JP3445773B2 - プラスチック製ミラーコートレンズ - Google Patents
プラスチック製ミラーコートレンズInfo
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Description
ラーコートレンズに関し、特に、レンズ表面(凸面)が
反射増加効果を有し、レンズ裏面(凹面)が反射防止効
果を有し、さらに光吸収特性を有するプラスチック製ミ
ラーコートレンズに関する。
市販されているが、最近特に海外ではガラス表面にミラ
ーコートして金属光沢を出したサングラスが増加してい
る。このサングラスは、レンズ表面の凸面は反射増加効
果を有し、レンズ裏面の凹面は反射防止効果を有し、さ
らに表面に設けられた金属層による光吸収特性を有す
る。このため、このレンズは、眼鏡レンズとして装用し
たときに、他人からは、装用者の人眼が見えず、鏡的な
機能をする一方、装用者からは、景色を見る機能を有す
る。これらの例として、例えば特公平8-1481号公報、特
公平8-1482号公報に、前記機能を有するレンズをミラ−
コ−トレンズと称し、特定の膜構成からなるレンズが開
示されている。しかしながら、これら公報に記載されて
いるレンズは、凹面の反射率が約4%ある。また、凹面
のレンズ形状または金属の吸収によるレンズの色調によ
っては、レンズの裏面反射により、レンズ装用者が自分
の後ろの景色が見えてしまう場合があった。
解決するためになされたもので、プラスチック製ミラー
コートレンズにおいて、レンズ凸面の反射増加効果を損
なわず、レンズ凹面の反射防止効果を高め、反射を低減
したプラスチック製ミラーコートレンズを提供すること
にある。
ましい性質を有するプラスチック製ミラーコートレンズ
を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、レンズ凸面に複数
層からなる機能膜を設け、各層を特定の材質、膜厚、透
過率とすることにより、レンズ凹面の反射防止効果が高
められることを見出し、本発明を完成するに至った。
ク基板の凸面に機能膜が設けられ、凸面が反射増加効果
を有し、凹面が反射防止効果を有するレンズであって、
該機能膜が該プラスチック基板の表面から順に第1層〜
第6層が積層された膜であり、第1層が、Ta2 O5 、
ZrO2 、Y2 O3 、TiO2 、Nb2 O5 及びAl 2
O3 の中から選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物か
らなり、膜厚が0.01〜0.25λ(λは照射光の波
長で、λ=450〜550nm)の高屈折率層、第2層
が、SiO2 からなり、膜厚が0.01〜0.25λ
(λ=450〜550nm)の低屈折率層、第3層が、
Cr、Ta、Nb、Ti及びZrの中から選ばれる少な
くとも一種類の金属からなり、透過率(λ=450〜5
50nm)が90〜50%の層、第4層が、Ta
2 O5 、ZrO2 、Y2 O3 、TiO2 、Nb2 O5 及
びAl2 O3 の中から選ばれる少なくとも一種類の金属
酸化物からなり、膜厚が0.01〜0.50λ(λ=4
50〜550nm)の高屈折率層、第5層が、Cr、T
a、Nb、Ti及びZrの中から選ばれる少なくとも一
種類の金属からなり、透過率(λ=450〜550n
m)が50〜10%の層、第6層が、SiO2 からな
り、膜厚が0.01〜0.50λ(λ=450〜550
nm)の低屈折率層であることを特徴とするプラスチッ
ク製ミラーコートレンズを提供するものである。
7層及び第8層がこの順に積層された膜であり、第7層
が、Ta2 O5 、ZrO2 、Y2 O3 、TiO2 、Nb
2 O 5 及びAl2 O3 の中から選ばれる少なくとも一種
類の金属酸化物からなり、膜厚が0.01〜0.50λ
(λは照射光の波長で、λ=450〜550nm)の高
屈折率層、第8層が、SiO2 からなり、膜厚が0.0
5〜1.0λ(λ=450〜550nm)の低屈折率層
であることを特徴とするプラスチック製ミラーコートレ
ンズを提供するものである。
ートレンズにおける機能膜は、六層又は八層構成である
が、第1層及び第2層は二層等価膜の中屈折率層として
機能し、第3層〜第5層は三層等価膜の高屈折率層とし
て機能し、第6層は低屈折率層として機能し、第7層及
び第8層は、増反射を与える層として機能する。レンズ
の凹面を基準とした場合、第1層〜第6層は、基本的に
はλ/4−λ/2−λ/4の反射防止膜として機能して
いる。第7層及び第8層は、レンズの凹面からでは、何
ら反射増加、反射防止には寄与しない。
せることにより、屈折率1.75〜1.85程度の中屈
折率層を形成し、膜厚λ/4と同等の反射率が得られ
る。第1層は、Ta2 O5 、ZrO2 、Y2 O3 、Ti
O2 、Nb2 O5 及びAl 2 O3 の中から選ばれる少な
くとも一種類の金属酸化物からなり、Ta2 O5 である
と好ましい。また膜厚は、0.01〜0.25λ(λは
照射光の波長で、λ=450〜550nm、以下同じ)
であり、0.05〜0.1λであると好ましい。膜厚が
0.01λ未満では、膜厚が薄過ぎて均一な膜質が得ら
れず、0.25λを越えると、所望の屈折率が得られな
い。第2層は、SiO2 からなり、膜厚は0.01〜
0.25λであり、0.03〜0.15λであると好ま
しい。膜厚が0.01λ未満では、膜厚が薄過ぎて均一
な膜質が得られず、膜厚制御も困難であり、0.25λ
を越えると、コンポジット層として機能しない。
を構成させることにより、屈折率1.90〜2.20程
度の高屈折率層を形成し、膜厚λ/2と同等の反射率が
得られ、また金属の光吸収特性を利用して、レンズの色
調を出すことさらにはレンズの透過率をも考慮して作製
されている。第3層及び第5層を金属膜にしているの
は、金属の特性である特定波長の光の吸収及び金属の屈
折率を利用して、レンズに色調を持たせると同時に、高
屈折率層を形成するためである。
rの中から選ばれる少なくとも一種類の金属からなる金
属膜の層で、透過率は90〜50%、望ましくは透過率
80〜60%である。透過率が50%未満では、反射防
止膜としての効果が低下し、90%を越えると、凹面側
の反射率が増加し、また第7、8層の増反射層がある場
合にはそれらの影響を受けやすい。第3層は、蒸着法や
スパッタリング法で形成することができ、金属がCr、
Ti を使用するときは蒸着法が適しており、Zr、T
a、Nbを使用するときはスパッタリング法が適してい
る。
3 、TiO2 、Nb2 O5 及びAl 2 O3 の中から選ば
れる少なくとも一種類の金属酸化物からなり、Ta2 O
5 であると好ましい。また膜厚は、0.01〜0.50
λであり、0.20〜0.30λであると好ましい。膜
厚が0.01λ未満では、膜厚が薄過ぎて均一な膜質が
得られず、0.50λを越えると、反射防止膜としての
効果が低下する。
rの中から選ばれる少なくとも一種類の金属からなる金
属膜の層で、透過率は50〜10%、望ましくは透過率
40〜20%である。透過率が10%未満では、凹面側
の反射率が増加し、50%を越えると、凹面側の反射率
が増加し、また第7、8層の増反射層がある場合にはそ
れらの影響を受けやすい。第5層も、第3層同様に蒸着
法やスパッタリング法で形成することができ、金属がC
r、Ti を使用するときは蒸着法が適しており、Zr、
Ta、Nbを使用するときはスパッタリング法が適して
いる。
の低屈折率層とするためSiO2 からなり、膜厚は0.
01〜0.50λであり、0.22〜0.27λである
と好ましい。膜厚が0.01λ未満では、膜厚が薄過ぎ
て均一な膜質が得られず、0.50λを越えると、反射
防止膜としての効果が低下する。
を及ぼさないが凸面にさらなる増反射を与える。これら
の反射を種々変化させることにより、青色、銀色、金
色、緑色等の色調を与え、かつ装用者の眼を見えなくす
る。第7層は、Ta2 O5 、ZrO2 、Y2 O3 、Ti
O2 、Nb2 O5 及びAl 2 O3 の中から選ばれる少な
くとも一種類の金属酸化物からなり、Ta2 O5 である
と好ましい。また膜厚は、0.01〜0.50λ(λは
照射光の波長で、λ=450〜550nm、以下同じ)
であり、0.02〜0.30λであると好ましい。膜厚
が0.01λ未満では、膜厚が薄過ぎて均一な膜質が得
られず、0.50λを越えると、凸面ミラー反射光の彩
度が低下する。第8層は、SiO2 からなり、膜厚は
0.05〜1.0λであり、0.1〜0.80λである
と好ましい。膜厚が0.05λ未満では、所望するミラ
ー反射光が得られず、耐摩耗性が劣り、1.0λを越え
ると、所望するミラー反射光が得られず、耐熱性が低下
する。本発明における機能膜の形成方法としては、真空
蒸着法、スパッタリング法などが用いられる。
定されず、例えば、メチルメタクリレ−ト単独重合体、
メチルメタクリレ−トと1種以上の他のモノマ−との共
重合体、ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ−ト
単独重合体、ジエチレングリコ−ルビスアリルカ−ボネ
−トと1種以上の他のモノマ−との共重合体、イオウ含
有共重合体、ハロゲン共重合体、ポリカ−ボネ−ト、ポ
リスチレン、ポリ塩化ビニル、不飽和ポリエステル、ポ
リエチレンテレフタレ−ト、ポリウレタン、ポリチオウ
レタンなどが挙げられる。
と前記機能膜との間に、プラスチックレンズの耐擦傷性
を向上させる有機ハ−ドコ−ト層を設けても良い。有機
ハードコート層の材質としては、有機ケイ素化合物、ア
クリル系、エポキシ系等が挙げられ、酸化ケイ素、酸化
チタン、酸化錫等の微粒子状無機酸化物を含有していて
も良い。さらに機能膜と有機ハ−ドコ−ト層との密着性
等の物性を向上させるために、有機ハ−ドコ−ト層に、
公知のプラズマ処理、イオン銃処理、電子処理を行って
も良い。イオン銃処理の場合には、酸素ガスまたはアル
ゴンが用いられ、イオンの加速電圧は200〜500V
が好ましい。
ク基板と前記ハ−ドコ−ト層との間に耐衝撃性及び密着
性を向上させるプライマ−層を設けても良い。プライマ
ー層の材質としては、特開2000−2801号公報に
記載のジチアン環骨格を有する特定の硫黄化合物及び/
又はベンゼン環を有する特定の硫黄化合物と多官能性チ
オールからなる組成物、特開平11−228802号公
報に記載の(A)一般式(I)R−O−CO−〔−O−
R1 −O−CO−〕n −O−R・・・(I)〔式中、R
は不飽和基を表し、R1 は2価の脂肪族又は芳香族基を
表し、nは1〜9の数を表す〕で示されるポリ炭酸エス
テル、(B)一般式(II)R2 −(−SH)m ・・・(I
I )〔式中、R2 は多価の有機基を表し、mは2以上の
整数を表す〕で示されるポリチオール及び(C)光重合
開始剤を含有する重合性組成物60〜95重量%と高屈
折率の金属化合物ゾル5〜40重量%からなる組成物、
特公平6−79084号公報に記載のアルキレングリコ
ール類、ポリアルキレングリコール類、ポリ(アルキレ
ンアジペート)類、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリブ
タジエングリコール類、ポリ(アルキレンカーボネー
ト)類又はシリコーンポリオールから選ばれる活性水素
含有化合物とポリイソシアネートとから得られるポリウ
レタン樹脂等が挙げられる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、実施例及び比較例において得られたプラ
スチックレンズの物性評価は以下のようにして行った。 (1)視感反射率 プラスチックレンズの表面側視感反射率Yは、日立分光
光度計U−3410を用い、内面側を黒色マジックで塗
布、反射を除去して視感反射率を測定した。プラスチッ
クレンズの裏面側視感反射率Yは、日立分光光度計U−
3410を用い、まず凹面側に反射防止膜を設けたレン
ズの視感反射率を測定し、同様の反射防止膜を設け凸面
を黒色マジックで塗布、反射を除去した比較品の凹面視
感反射率(裏面側視感反射率を含む)を測定し、比較品
の凹面視感反射率から先に測定した視感反射率を引き、
裏面側視感反射率Yとした。 (2)密着性 プラスチックレンズの表面に剃刀にて1mm×1mmの
升目を100個作成し、升目上にセロハンテープを貼
り、一気にテープをはがし、残った升目の数で評価し
た。表中、残った升目の数/100で記載した。 (3)耐摩耗性 プラスチックレンズの表面にスチールウールにて1kg
f/cm2 の荷重をかけ、20ストローク擦り、表面状
態により以下の基準で評価した。 UA:殆ど傷なし A:細い傷数本あり B:細い傷多数、太い傷数本あり C:細い傷多数、太い傷多数あり D:殆ど膜はげ状態 (4)耐熱性 プラスチックレンズをドライオーブンで1時間加熱し、
クラックの発生温度を測定した。 (5)耐アルカリ性 プラスチックレンズをNaOH水溶液10%に1時間浸
漬し、表面状態により以下の基準で評価した。 UA:殆ど変化なし A:点状の膜はげ数個あり B:点状の膜はげが全面にあり C:点状のはげが全面、面状のはげ数個あり D:殆ど全面膜はげ
40、日産化学)90重量部、有機ケイ素化合物のメチ
ルトリメトキシシラン81.6重量部、γ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン176重量部、0.5N
塩酸2.0重量部、酢酸20重量部、水90重量を加え
た液を、室温にて8時間攪拌後、室温にて16時間放置
して加水分解溶液を得た。この溶液に、イソプロピルア
ルコ−ル120重量部、n−ブチルアルコ−ル120重
量部、アルミニウムアセチルアセトン16重量部、シリ
コ−ン系界面活性剤0.2重量部、紫外線吸収剤0.1
重量部を加え、室温にて8時間攪拌後、室温にて24時
間熟成させコ−ティング液を得た。アルカリ水溶液で前
処理したプラスチックレンズ基板(HOYA(株)製、
眼鏡用プラスチックレンズ(素材:ジエチレングリコ−
ルビスアリルカ−ボネ−ト)、屈折率1.50)を、前
記コーティング液の中に浸漬させ、浸漬終了後、引き上
げ速度20cm/分で引き上げたプラスチックレンズを
120℃で2時間加熱して硬化膜を形成した。その後、
表1〜5に記載したイオン加速電圧、照射時間の条件で
酸素(O2 )ガスを用いて、イオン銃処理を行いハード
コート層(A層とする)を形成した。次に、ハードコー
トA層の上に、真空蒸着法にて、表1〜5に記載した第
1層〜第6層からなる機能膜又は第1層〜第8層からな
る機能膜を形成し、プラスチックレンズを得た。得られ
たプラスチックレンズについて上記(1)〜(5)を評
価し、それらの結果を表1〜5に示した。尚、表中、λ
は照射光の波長で、λ=500nm、Tは視感透過率で
の透過率を示す。
プロピルメトキシシラン142重量部を加え、撹拌しな
がら、0.01N塩酸1.4重量部、水32重量部を滴
下した。滴下終了後、24時間撹拌を行いγ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシランの加水分解溶液を得
た。この溶液に、酸化第二スズ−酸化ジルコニウム複合
体ゾル(メタノール分散、全金属酸化物31.5重量
%、平均粒子径10〜15ミリミクロン)460重量
部、エチルセロソルブ300重量部、さらに滑剤として
シリコーン系界面活性剤0.7重量部、硬化剤としてア
ルミニウムアセチルアセトネート8重量部を加え、充分
に撹拌した後、濾過を行ってコーティング液を得た。ア
ルカリ水溶液で前処理したプラスチックレンズ基板(H
OYA(株)製、眼鏡用プラスチックレンズ(商品名:
EYAS)、屈折率1.60)を、前記コーティング液
の中に浸漬させ、浸漬終了後、引き上げ速度20cm/
分で引き上げたプラスチックレンズを120℃で2時間
加熱して硬化膜を形成した。その後、表3及び表6に記
載したイオン加速電圧、照射時間の条件で酸素(O2 )
ガスを用いて、イオン銃処理を行いハードコート層(B
層とする)を形成した。次に、ハードコートB層の上
に、真空蒸着法にて、表3及び表6に記載した第1層〜
第8層からなる機能膜を形成し、プラスチックレンズを
得た。得られたプラスチックレンズについて上記(1)
〜(5)を評価し、それらの結果を表3及び表6に示し
た。尚、表中、λは照射光の波長で、λ=500nm、
Tは視感透過率での透過率を示す。
プロピルトリメトキシシラン100重量部を加え、撹拌
しながら0.01N塩酸1.4重量部、水23重量部を
滴下した。滴下終了後、24時間撹拌を行いγ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランの加水分解溶液を得
た。次に、微粒子状無機物として、酸化チタン、酸化ジ
ルコニウム、酸化ケイ素を主体とする複合体微粒子ゾル
(メタノール分散、全固形分20重量%、平均粒子径5
〜15ミリミクロン、核微粒子の原子比Ti/Si=1
0、被覆部分の核部分に対する重量比0.25)200
重量部、エチルセロソルブ100重量部、滑剤としてシ
リコーン系界面活性剤0.5重量部、硬化剤としてアル
ミニウムアセチルアセトネート3重量部を混合した後、
前記加水分解溶液に加え、充分に撹拌した後、濾過を行
ってコーティング液を得た。アルカリ水溶液で前処理し
たプラスチックレンズ基板(HOYA(株)製、眼鏡用
プラスチックレンズ(商品名:TESLA)、屈折率
1.71)を、前記コーティング液の中に浸漬させ、浸
漬終了後、引き上げ速度20cm/分で引き上げたプラ
スチックレンズを120℃で2時間加熱して硬化膜を形
成した。その後、表3に記載したイオン加速電圧、照射
時間の条件で酸素(O2 )ガスを用いて、イオン銃処理
を行いハードコート層(C層とする)を形成した。次
に、ハードコートC層の上に、真空蒸着法にて、表3に
記載した第1層〜第8層からなる機能膜を形成し、プラ
スチックレンズを得た。得られたプラスチックレンズに
ついて上記(1)〜(5)を評価し、それらの結果を表
3に示した。尚、表中、λは照射光の波長で、λ=50
0nm、Tは視感透過率での透過率を示す。
法にて、表7に記載した第1層〜第6層からなる機能
膜、第1層〜第8層からなる機能膜、又は表8に記載し
た第1層〜第3層からなる機能膜を形成し、プラスチッ
クレンズを得た。得られたプラスチックレンズについて
上記(1)〜(5)を評価し、それらの結果を表7及び
表8に示した。尚、表中、λは照射光の波長で、λ=5
00nm、Tは視感透過率での透過率を示す。
のプラスチックレンズは、裏面反射率が1.3〜2.0
%と極めて小さく、さらに、耐熱性、耐擦傷性、耐熱
性、耐アルカリ性も良好であった。これに対し、表7及
び表8に示したように、比較例1〜8のプラスチックレ
ンズは、裏面反射率が10〜37%と非常に高かった。
ラスチック製ミラーコートレンズは、表面(凸面)のミ
ラー面の反射率が高く、裏面(凹面)の反射率は極めて
低く抑えられ反射防止効果が高い。また、本発明のレン
ズは耐熱性、耐擦傷性、耐熱性、耐アルカリ性も高いた
め、実用に十分な性能を有しており、ミラー効果のファ
ッション性と、裏面反射を抑えた光学特性を併せ持つこ
とから、眼鏡用レンズに適している。
Claims (6)
- 【請求項1】 レンズ用プラスチック基板の凸面に機能
膜が設けられ、凸面が反射増加効果を有し、凹面が反射
防止効果を有するレンズであって、該機能膜が該プラス
チック基板の表面から順に第1層〜第6層が積層された
膜であり、第1層が、Ta2 O5 、ZrO2 、Y
2 O3 、TiO2 、Nb2 O5 及びAl2O3 の中から
選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物からなり、膜厚
が0.01〜0.25λ(λは照射光の波長で、λ=4
50〜550nm)の高屈折率層、第2層が、SiO2
からなり、膜厚が0.01〜0.25λ(λ=450〜
550nm)の低屈折率層、第3層が、Cr、Ta、N
b、Ti及びZrの中から選ばれる少なくとも一種類の
金属からなり、透過率(λ=450〜550nm)が9
0〜50%の層、第4層が、Ta2 O5 、ZrO2 、Y
2 O3 、TiO2 、Nb2 O5 及びAl2O3 の中から
選ばれる少なくとも一種類の金属酸化物からなり、膜厚
が0.01〜0.50λ(λ=450〜550nm)の
高屈折率層、第5層が、Cr、Ta、Nb、Ti及びZ
rの中から選ばれる少なくとも一種類の金属からなり、
透過率(λ=450〜550nm)が50〜10%の
層、第6層が、SiO2 からなり、膜厚が0.01〜
0.50λ(λ=450〜550nm)の低屈折率層で
あることを特徴とするプラスチック製ミラーコートレン
ズ。 - 【請求項2】 請求項1に記載のプラスチック製ミラー
コートレンズにおいて、前記機能膜が、第6層の上に、
さらに第7層及び第8層がこの順に積層された膜であ
り、第7層が、Ta2 O5 、ZrO2 、Y2 O3 、Ti
O2 、Nb2 O5 及びAl2O3 の中から選ばれる少な
くとも一種類の金属酸化物からなり、膜厚が0.01〜
0.50λ(λは照射光の波長で、λ=450〜550
nm)の高屈折率層、第8層が、SiO2 からなり、膜
厚が0.05〜1.0λ(λ=450〜550nm)の
低屈折率層であることを特徴とするプラスチック製ミラ
ーコートレンズ。 - 【請求項3】 第1層及び第4層の金属酸化物がTa2
O5 であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチ
ック製ミラーコートレンズ。 - 【請求項4】 第1層、第4層及び第7層の金属酸化物
がTa2 O5 であることを特徴とする請求項2に記載の
プラスチック製ミラーコートレンズ。 - 【請求項5】 前記プラスチック基板と前記機能膜との
間に、プラスチックレンズの耐擦傷性を向上させるハ−
ドコ−ト層を設けたことを特徴とする請求項1〜4のい
ずれかに記載のプラスチック製ミラーコートレンズ。 - 【請求項6】 前記プラスチック基板と前記ハ−ドコ−
ト層との間に耐衝撃性及び密着性を向上させるプライマ
−層を設けたことを特徴とする請求項5に記載のプラス
チック製ミラーコートレンズ。
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JP2001290112A (ja) | 2001-10-19 |
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