JP3446748B2 - 三次元形状造形物の製造方法および成形金型 - Google Patents

三次元形状造形物の製造方法および成形金型

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正孝 武南
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉末に光ビームを
照射して結合層を形成し、この結合層を積重ねて所望の
三次元形状に造形するようにした三次元形状造形物の製
造方法に関するものであり、またこの三次元形状造形物
からなる成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属粉末などの無機質粉末あるいは樹脂
粉末などの有機質粉末の層にレーザビームなどの光ビー
ムを照射し、粉末を溶融固化させて結合させることによ
って結合層を形成し、この結合層の上にさらに粉末の層
を被覆すると共にこの粉末に光ビームを照射して同様に
結合させることによって下の結合層と一体になった結合
層を形成し、そしてこれを繰り返すことによって、複数
の結合層が積層一体化された粉末結合体を作製する方法
がある。
【0003】特に粉末として金属粉末を用い、金属粉末
の層にレーザビームなどの光ビームを照射して金属粉末
を焼結させることによって、金属粉末が焼結して結合し
た焼結層として結合層を形成し、この結合層の上に金属
粉末の層を被覆すると共にこの金属粉末にレーザビーム
を照射して焼結させることによって下の結合層と一体に
なった結合層を形成し、そしてこれを繰り返すことによ
って、複数の結合層が積層一体化された金属粉末焼結体
からなる粉末結合体を作製する方法が、例えば特許第2
60353号公報や特開2000−73108公報など
で提供されている。
【0004】図13はその一例を示すものであり、まず
13(a)のように昇降テーブル1の上に金属粉末2
をスキージー3で所定の厚みに分与する。昇降テーブル
1は基準テーブル4の側面に沿って昇降するものであ
り、スキージー3は基準テーブル4の上面と同じレベル
で水平方向に往復移動するようにしてある。従って、昇
降テーブル1の上面と基準テーブル4の上面との間のΔ
tの段差に相当する厚みで金属粉末2の層を昇降テーブ
ル1の上に形成することができる。この後、図13
(b)のように、集光レンズ5で集光したレーザビーム
などの光ビームLを走査させ、この金属粉末2の層の必
要な部分にのみ光ビームLを照射することによって、光
ビームLを照射した部分の金属粉末2の層を焼結し、厚
みΔtの結合層6aを焼結層として形成させる。次に、
昇降テーブル1をΔtの寸法で下降させ、この結合層6
aの上に金属粉末2を供給し、図13(c)のようにス
キージー3によってΔtの厚みで金属粉末2の層を結合
層6aの上に被覆させ、次いで図13(d)のようにこ
の金属粉末2の層の必要な部分にのみ光ビームLを照射
して焼結し、結合層6aの上に結合層6bを一体に積層
させる。
【0005】そしてこの操作を必要な層数だけ繰り返す
ことによって、図13(e)のように所定数の結合層6
a〜6fを積層一体化し、図14のような複数の結合層
6a〜6fからなる金属粉末焼結体として粉末結合体A
を作製することができるものである。
【0006】ここで、上記のようにして粉末結合体Aを
作製するにあたっては、図15(a)のような製品モデ
ル10を設計する際の三次元CADデータに基づいて、
製品モデル10を図15(b)のように所定の間隔Δt
で水平にスライスしたときの各層10a〜10fのスラ
イス面の断面データを得て、このスライス断面データを
基にして金属粉末2の各層に照射する光ビームLの走査
経路を決定し、各層10a〜10fに対応する水平断面
形状で各結合層6a〜6fを形成することによって、製
品モデル10と同じ三次元形状に造形された粉末結合体
Aを作製することができるものである。そしてこのよう
に各結合層6a〜6fを順次形成して積み重ねていく工
法をとることによって、三次元CADにより設計された
形状に従って三次元的に切削加工するCAMを用いるよ
うな必要がなくなり、二次元的な加工の繰り返しで三次
元的に造形された製品を作製することが可能になるもの
であり、複雑な機構の装置を用いる必要なく三次元形状
造形物を迅速に製作することができるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして三次
形状造形物として製作される粉末結合体Aにあって、
粉末結合体Aを例えば成形金型などとして用いる場合に
は、冷却や加熱などの機能を持たせるために、粉末結合
体A内に流体が流通する経路を形成することが行なわれ
ている。そして、粉末焼結体Aの内部には粉末が焼結な
どで結合された緻密な状態で充填されているので、粉末
結合体A内に流体経路を形成する場合には、粉末結合体
Aを造形した後、粉末結合体Aに切削や孔あけなどの加
工を行なう必要がある。
【0008】しかし、このような切削や孔あけなどの加
工では、粉末結合体A内に形成する流体経路の形状が単
純なものに制限されるものであり、最適な形状で自由に
流体経路を設計して形成することはできないものであっ
た。
【0009】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、粉末結合体内に最適な形状で自由に流体経路を形
成することができる三次元形状造形物の製造方法を提供
することを目的とするものであり、またこのような最適
な形状で自由に形成した流体経路で各種の機能を持たせ
ことができる成形金型を提供することを目的とするもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
三次元形状造形物の製造方法は、粉末2の層の所定箇所
に光ビームLを照射して溶融結合させることによって粉
末2が結合した結合層6を形成し、この結合層6の上に
粉末2の層を被覆すると共にこの粉末2の所定箇所に光
ビームLを照射して結合させることによって下の結合層
6aと一体になった結合層6bを形成し、これを繰り返
すことによって複数の結合層6a,6b,6c…が積層
一体化された粉末結合体Aで三次元形状造形物を作製す
るにあたって、光ビームLの照射条件を変えて粉末結合
体Aの密度を部分的に変化させることによって、溶融結
合させた部分のうちの密度が低い部分で入口7と出口8
を有する流体経路9を形成することを特徴とするもので
ある。
【0011】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、密度が低い部分がセル状の小室11として多数集合
した構造に粉末結合体Aを作製し、密度が低いこの小室
11を連通させて流体経路9を形成することを特徴とす
るものである。
【0012】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、粉末結合体Aの表層部を高密度に作製すると共
に内部全体を低密度に作製し、低密度の内部の全体を流
体経路9として形成することを特徴とするものである。
【0013】また請求項の発明は、請求項1乃至
いずれかにおいて、流体経路9の縦断面の内形を多角形
に形成することを特徴とするものである。
【0014】また請求項の発明は、請求項1乃至
いずれかにおいて、流体経路9内に補強リブ12を設け
ることを特徴とするものである。
【0015】また請求項の発明は、請求項1乃至
いずれかにおいて、流体経路9の内周にフィン13を設
けることを特徴とするものである。
【0016】また請求項の発明は、請求項1乃至
いずれかにおいて、流体経路9の内周にスパイラル状の
突起14を設けることを特徴とするものである。
【0017】また請求項の発明は、請求項1乃至
いずれかにおいて、粉末結合体Aの表面から略等距離の
位置に流体経路9を形成することを特徴とするものであ
る。
【0018】また請求項の発明は、請求項1乃至
いずれかにおいて、流体経路9をその端部を粉末結合体
Aの表面の凹部15の底部に配置して形成することを特
徴とするものである。
【0019】また請求項10の発明は、請求項1乃至
のいずれかにおいて、流体経路9を分岐させて形成する
ことを特徴とするものである。
【0020】また請求項11の発明は、請求項10にお
いて、分岐させて形成した各流体経路9の内部の密度を
異ならせることを特徴とするものである。
【0021】本発明の請求項12に係る成形金型は、請
求項1乃至11のいずれかに記載の方法で製造されたも
のであることを特徴とするものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0023】粉末結合体Aは既述の図13〜図15のよ
うにして、金属粉末など無機質の、あるいは樹脂粉末な
ど有機質の粉末2を用い、レーザビーム等の光ビームL
を照射することによって、作製することができる。
【0024】すなわち、粉末2として金属粉末を用いる
場合は、金属粉末2の層に光ビームLを照射して焼結さ
せることによって、粉末が焼結して結合した結合層6a
を形成し、この結合層6aの上に金属粉末2の層を被覆
すると共にこの金属粉末2に光ビームLを照射して焼結
させることによって下の結合層6aと一体になった結合
層6bを形成し、そしてこれを繰り返すことによって、
複数の結合層6a,6b,6c…を積層一体化させるこ
とによって、三次元形状造形物として粉末結合体A作製
することができるものである。ここで、金属粉末2とし
ては例えば平均粒径20〜30μm程度の鉄粉や、ブロ
ンズとニッケルの混合粉末などを用いることができ、各
結合層6a,6b,6c…は厚みΔt=0.02〜0.
2mm程度に形成することができる。
【0025】また粉末2としては上記のような金属粉末
の他に、無機質粉末としてセラミック粉末を用いること
ができ、金属粉末の場合と同様に光ビームLを照射して
焼結することによって結合層6a,6b,6c…を形成
することができる。さらに粉末2として樹脂粉末などの
有機質粉末を用いる場合は、光ビームLを照射して粉末
2を溶融・固化させることによって、粉末2を結合させ
た結合層6a,6b,6c…を形成することができるも
のである。
【0026】ここで、上記のようにして粉末結合体Aを
作製するにあたっては、まず三次元CADによって図2
(a)のように流体経路9を有する製品モデル10を作
製する際に、図2(b)のような製品モデル10の全体
から流体経路9を差し引いた本体製品モデル17と、図
2(c)のような流体経路9だけの流体経路モデル18
を、製品モデル10の三次元CADに基づいてそれぞれ
作製しておく。製品モデル10に複数本の流体経路9が
設けられる場合には、本体製品モデル17からは総ての
流体経路9が除かれるようにしてあり、また複数の個々
の流体経路9に対応して流体経路モデル18が作製され
るようになっている。そして製品モデル10の三次元C
ADデータに基づいて、製品モデル10を既述の図15
(b)の場合と同様に所定間隔で水平にスライスし、ス
ライスした各層のスライス面の断面データを得て、この
スライス断面データを基にして既述の図13のように粉
末2の各層に照射する光ビームLの走査経路が決定され
る。
【0027】また、本体製品モデル17と流体経路モデ
ル18についてもその三次元CADデータに基づいて、
同様にスライスして各層のスライス面の断面データが得
られる。このとき流体経路モデル18の断面データは製
品モデル10の流体経路9の空間位置に配置した状態の
ものとして得られる。そして、本体製品モデル17と流
体経路モデル18から得られたスライス断面データはそ
れぞれ、上記の製品モデル10のスライス断面データか
ら得られた光ビームLの走査経路のデータに複合され、
本体製品モデル17から得られたスライス断面データと
一致する部分の走査経路では光ビームLの照射条件を高
く設定すると共に、流体経路モデル18から得られたス
ライス断面データと一致する走査経路では光ビームLの
照射条件を低く設定するようにしてある。
【0028】レーザビームなど光ビームLの照射条件は
例えば、レーザ出力などの出力、レーザ走査速度などの
走査速度、走査ピッチによって変えることができるが、
例えば、粉末2として平均粒径約20μmの球形の鉄粉
を主成分とするものを用い、光ビームLとして炭酸ガス
レーザを用いる場合、本体製品モデル17から得られた
スライス断面データと一致する部分の走査経路では、光
ビームLの照射条件をレーザ出力200W以上、レーザ
操作速度50〜100mm/sec、走査ピッチ0.2
mm以下の高い条件に設定し、流体経路モデル18から
得られたスライス断面データと一致する走査経路では光
ビームLの照射条件をレーザ出力200W、レーザ操作
速度300〜2000mm/sec、走査ピッチ0.5
mm以上の低い条件に設定することができる。
【0029】上記のように、本体製品モデル17のスラ
イス断面データと一致する部分の走査経路では光ビーム
Lの照射条件を高く設定すると共に、流体経路モデル1
8のスライス断面データと一致する走査経路では光ビー
ムLの照射条件を低く設定しながら、製品モデル10の
スライス断面データから得られた走査経路で既述の図
のようにして光ビームLの照射を行なうと、本体製品
モデル17に対応する部分では粉末2が十分に溶融して
結合し合うために緻密で高密度になった結合層6a,6
b,6c…が形成され、また流体経路モデル18に対応
する部分では粉末2の溶融が不十分であるために粉末の
結合が疎で低密度の結合層6a,6b,6c…が形成さ
れることになる。
【0030】このようにして、流体経路モデル18に対
応する部分を低密度で疎に形成した図1のような三次元
形状造形物の粉末結合体Aを作製することができるもの
であり、この低密度の部分で粉末結合体Aの表面に入口
7と出口8を有する流体経路9を形成することができる
ものである。すなわち、高密度の部分は緻密であるため
に流体が通過することはできないが、低密度の部分は疎
であるために流体が通過することができ、低密度の部分
に沿って流体が流れるために、この部分に流体経路9が
形成されるものである。例えば鉄粉を主成分とする粉末
2にレーザビームを上記の条件で照射すると、本体製品
モデル17に対応する部分では鉄粉の焼結度が高く、気
孔率が5%以下になり気泡(空隙)の部分が連続せず、
流体を通過させない。一方、流体経路モデル18に対応
する部分では鉄粉の焼結度が低く、気孔率が15%以上
になり気泡(空隙)の部分が連続して、流体を通過させ
ることができ、この部分に流体経路9を形成することが
できるものである。
【0031】ここで、本発明では、粉末2の層に光ビー
ムLを照射して粉末2が結合した結合層6を積層する操
作を繰り返す手法で三次元形状造形物の粉末結合体Aを
作製しながら、粉末結合体Aの内部に流体経路9を形成
することができるものであり、粉末結合体Aを作製した
後に切削や孔あけ加工を行なう場合のように形状が制限
されるようなことなく、最適な形状で自由に流体経路9
を設計して形成することが可能になるものである。
【0032】上記の実施の形態では、流体経路9を形成
しない部分の走査経路では光ビームLの照射条件を高く
設定すると共に、流体経路9を形成する部分の走査経路
では光ビームLの照射条件を低く設定することによっ
て、光ビームの照射条件を変えて粉末結合体Aの密度を
部分的に変化させ、流体経路9を形成するようにした
が、流体経路9を形成する部分の走査経路では光ビーム
Lを照射しないようにしてもよい。また粉末結合体Aに
設けられる流体経路9に通過させる流体媒質としては、
目的に応じて、水、油、空気、酸素や窒素などのガス、
インク、樹脂など、流動するもの全般を用いることがで
き、特に制限されるものではない。
【0033】図3は請求項2の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、粉末結合体A内に密度が低い部分を
セル状の小室11として上下左右に配置することによっ
て、密度が低い部分の小室11が多数集合した構造に粉
末結合体Aを作製するようにしてある。すなわち、粉末
2の層に光ビームLを照射して結合層6a〜6fを積層
していくにあたって、所定の層では高い照射条件で連続
して照射させながら光ビームLを走査することによっ
て、小室11の床11aや天井11bを構成する密度の
高い部分を形成し、また他の所定の層では高い照射条件
での照射と非照射(低い照射条件での照射でもよい)を
交互に繰り返すように光ビームLを走査させることによ
って、高い照射条件で照射する部分には粉末結合体Aの
表層部19や小室11の壁11cを構成する密度の高い
部分を形成することができると共に非照射の部分には密
度の低い小室11を形成することができる。このように
密度が低い部分をセル状の小室11として形成し、この
小室11を上下左右に配置して集合させることによっ
て、上下方向の応力からも側方の応力からも強い構造に
粉末結合体Aを作製するものである。
【0034】そして上下左右に配置される小室11の床
11aや天井11b、壁11cを構成する部分の一部
に、光ビームLを照射しない部分を設定しながら上記の
ように粉末結合体Aの作製を行なうようにすると、小室
11の床11aや天井11b、壁11cを構成する部分
の一部に、光ビームLを照射しない箇所で密度の低い部
分が形成され、この密度の低い部分が連通部20として
隣合う密度の低い小室11が連通する。この連通部20
を粉末結合体A内の適所に設けることによって、密度の
低い小室11を連続させることができるものであり、図
3に矢印で示すように、入口7から出口8へと流体が流
れることのできる流体経路9を形成することができるも
のである。このように、上下左右に配置される小室11
を連通させることによって流体経路9を形成することが
できるので、流体経路モデルの設計が容易になるもので
ある。
【0035】尚、密度の低い小室11や連通部20の形
成を、光ビームLの非照射で行なうようにすると、粉末
が焼結など溶融・固化する際に生じる収縮が、非照射部
分では生じないようにすることができるので、粉末結合
体Aの収縮を低減することできるものである。またこの
ように密度の低い小室11や連通部20の形成を光ビー
ムLの非照射で行なうと、小室11内や連通部20の粉
末2は焼結などで結合されていずにばらばらの状態のま
まであるので、流体経路9の入口7あるいは出口8から
粉末2を流し出すことができるものである。
【0036】図4は請求項3の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、粉末結合体Aの表層部19を高密度
に作製すると共に内部全体を低密度に作製し、低密度の
内部の全体を流体経路9として形成するようにしたもの
である。高密度の表層部19は肉厚を均一にして、粉末
結合体Aをシェル構造に形成してあり、表層部19の一
部に流体経路9が開口する入口7と出口8を形成して、
矢印のように流体を入口7から流体経路9に流入して出
口8から流出するようにしてある。
【0037】このものでは、三次元CADのシェル化機
能を用いて、製品モデル10の外形に沿った略均一肉厚
のシェル構造の本体製品モデル17と、内部の流体経路
モデル18に分割して、それぞれ既述と同様に作製して
おき、これらの本体製品モデル17と流体経路モデル1
8の三次元CADデータに基づいて、粉末2の層に対す
る光ビームLの照射条件を変えて既述と同様にして結合
層6a,6b,6c…を形成することによって、図4の
ような構造の三次元形状造形物として粉末結合体Aを作
製することができるものである。例えば、粉末2として
平均粒径約20μmの球形の鉄粉を主成分とするものを
用い、光ビームLとして炭酸ガスレーザを用いる場合、
本体製品モデル17に対応する部分の走査経路では、光
ビームLの照射条件をレーザ出力200W以上、レーザ
操作速度50〜100mm/sec、走査ピッチ0.2
mm以下の高い条件に設定し、流体経路モデル18に対
応する部分の走査経路では光ビームLの照射条件をレー
ザ出力200W、レーザ操作速度300〜2000mm
/sec、走査ピッチ0.5mm以上の低い条件に設定
することができる。
【0038】図(a)は請求項の発明の実施の形態
の一例を示すものであり、流体経路9の縦断面の内形を
多角形に形成するようにしてある。図の実施の形態では
流体経路9の縦断面の内形を角部が上端と下端に位置す
る向きの正六角形に形成してあるが、勿論これに限定さ
れるものではない。
【0039】ここで流体経路9は、粉末2の層に光ビー
ムLを照射して結合層6a,6b,6c…を積層する際
に、光ビームLを照射しない部分に形成されるものであ
り、図(b)に正六角形に流体経路9の縦断面の内形
を形成したものを、図(c)に流体経路9の縦断面の
内形に形成したものを示すように、流体経路9の側面部
を形成する結合層6b,6cの端部は階段状になる。そ
して図(b)(c)に示すように、流体経路9の上端
を形成する結合層6jの一部は流体経路9の上にオーバ
ーハングし、この結合層6jのオーバーハング部21の
下側は粉末の状態の流体経路9の上に位置しており、結
合層6iに固定されていないので、光ビームLを照射し
て結合層6jを溶融結合させる際に熱応力でオーバーハ
ング部21に変形が生じるおそれがある。このような結
合層6jのオーバーハング部21に発生する変形が大き
いと、この上に結合層6kを形成するために、既述の図
13(c)のように粉末2を供給してスキージー3を移
動させる際に結合層6jのオーバーハング部21にスキ
ージー3が衝突し、結合層6jのオーバーハング部21
が破壊されたりスキージー3が動作不良となって、造形
続行が不能になったりする。
【0040】ここで、流体経路9の縦断面の内形を円形
に形成すると、図(c)に示すように、流体経路9の
上端を形成する結合層6jが流体経路9の上にオーバー
ハングして結合層6iに固定されないオーバーハング部
21は長い幅で形成されることになる。従ってこのもの
では、オーバーハング部21に上記のように発生する変
形は大きくなり易いものであり、スキージー3が衝突し
てオーバーハング部21が破壊されたり造形続行が不能
になったりし易い。一方、流体経路9の縦断面の内形を
六角形など多角形に形成すると、図(b)に示すよう
に、流体経路9の上端を形成する結合層6jが流体経路
9の上にオーバーハングして結合層6iに固定されない
オーバーハング部21は短い幅になり、オーバーハング
部21に発生する変形が大きくなることを防ぐことがで
きるものである。従ってこのものでは、スキージー3が
衝突することを防止することができ、オーバーハング部
21が破壊されたり造形続行が不能になったりすること
を防ぐことができるものである。尚、オーバーハング部
21の傾斜θを少なくとも45°以上になるようにすれ
ば、上記のような現象を回避することができる。
【0041】図は請求項の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、流体経路9内に粉末2が結合・固化
して流体経路9内よりも密度が高く形成された補強リブ
12を設けるようにしてある。補強リブ12は縦に設け
られるものであり、流体経路9内を補強リブ12で補強
することができると共に、図(c)のオーバーハング
部21が補強リブ12によって小さくなり、オーバーハ
ング部21の変形を防止して、流体経路9の形成を容易
にすることができるものである。この補強リブ12の形
成は、流体経路9以外の高密度部分を形成するのと同じ
高い照射条件で光ビームLを照射して行なうようにして
もよいが、ここまで高密度に形成する必要はなく、流体
が通過できる程度に気孔率が多少高くても良い。また補
強リブ12を流体経路9以外の高密度部分と同じ高密度
に形成すれば、補強リブ12を流体が通過できなくなる
ので、流体経路9内を二つに分割することができ、分割
したそれぞれの流体経路9に異なる媒質の流体を流すこ
とが可能になるものである。
【0042】図は請求項の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、流体経路9内に粉末2が結合・固化
して流体経路9内よりも密度が高く形成されたフィン1
3が設けてある。このフィン13は流体経路9の内方へ
向けて複数片設けられるものであり、流体経路9に冷媒
を通して冷却を行なう場合や、熱媒を通して加熱を行な
う場合など、流体経路9に通される温調媒体の流体がフ
ィン13によって効率高く熱交換されるものであり、流
体経路9に通す流体によって冷却や加熱を効率高く行な
うことができるものである。ここで、粉末結合体Aを作
製した後に切削やボーリング加工などして流体経路9を
設ける場合、流体経路9の内周にフィン13を形成する
ようなことは不可能であるが、本発明では、粉末2の層
に光ビームLを照射して粉末2が結合した結合層6を積
層する操作を繰り返す手法で粉末結合体Aを作製しなが
ら、粉末結合体Aの内部に流体経路9を形成するので、
流体経路9の内周にフィン13を形成することが可能に
なるものである。
【0043】図は請求項の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、流体経路9の内周に、粉末2が結合
・固化して流体経路9内よりも密度が高く形成された突
起14を、流体経路9に沿ってスパイラル状に設けるよ
うにしてある。流体経路9に冷媒や熱媒を通して熱交換
を行なう場合、流体経路9の内面が平滑であると流体経
路9内を流れる流体は層流になり易く、熱交換の効率が
低くなる。このために、流体経路9の内周にスパイラル
状の突起14を設けるようにしたものであり、この突起
14で流体経路9内を流れる流体に常に乱流を生じさ
せ、流体経路9の内壁と流体との間の熱交換の効率を高
めることができるものである。
【0044】図は請求項の発明の実施の形態の一例
を示すものであり、粉末結合体Aの表面から略等距離の
位置に流体経路9を形成するようにしてある。このよう
に流体経路9を粉末結合体Aの表面と平行になるよう
に、表面から略等距離の位置に配置されるように形成す
ることによって、流体経路9に冷媒や熱媒などの温調媒
体の流体を流し冷却や加熱を行なう場合、粉末結合体A
の表面温度は均一な温度にすることができるものであ
り、粉末結合体Aによって均一な温度で冷却や加熱を行
なうことができるものである。粉末結合体Aが複雑な三
次元形状造形物であっても、このように流体経路9を粉
末結合体Aの表面から等距離の位置に形成すれば、形状
如何にかかわらず、粉末結合体Aの表面を均一な温度に
保つことができるものである。
【0045】図10は請求項の発明の実施の形態の一
例を示すものであり、三次元立体形状に形成される粉末
結合体Aの表面には凹部15が存在するが、流体経路9
の端部の入口7あるいは出口8の少なくとも一方をこの
凹部15の底部に配置するようにしてある。例えば、射
出成形金型の場合、キャビティ内の凹部は射出された樹
脂の流動の末端部となり易いので、通常はこの凹部の部
分だけブロック化し、0.01〜0.02mm程度のク
リアランスを設けた状態でブロックを金型に組みこむこ
とによって、射出成形を行なう際に、キャビティ内の空
気や樹脂から発生するガスをこのクリアランスから逃が
すようにしている。このため射出成形金型では、設計が
複雑になって時間を要する他、組み立てや調整にも手間
がかかるという問題がある。
【0046】これに対して図10のように、本発明の粉
末結合体Aを射出成形金型として用いるにあたって、キ
ャビティを形成する粉末結合体Aの表面の凹部15の底
部に流体経路9の端部の入口7を配置すれば、流体経路
9をキャビティ内の空気や樹脂から発生するガスを逃が
すガス抜きベント9aとして適用することができるもの
であり、狭いクリアランスでブロックを組み込んだり
ような必要がなくなって、組み立てや調整工程を必要
とすることなく簡単に成形金型を製作することが可能に
なるものである。流体経路9は既述のように自由な形状
で形成することができるので、ガス抜きベント9aとし
て適した形状に自由に設計することができるものであ
る。また流体経路9は粉末2あるいはその結合したもの
が低密度で充填されているので、ガスは通過するが樹脂
は通過できないようにすることができ、ガス抜きベント
9aから樹脂がバリとして出ることを防ぐことができる
ものである。
【0047】図11は請求項10の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、粉末結合体A内において流体経
路9を分岐させて形成するようにしてある。このように
一端が入口7、他端が出口8となった流体経路9の途中
を分岐させることによって、入口7から流入した流体は
分岐した多くの流体経路9を通過して出口8から流出さ
れるものであり、入口7と出口8は一組でも複雑な回路
で流体を通過させることが可能になるものである。ここ
で、粉末結合体Aを作製した後に流体経路9を加工する
場合はこのような分岐した複雑な形状に流体経路9を形
成することは不可能であるが、本発明では、粉末2の層
に光ビームLを照射して粉末2が結合した結合層6を積
層する操作を繰り返す手法で粉末結合体Aを作製しなが
ら、粉末結合体Aの内部に流体経路9を形成するので、
このような分岐した複雑な形状に流体経路9を形成する
ことが可能になるものである。
【0048】図12は請求項11の発明の実施の形態の
一例を示すものであり、上記のように粉末結合体A内に
流体経路9を分岐させて設けるにあたって、分岐させて
形成した各流体経路9の内部の密度を異ならせて充填率
が異なるようにしてある。すなわち、粉末2の層に高い
照射条件で光ビームLを照射することによって流体経路
9以外の密度の高い部分を作製し、粉末2の層に低い照
射条件で光ビームLを照射することによって密度の低い
流体経路9を作製しているが、光ビームLの照射条件を
変えることによって、分岐する複数の流体経路9の一部
は密度が低く、他の一部はこの密度より高くなるように
形成することができる。図12の実施の形態では、流体
経路9のうち分岐する流体経路9bは他の流体経路9
c,9d,9eよりも密度を高めにして充填率が高くな
るように形成してある。そしてこの流体経路9に流体を
流すと、密度の高い流体経路9bは流動抵抗が大きいの
で流体の流量が少なくなり、他の流体経路9c,9d,
9eは流動抵抗が小さいので流体の流量が多くなるもの
であり、流体の流量を分岐した経路毎に異ならせるよう
にコントロールすることが可能になるものである。ま
た、図11において流体経路9d,9eはスペースの関
係で細い径でしか形成できないが、このような径の細い
流体経路9d,9eの密度を低くすれば、流体の流量を
確保することができるものである。
【0049】上記の各実施の形態において、粉末として
金属粉末など無機粉末を用いて作製される粉末結合体A
は、射出成形金型など樹脂成形用の金型として用いて特
に有用である。すなわち、成形すべき成形品の三次元C
ADデータから、成形用キャビティを形成した三次元
造形物として粉末結合体Aを容易に作製することがで
きるものであり、しかも粉末結合体A内に自由な形状で
形成することのできる流体経路9によって、成形金型と
して必要な各種の機能を発揮させることができるもので
ある。
【0050】例えば、成形金型にはキャビティに射出さ
れた溶融樹脂を冷却して固化させる熱交換機能が必要で
あるが、粉末結合体A内に形成される流体経路9に流体
の冷媒を通すことによって、このような熱交換機能を持
たせることができる。特に、従来のように切削加工や放
電加工など後加工することによっては不可能であった、
表面形状に沿った配置や分岐など三次元的に自由な形状
で流体経路9を形成することが可能になり、また流体経
路9の密度を変えることによって流体の流量をコントロ
ールすることが可能になるので、効率良く、また均一に
熱交換して冷却することが容易になるものである。流体
媒質としては、水や油などの液体が特に有効である。
【0051】また、成形金型にはキャビティの空気や樹
脂のガスを逃がすガス抜きベントの機能を形成すること
が必要であるが、粉末結合体A内に形成される流体経路
9から空気やガスを逃がすことによって、流体経路9に
このようなガス抜きベントの機能を持たせることができ
る。従来の成形金型の材料は緻密でガスなどを通さない
ので、溶融樹脂は通さないがガスは通すことのできる極
微小な切り込み、孔を設ける後加工や極微小な隙間を設
けるブロックの埋め込みなどを行なってガス抜きをする
必要があるが、流体経路9の密度を調整するだけで、溶
融樹脂は通さないがガスは通すように流体経路9を形成
することができ、特別な加工や設計をする必要なくガス
抜きベントを形成することができるものである。
【0052】さらに成形金型にはキャビテイから成形品
を取り出すためのノックアウト機能を形成することが必
要であり、従来の成形金型では、丸ピンや角ピン、スト
リッパープレート等を組み込んで、成形された成形品を
キャビティから押出してノックアウトするようにしてい
るが、本発明では粉末結合体A内の流体経路9の出口8
をキャビティに臨ませて設けることによってノックアウ
ト機能を形成することが可能である。すなわち、キャビ
ティに樹脂を充填・成形して型開きをした後、流体経路
9に入口7から圧縮空気を送ることによって、空気圧で
キャビティから成形品を押出してノックアウトすること
ができるものである。
【0053】その他、流体経路9の出口8から離型材を
表面に染み出させるようにすることによって成形品の離
型性を高めたり、流体経路9の出口8からインクを染み
出させることによって成形品の表面に印刷を行なったり
コーティングを行なったりすることができるものであ
る。
【0054】このように流体経路9によって成形金型に
必要な種々の機能を発揮させることができるが、流体経
路9は自由な形状に形成することが可能であるので、各
機能を行なわせる流体経路9が相互に干渉し合うこと
を、流体経路9を三次元配置することで容易に回避する
ことができるものである。
【0055】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る三
次元形状造形物の製造方法は、粉末の層の所定箇所に光
ビームを照射して溶融結合させることによって粉末が結
合した結合層を形成し、この結合層の上に粉末の層を被
覆すると共にこの粉末の所定箇所に光ビームを照射して
結合させることによって下の結合層と一体になった結合
層を形成し、これを繰り返すことによって複数の結合層
が積層一体化された粉末結合体で三次元形状造形物を作
製するにあたって、光ビームの照射条件を変えて粉末結
合体の密度を部分的に変化させることによって、溶融結
合させた部分のうちの密度が低い部分で入口と出口を有
する流体経路を形成するようにしたので、粉末の層に光
ビームを照射して粉末が結合した結合層を積層する操作
を繰り返す手法で三次元形状造形物の粉末結合体を作製
しながら、粉末結合体の内部に流体経路を形成すること
ができるものであり、粉末結合体を作製した後に切削や
孔あけ加工を行なう場合のように形状が制限されるよう
なことなく、最適な形状で自由に流体経路を設計して形
成することが可能になるものである。
【0056】また請求項2の発明は、密度が低い部分が
セル状の小室として多数集合した構造に粉末結合体を作
製し、密度が低いこの小室を連通させて流体経路を形成
するようにしたので、連通させる小室の選択によって自
由な形状に流体経路を形成することができるものであ
り、流体経路の設計が容易になるものである。
【0057】また請求項3の発明は、粉末結合体の表層
部を高密度に作製すると共に内部全体を低密度に作製
し、低密度の内部の全体を流体経路として形成するよう
にしたので、流体経路の設計が容易になるものである。
【0058】また請求項の発明は、流体経路の縦断面
の内形を多角形に形成するようにしたので、流体経路の
上端部を形成する粉末の結合層のうち流体経路の上に張
り出すオーバーハング部分の寸法を小さくすることが可
能になり、オーバーハング部分の変形を防ぐことができ
て流体経路の形成が容易になるものである。
【0059】また請求項の発明は、流体経路内に補強
リブを設けるようにしたので、流体経路を補強リブで補
強することができ、流体経路の形成が容易になるもので
ある。
【0060】また請求項の発明は、流体経路の内周に
フィンを設けるようにしたので、流体経路に通される流
体の熱がフィンによって効率高く熱交換されるものであ
り、流体経路に通す流体によって冷却や加熱を効率高く
行なうことができるものである。
【0061】また請求項の発明は、流体経路の内周に
スパイラル状の突起を設けるようにしたので、スパイラ
ル状の突起で流体経路内を流れる流体に乱流を生じさせ
ることができ、流体経路の内壁と流体との間の熱交換の
効率を高めることができるものである。
【0062】また請求項の発明は、粉末結合体の表面
から略等距離の位置に流体経路を形成するようにしたの
で、流体経路に冷媒や熱媒など流して冷却や加熱を行な
うにあたって、粉末結合体の表面温度を均一な温度にす
ることができ、均一な温度で冷却や加熱を行なうことが
できるものである。
【0063】また請求項の発明は、流体経路をその端
部を粉末結合体の表面の凹部の底部に配置して形成する
ようにしたので、流体経路をキャビティ内の空気や樹脂
から発生するガスを逃がすガス抜きベントとして適用す
ることができるものである。
【0064】また請求項10の発明は、流体経路を分岐
させて形成するようにしたので、入口と出口は一組でも
複雑な回路で流体を通過させることが可能になるもので
ある。
【0065】また請求項11の発明は、分岐させて形成
した各流体経路の内部の密度を異ならせるようにしたの
で、密度の違いによる流体の流動抵抗の相違によって、
流体の流量を分岐した流体経路毎に異ならせるようにコ
ントロールすることが可能になるものである。
【0066】本発明の請求項12に係る成形金型は、上
記の請求項1乃至12のいずれかに記載の方法で製造さ
れたものであり、最適な形状で自由に形成することが可
能な流体経路によって、熱交換機能や、エアベント機能
や、ノックアウト機能など成形金型として必要とされる
機能を持たせることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図2】同上に用いられる三次元CADのモデルを示す
ものであり、(a)は製品モデル、(b)は本体製品モ
デル、(c)は流体経路モデルを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の他の一例の断面図であ
る。
【図4】本発明の実施の形態の他の一例の断面図であ
る。
【図5】本発明の実施の形態の他の一例を示すものであ
り(a)は一部の断面図、(b),(c)は一部の拡大
した断面図である。
【図6】本発明の実施の形態の他の一例の一部の断面図
である。
【図7】本発明の実施の形態の他の一例の一部の断面図
である。
【図8】本発明の実施の形態の他の一例の一部の斜視図
である。
【図9】本発明の実施の形態の他の一例の断面図であ
る。
【図10】本発明の実施の形態の他の一例の断面図であ
る。
【図11】本発明の実施の形態の他の一例の断面図であ
る。
【図12】本発明の実施の形態の他の一例の断面図であ
る。
【図13】粉末結合体の製造の各工程を示すものであり
(a)乃至(e)はそれぞれ断面図である。
【図14】同上によって製造された粉末結合体の斜視図
である。
【図15】(a)は同上に用いる設計された製品モデ
ル、(b)は製品モデルをスライスした各層を示す斜視
図である。
【符号の説明】
2 粉末 6 結合層 7 入口 8 出口 9 流体経路 11 小室 12 補強リブ 13 フィン 14 突起 15 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武南 正孝 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 不破 勲 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 上永 修士 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 吉田 徳雄 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (72)発明者 待田 精造 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−183530(JP,A) 特開2000−73108(JP,A) 特表 平9−511705(JP,A) 特許2620353(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 1/00 - 7/08 B29C 67/00 - 67/24 B23K 26/00 - 26/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末の層の所定箇所に光ビームを照射し
    て溶融結合させることによって粉末が結合した結合層を
    形成し、この結合層の上に粉末の層を被覆すると共にこ
    の粉末の所定箇所に光ビームを照射して結合させること
    によって下の結合層と一体になった結合層を形成し、こ
    れを繰り返すことによって複数の結合層が積層一体化さ
    れた粉末結合体で三次元形状造形物を作成するにあたっ
    て、光ビームの照射条件を変えて粉末結合体の密度を部
    分的に変化させることによって、溶融結合させた部分の
    うちの密度が低い部分で入口と出口を有する流体経路を
    形成することを特徴とする三次元形状造形物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 密度が低い部分がセル状の小室として多
    数集合した構造に粉末結合体を作製し、密度が低いこの
    小室を連通させて流体経路を形成することを特徴とする
    請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉末結合体の表層部を高密度に作製する
    と共に内部全体を低密度に作製し、低密度の内部の全体
    を流体経路として形成することを特徴とする請求項1又
    は2に記載の三次元形状造形物の製造方法。
  4. 【請求項4】 流体経路の縦断面の内形を多角形に形成
    することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の三次元形状造形物の製造方法。
  5. 【請求項5】 流体経路内に補強リブを設けることをこ
    とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の三次
    形状造形物の製造方法。
  6. 【請求項6】 流体経路の内周にフィンを設けることを
    特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の三次元
    造形物の製造方法。
  7. 【請求項7】 流体経路の内周にスパイラル状の突起を
    設けることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記
    載の三次元形状造形物の製造方法。
  8. 【請求項8】 粉末結合体の表面から略等距離の位置に
    流体経路を形成することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載の三次元形状造形物の製造方法。
  9. 【請求項9】 流体経路をその端部を粉末結合体の表面
    の凹部の底部に配置し て形成することを特徴とする請求
    項1乃至8のいずれかに記載の三次元形状造形物の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 流体経路を分岐させて形成することを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の三次元
    造形物の製造方法。
  11. 【請求項11】 分岐させて形成した各流体経路の内部
    の密度を異ならせることを特徴とする請求項10に記載
    の三次元形状造形物の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれかに記載の
    方法で製造されたものであることを特徴とする成形金
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