JP3443924B2 - 高吸湿性シート材 - Google Patents

高吸湿性シート材

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JP3443924B2 JP05284594A JP5284594A JP3443924B2 JP 3443924 B2 JP3443924 B2 JP 3443924B2 JP 05284594 A JP05284594 A JP 05284594A JP 5284594 A JP5284594 A JP 5284594A JP 3443924 B2 JP3443924 B2 JP 3443924B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業の利用分野】この発明は、例えば自動車のシート
表皮材として使用されるような高吸湿性シート材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上述例のシート表皮材に要求され
る物理特性は触感に関連するものとして圧縮仕事量、摩
擦係数、吸湿量、吸熱量の4つがあり、このうち吸湿量
を除く他の物理特性すなわち圧縮仕事量、摩擦係数およ
び吸熱量に関しては従前の材料で充分に満足する特性が
確保されている反面、吸湿量については従前の材料にお
いては目標とする値100g/mに対しての約35g
/m程度の特性が得られるにすぎない。
【0003】すなわち図35に従来の吸湿剤としてのキ
ト酸、コラーゲン、ゼオライトの経過時間に対する吸湿
量〔g/g〕のそれぞれの特性を示す。この特性は経過
時間4時間までは温度を30℃に、湿度を80%に保
ち、経過時間4時間以降は温度を23℃に、湿度を30
%に保った時の吸湿特性および放湿特性を示すものであ
る。
【0004】図35から明らかなように吸湿剤としてキ
ト酸、コラーゲン、ゼオライトを用いた従来のものでは
経過時間4時間の時点における吸湿量〔g/g〕が何れ
も0.10g/g未満と低いため、充分な吸湿量を確保
するためには使用量の増大に伴ってシート材の厚みが増
加する問題点があり、逆にシート材の厚みを所定厚に保
つためには充分な吸湿量が確保できない問題点があっ
た。
【0005】また図36に従来の吸湿剤を用いたコラー
ゲン含有合成皮革と表面処理を施していない本皮との経
過時間に対する吸湿量〔g/m〕を示すように、これ
ら従来の各シート表皮材においては満足する吸湿量が確
保できない問題点があった。
【0006】一方、天然セルロースを含有する複合繊維
としては特開平4−11015号公報に記載のものがあ
る。すなわち図37に示すようにポリウレタン樹脂から
なる芯部101と、鞘部102とを有し、この鞘部10
2はポリウレタン樹脂繊維103からなる被覆中に微粉
砕した豚皮革104羊毛(天然セルロース)105と
が散在し、繊維の表面に顕出した複合繊維である。
【0007】この図37の天然セルロース(羊毛105
参照)を含有する複合繊維の経過時間に対する吸湿量
〔g/g〕は図38に示す如く過少であって、シート表
皮材として用いるには性能的に不充分であった。
【0008】そこで、本出願人は圧縮仕事量、摩擦係
数、吸熱量等の他の特性性能を低下させることなく、吸
湿量の大幅増加を図るための諸種の実験を行なった結
果、メチル系またはエチル系セルロース粉末を多量(例
えば500〜600g/m)に含有させることで、吸
湿特性および除湿特性を著るしく向上させることができ
る高吸湿性シート材を発明するに至った。しかし上述の
メチル系またはエチル系セルロース粉末を含有させて具
体的にシート表皮を構成する場合には、次に示す2つの
問題点がある。
【0009】第一に、上述のメチル系またはエチル系セ
ルロース粉末は粉であり、粉末それ自体には形状保持機
能がない関係上、これらの粉末が点在した場合には粉末
分布の不均一に起因して、片寄りが発生し、触感が悪化
(所謂ごわごわ感が発生)する問題点がある。
【0010】第二に、上述のメチル系またはエチル系セ
ルロース粉末が一度に多量の水分を吸収(具体的にはコ
ップの水を多量にこぼした様な時)すると、これら粉末
が溶けて固り(粉末から固体に変化し)、圧縮特性など
の他特性が悪化する問題点がある。
【0011】ところで、従来の吸湿層メカニズムは図2
9乃至図32(但し図29は吸湿前の断面図、図30は
図29のC−C線矢視図、図31は吸湿過程の断面図、
図32は図31のD−D線矢視図である)に示されるよ
うに吸湿または通気性の基布110,110に挟まれる
吸湿粉末111は吸湿前(図29、図30参照)にあっ
ては各吸湿粉末111,111相互の間に空気通路が形
成されており、これにより湿気を含んだ空気が各吸湿粉
末111…に達し、空気に含まれる湿気を各吸湿粉末1
11が吸い取るものであった。
【0012】しかしながら、このような吸湿層メカニズ
ムのものにあっては、吸湿または通気性の基布110に
近い側の吸湿粉末111が吸湿後に水分によって図3
1、図32に示すように膨潤してしまい各吸湿粉末11
1…相互の間に形成される空気通路の面積が減少するた
め、膨潤した吸湿粉末111よりも中側の吸湿粉末11
1への空気の流通が悪化し、吸湿粉末111に効率的な
吸湿作用を行なわせることができない問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】この発明の請求項1記
載の発明は、メチル系またはエチル系セルロース粉末
(具体的にはカルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルメチルセルロース、エチルセルロースなど)
を含有することで、吸湿特性および除湿特性の大幅な向
上を図ることができ、しかも必要な吸湿量を少ない吸湿
材使用量にて達成することができ、さらに通気・吸湿性
または透湿・吸湿性の表皮層と、通気・吸湿性の下層と
を備え、この下層にメチル系またはエチル系セルロー
ス粉末を担持させることで、上述のメチル系またはエチ
ル系セルロース粉末の下層への担持構造により、該粉末
の形状保持機能を確保し、点在による粉末分布の不均一
化、片寄り、触感悪化を防止することができ、特に下層
において上述の粉末を担持するので、表皮材表面の触感
向上を図ることができる高吸湿性シート材の提供を目的
とする。
【0014】この発明の請求項記載の発明は、上述の
下層を通気性吸湿性の2枚構造の基材とし、これら基材
間に、メチル系またはエチル系セルロース粉末を含有さ
れた吸湿層を介設する所謂サンドイッチ構成とすること
で、上下の基材により上記粉末を挟持して、該粉末の形
状保持機能の向上を図ることができ、簡単な構成により
上記目的を達成することができる高吸湿性シート材の提
供を目的とする。
【0015】この発明の請求項記載の発明は、複数の
基材間に複数の吸湿層を介設する積層構造とし、吸湿材
の吸湿面それ自体を増大させ、吸湿材に効率的に吸湿を
行なわせるようにすることで、吸湿材の使用量減少を図
って、触感のさらなる向上を図り、所謂ごわごわ感をな
くすことができると共に、厚み変化防止により下層の厚
みの均一化を達成することができる高吸湿性シート材の
提供を目的とする。
【0016】この発明の請求項記載の発明は、キルテ
ィング加工もしくは透湿樹脂による接着固定を施すこと
により、吸湿層を構成するメチル系またはエチル系セル
ロース粉末の移動を防止して、該粉末の片寄りを一層良
好に防止して、触感の向上を図ることができ、特に経常
的な使用により粉末が移動するのを確実に防止すること
ができる高吸湿性シート材の提供を目的とする。
【0017】この発明の請求項記載の発明は、メチル
系またはエチル系セルロース粉末が配設された部位より
表皮側に防水手段を設けることで、吸湿層よりも上部の
層において水分を遮断もしくは水の侵入スピード低下を
図って、粉末が溶けた後に固まって圧縮特性などの他特
性が悪化するのを防止することができる高吸湿性シート
材の提供を目的とする。
【0018】この発明の請求項記載の発明は、上記防
水手段を水の侵入を遮断する分離手段で構成することに
より、吸湿層への蒸気の侵入を許容しつつ同吸湿層への
水の侵入を確実に防止することができる高吸湿性シート
材の提供を目的とする。
【0019】この発明の請求項記載の発明は、上記防
水手段を水の侵入速度を遅らせる遅延手段で構成するこ
とにより、吸湿層への水の侵入速度を遅延させ、例えば
水をこぼした様の場合には時間的に余裕を持って拭き取
ることができる高吸湿性シート材の提供を目的とする。
【0020】この発明の請求項記載の発明は、分離手
段として水と水蒸気とを分離する分離膜を用いること
で、簡単な構成でありながら、この分離膜により吸湿層
への蒸気の侵入を許容しつつ同吸湿層への水の侵入を確
実に禁止することができる高吸湿性シート材の提供を目
的とする。
【0021】この発明の請求項記載の発明は、孔径1
0μm以下の細孔により遅延手段を構成することで、簡
単な構成でありながら、上述の細孔の通気抵抗により水
の侵入速度を遅らせることができる高吸湿性シート材の
提供を目的とする。
【0022】この発明の請求項10記載の発明は、表
材の最表面に透湿性樹脂層を形成し、かつこの樹脂層裏
面に凹凸部を形成することで、透湿性樹脂層の凹凸部に
おける厚みが大の凸部により水分の侵入速度を遅延する
ことができ、加えて凹凸構造により侵入された水分の分
散性向上を図ることができ、特に表面を平滑に保って触
感向上を図りつつ、水分の侵透防止と吸湿性確保の両立
を図ることができる高吸湿性シート材の提供を目的とす
る。
【0023】この発明の請求項11記載の発明は、表
上面に溌水コーティング層を形成することで、上記細孔
による遅延効果に加えて、この最表面に位置する溌水コ
ーティング層により水をはじいて、水が吸湿層に達する
のを確実に防止するので、水の侵透速度をさらに低下さ
せることができる高吸湿性シート材の提供を目的とす
る。
【0024】この発明の請求項12記載の発明は、上
細孔の開口率を1.0%〜50.0%の範囲内とするこ
とで、吸湿性確保と強度維持による信頼性確保との両立
を図ることができる高吸湿性シート材の提供を目的とす
る。
【0025】この発明の請求項13記載の発明は、吸湿
剤の表面を吸湿粉末が吸湿し、膨潤した後においても吸
湿層の通気抵抗の増大を抑制することができ、各吸湿粉
末の表面に確実に吸湿を行なわせることができ、この結
果、吸湿粉末が効率的に使用されて、その目付量を減少
させることができ、斯る目付量の減少によりシート材表
面の触感向上(所謂ごわごわ感を低減)を図ることがで
きる高吸湿性シート材の提供を目的とする。
【0026】この発明の請求項14記載の発明は、下
を積層構造とすることで、吸湿粉末が吸湿し膨潤した後
においても吸湿層の通気抵抗の増大をより一層良好に抑
制することができる高吸湿性シート材の提供を目的とす
る。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1記載
の発明は、メチル系またはエチル系セルロース粉末が含
有された表皮材を備え、上記表皮材は通気・吸湿性また
は透湿・吸湿性の表皮層と、通気・吸湿性の下層とを備
え、該下層にメチル系またはエチル系セルロース粉末が
担持された高吸湿性シート材であることを特徴とする。
【0028】この発明の請求項記載の発明は、上記下
層は通気性、吸湿性を有する2枚の基材を備え、これら
2枚の基材間にメチル系またはエチル系セルロース粉末
が含有された吸湿層を介設した高吸湿性シート材である
ことを特徴とする。
【0029】この発明の請求項記載の発明は、上記複
数の基材と、これら基材間に介設される複数の吸湿層と
で積層構造と成した高吸湿性シート材であることを特徴
とする。
【0030】この発明の請求項記載の発明は、通
性、吸湿性を有する基材間に介設された吸湿層の基材間
での移動を防止するように、基材のキルティング加工手
段もしくは吸湿層の透湿樹脂による接着固定手段の何れ
か一方の移動防止手段が施された高吸湿性シート材であ
ることを特徴とする。
【0031】この発明の請求項記載の発明は、メチル
系またはエチル系セルロース粉末が含有された表皮材を
備え、メチル系またはエチル系セルロース粉末が配設さ
れた部位より表皮側に、メチル系またはエチル系セルロ
ース粉末への水の到達を防止し、かつ水蒸気の到達を許
容する防水手段を設けた高吸湿性シート材であることを
特徴とする。
【0032】この発明の請求項記載の発明は、上記防
水手段は水の侵入を遮断する分離手段により構成した高
吸湿性シート材であることを特徴とする。
【0033】この発明の請求項記載の発明は、上記防
水手段は水の侵入速度を遅らせる遅延手段により構成し
た高吸湿性シート材であることを特徴とする。
【0034】この発明の請求項記載の発明は、上記分
離手段は水と水蒸気とを分離する分離膜により構成され
た高吸湿性シート材であることを特徴とする。
【0035】この発明の請求項記載の発明は、表層に
孔径が10μm以下の細孔を形成し、該細孔により遅延
手段を構成した高吸湿性シート材であることを特徴とす
る。
【0036】この発明の請求項10記載の発明は、表
材の最表面に透湿性樹脂層を形成すると共に、この透湿
性樹脂層の裏面に凹凸部を形成した高吸湿性シート材で
あることを特徴とする。
【0037】この発明の請求項11記載の発明は、孔
10μm以下の細孔が形成された表層の上面に溌水コー
ティング層を形成し、該溌水コーティング層を遅延手段
と成した高吸湿性シート材であることを特徴とする。
【0038】この発明の請求項12記載の発明は、上
細孔の開口率を1.0%〜50.0%の範囲内に設定し
た高吸湿性シート材であることを特徴とする。
【0039】この発明の請求項13記載の発明は、メチ
ル系またはエチル系セルロース粉末が含有された表皮材
を備え、通気性または吸湿性を有する基布に吸湿粉末
(コラーゲン、キト酸等の動植物繊維または粉末やメチ
ルセルロースなど)または短繊維(合成樹脂で吸湿性を
向上させた繊維状のものや、ウール等の粉砕品すなわち
粉になっていても性状は繊維状のもの)と粉末バインダ
とを分散したものを噴霧し、通気性または吸湿性を有す
る別基布が被覆されたものに対して熱と圧力とを付勢し
て固定された下層と、表皮層とを備えた高吸湿性シート
材であることを特徴とする。
【0040】この発明の請求項14記載の発明は、上
下層を積層構造と成した高吸湿性シート材であることを
特徴とする。
【0041】
【発明の作用および効果】この発明の請求項1記載の発
明によれば、上記表皮材はメチル系またはエチル系セル
ロース粉末、具体的にはカルボキシメチルセルロース
(いわゆるCMC)、メチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース、エチルセルロース等を含有するので、図35に
経過時間に対する吸湿量〔g/g〕の特性(CMCの特
性参照)を、図36に経過時間に対する吸湿量〔g/m
〕の特性(CMCの特性参照)をそれぞれ示すよう
に、吸湿特性および除湿特性の大幅な向上を図ることが
でき、特に目標とする吸湿量の値100g/m(図3
6参照)を達成することができる効果がある。しかも従
前の吸湿剤を用いるものと比較して必要な吸湿量を少な
い吸湿剤使用量にて達成することができる効果がある
【0042】さらに、通気、吸湿性または透湿・吸湿性
の下層にメチル系またはエチル系セルロース粉末を担持
させたので、斯る担持構造により該粉末の形状保持機能
を確保し、粉末点在による粉末分布の不均一化、片寄
り、触感悪化を防止することができ、特に下層において
上記粉末を担持するので、表皮材表面の触感向上(ざら
つき防止)を図ることができる効果がある。
【0043】この発明の請求項記載の発明によれば
述の下層を通気性吸湿性の上下2枚構造の基材とし、
これら基材間に、メチル系またはエチル系セルロース粉
末が含有された吸湿層を介設して、所謂サンドイッチ構
成となしたので、上下の基材により上記粉末を挟持し
て、該粉末の形状保持機能の向上を図ることができ、簡
単な構成により所期の目的を達成することができる効果
がある。
【0044】この発明の請求項記載の発明によれば
数の基材間に複数の吸湿層を介設する積層構造と成し
たので、一層に多量の粉末を配置する構造に対して必要
量の粉末を複数の吸湿層に分離して配設することができ
るので、上記粉末分布をより一層均一にすることができ
ると共に、吸湿剤の吸湿面それ自体を増加させられるの
で、吸湿剤を効果的に使えるため、吸湿剤の使用料を減
少できる。また、下層全体の厚み変化を防止して、下層
の厚みの均一化を図ることができる。さらに表皮材表面
のざらつきを防止することができる効果がある。
【0045】この発明の請求項記載の発明によれば
述の基材のキルティング加工手段もしくは吸湿層の透
湿樹脂による接着固定手段を施したので、吸湿層を構成
するメチル系またはエチル系セルロース粉末の経常的な
使用による移動を確実に防止することができ、この結
果、上記粉末の片寄りをより一層良好に防止して、触感
の大幅な向上を図ることができる効果がある。
【0046】この発明の請求項記載の発明によれば
述の防水手段により吸湿層への水の到達を防止する一
方、同吸湿層への水蒸気の到達を許容するので、例えば
コップの水を多量にこぼした様な場合には、上記粉末が
一度に多量の水分を吸収して、圧縮特性などの他特性が
悪化するが、このような問題点を解消して、圧縮特性な
どの他特性が悪化するのを防止することができる効果が
ある。
【0047】この発明の請求項記載の発明によれば
述の防水手段が水の侵入を遮断する分離手段により構
成されているので、吸湿層への蒸気の侵入を許容しつつ
同吸湿層への水の侵入を確実に防止することができる効
果がある。
【0048】この発明の請求項記載の発明によれば
述の防水手段が水の侵入速度を遅らせる遅延手段によ
り構成されているので、吸湿層への水の侵入速度を遅延
させて、例えば水をこぼした様の場合において時間的に
余裕をもって拭き取ることができる。
【0049】この発明の請求項記載の発明によれば
述の分離手段として水と水蒸気とを分離する分離膜を
用いるので、簡単な構成でありながら、この分離膜によ
り吸湿層への蒸気の侵入を許容しつつ同吸湿層への水の
侵入を確実に禁止することができる効果がある。
【0050】この発明の請求項記載の発明によれば
径が10μm以下の細孔により上述の遅延手段を構成
したので、簡単な構成でありながら、この細孔の通気抵
抗により水の侵入速度を遅らせることができる。
【0051】この発明の請求項10記載の発明によれ
、表皮材の最表面に透湿性樹脂層を形成し、かつ、こ
の樹脂層裏面に凹凸部を形成したので、透湿性樹脂層の
凹凸部における厚みが大の凸部により水分の侵入速度を
遅延させることができ、加えて上述の凹凸構造により侵
入された水分の分散性向上を図ることができ、特に表面
を平滑に保って触感向上を図りつつ、水分の浸透防止と
吸湿性確保との両立を図ることができる効果がある。
【0052】この発明の請求項11記載の発明によれ
、表層上面に溌水コーティング層を形成したので、上
記細孔による遅延効果に加えて、この最表面に位置する
溌水コーティング層により水をはじいて、水が吸湿層に
達するのを確実に防止するので、水の浸透速度をさらに
低下させることができる効果がある。
【0053】この発明の請求項12記載の発明によれ
、上述の細孔の開口率を1.0%〜50.0%の範囲
内に設定したので、吸湿性確保と強度維持による信頼性
確保との両立を図ることができる。
【0054】すなわち、それぞれの開口率をパラメータ
として経過時間に対する吸湿量の特性を図34に示す如
く、開口率が1.0%未満では充分に吸湿量の確保が困
難となり、逆に開口率が50.0%を超過する場合には
吸湿量確保は得られるものの、強度が低下することに起
因して、信頼性が悪化する。このため、上述の細孔の開
口率を1.0%〜50.0%の範囲内に設定することに
より、吸湿性の確保と強度維持による信頼性の確保との
両立を図ることができる効果がある。
【0055】この発明の請求項13記載の発明によれ
、通気性または吸湿性を有する基布に吸湿粉末または
短繊維と粉末バインダとを分散したものを噴霧し、通気
性または吸湿性を有する別基布が被覆されたものに対し
て熱と圧力とを付勢して固定された下層と、表皮層とを
備えているので、吸湿剤の表面を吸湿粉末または短繊維
(吸湿性を有する短繊維)が吸湿し、膨潤した後におい
ても吸湿層の通気抵抗の増大を抑制することができ、各
吸湿粉末の表面に確実に吸湿を行なわせることができ、
この結果、吸湿粉末が効率的に使用されて、その目付量
を減少させることができ、斯る目付量の減少によりシー
ト材表面の触感向上(所謂ごわごわ感を低減)を図るこ
とができる効果がある。
【0056】この発明の請求項14記載の発明によれ
、上記下層を積層構造と成したので、吸湿粉末が吸湿
し膨潤した後においても吸湿層の通気抵抗の増大をより
一層良好に抑制することができて、目付量のさらなる減
少およびシート材表面のより一層の触感向上を図ること
ができる効果がある。
【0057】
【実施例】この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳
述する。(第1実施例) 図1は高吸湿性シート材の第1実施例を示し、この表皮
材1は通気性および吸湿性または透湿性、吸湿性を有す
る表皮層2と、この表皮層2に透湿性および通気性を有
する接着層3を介して接着された通気性、吸湿性の下層
4とを備えている。
【0058】また上述の下層4は通気性、吸湿性を有す
る2枚の基材5,5を備え、これら2枚の基材5,5間
にメチル系またはエチル系セルロース粉末が含有された
吸湿層6を介設している。
【0059】ここで、上述の表皮層2としては例えば透
湿性を有するウレタン系合成樹脂を用いると共に、表皮
層2の層厚を約数10μmに設定する。また上述の接着
層3は具体的にはメッシュ状(網目状)の部分接着構造
になっている。
【0060】さらに上述の基材5,5としては例えば不
織布、起毛布、フェルトなどを用いて通気性および吸湿
性を確保する。しかも上述の吸湿層6を構成するメチル
系またはエチル系セルロース粉末としてはカルボキシメ
チルセルロース(いわゆるCMC)、メチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルメチルセルロース、エチルセルロースなどを用い
る。
【0061】この実施例では2枚の基材5,5のうちの
下側の基材5の下面にプラスチックフィルムなどからな
る漏れ防止膜7を配設し、かつ中間に吸湿層6を介設し
た上下の基材5,5を糸8によりキルティング加工し
て、吸湿層6が上下の基材5,5で移動するのを防止す
べく構成している。
【0062】このように上述の表皮材1がメチル系また
はエチル系セルロース粉末を含有するので、吸湿特性お
よび除湿特性の大幅な向上を図ることができる。加えて
上述の下層4を通気性吸湿性の2枚構造の基材5,5間
に、メチル系またはエチル系セルロース粉末が含有され
た吸湿層6を介設する所謂サンドイッチ構成と成したの
で、上記粉末の形状保持機能を確保し、粉末の点在によ
る粉末分布の不均一化、片寄り、触感悪化(所謂ごわご
わ感の発生)を防止することができる。また上述のキル
ティング加工により吸湿層6の移動を防止するので上記
粉末の片寄りをより一層良好に防止して触感向上を図る
ことができ、さらには上述の漏れ防止膜7の配設により
表皮材1の裏面側に上記粉末が漏れるのを確実に防止す
ることができる効果がある。
【0063】(第2実施例) 図2は高吸湿性シート材の第2実施例を示し、この表皮
材9は下層4の構造を、複数の基材5…と、これら基材
5,5間にそれぞれ介設される複数の吸湿層6…とで積
層構造となしたものであり、その他の構成は先の第1実
施例と同様である。
【0064】このように構成すると、複数の各基材5,
5間に吸湿層6…を分離して配設することができるので
上記粉末分布をより一層均一にすることができると共
に、下層4全体の厚み変化の防止を図ることができる効
果がある。なおその他の点については先の第1実施例と
ほぼ同様の作用、効果を奏するので、図2において図1
と同一の部分は同一符号を付して、その詳しい説明を省
略する。
【0065】(第3実施例) 図3は高吸湿性シート材の第3実施例を示し、この表皮
材10は通気性および吸湿性または透湿性、吸湿性を有
する表皮層2と、この表皮層2に接着層3を介して接着
された通気性、吸湿性の下層4とを備えている。
【0066】また上述の下層4は通気性、吸湿性を有す
る2枚の基材5,5を備え、これら2枚の基板5,5間
にメチル系またはエチル系セルロース粉末が含有された
吸湿層6を介設している。
【0067】この第3実例においては上記粉末と熱硬化
性の透湿樹脂(例えばウレタン系樹脂)とを混合し、こ
の混合物を上下の基材5,5間に挟持した後に、透湿樹
脂を熱硬化(熱プレスによる乾燥処理)させることで、
基材5,5間の吸湿層6が移動しないように構成してい
る。すなわち、第1、第2の各実例においては移動防止
手段としてキルティング加工手段を用いたが、この第3
実施例においては移動防止手段として吸湿層6の透湿樹
脂熱硬化による接着固定手段を用いたものである。
【0068】このように、上述の透湿樹脂の熱硬化によ
る接着固定手段を用いると、吸湿層6を構成する上記粉
末の移動を確実に防止することができるので、該粉末の
片寄りがなくなり、触感の向上を図ることができる効果
がある。
【0069】なお、その他の点については先の第1実施
例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図3において
は前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい
説明を省略する。ここで、上述の透湿樹脂に代えてホッ
トメルト粉末を用いてもよいことは勿論である。
【0070】(第4実施例) 図4は高吸湿性シート材の第4実施例を示し、この表皮
材11は下層4の構造を、複数の基材5…と、これら基
材5,5間にそれぞれ介設される複数の吸湿層6…とで
積層構造と成したものであり、その他の構成は先の第3
実施例と同様である。
【0071】このように構成すると、複数の各基材5,
5間に吸湿層6…を分離して配設することができるの
で、上記粉末分布をより一層均一にすることができると
共に、下層4全体の厚み変化の防止を図ることができる
効果がある。なお、その他の点については先の第3実施
例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図4において
図3と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説
明を省略する。
【0072】(第5実施例) 図5は高吸湿性シート材の第5実施例を示し、この表皮
材12は通気性吸湿性または透湿性、吸湿性の表皮層2
と、通気性吸湿性の下層4とを備え、該下層4にメチル
系またはエチル系セルロース粉末を担持させて吸湿層6
を構成したものである。
【0073】すなわち、上述の吸湿層6は、吸湿性およ
び透湿性を有する絹、綿、ウール等の短繊維13と、メ
チル系またはエチル系セルロース粉末と、ウレタン系樹
脂等の熱硬化性の透湿樹脂との三者を混合し、熱プレス
接着により構成したものである。
【0074】このように構成すると、上述の短繊維13
の混合により触感の向上を図ることができる効果があ
る。なお、その他の点に付いては先の実施例とほぼ同様
の作用、効果を奏するので、図5において前図と同一の
部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略す
る。
【0075】(第6実施例) 図6は高吸湿性シート材の第6実施例を示し、この表皮
材14は通気性および吸湿性または透湿性、吸湿性を有
する表皮層2と、この表皮層2に接着層3を介して接着
された通気性、吸湿性の下層4とを備えて、該下層4は
通気性、吸湿性を有する2枚の基材5,5を備え、これ
ら2枚の基材5,5間にメチル系またはエチル系セルロ
ース粉末が含有された吸湿層6を介設している。
【0076】この第6実施例では、上述のメチル系また
はエチル系セルロース粉末と、発泡ゴム15(通気性を
有するゴム)とを混合して、上述の吸湿層6を構成し、
上下の基材5,5間に該吸湿層6を介設した状態下にお
いて、これらを糸8でキルティング加工している。
【0077】このように構成すると、上述の発泡ゴム1
5の混合により触感向上(所謂ごわごわ感の解消)を図
ることができると共に、繰返し圧縮に対する耐久力の向
上を図って、圧縮特性および弾性を向上させることがで
きる効果がある。なお、その他の点に付いては先の第1
実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図6にお
いて前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳し
い説明を省略する。
【0078】(第7実施例) 図7は高吸湿性シート材の第7実施例を示し、この表皮
材16は上記下層4の構造を次のように構成している。
すなわち片面起毛状の基布により上述の基材5…を構成
し、この基材5の裏面つまり起毛が立っていないフラッ
トな面にウレタン樹脂等の透湿性樹脂を塗布し、この塗
布面にメチル系またはエチル系セルロース粉末を噴霧し
て吸湿層6を形成したものを積層構造と成し、かつ上述
同様に糸8を用いてキルティング加工を施したものであ
る。
【0079】このように基材5として片面起毛状の基布
を積層して用いたので、柔軟性向上を図ることができ、
また積層構造により粉末分布の均一化と粉末量確保の両
立を図ることができる。なお、その他の点については先
の第2実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図
7において前図と同一の部分には同一符号を付して、そ
の詳しい説明を省略する。
【0080】(第8実施例) 図8、図9は高吸湿性シート材の第8実施例を示し、こ
の表皮材19は通気性および吸湿性または透湿性、吸湿
性を有する表皮層2と、この表皮層2に接着層3を介し
て接着された通気性、吸湿性の下層4とを備え、該下層
4は通気性、吸湿性を有する3枚の基材5…を備え、こ
れら3枚の基材5…間にメチル系またはエチル系セルロ
ース粉末が含有された各吸湿層6,6を介設している。
【0081】この第8実施例では、上述の基材5…を構
成する短繊維20を図9に示すようにヒダ状に加工し
て、該短繊維20の表面積を拡大すると共に、この短繊
維20の表面にメチル系またはエチル系セルロース粉末
21を分散させることで、基材5…の吸湿性を大幅に向
上させ、この分に対応して吸湿層6,6におけるメチル
系またはエチル系セルロース粉末の担持量を低減すべく
構成したものである。
【0082】上述の吸湿層6は、メチル系またはエチル
系セルロース粉末と熱硬化性の透湿樹脂(例えばウレタ
ン系樹脂)とを混合して形成され、これら各吸湿層6,
6を基材5…間に挟持した後に、上述の透湿樹脂を熱硬
化(熱プレスによる乾燥処理)させることで、基材5…
間の吸湿層6が移動しないように構成されている。
【0083】(第9実施例) 図10は高吸湿性シート材の第9実施例を示し、この表
皮材22は通気性および吸湿性または透湿性、吸湿性を
有する表皮層2と、この表皮層2に接着層3を介して接
着された通気性、吸湿性の下層4とを備え、この下層4
を一層の吸湿層6により構成している。
【0084】すなわち、上述の吸湿層6は発泡前におい
てメチル系またはエチル系セルロース粉末と、セルロー
ス系発泡剤とを混合させ、この混合したものを発泡させ
ることで連通発泡層と成したものである。
【0085】このように上述の連通発泡層(吸湿層6参
照)にメチル系またはエチル系セルロース粉末を担持さ
せても、該粉末の形状保持機能を確保することができる
ので、粉末の点在による粉末分布の不均一化、片寄り、
触感悪化(所謂ごわごわ感の発生)を防止することがで
きる効果がある。なお図10において前図と同一の部分
には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0086】(第10実施例) 図11は高吸湿性シート材の第10実施例を示し、この
表皮材23は通気性および吸湿性または透湿性、吸湿性
を有する表皮層2と、この表皮層2に接着層3を介して
接着された通気性、吸湿性の下層4とを備え、この下層
4は通気性、吸湿性を有する3枚の基材5…を備え、こ
れら3枚の基材5…間にメチル系またはエチル系セルロ
ース粉末が含有された各吸湿層6,6を介設している。
【0087】しかも、この第10実施例においては3枚
の基材5,5,5のうち上側の基材5には大径の通気孔
5aを、中間の基材5には中径の通気孔5bを、下側の
基材5には小径の通気孔5cをそれぞれ形成している。
すなわち湿気を取りたい対象に対して通気孔5aの開孔
を大きくし、一度に多量の湿気をトラップした後に、順
次下側の層で吸湿させることで、吸湿量の大幅な改善を
図ったものである。一方、この構成の場合、性能の低い
他の吸湿剤(例えばコラーゲン、キト酸等)に代えた際
に吸湿材の性能を効率よく引き出せるので、上述のよう
な吸湿剤を用いる場合に有効である。なお、その他の点
については先の第2実施例とほぼ同様の作用、効果を奏
するので、図11において図2と同一部分には同一符号
を付して、その詳しい説明を省略する。
【0088】(第11実施例) 図12,図13,は高吸湿性シート材の第11実施例を
示し、この表皮材24は通気性および吸湿性または透湿
性、吸湿性を有する表皮層2と、この表皮層2に接着層
3を介して接着された通気性、吸湿性の下層4とを備
え、この下層4は通気性、吸湿性を有する3枚の基材5
…を備えている。
【0089】しかも、この第11実施例においては各基
材5…に形成される通気孔25…の大きさと、メチル系
またはエチル系セルロース粉末26の外径とをほぼ同等
に設定し、基材5に透湿性バインダ27を薄く塗布した
後に、上述の通気孔25の開口位置と対向するようにメ
チル系またはエチル系セルロース粉末26を付着させ、
積層構造に成した後に、熱プレス乾燥して上述の下層4
を構成したものである。
【0090】このように構成すると、メチル系またはエ
チル系セルロース粉末26が湿気に対して接触する面積
の拡大を図ることができるので、吸湿性能のさらなる向
上を図ることができる効果がある。一方、この構成の場
合、性能の低い他の吸湿剤(例えばコラーゲン、キト酸
等)に代えた際に吸湿材の性能を効率よく引き出せるの
で、上述のような吸湿剤を用いる場合に有効である。な
お、その他の点については先の第3実施例とほぼ同様の
作用、効果を奏するので、図12、図13において前図
と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を
省略する。
【0091】(第12実施例) 図14は高吸湿性シート材の第12実施例を示し、この
表皮材28は通気性および吸湿性または透湿性、吸湿性
を有する表皮層2と、この表皮層2に接着層3を介して
接着された通気性、吸湿性の下層4とを備え、一方の基
材5に対してメチル系またはエチル系セルロース粉末2
6と非吸湿粉末バインダ29とを混合分散したものを噴
霧し、この上に他方の基材5を重ねた後に、熱および圧
力を付加して、上述の下層4を構成したものである。
【0092】このように構成すると、粉末26すなわち
吸湿粉末は吸湿前から吸湿後にかけて順次湿気を吸収
し、表面側から内部へ序々に膨潤して、通気孔が小とな
るが、非吸湿粉末バインダ29は吸湿粉末26と比較し
て膨潤しにくいため、吸湿粉末26が膨潤しても通気孔
が小さくなりにくいので、下層4全体における吸湿粉末
26の性能を効果的に引き出すことができる。
【0093】本構造のものを試作して得られたデータを
図33に示す。試作品1(点線の特性参照)は吸湿粉末
としてメチル系セルロースを700g/m目付したも
のであり、試作品2(実線の特性参照)は吸湿粉末17
9g/mと粉末バインダ179g/mとを目付した
ものである。試作品2の粉末バインダは非透湿性のもの
であれば熱可塑性、熱硬化性の何れの樹脂でもよい。例
えばメラミン樹脂フェノール粉末等が好ましい。
【0094】すなわち図24に吸湿粉末26のみを用い
た比較例の吸湿前後の通気抵抗変化を点線で、吸湿粉末
26と非吸湿粉末バインダ29の双方を用いた実施例の
吸湿前後の通気抵抗変化を実線でそれぞれ示すように、
この実施例の通気抵抗変化は比較例のものに対して変化
量が小となり、この分、吸湿粉末26の性能を効果的に
引き出すことができる。
【0095】この点を図25乃至図28(但し図25は
吸湿前の断面図、図26は図25のA−A線矢視図、図
27は吸湿過程の断面図、図28は図27のB−B線矢
視図である)に基づいて、さらに詳述すると、上下の基
材5,5間に挟まれる吸湿粉末26…相間には上述の粉
末バインダ29が位置して、これら各吸湿粉末26,2
6間に空気通路が形成されていて、これにより湿気を含
んだ空気が各吸湿粉末26…に達し、空気に含まれる湿
気を各吸湿粉末26…が吸い取る。
【0096】しかも、本実施例の吸湿層メカニズムは、
吸湿または通気性の基材5に近い側の吸湿粉末26が図
27、図28に示すように吸湿後に水分によって膨潤し
ても、各吸湿粉末26,26相互間には非吸湿粉末バイ
ンダ29…が位置しているため、空気通路の面積が減少
することを充分に抑制することができる。この結果、吸
湿粉末26が効率的に使用されて、その目付量を減少さ
せることができ、斯る目付量の減少によりシート材非表
面の触感向上いわゆるごわごわ感の低減を図ることがで
きる効果がある。
【0097】一方、この構成の場合、性能の低い他の吸
湿剤(例えばコラーゲン、キト酸等)に代えた際に吸湿
材の性能を効率よく引き出せるので、上述のような吸湿
剤を用いる場合に有効である。
【0098】また上述の基材5と粉末26およびバイン
ダ29の層とを上下積層構造に成して、さらなる性能向
上を図ってもよい。加えて最表層の表皮層2により触感
向上(所謂ごわごわ感低減)を図ることができる。な
お、上述の吸湿粉末26に代えて吸湿性の短繊維(合成
樹脂で吸湿性を向上させた繊維状のものや、ウール等の
粉砕品すなわち粉になっていても性状は繊維状のもの)
を用いてもよい。
【0099】(第13実施例) 図15は高吸湿性シート材の第13実施例を示し、この
表皮材30はメチル系またはエチル系セルロース粉末が
配設された下層4(但し同図乃至図23においては下層
4の構造を概略的に示している)の上側に水の侵入を遮
断する分離手段として、水と水蒸気とを分離する分離膜
31を配設し、さらに、この分離膜31の上側に非透湿
性膜32を配設している。
【0100】ここで、上述の非透湿性膜32としてはポ
リプロピレンや塩化ビニール等の膜を用い、この非透湿
性膜32それ自体は吸湿性がないので、この膜32に孔
径が10μm以下で可及的小さい細孔33…を形成し、
多数の細孔33…の開孔率を1.0〜50.0%の範囲
内で可及的1.0%に近づける。一方、上述の分離膜3
1としてはセロハンやフッ素系不織布等を用いる。
【0101】また上述の非透湿性膜32の裏側には下向
きの凸部32aを一体形成する一方、上述の分離膜31
の上部には上向きの凹部31aを形成して、凸部32a
および凹部31aを互に嵌合させている。
【0102】このように上述の下層4より上側にメチル
系またはエチル系セルロース粉末への水の到達を防止
し、かつ水蒸気の到達を許容する防水手段(さらに詳し
くは水の侵入を遮断する分離手段としての分離膜31)
を設けたので、吸湿層6(前図参照)を含む下層4より
上部の層で水を遮断することができる。この結果、例え
ばコップの水を多量にこぼした様な場合にはメチル系ま
たはエチル系セルロース粉末が一度に多量の水分を吸収
して、これら粉末が溶けて固り、圧縮特性などの他特性
が悪化するが、このような問題点を解消することができ
る。
【0103】また最表層に位置する非透湿性膜32に対
して形成された細孔33の孔径を10μm以下に設定し
たので、水分の侵入速度を遅くすることができる。さら
に上述の細孔33の開口率を1.0〜50.0%の範囲
内に設定したので、吸湿性の確保と強度維持による信頼
性の確保との両立を図ることができる。すなわち、それ
ぞれの開口率をパラメータとして経過時間に対する吸湿
量の特性を図34に示すように、開口率が1.0%未満
では充分な吸湿量の確保が困難となり。逆に開口率が5
0.0%を超過する場合には吸湿量の確保はできても、
強度が低下することにより、信頼性が悪化する。このた
め、細孔33の開口率を1.0〜50.0%の範囲内に
おいて可及的1.0%に近づけることで、吸湿性の確保
と強度維持による信頼性の確保との両立を図ることがで
きる。
【0104】しかも、この第13実施例(図15参照)
おいては、上述の如き凹凸構造と成したので、細孔33
から侵入速度が遅延されながら侵入する水は分離膜31
でそれ以下の層への侵入が遮断されると共に、上記凹凸
構造により蒸気の分散性が向上する効果がある。すなわ
ち、蒸気は分離膜31上面において分散するので、分散
性の向上を図ることができる。
【0105】(第14実施例) 図16は高吸湿性シート材の第14実施例を示し、この
表皮材34は上述の非透湿性膜32の裏側に一体形成さ
れた下向きの凸部32aを下層4に直接接触させたもの
である。このように構成しても先の第13実施例とほぼ
同様の作用、効果を奏するので、図16において図15
と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を
省略する。
【0106】(第15実施例) 図17は高吸湿性シート材の第15実施例を示し、この
表皮材35はメチル系またはエチル系セルロース粉末が
配設された下層4の上側に上述同様に水の侵入を遮断す
る分離手段として、水と水蒸気とを分離する分離膜31
を配設し、さらに、この分離膜31の上側に透湿ウレタ
ン樹脂などの透湿性膜36を配設している。
【0107】また上述の透湿性膜36の裏側には下向き
の凸部36aを一体形成する一方、上述の分離膜31の
上部には上向きの凹部31aを形成して、凸部36aお
よび凹部31aを互に嵌合させている。
【0108】さらに上述の透湿性膜36において凸部3
6aが形成されていない部位の膜厚を10μm〜50μ
mの範囲内に設定して透湿性を確保する一方、凸部36
aが形成された部位においては水分の透湿抵抗を増大さ
せることで、水の侵入速度を遅らせる遅延手段を構成し
ている。
【0109】このように上述の下層4より上側にメチル
系またはエチル系セルロース粉末への水の到達を防止
し、かつ水蒸気の到達を許容する防水手段(さらに詳し
くは水の侵入を遮断する分離手段としての分離膜31)
を設けたので、吸湿層6(前図参照)を含む下層4より
上部の層で水を遮断することができる。この結果、メチ
ル系またはエチル系セルロース粉末が一度に多量の水分
を吸収して、これら粉末が溶けて固り、圧縮特性が悪化
するという問題点を解消することができる。
【0110】また上述の透湿性膜36の凸部36aが形
成された部位を、水の侵入速度を遅らせる遅延手段に設
定したので、水分の侵入速度を遅くすることができる。
加えて、この第15実施例においては上述の如き凹凸構
造と成したので、透湿性膜36から侵入速度が遅延され
ながら侵入する水は分離膜31でそれ以下の層への侵入
が遮断されると共に、上記凹凸構造により蒸気の分散性
が向上する効果がある。
【0111】(第16実施例) 図18は高吸湿性シート材の第16実施例を示し、この
表皮材37は上述の透湿性膜36の裏側に一体形成され
た下向きの凸部36aを下層4に直接接触させたもので
ある。このように構成しても先の第15実施例とほぼ同
様の作用、効果を奏するので、図18において図17と
同一部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略
する。
【0112】(第17実施例) 図19は高吸湿性シート材の第17実施例を示し、この
表皮材38はメチル系またはエチル系セルロース粉末が
配設された下層4の上面部に凹凸部4を形成する一
方、透湿ウレタン樹脂などの透湿性膜36を設け、この
透湿性膜36の裏面側に凹凸部36bを一体形成し、こ
れら各凹凸部4b,36bが互に嵌合されるように上述
の下層4の上側に透湿性膜36を配設して、一体化した
ものである。
【0113】ここで、上述の透湿性膜36の凹部の厚さ
は10〜50μmの範囲に設定し、凸部を、水の侵入速
度を遅らせる遅延手段に設定している。このように上述
の下層4より上側にメチル系またはエチル系セルロース
粉末への水の到達を防止し、かつ水蒸気の到達を許容す
る防水手段(さらに詳しくは水の侵入速度を遅らせる遅
延手段)としての透湿性膜36の凸部を形成したので、
水の侵入速度を遅らせて、メチル系またはエチル系セル
ロース粉末の圧縮特性悪化を防止することができる効果
がある。
【0114】また侵入速度が遅延されながら透湿する水
分を上述の凹凸構造により分散させるので、分散性の向
上を図ることができる。さらに上述の透湿性膜36にお
ける凸部の厚さを任意に設定することで、水分透湿量を
制御することができる。
【0115】(第18実施例) 図20は高吸湿性シート材の第18実施例を示し、この
表皮材39は下側に接着層(図示せず)を介してメチル
系またはエチル系セルロース粉末が配設された下層4を
一体的に備えた表皮層2の上面に、水接触角(contact
angle)が大きいシリコン樹脂、フッ素樹脂などの溌水コ
ーティング層40を形成すると共に、この溌水コーティ
ング層40それ自体には透湿性がない関係上、上述の溌
水コーティング層40および表皮層2に孔径が10μm
以下で可及的小径の細孔41…を形成し、さらに、複数
の細孔41…の開口率を1.0%〜50.0%の範囲内
で可及的1.0%に近づけたものである。
【0116】このように上述の下層4により上側にメチ
ル系またはエチル系セルロース粉末への水の到達を防止
し、かつ水蒸気の到達を許容する防水手段(さらに詳し
くは水接触角が大きい溌水コーティング層40を設けた
ので、吸湿層6を含む下層4より上部の層すなわち溌水
コーティング層40)で水を遮断することができる。こ
の結果、例えばコップの水を多量にこぼした様な場合に
はメチル系またはエチル系セルロース粉末が一度に多量
の水分を吸収して、これら粉末が溶けて固り、圧縮特性
が悪化するが、このような問題点を解消することができ
る。
【0117】また孔径が10μm以下の細孔41を形成
したで、この細孔41を通して侵入する一部の水分の侵
入速度を遅くすることがでる。さらに上述の細孔41の
開口率を1.0〜50.0%の範囲内に設定したので、
吸湿性の確保と強度維持による信頼性の確保との両立を
図ることができる。
【0118】(第19実施例) 図21は高吸湿性シート材の第19実施例を示し、この
表皮材42はメチル系またはエチル系セルロース粉末が
配設された下層4を構成する上側の基材5(図1参照)
の上面に対して水接触角が大きいシリコン樹脂、フッ素
樹脂などの溌水コーティング層40を形成し、この溌水
コーティング層40の上面に表皮層2を一体的に配設す
ると共に、この表皮層2に孔径が10μm以下で可及的
小径の細孔43…を形成し、さらに複数の細孔43…の
開口率を1.0%〜50.0%の範囲内で可及的1.0
%に近づけたものである。
【0119】このように構成しても、図20で示した第
18実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するので、図2
1において図20と同一の部分には同一符号を付して、
その詳しい説明を省略する。
【0120】(第20実施例) 図22は高吸湿性シート材の第20実施例を示し、この
表皮材42は上述の細孔43を有する表皮層2と、メチ
ル系またはエチル系セルロース粉末が配設された下層4
との間に、例えば不織布などの合計3層の基布層45…
を介設し、この積層構造の基布層45…に対して上側層
から下側層にいくに従って順次小径となる細孔径の孔
(図示せず)を形成したものである。
【0121】このように構成すると、上述の細孔43か
ら基布層45に侵入した水は順次通気抵抗が大となる基
布層45の孔により、順次侵入速度が遅延されると共
に、侵入途中において遮断されるので、メチル系または
エチル系セルロース粉末の圧縮特性悪化を防止すること
ができる効果がある。
【0122】(第21実施例) 図23は高吸湿性シート材の第21実施例を示し、この
表皮材46は、表皮層2と、メチル系またはエチル系セ
ルロース粉末が配設された下層4との間に、例えばポリ
プロピレンやポリエチレン等の熱可塑性フィルム層47
を介設し、このフィルム層47に孔径が10μm以下で
可及的小径の細孔48を形成し、かつ細孔48の開口率
を1.0〜50.0%の範囲内で可及的1.0%に近づ
ける一方、上述の表皮層2の層厚を50μm以下に設定
したものである。
【0123】このように構成すると、上述の表皮層2と
しての所定の摩擦係数を有する材料が使用でき、かつフ
ィルム層47に形成した細孔48により水の侵入速度を
遅らせることができるので、メチル系またはエチル系セ
ルロース粉末の圧縮特性悪化を防止することができる効
果がある。
【0124】また上述の細孔48の開口率を1.0〜5
0.0%の範囲内に設定したので、吸湿性の確保と強度
維持による信頼性の確保との両立を図ることができる。
【0125】この発明の構成と、上述の実施例との対応
において、この発明の透湿性樹脂層(請求項10参照)
は、実施例の透湿性膜36(図17〜図19参照)に対応
するも、この発明は、上述の実施例の構成のみに限定さ
れるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高吸湿性シート材の第1実施例を示
す断面図。
【図2】 本発明の高吸湿性シート材の第2実施例を示
す断面図。
【図3】 本発明の高吸湿性シート材の第3実施例を示
す断面図。
【図4】 本発明の高吸湿性シート材の第4実施例を示
す断面図。
【図5】 本発明の高吸湿性シート材の第5実施例を示
す断面図。
【図6】 本発明の高吸湿性シート材の第6実施例を示
す断面図。
【図7】 本発明の高吸湿性シート材の第7実施例を示
す断面図。
【図8】 本発明の高吸湿性シート材の第8実施例を示
す断面図。
【図9】 短繊維の拡大図。
【図10】 本発明の高吸湿性シート材の第9実施例を
示す断面図。
【図11】 本発明の高吸湿性シート材の第10実施例
を示す断面図。
【図12】 本発明の高吸湿性シート材の第11実施例
を示す断面図。
【図13】 通気孔と粉末との対応関係を示す部分拡大
図。
【図14】 本発明の高吸湿性シート材の第12実施例
を示す断面図。
【図15】 本発明の高吸湿性シート材の第13実施例
を示す断面図。
【図16】 本発明の高吸湿性シート材の第14実施例
を示す断面図。
【図17】 本発明の高吸湿性シート材の第15実施例
を示す断面図。
【図18】 本発明の高吸湿性シート材の第16実施例
を示す断面図。
【図19】 本発明の高吸湿性シート材の第17実施例
を示す断面図。
【図20】 本発明の高吸湿性シート材の第18実施例
を示す断面図。
【図21】 本発明の高吸湿性シート材の第19実施例
を示す断面図。
【図22】 本発明の高吸湿性シート材の第20実施例
を示す断面図。
【図23】 本発明の高吸湿性シート材の第21実施例
を示す断面図。
【図24】 吸湿前後における通気抵抗変化を示す特性
図。
【図25】 本発明の吸湿層メカニズムを示す吸湿前の
断面図。
【図26】 図25のA−A線矢視断面図。
【図27】 吸湿過程における断面図。
【図28】 図27のB−B線矢視断面図。
【図29】 比較例の吸湿層メカニズムを示す吸湿前の
断面図。
【図30】 図29のC−C線矢視断面図。
【図31】 比較例の吸湿過程における断面図。
【図32】 図31のD−D線矢視断面図。
【図33】 第12実施例の吸湿特性を示す説明図。
【図34】 開口率に対する吸湿量の関係を示す特性
図。
【図35】 各吸湿剤の吸湿および放湿特性図。
【図36】 経過時間に対する吸湿量の関係を示す特性
図。
【図37】 従来の天然セルロース含有複合繊維を示す
断面図。
【図38】 従来の天然セルロース含有複合繊維の吸
湿、放湿特性図。
【符号の説明】
1,9,10,11,12,14,16,19,22,
23,24,28…表皮材 30,34,35,37,38,39,42,44,4
6…表皮材 2…表皮層 4…下層 5…基材 6…吸湿層 26…吸湿粉末 29…粉末バインダ 31…分離膜 33,41.43,48…細孔 36…透湿性膜(透湿性樹脂層) 40…溌水コーティング層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶川 浩子 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−84906(JP,A) 実開 昭60−82498(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47C 27/00 - 31/12 A61F 5/44

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メチル系またはエチル系セルロース粉末が
    含有された表皮材を備え、上記表皮材は通気・吸湿性ま
    たは透湿・吸湿性の表皮層と、通気・吸湿性の下層とを
    備え、該下層にメチル系またはエチル系セルロース粉末
    が担持された高吸湿性シート材。
  2. 【請求項2】上記下層は通気性、吸湿性を有する2枚の
    基材を備え、これら2枚の基材間にメチル系またはエチ
    ル系セルロース粉末が含有された吸湿層を介設した請求
    項1記載の高吸湿性シート材。
  3. 【請求項3】上記複数の基材と、これら基材間に介設さ
    れる複数の吸湿層とで積層構造と成した請求項2記載の
    高吸湿性シート材。
  4. 【請求項4】通気性、吸湿性を有する基材間に介設され
    た吸湿層の基材間での移動を防止するように、基材のキ
    ルティング加工手段もしくは吸湿層の透湿樹脂による接
    着固定手段の何れか一方の移動防止手段が施された請求
    項2または3記載の高吸湿性シート材。
  5. 【請求項5】メチル系またはエチル系セルロース粉末が
    含有された表皮材を備え、メチル系またはエチル系セル
    ロース粉末が配設された部位より表皮側に、メチル系ま
    たはエチル系セルロース粉末への水の到達を防止し、か
    つ水蒸気の到達を許容する防水手段を設けた高吸湿性シ
    ート材。
  6. 【請求項6】上記防水手段は水の侵入を遮断する分離手
    段により構成した 請求項5記載の高吸湿性シート材。
  7. 【請求項7】上記防水手段は水の侵入速度を遅らせる遅
    延手段により構成した請求項5記載の高吸湿性シート
    材。
  8. 【請求項8】上記分離手段は水と水蒸気とを分離する分
    離膜により構成された請求項6記載の高吸湿性シート
    材。
  9. 【請求項9】表層に孔径が10μm以下の細孔を形成
    し、該細孔により遅延手段を構成した請求項7記載の
    吸湿性シート材。
  10. 【請求項10】表皮材の最表面に透湿性樹脂層を形成す
    ると共に、この透湿性樹脂層の裏面に凹凸部を形成した
    請求項6または7記載の高吸湿性シート材。
  11. 【請求項11】孔径10μm以下の細孔が形成された表
    層の上面に溌水コーティング層を形成し、該溌水コーテ
    ィング層を遅延手段と成した請求項9記載の高吸湿性シ
    ート材。
  12. 【請求項12】上記細孔の開口率を1.0%〜50.0
    %の範囲内に設定した請求項9記載の高吸湿性シート
    材。
  13. 【請求項13】メチル系またはエチル系セルロース粉末
    が含有された表皮材を備え、通気性または吸湿性を有す
    る基布に吸湿粉末または短繊維と粉末バインダとを分散
    したものを噴霧し、通気性または吸湿性を有する別基布
    が被覆されたものに対して熱と圧力とを付勢して固定さ
    れた下層と、表皮層とを備えた高吸湿性シート材。
  14. 【請求項14】上記下層を積層構造と成した 請求項13
    記載の高吸湿性シート材。
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