JP3449837B2 - 導電性ローラー - Google Patents

導電性ローラー

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JP3449837B2
JP3449837B2 JP25403995A JP25403995A JP3449837B2 JP 3449837 B2 JP3449837 B2 JP 3449837B2 JP 25403995 A JP25403995 A JP 25403995A JP 25403995 A JP25403995 A JP 25403995A JP 3449837 B2 JP3449837 B2 JP 3449837B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば静電気力
を利用して複写や印字を行なう電子複写機やプリンター
が有する感光体に接触させてまたは接触させずに使用す
る各種導電性ローラーを製造し、使用する技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】たと
えば、電子複写機では、原稿像に対応した静電潜像が形
成される感光体にトナーを静電気力で吸引・吸着させ、
給送されてくる用紙にそのトナーを転写させ、ついで用
紙に担持されたトナーを熱溶融させることによって用紙
に原稿像が複写されるようになっている。
【0003】すなわち、前記電子複写機では、帯電
露光現像転写定着清掃除電のプロセスをへる
ことによって複写するように構成されており、前記各プ
ロセスを遂行するために感光体の周囲の各所定位置に
は、感光体と接触してあるいは一定距離へだてて各種ロ
ーラーが設けられている。このようなローラーには、通
常、電気的特性の調整や表面性の改善などのために最外
層が設けられているが、この最外層には、(a)吸湿な
どによる抵抗変化が小さいこと、(b)感光体などと接
触するばあいには、耐摩耗性が優れていること、(c)
内側の層との接着性が良好なことなどの特性が要求され
る。
【0004】従来より、前記のごときローラーの最外層
は、耐摩耗性の点からナイロン系樹脂を主成分とするも
のから形成されることが多いが、吸湿によりローラーの
抵抗が低下し、抵抗変化が小さくないという問題があ
る。
【0005】また、N−メトキシメチル化ナイロンなど
に有機酸を加えて自己縮合させて吸湿性を改善したもの
を使用する方法もあるが、このばあいでも吸湿によりロ
ーラーの抵抗が低下し、抵抗変化が小さくないという問
題が完全に解決されるわけではない。また、ナイロン系
樹脂は、導電性ゴムローラーの導電性ゴム層として使用
される樹脂との接着性がわるいばあいが多い。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記(a)〜
(c)の要望をすべて満たす最外層材料を用いた導電性
ローラーを開発するためになされたものであり、電子複
写機またはプリンターが有する感光体に接触させてまた
は接触させずに使用する導電性ローラーであって、少な
くとも該ローラーの最外層が (A)加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体 (B)硬化触媒および (C)導電性付与剤 を含む硬化性導電性組成物から形成された層である導電
性ローラー(請求項1)、前記硬化性導電性組成物から
形成されたローラーの最外層が接する内側の層が (D)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、
主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位で
ある重合体 (E)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する硬化
剤 (F)ヒドロシリル化触媒および (G)導電性付与剤 を含む硬化性導電性組成物からなる請求項1記載の導電
性ローラー(請求項2)、(A)成分である加水分解性
シリル基含有ビニル系共重合体がメタクリル酸ステアリ
ル(SMA)を共重合成分として含有する請求項1また
は2記載の導電性ローラー(請求項3)、および前記ロ
ーラーの最外層が、(A)〜(C)成分に、さらに (H)水酸基を有する樹脂 を含有する硬化性導電性組成物から形成された層である
請求項1、2または3記載の導電性ローラー(請求項
4)に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の導電性ローラーは、たと
えば直径1〜12mm程度のSUS製やアルミ製のシャ
フトのまわりにJIS A硬度で5〜40程度、好まし
くは10〜30程度で厚さ1〜15mm程度の導電性ゴ
ム層を設け、さらに電気的特性の調整や表面性の改善の
ための最外層を設けたものであり、その導電性は、導電
性ローラーを使用する場所によっても異なるが、たとえ
ば帯電ローラーとして使用するばあいには、ローラー全
体の抵抗が103〜1010Ω程度、さらには105〜10
8Ω程度、静電現象ローラーとして使用するばあいは、
103〜1010Ω程度、さらには104〜108Ω程度が
好ましく、一般的には103〜1010Ω程度、さらには
104〜108Ω程度の範囲のものである。なお、ここで
記載した抵抗値は、シャフトの両端に500gの荷重
(したがって計1kg)をのせ、100VDCで測定し
た値である。
【0008】前記導電性ローラーの最外層は、導電性ロ
ーラーが感光体と接触するばあいには、たとえばローラ
ー全体の抵抗調整層として機能し、したがって、吸湿な
どによる抵抗変化が小さいことが必要であり、また、感
光体と接触するのであるから、耐摩耗性が優れているこ
とが必要であり、内側の層との接着性が良好であること
が必要である。
【0009】また、前記導電性ローラーの最外層は、導
電性ローラーが感光体と接触しないばあいでも、ローラ
ー全体の抵抗調整層として機能することにかわりはな
く、吸湿などによる抵抗変化が小さいことが必要であ
る。
【0010】前記最外層は、通常、厚さ10〜500μ
m程度、好ましくは20〜300μm程度で、比抵抗1
8〜1011Ω・cm程度、好ましくは109〜1010Ω
・cm程度の層である。
【0011】前記最外層の厚さが10μm未満のばあい
には耐電圧が小さくなりすぎることが多く、また、50
0μmをこえるばあいにはローラーの抵抗が大きくなり
すぎる傾向にある。
【0012】このように、前記最外層の厚さおよび比抵
抗は、ローラーの抵抗が103〜1010Ω、さらには1
4〜108Ωになり、耐電圧が所定の条件を満たすよう
に設定される。
【0013】前記のごとき本発明の導電性ローラーの最
外層は、(A)成分である加水分解性シリル基含有ビニ
ル系共重合体、(B)成分である硬化触媒および(C)
成分である導電性付与剤を含む硬化性導電性組成物
(I)から形成されている。
【0014】硬化性導電性組成物(I)における(A)
成分である加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体、
好ましくはアルコキシシリル基含有ビニル系共重合体
は、加水分解によりシラノール基含有ビニル系共重合体
になり、そののち縮合する。したがって、加水分解性シ
リル基は前記共重合体中に2つ以上、好ましくは少なく
とも両末端に存在するのが均一で良好な架橋がおこるの
で好ましい。たとえば共重合体の両末端にトリメトキシ
シリル基が2つ存在すれば、共重合体1分子が有する反
応点は6個(必ずしもすべてが反応点になるわけではな
い)になる。前記例をアルコキシシリル基を6個として
考えたばあい、1分子中に含まれるアルコキシシリル基
の数は、2〜50個、好ましくは4〜30個、さらに好
ましくは6〜10個であるのが、良好な網目構造をとり
やすいという点から好ましい。
【0015】加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体
(A)の分子量としては、硬化後の物性と粘度の点から
数平均分子量で1000〜25000、さらには200
0〜20000が好ましい。
【0016】加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体
(A)の具体例としては、たとえばビニルモノマーと加
水分解性シリル基含有モノマーとの共重合によりえられ
るものがあげられ、主鎖または側鎖にウレタン結合ある
いはシロキサン結合を一部含んでいてもよい。
【0017】前記ビニルモノマーにはとくに限定はな
く、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク
リレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキ
シル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メ
タ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)ア
クリレートなどの(メタ)アクリレート系モノマー;不
飽和ポリカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸など)の炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコー
ルとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和ポ
リカルボン酸エステル;スチレン、α−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4−ヒドロ
キシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系
ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジア
リルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;
(メタ)アクリロニトリルなどのニトリル基含有ビニル
化合物;グリシジル(メタ)アクリレートなどのエポキ
シ基含有ビニル化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルな
どのアミノ基含有ビニル化合物;(メタ)アクリルアミ
ド、イタコン酸ジアミド、α−エチル(メタ)アクリル
アミド、クロトンアミド、マレイン酸ジアミド、フマル
酸ジアミド、N−ビニルピロリドン、N−ブトキシメチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N−メチルアクリルアミド、アクリロイルモル
ホリンなどのアミド基含有ビニル化合物;2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニル
エーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ア
ロニクス5700(東亜合成(株)製)、Placce
l FA−1、Placcel FA−4、Placc
el FM−1、Placcel FM−4(ダイセル
化学工業(株)製)などの水酸基含有ビニル化合物;
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸およびそれらの塩(アルカリ金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩など)、無水マレイン酸などの不飽和カル
ボン酸、酸無水物、またはその塩;ビニルメチルエーテ
ル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロ
ピレン、ブタジエン、イソプレン、マレイミド、N−ビ
ニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビ
ニル化合物などが使用されうる。
【0018】前記ビニルモノマーとしてメタクリル酸ス
テアリル(SMA)を使用するばあいには、最外層と内
側の層との接着性が良好になるという点から好ましい。
このばあいの使用量としては、(A)成分中に1〜50
%(重量%、以下同様)、さらには3〜20%含まれる
のが好ましい。
【0019】前記加水分解性シリル基含有ビニルモノマ
ーの具体例としては、
【0020】
【化1】
【0021】などがあげられる。
【0022】加水分解性シリル基含有ビニルモノマーと
ビニルモノマーとの共重合体の製法としては、たとえば
特開昭54−36395号公報、同57−36109号
公報、同58−157810号公報などに記載されてい
るような通常のラジカル重合法によればよく、アゾビス
イソブチロニトリルなどのアゾ系ラジカル開始剤を用い
た溶液重合法が好ましい。
【0023】また、必要に応じてn−ドデシルメルカプ
タン、t−ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプ
タン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジエトキシシラン、(CH3O)3Si−
S−S−Si−(OCH33、(CH3O)3Si−S8
−Si(OCH33などの連鎖移動剤を用い、分子量を
調節すればよい。とくに、加水分解性シリル基を分子中
に有する連鎖移動剤、たとえばγ−メルカプトプロピル
トリメトキシシランを用いれば加水分解性シリル基含有
ビニル系共重合体の末端に加水分解性シリル基を導入す
ることができる。
【0024】重合溶剤としては、炭化水素類(トルエ
ン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなど)、
酢酸エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、アル
コール類(メタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノールなど)、エーテル類(エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートな
ど)、ケトン類(メチルエチルケトン、アセト酢酸エチ
ル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、メチル
イソブチルケトン、アセトンなど)のごとき非反応性の
溶剤であればとくに限定なく使用しうる。
【0025】(B)成分である硬化触媒としては、加水
分解性シリル基同士の反応を促進するものであるかぎり
とくに限定なく使用しうるが、その具体例としては、ジ
ブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレート、ジ
オクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレー
ト、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物;リン酸、モ
ノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノ
ブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、モノ
デシルホスフェート、ジメチルホスフェート、ジエチル
ホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホス
フェート、ジデシルホスフェートなどのリン酸またはリ
ン酸エステル;プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド、シクロヘキセンオキサイド、グリシジルメタクリ
レート、グリシドール、アクリルグリシジルエーテル、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシラン、
【0026】
【化2】
【0027】カーデユラE(油化シエル(株)製)、エ
ピコート828(油化シエル(株)製)、エピコート1
001(油化シエル(株)製)などのエポキシ化合物と
リン酸および(または)モノ酸性リン酸エステルとの付
加反応物;有機チタネート化合物;有機アルミニウム化
合物;マレイン酸、その酸無水物などの飽和または不飽
和多価カルボン酸またはその酸無水物やパラトルエンス
ルホン酸などの酸性化合物;ヘキシルアミン、ジ−2−
エチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミ
ン、ドデシルアミンなどのアミン類;これらアミンと酸
性リン酸エステルとの反応物;水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどのアルカリ性化合物などがあげられる。
これらの硬化触媒のうち、有機スズ化合物、酸性リン酸
エステル、酸性リン酸エステルとアミンとの反応物、飽
和または不飽和多価カルボン酸またはその酸無水物、反
応性シリコン化合物、有機チタネート化合物、有機アル
ミニウム化合物、またはこれらの混合物が活性も高く優
れている。
【0028】硬化性導電性組成物(I)には、導電性を
付与するためのカーボンブラックや金属微粉末、さらに
は第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸
基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを含有する
有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミドも
しくはエーテルアミドイミド重合体、エチレンオキサイ
ド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレン
グリコールアクリレート重合体などで代表される導電性
ユニットを有する化合物または高分子化合物などの有機
帯電防止剤などの導電性付与剤((C)成分)が添加さ
れる。
【0029】また、硬化性導電性組成物(I)には、耐
摩耗性をよりよくする目的で(H)水酸基を有する樹脂
を加えてもよい。
【0030】水酸基を有する樹脂(H)を硬化性導電性
組成物(I)に加えて硬化させると、シロキサン架橋だ
けでなく、シロキシ架橋を含んだ硬化物が形成されるた
め、水酸基を有する樹脂部が可撓性を有するとき耐摩耗
性が改善される。
【0031】水酸基を有する樹脂(H)としては、数平
均分子量500〜40000のものが重合時の反応性が
よい点から好ましく、水酸基価が20〜300mgKH
O/g、好ましくは20〜150mgKOH/gのもの
が、加水分解性シリル基との反応性の点から好ましい。
【0032】前記(H)成分である水酸基を有する樹脂
の具体例としては、従来から熱硬化性塗料として使用さ
れている油長50%以下のアルキッド樹脂ないしはオイ
ルフリーアルキッド樹脂、アクリル変性アルキッド樹
脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、水素基含有シリコー
ンオイルなどがあげられる。
【0033】硬化性導電性組成物(I)における(A)
成分〜(C)成分および(H)成分が使用されるばあい
には(H)成分も加えた成分の使用割合としては、
(A)成分/(H)成分が重量比で9/1〜1/9、好
ましくは8/2〜5/5がよい。((A)成分+(H)
成分)/(B)成分が100/0.1〜100/20、
好ましくは100/0.1〜100/10であり、
(C)成分は、((A)成分+(H)成分)/(C)成
分が100/0.1〜100/50、好ましくは100
/5〜100/20である。なお、(H)成分が使用さ
れないばあいには、(H)成分を0として計算すればよ
い。
【0034】硬化性導電性組成物(I)には、必要に応
じて、各種溶剤、希釈剤、顔料(体質顔料を含む)、紫
外線吸収剤、沈降防止剤、レベリング剤などの添加剤;
ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートな
どの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル
樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブ
チラールなどの樹脂を添加してもよい。
【0035】前記のごとき硬化性導電性組成物(I)
は、浸漬、吹付け、刷毛塗りなどの常法により、被塗物
に塗布後、30℃以上、好ましくは55〜250℃、さ
らには100〜160℃で硬化せしめられる。
【0036】硬化性導電性組成物(I)が塗布されて導
電性ローラーの最外層が形成される被塗物は、前述のご
とく、導電性ローラーのシャフトのまわりに所望の導電
性ゴム層を設けたものであるかぎりとくに限定はない。
【0037】前記シャフトのまわりに設ける導電性ゴム
層の具体例としては、たとえば(D)成分である分子中
に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成す
る繰り返し単位がオキシアルキレン単位である重合体、
(E)成分である分子中に2個以上のヒドロシリル基を
有する硬化剤、(F)成分であるヒドロシリル化触媒お
よび(G)成分である導電性付与剤を含む硬化性導電性
組成物(II)からなる層があげられる。もちろん、硬化
性導電性組成物(II)からなる層の下に、さらに別の組
成物からなる層、たとえばポリウレタン、ポリシロキサ
ン、NBR、EPDMなどからなる層を設けてもよいこ
とは当然のことである。もちろん、シャフトの外側の層
が硬化性導電性組成物(II)からの層であってもよい。
このばあいには、低硬度、低圧縮永久歪、ブリードレス
などの特徴を有する導電性ゴム層がえられる。
【0038】前記硬化性導電性組成物(II)における
(D)成分は、硬化剤である(E)成分と反応して硬化
し、ゴム弾性を有する硬化物となる成分である。
【0039】(D)成分の主鎖を構成する繰返し単位は
オキシアルキレン単位であり、主鎖は、出発物質として
活性水素を2個以上有する化合物、たとえばエチレング
リコール、プロピレングリコール、ビスフェノール系化
合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールなどを用い、C2〜C4のアルキレンオキシ
ドを重合させることにより製造される。このようにして
製造される主鎖を構成する重合体の具体例としては、た
とえばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシ
ド、ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピ
レンオキシドおよびブチレンオキシドの2種以上のラン
ダムまたはブロック共重合体などがあげられ、アルケニ
ル基が末端に導入されている方がゴム弾性の点から好ま
しい。
【0040】前記分子中に少なくとも1個のアルケニル
基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキ
レン単位である重合体の好ましい具体例としては、硬化
物の低硬度化の点から、主鎖の繰り返し単位がオキシプ
ロピレン単位のものが好ましく、吸水性を必要とするよ
うなばあいには、オキシプロピレン単位の一部をオキシ
エチレン単位に変更した共重合体が好ましい。
【0041】(D)成分に含まれるアルケニル基の数は
(E)成分と反応するという点から少なくとも1つ必要
であるが、2〜6個であるのが好ましい。
【0042】(D)成分の分子量としては、反応性およ
び低硬度化のバランスの点から数平均分子量(Mn)で
500〜50,000、さらには1,000〜20,0
00が好ましく、分子末端にアルケニル基が存在するの
が低硬度などの点から好ましい。
【0043】硬化性導電性組成物(II)における(E)
成分である分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を
有する硬化剤は、(D)成分である分子中に少なくとも
1個のアルケニル基を有し、主鎖を構成する繰り返し単
位がオキシアルキレン単位である重合体の硬化剤として
作用する成分である。
【0044】(E)成分が分子中に少なくとも2個、好
ましくは2〜50個、より好ましくは2〜30個、さら
には2〜20個、とくには3〜12個のヒドロシリル基
を有するため、それぞれのヒドロシリル基が(D)成分
の分子中に存在するアルケニル基と反応して硬化する。
前記ヒドロシリル基の個数が2個より少ないと、硬化性
導電性組成物(II)をヒドロシリル化反応により硬化さ
せるばあいの硬化速度が遅くなり、硬化不良を起こすば
あいが多くなる。また、該ヒドロシリル基の個数が50
個より多くなると、(E)成分である硬化剤の安定性、
したがって、硬化性導電性組成物(II)の安定性がわる
くなり、そのうえ硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化
物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因とな
りやすくなる。
【0045】前記ヒドロシリル基を1個有するとはSi
Hを1個有することをいい、SiH2のばあいにはヒド
ロシリル基を2個有することになるが、Siに結合する
Hは、異なるSiに結合する方が硬化性がよく、また、
ゴム弾性の点からも好ましい。
【0046】(E)成分の分子量は、後述する(G)成
分の分散性やローラー加工性などの点から数平均分子量
(Mn)で30,000以下であるのが好ましく、さら
には20,000以下、とくには15,000以下が好
ましい。(D)成分との反応性や相溶性まで考慮すると
300〜10,000がより好ましい。
【0047】前記のごとき(E)成分の構造についてと
くに制限はないが、たとえば一般式(1): R1a (1) (式中、Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含む
基、R1は炭素数2〜150の1〜4価の炭化水素基、
aは1〜4から選ばれる整数、ただし、Xに1個のヒド
ロシリル基しか含まれないばあい、aは2以上である)
で示され、平均分子量が30,000以下であるヒドロ
シリル基を含有する炭化水素系硬化剤が具体例としてあ
げられる。
【0048】一般式(1)中、Xは少なくとも1個のヒ
ドロシリル基を含む基を表わすが、その具体例として
は、たとえば−SiHn(CH33-n、−SiHn(C2
53-n、−SiHn(C653-n(以上のn=1〜
3)、−SiH2(C613)などのケイ素原子を1個だ
け含有するヒドロシリル基、
【0049】
【化3】
【0050】などのケイ素原子を2個以上含むヒドロシ
リル基、
【0051】
【化4】
【0052】
【化5】
【0053】
【化6】
【0054】などで示される鎖状、枝分かれ状、環状の
各種の多価ハイドロジエンシロキサンより誘導されたヒ
ドロシリル基などがあげられる。なお、式中、m個の単
位とp個の単位、n個の単位とq個の単位、m個の単位
とp個の単位とx個の単位、n個の単位とq個の単位と
y個の単位、m個の単位とn個の単位、さらにはm個の
単位とn個の単位とp個の単位とq個の単位がブロック
結合で結合しているように記載されているが、これらは
ブロック結合でもランダム結合でもよい。以下の記載に
おいても同様である。
【0055】前述の各種のヒドロシリル基のうち、
(E)成分であるヒドロシリル基含有炭化水素系硬化剤
が他の有機重合体との相溶性を損う可能性が少ないとい
う点から、ヒドロシリル基を構成する部分の分子量が5
00以下であるのが好ましく、さらにヒドロシリル基の
反応性も考慮すれば、下記のものが好ましい。
【0056】
【化7】
【0057】なお、以上の基を(化7)で示される基と
もいう。
【0058】一般式(1)中、R1は炭素数2〜150
の1〜4価の炭化水素基を表わし、重合体からなる基で
あってもよい。具体例としては、
【0059】
【化8】
【0060】
【化9】
【0061】など(これらは特開平3−95266号公
報などに記載されている)、またR1が重合体からなる
基の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブチレンなどのような炭素数2〜6のオレフィ
ン系化合物を主モノマーとして重合させたもので、結合
手を1〜4個有するもの、ブタジエン、イソプレンなど
のようなジエン系化合物を単独重合させたり、前記オレ
フィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりし
たのち水素添加したもので、結合手を1〜4個有するも
のなどがあげられる。
【0062】前記のごときR1およびXを有する一般式
(I)で表わされる炭化水素系硬化剤の中でも、R1
炭素数5〜20の炭化水素基で、Xが(化7)で示され
る基のばあいの組合わせが、反応性をあげ、良好な網目
構造をとらせる点と、(E)成分との相溶性の点から好
ましい。これらの中でもR1の炭素数が5〜12の炭化
水素基であることが、原料が容易に入手できる点から好
ましく、Xが(化7)で示される基の中でも環状ポリシ
ロキサン化合物であることが、(F)成分との相溶性が
よりよくなる点から好ましい。この組合わせによってえ
られる化合物が、炭化水素系硬化剤としては好ましい。
その具体例としては、たとえば
【0063】
【化10】
【0064】などがあげられる。
【0065】(E)成分であるヒドロシリル基含有炭化
水素系硬化剤の製法についてはとくに制限はなく、任意
の方法で製造すればよい。
【0066】たとえば(i)分子内にSiCl基をもつ
炭化水素系硬化剤をLiAlH4、NaBH4などの還元
剤で処理して該硬化剤中のSiCl基をSiH基に還元
する方法、(ii)分子内にある官能基X1をもつ炭化水
素系化合物と分子内に前記官能基X1と反応する官能基
1およびヒドロシリル基の両者を有する化合物とを反
応させる方法、(iii)アルケニル基を含有する炭化水
素系化合物に対して少なくとも2個のヒドロシリル基を
もつポリヒドロシラン化合物を選択ヒドロシリル化する
ことにより、反応後もヒドロシリル基を該炭化水素系化
合物の分子中に残存させる方法などが例示される。
【0067】前記方法のうち、(iii)の方法が製造工
程が一般に簡便なため好適に用いることができる。この
ばあい、一部のポリヒドロシラン化合物のヒドロシリル
基の2個以上が炭化水素系化合物のアルケニル基と反応
して分子量が増大することがあるが、このように分子量
が増大したものを含むものを(E)成分として用いても
何ら差しつかえない。
【0068】(E)成分としてポリシロキサン系硬化剤
も使用することができる。具体例しては、下記のごとき
鎖状、環状のポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(ポリオキシアルキレン変性体、スチレン類変性体、オ
レフィン変性体などを含む)があげられる。
【0069】
【化11】
【0070】(m、nは整数、10≦m+n≦50、2
≦m、0≦n、Rはメチル基、分子量が100〜10,
000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20
の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよ
い。Rが複数個含まれるばあい、これらは同じである必
要はない。)
【0071】
【化12】
【0072】(m、nは整数、10≦m+n≦50、2
≦m、0≦n、Rはメチル基、分子量が100〜10,
000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20
の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有していても
よい。Rが複数個含まれるばあい、これらは同じである
必要はない。)
【0073】
【化13】
【0074】(m、nは整数、3≦m+n≦20、2≦
m≦19、0≦n≦18、Rはメチル基、分子量が10
0〜10,000のポリオキシアルキレン基または炭素
数2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有
していてもよい。Rが複数個含まれるばあい、これらは
同じである必要はない。) (D)成分との相溶性をよりよくするためには、前記R
がフェニル基を含有しているものが好ましい。さらに入
手のしやすさから−CH2−CH2−C65、−CH2
CH(CH3)−C65が、また、貯蔵安定性の点から
−CH2−CH(CH3)−C65が好ましい。
【0075】硬化性導電性組成物(II)には、前記
(D)成分、(E)成分とともに(F)成分であるヒド
ロシリル化触媒が使用される。
【0076】(F)成分であるヒドロシリル化触媒につ
いてはとくに制限はなく、その具体例としては、たとえ
ば白金、アルミナやシリカ、カーボンブラックなどの担
体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金
酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどの錯体、白金
/オレフィン錯体、白金/ホスファイト錯体などがあげ
られる。
【0077】硬化性導電性組成物(II)には、(G)成
分である導電性付与剤が含まれるが、この成分としては
前記(C)成分と同様のものが使用される。(G)成分
と(C)成分は同一であってもよく、異なっていてもよ
い。また(C)成分、(G)成分ともに複数の導電性付
与剤を用いてもかまわない。
【0078】硬化性導電性組成物(II)は、前記(D)
〜(G)成分から調製される。
【0079】(D)成分および(E)成分の使用割合
は、(D)成分中のアルケニル基1モル当り(E)成分
中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、さらには
0.4〜2.5モルになるように使用するのがゴム弾性
の点から好ましい。
【0080】また、(F)成分であるヒドロシリル化触
媒の使用量は、(D)成分中のアルケニル基1モルに対
して10-1〜10-6モルの範囲で用いられる。
【0081】さらに、(G)成分である導電性付与剤の
使用量は、(D)〜(F)成分の合計量100部(重量
部、以下同様)に対して0.1〜50部、さらには0.
3〜30部で、導電性ゴム層の比抵抗が103〜1010
Ω・cm程度、好ましくは105〜108Ω・cmになる
ように使用される。
【0082】前記硬化性導電性組成物(II)には、要す
ればシリカ、炭酸マグネシウムなどの非導電性フィラ
ー、老化防止剤などを加えてもよい。加える量として
は、通常、(E)〜(H)成分の合計量100部に対し
て50部程度以下、好ましくは20部程度以下であるの
が、良好なゴム弾性を損なわない点から好ましい。
【0083】なお、導電性ローラーの導電性ゴム層が
(D)〜(G)成分であるときには、(A)成分中にメ
タクリル酸ステアリル単位を含有することが接着性の観
点から望ましい。
【0084】
【実施例】つぎに、本発明の導電性ローラーを実施例に
基づきさらに詳細に説明する。
【0085】実施例1 末端がトリメチルシリル基で封鎖され、メチルビニルシ
ロキサン単位を0.15モル%含有するポリジメチルシ
ロキサン(重合度約6,000)100部に対して、ア
セチレンブラックHS−100(電気化学工業(株)
製)20部の割合になるようにニーダーに仕込み、混練
を行ない、コンパウンドがまとまってから取り出した。
【0086】えられた混練物に、架橋剤として2,5−
ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン
2部を加え、均一に混合してシリコーンゴム組成物を調
製した。
【0087】えられたシリコーンゴム組成物をプレス成
形(160℃×10分間)によりローラー芯金(直径6
mm、SUS製)上に肉厚3mmになるように被覆して
シリコーンゴムローラーを製造した。
【0088】これとは別に、撹拌機、温度計、還流冷却
器、N2ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器
に、キシレン45.9部を仕込み、N2ガスを導入しつ
つ110℃に昇温したのち、つぎに示す混合物(1)を
滴下ロートから、5時間かけて等速滴下した。
【0089】 混合物(1) スチレン 12.8部 メタクリル酸メチル 57.0部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 30.2部 キシレン 13.5部 AIBN 4.5部 混合物(1)の滴下終了後、AIBN 0.5部、トル
エン5部を1時間かけて等速滴下した。滴下終了後、1
10℃で2時間熟成したのち冷却し、キシレンで樹脂溶
液の固形分を60%に調整した。
【0090】えられた溶液100部に対してアセチレン
ブラックHS−100(電気化学工業(株)製)2部を
加えて、3本ロールにかけて導電性組成物を製造した。
【0091】えられた導電性組成物100部に対してジ
ブチルスズジラウレート0.5部を加えて調製した硬化
性導電性組成物(I−1)を、前記シリコーンゴムロー
ラーの表面にロールクォーターで約120μmの厚さに
塗布し、140℃で30分間焼付けた。
【0092】えられた導電性ローラーをFC−310
(キャノン(株)製のコピー機)の帯電ローラー位置に
装着し、1000回画出ししたところ、結果は良好であ
り、表面層の破損もなかった。
【0093】また、導電性ローラーを40℃、90%R
Hの恒温恒湿機中に96時間投入したのちFC−310
に装着して画出ししても、良好な画像がえられた。
【0094】さらに、えられた導電性ローラーを用いて
2mm角のゴバン目試験を実施した結果、ゴバン目では
がれたものは1/5であった。
【0095】また、硬化性導電性組成物(I−1)を厚
さ100μmになるように鉄板上で硬化させ、Tabe
r摩耗試験を荷重500gで10回転させることにより
行なったところ、少しキズがついた。
【0096】実施例2 数平均分子量(Mn)8,000、分子量分布(Mw/
Mn)2.0(GPCで測定)、粘度130P(20
℃)のポリオキシプロピレン系重合体(ポリオキシプロ
ピレンの両末端のOHの90%をアリルエーテル化した
もの)100g、式:
【0097】
【化14】
【0098】で示されるポリシロキサン系硬化剤(Si
H価0.358モル/100gのもの)6.9g、塩化
白金酸(H2PtCl6)の10%イソプロピルアルコー
ル溶液0.06gおよびケッチェンブラックEC 0.
5gを混合し、減圧(10mmHg下、120分間)脱
泡した。
【0099】えられた硬化性導電性組成物(II−1)を
6mmφのステンレス製シャフトの周りに被覆し、金型
内で120℃、30分間硬化させて、ステンレス製シャ
フトの周りに厚さ3mmの導電性ゴム層を設けたローラ
ーを製造した。
【0100】えられたローラーの表面に実施例1で製造
した硬化性導電性組成物(I−1)を実施例1と同様に
塗布し、140℃で30分間焼付けて導電性ローラーを
製造し、評価した。結果は2mm角ゴバン目試験結果が
0/5とさらに良好になった以外、すべて実施例1と同
様に良好であった。
【0101】実施例3 実施例2における最外層の厚さを300μmにした他は
実施例2と同様にしてローラーを製造し、評価した。2
mm角のゴバン目試験で2/5が剥がれたが、他の評価
結果は実施例2と同様に良好であった。5mm角のゴバ
ン目を3つ作製し、ゴバン目試験を実施したところ、す
べて剥れなかった。
【0102】実施例4 実施例2と同様にして、硬化性導電性組成物(II−1)
をステンレス製シャフトの周りに被覆し、硬化させたロ
ーラーを製造した。
【0103】これとは別に、撹拌機、温度計、還流冷却
器、N2ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器
に、キシレン45.9部を仕込み、N2ガスを導入しつ
つ110℃に昇温したのち、つぎに示す混合物(2)を
滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。
【0104】 混合物(2) スチレン 12.8部 メタクリル酸メチル 42 部 メタクリル酸ステアリル 15 部 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 30.2部 キシレン 13.5部 AIBN 4.5部 混合物(2)の滴下終了後、AIBN 0.5部、トル
エン5部を1時間かけて等速滴下した。滴下終了後、1
10℃で2時間熟成したのち冷却し、キシレンで樹脂溶
液の固形分を60%に調整した。そののち、実施例1と
同様にアセチレンブラックHS−100 2部およびジ
ブチルスズジラウレート0.5部を加えて導電性を付与
した硬化性導電性組成物(I−2)を製造した。
【0105】えられた硬化性導電性組成物(I−2)
を、前記ローラーの表面に厚さ300μmになるように
塗布し、最外層を形成し、実施例1と同様にして評価し
た。結果はすべて実施例1と同様に良好であった。
【0106】硬化性導電性組成物(I−2)を厚さ10
0μmになるように鉄板上で硬化させ、Taber摩耗
試験を荷重500gで10回転させることにより行なっ
たところ、少しキズがついた。
【0107】実施例5 実施例2と同じ導電性ゴム層を有するローラーを製造し
た。
【0108】これとは別に、撹拌機、温度計、還流冷却
器、N2ガス導入管および滴下ロートを備えた反応容器
に、酢酸ブチル31.3部、キシレン9.5部を仕込
み、N2ガスを導入しつつ110℃に昇温後、つぎに示
す混合物(3)を滴下ロートから5時間かけて等速滴下
した。
【0109】 混合物(3) キシレン 18 部 スチレン 28.3部 メタクリル酸メチル 7.1部 アクリル酸n−ブチル 32.5部 メタクリル酸 0.3部 プラクセルFM−1(メタクリル酸2−ヒドロキシエチル/ε−カプロラク トン=1/1付加物) 31.8部(ダイセル化学工業(株)製) AIBN 1.8部 混合物(3)の滴下終了後、AIBN 0.5部、トル
エン5部を1時間かけて等速滴下した。滴下終了後、1
10℃で2時間熟成したのち冷却し、キシレンで樹脂溶
液の固形分を60%に調整した。そののち、実施例1と
同様にアセチレンブラックHS−100 2部を加えて
導電性を付与した導電性組成物を製造した。
【0110】えられた導電性組成物を実施例1で製造し
た導電性組成物((B)成分を含まない組成物)と1:
1の比率で混合した導電性組成物100部に対して、N
ACVRE5225(KING INDUSTRIES
社製のアミンブロックスルホン酸系触媒)を0.5部加
えた硬化性導電性組成物(I−3)を製造し、ロールク
ォーターで120μmの厚さになるように前記ローラー
の表面に塗布し、140℃で3分間硬化させた。
【0111】えられたローラーを用いて実施例1と同様
にして評価したところ、2mm角ゴバン目試験結果が0
/5とさらに良好になった以外、すべて良好であった。
【0112】また、ローラー表面に塗布した組成物を厚
さ100μmになるように鉄板上で硬化させ、Tabe
r摩耗試験を荷重500gで10回転させることにより
行なったところ、かすかにキズがあったが、ほとんどな
かった。
【0113】比較例1 実施例2で製造した導電性ゴム層を設けたローラーの上
に、N−メトキシメチル化ナイロン(鉛市(株)製)の
20%メタノール溶液を塗布し、120μmの厚さの層
を形成した。
【0114】えられたローラーを実施例1と同様にして
評価したところ、1000回目の画出し後にローラーを
調べると、N−メトキシメチル化ナイロン層が剥れてい
る部分があった。
【0115】また、40℃、90%RHに96時間投入
後の画出しは不良であった。吸湿により抵抗が下がりす
ぎたためと考えられる。
【0116】さらに、2mm角のゴバン目試験では4/
5がはがれた。5mm角のゴバン目を3つ作製し、ゴバ
ン目試験を実施したところ、2/3がはがれた。
【0117】また、N−メトキシメチル化ナイロンの2
0%メタノール溶液を厚さ100μmになるように鉄板
上で硬化させ、Taber摩耗試験を荷重500gで1
0回転させて行なったところ、少しキズがついた。
【0118】結果を表1にまとめて示す。
【0119】
【表1】
【0120】
【発明の効果】導電性ローラーの最外層を硬化性導電性
組成物(I)から形成した本発明の導電性ローラーのば
あい、最外層の強度(耐摩耗性)、耐吸湿性が改善され
る。
【0121】また、本発明の導電性ローラーの最外層の
内側の層を、硬化性導電性組成物(II)から形成するば
あいには、最外層との接着性が良好になる。とくに、本
発明の導電性ローラーの最外層の内側の層を、硬化性導
電性組成物(II)から形成し、さらに硬化性導電性組成
物(I)中の(A)成分の構成単位としてSMA単位が
含まれるようにしたばあいには接着性が大幅に改善され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−175291(JP,A) 特開 平7−20679(JP,A) 特開 昭58−157810(JP,A) 特開 昭54−36395(JP,A) 特開 昭57−36109(JP,A) 特開 平6−321382(JP,A) 特開 平5−6074(JP,A) 特開 平5−116790(JP,A) 特開 平8−166676(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 F16C 13/00 G03G 15/08 501 G03G 15/16 103

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子複写機もしくはプリンターが有する
    感光体に接触させてまたは接触させずに使用する導電性
    ローラーであって、少なくとも該ローラーの最外層が (A)加水分解性シリル基含有ビニル系共重合体 (B)硬化触媒および (C)導電性付与剤 を含む硬化性導電性組成物から形成された層である導電
    性ローラー。
  2. 【請求項2】 前記硬化性導電性組成物から形成された
    ローラーの最外層が接する内側の層が (D)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、
    主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン単位で
    ある重合体 (E)分子中に2個以上のヒドロシリル基を有する硬化
    剤 (F)ヒドロシリル化触媒および (G)導電性付与剤 を含む硬化性導電性組成物からなる請求項1記載の導電
    性ローラー。
  3. 【請求項3】 (A)成分である加水分解性シリル基含
    有ビニル系共重合体がメタクリル酸ステアリル(SM
    A)を共重合成分として含有する請求項1または2記載
    の導電性ローラー。
  4. 【請求項4】 前記ローラーの最外層が、(A)〜
    (C)成分に、さらに (H)水酸基を有する樹脂 を含有する硬化性導電性組成物から形成された層である
    請求項1、2または3記載の導電性ローラー。
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