JP3447824B2 - 歯列矯正具 - Google Patents
歯列矯正具Info
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Description
関するものである。
いうことは、見た目が悪いというのみならず、歯列びの
悪い所に歯垢が堆積し易く、虫歯や歯槽膿漏の原因にな
るということから、近年の歯科治療分野においては、歯
列びの悪い患者の為の歯列矯正治療が広く行われるよう
になってきている。
矯正具を接着剤等で固定し、該各歯列矯正具にアーチワ
イヤーを通し、該アーチワイヤーの復元力によって歯に
押圧・引戻し・捩り等の外力を加えることにより、歯列
を正しい位置及び向きに変位させて矯正していくという
ものである。
ケット52及び取付ワイヤー56)とアーチワイヤー2
を示す斜視図で、図10の(b)及び(c)はそのb−
b線における断面図である。ブラケット52はその接着
面52aで接着剤によって歯(図示せず)表面に接着さ
れており、ブラケット52に設けられた固定台52bに
アーチワイヤー2を嵌め、取付ワイヤー56を取付ワイ
ヤー溝52cに巻回して巻締め56cすることによっ
て、アーチワイヤー2がブラケット52に押し付け固定
される。以下、この歯列矯正具を従来例と称す。
杭状態の歯列を先ず1次治療として大まかに歯列矯正す
ることから始まる(以下、粗揃え段階と称す)。この段
階の歯列矯正具に対するアーチワイヤーの固定の程度は
しっかりしたものではなく、ある程度の遊びがある。こ
の様な遊びがないと、歯に対して過大な押圧力を与える
こととなり、患者に不快感を与えるばかりでなく、局部
的な矯正が進行することがあり、歯を正しい位置へ移動
させるという広い観点からも不具合が生じる。
2は断面丸形のものが用いられており、ブラケット52
の固定台52bに対する固定は、以下述べる様に遊びを
持った緩やかな固定状態となっている。即ち図10の
(b)に示す様に、丸型アーチワイヤー2を用いると角
溝の固定台52bに対して点で接触することになり、ま
たアーチワイヤー2は断面円形であることからその接点
はアーチワイヤー2の捩れにより容易に変わる為、強固
な固定とはならない。また粗揃え段階では取付ワイヤー
56の締結の程度も緩やかなものとされている。従って
アーチワイヤーの歯列矯正具への固定程度は全体として
弱いものとなっている。
次の治療段階において精密に矯正される(以下、正位置
矯正段階と称す)。この段階ではアーチワイヤー2とし
て断面角形のものを用い、また取付ワイヤー56を強く
巻締めることによってアーチワイヤー2をブラケット5
2にしっかりと押付け固定する。図10の(c)に示す
様に、角形アーチワイヤー2を用いると角溝の固定台5
2bに対して面接触でぴったりと嵌め込まれることにな
り、角形アーチワイヤー2は転動することがないので、
設計されたトルク角θに応じたトルクが正しく付与され
続け、歯の前後方向の歪みを正しい角度の配置に矯正す
ることができる。
種々のものが提案されている。例えば特開平4−61
855号公報記載の歯列矯正具は、図8の正面図に示す
様に、ブラケット53とロックピン54からなり、これ
にアーチワイヤー2を固定して歯列矯正を行う様になっ
ている。アーチワイヤー2の固定方法は、ブラケット5
3に設けられた水平方向の深いアーチワイヤー溝57に
上方からアーチワイヤー2を挿入して挟み込み、ロック
ピン用溝58に上記ロックピン54を通すことによっ
て、摩擦抵抗でアーチワイヤー2が外れない様に止めて
いる。ロックピン54は挿通後に下端54aを折曲げて
抜けない様に止める。
3057号公報記載の歯列矯正具は、図9(a)の斜視
図及び図9(b)の側面図(一部断面を含む)に示す様
に、ブラケット50のアーチワイヤー溝51にアーチワ
イヤー2を入れ、次いでロックピン55を差し込む構成
となっている。このときロックピン55は挿入後に下端
55aを折曲げることによって固定され、ロックピン頭
部55bがアーチワイヤー2を押えている。尚図9
(c)はロックピン55の頭部55b付近の正面図であ
る。
例では、ブラケット52に多数の凹凸が形成されてお
り、加えて取付ワイヤー56の巻回締結により更に凹凸
が増加する為、その凹凸部分に食べ物が溜まり易く、し
かも歯ブラシでのブラッシングが行き届き難いので、歯
垢が溜まり口中が不衛生になるという問題がある。
治療の粗揃え段階では比較的凹凸の少ない形状であるの
で歯垢の問題は比較的軽微であるが、正位置矯正段階の
治療を行いたい場合は、以下に詳述する様に、矯正の為
のトルク移動が正確にできず、またアーチワイヤーの横
移動を止めることができないという問題がある。尚トル
ク移動とは、頬舌側方向に転動移動させることを言う。
移動が正確にできない理由について述べる。図11
(a)は従来例(図8)の歯列矯正具を示す側面図
(一部断面を含む)で、角形アーチワイヤーを用いた状
態を示し、図11(b)はその際使用されるロックピン
54の側面図である。正位置矯正段階においてトルク移
動を行うにはアーチワイヤー2に角形のものを用い、ア
ーチワイヤー2を歯側面2a、唇側面2c、底側面2
b、上側面2dの4つの面から固定して浮き上がらない
様にする必要がある。この様に4面から固定することに
よって、設計トルク角θに応じたトルク移動をすること
ができるのであるが、上記従来例の歯列矯正具の場合
は、ロックピン54の固定が以下述べる如く正しくなら
ない為に、アーチワイヤー2の上側面2dがロックピン
54と接触しなくなることがあり、それにより確実な固
定が実現できない。
げることによって止められているが、この様な曲げ面内
側をブラケット53の下面にきっちりと沿わせることは
不可能であり、曲がり部分Aで隙間を生じてしまうこと
は避けられない。従ってその隙間の幅だけロックピン5
4が上下に移動することになり、アーチワイヤーの上側
面2dを押えられなくなる。
はじめて安定してトルクをつけることができるが、上述
の様にロックピン54が浮き上がったのでは、アーチワ
イヤー2の位置がずれてしまい正しいトルクがつけられ
なくなる。しかもロックピン54の浮き上がり分は、治
療時の下端部54aの曲げ方によってその都度変わるか
ら、その浮き上がり分に配慮して正しいトルクをつける
ということは事実上不可能である。加えて上記アーチワ
イヤーの横移動の問題についても、アーチワイヤー2を
十分に押さえることができないから、アーチワイヤーの
横移動を止めることができない。
具において、トルクをつけたり、アーチワイヤーの横移
動を止めようと思えば、別途補助的な締結手段、具体的
には結紮ワイヤーが必要となる。そうすると図10の従
来例で述べた様に凹凸が生じることになり、歯垢がつ
き易くなり口中が不衛生になるという問題が起こる。
においても、ロックピン55の下端部55aを曲げる部
分A(図9(b)参照)で隙間を生じてしまう為に、ア
ーチワイヤー2を十分に押えることができず、トルクを
つけられない等という問題があり、従って結紮ワイヤー
を必要とし、歯垢が付いて不衛生になるという問題があ
る。
もので、治療の正位置矯正段階においても補助的な結紮
ワイヤーを必要とせずに、トルク移動を正確に行ったり
アーチワイヤーの横移動を止めたりすることができ、且
つ歯垢が付きにくい歯列矯正具を提供することを目的と
する。
は、アーチワイヤー挿通路を略水平方向に有するブラケ
ットと、前記アーチワイヤー挿通路より歯面に近い側に
略垂直方向から該ブラケットに挿通してアーチワイヤー
を歯面から遠い側に位置決めするロックピンとからなる
歯列矯正具であって、上記ロックピンが弓形であり、該
ロックピンを挿通する為に前記ブラケットに設けられる
ロックピン用挿通路が上記ロックピンと同一或いはやや
小さい曲率半径の弓形であり、前記ロックピンの弓形内
面により前記アーチワイヤーを歯面から遠い側に押すこ
とができるものであることを要旨とする。
材が接合一体化されたものであることが好ましく、この
際上記唇側部材は、アーチワイヤー収納用溝部を略水平
方向に有し、該アーチワイヤー収納用溝部より浅く且つ
上記弓形に湾曲した垂直方向のロックピン挿通用溝部を
有するものであり、上記歯面側部材は、上記アーチワイ
ヤー収納用溝部に対応して略水平方向に前記アーチワイ
ヤー収納用溝を埋めない突出高さの水平凸条を有し、且
つ上記ロックピン挿通用溝部に対応して略垂直方向に前
記水平凸条より低く突出した垂直凸条を有するものと
し、歯面側部材と唇側部材が圧接により接合されたもの
であることが望ましい。
ン用挿通路を設け、そこにロックピンを挿通することに
よって、アーチワイヤー挿通路に通されたアーチワイヤ
ーを押さえて固定している点では従来例と同一であ
るが、本発明ではロックピンを弓形にし、アーチワイヤ
ーの歯側面をロックピンで固定し、残りの3面、即ち上
面,下面,唇側面をアーチワイヤー挿通路内面で固定す
る構成となっている。アーチワイヤーの上記3面は、ア
ーチワイヤー挿通路におけるアーチワイヤー収納用の溝
の壁に囲まれズレを生じないものであり、残りの1面に
ついては、ロックピンが多少上下に移動してもロックピ
ンの弓形内面の押圧力が変わらず、アーチワイヤーがズ
レないものであるから、結果として、咀嚼等を行ってア
ーチワイヤーに力が加わってもアーチワイヤーを常時4
面からしっかりと固定することができる。従って設計通
りのトルク移動を可能とする。
(矩形等)のアーチワイヤーを押さえる際、アーチワイ
ヤーの歯側を面ではなく、アーチワイヤーの角部の2点
を押さえることになるから、より強固にアーチワイヤー
を押さえることができる。尚ロックピン用挿通路はロッ
クピンに合わせ、ロックピンと同じか若干小さい曲率半
径の弓形となっている。若干小さい曲率半径としておけ
ば、ロックピンの挿通に際してその先端がロックピン用
挿通路の弓形外面側によってガイドされつつ挿入される
こととなるので、ロックピンの先端がアーチワイヤーの
隅部に引っ掛かって挿通障害を浮けることはないから、
歯科医師による治療をよりスムーズに行うことができ
る。
通路を交差して持つ複雑な形状のものであるが、該ブラ
ケットを歯面側部材と唇側部材の2部材から構成し、こ
れら歯面側部材と唇側部材に上記2つの挿通路に相当す
る溝部分を設けておけば、これらを接合一体化すること
で、ブラケットを容易に得ることができる。
矯正具及びアーチワイヤーを示す正面図であり、図1の
(b)はそのI−I線断面図である。また図1の(c)
はブラケット3を歯5に取り付けた様子を表す断面図で
ある。図2は図1(b)のアーチワイヤー付近を示す拡
大断面図である。治療に際しては、図1(c)に示す様
に、ブラケット3が接着面9に塗布された接着剤によっ
て歯5の前面に固定される。
4からなり、ブラケット3に略水平方向に設けられたア
ーチワイヤー挿通路7にアーチワイヤー2を挿通し、ブ
ラケット3の略垂直方向に設けられたロックピン用挿通
路8にロックピン4を挿通して使用される。ブラケット
3はほぼ半球状で表面に凹凸が少ない形状である。ロッ
クピン4は棒状で弓形となっており、ロックピン用挿通
路8もロックピン4と同一或いは若干小さい曲率半径の
弓形(即ちカーブの急な弓形)となっている。
通路7より歯面に近い側に設けられており、ロックピン
4を挿通したときにアーチワイヤー2を歯側から遠い側
に位置決めできる様になっている。即ちロックピン4の
弓形外面(歯面側)をロックピン用挿通路8で支え、該
ロックピン4の弓形内面によりアーチワイヤー2を唇側
に向けて押さえており、そしてアーチワイヤー2はその
唇側面2cでアーチワイヤー挿通路7の溝壁面に押さえ
られる。この様にしてアーチワイヤー2は歯列矯正具1
に対してして強固に固定されており、従ってアーチワイ
ヤー2に負荷される力が歯列矯正具1に正しく伝達され
る。
挿入し易い様に、下端部4a、特にその先端をやや細く
するか、或いはやや曲率半径を大きくする方向に反らせ
ておくことも可能である。図3は上記歯列矯正具を使用
している様子を示す歯の正面図であり、歯5に取付けら
れた各歯列矯正具1にアーチワイヤー2が通され矯正を
行う。尚6は歯茎である。
固定強さの程度に応じて、アーチワイヤー2の太さや
形、及びロックピン4の太さを種々選択し、緩やかな固
定からしっかりとした固定まで実現する。例えばアーチ
ワイヤー挿通路7とロックピン用挿通路8の交差部での
幅B(図1(b)参照)に対して、アーチワイヤー2の
太さ及びロックピン4の太さV4 の合計が十分太けれ
ば、アーチワイヤー2をブラケット3にしっかりと固定
でき、細ければ遊びができて緩やかな固定となる。
結紮強度を加減しアーチワイヤー2の固定程度が調整さ
れており、医師の技能に左右されることが多かったが、
本発明においては固定強さはアーチワイヤー2やロック
ピン4の太さを選択することで自動的に設定されるか
ら、医師の技能によらない一定の固定強さが実現でき
る。
に丸形のものを用いたり、細い角形のものを用いたり、
或いはロックピン4に細いものを用いたりして、ブラケ
ット3に対するアーチワイヤー2の固定を緩やかなもの
とする。また場合によってはロックピンを用いなくても
良い。尚ロックピン4は自然に抜けてしまうのを防止す
る為に、ロックピン下端4aを折曲げて使用すると良
い。
たい場合は、アーチワイヤー2として角形のものを用い
る。アーチワイヤー2のサイズはアーチワイヤー挿通路
7に応じた太さとなっており、図1(b)に示した様
に、アーチワイヤー挿通路7にきっちりと嵌め込むこと
ができる。そしてロックピン4をロックピン用挿通路8
に差し込み、アーチワイヤー2を歯側面から唇側面に向
けて押す様にして固定する。この際、遊びが生じずしっ
かりと嵌め込める様に、アーチワイヤー2の太さ及びロ
ックピン4の太さとして夫々の適切なものを採用する。
そして下端部4aを折り曲げて抜けない様にする。
部分の隙間により、ロックピンが上下に移動しアーチワ
イヤーを十分に押さえることができなかったが、本発明
では仮にロックピン4が、下端部4aの曲がり部分Aで
の隙間の分だけ上下にズレたとしても、以下に述べる様
に、ロックピン4はアーチワイヤー2を押え続けること
ができる。即ちロックピン4の始めに押えていた部分C
が、上記隙間の分だけ下端側へズレても新しく部分Dで
押えることになるだけであり、その太さV4 は変わらな
いものであるから、ズレる前とズレた後とでアーチワイ
ヤー2を押える力は変わらない。従ってアーチワイヤー
2の固定は緩むことがなく、トルク角θに応じてトルク
移動を行うことができる。
7のサイズについては、完全同一としてぴったりとした
ものとすることは、実際の治療に際してアーチワイヤー
2を挿通路7に通して使用することを不可能にするか
ら、アーチワイヤー2の方を若干細いものとせざるを得
ない。このことから、アーチワイヤー2の上側面2d,
唇側面2c,底側面2bと、アーチワイヤー挿通路7と
の間にできた隙間により、ブラケット3のアーチワイヤ
ー挿通路7に付けられたトルク角θとアーチワイヤー2
に付けられるトルク角が若干異なるということが生じ
る。しかしこのトルク角の差は予想できない角度ではな
く、予測計算が可能な程度であるので、この角度分を考
慮してトルク移動を行うと良い。
る様にアーチワイヤーのしっかりとした固定を実現して
いる。図2に見られる様に、本発明のロックピン4及び
ロックピン用挿通路8は弓形となっているから、アーチ
ワイヤー2を歯側面2aの両角部、即ち図2に示すαと
βの2点で押さえることになる。今まっすぐのロックピ
ンの場合を考えると、アーチワイヤー2を歯側面2a全
面から押えることになるが、全面で押えることは1点で
押えることに等しく、本発明の様に2点で押える場合の
方がよりしっかりとアーチワイヤー2を押すことができ
る。尚ロックピン4は上述の様に2点でしっかりと固定
されており抜けることがあまりないので、場合によって
は下端部4aを折り曲げずに使用することも可能であ
る。
する。全ての治療段階においてロックピン4の横幅(図
1に示す幅W4 )は、ロックピン用挿通路8の横幅(図
1に示す幅W8 )に適合した若干小さめの幅にしておく
ことが推奨される。そうすることでロックピン4は左右
の両横側がロックピン用挿通路8側壁に当接するから、
横方向へのガタツキがなくなる。
V4 )については、前述の様に治療の各段階によって、
緩やかな固定を望む場合は幅V4 が薄いものを用い、し
っかりとアーチワイヤー2を固定したい場合は幅V4 が
太めのものを用いる。即ちロックピン4の断面形状とし
ては緩やかな固定のときは横幅W4 方向が長く薄っぺら
い楕円形のものを用い、しだいにより強い固定を望む場
合はより円形に近い楕円形、或は円形、または奥行幅V
4 方向に長い楕円形のロックピン4を用いる。
8の断面形状は多角形であることが推奨される。断面円
形の場合では、円の中心を中心としてロックピン4が回
転することがあるが、多角形とすることでロックピン4
に回転力が加わってもロックピン用挿通路8内壁に当接
して回転しないから、動くことなく安定して固定でき
る。図5はロックピン4及びロックピン用挿通路8の断
面形状を表す断面図であり、図1の(a)に示すY−Y
線での断面におけるロックピン4付近に相当する部分を
表す。
しては5角形が挙げられる(図5参照)。5角形の場合
は、ロックピン用挿通路8の歯側内壁にロックピン4の
歯側面4aが接し、当該歯側面4aの対角の角部γがア
ーチワイヤー2と当接する。ロックピン4の歯側では上
述の様に、上記歯側に接する面4a及び/またはその両
側の面が、角形のロックピン用挿通路8の内壁に当接し
てロックピン4の回転を遮る様に作用する。一方ロック
ピン4の唇側(アーチワイヤー側)では角部γでアーチ
ワイヤー2を押さえることになるから、面で押さえる場
合に比べてアーチワイヤー2を強固に固定することがで
きる。加えて、ロックピン下端部4aを折曲げる際の曲
げ方向が、断面4角形の場合では4方向に決められ、更
に長方形の場合では長辺側の2方向に限定されて、治療
の際に不便であるが、5角形の場合は曲げ方向が比較的
限定されないから使用性が良い。一方7角形,8角形と
角数の多い多角形の場合は円形に近くなる為、ロックピ
ン4の回転を阻止し難くなる。従って断面5角形のもの
が最も推奨される。
形のものも、上述と同様に該ロックピン4の面の部分で
ロックピン用挿通路8内壁と当接してロックピン4の回
転を遮り、円形の頂点部分でアーチワイヤー2を強固に
固定することができ、好ましい形状である。
用い、しかも強固に固定する治療を行いたい場合につい
て述べる。治療によっては正位置矯正段階で細い角型ア
ーチワイヤー2を用いての治療を望む場合が希にある。
その場合のアーチワイヤー2は、横方向(図1(b)に
示すB方向に相当)の幅が短い断面正方形のものとな
る。このアーチワイヤー2で、図1に示すブラケット3
を用いている場合は、アーチワイヤー2の太さ及びロッ
クピン4の太さの合計が幅Bに対して短いものとなって
しまう為に、アーチワイヤー2を強固に固定できないと
いう問題が生じる。
対策を講じた他の実施例である。図6の(a)のブラケ
ット63は図1(a)のI−I線での断面に相当し、図
6の(b)はブラケット63の上面図で、図6の(c)
は図6(a)に示すN−N線における断面図、図6の
(d)は図6(a)に示すO−O線における断面図であ
る。ロックピン用挿通路64にはその唇側の内壁に細溝
64aが設けられており、該細溝64aはロックピン用
挿通路64の弓形の弧を直線で結ぶ様に彫られている。
て強固な固定を望む場合は、図7に示す様に、取付ワイ
ヤー92をロックピン用挿通路64の細溝64aに入れ
込み締結する。取付ワイヤー92が細溝64a内に通る
と、アーチワイヤー2と当接する様になるから、アーチ
ワイヤー2を強固に固定することができる。
歯列矯正具表面の凹凸が多くなる為、歯垢が付き易くな
るが、本実施例は上記の様な希な治療のケースについて
もその対策を講じたというものであって、上記以外の治
療の場合は、図1に示す実施例の場合と同様に、表面が
凹凸の少ない形状で歯垢が付き難く、且つ弓形のロック
ピンでアーチワイヤーを押さえることにより、強固な固
定が実現できる。
一例に付いて述べる。ブラケットの製造には、先ずブラ
ケットの唇側部材と歯面側部材を作製し、この2部材を
接合一体化して歯列矯正具とする。図4はブラケットの
唇側部材と歯面側部材の一例を示す斜視図であり、図4
の(a)は歯面側部材10を、(b)は唇側部材11を
表す夫々接合面での図である。尚図4に示す唇側部材1
1と歯面側部材10は、でき上がりのブラケットのトル
ク角θが0度となる形状である。
イヤー収納用溝部17が設けられ、また略垂直方向には
該アーチワイヤー収納用溝部17より浅く且つ上記弓形
に湾曲したロックピン挿通用溝部18が設けられてい
る。歯面側部材10には、上記アーチワイヤー収納用溝
部17に対応して略水平方向に上記溝部17を埋めない
突出高さの水平凸条67が設けられ、且つ上記ロックピ
ン挿通用溝部18に対応して略垂直方向に上記水平凸条
67より低く突出した垂直凸条68が設けられている。
接嵌合することにより一体化すれば、ブラケット3とな
る。この圧接の際には、水平凸条67がアーチワイヤー
収納用溝部17を、また垂直凸条68がロックピン挿通
用溝部18を押し広げる様にして嵌め込まれ、凸条6
7,68が溝部17,18によって挟持される様にして
接合される。この際、アーチワイヤー収納用溝部17と
水平凸条67により形成された空間がアーチワイヤー挿
通路7となり、ロックピン挿通用溝部18と垂直凸条6
8により形成された空間がロックピン用挿通路8とな
る。
は、他に鋳造による方法が考えられるが、鋳造で製造す
る場合はコストが高くなってしまい大量生産には不向き
である。しかしこの点上記2部材の接合一体化による方
法の場合はコストが安くて済む。
られるが、この場合は人体に対する接着剤の害が懸念さ
れる。しかし上記の様に圧接によって接合した場合は、
接着剤の害の懸念がなく、口腔内に使用する歯列矯正具
として好ましい。
表面が凹凸の少ない滑らかな形状でありながらも、ロッ
クピンの太さやアーチワイヤーの太さや形を種々選択す
ることによって、緩やかな固定からしっかりとした固定
まで種々実現できるので、本発明の歯列矯正具で粗揃え
段階から正位置矯正段階まで全ての治療段階に対応で
き、且つ歯垢が付き難く、また歯磨きの際に歯ブラシも
届き易く清掃を容易に行うことができる。
唇側部材を接合一体化して製造する様に構成すること
で、鋳造の様にコストの高い製造法を用いなくとも製造
できる。更に接合方法に圧接嵌合による方法を採用する
と、接着剤の害の様な懸念がなく、口腔内の歯列矯正具
にとって望ましい。
びアーチワイヤーを示す正面図、(b)はそのI−I線
での断面図、(c)はブラケットを歯に取り付けた様子
を表す断面図。
面図。
歯の正面図。
部材の一例を示す斜視図。
通路の一例を示す断面図。
図。
した様子を示す断面図。
(b)は従来のロックピンを示す側面図。
Claims (3)
- 【請求項1】 ブラケットとロックピンとからなる歯列
矯正具であって、 前記ブラケットが、 アーチワイヤー挿通路を略水平方向
に有すると共に、前記ロックピンを挿通する為のロック
ピン用挿通路を有し、 前記ロックピンが、 前記アーチワイヤー挿通路より歯面
に近い側に略垂直方向から該ブラケットに挿通され、ア
ーチワイヤーを位置決めするものであり、 上記ロックピンが弓形であり、前記 ロックピン用挿通路が、上記ロックピンと同一或い
はやや小さい曲率半径の弓形であり、 前記ロックピンの弓形内面により前記アーチワイヤーを
歯面から遠い側に押すことができるものであ ることを特
徴とする歯列矯正具。 - 【請求項2】 上記ブラケットは歯面側部材と唇側部材
が接合一体化されたものである請求項1に記載の歯列矯
正具。 - 【請求項3】 上記唇側部材は、アーチワイヤー収納用
溝部を略水平方向に有し、該アーチワイヤー収納用溝部
より浅く且つ上記弓形に湾曲した垂直方向のロックピン
挿通用溝部を有し、 上記歯面側部材は、上記アーチワイヤー収納用溝部に対
応して略水平方向に前記アーチワイヤー収納用溝を埋め
ない突出高さの水平凸条を有し、且つ上記ロックピン挿
通用溝部に対応して略垂直方向に前記水平凸条より低く
突出した垂直凸条を有し、 上記歯面側部材と上記唇側部材が圧接嵌合により一体化
されたものである請求項2に記載の歯列矯正具。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29537194A JP3447824B2 (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 歯列矯正具 |
DE69522079T DE69522079T2 (de) | 1994-11-29 | 1995-11-28 | Orthodontisches Bracket |
EP95118708A EP0714639B1 (en) | 1994-11-29 | 1995-11-28 | Orthodontic bracket |
US08/563,972 US5762492A (en) | 1994-11-29 | 1995-11-29 | Orthodontic appliance |
Applications Claiming Priority (1)
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