JP3444843B2 - 薄膜形成方法および薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成方法および薄膜形成装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体デバイス
に用いられる薄膜形成方法および薄膜形成装置に関す
る。特に、多結晶シリコンTFT(Thin Film Transist
or)に用いられるシリコン酸化膜の形成方法および形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体領域として多結晶シリコン
を用いる、いわゆる多結晶シリコンTFTの需要が増大
している。この多結晶シリコンTFTの製造工程につい
て以下に説明する。
【0003】図4〜図6は、従来の多結晶シリコンTF
Tの製造方法を説明するための断面図である。図4を参
照して、ガラス基板31上にシリコン酸化膜32を形成
する。シリコン酸化膜32上にアモルファスシリコン膜
33を形成する。
【0004】図5を参照して、アモルファスシリコン膜
33に矢印35で示す方向からエキシマレーザを照射す
る。これにより多結晶シリコン膜34を形成する。
【0005】図6を参照して、多結晶シリコン膜34上
にシリコン酸化膜36を形成する。シリコン酸化膜36
上に導電層を形成し、この導電層を所定の形状にパター
ニングすることによりゲート電極37を形成する。ゲー
ト電極37をマスクとして多結晶シリコン膜34に矢印
38で示す方向から不純物イオンを注入し所定の不純物
領域を多結晶シリコン膜34内に形成する。
【0006】従来の多結晶シリコンTFTで用いられる
シリコン酸化膜36は、ガラス基板31から離隔した領
域にプラズマを発生させる、いわゆるリモートプラズマ
CVD(化学気相蒸着法)を用いて形成される。この方
法では、形成されたシリコン酸化膜36には、プラズマ
による損傷が少ないため高品質なシリコン酸化膜36を
得ることができる。また、シリコン酸化膜36と多結晶
シリコン膜34との界面が清浄となるため、C−V特性
等の電気特性が向上し、TFTの高性能化に寄与するこ
とができる。
【0007】さらに、リモートプラズマCVD法では、
プラズマ発生領域の形状をライン形状にすることが可能
であるため、基板を走査しながらシリコン酸化膜36を
形成することもでき、基板が大型化した場合にもシリコ
ン酸化膜36を形成することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リモー
トプラズマCVD法を用いて多結晶シリコンTFT用の
シリコン酸化膜36を形成する場合には、プラズマの発
生領域と基板とが離隔しているため、成膜条件によって
は、多結晶シリコン膜34上でシリコン酸化膜の生成反
応が起こらず、気相中で生成反応が起こりやすくなる。
この場合、多結晶シリコン膜34上に形成されたシリコ
ン酸化膜36にはヒドロキシル基(OH基)が多く含ま
れる。これによりC−V特性等が低下し、多結晶シリコ
ンTFTの信頼性が低下するという問題があった。シリ
コン酸化膜36を緻密化し信頼性を向上させるために
は、成膜後に熱処理が必要であり、製造工程が増加する
という問題があった。
【0009】そこで、この発明は、上述のような問題点
を解決するためになされたものであり、製造工程を増加
させることなく緻密な信頼性の高いシリコン酸化膜を製
造することができる薄膜形成方法および薄膜形成装置を
提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、リモート
プラズマCVD法について種々の検討を行なった結果、
以下の知見を得た。
【0011】従来のリモートプラズマCVD法では、プ
ラズマを発生させるチャンバ内には、希ガスと、酸素
と、シリコンの原料となるモノシランまたはジシランが
導入される。これらのガスに加えて、どのようなガスを
添加すると、得られるシリコン酸化膜が緻密化するかに
ついて、さまざまな実験を行なった。その結果、水(水
蒸気)または過酸化水素水(過酸化水素ガス)を導入す
ることで、シリコン酸化膜が緻密化するということがわ
かった。さらに、シリコン酸化膜の原料となるケイ素原
子を含むガスを基板に近いチャンバ内の領域に導入し、
酸素と、蒸気の添加流体と、希ガスとを基板から相対的
に遠いチャンバ内の領域に導入することで効率よくシリ
コン酸化膜を形成することができることがわかった。
【0012】このような知見によりなされた、この発明
に従った薄膜形成方法は、以下の工程を備える。
【0013】(1) チャンバ内に基板を位置決めする
工程。 (2) 基板に相対的に近いチャンバ内の領域にケイ素
原子を含むガスを導入し、かつ基板から相対的に遠いチ
ャンバ内の領域に、酸素と、水および過酸化水素の少な
くとも1種を含む流体と、希ガスとを導入し、それらを
プラズマ化して基板の上にシリコンの酸化膜を形成する
工程。
【0014】このように構成された薄膜形成方法に従え
ば、チャンバ内に、ケイ素原子を含むガス、酸素および
希ガスとともに、水および過酸化水素の少なくとも1種
を含む流体を導入するため、緻密なシリコン酸化膜を形
成することができる。さらに、ケイ素原子を含むガスは
基板に相対的に近いチャンバ内の領域に導入され、酸素
と、流体と、希ガスとは基板から相対的に遠いチャンバ
内の領域に導入されるため、効率よくシリコン酸化膜を
形成することができる。
【0015】なお、基板に近い側にケイ素原子を含むガ
スだけでなく、酸素と流体と希ガスも導入した場合に
は、プラズマは形成されずガスは分解されないため、基
板上にシリコン酸化膜は形成されない。また、基板から
遠い側に、酸素、流体および希ガスだけでなく、ケイ素
原子を含むガスも導入した場合には、チャンバの内壁に
シリコン酸化膜が形成されるだけで、基板にはシリコン
酸化膜がほとんど形成されない。
【0016】また好ましくは、希ガスは、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、クリプトンおよびキセノンからなる群
より選ばれた少なくとも1種を含む。この場合、これら
のガスはケイ素を含む原料ガスと反応しないため有利で
ある。
【0017】また好ましくは、ケイ素原子を含むガスは
モノシランおよびジシランからなる群より選ばれた少な
くとも1種を含む。この場合、このような無機シラン系
のガスは室温で気体であるため、ガス化しなくても容易
にチャンバ内に導入することができる。
【0018】また好ましくは、酸素の流量Aと希ガスの
流量Bとの合計値に対する酸素の流量Aの比率(A/
(A+B))は20%以下である。
【0019】また好ましくは、酸素の流量Aとケイ素を
含むガスの流量Cとの合計値に対するケイ素を含むガス
の流量Cの比率(C/(A+C))は10%以上70%
以下である。
【0020】また好ましくは、酸素の流量Aと流体の流
量Dとの合計値に対する流体の流量Dの比率(D/(A
+D))は1%以下である。
【0021】この発明に従った薄膜形成装置は、チャン
バと、支持手段と、第1の導入手段と、第2の導入手段
と、電圧印加手段とを備える。支持手段は、チャンバ内
に設けられ、基板を支持する。第1の導入手段は、基板
に相対的に近い位置に設けられ、ケイ素原子を含むガス
をチャンバ内に導入する。第2の導入手段は、基板から
相対的に遠い位置に設けられ、酸素と、水および過酸化
水素の少なくとも1種を含む流体と、希ガスとをチャン
バ内に導入する。電圧印加手段は、基板から離隔した位
置でプラズマを発生させるように、チャンバ内に高周波
電圧を印加する。
【0022】このような装置では、第1の導入手段によ
り、基板に相対的に近い位置にケイ素原子を含むガスが
導入され、第2の導入手段により、基板から相対的に遠
い位置に酸素と流体と希ガスとが導入されるため、基板
上に緻密なシリコン酸化膜を形成することができる。
【0023】また好ましくは、第2の導入手段は、チャ
ンバの側壁を貫通してチャンバ内部に達し、相対的に大
きい径を有し、酸素と希ガスとを導入する筒状の第1の
管部材と、第1の管部材の内部に設けられ、相対的に小
さい径を有し、流体を導入する第2の管部材とを含む。
【0024】この場合、管部材が二重構造とされるた
め、ガスを均一に混合してチャンバ内に導入することが
できる。
【0025】また好ましくは、薄膜形成装置は、チャン
バに導入する流体を予め加熱する加熱手段をさらに備え
る。この場合、加熱手段で水および過酸化水素を加熱す
ることにより、管内での結露を防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照して説明する。
【0027】図1は、この発明に従った薄膜形成装置の
模式図である。図1を参照して、この発明に従った薄膜
形成装置100は、チャンバとしてのプラズマチャンバ
1およびプロセスチャンバ2と、プロセスチャンバ2内
に設けられ、基板4を支持する支持手段としてのサセプ
タ5と、基板4に相対的に近い位置に設けられ、ケイ素
原子を含むガスをプラズマチャンバ1内に導入する第1
の導入手段としての反応ガス導入口7と、基板4から相
対的に遠い位置に設けられ、酸素と、水および過酸化水
素の少なくとも1種を含む流体と、希ガスとをプラズマ
チャンバ1内に導入する第2の導入手段としてのガス導
入口6と、基板4から離隔した位置でプラズマ10を発
生させるように、プラズマチャンバ1内に高周波電圧を
印加する電圧印加手段としての電極8および9とを備え
る。
【0028】チャンバを構成するプラズマチャンバ1お
よびプロセスチャンバ2は互いに連結されている。プロ
セスチャンバ2は一方向に延びるように形成されてお
り、プラズマチャンバ1は、プロセスチャンバ2が延び
る方向とほぼ垂直に延びるように形成されている。プラ
ズマチャンバ1とプロセスチャンバ2とが「T」字状の
チャンバを形成している。
【0029】プロセスチャンバ2の端部にはロードロッ
クチャンバ3が設けられている。ロードロックチャンバ
3からプロセスチャンバ2内に基板4が搬送される。プ
ラズマチャンバ1およびプロセスチャンバ2は互いに筒
状であり、その内部は実質的に閉ざされた空間となって
いる。プロセスチャンバ2はポンプ20と接続される。
ポンプ20により、プロセスチャンバ2およびプラズマ
チャンバ1内の圧力を減圧することができる。
【0030】プラズマチャンバ1の両側には、電極8お
よび9が設けられる。電極8および9は互いに対向する
ように配置され、プラズマチャンバ1内の空間に高周波
電圧を印加することが可能である。
【0031】プロセスチャンバ2内にはサセプタ5が設
けられる。サセプタ5は左右に移動することが可能であ
り、移動しながら絶縁膜の形成を行なうことができるた
め、基板の大型化に対応することができる。サセプタ5
内にはヒータが内蔵されており、基板4を所定の温度ま
で加熱することができる。
【0032】プラズマチャンバ1の下部、すなわち、基
板4に近い部分には、反応ガス導入口7が設けられてい
る。反応ガス導入口7からは、モノシランおよびジシラ
ンなどの原料ガスが所定の流量で導入される。反応ガス
導入口7はプラズマチャンバ1を構成する側壁を貫通し
てその先端部がプラズマチャンバ1の内部に達してお
り、反応ガス導入口7の先端からプラズマチャンバ1内
へ原料ガスが噴出するように構成される。
【0033】プラズマチャンバ1の上部、すなわち、基
板4から遠い部分にガス導入口6が設けられる。ガス導
入口6は、第1の管部材としてのガス導入管11と、第
2の管部材としてのガス導入管12とを有する。ガス導
入管11はプラズマチャンバ1の側壁を貫通してプラズ
マチャンバ1内部に達し、相対的に大きい径を有し、酸
素と希ガスとを導入する筒状の部材である。ガス導入管
12は、ガス導入管11の内部に設けられ、相対的に小
さい径を有し、水および過酸化水素の少なくとも1種を
含む流体を導入する筒状の部材である。
【0034】図2は、図1中の点線IIで囲んだ部分を拡
大して示す図である。図2を参照して、ガス導入口6
は、ガス導入管11および12を有する。ガス導入管1
1および12はそれぞれ筒状であり、小径のガス導入管
12を覆うように大径のガス導入管11が設けられる。
ガス導入管11および12はそれぞれ同軸上に配置され
る。ガス導入管11を介して外部からプラズマチャンバ
1内へ流れ込む酸素および希ガスの流れの向きと、ガス
導入管12を介して外部からプラズマチャンバ1内へ流
れ込む流体の流れの向きとは逆である。ガス導入管11
には、ガス導入孔11aが複数個設けられる。ガス導入
孔11aは、ガス導入管11の下側、すなわち基板4に
向かう側に設けられる。
【0035】ガス導入管12にはガス導入孔12aが設
けられる。ガス導入孔12aはガス導入管12の外周面
全体に設けられる。ガス導入管11に設けられたガス導
入孔11aと、ガス導入管12に設けられたガス導入孔
12aとは、それぞれ重ならないように設けられてい
る。これにより、原料となるガスが攪拌され、均一にプ
ラズマチャンバ1内に導入される。
【0036】図3は流体を加熱するヒータを説明するた
めの図である。図3を参照して、ガス導入管12の端部
は所定の容器16に接続される。容器16には、たとえ
ば純水が入れられている。容器16内の純水はガス導入
管12を介してプラズマチャンバ1内に導入される。容
器16とプラズマチャンバ1の間には、1対のバルブ1
4および流量計15が設けられている。この流量計15
により、プラズマチャンバ1内に流れ込む純水の流量を
制御する。ガス導入管12、バルブ14、流量計15お
よび容器16は、所定の加熱手段としてのヒータ17に
より覆われている。ヒータ17は、プラズマチャンバ1
内に導入する水および過酸化水素水を予め加熱する働き
をする。このようにして水および過酸化水素水を加熱す
ることによりガス導入管12、バルブ14、流量計15
および容器16の結露を防止することができる。さら
に、ヒータ17で加熱することにより、水の気化を促す
ことができる。水の気化を促すためには、容器16、ガ
ス導入管12、バルブ14および流量計15を、たとえ
ば約50℃になるように加熱することができる。
【0037】このような装置を用いてシリコン酸化膜の
成膜を行なう場合には、プロセスチャンバ2およびプラ
ズマチャンバ1内の圧力をポンプ20を用いて減圧す
る。基板4をロードロックチャンバ3内に搬送する。ロ
ードロックチャンバ3内に搬送された基板4をサセプタ
5に載置する。サセプタ5を用いて基板4をプロセスチ
ャンバ2の中央部に移動させる。プロセスチャンバ2お
よびプラズマチャンバ1内の圧力が所定値に達すると反
応ガス導入口7からモノシランまたはジシランガスを導
入する。ガス導入管11からは酸素とアルゴンの混合ガ
スを導入する。ガス導入管12からは水蒸気を導入す
る。電極8および9により、プラズマチャンバ1内に高
周波電圧を印加する。これにより、プラズマチャンバ1
内に導入されたガスは、周波数が100MHzの高周波
電圧によりプラズマ化され、プラズマ10を形成する。
このプラズマ10は、電極8および9付近に収束してお
り、基板4から離れた位置に発生する。
【0038】プラズマ10は酸素と水との混合ガスによ
り形成され、励起された酸素と水酸基の活性種がそれぞ
れモノシランガスと反応する。このとき、モノシランガ
スのほとんどは一旦Si(OH)4となり、そのまま基
板4に吸着し、水の引抜き反応が基板4上で進行すると
考えられる。このため、基板4上に緻密なシリコン酸化
膜が形成される。このように形成されたシリコン酸化膜
では、プラズマ10による損傷が少なく多結晶シリコン
との清浄な界面が得られるというリモートプラズマCV
D法の特徴をそのまま保持しながら、さらに成膜後に高
温での熱処理を行なうことなく緻密なシリコン酸化膜を
形成することができる。
【0039】すなわち、プラズマ10内のイオン種は寿
命が短いためにモノシランガスの導入位置および基板4
の位置に到達するまでの消滅する。これに対し、プラズ
マ10内で準安定状態にある活性種だけがモノシランガ
スの位置まで移動して反応に寄与する。これにより、イ
オン衝撃のない状態で基板4上にシリコン酸化膜を形成
することができる。励起された酸素ガスの活性種は気相
中でモノシランガスと反応して二酸化ケイ素となり基板
4上に堆積する。
【0040】次に、本発明の具体的な実施例について説
明する。まず、以下の条件1に従い、基板4上にシリコ
ン酸化膜を形成した。
【0041】条件1 酸素ガス流量: 100sccm(standard cubic
cm/min) アルゴンガス流量: 8000sccm プラズマ発光強度比:OH/Ar=3/2(プラズマ発
光分光におけるAr:811nmとOH:360nmの
発光強度比) モノシランガス流量:50sccm 周波数: 100MHz RFパワー: 14kW 反応圧力: 13.3Pa サセプタ温度: 440℃ この条件1での成膜速度を測定した。
【0042】次に、条件2においてシリコン酸化膜を形
成した。条件2 酸素ガス流量: 100sccm アルゴンガス流量: 8000sccm モノシランガス流量:50sccm 周波数: 100MHz RFパワー: 14kW 反応圧力: 13.3Pa サセプタ温度: 440℃ 最後に熱酸化膜を形成した。
【0043】なお、条件2は、条件1から水の添加を除
いたものである。このようにして得られたシリコン酸化
膜の緻密性を評価するために、バッファードフッ酸溶液
(水のモル数:フッ化水素のモル数=10:1)を用い
て、温度21℃にてシリコン酸化膜のエッチングを行な
いエッチング速度を測定した。その結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1より、本発明方法である条件1では、
成膜速度が大きいことがわかる。さらに、条件1では、
エッチング速度が小さいため、緻密な膜が得られている
ことがわかる。
【0046】また、酸素の流量Aと、希ガスの流量B
と、ケイ素を含むガスの流量Cと、水および過酸化水素
のいずれか1種の流体の流量Dをさまざまに設定して、
良好な成膜速度および膜の緻密さを示す範囲を求めた。
その結果、以下のいずれかを満たせば成膜速度および膜
の緻密さにおいて、好ましい結果が得られることがわか
った。
【0047】(1) 酸素の流量Aと希ガスの流量Bと
の合計値に対する酸素の流量Aの比率(A/(A+
B))はは20%以下とすることが好ましい。
【0048】(2) 酸素の流量Aとケイ素を含むガス
の流量Cとの合計値に対するケイ素を含むガスの流量C
の比率(C/(A+C))は10%以上70%以下であ
ることが好ましい。
【0049】(3) 酸素の流量Aと流体の流量Dとの
合計値に対する流体の流量Dの比率(D/(A+D))
は1%以下であることが好ましい。
【0050】以上、この発明の実施の形態について説明
したが、ここで示した実施の形態はさまざまに変形する
ことが可能である。まず、希ガスとしてアルゴンを示し
たが、アルゴンだけでなく、ヘリウム、ネオン、クリプ
トンおよびキセノンなどの他の希ガスを用いることがで
きる。また、シリコンの原料となるガスとしては、モノ
シランおよびジシランを用いることができる。
【0051】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0052】
【発明の効果】この発明に従えば、製造工程を増やすこ
となく緻密でかつ信頼性の高い薄膜を形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従った薄膜形成装置の模式図であ
る。
【図2】 図1中の点線IIで囲んだ部分を拡大して示す
図である。
【図3】 流体を加熱するヒータを説明するための図で
ある。
【図4】 従来の多結晶シリコンTFTの製造方法の第
1工程を説明するための断面図である。
【図5】 従来の多結晶シリコンTFTの製造方法の第
2工程を説明するための断面図である。
【図6】 従来の多結晶シリコンTFTの製造方法の第
3工程を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマチャンバ、2 プロセスチャンバ、4 基
板、5 サセプタ、6ガス導入口、7 反応ガス導入
口、8,9 電極、10 プラズマ、11,12 ガス
導入管、17 ヒータ、100 薄膜形成装置。
フロントページの続き (72)発明者 齋藤 秀男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開2000−156372(JP,A) 特開 平5−239649(JP,A) 特表 平9−502301(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 H01L 21/31 H01L 21/316

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ内に基板を位置決めする工程
    と、 基板に相対的に近い前記チャンバ内の領域にケイ素原子
    を含むガスを導入し、かつ基板から相対的に遠い前記チ
    ャンバ内の領域に、酸素と、水および過酸化水素の少な
    くとも1種を含む流体と、希ガスとを導入し、それらを
    プラズマ化して基板の上にシリコン酸化膜を形成する工
    程とを備えた、薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記希ガスは、ヘリウム、ネオン、アル
    ゴン、クリプトンおよびキセノンからなる群より選ばれ
    た少なくとも1種を含む、請求項1に記載の薄膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】 前記ケイ素原子を含むガスはモノシラン
    およびジシランからなる群より選ばれた少なくとも1種
    を含む、請求項1または2に記載の薄膜形成方法。
  4. 【請求項4】 前記酸素の流量Aと前記希ガスの流量B
    との合計値に対する前記酸素の流量Aの比率(A/(A
    +B))は20%以下である、請求項1から3のいずれ
    か1項に記載の薄膜形成方法。
  5. 【請求項5】 前記酸素の流量Aと前記ケイ素を含むガ
    スの流量Cとの合計値に対する前記ケイ素を含むガスの
    流量Cの比率(C/(A+C))は10%以上70%以
    下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の薄膜
    形成方法。
  6. 【請求項6】 前記酸素の流量Aと前記流体の流量Dと
    の合計値に対する前記流体の流量Dの比率(D/(A+
    D))は1%以下である、請求項1から5のいずれか1
    項に記載の薄膜形成方法。
  7. 【請求項7】 チャンバと、 前記チャンバ内に設けられ、基板を支持する支持手段
    と、 前記基板に相対的に近い位置に設けられ、ケイ素原子を
    含むガスを前記チャンバ内に導入する第1の導入手段
    と、 前記基板から相対的に遠い位置に設けられ、酸素と、水
    および過酸化水素の少なくとも1種を含む流体と、希ガ
    スとを前記チャンバ内に導入する第2の導入手段と、 前記基板から離隔した位置でプラズマを発生させるよう
    に、前記チャンバ内に高周波電圧を印加する電圧印加手
    段とを備えた、薄膜形成装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の導入手段は、前記チャンバの
    側壁を貫通して前記チャンバ内部に達し、相対的に大き
    い径を有し、酸素と希ガスとを導入する筒状の第1の管
    部材と、 前記第1の管部材の内部に設けられ、相対的に小さい径
    を有し、流体を導入する第2の管部材とを含む、請求項
    7に記載の薄膜形成装置。
  9. 【請求項9】 前記チャンバに導入する流体を予め加熱
    する加熱手段をさらに備えた、請求項7または8に記載
    の薄膜形成装置。
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