JP3445769B2 - 位置決め装置および位置決め方法 - Google Patents

位置決め装置および位置決め方法

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JP3445769B2 JP2000049907A JP2000049907A JP3445769B2 JP 3445769 B2 JP3445769 B2 JP 3445769B2 JP 2000049907 A JP2000049907 A JP 2000049907A JP 2000049907 A JP2000049907 A JP 2000049907A JP 3445769 B2 JP3445769 B2 JP 3445769B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位置決め装置およ
び位置決め方法に関し、特に、顕微鏡下の細胞の位置決
めに使用して好適な位置決め装置および位置決め方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、哺乳動物の生命工学の研究、また
家畜の品種改良等を目的とした顕微鏡下での卵細胞の核
移植等には、マイクロマニピュレータと呼ばれる装置が
用いられている。同マイクロマニピュレータにおいて
は、通常、作業者の手の動きを油圧等によって縮小して
ホールディングピペットやインジェクションピペット等
を駆動している。
【0003】例えば、所定の細胞に核移植を行う際に
は、予めシャーレ中に被移植細胞と核とを有するメディ
ウムドロップを用意し、このシャーレ中の被移植細胞を
顕微鏡視野下でホールディングピペットで吸引する。そ
して、被移植細胞にインジェクションピペットを挿入し
て核を抜き取り、さらに、上記シャーレ中の核をインジ
ェクションピペットで吸引し、再びインジェクションピ
ペットの先を上記被移植細胞に挿入して同核を被移植細
胞に注入する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の位置決
め装置および位置決め方法においては、次のような課題
があった。すなわち、上述のホールディングピペットや
インジェクションピペットは作業者の手の動きを縮小し
たものであるが、細胞のように小さいものを扱いつつ上
記繊細な作業を行うには非常に熟練した作業が必要であ
る。特に、インジェクションピペットで核を抜き取るな
どのために被移植細胞を所定の向きに位置決めする必要
があり、ホールディングピペットで被移植細胞を吸引し
つつ同被移植細胞をインジェクションピペットでこすっ
て回転させる作業は非常に繊細かつ困難である。本発明
は、上記課題にかんがみてなされたもので、作業者の手
作業に頼ることなく自動で対象物の位置決めを行うこと
が可能な位置決め装置および位置決め方法の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、対向する2面の平板電極
とこれらの平板電極に対して互いに絶縁されつつ平板電
極が略直角に連結されることによりこれらの平板電極が
略同一平面上に配設されたコの字状を形成し、上記略直
角に連結された平板電極の下面にて当該平板電極を回転
可能に支持する回転軸が取り付けられており、これらの
平板電極が配設された平面内の位置決め対象物に対して
作用する電場を発生させる電場発生手段と、同電場発生
手段による発生電場を制御して上記位置決め対象物に回
転電場を作用させ、上記回転軸を回転させることによっ
て回転電場の回転面を変更しつつ上記位置決め対象物を
回転させる発生電場制御手段とを具備する構成としてあ
る。
【0006】また、請求項2にかかる発明は、所定の作
業領域の壁面に4個の電極を配設するに当たり、対向さ
れる一対の電極とその配設面に隣接する一面に配設され
た第3の電極によって略同一平面上に3電極を配設し、
これら3電極に隣接する一面においてホールディングピ
ペットの挿入経路を避けるようにして第4の電極を配設
し、上記一対の電極および第3の電極に交わる平面内と
上記第3の電極と第4の電極とに交わる平面内の位置決
め対象物に対して作用する電場を発生させる電場発生手
段と、同電場発生手段による発生電場を制御して上記位
置決め対象物に回転電場を作用させ、上記上記一対の電
極および第3の電極に交わる平面内と上記第3の電極と
第4の電極とに交わる平面内で位置決め対象物を回転さ
せる発生電場制御手段とを具備する構成としてある。
【0007】上記のように構成した請求項1および請求
項2にかかる発明においては、電場を作用させることに
よって位置決め対象物を変位させ、同対象物の位置決め
を実行するようになっている。このため、電場発生手段
では位置決め対象物に対して作用する電場を発生させ、
発生電場制御手段では同電場発生手段による発生電場を
制御して上記位置決め対象物を変位させるようになって
いる。すなわち、帯電している位置決め対象物に対して
変位する電場を作用させると、当該電場の変位に応じて
位置決め対象物が変位する。従って、位置決め対象物に
対して作業者の手の動きに応じた機器を接触させる必要
はなく、また、作業者の手による繊細な作業を全く行う
ことなく位置決め対象物を変位させることができる。マ
イクロマニピュレータにて扱う細胞など、生体の位置決
めに本発明を適用すると、インジェクションピペットで
同細胞をこする等の作業を行う必要がなくなる。
【0008】ここで、電場発生手段においては位置決め
対象物に対して作用する電場を発生させることができれ
ばよく、上記電場発生手段は、上記位置決め対象物の近
隣に配設した複数の電極を具備する構成としてある。こ
れらの電極は上記位置決め対象物の近隣に配設される。
【0009】すなわち、電極に所定の電圧を印加すると
簡単に電場を発生させることが可能であり、例えば、所
定の基板に蒸着させた電極に所定の電圧を印加すること
が考えられる。むろん、蒸着によって形成した電極は簡
単に構成可能であって好適であるが、電場を発生させる
ためにはかかる構成に限る必要もなく、対向する平板電
極や線状電極等他の種々の態様を採用することができ
る。さらに、かかる電極においては所定の電場を発生さ
せることができればよく、当該電場の制御は電圧によっ
て行うため、電極自体の製作に高い精度は要求されな
い。
【0010】このように複数の電極によると容易に位置
決め対象物の変位を行わせることができ、好適な変位を
行わせるため構成として、所定の複数の電極は略同一平
面上に配設される構成としてある。このため、上記位置
決め対象物が当該平面と略同一面上にあるときに同位置
決め対象物を当該平面内で変位させることができる。こ
こで、上述のように所定の基板内に所定の電極を蒸着さ
せるときにはむろん当該電極が略同一平面内に配設され
るといえるし、平板電極を対向させるに際して当該平板
が所定の平面に直交しているとしても、複数の平板電極
が当該平面内にあればかかる平板電極は略同一平面内に
配設されると言える。
【0011】また、略同一平面上に配設されるとともに
位置決め対象物の近隣に配設した複数の電極によって当
該位置決め対象物に対して作用する電場を発生させる電
場発生手段と、操作用入力機器によって入力された上記
位置決め対象物の回転方向および回転角度に応じて上記
電場発生手段による発生電場を制御して上記位置決め対
象物を変位させる発生電場制御手段と、操作用入力機器
を介して駆動可能なホールディングピペットおよびイン
ジェクションピペットと、位置決め対象物周辺の映像デ
ータを入力するCCDと、当該入力された映像データに
よって位置決め対象物周辺の映像を表示するディスプレ
イとを具備し、上記CCDの撮像領域は、上記ホールデ
ィングピペットおよびインジェクションピペットの先端
が配設される領域であるとともに上記電極が配設される
領域であり、上記操作用入力機器の操作によってこの領
域でホールディングピペットにて位置決め対象物である
細胞を固定しインジェクションピペットにて核移植作業
を実行可能であるとともに、上記電極に電圧を印加して
電場を変位させることによって当該細胞を変位させるこ
とが可能である構成としてもよい。すなわち、利用者が
作業領域の撮像画像を視認しながら核移植と回転を行う
ことができる。
【0012】さらに、変位の自由度を増すために好適な
一例として、上記電極は上記平面と交わる他の平面上に
配設される構成としてもよい。かかる発明においては上
記電極が上記平面と交わる他の平面上に配設されている
ので、位置決め対象物を上記平面と当該他の平面との両
平面内で変位させることが可能であり、自由度が増す。
例えば、本請求項にかかる平面と上記請求項にかかる平
面とが略直角であれば直交系において変位させることが
可能になり、効率的に位置変位制御を行うことができ
る。
【0013】以上のように電場によって位置決め対象物
を変位させるには、同位置決め対象物上に当該電場が作
用する電荷が存在すればよい。そこで、位置決め対象物
を変位させる構成の一例として、請求項3にかかる発明
は、請求項1または請求項2のいずれかに記載の位置決
め装置において、上記発生電場制御手段は、上記電場発
生手段において上記位置決め対象物を分極させる電場を
発生可能である構成としてある。
【0014】上記のように構成した請求項3にかかる発
明においては、電場発生手段によって発生した電場によ
って上記位置決め対象物を分極させる。従って、当該位
置決め対象物に電場が作用すると、分極電荷が当該電場
と相互作用をして位置決め対象物が変位可能になる。こ
のように、位置決め対象物に分極を行わせるためには当
該位置決め対象物はいわゆる誘電体であると好適であ
る。一般に細胞膜は高誘電率,高抵抗であり外部電場に
よって容易に細胞表面が分極するので、細胞は本発明に
おける位置決め対象物として好適である。
【0015】さらに、位置決め対象物を変位させるため
に発生させる電場の好適な一例として、請求項4にかか
る発明は、請求項3に記載の位置決め装置において、上
記発生電場制御手段は、上記電場発生手段において回転
電場を発生させるように制御可能である構成としてあ
る。上記のように構成した請求項4にかかる発明におい
ては、電場発生手段によって回転電場を発生させる。
【0016】すなわち、電場が回転すると所定の電荷に
は当該電場の回転に応じた回転力が発生し、位置決め対
象物が回転するように変位させることができる。上述の
ように位置決め対象物が分極している場合には、当該分
極ベクトルを回転させる力が作用し、同位置決め対象物
に所定のトルクが発生する。むろん、この場合電場は位
置決め対象物を分極させる働きをしているものであった
が、回転電場の変化速度を十分早くして、分極電荷を外
部電場に対して位相遅れにさせることによって所定の回
転を行わせることが可能になる。
【0017】従って、回転電場を作用させる時間を制御
することによって回転角度を制御することができ、作業
者の手の動きに全く依存することなく回転角度を制御す
ることができる。さらに、上述のように電極を二つの平
面上に配設する場合には位置決め対象物に二つの回転自
由度を与えることになり、同位置決め対象物を任意の方
向に向けることができる。
【0018】このように電極に所定の電圧を印加して回
転電場を発生させるための具体例として、請求項5にか
かる発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の位
置決め装置において、上記発生電場制御手段は、上記複
数の電極による各発生電場の合成電場が回転電場になる
ように、各電極に所定の位相ずれを持たせた電圧を印加
する構成としてある。上記のように構成した請求項5に
かかる発明においては、発生電場制御手段によって各電
極に所定の位相ずれを与えた電圧を印加するが、この位
相ずれは各電極の位置関係に基づいて各発生電場の合成
電場が回転電場になるように決定される。
【0019】すなわち、発生電場制御手段においては、
複数の電極にて発生される電場の合成電場を回転させる
ことができればよく、例えば、一平面内に位置決め対象
物を中心にして90°回転させた位置に4つの電極を配
設する場合、各電極において位相は90°ずつずらせば
よい。むろん、略120°回転させた位置に3つの電極
を配設する場合には各電極において位相を120°ずつ
ずらせばよく、電極の数等の態様は様々であるが、いず
れにしても電極に位相をずらした電圧を印加するのみで
簡単に回転電場を発生させることができる。また、位相
のずれを進めるか遅らせるかによって回転方向を変化さ
せることも容易である。
【0020】さらに、以上のように電場を利用して位置
決め対象物たる細胞を変位させる場合に好適な構成の一
例として、請求項6にかかる発明は、請求項1〜請求項
5のいずれかに記載の位置決め装置において、上記発生
電場制御手段は、振動電場を発生させることが可能であ
る構成としてある。上記のように構成した請求項6にか
かる発明においては、発生電場制御手段によって振動電
場を発生させることが可能である。従って、核移植を行
った細胞の細胞融合を実行する場合などに、当該移植後
の細胞を細胞融合装置に移動させることなく細胞融合の
ための振動電場を印加することが可能になり、作業者の
作業負担が低減される。
【0021】位置決め対象物を回転変位させ、かかる回
転変位を精度良く制御するためには、作用させる外部電
場を取り除いたとき、当該位置決め対象物が即座に停止
すると好適である。そのための好適な一例として、請求
項7にかかる発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに
記載の位置決め装置において、上記位置決め対象物の周
囲は、同位置決め対象物に発生する慣性力に抗して変位
を停止させる粘性を有する媒質に覆われている構成とし
てある。
【0022】上記のように構成した請求項7にかかる発
明においては、位置決め対象物の周囲は媒質に覆われて
いる。また、この媒質は位置決め対象物に発生する慣性
力に抗して変位を停止させる粘性を有するものである。
すなわち、上記外部電場を取り除いた瞬間においては位
置決め対象物は慣性を有しており、粘性が低い媒質中で
あれば位置決め対象物は慣性力によってある程度回転し
てしまう。そこで、かかる慣性力に抗して変位を停止さ
せる粘性を有する物質で媒質を構成すれば、外部電場を
取り除くとともに位置決め対象物を停止することがで
き、精度良く回転変位を制御することができる。
【0023】位置決め対象物に回転変位を生じさせるに
当たっては、当該位置決め対象物に平行移動変位が生じ
ると不都合である場合も多い。そこで、かかる場合には
位置決め対象物を所定位置にトラップして回転力を与え
ると好適である。この場合、例えば、位置決め対象物に
負の誘電詠動力を作用させ、電場が小さい領域に位置決
め対象物をトラップすること等が考えられる。
【0024】さらに、所定の媒質中において電極に電圧
を印加すると、同媒質が電気分解してしまう可能性が考
えられる。そこで、かかる電気分解を防ぐのに好適な一
例として、請求項8にかかる発明は、請求項7に記載の
位置決め装置において、上記発生電場制御手段は、上記
電極に対して媒質が電気分解しない程度の高周波交流電
圧を印加する構成としてある。従って、媒質を電気分解
させることなく位置決め対象物に所定の回転を行わせる
ことが可能である。
【0025】上述のように位置決め対象物に電場を作用
させ、当該位置決め対象物を変位させる手法は、必ずし
も装置に限られない。その例として、請求項9,請求項
10にかかる発明のように、それぞれ請求項1,請求項
2に対応した方法も実現可能である。すなわち、必ずし
も装置という形態に限らず、その方法としても有効であ
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように請求項1,請求項
2,請求項9,請求項10にかかる発明によれば、位置
決め対象物に対して作業者の手の動きに応じた機器を接
触させる必要はなく、また、作業者の手による繊細な作
業を全く行うことなく位置決め対象物を変位させること
ができ、簡易な構成により位置決め対象物に電場を作用
させることができ、位置決め対象物を平面内で変位させ
ることができる。
【0027】さらに、請求項3にかかる発明によれば、
細胞等の誘電体を位置決め対象物とすることができる。
さらに、請求項4にかかる発明によれば、簡単に位置決
め対象物を回転させることができる。さらに、請求項5
にかかる発明によれば、簡単に回転電場を発生させるこ
とができる。
【0028】さらに、請求項6にかかる発明によれば、
位置決め対象物たる細胞を細胞融合装置移動させる作業
を行う必要がない。さらに、請求項7にかかる発明によ
れば、精度良く回転変位を制御することができる。さら
に、請求項8にかかる発明によれば、媒質の電気分解を
防ぐことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態にかか
る位置決め装置を使用したマイクロマニピュレータの概
略ハードウェア構成を示しており、図2はその要部構成
をブロック図によって示している。図において、本マイ
クロマニピュレータは装置全体の制御を司るコンピュー
タ10と作業者に細胞周辺の映像を提供するディスプレ
イ20と作業者の入力を受け付ける入力装置群30と核
移植等の作業を行う作業部40とを備えている。
【0030】コンピュータ10は演算処理の中枢をなす
CPU11を備えており、このCPU11はシステムバ
ス12を介してBIOSなどの記載されたROM13や
RAM14にアクセス可能となっている。また、システ
ムバス12には外部記憶装置として図示しないハードデ
ィスクドライブやフロッピーディスクドライブ等が接続
されている。本実施形態においてはハードディスクドラ
イブに記憶されたOSおよびマイクロマニピュレートプ
ログラム等がRAM14に転送され、CPU11はRO
M13とRAM14に適宜アクセスしてプログラムを実
行する。すなわち、RAM14を一時的なワークエリア
として種々のプログラムを実行する。
【0031】シリアル通信用I/O15にはキーボード
31やマウス32,スティック33等の操作用入力機器
が接続され、後述するホールディングピペット42およ
びインジェクションピペット44を駆動し、細胞を回転
させる方向および回転角度を入力するようになってい
る。また、システムバス12には、図示しないビデオボ
ードを介して表示用のディスプレイ20および細胞周辺
の映像データを入力するCCD46が接続されている。
【0032】同CCD46は所定のレンズからなる光学
系46aに接続されており、同光学系46aに対して作
業部40におけるシャーレ47中の細胞の映像が入力さ
れることにより同映像がCCD46によりデータ化され
てコンピュータ10に入力される。CCD46からの入
力映像データはCPU11の処理によって所定の映像と
してディスプレイ20に表示される。かかるCCD46
における撮像領域は、作業部40において核移植等所定
の作業を行う作業領域であり、ホールディングピペット
42およびインジェクションピペット44の先端が配設
される領域であるとともに電極48a〜dが配設される
領域である。
【0033】すなわち、本マイクロマニピュレータの作
業部40においては、媒質と細胞とが入れられたシャー
レ47が図示しない接眼レンズ等を備えた顕微鏡のステ
ージに載置され、当該シャーレ47中の所定領域を撮像
領域および作業領域として核移植等がなされる。そし
て、作業領域は図示しない照明系に照らされつつ上記C
CD46によって撮像され、この状態において電極48
a〜dによって発生する所定の電場が位置決め対象物た
る細胞に作用し、当該細胞に回転変位が与えられる。ま
た、ホールディングピペット42とインジェクションピ
ペット44にて細胞に対して核移植等がなされる。
【0034】図3は電極48a〜d,ホールディングピ
ペット42およびインジェクションピペット44の位置
関係を示す概略図である。電極48a〜dはガラス基板
上にアルミを蒸着し、その後エッチング処理をすること
によって作成されたものであり、各電極の中央部を作業
領域とし、電極48aと48c,電極48bと48dが
それぞれ対向している。また、この電極配設平面に対し
て略直角方向は上記光学系46aの光学経路になってお
り、当該経路に図示しない照明系と光学系46aが対向
して配設される。
【0035】ホールディングピペット42とインジェク
ションピペット44とは、上記電極48a〜dが囲む領
域の略中央にその先端が向けられており、シャーレ47
中の細胞はホールディングピペット42にて固定可能で
あり、インジェクションピペット44にて核移植等の作
業を実行することが可能である。これらのピペットを駆
動し、また、細胞を回転させるためにシステムバス12
には図示しないインタフェースボードを介してホールデ
ィングピペットコントローラ41とインジェクションピ
ペットコントローラ43と電圧コントローラ45とが接
続されている。
【0036】より具体的には、ホールディングピペット
コントローラ41は同ホールディングピペット42を所
定方向に進退させる駆動制御部41aとその内圧を制御
して細胞を吸着/脱着させる圧力制御部41bとを備え
ている。駆動制御部41aは上記システムバス12を介
してCPU11からの制御信号を受信し、所定の駆動機
構によってホールディングピペット42を作業位置に対
して進退させる。
【0037】圧力制御部41bは上記システムバス12
を介してCPU11からの制御信号を受信し、略筒状で
あるホールディングピペット42の内圧を変化させる。
また、CPU11は入力装置群30からの指示に応じて
上記駆動制御部41a,圧力制御部41bに対して制御
信号を出力するようになっている。従って、作業者が入
力装置群30を介して所定の入力を行うことによってホ
ールディングピペット42を操ることが可能であり、細
胞にホールディングピペット42を近づけて同細胞を吸
着固定し、脱着解放させることができる。
【0038】インジェクションピペットコントローラ4
3はインジェクションピペット44を所定方向に進退さ
せる駆動制御部43aとその内圧を制御して核等を吸入
/噴出させる圧力制御部43bとインジェクションピペ
ット44を急激に移動させるための圧電素子制御部43
cとを備えている。駆動制御部43aは上記システムバ
ス12を介してCPU11からの制御信号を受信し、所
定の駆動機構によってインジェクションピペット44を
作業位置に対して進退させる。
【0039】圧力制御部43bは上記システムバス12
を介してCPU11からの制御信号を受信し、略筒状で
あるインジェクションピペット44の内圧を変化させ
る。圧電素子制御部43cは圧電素子に所定の電圧を印
加させることが可能であり、同圧電素子はその伸縮によ
ってインジェクションピペット44を所定方向に急激に
移動させることができる。
【0040】また、CPU11は入力装置群30からの
指示に応じて上記駆動制御部43a,圧力制御部43
b,圧電素子制御部43cに対して制御信号を出力する
ようになっている。従って、作業者が入力装置群30を
介して所定の入力を行うことによってインジェクション
ピペット44を操ることが可能であり、媒質中の核等を
吸入し、圧電素子による急激な移動により当該インジェ
クションピペット44の先を細胞に確実に差し込ませて
核を移植すること等が可能である。
【0041】電圧コントローラ45は複数の電極48a
〜dに接続されており、各電極48a〜dに所定の電圧
を印加するようになっている。図4は同電圧コントロー
ラ45の概略ブロック図であり、同図において、電圧コ
ントローラ45は制御部45aと発信器45bとアンプ
とを有している。制御部45aは上記システムバス12
を介してCPU11からの制御信号を受信し、発信器4
5bを制御して所定の高周波交流電圧を発生可能であ
る。また、電極48a〜dに電圧が印加された状態でこ
れらの電極48a〜dの略中央に細胞が存在すると、当
該細胞は電極48a〜dが発生する電場によって分極す
るようになっており、細胞が分極した状態で電場が変位
することによって当該細胞が変位する。
【0042】さらに、制御部45aは上記CPU11か
らの制御指示に応じて発信器45bにおける高周波交流
電圧に所定の位相差を与えて複数の電圧を出力させるこ
とができる。同図において、各電極48a〜dはこれら
の電極48a〜dが囲む領域の略中央の細胞50から見
てその配設面内において略90°ずつの角度をもって離
間されている。
【0043】従って、発信器45bが出力する電圧の位
相も90°ずつずれるように制御され、例えば、電極4
8aに入力される電圧を基準としたときに、48bには
「+90°」,48cには「+180°」,48dには
「+270°」の位相のずれを生じるようになってい
る。むろん、かかる位相のずれを「+」でなく「−」に
すれば細胞50は逆転する。そこで、CPU11は上述
の入力装置群30にて入力される細胞50の回転方向に
応じて所定の制御信号を出力するようになっており、同
所定の制御信号に応じて制御部45aが位相ずれを制御
することによって回転方向を制御するようになってい
る。
【0044】さらに、上記媒質は所定の粘性を持ってお
り、細胞50に回転力がかかっておらず慣性を有してい
るのみの状態では、即座に当該細胞50の回転が停止す
るようになっている。従って、電極48a〜dに電圧を
印加している時間と細胞50の回転角度とは略比例す
る。また、上述のように作業者は入力装置群30によっ
て回転角度を入力するようになっている。そこで、CP
U11は当該回転角度に応じた制御信号を出力し、制御
部45aは同所定の制御信号に応じて発信器による電圧
の出力時間を制御する。この結果、細胞50の回転角度
が制御される。このように、本実施形態においてはCP
U11および制御部45aが上記発生電場制御手段を構
成し、発信器45bおよび電極48a〜dが上記電場発
生手段を構成する。
【0045】図5は各電極48a〜dに印加される電圧
の一例を示しており、図6は当該パターンの電圧によっ
て発生する電場の方向を示している。尚、図6における
電場の向きは図5における電極配置に対応させてあり、
電圧の一周期をTとしてある。電極48aには図5に示
すような時刻「0」において値が「0」である所定の正
弦波が印加され、電極48bには「90°」,電極48
cには「180°」,電極48dには「270°」の位
相のずれが与えられて正弦波電圧が印加されている。
【0046】すなわち、同図に示すように電極48aと
電極48cとでは電圧の正負が逆であり、電極48bと
電極48dとでは電圧の正負が逆である。従って、電極
48aと電極48cが生成する電場はその向きと大きさ
とが略同一である。かかる事情を考慮して、図6では電
極48aおよび電極48bが生成する電場の方向と各電
極の合成電場の方向とを示している。
【0047】電極48aに印加される電圧は、最初の1
/4周期で徐々に大きくなり、次の1/4周期で徐々に
小さくなって再び「0」になり、次の1/4周期で負の
値となって徐々に小さくなり、最後の1/4周期で徐々
に大きくなって再び「0」になる。さらに、電極48a
においては正の電圧で図5における下向きの電場を生成
し、負の電圧で図5における上向きの電場を生成する。
従って、上記印加電圧の一周期にて時間の経過とともに
下向きの電場が徐々に大きくなり、最大値を経てやがて
徐々に小さくなって「0」になり、さらに上向きの電場
が徐々に大きくなり、最大値を経てやがて徐々に小さく
なって「0」になる。
【0048】電極48bにおいても同様の原理によっ
て、時刻「0」において最大である右向きの電場が時間
の経過とともに徐々に小さくなって「0」になり、さら
に左向きの電場が徐々に大きくなり、最大値を経て徐々
に小さくなって「0」になり、再び右向きの電場が徐々
に大きくなる。従って、これらの電場を合成すると、図
6に示すEtotになり、その向きは時間の経過ととも
に時計回りに回転する。すなわち、各電極48a〜dに
所定の電圧が印加されることによって各電極48a〜d
の中央には回転電場が発生する。
【0049】図7は分極した状態の細胞50を示してお
り、当該分極状態では細胞50に分極ベクトルpが発生
していると考えられ、この細胞50に上記回転電場が作
用することによって分極電荷との相互作用を起こし、細
胞50が時計回りに回転することになる。
【0050】以下上記構成において核移植作業を行う際
の本マイクロマニピューレータの動作を説明する。核移
植を行う際に作業者は予めシャーレ47に未受精卵およ
び核を有する媒質を用意し、そのシャーレを顕微鏡ステ
ージに載置する。この状態で上記CCD46を駆動して
ディスプレイ20を確認すると何らかの映像が視認され
るので、顕微鏡ステージを手動で操作して卵細胞を探
し、ディスプレイ20の視野の中に同卵細胞が含まれる
ようにする。
【0051】同卵細胞が視野に含まれたらCCDの焦点
を合わせ、卵細胞の核位置を確認する。ここで、作業者
はディスプレイ20の映像およびホールディングピペッ
ト42とインジェクションピペット44との位置関係に
基づいて、インジェクションピペット44にて除核を行
うために、卵細胞をどの程度回転させる必要があるのか
を推測する。そして、上記キーボード31等を使用して
回転角を入力すると、上記CPU11が電圧コントロー
ラ45に所定の制御信号を出力し、電圧コントローラ4
5は発信器45bに所定の電圧を出力させて、各電極4
8a〜dにおいて所定の回転電場を発生させる。
【0052】この結果、細胞50は作業者の入力角度に
応じた回転を行うので、作業者はさらに回転後の位置を
ディスプレイ20にて確認しつつ所望の位置決めを行
う。細胞が所望の位置になったら、作業者は上記スティ
ック33等を操作する。同操作によるとCPU11はホ
ールディングピペットコントローラ41に所定の制御信
号を出力し、作業者の操作に応じてホールディングピペ
ット42を卵細胞に対して進退させ、吸引力を発生可能
になるので、作業者は卵細胞をホールディングピペット
42の先端に吸着固定する。
【0053】このホールディングピペット42に固定さ
れている卵細胞は上述の回転によって核が抜き取りやす
い位置になるように回転されているので、作業者はさら
にインジェクションピペット44を操作する。同操作に
よるとCPU11はインジェクションピペットコントロ
ーラ43に所定の制御信号を出力し、作業者の操作に応
じてインジェクションピペット44を卵細胞に対して進
退させ、先端を卵細胞に挿入させ、核を吸入可能になる
ので、作業者はインジェクションピペット44にて卵細
胞の核を取り除く。
【0054】卵細胞の核を吸入したら同核をインジェク
ションピペット44内に保持しつつ同インジェクション
ピペット44を卵細胞から抜き取り、インジェクション
ピペット44内を正圧にして同核を卵細胞外へ放出す
る。次に、作業者は除核された卵細胞に新たな核を移植
する作業を行うため、ホールディングピペット42,イ
ンジェクションピペット44および卵細胞の位置はその
ままでシャーレを移動させ、ディスプレイ20の視野の
中に移植する核を入れる。
【0055】そして、上記と同様に移植する核をインジ
ェクションピペット44内に吸い取り、上記核を抜き取
った際に作った卵細胞の傷口を利用して再度インジェク
ションピペット44を卵細胞に挿入し、インジェクショ
ンピペット44内を正圧にして、核を卵細胞に注入す
る。ホールディングピペット42内を正圧にして核移植
された卵細胞を解放すると当該卵細胞内には移植核が含
まれた状態である。
【0056】また、通常は一度に複数個の卵細胞の核移
植を実行するので、さらに、シャーレ47を移動させ、
上記核移植作業を複数の卵細胞に対して行う。ここで、
核移植に当たっては通常細胞融合を行う必要があるの
で、作業者は上記キーボード31等によって所定の指示
を行い、CPU11が電圧コントローラ45を制御する
ことによって電極48a〜dに所定のパルス電圧を印加
する。この結果、細胞融合がなされ、核移植が終了す
る。
【0057】以上述べてきた実施形態においては、電極
48a〜dはガラス基板面上に配設されており、当該基
板面上で細胞を回転可能にしつつも上記ホールディング
ピペット42,インジェクションピペット44および光
学系46aの光学経路を簡単に確保できて好適である。
しかし、細胞の位置決めをするためには必ずしもかかる
構成にする必要はない。すなわち、電極数を4つに限る
必要はないし、電極の形状も基板面に対して蒸着された
ものに限る必要はない。
【0058】図8は第二の実施形態にかかるマイクロマ
ニピュレータに使用される位置決め装置の要部を示して
いる。同図において、電極480a〜cは平板電極であ
り、電極480a,480cが対向し、これら電極48
0a,cと電極480bとは互いに絶縁されつつ略直角
に連結され、電極480a〜cでコの字状の電極を形成
している。また、電極480bの下面には回転軸481
が連結されており、電極480a〜cを電極480bの
平面内で回転可能に構成される。
【0059】また、これらの電極480a〜cには上述
の実施形態のように電圧コントローラが連結され、それ
ぞれに対して所定の位相差を与えつつ所定の電圧が印加
される。この結果、図8(a)に示す平面P1内に所定
の回転電場を発生させることが可能になり、当該回転電
場によって細胞500を平面P1内で回転させることが
できる。さらに、上述の回転軸481を回転させると、
図8(b)に示すように平面P2内で細胞を回転させる
ことが可能になる。
【0060】また、回転軸481の回転によって上記平
面P1,P2のみならず、電極480bに略直交する任
意の平面内で細胞500を回転させることが可能であ
る。従って、非常に高い自由度で細胞500の回転位置
決めを実行することができる。また、電極480a〜4
80cは同図8(a)においては平面P1上に配設され
ており、図8(b)においては平面P2上に配設されて
いると言える。従って、この意味において、回転軸48
1は電極480bに略直交する任意の平面内に電極48
0a〜cを配設していると言える。
【0061】さらに、図9は第三の実施形態にかかるマ
イクロマニピュレータに使用される位置決め装置の要部
を示している。同図において、電極481a〜dは所定
の作業領域の壁面に配設されており、電極481a,c
が対向され、両電極481a,cと隣接する一面に電極
481bおよび電極481dが配設されている。また、
電極481dはホールディングピペット420の挿入経
路を避けるようにして配設されている。本実施形態にお
いては、印加電圧の位相ずれによって電極481a,4
81b,481cの全てが交わる平面に所定の回転電場
を発生可能であり、当該平面に略平行な平面内で細胞5
01を回転させることができる。さらに、電極481
b,481dの双方と交わる平面においても所定の回転
電場を発生可能であり、当該平面に略平行な平面内で細
胞501を回転させることができる。
【0062】さらに、図10は第四の実施形態にかかる
マイクロマニピュレータに使用される位置決め装置の要
部を示している。同図において、電極482a〜hは平
面状電極であり、電極482a,482b,482e,
482fが略同一平面上に配設されるとともに電極48
2c,482d,482g,482hが略同一平面上に
配設されている。さらに、電極482a,482b,4
82c,482dの組および電極482e,482f,
482g,482hの組もそれぞれ略同一平面上に配設
されている。かかる電極配置によれば、電極482a,
482b,482e,482fの中央においてこれらの
電極の配設平面略直角方向に障害物が存在せず、顕微鏡
の光学経路を確保しつつも細胞502を三次元的に変位
させることができる。
【0063】例えば、電極482a,482b,482
c,482dにそれぞれ「90°」ずつ位相ずれを与え
た電圧を印加し、電極482e,482f,482g,
482hにそれぞれ「90°」ずつ位相ずれを与えた電
圧を印加すると、同図点線で示す方向に細胞502を回
転させることができる。むろん、電極482a,482
b,482c,482dのみに電圧を印加することによ
ってこれらの電極の全てが交わる平面上等で細胞502
を回転させること等も可能である。さらに、電極482
c,482g,482d,482hに「90°」ずつ位
相ずれを与えた電圧を印加することによってこれらの電
極が配設される平面に略平行方向に細胞502を回転さ
せることもできる。また、電極の数や印加電圧の位相,
強度等も同図の例に限ることなく種々の態様を採用可能
であり、三枚の電極を中心から見て「120°」の位置
関係に配設し、「120°」の位相差を与えて回転させ
ることなども可能である。
【0064】このように、本発明においては、位置決め
対象物に対して電場を作用させ、当該電場によって対象
物を変位させる。従って、卵細胞の核除去作業等を行う
に当たり、ホールディングピペットとインジェクション
ピペットとを全く使用することなく卵細胞の回転角度の
位置決めを行うことができる。さらに、発生電場にて所
定の振動電場を発生させることによって、作業後の細胞
を細胞融合装置に移すことなく細胞融合させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる位置決め装置を使
用したマイクロマニピュレータの概略ハードウェア構成
図である。
【図2】マイクロマニピュレータの要部構成ブロック図
である。
【図3】電極,ホールディングピペットおよびインジェ
クションピペットの位置関係を示す概略図である。
【図4】電圧コントローラの概略ブロック図である。
【図5】電極に印加される電圧の一例を示す図である。
【図6】発生電場の方向を示す図である。
【図7】分極した状態の細胞を示す図である。
【図8】第二の実施形態にかかる電極配置を示す図であ
る。
【図9】第三の実施形態にかかる電極配置を示す図であ
る。
【図10】第四の実施形態にかかる電極配置を示す図で
ある。
【符号の説明】
10…コンピュータ 11…CPU 12…システムバス 13…ROM 14…RAM 15…シリアル通信用I/O 20…ディスプレイ 30…入力装置群 40…作業部 41…ホールディングピペットコントローラ 42…ホールディングピペット 43…インジェクションピペットコントローラ 44…インジェクションピペット 45…電圧コントローラ 46…CCD 47…シャーレ 48a〜d…電極
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G01N 1/28 G01N 1/28 J (72)発明者 塚田 修大 東京都国分寺市西元町1−1−27−204 (72)発明者 大石 勝昭 静岡県清水市七ツ新屋549−1 駿河精 機株式会社内 (72)発明者 飯田 克彦 静岡県清水市八木間町846番2号 (56)参考文献 特開 平7−31457(JP,A) 特開 平9−224528(JP,A) 特開 平6−221987(JP,A) 特表2000−501022(JP,A) 特表 平10−501454(JP,A) 特許2618973(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B81B 1/00 - 7/00 B81C 1/00 - 5/00 B25J 7/00 G01N 1/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する2面の平板電極とこれらの平板
    電極に対して互いに絶縁されつつ平板電極が略直角に連
    結されることによりこれらの平板電極が略同一平面上に
    配設されたコの字状を形成し、上記略直角に連結された
    平板電極の下面にて当該平板電極を回転可能に支持する
    回転軸が取り付けられており、これらの平板電極が配設
    された平面内の位置決め対象物に対して作用する電場を
    発生させる電場発生手段と、 同電場発生手段による発生電場を制御して上記位置決め
    対象物に回転電場を作用させ、上記回転軸を回転させる
    ことによって回転電場の回転面を変更しつつ上記位置決
    め対象物を回転させる発生電場制御手段とを具備するこ
    とを特徴とする位置決め装置。
  2. 【請求項2】 所定の作業領域の壁面に4個の電極を配
    設するに当たり、対向される一対の電極とその配設面に
    隣接する一面に配設された第3の電極によって略同一平
    面上に3電極を配設し、これら3電極に隣接する一面に
    おいてホールディングピペットの挿入経路を避けるよう
    にして第4の電極を配設し、上記一対の電極および第3
    の電極に交わる平面内と上記第3の電極と第4の電極と
    に交わる平面内の位置決め対象物に対して作用する電場
    を発生させる電場発生手段と、同電場発生手段による発
    生電場を制御して上記位置決め対象物に回転電場を作用
    させ、上記上記一対の電極および第3の電極に交わる平
    面内と上記第3の電極と第4の電極とに交わる平面内で
    位置決め対象物を回転させる発生電場制御手段とを具備
    することを特徴とする位置決め装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の位置決め装置において、 上記発生電場制御手段は、上記電場発生手段において上
    記位置決め対象物を分極させる電場を発生可能であるこ
    とを特徴とする位置決め装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項3に記載の位置決め装置にお
    いて、 上記発生電場制御手段は、上記電場発生手段において回
    転電場を発生させるように制御可能であることを特徴と
    する位置決め装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の位置決め装置において、 上記発生電場制御手段は、上記複数の電極による各発生
    電場の合成電場が回転電場になるように、各電極に所定
    の位相ずれを持たせた電圧を印加することを特徴とする
    位置決め装置。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の位置決め装置において、 上記発生電場制御手段は、振動電場を発生させることが
    可能であることを特徴とする位置決め装置。
  7. 【請求項7】 上記請求項1〜請求項6のいずれかに記
    載の位置決め装置において、 上記位置決め対象物の周囲は、同位置決め対象物に発生
    する慣性力に抗して変位を停止させる粘性を有する媒質
    に覆われていることを特徴とする位置決め装置。
  8. 【請求項8】 上記請求項7に記載の位置決め装置にお
    いて、 上記発生電場制御手段は、上記電極に対して媒質が電気
    分解しない程度の高周波交流電圧を印加することを特徴
    とする位置決め装置。
  9. 【請求項9】 位置決め対象物を回転させつつ位置決め
    する位置決め方法であって、 対向する2面の平板電極とこれらの平板電極に対して互
    いに絶縁されつつ平板電極が略直角に連結されることに
    よりこれらの平板電極が略同一平面上に配設されたコの
    字状を形成し、上記略直角に連結された平板電極の下面
    にて当該平板電極を回転可能に支持する回転軸が取り付
    けられており、これらの平板電極が配設された平面内の
    位置決め対象物に対して作用する電場を発生させる電場
    発生工程と、 同電場発生工程による発生電場を制御して上記位置決め
    対象物に回転電場を作用させ、上記回転軸を回転させる
    ことによって回転電場の回転面を変更しつつ上記位置決
    め対象物を回転させる発生電場制御工程とを具備するこ
    とを特徴とする位置決め方法。
  10. 【請求項10】 位置決め対象物を回転させつつ位置決
    めする位置決め方法であって、 所定の作業領域の壁面に4個の電極を配設するに当た
    り、対向される一対の電極とその配設面に隣接する一面
    に配設された第3の電極によって略同一平面上に3電極
    を配設し、これら3電極に隣接する一面においてホール
    ディングピペットの挿入経路を避けるようにして第4の
    電極を配設し、上記一対の電極および第3の電極に交わ
    る平面内と上記第3の電極と第4の電極とに交わる平面
    内の位置決め対象物に対して作用する電場を発生させる
    電場発生工程と、 同電場発生工程による発生電場を制御して上記位置決め
    対象物に回転電場を作用させ、上記上記一対の電極およ
    び第3の電極に交わる平面内と上記第3の電極と第4の
    電極とに交わる平面内で位置決め対象物を回転させる発
    生電場制御工程とを具備することを特徴とする位置決め
    方法。
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