JP3443640B2 - 熱電材料の製造方法 - Google Patents

熱電材料の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い機械的強度を
有し、熱電材料の電気的配向性を調節し電気比抵抗ρを
制御することにより、高い熱電特性をもつ熱電材料を効
率良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、常温付近で2.5〜3.0×1
−3−1の性能指数をもつBiTe、Bi
及びSbTeのようなV−VI族系等の熱電冷
却材料は、センサー素子や光素子、LSI基板などの半
導体回路、宇宙ステーションで使用される電子機器の冷
却、レーザダイオード等の精密温度制御が要求されると
ころに使用されている。従来、このような熱電材料を製
造するには、溶解法、単結晶法、単結晶を粉砕後ホット
プレスする方法、単体金属をHIP又はホットプレスす
る方法などがある。
【0003】熱電材料を溶解により製造する方法は比較
的簡便であるが、得られた熱電材料は偏析があり、その
ままの状態では特性が安定せず使用できないので、この
溶解法により得た材料の偏析を減少させ、均一な組織と
するために、長時間熱処理を行う必要があった。しか
し、溶解によって製造する場合には、このような熱処理
によっても偏析を完全には無くすことができず、また長
時間熱処理はコスト増を招き、有効な手段とは言えなか
った。
【0004】こてに替わる手段として、単結晶法により
製造することが提案された。この単結晶により製造され
た熱電材料は性能指数が高く良好な性質を保有していた
が、強度が小さいために広範な用途には使用できないと
いう問題があった。このような、従来の欠点を解決する
方法として、PIES( pulverized andintermixed el
ements sintering )法が提案された。これは、単結晶
及び単体金属を粉砕及び混合した後、ホットプレス又は
HIP( hot isostatic pressing)により焼結するも
のであり、これによって、熱電材料の強度を高めるとと
もに、性能指数を向上させようとするものである。
【0005】そしてこの方法によって、P型組成(Bi
Te0.25(SbTe0.75の熱電材
料において、性能指数が2.4×10-3-1に達する材
料が得られたという報告がなされている(「単体金属混
合粉を用い作製したP型(BiTe0.25(S
Te0.75熱電材料の微細構造と熱電特性の
関係」Journal of the Ceramic Society of Japan,104,
〔1〕63-70,1996 参照)。
【0006】しかしながら、上記PIES法による単体
金属から得られた熱電材料は、その微細構造の形成過程
及びその性能指数が、混合粉末の粒径や酸素不純物に大
きく依存し、特に製造工程中に取り込まれる酸素不純物
が影響して熱電特性を低下させるという問題があり、性
能が安定しないという欠点があった。また、熱電材料は
複雑な結晶構造を持っているため、電気抵抗やホール係
数および熱伝導度のような物理的特性が非常に強い異方
性を持っている。そして、従来のホットプレス焼結方法
や押し出し方法では、このような異方性等のために特性
が安定せず、熱電特性を改善することが難しかった。こ
のようなことから、従来の製造方法では熱電変換特性の
改善が充分でなく、満足できる性能を持ちかつ強度の高
い熱電材料が得られていなかった。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、従来の製造
工程で発生していた酸素等の不純物の混入による固溶体
の不安定化や長時間焼結による結晶粒の粗大化を防止
し、熱電材料の機械的強度を高めるとともに歩留まりを
向上させ、かつ熱電材料の電気的配向性を調節し電気比
抵抗ρを制御することにより、高い熱電特性をもつ熱電
材料を製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、 1 V族元素とVI族元素からそれぞれ選択した一種以
上の元素の組合せを主成分とする熱電材料若しくは金属
と半金属系材料の組合せを主成分とする熱電材料又はこ
れらに酸化物、炭化物、窒化物若しくはこれらの混合物
を添加した熱電材料の直流通電加圧による焼結に際し、
100〜15000Aの可変電流範囲で通電するととも
に、磁束密度0.1T≦H≦2.0T(T:テスラ)の
範囲で磁場をかけながら焼結し、焼結体組織の電気的配
向性を得ることを特徴とする熱電材料の製造方法 2 通電焼結により、V族元素とVI族元素からそれぞ
れ選択した一種以上の元素の組合せを主成分とする熱電
材料又はこれに酸化物、炭化物、窒化物若しくはこれら
の混合物を添加した熱電材料の場合には、焼結温度を3
73K≦T≦673Kの範囲で行い、前記V族元素とV
I族元素との組み合わせ以外の金属と半金属系材料の組
合せを主成分とする熱電材料又はこれに酸化物、炭化
物、窒化物若しくはこれらの混合物を添加した熱電材料
の場合には、焼結温度を373K≦T≦1773Kで行
うことを特徴とする上記1記載の熱電材料の製造方法 3 焼結の際に、大気圧≦P≦200MPaに加圧する
ことを特徴とする上記1又は2記載の熱電材料の製造方
法 4 焼結時間を5min≦t≦30minの短時間で行
い、焼結体の粒成長を抑制することを特徴とする上記1
〜3のそれぞれに記載の熱電材料の製造方法 5 それぞれの熱電材料の原料粉を混合し、回転ミル、
遊星ミル又は振動ミルを用いてメカニカルアロイングを
行い、次に得られたメカニカルアロイング粉を篩分し粒
度32μm以下の粉末に調製した後、焼結することを特
徴とする上記1〜4のそれぞれに記載の熱電材料の製造
方法 6 焼結体の平均結晶粒径が3μm以下の微細結晶粒構
造であることを特徴とする上記1〜5のそれぞれに記載
の熱電材料の製造方法 7 ミリングに際し、ジルコニア(ZrO)ボールと
ジルコニア容器を使用することを特徴とする上記5又は
6記載の熱電材料の製造方法 8 ミリング時間(t)を30hr≦t≦250hrと
することを特徴とする上記5〜7のそれぞれに記載の熱
電材料の製造方法 9 ミリングにおける原料粉末とボールの重量比を1:
100〜1:50とすることを特徴とする上記5〜8の
それぞれに記載の熱電材料の製造方法 10 ミル容積に対するボールの体積分率を50%〜8
5%とすることを特徴とする上記5〜9のそれぞれに記
載の熱電材料の製造方法 、を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】熱電変換特性の目安である性能指
数Zは、一般に次の式で与えられる。 Z=α/ρ・κ ここで、αはゼ‐ベック係数、ρは電気比抵抗、κは熱
伝導度である。与式から明らかなように、ゼーベック係
数が大きいほど、またρとκが小さいほど性能指数Zは
大きくなる。しかし、熱および電気伝導の伝導機構がフ
ォノン、電子、ホールに関係するので、ρとκを同時に
小さくするのは非常に難しい。したがって、少なくとも
いずれか一方を制御することにより、高い性能指数を得
ることができる。電気伝導度はホール濃度にホール移動
度をかけた値又は電子濃度に電子移動度をかけた値で表
す物性であり、本発明はMA(メカニカルアロイング)
から得た微細粉末をホットプレス、通電焼結等を用いて
焼結することにより、熱電材料の機械的強度を高め、か
つ歩留まりを向上させるとともに、特に熱電材料の電気
的配向性を調節し電気比抵抗ρを制御することにより、
高い熱電特性をもつ熱電材料を製造する方法を提供する
ものである。
【0010】本発明は、まずSb、Bi等のV族元素と
Se、Te等のVI族元素からそれぞれ選択した一種以
上の元素(半金属−半金属系)の組合せを主成分とする
熱電材料若しくは金属と半金属系材料の組合せを主成分
とする熱電材料又はこれらに酸化物、炭化物、窒化物若
しくはこれらの混合物を添加した熱電材料を使用する。
半金属−半金属系(V族元素−VI族元素)材料として
は、BiTe、SbTe、BiSe、Sb
Seなどを挙げることができる。また金属−半金属
系材料の例としては、FeSi、MgSi、Mg
Ge、CoSb 、CoAsなどを挙げることができ
る。メカニカルアロイングに際し、出発原料としてこれ
らの材料の単金属粉末を使用することができる。
【0011】上記に添加する酸化物としては、Zr
、Alなど、炭化物としては、SiC、Ti
Cなど、窒化物としては、BN、AlNなどを使用する
ことができる。 下記のメカニカルアロイングに際して
は、これらの材料を予め混合し、その後ミリングを行
う。これらの酸化物、炭化物及び窒化物は、結合力が強
い化合物であり、熱伝導度が小さくフォノンの散乱効果
があり、これらを0.001〜5wt%の範囲で分散さ
せることにより、熱電材料の熱伝導率を顕著に低減させ
る役割をする。
【0012】上記原料粉である100μm以下の粉末
を、回転ミル、遊星ミル又は振動ミルに装填しメカニカ
ルアロイングを行う。熱電材料の焼結用原料粉の製造に
際し、このメカニカルアロイング法を使用するによっ
て、不純物の混入に起因する固溶体の不安定化及び結晶
粒の粗大化を防止又は抑制し、機械的強度を高めるとと
もに歩留まりを向上させ、高い熱電特性をもつ熱電材料
を効率良く製造することができる。
【0013】熱伝導は電子またはフォノンによる伝導機
構であり、バルク材において熱伝導度を低くするために
は、微細粒子による粒界の増大効果、さらには酸化物、
炭化物及び窒化物の微細介在物の粒界分散によるフォノ
ン散乱が熱伝導率を低減させる有効な方法である。フォ
ノン散乱に有効な超微細の介在物を均一に分散させる方
法として、本発明は上記の通り酸化物、炭化物、窒化物
の粉末(0.001〜5wt%)を使用するが、特にジ
ルコニア粉末を0.001〜5wt%添加するととも
に、ジルコニア(ZrO)ボールとジルコニア容器を
用いて、他の不純物の混入を防ぎながら原料粉末をミリ
ングするのが有効である。
【0014】ジルコニアは絶縁体であり、焼結の際の通
電や磁場による影響を受けないので、理論的には粉末粒
子のより均一な分散が可能である。しかし、単にジルコ
ニア粉末を添加し、ミリングによって超微粒子を粒界へ
分散させようとしても、充分でない場合が多く、そのた
めのミリングに長時間を要する。また、このような長時
間のミリングは、他の不純物混入の原因となる。ところ
が、上記粉末の添加とともにジルコニア(ZrO)ボ
ールとジルコニア容器を使用することにより、該ボール
又は容器からのジルコニアの混入を利用して、より微細
かつ均一分散をより効率的に促進することができる。す
なわち、本発明はメカニカルアロイングによる粉末の微
細化及び均一分散とともに、ボール及び容器からのジル
コニアの混入を利用して、粒界への分散をより効果的に
することができる。これは、フォノン散乱に有効な超微
細の介在物を均一に分散させる方法として極めて有効で
ある。
【0015】また、ミリングにおける原料粉末とボール
の重量比を1:100〜1:50及びミル(容器)の容
積に対するボールの体積分率を50%〜85%とするこ
とが望ましい。上記の条件を外れると、振動による衝突
エネルギーの変化により、目的とする合金化を達成する
ことが難しくなる。ミリング時間(t)は30hr≦t
≦250hrとすることが望ましい。このようなミリン
グ時間により、使用するボール又は添加した少量の混合
物の超微細粒子が粒界に均一に分散するようになる。し
かし、30時間未満であると、熱電材料の焼結原料とな
るメカニカルアロイングが不十分であり、逆に250時
間を超えると不純物の混入やガス成分の吸収が多くな
り、また作業能率が悪くなる。
【0016】ホットプレス、HIP、通電焼結等による
焼結の前に、生成したメカニカルアロイング粉を篩分
し、粒度32μm以下の粉末に調製する。粒度32μm
を超える粉末を用いると、焼結の際に微細な結晶粒組織
が得られにくい。焼結は可変直流100〜5000Aを
用いて焼結する。焼結温度(T)は、Sb、Bi等のV
族元素とSe、Te等のVI族元素からそれぞれ選択し
た一種以上の元素の組合せを主成分とする熱電材料又は
これに酸化物、炭化物、窒化物若しくはこれらの混合物
を添加した熱電材料の場合には、373K≦T≦673
Kの温度範囲で行い、金属と半金属系材料の組合せを主
成分とする熱電材料又はこれに酸化物、炭化物、窒化物
若しくはこれらの混合物を添加した熱電材料の場合に
は、373K≦T≦1773Kの温度範囲で行うことが
望ましい。373K未満では焼結が充分でなく焼結時間
も多くかかることになる。また上記それぞれの上限温度
である673K又は上限温度1773K超えると、結晶
粒が大きくなり、特性の劣化をもたらすので好ましくな
い。焼結時間(t)は5min≦t≦30minとする
のが望ましい。5分未満では焼結完了までに要する時間
が不十分であり、また30分を超えると結晶粒の増大化
(粗大化)とともに、また粒界に分散していた介在物が
結晶粒内へ移動し、熱電特性の低下をもたらすからであ
る。したがって、上記の焼結時間が好ましく、これによ
って焼結体の緻密化と結晶粒の微細化が達成できる。
【0017】さらに焼結の際に、大気圧≦P≦200M
Paに加圧する。なお、加圧力が200MPaを超える
と焼結体に割れが入ることがあり、またそれ以上に加圧
しても緻密化が飽和するので上記の範囲で行うのが適当
である。本発明において、より重要なことは、通電加熱
による熱電材料の焼結に際し、磁束密度0.1T≦H≦
2.0T(T:テスラ)の範囲で磁場をかけながら焼結
し、焼結体組織の電気的配向性を得ることである。これ
によって、キヤリヤ移動の制御が可能となる。但し、
0.1T未満では磁場によるキヤリヤ移動の制御の効果
が小さく、また2.0Tを超えるとキャリヤの型が電子
からホールに、またホールから電子に変わったりするの
で、制御が難しくなるので上記の範囲とするのが適当で
ある。以上によって、電気抵抗やホール係数および熱伝
導度のような物理的特性の異方性を減少又は消失させる
とともに熱電特性を安定にし、平均結晶粒径が3μm以
下の微細結晶粒構造をもつ焼結体、例えばx%(Bi
Te)y%(SbTe)[x=20〜80,y=
80〜20]等の、優れた性能指数を有する熱電材料が
得られる。
【0018】
【実施例】なお、本発明の実施例は、好適な一例を示す
ものであって、これによって特許請求の範囲を制限する
ものではない。すなわち、本発明の技術思想に基づく他
の実施例、態様及び変形は、当然本発明に包含されるも
のである。本実施例において、x%(BiTe)y
%(SbTe)の組成(25≦x≦75,75≦y
≦25)の熱電材料の組成となる、具体的には(Bi
Te0.25(SbTe0.75、(Bi
Te0.50(SbTe0。50、(Bi
Te0.75(SbTe0.25、の3種類
の組成からなる熱電材料を作製するために、それぞれの
原材料粉末をジルコニア(ZrO)ボールとジルコニア
ミル容器を用いてメカニカルアロイングを実施した。振
動ミルを用いて200時間のミリングを行った。ミリン
グにおける原料粉末とボールの重量比は、1:100と
した。また、この時のミル(容器)の容積に対するボー
ルの体積分率は80%とした。
【0019】生成したメカニカルアロイング粉は、篩分
けして粒度32μm以下の粉末に調製した。焼結温度
(T)は、618Kで実施し、焼結時間(t)は10分
とした。これによって得た焼結体のX線回折パターンを
図1に示す。上記のように、組成を変化させているにも
かかわらず、V族とVI族系からなる熱電材料の典型的
な菱面体晶系( rhombohedral )を示す。図1におい
て、熱電特性に有効なBiTeおよびSbTe
の固溶体ピーク以外に、ZrO やその他の酸化物相が
現れていない(ピークが見られない)ことから、ZrO
等の酸化物は超微細粒子として焼結体の結晶粒界に微
量分散されており、Bi TeおよびSbTe
溶体相における組成ゆらぎは抑制され、原料粉末の酸化
等による熱電特性の低下も認められない。
【0020】図2に、上記熱電材料(BiTe
0.25(SbTe0.75のゼーベック係数の
温度依存性を示す。この実施例に示す本発明の熱電材料
の熱伝導度|α|は300〜440Kの温度域で殆ど差が
なく、常温(300K)で220μVK−1を超えてお
り、従来技術に比べ非常に大きい値を示した。図3に、
上記熱電材料(BiTe0.25(Sb
0.75の電気比抵抗の温度依存性を示す。この
実施例に示す本発明の熱電材料の電気比抵抗は非常に小
さい値を示している。以上から、室温域の熱電冷却素子
等において、本発明によって製造した熱電材料は、高い
熱電特性が得られる。なお、本実施例においては、熱電
材料としてSb、BiのV族元素−TeのVI族元素か
らなる熱電材料の例を示したが、金属−半金属熱電材料
又はこれらに酸化物、炭化物、窒化物若しくはこれらの
混合物を添加した熱電材料においても、直流通電及び磁
場の効果が同様な役割(作用)をするため、同じ結果が
得られる。
【0021】
【発明の効果】従来の製造工程で発生していた酸素等の
不純物の混入による固溶体の不安定化や長時間焼結によ
る結晶粒の粗大化を防止し、熱電材料の機械的強度を高
めるとともに歩留まりを向上させ、かつ熱電材料の電気
的配向性を調節し電気比抵抗ρを制御することにより、
高い熱電特性をもつ熱電材料を製造することができる優
れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である(BiTe
0.25(SbTe0.75、(BiTe
0.50(SbTe0。50、(BiTe
0.7 (SbTe0.25、の3種類の組成か
らなる熱電材料の各焼結体のX線回折パターンを示す図
である。
【図2】本発明の実施例である熱電材料(Bi
0.25(SbTe .75のゼーベック
係数の温度依存性を示す図である。
【図3】本発明の実施例である熱電材料(Bi
0.25(SbTe .75の電気比抵抗
の温度依存性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 35/14 H01L 35/34

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 V族元素とVI族元素からそれぞれ選択
    した一種以上の元素の組合せを主成分とする熱電材料若
    しくは金属と半金属系材料の組合せを主成分とする熱電
    材料又はこれらに酸化物、炭化物、窒化物若しくはこれ
    らの混合物を添加した熱電材料の直流通電加圧による焼
    結に際し、100〜15000Aの可変電流範囲で通電
    するとともに、磁束密度0.1T≦H≦2.0T(T:
    テスラ)の範囲で磁場をかけながら焼結し、焼結体組織
    の電気的配向性を得ることを特徴とする熱電材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 通電焼結により、V族元素とVI族元素
    からそれぞれ選択した一種以上の元素の組合せを主成分
    とする熱電材料又はこれに酸化物、炭化物、窒化物若し
    くはこれらの混合物を添加した熱電材料の場合には、焼
    結温度を373K≦T≦673Kの範囲で行い、前記V
    族元素とVI族元素との組み合わせ以外の金属と半金属
    系材料の組合せを主成分とする熱電材料又はこれに酸化
    物、炭化物、窒化物若しくはこれらの混合物を添加した
    熱電材料の場合には、焼結温度を373K≦T≦177
    3Kで行うことを特徴とする請求項1記載の熱電材料の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 焼結の際に、大気圧≦P≦200MPa
    に加圧することを特徴とする請求項1又は2記載の熱電
    材料の製造方法。
  4. 【請求項4】 焼結時間を5min≦t≦30minの
    短時間で行い、焼結体の粒成長を抑制することを特徴と
    する請求項1〜3のそれぞれに記載の熱電材料の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 それぞれの熱電材料の原料粉を混合し、
    回転ミル、遊星ミル又は振動ミルを用いてメカニカルア
    ロイングを行い、次に得られたメカニカルアロイング粉
    を篩分し粒度32μm以下の粉末に調製した後、焼結す
    ることを特徴とする請求項1〜4のそれぞれに記載の熱
    電材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 焼結体の平均結晶粒径が3μm以下の微
    細結晶粒構造であることを特徴とする請求項1〜5のそ
    れぞれに記載の熱電材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 ミリングに際し、ジルコニア(Zr
    )ボールとジルコニア容器を使用することを特徴と
    する請求項5又は6記載の熱電材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 ミリング時間(t)を30hr≦t≦2
    50hrとすることを特徴とする請求項5〜7のそれぞ
    れに記載の熱電材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 ミリングにおける原料粉末とボールの重
    量比を1:100〜1:50とすることを特徴とする請
    求項5〜8のそれぞれに記載の熱電材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 ミル容積に対するボールの体積分率を
    50%〜85%とすることを特徴とする請求項5〜9の
    それぞれに記載の熱電材料の製造方法。
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