JP3444784B2 - アンテナ制御装置及びアンテナ制御方法 - Google Patents

アンテナ制御装置及びアンテナ制御方法

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JP3444784B2
JP3444784B2 JP12834698A JP12834698A JP3444784B2 JP 3444784 B2 JP3444784 B2 JP 3444784B2 JP 12834698 A JP12834698 A JP 12834698A JP 12834698 A JP12834698 A JP 12834698A JP 3444784 B2 JP3444784 B2 JP 3444784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衛星通信地球局に
関する。特に、その地球局において用いられるアンテナ
の制御装置及び制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】いわゆる静止衛星を用いた衛星通信が広
く利用されている。この静止衛星は、地球上から見て静
止しているように見えるため、その地球局のアンテナの
向きをその静止衛星の存在する方位に向ければ、衛星と
地球局との間の通信を行うことができる。
【0003】しかしながら、静止衛星によっては、静止
精度が悪い衛星もあり、また地球局のアンテナの向きに
も誤差が生じる場合が考えられる。
【0004】従って、衛星通信を開始しようとする際
に、アンテナの向きを所定のパターンで変化させ、静止
衛星の位置を捕捉することが従来から行われている。
【0005】アンテナの指向方向を変化させるパターン
としては、いわゆる渦巻き状のパターンが広く利用され
ている。図16(1)(2)には、この従来の渦巻き状
のパターンの様子を表す説明図(グラフ)が示されてい
る。これらのグラフは、アンテナの指向方向が変化する
パターンを表すグラフである。このグラフにおいて、横
軸はアジマス軸であり、縦軸はエレベーション軸であ
る。そして、このグラフの原点は、これから捕捉しよう
とする静止衛星の本来存在すべき位置である。すなわ
ち、この静止衛星のいわゆる静止精度が良好である場合
には、アンテナの指向方向をこのグラフの原点に向けれ
ば、その静止衛星からの電波を受信することができるは
ずである。しかしながら、上述したように、静止精度の
良好ではない静止衛星においては、静止衛星の位置がこ
の原点からずれている場合が生じる。
【0006】図16(1)に示されているパターンにお
いては、まずアンテナの指向方向を原点に向ける。次
に、この図に示されているようにこの原点を中心として
アンテナの指向方向を渦巻き状に動かしていくのであ
る。このように、アンテナの指向方向を、原点を中心と
して螺旋状に外に向けて変化させていき、最も静止衛星
からの電波を強く受信できるような方位を探索するので
ある。そして、最終的に、静止衛星からの電波を最も強
く受信できる方位にアンテナの指向方向を向けるのであ
る。
【0007】さらに、アンテナ(を駆動する駆動装置の
構造)によっては、図16(1)に示されているような
滑らかな渦巻き状の動きが困難な場合も想定される。そ
のような場合には、図16(2)に示されているように
四角形状の渦巻きによるパターンが利用される。このパ
ターンは、この図に示されているようにアンテナの指向
方向がアジマス軸に平行な動きか、またはエレベーショ
ン軸と平行な動きのいずれか一方の動きしか利用してい
ない。そのため、アジマス軸方向の動きと、エレベーシ
ョン軸方向の動きを同時に制御する必要がなくなり、ア
ンテナの指向方向を変化制御が簡易なものとなってい
る。この図16(2)に示されている指向方向の変化パ
ターンにおいても、通信開始時においてはまずアンテナ
を原点方向に向け、そこから徐々に外側にアンテナの指
向方向を変化させていくのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術においては、まずアンテナの指向方向をその静止衛星
が本来位置する方向に向け、そこを原点として渦巻き状
にアンテナの指向方向を変化させることにより、徐々に
いわばサーチ領域を広げていった。そして最も静止衛星
からの電波を強く受信する方向にアンテナの指向方向を
最終的に向けていたのである。
【0009】このようなアンテナの制御方法は、静止精
度が極めて良好な静止衛星に対しては好ましい結果をも
たらす。すなわち迅速に静止衛星の捕捉をすることがで
きるのである。
【0010】ところが、近年いわゆる傾斜軌道運用して
いる人工衛星がしばしば利用されている。上記従来のア
ンテナの制御方法は、このような傾斜軌道運用している
人工衛星に対しては捕捉効率が悪いという問題があっ
た。
【0011】この問題について以下詳細に説明する。こ
の問題を説明する説明図が図17に示されている。この
図においては、人工衛星の動く軌道が、傾斜軌道10で
表されている。人工衛星は、この傾斜軌道10上を動い
ているため、人工衛星の正確な方向を知るために、アン
テナの指向方向を何らかのパターンに基づいて変化させ
て、人工衛星の上記正確な方向を調べる必要がある。
【0012】さて、このような傾斜軌道運用している人
工衛星に対し例えば従来の図16(1)に示されている
ような渦巻き状のパターンによるサーチ動作を行うと、
アンテナの指向方向が傾斜軌道10の近傍である場合に
は有効なサーチ動作となると考えられるが、アンテナの
指向方向が傾斜軌道10から遠く離れている部分はほと
んどサーチをする意味がないと考えられる。図17にお
いては、このように傾斜軌道10から遠い領域が無駄領
域12として示されている。このように、従来の渦巻き
状のパターンでは、無駄なサーチ動作を行ってしまい、
迅速な人工衛星の捕捉を行うことが困難であった。
【0013】本発明は、係る課題に鑑みなされたもので
あり、その目的は傾斜軌道運用を行っている静止衛星や
位置精度が悪い人工衛星等を迅速に捕捉することができ
るアンテナ制御装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、人工衛星が発
した電波をサーチすることによって、前記人工衛星の方
位を捕捉し、前記捕捉した方位にアンテナを向けるアン
テナ制御装置において、前記サーチの対象となるサーチ
領域を入力するサーチ領域入力手段と、前記サーチ領域
の形状に基づいて、前記アンテナが前記サーチ領域をサ
ーチするパターンであるサーチパターンを決定するサー
チパターン決定手段と、前記決定したサーチパターンに
基づき、前記アンテナに指示すべきアンテナの方位角度
を生成するアンテナ指令方位角度生成手段と、前記アン
テナ方位角度に基づき、前記アンテナを駆動するアンテ
ナ駆動手段と、を含む。
【0015】そして、前記サーチパターン決定手段は、
入力した前記サーチ領域が丸形又は楕円形である場合に
は、サーチパターンとして楕円形パターンを決定するこ
とを特徴とするものである。
【0016】本発明は、前記サーチパターン決定手段
は、入力した前記サーチ領域が四角形である場合には、
2以上のサーチパターンによって前記サーチ領域をサー
チするのに要する時間を計算し、最もサーチ時間の短い
前記サーチパターンを選択することを特徴とするもので
ある。
【0017】本発明は、前記2以上のサーチパターンに
は、楕円形パターン及び直線折り返しパターンを含むこ
とを特徴とするものである。
【0018】本発明は、前記アンテナで受信した前記人
工衛星からの受信レベルの強度によって、サーチ終了タ
イミングを判定するサーチ終了判定手段と、を含むこと
を特徴とするものである。
【0019】本発明は、軌道上での位置ドリフトが大き
い前記人工衛星の方位を捕捉するために、前記サーチパ
ターン決定手段は、サーチ範囲の一部が重畳しており、
サーチ動作の最中に、既にサーチされた範囲の一部を再
びサーチしうるようなサーチパターンを決定することを
特徴とするものである。
【0020】本発明は、前記アンテナ駆動手段は、アン
テナの指向方向が前記サーチ領域からはみ出していると
きには、前記アンテナを高速で駆動することを特徴とす
るものである。
【0021】本発明は、前記アンテナ指令角度生成手段
は、生成したアンテナの指令角度が、前記サーチ領域か
らはみ出したときには、次に前記サーチ領域に進入する
位置の方位角度を前記指令角度として生成することを特
徴とするものである。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。
【0027】実施の形態1.本実施の形態1におけるア
ンテナ制御装置は、外部からサーチ領域を与えられ、こ
の与えられたサーチ領域の中をサーチするものである。
換言すれば、与えられたサーチ領域の内部でアンテナの
指向方向を変化させ、サーチ領域の中のどの方位に静止
衛星(以下、単に衛星と呼ぶ)があるかを検出しようと
するものである。
【0028】このように、本実施の形態1においては外
部からサーチ領域が与えられることを前提にしている。
このサーチ領域の例が図1に示されている。例えば、図
1(1)には傾斜軌道運用を行っている衛星の存在する
領域の近似として楕円形状を利用する場合の例が示され
ている。この図においては、衛星の存在する領域、すな
わちサーチ領域14がグラフ上の方位として表されてい
る。この図1(1)に示されているグラフは、横軸がア
ジマス軸であり、縦軸がエレベーション軸である。この
ように、アジマス軸及びエレベーション軸からなる座標
系は、しばしばアンテナ座標系と呼ばれる。
【0029】また、傾斜軌道運用を行っている衛星は、
良好に位置制御が行われている従来の衛星に比べて緯度
方向の位置が変動する。従って、このような衛星の存在
し得る領域(サーチ領域14)としては、図1(2)に
示されているような傾いた長方形で近似を行うのも好ま
しい。この図1(2)に示されているグラフも、横軸が
アジマス軸であり、縦軸がエレベーション軸であるアン
テナ座標系上のグラフである。ここに示されているサー
チ領域14は、長方形で表されている。
【0030】本実施の形態1に係るアンテナ制御装置
は、このように楕円形状や長方形形状で近似されたサー
チ領域14を外部から供給され、それに基づいてアンテ
ナを駆動しアンテナの指向方向を変化させるものであ
る。
【0031】図1に示されている例においては楕円形状
(図1(1))と四角形状(図1(2))についてのみ
示したが、衛星の軌道を近似できればその他の形状を有
するサーチ領域14でももちろん構わない。
【0032】さて、本実施の形態1に係るアンテナ制御
装置の構成ブロック図が図2に示されている。図2に示
されているように、このアンテナ制御装置は、まず上記
サーチ領域14を入力するサーチ領域入力手段20を備
えている。このサーチ領域14とは、上で述べたように
衛星の存在する領域であり、具体的には図1に示されて
いるように楕円形や長方形などの形状で表される領域で
ある。このようなサーチ領域14は、例えば長方形の場
合には各頂点の座標によってそのサーチ領域14が定義
されている。また、例えば楕円の場合にはサーチ領域1
4は焦点の座標などで表されている。
【0033】サーチパターン決定手段22は、上記サー
チ領域入力手段20が入力したサーチ領域14の種類に
基づきサーチパターンを決定する。
【0034】本実施の形態1において特徴的なことは、
サーチパターン決定手段22がサーチ領域14の形状の
種類に基づきサーチパターンの種類を決定したことであ
る。サーチ領域14の種類に応じてサーチパターンの種
類も決定したため、無駄なくサーチ領域14の中のサー
チを行うことができ、迅速に衛星を捕捉することができ
るのである。
【0035】アンテナ指令角度生成手段24は、サーチ
パターン決定手段22が決定したサーチパターンに基づ
きアンテナの指向方向を指令する角度であるアンテナ指
令角度の生成を行う。この指令角度は、具体的には今ま
で説明してきたようにアンテナ座標系上の角度で表され
る。すなわちアジマス軸及びエレベーション軸によって
指令角度は決定されている。
【0036】アンテナ駆動手段26は、アンテナ指令角
度生成手段24が生成した角度にアンテナの指向方向を
向けるようにアンテナ28を駆動する。
【0037】また、サーチ終了判定手段30は、アンテ
ナ28において受信された衛星信号の受信レベルを常に
監視している。この監視に基づき、アンテナ28がその
指向方向を衛星に向けることができたと判断した場合に
は、サーチ終了判定手段30は、サーチを終了させるた
めに所定のコントロール信号をアンテナ駆動手段26な
どに供給する。このコントロール信号を受信すると、ア
ンテナ指令角度生成手段24は新たに指令角度を生成す
ることを中止する。また、コントロール信号を受信する
と、アンテナ駆動手段26はアンテナ28を駆動するの
を停止する。
【0038】さて、本実施の形態1に係るアンテナ制御
装置において特徴的なことは、供給されたサーチ領域1
4の種類に基づきサーチパターン決定手段22がサーチ
パターンの種類を決定することである。具体的な決定の
手法を以下に説明する。
【0039】本実施の形態1に係るアンテナ制御装置は
2種類のサーチパターンを備えている。すなわち、サー
チパターン決定手段22はサーチ領域の形状に基づきこ
の2種類のサーチパターンのうちいずれかを選択するの
である。この2種類のサーチパターンが図3(1)及び
(2)に示されている。図3(1)に示されているサー
チパターンは楕円形のサーチパターンである。また図3
(2)に示されているサーチパターンは、直線折返し型
のサーチパターンである。サーチパターン決定手段22
は、入力されたサーチ領域14に基づき、図3に示され
た2種類のサーチパターンのうちいずれかを選択するの
である。この具体的な選択方法の説明図が図4に示され
ている。図4に示されているように、与えられたサーチ
領域14の形状が丸形もしくは楕円形であった場合に
は、図3(1)に示されているように楕円形パターンを
サーチパターンとして選択する。これは、サーチ領域1
4が丸形や楕円形である場合には、直線折返し型パター
ンは明らかに不適切だからである。
【0040】次に、与えられたサーチ領域の形状が四角
形である場合には、図3(1)及び(2)に示されてい
るサーチパターンの双方でサーチに必要な時間の計算を
まずしてみる。まず、楕円形パターンによってサーチを
行った場合にそのサーチ領域14の全領域をサーチする
のに要する時間を計算する。このサーチ動作は、四角形
のサーチ領域14の中心から開始し、サーチ領域14の
全領域のサーチが完了するまでの時間を計算する。
【0041】次に、直線折返し型パターンをサーチパタ
ーンとした場合に四角形のサーチ領域の全領域をサーチ
するのに必要な時間の計算を行う。このサーチパターン
によるサーチは、四角形のサーチ領域14の左隅の頂点
から開始する。
【0042】このようにして、楕円形パターンと直線折
返し型パターンとの2種類のパターンにおいてサーチに
要する時間を計算し、いずれか短い時間でサーチができ
た方のサーチパターンを選択するのである。サーチパタ
ーン決定手段22は、以上のような処理により、与えら
れたサーチ領域14に対して適切なサーチパターンを選
択する。
【0043】このようにして、サーチパターン決定手段
22が楕円形パターンもしくは直線折返し型パターンの
いずれかを決定する。次に、アンテナ指令角度生成手段
24が、この決定されたパターンに基づき具体的にアン
テナ28に指令する角度を生成する。具体的な角度の生
成の手法を以下説明する。
【0044】図5には、楕円形パターンがサーチパター
ン決定手段22により決定された場合にアンテナ28に
供給するサーチパターンの具体的な指令角度を生成する
手法の説明図が示されている。
【0045】同図に示されているように、この楕円形パ
ターンは供給されたサーチ領域14の中心座標をまずア
ンテナ28に対して供給する。この結果、アンテナ28
の指向方向はサーチ領域14の中心を向くことになる。
【0046】次に、アンテナ28が衛星からの電波を認
識できる領域であるビーム領域40の長径分だけアンテ
ナ28をアジマス方向に移動させる。これによって、ア
ンテナ28の指向方向はサーチ領域14の中心方向から
長径分だけずれた方向を向く。
【0047】そして次に、与えられたサーチ領域14の
中心に対してアンテナ28のビーム領域40を所定の比
率の楕円軌道を描くように1回転させるのである。この
楕円軌道は、ビーム領域40の楕円の比率と同じ比率を
要する楕円軌道である。
【0048】ここで、ビーム領域40が楕円となること
について説明しよう。衛星からの電波を認識できる領域
であるビーム領域40は、一般のアンテナ28において
は基本的には円形となる場合が多い。しかしながら、本
文で示しているようにアジマス軸とエレベーション軸か
らなるアンテナ座標系においてこのビーム領域を表示す
るとエレベーション軸側が詰った形となりグラフ上では
楕円形を成す。この詰る比率は、仰角が大きくなればな
るほど大きくなる。より正確に言えば、このビーム領域
40の長径aと、短径bとの間には、仰角をθとする
と、a=b/cosθという関係にある。ビーム領域4
0がこのような形になることは、従来から良く知られて
いることである。
【0049】このように、ビーム領域40の長径aと短
径bとの間の比率は仰角θによって変化する。従って、
楕円形パターンによりサーチを行う場合にも仰角が変化
するにつれてビーム領域40の短径bと長径aとの比率
は変化するが、本実施の形態1においては与えられたサ
ーチ領域の中心点における仰角を用いて長径aと短径b
との間の比率を一定の値に固定して取り扱っている。こ
れは、傾斜軌道運用をしている衛星においても、仰角の
変化は非常に小さいと考えられるため、与えられたサー
チ領域の中心座標における仰角を代表して用いても、誤
差は少ないと考えられるからである。このようにして図
5に示されているように楕円形状のビーム領域40を用
いてサーチ領域の中心から順に渦巻き状にサーチを行っ
ていくのである。すなわち、楕円軌道を一周する毎にビ
ーム領域40が長径aだけサーチ領域14の中心点から
外に向うようにビーム領域40を移動させ、またサーチ
領域14の中心点を中心として楕円軌道を一周させるの
である。このようなサーチ動作を所定回数繰り返すこと
により、最終的には与えられたサーチ領域14の全領域
についてサーチを行うことができる。
【0050】図6には、直線折返し型パターンによって
アンテナ指向方向を変化させる場合の具体的な様子を表
す説明図が示されている。このような直線折返し型パタ
ーンは、図4においても説明したように、与えられたサ
ーチ領域14の形状が四角形である場合に採用されるも
のである。そして、図4においても説明したように、こ
の直線折返し型パターンが採用される場合にはアンテナ
の指向方向をまず四角形の左隅の頂点に向け、そこから
図6に示されているように直線を折返すことによってサ
ーチ領域14中のサーチを行うのである。
【0051】図6に示されているように、この直線折返
し型パターンにおける直線のピッチを、本文ではrと呼
ぶ。この折返しピッチrは、図6に示されているよう
に、アンテナの指向方向を折返した際に、未サーチ部分
を残さないようにするために、ビーム領域40の移動に
よってサーチが行なわれる幅と等しくすることが望まし
い。すなわち、ビーム領域40が往復動作をする際に、
ビーム領域40の周辺部がちょうど接するように往復動
作が行われれば、サーチをしなかった部分を残さずに効
率的なサーチ動作を行うことができる。従って、この折
返しピッチrは、以下の式で算出される。
【0052】
【数1】r=(1/(cos2 φ/a2 +sin2 φ/
2 ))1/2 /2 ここで、φはサーチ領域14が傾いている角度であり、
aはビーム領域40の長径、bはビーム領域40の短径
である。このように、折返しピッチrを定めることによ
り、ビーム領域40の辺縁が接するようにして直線が折
り返され、サーチ領域14を効率的にサーチすることが
できる。
【0053】実施の形態2.上記実施の形態1において
は楕円形パターンや直線折返し型パターン(図3参照)
においては、ビーム領域40が互いにその辺縁が接する
ようにそれぞれのパターンが作成されていた。
【0054】しかしながら、衛星にはその位置が時間と
共にゆらぐ衛星も多い。このようないわゆる時間ドリフ
トを有するような衛星を捕捉する場合には、上記実施の
形態1で述べたようにビーム領域40が辺の部分でのみ
接しているようにビーム領域40を動かしている状況で
は、上記時間ドリフトの影響により衛星を捕捉できない
場合も生じる。例えば、図5に示されているようにビー
ム領域40が完全に接しているように楕円形パターンを
構成すると、このビーム領域を一周動かす間に衛星が、
既にビーム領域40が移動しサーチを行った領域中に移
動してしまう場合、ビーム領域は一度サーチを行った領
域を二度とサーチしないため、衛星を捕捉できない状況
も考えられる。
【0055】このように、衛星のドリフトによって、衛
星を捕捉できない場合が生じるのを防ぐために、各ビー
ム領域40が移動する際に、少しずつ重なり領域を持た
せるようなサーチパターンを構成することが好ましい。
【0056】図7には、このようにビーム領域40を動
かす際に、ビーム領域40の間に一定の重なり領域50
が生じるようにサーチパターンを構成した例が示されて
いる。図7に示されているサーチパターンは、楕円形パ
ターンであり、例えば、長径a1で楕円軌道を一周サー
チし、次にビーム領域40は長径a2で楕円軌道を一周
サーチする。図5に示した実施の形態1によれば、この
長径a1と長径a2とはビーム領域40の長径の2倍す
なわち2aだけ差があった。
【0057】これに対して、本実施の形態2においては
このa1とa2との差をより小さく設定して、図7に示
すように一定の重なり領域50が生じるようにサーチパ
ターンを構成した。従って、この重なり領域50におい
ては長径a1でビーム領域40が一周サーチをする場合
と、ビーム領域40が長径a2で一周サーチをする場合
との両方の場合にサーチが行われる。従って、衛星の時
間ドリフトの量がこの重なり領域50の幅程度より小さ
ければ、時間ドリフトによって衛星を捕捉できないとい
う事態を防止することができる。
【0058】以下、この重なり領域50を作るために、
長径a1と長径a2とをどのように定めるかについて説
明する。
【0059】まず、楕円軌道の一周の長さは一般に4a
E(k)で表されることが知られている。ここで、a
は、図7に示されているようにa1や、a2などの長径
を意味する。また、Eやkは、以下の式で表される。
【0060】
【数2】k=(1−(b2 /a2 ))1/2 E(k)=(π/2)・(1−(1/4)k2 −(3/
64)k4 −(5/256)k6 −…) さて、アンテナの指向方向の位置をδで表すと、その速
度(単位時間当りの方位角度の変化量)は、、dδ/d
tで表される。従って、この速度と上で述べた楕円軌道
の一周の長さとから、楕円軌道を一周するのに要する時
間が求められる。この時間は、以下の式で表される。
【0061】
【数3】(4aE(k))/(dδ/dt) 次に、この楕円軌道を一周するのに必要な時間に、今捕
捉しようとする衛星のドリフト速度を乗算すれば、ビー
ム領域40が一周する間に、衛星がどれだけ移動するか
が求められる。このようにしてサーチ動作を一周する時
間に、衛星が動く量と同じ量だけ重なり領域50を定め
れば、衛星に時間ドリフトが生じても捕捉を失敗するこ
とがないと考えられる(図7参照)。
【0062】このようにして、楕円形パターンで衛星の
サーチを行う場合には、重なり領域50は以上のように
して求められる。
【0063】次に、図6に示されているような直線折返
し型パターンの場合にもこのような重なり領域を設けさ
せることが考えられる。直線折返し型パターンを採用す
る場合の重なり領域50の求め方について以下説明す
る。
【0064】図8には、直線折返し型パターンを採用す
る場合に重なり領域50を設けるために、折返しピッチ
を小さくした場合の説明図が示されている。折返しピッ
チは、上記実施の形態1における折返しピッチrより小
さくすれば、その小さくした分の幅を有する重なり領域
50が設けられることになる。このように直線折返し型
パターンが採用される場合の重なり領域50の幅も、上
述した楕円形パターンを採用した場合と同様にビーム領
域40が重なり合うその重なり領域50において、サー
チが行われる最大周期の間に衛星がドリフトする量を求
め、そのドリフト量より大きな幅の重なり領域50を設
ければ、衛星の捕捉失敗を防止することができると考え
られる。
【0065】まず、図8に示されているように、直線折
返し型パターンにおいては折返し部分のサーチの周期が
最も長くなることは容易に理解される。図8に示されて
いるように、例えば開始点からビーム領域40がサーチ
パターンに沿って動いて行き、再びこの開始地点におけ
るビーム領域40と重なり合うのは距離にして2L+r
分だけビーム領域40が移動した後である。そして、こ
の距離だけビーム領域40が動く時間が、最もサーチ周
期として長いことは図8の図から容易に理解される。な
お、距離として、先に2L+rと述べたが、このrは、
折返しピッチであり、正確に言えばr−(重なり領域5
0の幅)となるべきものである。しかし、ここでは近似
のため折返しピッチを上記実施の形態1と同様にrで近
似しているのである。この結果、ビーム領域40のサー
チによって行われるサーチの最も長い周期は、以下の式
で表される。
【0066】
【数4】(r/(dδ/dt))+(2L/(dδ/d
t))+α ここで、rは、上述したように図8における折返しピッ
チの近似値である。またLは図8に示されているように
折り返した直線の長さを表す。また、dδ/dtがビー
ム領域40の単位時間当りの方位角の変化、すなわちア
ンテナ28の指向方向の移動角速度である。そして、α
はアンテナ28の加速度を考慮したものである。すなわ
ち、図8に示されているようにアンテナ28の移動方向
は折返しに際して2回その移動方向を変化させる。この
移動方向の変化に要する時間としてαを用いているので
ある。このαは、以下の式で表されることが知られてい
る。
【0067】
【数5】 α=2×((dδ/dt)/(d2 δ/d2 t)) ここで、上述したようにdδ/dtは、アンテナ28の
指向方向の角速度を表し、またd2 δ/d2 tはアンテ
ナ28の駆動加速度を表す。
【0068】このようにして、上記式からビーム領域4
0が2L+rを移動するのに要する時間が求められる。
このようにして求めた時間に対して、捕捉しようとする
衛星のドリフト速度を乗算すれば、図8に示されている
ようにビーム領域40が1往復をする間に衛星が動く量
が解る。従って、重なり領域50がこの衛星の動く量よ
り大きくなるように設定すれば、衛星の捕捉の失敗を防
止することができる。
【0069】このように、本実施の形態2によれば、ビ
ーム領域40の移動に伴って、一定の重なり領域50が
生じるようにサーチパターンを構成した。その結果、衛
星に時間ドリフトがあっても衛星を捕捉することができ
るアンテナ制御装置が得られる。なお、本実施の形態2
に係るアンテナ制御装置の構成ブロックそのものは、上
記実施の形態1と同様であり、図2に示されている構成
となる。
【0070】実施の形態3.上記実施の形態1や2にお
いては与えられたサーチ領域の形状に応じて楕円形パタ
ーンや直線折返し型パターンを選択することにより、よ
り迅速なサーチ領域内のサーチを行うことができた。
【0071】しかしながら、例えばサーチ領域14が四
角形状として与えられた時に、楕円形パターンが選択さ
れる場合もある。これは、上記図4において説明したよ
うに、そのサーチ領域14に対して楕円形パターンと直
線折返し型パターンの2つのパターンを適用した場合の
サーチ時間を計算し、時間の短い方を選ぶようにしてい
るため、サーチ領域14の形状によっては楕円形パター
ンが選択される場合もある。
【0072】このように、四角形状のサーチ領域14に
対して、楕円形パターンが選択された場合には、図9に
示すようにサーチが無駄となる領域が生じる場合が多
い。
【0073】図9(1)にサーチの様子が示されている
ように、サーチ領域14からはみ出しているサーチパタ
ーン(図9(1)においては破線で示されている)は、
いわば無駄な部分となってしまう。
【0074】そこで、本実施の形態3においては、サー
チパターンがサーチ領域14からはみ出している部分に
ついてはアンテナの移行方向の移動速度をサーチ領域1
4内部に比べて高速にすることを提案する。
【0075】サーチ領域14内部においては、衛星から
の電波を受信して処理をするために、アンテナ28の指
向方向の移動速度はその処理に間に合うように、ある一
定速度未満の速度とする必要がある。しかしながら、サ
ーチ領域14以外の部分を移動する際には、衛星からの
電波を処理する必要がないためアンテナ28の指向方向
を高速に移動させることができる。そして、再びサーチ
領域14内部にアンテナ28の指向方向が入った場合に
は、再びアンテナ28の指向方向の移動速度をある一定
速度未満の速度に減速させ、衛星からの電波の処理をす
ることができるようにしている。
【0076】このようにサーチ領域14以外のサーチパ
ターンにおいてアンテナ28の指向方向を高速に移動さ
せるためのアンテナ制御装置の構成ブロック図が図10
に示されている。
【0077】同図に示されているように、本実施の形態
3に係るアンテナ制御装置はサーチ領域14を入力する
サーチ領域入力手段20や、サーチパターン決定手段2
2と、アンテナ指令角度生成手段24と、を備えてい
る。これらの構成は、図2に示されている実施の形態1
や2のアンテナ制御装置と全く同様の構成である。
【0078】図10に示されている構成において特徴的
な構成は、サーチ領域逸脱時処理手段60である。この
手段は、アンテナ指令角度生成手段24が生成した指令
角度を受信し、この指令角度が与えられたサーチ領域1
4を逸脱しているか否かを判断し、もし逸脱している場
合にはアンテナ28を高速に駆動させるためにアンテナ
駆動手段26に高速に指令角度を供給する。このような
サーチ領域逸脱時処理手段60によって、サーチ領域1
4以外の部分においてアンテナ28の駆動速度を上昇さ
せることができ、より迅速なサーチを行うことができ
る。その結果、本実施の形態3によればより迅速に衛星
を捕捉することができる。
【0079】なお、図10に示されているようにサーチ
領域逸脱時処理手段60の出力信号はアンテナ駆動手段
26に与えられ、アンテナ駆動手段26は受信した指令
角度に基づきアンテナ28を駆動する。サーチ領域逸脱
時処理手段60は、サーチパターンがサーチ領域14を
逸脱していない場合すなわちサーチ領域14の内部であ
る場合にはアンテナ指令角度生成手段24から受け取っ
た指令角度をそのままアンテナ駆動手段26に供給す
る。従って、サーチ領域14の内部をサーチする場合の
動作は上記実施の形態1や2と全く同様である。
【0080】さらに、図10にはサーチ終了判定手段3
0も備えられているが、この動作は上記実施の形態1や
2の構成を表した図2と全く同様である。
【0081】なお、図9(1)に示したように、本実施
の形態3は主にサーチ領域14が四角形状であるのに対
しサーチパターンが楕円形パターンである場合などに対
して提案されたものであるが、サーチ領域14が楕円形
状で与えられた場合においても同様に無駄な部分が生じ
る場合がありえる(図9(2)参照)。図9(2)に示
したような場合においても、サーチ領域14から逸脱す
る場合には、そのサーチパターンにおけるアンテナ28
の移動速度を高速に設定することにより、図9(1)と
同様に迅速なサーチを行うことができ、衛星を迅速に捕
捉することができる。
【0082】図9(2)に示されているように楕円形パ
ターンでサーチをする場合にも無駄な部分が生じるの
は、楕円形パターンの楕円比はビーム領域40の楕円比
で本来決定されるのに対し、サーチ領域14が楕円形状
である場合の楕円比は衛星の傾斜軌道の角度によるから
である。従って両者の楕円比が合致しなければ、図9
(2)に示されているような無駄な部分が生じる場合が
あり得る。
【0083】このように、本実施の形態3によればサー
チ領域以外の部分を迅速にサーチすることにより、迅速
に衛星を捕捉することができる。
【0084】実施の形態4.上記実施の形態3において
はサーチ領域からアンテナの指向方向が外れた場合に
は、アンテナ28を高速に駆動させるように構成した。
これによって、より迅速なサーチをすることができた。
【0085】しかしながら、サーチ領域14以外の部分
をビーム領域40が移動する場合には、結局無駄な動作
をしているわけであるからより迅速にサーチ領域14に
戻した方がサーチ時間の短縮化に寄与することは明らか
である。
【0086】そこで、本実施の形態4においてはアンテ
ナの指向方向がサーチ領域14以外の領域に入ったと判
断された場合には、今後辿るサーチパターンを検査し、
次にサーチ領域14に進入して行く位置(方位)まで、
サーチパターンを無視してアンテナ28の指向方向を高
速に移動させたのである。図11に示されているように
サーチ領域14内でアンテナの指向方向を移動させてい
る最中にサーチ領域14からアンテナ28の指向方向が
出ると、本実施の形態4に係るアンテナ制御装置はサー
チパターンを無視し、次にサーチ領域14に進入する点
までアンテナの指向方向を高速に移動させた。この高速
移動をさせる経路は、一般には直線で出た点と進入する
点を結べば良いと考えられるが、アンテナ28の加速度
などを考慮すれば、なるべく滑らかな経路を辿らせた方
が最終的な時間は短くなると考えられる。そこで、本実
施の形態においては、単に「出た点」と次に「入る点」
とを直線で結んで移動させるのではなく、最も高速に移
動させる経路を辿らせることにした。この経路は、アン
テナ28の加速度等も考慮し最も早く移動できる経路が
選択される。
【0087】本実施の形態4に係るアンテナ制御装置の
構成は、上記実施の形態3のアンテナ制御装置の構成と
ほぼ同様であり、上記図10に示されている構成とな
る。この図10に示されている構成において、サーチ領
域逸脱時処理手段60が、上記実施の形態3と異なり図
11に示されているようにサーチ領域14から出た点と
再び進入する点との間を高速に移動させる処理を行って
いるのである。
【0088】すなわち、サーチ領域逸脱時処理手段60
は、アンテナの指向方向がサーチ領域14を逸脱したと
判断した場合には、アンテナ指向角度生成手段24から
供給されるサーチパターンを辿り、次にアンテナの指向
方向がサーチ領域内に入る点を計算する。そして、サー
チ領域逸脱時処理手段60は現在のアンテナ28の指向
方向から、上記計算で求めた再び進入する点までを最も
短時間で結ぶ経路を計算し、この経路を高速に移動させ
るのである。
【0089】以上述べたように、本実施の形態4によれ
ば、サーチ領域14以外の部分をアンテナ28の指向方
向が移動する場合には最も短時間で再びサーチ領域14
に進入する点まで移動させたため、より迅速に衛星を捕
捉することができるアンテナ制御装置が得られる。
【0090】実施の形態5.図12には、典型的なアン
テナ28の受信感度パターンのグラフが示されている。
このグラフにおいて、横軸はアンテナの指向方向からの
ずれ角度を表し、縦軸は受信感度を表す。角度が0の方
向は、アンテナの指向方向そのものであり、この方向に
おいては受信感度は通常最大の値をとる。このアンテナ
指向方向を中心とした受信感度の高い部分を通常はメイ
ンローブと呼ぶ。
【0091】なお、アンテナ28の構成にもよるが、一
般にはアンテナの指向方向と一定角度だけずれた方向に
おいていわゆるサイドローブが生じる。図12に示した
例においては第1サイドローブや第2サイドローブが描
かれている。
【0092】アンテナ28においては、受信感度の絶対
値はメインローブが一般には大きいが、第1サイドロー
ブや第2サイドローブでも衛星からの電波を受信するこ
とができる。
【0093】そのため、図13に示されているように、
所定のサーチパターンに従ってアンテナ28の指向方向
を移動させて方位Aにおいて衛星からの電波を受信した
としても、その衛星からの電波をメインローブで受信し
ているとは必ずしも限らない。例えば図12で示した第
1サイドローブや第2サイドローブで受信している場合
もあり得る。従って、図13で示されている方位Aに、
アンテナの指向方向を向けた時に衛星からの電波を受信
できたとしても、それをもって衛星が方位Aの方向に存
在すると断定することはできない。
【0094】すなわち、上記実施の形態1から4、そし
て図13に示されているようなサーチパターンは、衛星
が何処に存在するかを見つけ出すためのサーチパターン
である。そのため、上述したビーム領域40の中にはメ
インローブだけでなく第1サイドローブや第2サイドロ
ーブも一般には含まれている。以下、本実施の形態5に
おいては、第2サイドローブまでをビーム領域40であ
る場合について説明する。
【0095】本実施の形態5においては衛星の電波を受
信した後、その衛星の方向をより正確に求めるための手
法を提案する。
【0096】本実施の形態5において提案する手法は、
図13に示される方位Aにおいて衛星からの電波を受信
した後、この方位Aを中心として小さなサーチパターン
を描いて衛星からの受信電波が最大となるビームピーク
の点を探すのである。具体的には、図14に示されてい
るように方位Aを中心として、アジマス方向に±dだけ
アンテナ28の指向方向を動かし、受信電波の強度が最
強となるピークを見つける。そしてその後ピークとなる
位置からエレベーション方向にさらに±dだけアンテナ
の指向方向を動かしてさらに受信電波の強度が最強とな
るピークを見つけるのである。
【0097】以上のようにして、最終的に衛星からの受
信電波の強度が最大となる方位を見つければ、アンテナ
の指向方向がその衛星の方向と一致していることにな
る。この結果、衛星からの電波をアンテナ28はメイン
ローブで受信することができ、十分な強度で衛星からの
電波を受信することができる。
【0098】なお、図14に示されているdは、第2サ
イドローブの角度s2より大きな角度に設定することが
好ましい。すなわち、ビーム領域40の角度より広い角
度に設定することが好ましい。第2サイドローブの角度
s2は、図12に示されているように、アンテナの指向
方向からの角度、すなわちメインローブとの差の角度を
表す。図14における小さなサーチパターンのdをこの
s2より大きくすることにより、たとえ第2サイドロー
ブで衛星からの電波を受信している場合においても確実
にメインローブで受信することができ、衛星からの電波
の受信状態を良好に維持することができる。
【0099】さて、本実施の形態5におけるアンテナ制
御方法の動作をフローチャートに基づき説明する。図1
5には、このアンテナ制御方法の動作を表すフローチャ
ートが示されている。
【0100】まず、第1ステップS15−1において
は、アンテナ28の指向方向を動かして、このアンテナ
28が衛星からの電波を受信し得る状態にすることが行
われる。この動作は、上記図13において説明したよう
に、所定のサーチパターンでアンテナ28の指向方向を
動かして、衛星からの電波が受信できるか否かを探査す
るものである。このサーチパターンは、上記実施の形態
1や2で説明したように、楕円形パターンや直線折返し
型パターン(図3参照)などのサーチパターンが選ばれ
る。この第1ステップS15−1において衛星からの電
波が受信できた場合(例えば上記図13におけるA点に
アンテナの指向方向が向いた場合)には、次に第2ステ
ップS15−2に処理が移行する。
【0101】この第2ステップS15−2においては衛
星からの電波が最も強く受信できるようにアンテナの指
向方向のいわば微調整が行われる。すなわち、アンテナ
28の指向方向を衛星が存在すると予想される範囲で動
かすことにより、衛星からの電波がより強く受信できる
方位を探すのである。この動作は、上記図14で示した
ように、アンテナの指向方向をアジマス方向やエレベー
ション方向に所定量移動させることにより行われる。そ
して、移動した結果最も衛星からの電波を強く受信し得
る位置を見つけ出すのである。このような第2ステップ
S15−2における処理によって、衛星からの電波をア
ンテナ28のメインローブ(図12参照)で受信するこ
とができる。
【0102】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、サ
ーチ領域に基づきサーチパターンを決定したため、迅速
に人工衛星のサーチを行うことができるアンテナ制御装
置が得られる。
【0103】また、本発明によれば、サーチ領域が丸形
または楕円形である場合には楕円形パターンをサーチパ
ターンとして選択した。その結果、より迅速に人工衛星
のサーチを行うことができるアンテナ制御装置が得られ
る。
【0104】また、本発明によれば、サーチ領域が四角
形である場合には複数のサーチパターンによるサーチ時
間を計算し、より時間の短いサーチパターンを選び出し
た。そのため、より確実に人工衛星のサーチ時間の短縮
化を図ることができる。
【0105】また、本発明によれば、特にサーチ時間を
計算する複数のサーチパターンとして、楕円形パターン
及び直線折返し型パターンを含んでいる。そのため、よ
り迅速に人工衛星のサーチを行うことができるサーチパ
ターンを見つけ出すことができる。
【0106】また、本発明によれば、サーチの終了タイ
ミングが受信レベル強度によって判断されるため、人工
衛星のサーチの終了をより確実にすることができる。
【0107】また、本発明によれば、サーチパターンに
よりサーチされる領域において、サーチ経路の一部が重
なったサーチパターンが採用されている。そのため、電
波を捕捉しようとする衛星にドリフトが生じていても、
確実に人工衛星からの電波を捕捉することができる。
【0108】また、本発明によれば、アンテナの指向方
向が与えられたサーチ領域から外れる場合には、前記ア
ンテナを高速で駆動したため、より迅速に人工衛星のサ
ーチを行うことができるアンテナ制御装置が得られる。
【0109】また、本発明によれば、アンテナの指令角
度がサーチ領域からはみ出している場合には、次にその
サーチ領域に進入する位置の方位まで迅速にアンテナを
駆動した。そのため、より一層迅速に人工衛星のサーチ
を行うことができるアンテナ制御装置が得られる。
【0110】また、本発明によれば、人工衛星をサーチ
し、その人工衛星からの電波を捕捉した後、アンテナを
所定方向に移動させることにより、人工衛星からの電波
をより強く受信する方位を正確に見つけ出すことができ
るアンテナ制御方法が得られる。
【0111】また、本発明によれば、アジマス軸方向に
±d角度だけ移動させたため、アジマス軸方向で人工衛
星からの電波をより強く受信し得る方位を見つけること
ができる。
【0112】また、本発明によれば、アンテナの指向方
向をエレベーション軸方向で±d角度だけ移動させたた
め、エレベーション軸方向で人工衛星からの電波をより
強く受信し得る方位を見つけ出すことができる。
【0113】また、本発明によれば、上記dをアンテナ
のビーム領域の範囲の角度より大きな値とした。そのた
め、確実に人工衛星からの電波をより強く受信し得る位
置を見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 入力されるサーチ領域の例を表す説明図であ
る。
【図2】 本発明の好ましい実施の形態1、2に係るア
ンテナ制御装置の構成ブロック図である。
【図3】 サーチパターンの例を表す説明図である。
【図4】 入力されたサーチ領域に基づきサーチパター
ンを選択する動作を表す説明図である。
【図5】 楕円形パターンのサーチパターンの具体的な
求め方を表す説明図である。
【図6】 直線折返し型パターンであるサーチパターン
を求める具体的な手法を説明する説明図である。
【図7】 楕円形パターンによりサーチを行う場合にそ
のサーチ範囲に一定の重なり領域が設けられている場合
のサーチパターンを説明する説明図である。
【図8】 直線折返し型パターンが採用されている場合
に、そのサーチ範囲に一定の重なり領域を設け、衛星に
位置ドリフトがある場合にも確実に衛星の位置を捕捉す
ることができるサーチパターンの説明図である。
【図9】 サーチ領域からはみ出している部分のサーチ
パターンの部位においては、アンテナの指向方向を高速
に移動させる場合の動作を表す説明図である。
【図10】 本実施の形態3及び4に係るアンテナ制御
装置の構成ブロック図である。
【図11】 サーチパターンの一部がサーチ領域からは
み出している場合に、そのサーチパターンにおいて再び
サーチ領域に進入する点にまでアンテナの指向方向を迅
速に移動させる動作を表す説明図である。
【図12】 アンテナの感度分布を表すグラフである。
【図13】 楕円形パターンをサーチパターンとして衛
星からの電波を捕捉する場合に、A点で衛星からの電波
を捕捉したことを表す説明図である。
【図14】 エレベーション方向及びアジマス方向にお
いて±d角度だけアンテナの指向方向を動かす場合の動
作の説明図である。
【図15】 本実施の形態5に係るアンテナ制御方法の
動作を表すフローチャートである。
【図16】 従来の衛星からの電波を捕捉するための渦
巻きパターンをサーチパターンとする例を表す説明図で
ある。
【図17】 いわゆる傾斜軌道運用をしている衛星に対
して従来の渦巻きパターンでサーチを行う場合の説明図
である。
【符号の説明】
10 傾斜軌道、12 無駄領域、14 サーチ領域、
20 サーチ領域入力手段、22 サーチパターン決定
手段、24 アンテナ指令角度生成手段、26アンテナ
駆動手段、28 アンテナ、30 サーチ終了判定手
段、40 ビーム領域、50 重なり領域、60 サー
チ領域逸脱時処理手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−142496(JP,A) 特開 平5−34428(JP,A) 特開 平7−202545(JP,A) 特開 平5−93771(JP,A) 特開 平8−262119(JP,A) 特開 平10−20010(JP,A) 特開 平6−281717(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 3/00 - 3/74 H01Q 3/00 - 3/46

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工衛星が発した電波をサーチすること
    によって、前記人工衛星の方位を捕捉し、前記捕捉した
    方位にアンテナを向けるアンテナ制御装置において、 前記サーチの対象となるサーチ領域を入力するサーチ領
    域入力手段と、 前記サーチ領域の形状に基づいて、前記アンテナが前記
    サーチ領域をサーチするパターンであるサーチパターン
    を決定するサーチパターン決定手段と、 前記決定したサーチパターンに基づき、前記アンテナに
    指示すべきアンテナの方位角度を生成するアンテナ指令
    方位角度生成手段と、 前記アンテナ方位角度に基づき、前記アンテナを駆動す
    るアンテナ駆動手段とを含み、前記サーチパターン決定手段は、入力した前記サーチ領
    域が丸形又は楕円形である場合には、サーチパターンと
    して楕円形パターンを決定する ことを特徴とするアンテ
    ナ制御装置。
  2. 【請求項2】 人工衛星が発した電波をサーチすること
    によって、前記人工衛星の方位を捕捉し、前記捕捉した
    方位にアンテナを向けるアンテナ制御装置において、 前記サーチの対象となるサーチ領域を入力するサーチ領
    域入力手段と、 前記サーチ領域の形状に基づいて、前記アンテナが前記
    サーチ領域をサーチするパターンであるサーチパターン
    を決定するサーチパターン決定手段と、 前記決定したサーチパターンに基づき、前記アンテナに
    指示すべきアンテナの方位角度を生成するアンテナ指令
    方位角度生成手段と、 前記アンテナ方位角度に基づき、前記アンテナを駆動す
    るアンテナ駆動手段とを含み、前記サーチパターン決定手段は、入力した前記サーチ領
    域が四角形である場合には、2以上のサーチパターンに
    よって前記サーチ領域をサーチするのに要する時間を計
    算し、最もサーチ時間の短い前記サーチパターンを選択
    する ことを特徴とするアンテナ制御装置。
  3. 【請求項3】 前記2以上のサーチパターンには、楕円
    形パターン及び直線折り返しパターンを含むことを特徴
    とする請求項2記載のアンテナ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記アンテナで受信した前記人工衛星か
    らの受信レベルの強度によって、サーチ終了タイミング
    を判定するサーチ終了判定手段と、 を含むことを特徴とする請求項1、2、3のいずれかに
    記載のアンテナ制御装置。
  5. 【請求項5】 軌道上での位置ドリフトが大きい前記人
    工衛星の方位を捕捉するために、 前記サーチパターン決定手段は、サーチ範囲の一部が重
    畳しており、サーチ動作の最中に、既にサーチされた範
    囲の一部を再びサーチしうるようなサーチパターンを決
    定することを特徴とする請求項1、2、3、4のいずれ
    かに記載のアンテナ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記アンテナ駆動手段は、アンテナの指
    向方向が前記サーチ領域からはみ出しているときには、
    前記アンテナを高速で駆動することを特徴とする請求項
    1、2、3、4のいずれかに記載のアンテナ制御装置。
  7. 【請求項7】 前記アンテナ指令角度生成手段は、生成
    したアンテナの指令角度が、前記サーチ領域からはみ出
    したときには、次に前記サーチ領域に進入する位置の方
    位角度を前記指令角度として生成することを特徴とする
    請求項1、2、3、4のいずれかに記載のアンテナ制御
    装置。
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