いて、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜
し、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムの分光スペクトルを図5に示す。図5より
近赤外領域(800〜1000nm)が充分遮蔽されて
おり、可視光透過率も高いことがわかる。
【0041】実施例3 クロロホルム100重量部に、メタクリル樹脂(アクリ
ペット[商品名、三菱レーヨン製])30.0重量部、
式(1)で表されるジチオールニッケル錯体0.06重
量部、及び、式
【化15】 で表されるジイモニウム化合物0.08重量部を加えて
溶解し、隙間寸法300μmのバーコーター(ドクター
ブレードYD−7型[商品名、ヨシミツ精機製])を用
いて、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜
し、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムの分光スペクトルを図6に示す。図6より
近赤外領域(800〜1000nm)が充分遮蔽されて
おり、可視光透過率も高いことがわかる。
【0042】実施例4 クロロホルム100重量部に、シクロオレフィンポリマ
ー(ZEONEX[商品名、日本ゼオン製])15.0
重量部、式(1)で表されるジチオールニッケル錯体
0.055重量部、式
【化16】 で表されるジチオールニッケル錯体0.027重量部、
及び、式
【化17】 で表されるジイモニウム化合物0.55重量部を加えて
溶解し、隙間寸法300μmのバーコーター(ドクター
ブレードYD−7型[商品名、ヨシミツ精機製])を用
いて、ポリエステルフィルム上にキャスト法にて成膜
し、近赤外線吸収フィルターとしてのフィルムを得た。
このフィルムの分光スペクトルを図7に示す。図7より
近赤外領域(800〜1000nm)が充分遮蔽されて
おり、可視光透過率も高いことがわかる。
【0043】実施例5 塩化メチレン:メタノール(9:1)100重量部に、
セルローストリアセテート(アルドリッチ製)7.5重
量部、式(1)で表されるジチオールニッケル錯体0.
014重量部、式
【化18】 で表されるジチオールニッケル錯体0.039重量部、
【化19】 で表されるジイモニウム化合物0.057重量部、色補
正用色素Kaya Blue Violet AR(商
品名[日本火薬製])0.09重量部及び色補正用色素
Kaya Blue N(商品名[日本火薬製])0.
03重量部を加え溶解した。この溶液を隙間寸法300
μmのバーコーター(ドクターブレードYD−7[商品
名、ヨシミツ精機製])を用いてポリエステルフィルム
上にキャスト法にて成膜し、近赤外線吸収フィルターと
してのフィルムを得た。このフィルムの分光スペクトル
を図8に示す。図8より近赤外領域800〜1000n
mの領域が充分遮蔽されていることがわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明の近赤外吸収組成物は、近赤外線
の波長領域を充分遮蔽できるので、これを用いた近赤外
吸収フィルターは、近赤外線で通信する電子機器の誤動
作を防止することができ、又、可視光透過率が高いので
プラズマディスプレイパネル用のフィルターとして有
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
【図2】比較例1で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
【図3】比較例2で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
【図4】比較例3で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
【図5】実施例2で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
【図6】実施例3で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
【図7】実施例4で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
【図8】実施例5で得たフィルム(近赤外線吸収フィル
ター)の分光スペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−264788(JP,A) 特開 平10−157023(JP,A) 特開 平10−45785(JP,A) 国際公開97/038855(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/00 105 G02B 5/22 - 5/24 G09F 9/00 307 - 9/46 C09B 57/00 - 57/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂中に、式(1) 【化1】 で表されるジチオールニッケル錯体を、プラズマディス
    プレイパネルのフィルターとした場合の1m 当りの含
    有量が1mg乃至800mgとなるように添加してなる
    ことを特徴とするプラズマディスプレイパネルのフィル
    ター用近赤外吸収組成物。
  2. 【請求項2】 更に、式(2) 【化2】 (式中、R1乃至R8は互いに同一或いは相異なるアルキ
    ル基、X-は過塩素酸アニオン又は6フッ化アンチモン
    アニオンで代表される陰イオンである。)で表されるジ
    イモニウム化合物の少なくとも1種以上を添加してなる
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルのフィル
    ター用近赤外吸収組成物。
  3. 【請求項3】 更に、式(3) 【化3】 (式中、R9〜R12は互いに同一或いは相異なる炭素数
    が1から4のアルキル基、アリール基、アラルキル基、
    アルキルアミノ基、アルコキシ基、ハロゲン原子又は水
    素を表す。)で表されるジチオールニッケル錯体の少な
    くとも1種以上を添加してなる請求項1又は2に記載の
    プラズマディスプレイパネルのフィルター用近赤外吸収
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の近赤
    外吸収組成物よりなることを特徴とするプラズマディス
    プレイパネルの近赤外線吸収フィルター。
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