JP3445656B2 - カートリッジフィルターおよびその製造方法 - Google Patents

カートリッジフィルターおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水、油、溶剤、食品等
の液体濾過用の円筒状のカートリッジフィルターおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒状のカートリッジタイプのフィルタ
ーとしては、糸巻きタイプと不織布巻きタイプに大別さ
れるが、不織布巻きタイプは高精度であるが濾過ライフ
が短く、また製造コストが嵩み高価であることから業界
においては高流量で安価な糸巻きタイプが好んで使用さ
れている。
【0003】糸巻きタイプには、濾過層に紡績糸(粗
糸)を使用したものと、マルチフィラメントを用いたも
のがある。粗糸巻きタイプは安価であり、粗糸の太さや
撚り数を変えることによって濾過精度の調整ができると
いう長所があるが、毛羽や繊維の脱落が生じるという難
点があり、近年においてはマルチフィラメント巻きタイ
プ、殊に捲縮を施したマルチフィラメント巻きタイプが
汎用されるに至っている。
【0004】また他の筒状のカートリッジフィルターと
して、例えば特開昭60−216818号公報に記載の
技術によって、メルトブロー方式で紡出された繊維ウェ
ブを繊度勾配を付けながら直接多孔性芯筒に巻き取って
形成されたカートリッジフィルターが実用されるに至っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが捲縮を施した
マルチフィラメント巻きタイプのカートリッジフィルタ
ーは、濾過層の繊維密度を均整にできるため濾過性能に
おいて、また繊維の脱落がない点においても糸巻きタイ
プよりも優れているという長所があるが、従来のこの種
のカートリッジフィルターに使用されているマルチフィ
ラメントは、機械捲縮あるいは押し込み捲縮の手段でも
って所望の捲縮を施しているためコスト高となるばかり
でなく捲縮形態が二次元であり、またマルチフィラメン
トに油剤が残り使用初期に泡立ちが生じるという不都合
が発生する。そのうえ濾過ライフを向上させると精度が
低下し、また精度を高くすると濾過ライフが短くなり、
この2つの条件を共に向上させることが著しく困難であ
り、業界において濾過ライフと精度とのバランスのよい
カートリッジフィルターが強く要望されている。
【0006】また上記メルトブロー方式によって得られ
たカートリッジフィルターは、外層から内層に向かって
繊維ウェブの繊度勾配を有し、深層濾過機能を備えると
いう利点があるが初期精度の持続性に難点があり、濾過
ライフの向上効果を発揮するには至っていない。更に、
連続的な生産は困難であるため、生産効率が悪く高価な
ものとなってしまう。
【0007】本発明は、上記した従来のマルチフィラメ
ント巻きタイプの短所を改善し、初期精度と濾過ライフ
の比が従来のカートリッジフィルターよりも著しく大き
く、したがって初期精度が同程度であるにも拘らず濾過
ライフが長いという経済的に有利なカートリッジフィル
ターおよびその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は潜在捲縮性を有
した未延伸マルチフィラメントを延伸し弛緩して三次元
の螺旋構造を持った立体捲縮を発現させ、さらに加熱収
縮処理をしてなるマルチフィラメントでもって濾過層を
形成することによって上記課題を解決した。即ち本発明
のカートリッジフィルターは、鞘成分の熱収縮率が芯成
分よりも大きい2種の熱可塑性合成樹脂を複合紡糸し
た、偏心タイプの芯鞘型複合繊維の多数からなる潜在立
体捲縮性未延伸マルチフィラメントを熱処理により安定
化させた立体捲縮を有する、単繊維繊度が2〜40デニ
ール、トータル繊度が1000〜10000デニールの
マルチフィラメントが無撚の扁平なテープ状をなして多
孔性芯筒上に巻回されて筒状の濾過層が形成され、その
濾過層における立体捲縮数が3〜50個/インチ、繊維
密度が0.15〜0.50g/cm3 であることを特徴
としているものである。
【0009】また製造方法にあっては、鞘成分の熱収縮
率が芯成分よりも大きい2種の熱可塑性合成樹脂を複合
紡糸して偏心タイプの芯鞘型複合単繊維の多数からなる
潜在立体捲縮性未延伸マルチフィラメントを紡糸し、こ
の潜在立体捲縮性未延伸マルチフィラメントを延伸し弛
緩して立体捲縮を発現させたのち加熱し収縮処理を施し
て捲縮形態を安定化し、この立体捲縮マルチフィラメン
トを、延伸倍率以下の張力でもって、その捲縮数が3〜
50個/インチの捲縮が残存する状態で伸長させながら
多孔性の円筒芯材に巻き取ることを特徴としているもの
である。
【0010】立体潜在捲縮性を有する偏心タイプの芯鞘
型複合単繊維としては、芯成分がポリプロピレンあるい
はポリプチレンテレフタレート、鞘成分がエチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン1共
重合体あるいは高密度ポリエチレン等が好ましく適用で
き、とりわけ鞘成分としてエチレン−プロピレン共重合
体を用いたときには、常温延伸または熱水延伸を行うこ
とによって均一な細かい立体捲縮を発現させることがで
き、さらに加熱処理して鞘成分を収縮させることによっ
てより多くの均一な細かい立体捲縮を有したマルチフィ
ラメントを得ることができる。
【0011】上記のように潜在立体捲縮性未延伸マルチ
フィラメントを延伸して立体捲縮を発現させ、続いてこ
の捲縮マルチフィラメントに加熱により収縮処理を施す
ことによって得られた立体捲縮は弾性回復力に富み、多
孔性の芯筒への巻回時においても捲縮形状が安定し、均
一な捲縮数を維持して濾過層を形成することができる。
そのうえ先ず延伸し弛緩して立体捲縮を発現させ、つい
で収縮熱処理を行うという二段階の処理は、延伸倍率と
熱処理温度の種々な選択によって潜在立体捲縮性未延伸
マルチフィラメントの単繊維繊度に応じ、またカートリ
ッジフィルターの濾過精度に応じて捲縮数を自在に変化
させることができ、用途に適合したカートリッジフィル
ターの濾過層を得るに好都合となる。
【0012】潜在立体捲縮性未延伸マルチフィラメント
を構成している偏心タイプの芯鞘型複合単繊維の繊度
は、延伸後において2〜40デニール程度が一般的なカ
ートリッジフィルター用として経済的である。単繊維の
繊度が2デニールより小さいものは通常の溶融紡糸法で
は生産性が悪く、また40デニールを超える繊度のもの
は立体捲縮が発現しにくい傾向がみられる。
【0013】トータル繊度については、1000〜10
000デニールの範囲が濾過性能における精度と濾過ラ
イフのバランスのうえで望ましい。トータル繊度が10
00デニールより小さいものは多孔性の円筒芯材への巻
き密度が大きくなり空隙が少なくなって濾過ライフが短
くなる。また10000デニールより大きくなるとフィ
ラメント束が太くなってフィラメント間の空隙に斑が生
じ、精度の低下がみられる。
【0014】上記マルチフィラメントの延伸後の弛緩収
縮状態にある立体捲縮数は1インチ当たり12〜100
個程度が実用上望ましく、熱処理後その立体捲縮マルチ
フィラメントの捲縮が残存した状態、即ち捲縮発現処理
時の延伸倍率以下の張力でもって伸長させながら多孔性
の円筒芯材に巻き取ることによって、濾過層における立
体捲縮数を1インチ当たり3〜50個となすことができ
る。濾過層における立体捲縮数が8個/インチより少な
いときは、濾過機能に重要な立体捲縮の特性を発揮する
に至らない。また濾過層における立体捲縮数を50個/
インチより多くすると、多孔性の円筒芯材に巻き取る張
力が不足してカートリッジフィルターとしての形態維持
が不安定となる。
【0015】一方、濾過層における繊維密度は0.15
〜0.50g/cm3 が好ましい。0.15g/cm3
より小さくするとカートリッジフィルターとしての形態
が保持しにくく、使用時における耐圧性が乏しくなる。
また0.50g/cm3 を超えると精度が向上するが濾
過ライフが極端に短くなり、精度と濾過ライフとのバラ
ンスが悪くなる。
【0016】
【作用】立体捲縮を有したマルチフィラメントを扁平な
テープ状をなして多孔性芯筒上に巻回して形成した筒状
の濾過層は、糸巻きタイプであるにも拘らず嵩高な不織
布機能を発揮して全域に均整な空隙を形成し、濾過性能
を向上させるべく繊度の小さいマルチフィラメントを使
用をしたとしても、従来よりも濾過ライフの低下度合い
を小さくする作用を奏する。そして濾過層の素材が延伸
によって捲縮を発現する未延伸マルチフィラメントであ
るため捲縮工程および仕上油剤の付与が必ずしも要せ
ず、経済的であるとともに油剤による泡立ちの少ないカ
ートリッジフィルターとなすことができる。
【0017】
【実施例】
「実施例1」 芯成分(A) としてポリプロピレン、鞘成
分(B) としてエチレン−プロピレン共重合体を用い、偏
心芯鞘型複合紡糸ノズル(孔径0.7mm、孔数722
個)4錘でもって溶融紡糸して集束し、図1のような繊
維断面を有した単繊維繊度が6デニールの潜在捲縮性未
延伸マルチフィラメントの集束物を得た。これを95℃
の熱水中で3倍に延伸したのち、110℃の熱風乾燥機
中で15分間乾熱収縮させ、、単繊維繊度が2.2デニ
ール、捲縮数51.0個/インチ、トータル繊度635
0デニールの螺旋状の立体捲縮が発現したマルチフィラ
メントの集束物となした。
【0018】次いでこの弛緩収縮状態にある立体捲縮マ
ルチフィラメント集束物を約8mm幅のテープ状とな
し、その見掛けの長さのほぼ2倍に伸長しながら、クロ
スワインダーを用いて内径32mm、外径35mm、長
さ250mmのポリプロピレン製多孔性芯筒にワインド
角45度でもって外径が65mmとなるまで巻き付け、
カートリッジフィルターとなした。このときの濾過層に
おけるマルチフィラメントの捲縮数は平均25個/イン
チであり、濾過層の繊維密度は0.30g/cm3 であ
った。
【0019】「比較例1」 実施例1と同じ潜在捲縮性
未延伸マルチフィラメントの集束物を95℃の熱水中で
3倍に延伸し弛緩して立体捲縮を発現させ、その後乾熱
処理することなく螺旋状の立体捲縮が発現したマルチフ
ィラメントの集束物となした。このマルチフィラメント
の集束物の単繊維繊度は2デニール、捲縮数25.2個
/インチ、トータル繊度5776デニールであった。次
いでこのマルチフィラメントの集束物を上記実施例1と
同様に、その見掛けの長さのほぼ2倍に伸長しながら、
クロスワインダーを用いて内径32mm、外径35m
m、長さ250mmのポリプロピレン製多孔性芯筒にワ
インド角45度でもって外径が65mmとなるまで巻き
付け、カートリッジフィルターとなした。このときの濾
過層におけるマルチフィラメントの捲縮数は平均12個
/インチであり、濾過層の繊維密度は0.27g/cm
3 、初期精度は8μmであった。
【0020】「比較例2」 メルトブロー方式で紡出さ
れた繊維ウェブを直接多孔性芯筒に巻き取って形成され
たカートリッジフィルターを入手した。このカートリッ
ジフィルターは、そのウェブの繊維直径は、多孔性芯筒
側が1.9μm、最外層側が12.6μmとなるように
15段階に亘り順次繊維直径が変化した繊度勾配を備え
てなり、濾過層の繊維密度は0.13g/cm3 、初期
精度が7μmであった。
【0021】「比較例3」 ポリプロピレン繊維(2デ
ニール×76mm)を用いて紡毛紡績機によって綿番手
1.0S 、撚り数2.3T/インチの粗糸を得た。この
粗糸を用いて上記実施例1と同様にクロスワインダーを
用いてポリプロピレン製多孔性芯筒に外径が65mmと
なるまで巻き付け、糸巻きカートリッジフィルターとな
した。このカートリッジフィルターの濾過層の繊維密度
は0.33g/cm3、初期精度が15μmであった。
【0022】上記実施例1および比較例1、2、3の各
カートリッジフィルター上下の端面に加熱した鉄板を当
てて端面の平滑処理を行ったのち、それぞれのカートリ
ッジフィルターの濾過性能を測定比較した。その結果を
表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】「実施例2」 実施例1と同様に、芯成分
(A) としてポリプロピレン、鞘成分(B) としてエチレン
−プロピレン共重合体を用い、偏心芯鞘型複合紡糸ノズ
ル(孔径0.7mm、孔数140個)1錘でもって溶融
紡糸して集束し、図1のような繊維断面を有した単繊維
繊度が90デニールの潜在捲縮性未延伸マルチフィラメ
ントを得た。これを95℃の熱水中で4.5倍に延伸し
た後弛緩して立体捲縮を発現させ、さらに110℃の熱
風乾燥機中で15分間乾熱収縮処理して単繊維繊度が3
4.5デニール、捲縮数19.4個/インチ、トータル
繊度4830デニールの螺旋状の立体捲縮が発現したマ
ルチフィラメントの集束物となした。
【0025】次いでこの弛緩収縮状態にある立体捲縮マ
ルチフィラメントを見掛けの長さのほぼ2倍に伸長しな
がら、クロスワインダーを用いて実施例1と同様にポリ
プロピレン製多孔性芯筒にワインド角45度でもって外
径が65mmとなるまで巻き付け、カートリッジフィル
ターとなした。このときの濾過層におけるマルチフィラ
メントの捲縮数は平均10個/インチであり、濾過層の
繊維密度は0.28g/cm3 、初期精度は50μmで
あった。
【0026】「比較例4」 上記実施例2と同じ潜在捲
縮性未延伸マルチフィラメントを95℃の熱水中で3倍
に延伸し弛緩して、単繊維繊度が30デニール、捲縮数
が9.0個/インチ、トータル繊度が4200デニール
の螺旋状の立体捲縮を有したマルチフィラメントの収束
物となした。
【0027】次いで実施例1と同様にこの立体捲縮マル
チフィラメントを見掛けの長さのほぼ2倍に伸長しなが
ら、クロスワインダーを用いてポリプロピレン製多孔性
芯筒にワインド角45度でもって外径が65mmとなる
まで巻き付け、カートリッジフィルターとなした。この
ときの濾過層におけるマルチフィラメントの捲縮数は平
均4.1個/インチであり、濾過層の繊維密度は0.2
3g/cm3 、初期精度は51.0μmであった。
【0028】「比較例5」 「比較例2」と同様に、メ
ルトブロー方式で紡出された繊維ウェブを直接多孔性芯
筒に巻き取って形成された濾過層の繊維密度が0.13
g/cm3 、初期精度が51μmのカートリッジフィル
ターを入手した。
【0029】「比較例6」 ポリプロピレン繊維(8デ
ニール×76mm)を用いて紡毛紡績機によって綿番手
1.0S 、撚り数2.3T/インチの粗糸を得た。この
粗糸を用いて上記比較例3と同様に、濾過層の繊維密度
が0.30g/cm3 の糸巻きカートリッジフィルター
となした。このカートリッジフィルターの初期精度は4
0μmであった。
【0030】上記実施例2および比較例4、5、6の各
カートリッジフィルター上下の端面に加熱した鉄板を当
てて端面の平滑処理を行ったのち、それぞれのカートリ
ッジフィルターの濾過性能を測定比較した。その結果を
表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】表1および表2中の濾過性能は次のように
して測定した。
【0033】初期精度(μm):通液開始3分間後にタ
ンク(1) 内の濾液を100ml採取し、濾液中の粒子径
別粒子数(N)をコールターカウンターZM型を用いて
測定する。また同様にして原液100ml中の粒子径別
粒子数(M)を測定し、[(M−N)÷M×100]か
ら粒子径別遮断率を算出する。これらの結果から粒子径
と粒子径別遮断率のグラフを作図し、遮断率90%の粒
子径を読み取った。
【0034】濾過ライフ(l):タンク(1) に120l
の水を入れ、その中に試験用のダスト(実施例1,2お
よび比較例1〜4についてはJIS8種、実施例3およ
び比較例5,6についてはJIS7種)を6g投入し、
攪拌機(2) で均一に攪拌しながら原液(初期濃度50p
pm)とする。ハウジング(3) には実施例および比較例
のそれぞれのカートリッジフィルター(4) をセットし、
カートリッジフィルター(4) の外側から内側に向けて、
ポンプ(5) でもって常時40l/分の流量となるように
設定して通液循環させる。この間、タンク(1) の中に上
記試験用のダストを6分毎に6g投入していき、このと
きのハウジング(3) への流入側と流出側の間に配置した
差圧計(6) による差圧が2.0kg/cm2 に達するま
での総流量を測定した。
【0035】初期効率(%):通液開始3分後に濾液1
lを採取し、その濾液を蒸発乾固させ、試験用ダスト重
量(A)を測定する。一方、原液(初期濃度は50pp
m)1l中の試験用のダスト重量(B)から次式により
求めた。 初期効率=[(B−A)÷B]×100
【0036】繊維屑流出量(g/l):カートリッジフ
ィルター(4) に40l/分の流量で通水を行い、通水開
始3分後の濾液1lを採取し、その濾液を孔径0.8μ
mのメンブランフィルターで濾過する。メンブランフィ
ルターを乾燥し、流出した繊維屑の重量を測定した。
【0037】泡立ち性:上記繊維屑流出量測定時の濾液
をガラス製試験管に10ml採取し、試験管の先端を指
で押さえ、上下に激しく振り、濾液の泡立ち性を目視し
て判断した。
【0038】
【発明の効果】このように本発明におけるカートリッジ
フィルターは、鞘成分の熱収縮率が芯成分よりも大きい
2種の熱可塑性合成樹脂を複合紡糸した、偏心タイプの
芯鞘型複合繊維の多数からなる潜在立体捲縮性未延伸マ
ルチフィラメントを熱処理により安定化させた立体捲縮
を有する、単繊維繊度が2〜40デニール、トータル繊
度が1000〜10000デニールのマルチフィラメン
トが無撚の扁平なテープ状をなして多孔性芯筒上に巻回
されて筒状の濾過層が形成され、その濾過層における立
体捲縮数が3〜50個/インチ、繊維密度が0.15〜
0.50g/cm3 であり、殊に濾過層が立体捲縮を有
したマルチフィラメントでもって構成されているから、
濾過層の繊維間には極めて多数の微細な隙間が確保さ
れ、表1および表2にみられる通り、従来のカートリッ
ジフィルターと初期精度や初期効率が同等であっても濾
過ライフが著しく向上し、使用時におけるカートリッジ
フィルターの交換周期を大幅に延長することができる。
【0039】そしてかかるカートリッジフィルターは、
鞘成分の熱収縮率が芯成分よりも大きい2種の熱可塑性
合成樹脂を複合紡糸して偏心タイプの芯鞘型複合単繊維
の多数からなる潜在立体捲縮性未延伸マルチフィラメン
トを紡糸し、この潜在立体捲縮性未延伸マルチフィラメ
ントを延伸し弛緩して立体捲縮を発現させ、さらにこの
捲縮マルチフィラメントに加熱により収縮処理を施して
捲縮弾性を付与し、この立体捲縮マルチフィラメントを
捲縮が8〜50個残存する状態、即ち捲縮発現処理時の
延伸倍率以下の張力でもって伸長させながら多孔性の円
筒芯材に巻き取ることによって、従来の糸巻きカートリ
ッジフィルターと同様に能率よく製造することができ、
製造コストの点においても有利となる。
【0040】そのうえ多孔性芯筒に巻回される立体捲縮
マルチフィラメントは、延伸弛緩後さらに熱処理されて
いるから濾過層における捲縮形態が安定し、初期精度値
に対する濾過ライフ値を著しく向上させることができ
る。
【0041】さらに上記潜在立体捲縮性未延伸マルチフ
ィラメントとして、例えば鞘成分がエチレン−プロピレ
ン共重合体、芯成分がポリプロピレン偏心タイプの芯鞘
型複合単繊維のように熱水延伸処理によって捲縮が発現
する複合繊維を用いれば延伸処理後の仕上油剤の付与が
不要となり、初期通液時における泡立ちの極めて少ない
カートリッジフィルターを得ることができ、食品工業や
薬品工業用として好都合となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】偏心タイプの芯鞘型複合繊維の断面図である。
【図2】マルチパス方式の濾過性能測定装置の概略説明
図である。
【符号の説明】
A.芯成分 B.鞘成分

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鞘成分の熱収縮率が芯成分よりも大きい
    2種の熱可塑性合成樹脂を複合紡糸した、偏心タイプの
    芯鞘型複合繊維の多数からなる潜在立体捲縮性未延伸マ
    ルチフィラメントを熱処理により安定化させた立体捲縮
    を有する、単繊維繊度が2〜40デニール、トータル繊
    度が1000〜10000デニールのマルチフィラメン
    トが無撚の扁平なテープ状をなして多孔性芯筒上に巻回
    されて筒状の濾過層が形成され、その濾過層における立
    体捲縮数が3〜50個/インチ、繊維密度が0.15〜
    0.50g/cm3 であることを特徴とするカートリッ
    ジフィルター。
  2. 【請求項2】 鞘成分の熱収縮率が芯成分よりも大きい
    2種の熱可塑性合成樹脂を複合紡糸して偏心タイプの芯
    鞘型複合繊維の多数からなる潜在立体捲縮性未延伸マル
    チフィラメントを紡出し、この潜在立体捲縮性未延伸マ
    ルチフィラメントを延伸し弛緩して立体捲縮を発現させ
    たのち加熱し収縮処理を施して捲縮形態を安定化し、こ
    の立体捲縮マルチフィラメントを、延伸倍率以下の張力
    でもって、その捲縮数が3〜50個/インチ残存する状
    態に伸長しながら多孔性の円筒芯材に巻き取ることを特
    徴とするカートリッジフィルターの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記潜在立体捲縮性未延伸マルチフィラ
    メントが、鞘成分がエチレン−プロピレン共重合体、芯
    成分がポリプロピレン偏心タイプの芯鞘型複合繊維であ
    る請求項2記載のカートリッジフィルターの製造方法。
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