JP3446115B2 - 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法及びその製造方法における加熱処理装置 - Google Patents
電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法及びその製造方法における加熱処理装置Info
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- JP3446115B2 JP3446115B2 JP06393598A JP6393598A JP3446115B2 JP 3446115 B2 JP3446115 B2 JP 3446115B2 JP 06393598 A JP06393598 A JP 06393598A JP 6393598 A JP6393598 A JP 6393598A JP 3446115 B2 JP3446115 B2 JP 3446115B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は静電容量を増大する
電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法に関す
る。
電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】従来、電解コンデンサ用アルミニウムの
エッチング箔の化成前において、該箔を加熱処理するこ
とで、化成後の静電容量が増大することは広く知られて
いる。例えば、特公昭３９−６９２０は、排気ないしガ
ス中で加熱処理を行う方法であり、また特公昭５３−２
６９６０には、エッチング箔を２００℃以上６００℃以
下の温度にて酸素分圧を１×１０-3ｋｇ／ｃｍ2 〜１×
１０-4ｋｇ／ｃｍ2 の範囲で全圧１．０×１０-2ｋｇ／
ｃｍ2 〜１×１０-3ｋｇ／ｃｍ2 の減圧下で加熱処理
し、漏れ電流を減少させ、かつ化成したアルミニウム箔
の静電容量を高める電解コンデンサ用アルミニウム電極
箔の処理方法が開示されている。
エッチング箔の化成前において、該箔を加熱処理するこ
とで、化成後の静電容量が増大することは広く知られて
いる。例えば、特公昭３９−６９２０は、排気ないしガ
ス中で加熱処理を行う方法であり、また特公昭５３−２
６９６０には、エッチング箔を２００℃以上６００℃以
下の温度にて酸素分圧を１×１０-3ｋｇ／ｃｍ2 〜１×
１０-4ｋｇ／ｃｍ2 の範囲で全圧１．０×１０-2ｋｇ／
ｃｍ2 〜１×１０-3ｋｇ／ｃｍ2 の減圧下で加熱処理
し、漏れ電流を減少させ、かつ化成したアルミニウム箔
の静電容量を高める電解コンデンサ用アルミニウム電極
箔の処理方法が開示されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、処理雰
囲気を真空あるいは不活性ガスとするためには、大型の
設備が必要となること、処理雰囲気の厳密な制御が必要
となること、また処理雰囲気を真空あるいは不活性ガス
に置き換えるのに時間がかかり処理効率が悪いなどの問
題があった。
囲気を真空あるいは不活性ガスとするためには、大型の
設備が必要となること、処理雰囲気の厳密な制御が必要
となること、また処理雰囲気を真空あるいは不活性ガス
に置き換えるのに時間がかかり処理効率が悪いなどの問
題があった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、加
熱処理工程に着目して種々研究の結果、上記した問題を
解消したもので、その要旨とするところは、電解コンデ
ンサ用アルミニウム原箔をエッチング処理して粗面化し
た後、化成処理を行って電解コンデンサ用アルミニウム
電極箔を製造する方法において、化成処理前にエッチン
グ箔を加熱処理する際、エッチング箔をコイル状に巻取
った状態で、密閉容器中で行い、その密閉容器中の雰囲
気が、空気であることを特徴とするものである。
熱処理工程に着目して種々研究の結果、上記した問題を
解消したもので、その要旨とするところは、電解コンデ
ンサ用アルミニウム原箔をエッチング処理して粗面化し
た後、化成処理を行って電解コンデンサ用アルミニウム
電極箔を製造する方法において、化成処理前にエッチン
グ箔を加熱処理する際、エッチング箔をコイル状に巻取
った状態で、密閉容器中で行い、その密閉容器中の雰囲
気が、空気であることを特徴とするものである。
【０００５】上記において好ましくは、加熱処理を行う
容器が、エッチング箔の巻取り中心部を嵌合する内筒と
エッチング箔の巻取体を収納し、上面が密閉される外筒
との二重筒型形状から成り、外筒の外周及び内筒の中心
部に熱源を配置して、また、加熱処理を行う容器が、容
器の内圧が高くなったとき、外部に容器内の気体を放出
する調整機構を備えて成り、また加熱処理温度が３００
〜６００℃で、加熱処理時間を１０秒〜６時間とするも
のである。
容器が、エッチング箔の巻取り中心部を嵌合する内筒と
エッチング箔の巻取体を収納し、上面が密閉される外筒
との二重筒型形状から成り、外筒の外周及び内筒の中心
部に熱源を配置して、また、加熱処理を行う容器が、容
器の内圧が高くなったとき、外部に容器内の気体を放出
する調整機構を備えて成り、また加熱処理温度が３００
〜６００℃で、加熱処理時間を１０秒〜６時間とするも
のである。
【０００６】また本発明は、有底筒状の外筒の中心に、
その底面から伸びる内筒を有して成る容器の上面を圧力
調整機構を備えた蓋板により密閉し、かつ外筒の外周と
内筒の中心部にヒータを配設して成る電解コンデンサ用
アルミニウム電極箔の製造方法における加熱処理装置を
提供するものである。
その底面から伸びる内筒を有して成る容器の上面を圧力
調整機構を備えた蓋板により密閉し、かつ外筒の外周と
内筒の中心部にヒータを配設して成る電解コンデンサ用
アルミニウム電極箔の製造方法における加熱処理装置を
提供するものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態について
詳述する。図１はアルミニウムエッチング箔の加熱処理
状態を示した概略断面図であって、アルミニウムエッチ
ング箔即ちアルミニウム原箔を通常の方法でエッチング
処理したのち洗浄して得たアルミニウムエッチング箔１
１を巻芯１２にコイル状に巻き取る。
詳述する。図１はアルミニウムエッチング箔の加熱処理
状態を示した概略断面図であって、アルミニウムエッチ
ング箔即ちアルミニウム原箔を通常の方法でエッチング
処理したのち洗浄して得たアルミニウムエッチング箔１
１を巻芯１２にコイル状に巻き取る。
【０００８】このようにして巻芯１２にコイル状に巻き
取られたアルミニウムエッチング箔１１の箔巻取体１０
は、加熱処理用の容器２０に収納される。
取られたアルミニウムエッチング箔１１の箔巻取体１０
は、加熱処理用の容器２０に収納される。
【０００９】前記容器２０は、箔巻取体１０を収納する
に必要な大きさの有底筒状の外筒２１の中心部に底面か
ら高さ方向に延びて外周に前記巻芯１２が嵌合するに必
要な径を有する内筒２２を有した二重筒型形状から成
り、その上面開口部には、シール材２３を介して蓋板２
４が密閉状態に取付けてある。
に必要な大きさの有底筒状の外筒２１の中心部に底面か
ら高さ方向に延びて外周に前記巻芯１２が嵌合するに必
要な径を有する内筒２２を有した二重筒型形状から成
り、その上面開口部には、シール材２３を介して蓋板２
４が密閉状態に取付けてある。
【００１０】前記蓋板２４には、容器２０内の圧力を例
えば常圧よりも稍高く調整するための圧力調整機構２５
が設けてあり、また外筒２１の外周及び内筒２２の中心
部にはヒータ２６が配置されている。
えば常圧よりも稍高く調整するための圧力調整機構２５
が設けてあり、また外筒２１の外周及び内筒２２の中心
部にはヒータ２６が配置されている。
【００１１】しかして上記した構成において、ヒータ２
６に通電することにより容器２０を所定時間加熱する。
すると、その加熱によって密閉された容器２０内の気圧
が上昇し、また容器２０の内部においてはアルミニウム
エッチング箔１１からの水蒸気が発生し、この水蒸気は
容器２０内の空気と共に圧力調整機構２５を介して外部
に放出される。
６に通電することにより容器２０を所定時間加熱する。
すると、その加熱によって密閉された容器２０内の気圧
が上昇し、また容器２０の内部においてはアルミニウム
エッチング箔１１からの水蒸気が発生し、この水蒸気は
容器２０内の空気と共に圧力調整機構２５を介して外部
に放出される。
【００１２】上記において好ましくは、外部からの空気
の進入を抑えるために、容器２０内を常圧よりも稍高め
に設定され、かつ圧力調整機構２５として、弁機構のほ
かに圧力センサーと連動して開閉する排気孔を設けられ
る。
の進入を抑えるために、容器２０内を常圧よりも稍高め
に設定され、かつ圧力調整機構２５として、弁機構のほ
かに圧力センサーと連動して開閉する排気孔を設けられ
る。
【００１３】上記において熱処理温度としては、３００
〜６００℃の範囲が好ましく、３００℃より低いと効果
的に結晶性酸化アルミニウムの量が増加せず、６００℃
以上では、熱酸化皮膜の量が必要以上に増加し、また熱
処理時間は１０秒〜６時間の範囲が好ましく、１０秒以
下では効果が少なく、６時間以上では、熱酸化皮膜が必
要以上に増加して拡面率が悪くなるという不都合を有す
る。
〜６００℃の範囲が好ましく、３００℃より低いと効果
的に結晶性酸化アルミニウムの量が増加せず、６００℃
以上では、熱酸化皮膜の量が必要以上に増加し、また熱
処理時間は１０秒〜６時間の範囲が好ましく、１０秒以
下では効果が少なく、６時間以上では、熱酸化皮膜が必
要以上に増加して拡面率が悪くなるという不都合を有す
る。
【００１４】なお本発明者による数次の実験例によれ
ば、容器２０として内筒２２を有しない構成のものでも
有効であるが、内筒２２を設けることによりこの内筒２
２の位置にもヒータ２６が配置でき、これにより素早く
温度が上昇して加熱効果を高めることができること、ま
た容器２０としては容積が可及的小さい方が望ましいこ
とが判明した。
ば、容器２０として内筒２２を有しない構成のものでも
有効であるが、内筒２２を設けることによりこの内筒２
２の位置にもヒータ２６が配置でき、これにより素早く
温度が上昇して加熱効果を高めることができること、ま
た容器２０としては容積が可及的小さい方が望ましいこ
とが判明した。
【００１５】
【実施例】次に本発明の実施例について詳述する。純度
９９．９％、厚さ１００μｍのアルミニウム箔の軟質材
を用い、塩化物を含む水溶液中で交流電解エッチング処
理を行い、次いで、洗浄して箔表面の残留塩素を充分除
去した後加熱処理を行った。加熱処理は実施例１では、
図１に示した二重筒型形状の容器２０を使いこれは箔巻
取体１０を収納して、３５０℃、２時間の条件で行っ
た。また実施例２では実施例１の熱処理条件のうち処理
温度を４５０℃とし、１時間の条件で処理した。従来例
としては酸素分圧を４９Ｐａで全圧９．８×１０4 Ｐａ
の不活性雰囲気中で３５０℃１時間の条件で加熱処理を
行った。
９９．９％、厚さ１００μｍのアルミニウム箔の軟質材
を用い、塩化物を含む水溶液中で交流電解エッチング処
理を行い、次いで、洗浄して箔表面の残留塩素を充分除
去した後加熱処理を行った。加熱処理は実施例１では、
図１に示した二重筒型形状の容器２０を使いこれは箔巻
取体１０を収納して、３５０℃、２時間の条件で行っ
た。また実施例２では実施例１の熱処理条件のうち処理
温度を４５０℃とし、１時間の条件で処理した。従来例
としては酸素分圧を４９Ｐａで全圧９．８×１０4 Ｐａ
の不活性雰囲気中で３５０℃１時間の条件で加熱処理を
行った。
【００１６】その結果を表１で示す。
【表１】
上記した表１からも明らかなように、本発明による実施
例によれば、従来例によって加熱処理したアルミニウム
電極箔に比し、化成電気量、静電容量、漏れ電流ともに
ほぼ同等の値を得ることができた。
例によれば、従来例によって加熱処理したアルミニウム
電極箔に比し、化成電気量、静電容量、漏れ電流ともに
ほぼ同等の値を得ることができた。
【００１７】
【発明の効果】以上のように本願発明によれば、化成処
理前にエッチング箔に対し行われる加熱処理において、
従来のように処理雰囲気を真空あるいは不活性ガスに置
き換えるための大型の装置やそのための時間を必要とす
ることなく、設備の小型化を可能にするばかりでなく、
厳密な処理雰囲気の制御も必要なく実行することができ
て電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の処理方法とし
て極めて有益なものである。
理前にエッチング箔に対し行われる加熱処理において、
従来のように処理雰囲気を真空あるいは不活性ガスに置
き換えるための大型の装置やそのための時間を必要とす
ることなく、設備の小型化を可能にするばかりでなく、
厳密な処理雰囲気の制御も必要なく実行することができ
て電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の処理方法とし
て極めて有益なものである。
【図１】加熱処理状態を示す概略断面図
１０ 箔巻取体
１１ アルミニウムエッチング箔
１２ 巻芯
２０ 容器
２３ シール材
２４ 蓋板
２５ 圧力調整機構
２６ ヒータ
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
H01G 9/04 304
H01G 9/04 301
H01G 9/055
H01G 13/00 371
Claims (5)
- 【請求項１】電解コンデンサ用アルミニウム原箔をエッ
チング処理して粗面化した後、化成処理を行って電解コ
ンデンサ用アルミニウム電極箔を製造する方法におい
て、化成処理前にエッチング箔を加熱処理する際、エッ
チング箔をコイル状に巻取った状態で、密閉容器中で行
い、その密閉容器中の雰囲気が、空気であることを特徴
とする電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方
法。 - 【請求項２】加熱処理を行う容器が、エッチング箔の巻
取り中心部を嵌合する内筒とエッチング箔の巻取体を収
納し、上面が密閉される外筒との二重筒型形状から成
り、外筒の外周及び内筒の中心部に熱源を配置したこと
を特徴とする請求項１記載の電解コンデンサ用アルミニ
ウム電極箔の製造方法。 - 【請求項３】加熱処理を行う容器が、容器の内圧が高く
なったとき、外部に容器内の気体を放出する調整機構を
備えていることを特徴とする請求項１または２記載の電
解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法。 - 【請求項４】加熱処理温度が３００〜６００℃で、加熱
処理時間が１０秒〜６時間である請求項１、２または３
記載の電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方
法。 - 【請求項５】有底筒状の外筒の中心に、その底面から伸
びる内筒を有して成る容器の上面を、圧力調整機構を備
えた蓋板により密閉し、かつ外筒の外周と内筒の中心部
にヒータを配設して成る電解コンデンサ用アルミニウム
電極箔の製造方法における加熱処理装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06393598A JP3446115B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-03-02 | 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法及びその製造方法における加熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06393598A JP3446115B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-03-02 | 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法及びその製造方法における加熱処理装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11251195A JPH11251195A (ja) | 1999-09-17 |
| JP3446115B2 true JP3446115B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=13243712
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06393598A Expired - Fee Related JP3446115B2 (ja) | 1998-03-02 | 1998-03-02 | 電解コンデンサ用アルミニウム電極箔の製造方法及びその製造方法における加熱処理装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3446115B2 (ja) |
-
1998
- 1998-03-02 JP JP06393598A patent/JP3446115B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH11251195A (ja) | 1999-09-17 |
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