JP3450602B2 - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JP3450602B2 JP18471196A JP18471196A JP3450602B2 JP 3450602 B2 JP3450602 B2 JP 3450602B2 JP 18471196 A JP18471196 A JP 18471196A JP 18471196 A JP18471196 A JP 18471196A JP 3450602 B2 JP3450602 B2 JP 3450602B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を被記録
媒体上に吐出させて記録を行うインクジェット記録ヘッ
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録装置にお
いては、ノズル内に設けられた吐出ヒータを駆動させ、
その熱エネルギーによりインクを被記録媒体上に吐出し
て印字記録を行っているため、連続して印字が行われる
とヘッド温度が上昇する。この温度上昇は、インクが正
常に吐出されているときには特に問題とはならないが、
一度何らかの要因によってインク供給が遮断されてイン
クが吐出されなくなったり、インク吐出が不安定になっ
たりすると、ヘッド温度が急激に上昇し、ヘッド自体が
破壊されてしまうことがある。
【0003】このため、ヘッド内にヘッドの温度を検知
する温度センサーを設け、温度センサーにおける検知信
号を記録装置本体において読み取ることにより、ヘッド
温度を常時モニタして、ヘッド温度が所定の温度以上に
なると印字動作を停止させるという制御が行われてい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
ような従来のものにおいては、温度センサーにおける検
知信号を記録装置本体で直接読み込んでいるため、温度
センサー自体の特性ばらつきやヘッドと記録装置との間
の配線経路において混入するノイズ等によって、ヘッド
温度の検出精度が著しく低下してしまうという問題点が
ある。特に、温度センサーの特性ばらつきの補正におい
ては、補正回路を記録装置内において構成することはで
きるが、ヘッドを交換するたびに調整しなければなら
ず、実用的ではない。
【0005】そのため、ヘッドの駆動を停止させるため
の設定温度を、マージンを見込んでかなり低めに設定す
る必要があり、その場合、ヘッドの温度が急激に上昇し
ていない場合においても印字中にプリント動作がしばし
ば停止してしまうという問題点がある。
【0006】本発明は、上述したような従来の技術が有
する問題点に鑑みてなされたものであって、ノイズによ
る温度センサーの温度検知誤差を低減することができる
とともに、ヘッドを交換した場合においてもヘッドの絶
対温度を検知することができるインクジェット記録ヘッ
ドを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、吐出口と、該吐出口と連通したノズルと、
前記ノズル内に設けられ、熱を発生させる発熱素子とを
有し、該発熱素子を加熱することにより前記インクを発
泡させて前記吐出口から前記インクを吐出させて記録を
行うインクジェット記録ヘッドにおいて、前記ノズル近
傍の温度を検出する検出手段と、該検出手段において検
出された温度と、予め決められた設定温度とを比較する
比較手段と、前記検出手段で検出された信号を増幅して
前記比較手段に入力する反転増幅器とを有し、前記検出
手段と、前記反転増幅器のオフセット電圧を決めるため
の抵抗と、前記反転増幅器の増幅率を決めるための抵抗
であって前記反転増幅器の入力段に設けられた抵抗とが
同一工程で製造された抵抗であるとともに、前記反転増
幅器の増幅率を決めるための帰還抵抗がディスクリート
抵抗で構成され、前記検出手段において検出された温度
が前記設定温度以上に達した場合に警告信号の出力もし
くは前記発熱素子に対する加熱の停止を行うことを特徴
とする。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】また、前記検出手段は、拡散抵抗であるこ
とを特徴する。
【0013】(作用)上記のように構成された本発明に
おいては、記録ヘッド内に、ノズル近傍の温度を検出す
る検出手段と、検出手段において検出された温度と予め
決められた設定温度とを比較する比較手段とを設け、検
出手段において検出された温度が設定温度以上に達した
場合に警告信号の出力あるいは発熱素子に対する加熱制
御が行われるので、記録ヘッド毎において、検出手段の
特性に対する調整が行われていれば、その検出手段の特
性に合った制御が行われ、ヘッド駆動停止温度のマージ
ンが最少限に抑えられてプリンタの動作停止頻度が低減
する。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。
【0015】図1は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドのBJチップの実施の一形態を示す図である。
【0016】本形態は図1に示すように、吐出のための
インクが満たされた複数のノズル(不図示)のそれぞれ
に設けられ、インクを吐出させるための熱を発生させる
発熱素子である吐出ヒータ1と、吐出ヒータ1を駆動さ
せるドライバ2と、吐出ヒータ1に熱を与えるヒータボ
ード4と、吐出ヒータ1の近傍に設けられ、吐出ヒータ
1の温度を検出する検出手段である温度センサー3と、
ヒータボード4上に設けられ、接続基板6とヒータボー
ド4とを接続するためのボンディングパッド5と、接続
基板6をプリンタ(不図示)に接続するためのコネクタ
7とから構成されており、インクジェット記録ヘッド
は、このBJチップの上にインク液室と複数のノズルが
形成された樹脂成型物が密着され、そのインク液室には
インクの満たされたインクタンクが接続され、インクタ
ンクから供給されたインクがインク液室とノズルに充満
するようになって構成されている。なお、各々のノズル
には吐出ヒータ1が1対1で配置されるようになってい
るため、吐出ヒータ1を駆動させると、その熱エネルギ
ーによって気泡が形成され、ノズル前方の吐出口からイ
ンクが吐出するようになっている。
【0017】以下に、上記のように構成された記録ヘッ
ドの温度補正について説明する。
【0018】図2は、図1に示したBJチップ上に記録
ヘッドの温度を補正するために構成される駆動制御回路
を示す回路図である。
【0019】温度センサー3は、半導体プロセスで形成
された拡散抵抗で構成されており、温度をT、拡散抵抗
の抵抗値をRとすると実使用範囲10〜150℃では、 R=a(T−25)+b (式1) のように温度Tに対してRがほぼリニアに変化する。こ
こで、bは25℃における抵抗値、aは温度に対する抵
抗変化率である。
【0020】温度センサー3には定電流源I1が接続さ
れ、温度測定時のみ数100μAの電流が流されるた
め、拡散抵抗自体が測定電流で昇温することはほとんど
ない。
【0021】温度センサー3において記録ヘッドの温度
が検出されると、温度センサー3の両端の電圧は、抵抗
R1,R2,R4,定電流源I2及びオペアンプA1で
構成される反転増幅器によりオフセット補正と増幅が行
われた後、比較手段であるコンパレータA2に入力され
る。
【0022】ここで、コンパレータA2における比較電
圧は抵抗R5及びR6によって決定されるため、予め、
吐出ヘッドからの吐出を中止させるべきヘッド温度に対
応する電圧を決め、それにより、抵抗R5とR6との比
率を決定すれば、検出された温度が所定値以下の場合、
コンパレータA2の出力がハイレベルとなってANDゲ
ートG1を介してヒータ駆動信号がそのままANDゲー
トG2に印加され、一方、検出された温度が所定値以上
の場合、コンパレータA2の出力がローレベルとなって
ヒータ駆動信号はANDゲートG1によりマスクされ
る。
【0023】そして、コンパレータA2の出力がハイレ
ベルとなったら、警告信号であるアラームを発生する。
【0024】また、ANDゲートG2のもう一方の端子
には画像信号、すなわち指定画像により印字する場合に
「1」、印字しない場合に「0」の信号が入力され、そ
の出力は各ノズルの吐出ヒータ1を駆動させるドライバ
2に接続されており、ヘッド温度が所定値以下の場合に
は指定画像にしたがってインクを吐出し、所定値以上に
なった場合には吐出を停止する。
【0025】次に、ヘッド温度の絶対温度補正方法につ
いて説明する。
【0026】温度センサー3は、前記のように半導体プ
ロセスで形成されており、本形態の場合、式1において
aとbのばらつきはそれぞれ10%程度であり、aとb
のばらつき方はほぼ一致することが実測から分かってい
る。そのため、絶対温度を測定するためにはオペアンプ
A1で構成される反転増幅器のオフセットとゲインを変
えてこのばらつきを補正しなければならない。温度セン
サー3のばらつきの原因は半導体プロセスのイオン注入
工程における拡散量の変動によるものであるため、抵抗
R1及びR4を同一工程で形成すると、同一チップ内で
はR1及びR4の抵抗値は温度センサー3の抵抗値bと
同様に変化する。ここで、温度センサー3及び抵抗R4
の10℃における抵抗値の中心値をそれぞれRs及びR
r4、定電流源I1及びI2の出力電流をそれぞれi1
及びi2とした場合に、 Rs×i1=Rr4×i2 (式2) となるように定電流源I2の出力電流を設定すれば、オ
ペアンプA1のオフセット補正電圧においては、bがば
らついた場合でも常に温度センサー3の出力電圧と同電
圧が設定されるため自動的にオフセット補正がなされ、
10℃のときほぼオフセット電圧は、0Vとなる。
【0027】一方、抵抗R2に高精度の抵抗を使用した
場合、抵抗R1の抵抗値は温度センサー3の抵抗変化率
aと同様の割合で変動するため、aが増加すると反転増
幅器のゲインは逆に減少するよう自動補正される。
【0028】以上のようなオフセット補正とゲイン補正
によって、温度センサー3の抵抗値がばらついても反転
増幅器の出力は異なるヘッドに対して、各増幅に対して
ほぼ同一値をとるため、絶対温度として読みとることが
できる。
【0029】本形態においては、図2の回路中で抵抗R
以外の部分はすべて図1のヒータボード4上に存在す
る。ヒータボード4は、シリコン基板上にすべて半導体
プロセスでこれらの回路を形成するため、前記のように
温度センサー3、抵抗R1及びR4は同一プロセスで形
成されることになる。抵抗R2は精度が要求されるた
め、本形態の場合、ディスクリート抵抗を使用し、ヒー
タボード4とプリンタ(不図示)とを接続するための接
続基板6に実装されている。抵抗R2とその他の回路と
の接続はヒータボード4にあるパッド5と接続基板6間
にボンディング配線によって行われている。また、図2
の温度出力およびアラーム出力は、同様にボンディング
を経由して接続基板6にあるコネクタ7を通じてプリン
タに出力されている。
【0030】以上のような構成にすることにより、ヘッ
ド内でヘッド温度を高精度な絶対温度としてモニターす
ることが可能となり、その比較出力でヘッドが異常昇温
になった場合に印字動作をすみやかに停止させ、かつそ
のアラーム信号をプリンタに出力することができ、ま
た、絶対温度出力もプリンタに出力することができる。
【0031】(他の実施の形態)抵抗R2をヒータボード4に半導体プロセスで形成する
ことにより図2のすべての回路要素をヒータボード4内
で構成することも可能であるが、本形態においては抵抗
R2にディスクリート抵抗を使用した。
【0032】また、図2の温度センサー3、補正用抵抗
R1及びR4の3つの構成部品だけをヒータボード4上
に形成し、それ以外の回路を接続基板6の中で構成させ
ることによっても、同様の効果を得ることができる。さ
らに、温度センサー2、補正用抵抗R1及びR4の3つ
の出力をヘッドからプリンタ本体に供給し、検出回路の
他の部分をプリンタ本体内で構成することによってもヘ
ッドとプリント間の配線経路で混入するノイズを別にす
れば、ほぼ同様の効果を得ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、記録ヘッ
ド内に、ノズル近傍の温度を検出する検出手段と、検出
手段において検出された温度と予め決められた設定温度
とを比較する比較手段とを設け、検出手段において検出
された温度が設定温度以上に達した場合に警告信号の出
力あるいは発熱素子に対する加熱制御が行われる構成と
したため、以下に記載するような効果を奏する。 (1)ヘッド交換をした場合においても、常にヘッド自
身でヘッドの絶対温度をモニターすることができる。 (2)ノイズによる温度検出誤差を低減することができ
る。 (3)異常昇温によるヘッド破壊を防止することができ
る。 (4)高デューティ印字時におけるヘッド昇温による印
字停止頻度を低減することができる。 (5)ヘッド内で検出手段の補正と印字停止制御を行っ
ているため、プリンタ本体の負荷を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドのBJチッ
プの実施の一形態を示す図である。
【図2】図1に示したBJチップ上に記録ヘッドの温度
を補正するために構成される駆動制御回路を示す回路図
である。
【符号の説明】
1 吐出ヒータ 2 ドライバ 3 温度センサー 4 ヒータボード 5 ボンディングパッド 6 接続基板 7 コネクタ 8 バッファアンプ A1 オペアンプ A2 コンパレータ G1,G2 ANDゲート I1,I2 定電流源 R1〜R6 抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口と、 該吐出口と連通したノズルと、 前記ノズル内に設けられ、熱を発生させる発熱素子とを
    有し、 該発熱素子を加熱することにより前記インクを発泡させ
    て前記吐出口から前記インクを吐出させて記録を行うイ
    ンクジェット記録ヘッドにおいて、 前記ノズル近傍の温度を検出する検出手段と、 該検出手段において検出された温度と、予め決められた
    設定温度とを比較する比較手段と、 前記検出手段で検出された信号を増幅して前記比較手段
    に入力する反転増幅器とを有し、 前記検出手段と、前記反転増幅器のオフセット電圧を決
    めるための抵抗と、前記反転増幅器の増幅率を決めるた
    めの抵抗であって前記反転増幅器の入力段に設けられた
    抵抗とが同一工程で製造された抵抗であるとともに、前
    記反転増幅器の増幅率を決めるための帰還抵抗がディス
    クリート抵抗で構成され、 前記検出手段において検出された温度が前記設定温度以
    上に達した場合に警告信号の出力もしくは前記発熱素子
    に対する加熱の停止を行うことを特徴とするインクジェ
    ット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドにおいて、前記検出手段は、拡散抵抗であることを
    特徴するインクジェット記録ヘッド。
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