JP3448506B2 - 弾性エラストマー筒状体の拡径方法および装置 - Google Patents

弾性エラストマー筒状体の拡径方法および装置

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JP3448506B2
JP3448506B2 JP06524199A JP6524199A JP3448506B2 JP 3448506 B2 JP3448506 B2 JP 3448506B2 JP 06524199 A JP06524199 A JP 06524199A JP 6524199 A JP6524199 A JP 6524199A JP 3448506 B2 JP3448506 B2 JP 3448506B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性エラストマー
筒状体の拡径方法および装置に係り、特に、架橋ポリエ
チレン絶縁電力ケーブルの接続部に用いる絶縁筒、絶縁
チューブ、その他弾性材料からなる接続部材の拡径方法
および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、架橋ポリエチレン絶縁電力ケー
ブルの導体接続部を絶縁するには、該導体接続部の外周
に弾性エラストマー筒状体(以下絶縁筒という)を覆せ
ることが行われている。絶縁筒は、導体相互を接続する
前に拡径した状態で、一方の電力ケーブル外周に挿通し
ておき、導体相互を接続した後に、該接続部上に引き戻
して拡径状態を解除し、これによって導体接続部を絶縁
筒で覆い、該導体接続部を絶縁するものである。
【0003】絶縁筒を拡径状態に維持するには拡径支持
体が使用されている。拡径支持体は、例えばプラスチッ
ク製リボンをスパイラル円筒状に巻回したもので、この
拡径支持体上に絶縁筒を配置することによって絶縁筒を
拡径状態に保持するものである。
【0004】拡径支持体上に絶縁筒を配置するには絶縁
拡径装置が使用される。絶縁筒拡径装置として、従来、
図7に記載したものが知られている。この装置は、ベー
ス21上に設置された複動油圧シリンダー22を備えて
おり、この複動油圧シリンダー22のピストン23に絶
縁筒24が挿入される。複動油圧シリンダー本体22の
外側には拡径パイプ25が設置されていて、その先端に
テーパ金具26が配置されている。
【0005】このテーパ金具26とピストン23の先端
に設けた絶縁筒受け金具27との間に絶縁筒24を装着
し、油圧ポンプ28を動作させることにより、ピストン
23が複動油圧シリンダー本体内に入り、これによりピ
ストン23の周囲の絶縁筒24がテーパ金具26により
拡径されて、拡径パイプ25上に装着される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の絶縁筒拡径装置では、絶縁筒24は、ピストン23
の先端に設けた絶縁筒受け金具27により上から下方に
押されるようになっているため、受け金具27はテーパ
金具26の先端に当接して停止し、テーパ金具26の終
りまで絶縁筒を通過させることが出来ないという問題が
あった。更に、金具27のような剛体で絶縁筒24を押
すと、絶縁筒24の端部が金具27に食い込むような状
態となり、絶縁筒24の端部が削られてしまうという問
題があった。
【0007】本発明は、このような事情の下になされ、
容易かつ確実に弾性エラストマー筒状体を拡径すること
が可能な弾性エラストマー筒状体の拡径方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、拡径用芯材と弾性エ
ラストマー筒状体の界面に確実に潤滑材を供給すること
が出来、弾性エラストマー筒状体の拡径を容易に行うこ
とが可能であるとともに、弾性エラストマー筒状体を劣
化させることのない弾性エラストマー筒状体の拡径方法
を提供することを目的とする。
【0009】本発明の更に他の目的は、容易かつ確実に
弾性エラストマー筒状体を拡径することが可能な弾性エ
ラストマー筒状体の拡径装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、駆動装置に取付けられた、拡径支持体が
配置された空洞を有する太径部、テーパー部および細径
部を備えた拡径用芯材の細径部に、拡径される弾性エラ
ストマー筒状体および弾性ダミー筒状体を、前記細径部
がそれら筒状体内に挿入されるように、かつ前記弾性ダ
ミー筒状体が移動を阻止された状態で細径部の先端側に
位置するように、それぞれの端部を当接させて配置する
工程、前記駆動装置を作動させて、前記拡径用芯材を軸
方向に移動させ、前記ダミー筒状体により前記エラスト
マー筒状体の移動を妨げつつ、前記エラストマー筒状体
を細径部、テーパー部および太径部の順に滑らせて、太
径部上に拡径して配置させる工程、および前記駆動装置
を作動させて、前記エラストマー筒状体を太径部内の空
洞内に配置されている前記拡拡径支持体上に移動させ、
拡径保持する工程を具備する弾性エラストマー筒状体の
拡径方法を提供する。
【0011】また、本発明は、駆動装置に取付けられ
た、外周面に拡径支持体が配置された太径部、テーパー
部および細径部を備えた拡径用芯材の細径部に、拡径さ
れる弾性エラストマー筒状体および弾性ダミー筒状体
を、前記細径部がそれら筒状体内に挿入されるように、
かつ前記弾性ダミー筒状体が移動を阻止された状態で細
径部の先端側に位置するように、それぞれの端部を当接
させて配置する工程、および前記駆動装置を作動させ
て、前記拡径用芯材を軸方向に移動させ、前記ダミー筒
状体により前記エラストマー筒状体の移動を妨げつつ、
前記エラストマー筒状体を細径部、テーパー部および太
径部の順に滑らせて、太径部の外周面に配置された拡径
支持体上に移動させ、拡径保持する工程を具備する弾性
エラストマー筒状体の拡径方法を提供する。
【0012】更に、本発明は、支持体上に支持された、
太径部、テーパー部および細径部からなる拡径用芯材、
前記拡径用芯材を移動させるための駆動装置、前記拡径
用芯材の細径部に、拡径される弾性エラストマー筒状体
とともに貫通するように配置され、移動を阻止された状
態で支持台上に保持された弾性ダミー筒状体、および前
記拡径用芯材の太径部内の空洞内に配置された拡径支持
体を具備することを特徴とする弾性エラストマー筒状体
の拡径装置を提供する。
【0013】更にまた、本発明は、支持体上に支持され
た、太径部、テーパー部および細径部からなる拡径用芯
材、前記拡径用芯材を移動させるための駆動装置、前記
拡径用芯材の細径部に、拡径される弾性エラストマー筒
状体とともに貫通するように配置され、移動を阻止され
た状態で支持台上に保持された弾性ダミー筒状体、およ
び前記拡径用芯材の太径部の外周部に配置された拡径支
持体を具備することを特徴とする弾性エラストマー筒状
体の拡径装置を提供する。
【0014】以上のように構成される本発明の方法およ
び装置によると、ダミー筒状体を用いており、このダミ
ー筒状体により弾性エラストマー筒状体の移動を妨げつ
つ、ダミー筒状体内に拡径用芯材の細径部およびテーパ
ー部までが確実に侵入するようになっているため、弾性
エラストマー筒状体の端部が削られることなく、太径部
ないし拡径支持体上への弾性エラストマー筒状体の移動
が可能である。
【0015】特に、ダミー筒状体を、エラストマー筒状
体よりも大きい硬度を有する材料により構成した場合に
は、ダミー筒状体が座屈するのを緩和することが出来、
安定してエラストマー筒状体の拡径を行うことが可能で
ある。
【0016】また特に、太径部内部の空洞に拡径支持体
を配置することにより、拡径支持体上への弾性エラスト
マー筒状体の装着が容易となる。
【0017】また、エラストマー筒状体の拡径に際し、
エラストマー筒状体と拡径用芯材との間の界面に、エラ
ストマー筒状体に浸透せず、かつエラストマー筒状体を
劣化させない低摩擦部材を供給することにより、低摩擦
部材がエラストマー筒状体に浸透して界面において不足
することがなく、所望の潤滑効果を安定して発揮し、エ
ラストマー筒状体のスムースな拡径を行うことが出来
る。また、長期にわたり使用しても、低摩擦部材により
エラストマー筒状体が劣化することがない。
【0018】本発明の方法および装置は、特に、架橋ポ
リエチレン絶縁電力ケーブルの接続部に好適に適用する
ことが出来る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。
【0020】図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾
性エラストマー筒状体の拡径装置の概略を示す図であ
る。弾性エラストマー筒状体である絶縁筒2の拡径に用
いられる拡径用芯材1は、図1に示すように、細径部1
a、テーパ部1bおよび太径部1cとから構成される。
拡径用芯材1は、例えばステンレス等の硬質金属材料、
または強化プラスチック等により構成することが出来
る。この細径部1a、テーパ部1bおよび太径部は一体
形成でなく別体形成であってもよい。
【0021】図6は、拡径用芯材1を示す断面図であ
る。図6からわかるように、太径部1cの内部は、空洞
となっており、絶縁筒2が装着される拡径用支持体7が
配置されている。拡径用支持体7としては、例えばプラ
スチック製リボンをスパイラル円筒状に巻回したものと
することが出来る。絶縁筒2を構成する材料としては、
EPゴム、クロロプレン、シリコームゴム等を用いるこ
とが出来る。この拡径用支持体7は、端部が太径部1c
の端部から一定長突出した状態で、太径部1cの内部に
配置されている。
【0022】拡径用芯材1のテーパ部1bは、5°〜3
0°程度のテーパ角(水平に対する傾斜角)を有するの
が好ましい。このテーパ角は、外径と長さを適宜選定す
ることにより、調整可能である。テーパ角が大き過ぎる
と、拡径用芯材1と絶縁筒2の摩擦力が大きくなり過ぎ
て、拡径が困難となり、逆にテーパ角が小さ過ぎると、
油圧シリンダのストロークが長くなり過ぎて、装置が大
型化してしまう。
【0023】拡径用芯材1の太径部1cは、支持台4上
に設置された駆動装置である油圧シリンダ5のピストン
先端に取付けられており、細径部1aには、絶縁筒2お
よびダミー絶縁筒3が、貫通して配置されている。ダミ
ー絶縁筒3は、ダミー絶縁筒受け6により支持されてい
る。
【0024】拡径用芯材1の表面および/または絶縁筒
2の内面には、低摩擦部材である潤滑材が塗布される。
即ち、拡径用芯材1と絶縁筒2との間の界面には、潤滑
材が供給される。潤滑材としては、絶縁筒2に浸透しに
くく、絶縁筒2に膨潤等の劣化を生じさせないオイルま
たはグリスを用いることが望ましい。そのような潤滑材
としては、不活性であり、分子量の大きいフッ素グリ
ス、フルオロシリコ−ングリス、フッ素オイル、フルオ
ロシリコ−ンオイル等を挙げることが出来る。これらの
潤滑材は、特に低粘度であるものが好ましい。潤滑材の
好ましい粘度は、300〜600cStである。
【0025】特に、絶縁筒2がシリコーンゴムにより構
成される場合には、潤滑材として絶縁筒2と同種の材
料、例えばシリコーングリス又はオイルを用いることは
好ましくない。
【0026】拡径用芯材1と絶縁筒2との間の界面への
潤滑材の供給は、拡径用芯材1の表面および/または絶
縁筒2の内面に潤滑材を塗布することに限らず、次の方
法で行うことが出来る。
【0027】(1)拡径用芯材1の外表面を微小な連続
気孔を有する材料で構成し、この中に潤滑材を含浸させ
ておく。そうすることにより、拡径用芯材1を絶縁筒2
内に挿入し、絶縁筒2を拡径する際に、この連続気孔か
ら潤滑材を拡径用芯材1と絶縁筒2との間の界面に供給
することが出来る。
【0028】(2)拡径用芯材1の外表面に、ローレッ
ト加工やサンジング加工等の機械加工により微小な凹凸
を形成し、この凹凸に潤滑材を保持させる。このような
構成によると、拡径の際に、絶縁筒2の端部で潤滑材を
そぎ落してしまって潤滑材の不足が生ずることがない。
【0029】(3)図8に示すように、拡径用芯材1の
外表面を、潤滑材を内蔵した弾性材料31で被覆する。
そうすることにより、拡径用芯材を絶縁筒内に挿入し、
絶縁筒を拡径する際に、絶縁筒の収縮力によって、弾性
材料31中の潤滑材が拡径用芯材と絶縁筒との間の界面
に自己供給される。
【0030】拡径される弾性エラストマー筒状体である
絶縁筒2は、図2(a)にその縦断面、図2(b)に図
2(a)のA−A断面を示すように、内部半導電層8、
絶縁層9および外部半導電層10から構成される。内部
半導電層8、絶縁層9および外部半導電層10を構成す
る材料としては、EPゴム、クロロプレン、シリコーム
ゴム等が用いられる。また、絶縁筒2は、長さLが50
0〜1000mm程度、内径φ1が20〜100mm程
度、外径φ2が100〜250mm程度である。
【0031】なお、拡径用支持体7は、図1および図6
に示すように、拡径用芯材1の太径部1c内の空洞に配
置されるだけでなく、図3に示すように、太径部1cの
径をテーパ部1bの最大径よりも小さくし、拡径用支持
体7を太径部1cの外周囲に配置してもよい。この場
合、太径部1cの径は、拡径用支持体7の内径と同程度
であり、太径部1cのテーパ部1bとは反対側の端部に
はストッパー1dが着脱可能に取付けられている。この
ストッパー1dにより、拡径用支持体7の位置決めが行
われる。
【0032】図3に示すような拡径用支持体7の構成と
することにより、絶縁筒2の太径部1cへの相対的移動
がそのまま拡径用支持体7上への装着となり、拡径・装
着作業を簡単とすることが出来る。
【0033】拡径用支持体7は、弾性エラストマー筒状
体との間の摩擦が出来るだけ少ない材料により構成する
のが好ましい。
【0034】また、拡径用支持体7の表面には、上述し
た拡径用芯材1と同様に、潤滑材を塗布しておくことが
好ましい。使用される潤滑材としては、上述した拡径用
芯材1と絶縁筒2との間の界面へ供給される潤滑材と同
様のものを使用することが出来る。この拡径用支持体7
の外径は、例えば40〜200mm程度である。
【0035】また、ダミー絶縁筒3は、座屈するのを防
止するため、拡径される絶縁筒2よりも硬度の大きい材
料により構成されるのが好ましい。そのような材料とし
て、絶縁材料よりカーボン含有導電材料のほうが硬度が
高く、例えば全体を導電材料により構成したものを用い
ることが出来る。
【0036】次に、図4および図5を参照して、本発明
の第1の実施形態に係る弾性エラストマー筒状体の拡径
および装着の具体的プロセスについて説明する。
【0037】図4(a)に示すように、まず支持台4上
に設置された油圧シリンダ5のピストン先端に、拡径用
芯材1を取り付ける。拡径用芯材1は、細径部1a、テ
ーパ部1bおよび太径部1cから構成される。この拡径
用芯材1の細径部1aに、絶縁筒2と、弾性体からなる
ダミー絶縁筒3を貫通させて配置する。
【0038】拡径用芯材1は拡径用芯材受け16によ
り、絶縁筒2は絶縁筒受け17により、ダミー絶縁筒3
はダミー絶縁筒受け18によりそれぞれ支持される。こ
の時、拡径用芯材1の表面および/または絶縁筒2の内
面には、潤滑材として、例えば弗素オイルまたはグリー
スが塗布されている。
【0039】次いで、図示しない油圧ポンプにより油圧
シリンダ5のピストンを前進させると、図4(b)に示
すように、拡径用芯材1は、まずテーパ部1bが絶縁筒
2内に侵入し、次いでダミー絶縁筒3内に入るに至る。
この時、太径部1cが絶縁筒2内にあり、絶縁筒2を拡
径する。ダミー絶縁筒3の右端部はダミー絶縁筒受け1
8により保持されているので、絶縁筒2およびダミー絶
縁筒3は、その移動が妨げられている。
【0040】次に、図5(a)に示すように、油圧ポン
プにより油圧シリンダ5のピストンを後退させると、拡
径用芯材1は、その太径部1cに拡径した絶縁筒2を装
着したまま後退し、図4(a)と同じ位置で停止する。
この時、絶縁筒2の一端側がは、拡径用芯材受け16に
係止される。
【0041】その後、図5(b)に示すように、拡径し
た絶縁筒2の右端部を絶縁筒受け17により保持した状
態で、再び油圧シリンダ5のピストンを前進させると、
拡径用芯材1のみが右方向に移動し、これに伴って、太
径部1c内の拡径用支持体7上に絶縁筒2の端部が縮径
して係合し、順次、拡径用支持体7上に移動し、絶縁筒
2が拡径された状態で拡径用支持体7上に装着される。
【0042】以上のように、絶縁筒2は、最初の工程で
拡径用芯材1上に拡径されて保持され、次の工程で拡径
用支持体7上に拡径された状態で装着されるという、2
工程で絶縁筒2の拡径・装着作業を行うことが出来る。
なお、ダミー絶縁筒3を更に長くし、シリンダーのスト
ロークを延ばすことにより、拡径用芯材1を左方向に移
動させることなく、右方向への移動のみで、即ち、1工
程で絶縁筒2の拡径・装着作業を行うことも可能であ
る。
【0043】また、駆動装置としては、油圧シリンダー
の他に空気シリンダー等、任意の装置を使用することが
出来る。
【0044】次に、潤滑材として、トルエン、アセト
ン、エタノールおよびフッ素オイルを用い、上述の方法
により、ステンレス製の拡径用芯材によってシリコンゴ
ム製の絶縁筒の拡径を行った。なお、トルエンは、揮発
性が低いため、潤滑性保持性を期待して用い、アセトン
は揮発性が高いため、揮発による内圧の上昇を期待して
用い、エタノールおよびフッ素オイルは、その高い潤滑
性を期待して用いたものである。
【0045】上述の図4および図5に示す方法により、
ステンレス製の拡径用芯材によってシリコンゴム製の絶
縁筒の拡径を行った。その結果、潤滑材としてトルエン
およびエタノールを用いた場合には、絶縁筒が拡径用芯
材のテーパー部に乗り上げた時点で動かなくなってしま
った。また、アセトンを用いた場合にも、摩擦力が大き
く、優れた潤滑性を得ることが出来なかった。
【0046】これに対し、潤滑材としてフッ素オイルを
用いた場合には、絶縁筒およびダミー絶縁筒の拡径を、
座屈することなく、比較的スムースに行うことが出来
た。
【0047】次に、潤滑材として種々のフッ素オイルを
用いて、同様に、シリコンゴム製の絶縁筒の拡径を行っ
た。フッ素オイルの種類を下記表1に、拡径の条件およ
び効果を下記表2に示す。フッ素オイルは、いずれもア
ウジモンド社製である。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】注1)油圧レベル40kgf/cm2 で2トンの
トルク発生 注2)数値は各々2回実施した平均値を記録 なお、上記表2における拡径用芯材Aは、表面に鏡面仕
上げおよびニムフロン加工を行ったもの、拡径用芯材B
は、表面にショットブラスト処理およびニムフロン加工
を行ったものである。
【0051】上記表2から、フッ素オイルとして、粘性
の低いY45およびM60を用いた場合に、最も作業性
が良好であり、かつ使用量も少なくてすむことがわか
る。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の拡
径方法および装置によると、ダミー筒状体を用いてお
り、ダミー筒状体により弾性エラストマー筒状体の移動
を妨げつつ、ダミー筒状体内に拡径用芯材の細径部およ
びテーパー部までが確実に侵入するようになっているた
め、弾性エラストマー筒状体の端部が削られることな
く、太径部ないし拡径支持体上への弾性エラストマー筒
状体の移動が可能である。
【0053】特に、ダミー筒状体を、エラストマー筒状
体よりも大きい硬度を有する材料により構成した場合に
は、ダミー筒状体が座屈するのを緩和することが出来、
安定してエラストマー筒状体の拡径を行うことが可能で
ある。
【0054】また、太径部内部の空間内に拡径支持体を
配置することにより、拡径支持体上への弾性エラストマ
ー筒状体の装着が容易となる。
【0055】更に、エラストマー筒状体の拡径に際し、
エラストマー筒状体と拡径用芯材との間の界面に、エラ
ストマー筒状体に浸透せず、かつエラストマー筒状体を
劣化させない潤滑材を供給することにより、潤滑材がエ
ラストマー筒状体に浸透して界面において不足すること
がなく、所望の潤滑効果を安定して発揮し、エラストマ
ー筒状体のスムースな拡径を行うことが出来る。また、
長期にわたり使用しても、潤滑材によりエラストマー筒
状体が劣化することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の拡径装置の一例を概略的に示す図。
【図2】本発明の拡径方法および装置により拡径される
弾性エラストマー筒状体を示す断面図。
【図3】本発明の拡径方法および装置に使用される拡径
用芯材の他の例を示す断面図。
【図4】本発明の拡径方法の具体的プロセスを工程順に
示す図。
【図5】本発明の拡径方法の具体的プロセスを工程順に
示す図。
【図6】図4および図5の拡径プロセスに使用される拡
径用芯材を示す断面図。
【図7】従来の拡径装置を概略的に示す図。
【図8】外表面に潤滑材を内蔵した弾性材料で被覆した
拡径用芯材を示す
【符号の説明】
1…拡径用芯材 1a…細径部 1b…テーパ部 1c…太径部 1d…ストッパー 2…弾性エラストマー筒状体 3…ダミー絶縁筒 4…支持台 5…油圧シリンダ 6,18…ダミー絶縁筒受け 7…拡径用支持体 8…内部半導電層 9…絶縁層 10…外部半導電層 16…拡径用芯材受け 17…絶縁筒受け 31…弾性材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽根 良成 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (72)発明者 星野 士郎 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古河電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−193518(JP,A) 特開 平8−223760(JP,A) 特開 平7−274343(JP,A) 特開 平9−284942(JP,A) 特開 平5−219625(JP,A) 特開 平8−1775(JP,A) 特開 昭56−156551(JP,A) 特開 平10−138358(JP,A) 実開 平6−29339(JP,U) 実開 平1−147629(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02G 15/18 H02G 1/14

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動装置に取付けられた、拡径支持体が
    配置された空洞を有する太径部、テーパー部および細径
    部を備えた拡径用芯材の細径部に、拡径される弾性エラ
    ストマー筒状体および弾性ダミー筒状体を、前記細径部
    がそれら筒状体内に挿入されるように、かつ前記弾性ダ
    ミー筒状体が移動を阻止された状態で細径部の先端側に
    位置するように、それぞれの端部を当接させて配置する
    工程、前記駆動装置を作動させて、前記拡径用芯材を軸
    方向に移動させ、前記ダミー筒状体により前記エラスト
    マー筒状体の移動を妨げつつ、前記エラストマー筒状体
    を細径部、テーパー部および太径部の順に滑らせて、太
    径部上に拡径して配置させる工程、および前記駆動装置
    を作動させて、前記エラストマー筒状体を太径部内の空
    洞内に配置されている前記拡拡径支持体上に移動させ、
    拡径保持する工程を具備する弾性エラストマー筒状体の
    拡径方法。
  2. 【請求項2】 駆動装置に取付けられた、外周面に拡径
    支持体が配置された太径部、テーパー部および細径部を
    備えた拡径用芯材の細径部に、拡径される弾性エラスト
    マー筒状体および弾性ダミー筒状体を、前記細径部がそ
    れら筒状体内に挿入されるように、かつ前記弾性ダミー
    筒状体が移動を阻止された状態で細径部の先端側に位置
    するように、それぞれの端部を当接させて配置する工
    程、および前記駆動装置を作動させて、前記拡径用芯材
    を軸方向に移動させ、前記ダミー筒状体により前記エラ
    ストマー筒状体の移動を妨げつつ、前記エラストマー筒
    状体を細径部、テーパー部および太径部の順に滑らせ
    て、太径部の外周面に配置された拡径支持体上に移動さ
    せ、拡径保持する工程を具備する弾性エラストマー筒状
    体の拡径方法。
  3. 【請求項3】 前記弾性ダミー筒状体が、前記エラスト
    マー筒状体よりも大きい硬度を有する材料により構成さ
    れることを特徴とする請求項1または2に記載の弾性エ
    ラストマー筒状体の拡径方法。
  4. 【請求項4】 前記エラストマー筒状体の拡径に際し、
    前記エラストマー筒状体と前記拡径用芯材との間の界面
    に、前記エラストマー筒状体に浸透せず、かつ前記エラ
    ストマー筒状体を劣化させない低摩擦部材を介在させる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの項に記
    載の弾性エラストマー筒状体の拡径方法。
  5. 【請求項5】 前記拡径用芯材の外表面が微小な連続気
    孔を有し、その中に前記低摩擦部材が含まれており、前
    記エラストマー筒状体の拡径に際し、前記エラストマー
    筒状体と前記拡径用芯材との間の界面に、前記連続気孔
    内の低摩擦部材が供給されることを特徴とする請求項4
    に記載の弾性エラストマー筒状体の拡径方法。
  6. 【請求項6】 前記拡径用芯材の外表面が微小な凹凸を
    有し、その凹凸に前記低摩擦部材が保持されていること
    により、前記エラストマー筒状体の拡径に際し、前記エ
    ラストマー筒状体と前記拡径用芯材との間の界面に前記
    低摩擦部材が供給されることを特徴とする請求項4に記
    載の弾性エラストマー筒状体の拡径方法。
  7. 【請求項7】 前記拡径用芯材の外表面に、前記低摩擦
    部材を内蔵する弾性材料層が被覆されており、前記エラ
    ストマー筒状体の拡径に際し、前記エラストマー筒状体
    と前記拡径用芯材との間の界面に、前記弾性材料層に内
    蔵する低摩擦部材が供給されることを特徴とする請求項
    4に記載の弾性エラストマー筒状体の拡径方法。
  8. 【請求項8】 支持体上に支持された、太径部、テーパ
    ー部および細径部からなる拡径用芯材、 前記拡径用芯材を移動させるための駆動装置、 前記拡径用芯材の細径部に、拡径される弾性エラストマ
    ー筒状体とともに貫通するように配置され、移動を阻止
    された状態で支持台上に保持された弾性ダミー筒状体、
    および 前記拡径用芯材の太径部内の空洞内に配置された拡径支
    持体を具備することを特徴とする弾性エラストマー筒状
    体の拡径装置。
  9. 【請求項9】 支持体上に支持された、太径部、テーパ
    ー部および細径部からなる拡径用芯材、 前記拡径用芯材を移動させるための駆動装置、 前記拡径用芯材の細径部に、拡径される弾性エラストマ
    ー筒状体とともに貫通するように配置され、移動を阻止
    された状態で支持台上に保持された弾性ダミー筒状体、
    および 前記拡径用芯材の太径部の外周部に配置された拡径支持
    体を具備することを特徴とする弾性エラストマー筒状体
    の拡径装置。
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