JP3447849B2 - 案内装置の転動体チェーン及びその製造方法 - Google Patents

案内装置の転動体チェーン及びその製造方法

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JP3447849B2
JP3447849B2 JP15913595A JP15913595A JP3447849B2 JP 3447849 B2 JP3447849 B2 JP 3447849B2 JP 15913595 A JP15913595 A JP 15913595A JP 15913595 A JP15913595 A JP 15913595A JP 3447849 B2 JP3447849 B2 JP 3447849B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/30Parts of ball or roller bearings
    • F16C33/38Ball cages
    • F16C33/3825Ball cages formed as a flexible belt, e.g. spacers connected by a thin film

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Bearings For Parts Moving Linearly (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば無限摺動用の
直線案内装置や曲線案内装置、旋回ベアリング等の案内
装置において、その無限軌道内に挿入され、この無限軌
道を形成する一対のベアリングレースの間において相対
的な直線運動や回転運動を支承する転動体チェーン及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベアリングを備えた種々の案内装置にお
いては、一対のベアリングレースの間に挟み込まれたボ
ールやローラーからなる転動体の転がり運動を利用して
これらベアリングレース相互の直線運動や回転運動を可
能にしているが、一対のベアリングレースを互いに切り
離した際における転動体の脱落を防止する、各転動体相
互の接触を避けて摩擦抵抗の低減を図る、各転動体を所
定の位置に整列させて円滑な運動を得る等の目的から、
金属薄板製や合成樹脂製の転動体リテーナや転動体ケー
ジで保持して多数の転動体をベアリングレース間に組み
込むのが一般的である。
【0003】しかるに、従来の転動体リテーナを用いる
案内装置においては、この転動体リテーナを何れか一方
のベアリングレース側に組み付け、形成された転動体の
転走路内に転動体を組み込み、次いで他方のベアリング
レースを組み付けることにより組み立てているが、特に
この案内装置が転動体の無限軌道を有する場合にはこの
転動体リテーナを用いる案内装置の組立作業に熟練を要
し、その自動化が困難である。
【0004】また、従来の転動体ケージを用いる案内装
置においては、転動体ケージが多数のポケットを有して
これらのポケット内に各転動体を回転可能に保持してい
るので、案内装置に多数の転動体を組み込む作業が容易
であるという利点はあるが、転動体ケージの各ポケット
に多数の転動体を組み込んで脱落しないように保持せし
める必要があり、この転動体ケージそのものの製作に多
大な手間がかかるという問題があった。
【0005】そこで、このような問題を解決するものと
して、ボールを金型内の略平坦な面に中子として配置し
た樹脂の射出成形により製造され、使用時に折り曲げら
れ、あるいは、湾曲されて所定の形状をなすボールケー
ジやボールチェーンを提案した(特公平6−56181
号、特開平5−52217号、特開平5−126149
号、特開平5−196036号、特開平5−19603
7号の各公報)。しかしながら、これらのボールケージ
やボールチェーンにおいては、射出成形後に収縮すると
いう樹脂の性質を利用してこの樹脂中に中子として鋳込
まれたボールに回転性を付与しているため、ボールに回
転性を付与するのに極めて長時間を要したり、円滑な回
転性を付与するのが困難であったり、樹脂種によっては
ボールに回転性を付与することができない場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の転動
体リテーナや転動体ケージの取扱い難さや加工性の悪さ
を解決すると共に、先に提案した樹脂製のボールケージ
やボールチェーンが有する問題点を解消したものであ
り、その目的とするところは、極めて容易に製造するこ
とができ、転動体の脱落がなくてその取扱いが極めて容
易であり、案内装置への組み込みの自動化も可能である
という利点を備えているだけでなく、転動体に極めて円
滑な回転性を確実に付与することができる転動体チェー
ン及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、所
定の間隔を置いて配置され、案内装置に形成された無限
軌道内を転走する多数の転動体と、上記各転動体の間に
介装される介装部とこれら各介装部を連結する連結部と
を有して上記多数の転動体を整列状態にかつ転動可能に
保持する可撓性の樹脂連結体とからなる案内装置の転動
体チェーンにおいて、上記樹脂連結体が、吸油若しくは
吸水処理前後の寸法変化率が成形収縮率より大きい樹脂
を用いて転動体を中子とする射出成形により成形され、
かつ、転動体との間には吸油若しくは吸水処理により形
成された隙間を有している案内装置の転動体チェーンで
ある。
【0008】また、本発明は、このような案内装置の転
動体チェーンを製造するに際し、吸油若しくは吸水処理
前後の寸法変化率が成形収縮率より大きい樹脂を用い、
上記多数の転動体を中子とする射出成形によりこれら多
数の転動体を保持した樹脂連結体を成形すると共に、離
型後に吸油若しくは吸水処理して樹脂連結体と各転動体
との間に転動体回転のための隙間を形成する転動体チェ
ーンの製造方法である。
【0009】本発明において、樹脂連結体を成形するた
めに用いられる樹脂は、吸油若しくは吸水処理前後の寸
法変化率が成形収縮率より大きい樹脂でなければなら
ず、好ましくは吸油若しくは吸水処理前後の寸法変化率
と成形収縮率との差が0.1〜2.0%、より好ましく
は0.5〜1.5%のものであるのがよい。吸油若しく
は吸水処理前後の寸法変化率と成形収縮率との差が0.
1〜2.0%であれば、吸油若しくは吸水処理により樹
脂連結体と転動体との間に確実に隙間を形成してこの転
動体の良好な回転性を確保することができる。なお、吸
油若しくは吸水処理前後の寸法変化率は、それが成形収
縮率の大きさを越えてあまりにも大きくなりすぎると、
吸油若しくは吸水処理後に転動体が樹脂連結体から脱落
する虞が生じるが、本発明者らの実験によれば高々2〜
3%程度までであり、この程度の大きさであれば転動体
が樹脂連結体から脱落する虞はない。
【0010】ここで、吸油若しくは吸水処理前後の寸法
変化率は、吸油若しくは吸水処理前の樹脂連結体(転動
体チェーン)の長さ(処理前の長さ)に対する吸油若し
くは吸水処理後の樹脂連結体(転動体チェーン)の長さ
(処理後の長さ)から吸油若しくは吸水処理前の樹脂連
結体(転動体チェーン)の長さ(処理前の長さ)を引い
た値(伸び量)の百分率であり、また、成形収縮率はJ
IS K6911,5.7に従って下記式により求めら
れた値である。 成形収縮率={(金型寸法−成形品寸法)÷金型寸法}
×100
【0011】また、本発明で樹脂連結体を成形するため
に用いる樹脂については、案内装置のベアリングレース
が形成する転動体の無限軌道内を成形された樹脂連結体
が転動体と共に円滑に移動できることが必要であり、そ
のために、樹脂連結体はその樹脂が可撓性を有する必要
があり、好ましくはそのショア硬さが35〜75、より
好ましくは40〜60の範囲内であるのがよい。
【0012】このような可撓性を有する樹脂連結体を製
造する上で好適な樹脂としては、例えば、ペバックス
(東レ(株)製商品名)等のポリアミド系エラストマー
やハイトレル(東レ・デュポン(株)製商品名)等のポ
リエステル系エラストマー、更にはポリウレタン系エラ
ストマー、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラ
ストマー等のエラストマー類や、軟質塩化ビニル等を挙
げることができ、好ましくはエラストマー類であり、よ
り好ましくはポリアミド系やポリエステル系のエラスト
マーである。
【0013】更に、本発明において、案内装置で用いる
転動体としてはボールやローラーが挙げられ、円滑な摺
動性を必要とする案内装置に用いる転動体チェーンには
ボールが好適であり、また、比較的重荷重を負荷させる
必要がある案内装置に用いる転動体チェーンにはローラ
ーが好適である。
【0014】本発明の転動体チェーンを製造するには、
上述した吸油若しくは吸水処理前後の寸法変化率が成形
収縮率より大きい樹脂を用い、多数の転動体を中子とす
る射出成形によりこれら多数の転動体を保持した樹脂連
結体を成形すると共に、離型後に吸油若しくは吸水処理
して樹脂連結体と各転動体との間に転動体回転のための
隙間を形成する。
【0015】ここで、多数の転動体を中子とする射出成
形については、前述した特公平6−56181号、特開
平5−52217号、特開平5−126149号、特開
平5−196036号、特開平5−196037号公報
に記載された方法等の、いわゆるインサート成形を適用
することができる。
【0016】また、成形された転動体チェーンの各転動
体に回転性を付与するための吸油若しくは吸水処理につ
いては、離型された転動体チェーンを油中若しくは水中
に浸漬して行う方法、離型された転動体チェーンに霧状
の油又は水を噴霧する方法、オートクレーブ等を用いて
離型された転動体チェーンに所定の加熱加圧下に油又は
水を吸収させる方法、離型された転動体チェーンを高湿
度下に放置する方法、離型された転動体チェーンを大気
中に所定時間放置する方法等、任意の方法を採用できる
が、好ましくは離型された転動体チェーンを油中若しく
は水中に浸漬して行う方法であり、より好ましくは油中
に浸漬して行う方法である。
【0017】そして、この際の吸油若しくは吸水処理の
処理条件についても、処理方法や使用する樹脂の種類等
によって適当な条件を選択して採用することができ、例
えば、離型された転動体チェーンを油中若しくは水中に
浸漬して行う方法においては、樹脂の種類によっても異
なるが、通常、常温〜50℃の温度で数分〜数時間浸漬
する。
【0018】この吸油若しくは吸水処理は、成形された
転動体チェーンの転動体に回転性を付与するためのもの
であり、吸油処理により転動体に回転性を付与した場合
にはそのまま案内装置に組み込むことができるが、例え
ば水中に浸漬して吸水処理した場合等の処理後の転動体
チェーン表面に水分が付着しているような場合には、好
ましくはその表面に付着した水分を除去してから案内装
置に組み込む。
【0019】上記吸油処理に用いる油としては、潤滑性
を有する液体潤滑剤や半固体潤滑剤のグリースやペトロ
ラタム等も使用できるが、好ましくは潤滑性を有する液
体潤滑剤であり、例えば、鉱物油系又は合成油系の潤滑
油や、エマルジョン系、液体金属系、水ベース系等の潤
滑剤を挙げることができる。
【0020】この吸油若しくは吸水処理において、その
処理前に比べて処理後における転動体チェーンの伸び量
はある一定の時間で飽和状態に達するが、必ずしも伸び
量が飽和状態に達するまで吸油若しくは吸水処理を行う
必要はなく、処理前の長さに対して少なくとも0.1%
以上、好ましくは0.3%以上の伸び量を示し、樹脂連
結体に対して各転動体の自由な回転性が付与されればよ
い。
【0021】また、本発明の転動体チェーンについて
は、好ましくはその樹脂連結体の両末端に面取り案内部
を形成し、これによって案内装置のベアリングレースが
形成する無限軌道内を移動する際に、特に転動体チェー
ンの先端部が無限軌道の方向転換路内に進入しあるいは
この方向転換路から出る際にこの先端部を案内して円滑
に移動させることができる。
【0022】この樹脂連結体の両末端に形成する面取り
案内部は、案内装置のベアリングレースが形成する無限
軌道の方向転換路の曲率半径等を考慮し、その曲率半径
の大きさや形状等を決定し、設計される。樹脂連結体の
両末端に面取り案内部を形成することにより、案内装置
の往復運動においてその前進後退の何れの方向にも転動
体チェーンを円滑に案内することができる。
【0023】なお、成形される転動体チェーンの長さ
は、それが使用される案内装置の無限軌道の長さを考慮
して決定されるものであるが、案内装置が大型化して無
限軌道の長さが大きい場合には、2つ又は3つ等の複数
に分割して成形してもよく、これによって成形金型の大
きさを小さくすることができる。また、この際には、複
数に分割された各転動体チェーンの樹脂連結体の両末端
にそれぞれ面取り案内部を形成するのがよい。
【0024】
【作用】本発明によれば、転動体を中子とする射出成形
により樹脂連結体を成形した際に、離型されて転動体を
保持する樹脂連結体についてはその成形収縮率の大きさ
に応じて収縮するが、この樹脂連結体に吸油若しくは吸
水処理を施すことにより、樹脂連結体はその吸油若しく
は吸水処理前後の寸法変化率の大きさに応じて膨脹し、
そして、この吸油若しくは吸水処理前後の寸法変化率が
成形収縮率よりも大きいので転動体を包囲する部分がこ
の転動体の周囲の長さを越えて膨脹し、結果としてこの
転動体と樹脂連結体との間に確実に隙間が形成され、こ
れによって転動体に良好な回転性が付与されるものと考
えられる。
【0025】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例及び試験例に基
づいて、本発明の転動体チェーンを具体的に説明する。
【0026】図1〜図4に、本発明の実施例に係るボー
ルチェーンBCが示されている。このボールチェーンB
Cは、所定の間隔を置いて配置された軸受鋼(SUJ
2)製の多数のボール1と、これら各ボール1の間に介
装される介装部2aとこれら各介装部2aを連結する連
結部2bとを有して上記多数のボール1を直線状態にか
つ転動可能に保持する可撓性の樹脂連結体2とで構成さ
れている。
【0027】また、この実施例において、上記樹脂連結
体2の両末端には、図4に示すように、末端に位置する
ボール1aを包囲する末端部分に、このボール1aと断
面略同心円状の面取り案内部3が形成されている。
【0028】このボールチェーンBCは、先ず、多数の
ボール1を中子とする金型を用い、6・6ナイロン系ポ
リアミドエラストマー〔東レ社製商品名:ペバックス5
533SA、成形収縮率(流れ方向0.43%及び流れ
に直角方向0.74%)、ショア硬さ55〕の射出成形
により成形し、多数のボール1と共に金型から離型して
製造された。
【0029】次に、このようにして成形されたボールチ
ェーンBCを以下の方法で吸油若しくは吸水処理し、そ
の前後での長さ寸法を測定し、吸油若しくは吸水処理前
後の寸法変化率を求めた。なお、吸油若しくは吸水処理
前後の寸法変化率を求めるに当たっては、ボールチェー
ンBCのサンプルを5本用意し、各サンプルについてそ
の長さ寸法を測定して求めた。
【0030】〔方法A〕成形したボールチェーンBCを
直ちに常温の鉱油系潤滑油中に浸漬してそのまま潤滑油
中に放置し、浸漬を開始してから1時間後、6時間後、
50時間後、80時間後、124時間後にそれぞれこの
ボールチェーンBCの長さを測定し、寸法変化率(伸び
率)を求めた。浸漬開始時、浸漬開始1時間後及び浸漬
開始6時間後のボールチェーンBCの長さ及びその時の
伸び率を表1に示し、また、各測定時における伸び率を
図5に示す。
【0031】
【表1】
【0032】これらのボールチェーンBCについて、次
のようにしてそのボールの回転性を調べた。すなわち、
2枚の板の間にボールチェーンBCを挟み込み、一方の
板を固定して他方の板を移動させ、その時にボールチェ
ーンBCが移動するか否か及び移動したときの移動の円
滑性を定性的に調べた。結果は、浸漬開始1時間後のも
のにおいてはそのNo.3のものを除いてボールの回転
性が確認され、また、浸漬開始6時間後のものにおいて
は比較的円滑なボールの回転性が確認され、また、浸漬
開始50時間後のものにおいては極めて良好なボールの
回転性が確認された。
【0033】〔方法B〕成形したボールチェーンBCを
直ちに常温の鉱油系潤滑油中に5分間浸漬し、その後潤
滑油中から取り出して室内に放置し、潤滑油中から取り
出した直後(0時間後)、24時間後、45時間後、6
9時間後、118時間後及び190時間後にそれぞれこ
のボールチェーンBCの長さを測定し、寸法変化率(伸
び率)を求めた。結果を図6に示す。また、上記方法A
の場合と同様にしてボールの回転性を調べた結果、潤滑
油中から取り出した直後のボールチェーンBCについて
はNo.2のものを除いてボールの回転性が認められ、
また、室内放置開始24時間後以降のものについては比
較的良好なボールの回転性が認められた。
【0034】〔方法C〕成形したボールチェーンBCを
そのまま大気中(気温23℃、湿度50〜60%)に放
置し、24時間後、48時間後及び96時間後にそれぞ
れこのボールチェーンBCの長さを測定し、寸法変化率
(伸び率)を求めた。結果を図7に示す。また、上記方
法Aの場合と同様にしてボールの回転性を調べた結果、
大気中に放置開始24時間後のボールチェーンBCにつ
いてはNo.1のものを除いてボールの回転性が認めら
れ、また、放置開始48時間後以降のものについては全
てのボールチェーンBCについてそのボールの回転性が
認められた。
【0035】上記方法Bにより吸油若しくは吸水処理し
たボールチェーンBCを用い、図10及び図11に示す
無限摺動用の直線案内装置を構成した。この無限摺動用
の直線案内装置は、基本的には、剛性を有する金属製の
軌道レール(一方のベアリングレース)4と、剛性を有
する金属製の摺動台(他方のベアリングレース)5と、
上記摺動台5にインサート成形により取り付けられた合
成樹脂製のボール案内部材6と、上記ボール案内部材6
と共に摺動台5に取り付けられた合成樹脂製の蓋体7と
で構成されている。
【0036】そして、上記軌道レール4には、その両肩
部にボール1の転走面4aが形成されており、また、上
記摺動台5には荷重を負荷するボール1の負荷ボール転
走面5aと無負荷状態のボール1が通過する透孔5bと
が形成されており、更に、上記ボール案内部材6には無
負荷状態のボール1の転走を案内する無負荷ボール案内
孔6a、負荷状態のボール1の転走を案内する負荷ボー
ル案内溝6b及びこれら無負荷ボール孔6aと負荷ボー
ル案内溝6bとの間を所定の曲率で連通連結してボール
1の方向転換を案内する方向転換案内部6cとが形成さ
れており、また、上記蓋体7には上記ボール案内部材6
の方向転換案内部6cと相俟ってボール1の方向転換路
8を構成する方向転換案内溝7aが形成されている。
【0037】この実施例においては、上記摺動台5の負
荷ボール転走面5a及びこれに相対するボール案内部材
6の負荷ボール案内溝6bと、ボール案内部材6の無負
荷ボール案内孔6aと、ボール案内部材6の方向転換案
内部6c及びこれに相対する蓋体7の方向転換案内溝7
aとがボール1の無限軌道を構成している。
【0038】このようにして製造された直線案内装置に
ついて、その軌道レール4を固定し、摺動台5をロード
セルで押し、このロードセルのサンプリング周波数50
0Hzで軌道レール4に対する摺動台5の転がり抵抗を
測定した。結果は、図10に示す通りであり、この図1
0において実線で区画された動いている領域での転がり
抵抗の値は、スタート時1.389ニュートン(N)、
最大転がり抵抗1.439N、最小転がり抵抗1.17
9N及び平均転がり抵抗1.302Nであり、極めて円
滑であることが判明した。
【0039】
【発明の効果】本発明の転動体チェーンによれば、その
製造が極めて容易であり、転動体の脱落がなくてその取
扱いも極めて容易であり、案内装置への組み込みの自動
化が可能であるという利点を備えているだけでなく、転
動体に極めて円滑な回転性を確実に付与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施例に係るボールチェー
ンを示す平面図である。
【図2】 図2は、図1の正面図である。
【図3】 図3は、図1の III−III 線断面図である。
【図4】 図4は、図1のボールチェーンの端部を拡大
して示す部分拡大平面図である。
【図5】 図5は、A方法により吸油処理した際の伸び
率の経時変化を示すグラフ図である。
【図6】 図6は、B方法により吸油処理した際の伸び
率の経時変化を示すグラフ図である。
【図7】 図7は、C方法により吸水処理した際の伸び
率の経時変化を示すグラフ図である。
【図8】 図8は、本発明方法(方法B)で製造したボ
ールチェーンを組み込んだ無限摺動用直線案内装置を示
す部分断面側面図である。
【図9】 図9は、図8の部分断面正面図である。
【図10】 図10は、図8の直線案内装置について測
定したロードセルによる転がり抵抗の測定グラフ図であ
る。
【符号の説明】
BC…ボールチェーン、1,1a…ボール、2…樹脂連
結体、2a…介装部、2b…連結部、3…面取り案内
部、4…軌道レール(一方のベアリングレース)、4a
…転走面、5…摺動台(他方のベアリングレース)、5
a…負荷ボール転走面、5b…透孔、6…ボール案内部
材、6a…無負荷ボール案内孔、6b…負荷ボール案内
溝、6c…方向転換案内部、7…蓋体、8…方向転換
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本間 光明 東京都品川区西五反田3丁目11番6号、 テイエチケー株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−231433(JP,A) 特開 平5−196037(JP,A) 特開 平6−249244(JP,A) 特開 昭63−154317(JP,A) 特開 平4−362311(JP,A) 特開 平2−134413(JP,A) 実開 平3−112120(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 29/00 - 31/06 F16C 19/00 - 19/56 F16C 33/30 - 33/66

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔を置いて配置され、案内装置
    に形成された無限軌道内を転走する多数の転動体と、上
    記各転動体の間に介装される介装部とこれら各介装部を
    連結する連結部とを有して上記多数の転動体を整列状態
    にかつ転動可能に保持する可撓性の樹脂連結体とからな
    る案内装置の転動体チェーンにおいて、上記樹脂連結体
    が、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラス
    トマー、ポリウレタン系エラストマー、スチレン系エラ
    ストマー及びオレフィン系エラストマーから選ばれた樹
    脂であって吸油若しくは吸水処理前後の寸法変化率が成
    形収縮率より大きい樹脂を用いた上記転動体を中子とす
    る射出成形により成形され、かつ、転動体との間には吸
    油若しくは吸水処理により形成された隙間を有している
    ことを特徴とする案内装置の転動体チェーン。
  2. 【請求項2】 樹脂連結体を形成する樹脂の吸油若しく
    は吸水処理前後の寸法変化率と成形収縮率との差が0.
    1〜2.0%である請求項1記載の案内装置の転動体チ
    ェーン。
  3. 【請求項3】 吸油処理に用いる油が鉱物油系又は合成
    油系の潤滑油である請求項1又は2に記載の案内装置の
    転動体チェーン。
  4. 【請求項4】 樹脂連結体はその両末端にこの樹脂連結
    体の先端部を案内する面取り案内部が設けられている請
    求項1〜3の何れかに記載の案内装置の転動体チェー
    ン。
  5. 【請求項5】 樹脂連結体を形成する樹脂のショア硬さ
    が35〜75の範囲内である請求項1〜4の何れかに記
    載の案内装置の転動体チェーン。
  6. 【請求項6】 転動体がボールである請求項1〜5の何
    れかに記載の案内装置の転動体チェーン。
  7. 【請求項7】 所定の間隔を置いて配置され、案内装置
    に形成された無限軌道内を転走する多数の転動体と、上
    記各転動体の間に介装される介装部とこれら各介装部を
    連結する連結部とを有して上記多数の転動体を整列状態
    にかつ転動可能に保持する可撓性の樹脂連結体とからな
    る案内装置の転動体チェーンを製造するに際し、ポリア
    ミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポ
    リウレタン系エラストマー、スチレン系エラストマー及
    びオレフィン系エラストマ ーから選ばれた吸油若しくは
    吸水処理前後の寸法変化率が成形収縮率より大きい樹脂
    を用い、上記多数の転動体を中子とする射出成形により
    これら多数の転動体を保持した樹脂連結体を成形すると
    共に、離型後に吸油若しくは吸水処理して樹脂連結体と
    各転動体との間に転動体回転のための隙間を形成するこ
    とを特徴とする転動体チェーンの製造方法。
  8. 【請求項8】 吸油若しくは吸水処理は、転動体を保持
    した樹脂連結体を油中若しくは水中に浸漬して行う請求
    項7記載の転動体チェーンの製造方法。
  9. 【請求項9】 吸油処理の油が、鉱物油系又は合成油系
    の潤滑油である請求項7又は8に記載の転動体チェーン
    の製造方法。
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