JP3442799B2 - 高混練ミキシングエレメント - Google Patents

高混練ミキシングエレメント

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチック、食品、セ
ラミック、ゴム等の単軸押出機、射出成形機等に利用す
る高混練ミキシングエレメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】単軸可塑化装置は、供給された固体原料
を溶融可塑化して押出す装置であり、熱、物質的に均一
な状態で、しかも大容量の処理ができることが望まれ
る。一般的には大容量で押出そうとすると、熱、物質的
均一性を保つことが難しくなるため、各種ミキシングエ
レメントが混練性向上を目的に提案されている。その混
練性向上のためのミキシングエレメントの1つとして、
図13に示すスクリュ6の外周部に複数段のフィン2を
持つダルメージがあり、広く使用されている。図14は
図13の軸直角H〜H断面を示す。このダルメージは外
周部に数条の溝1とフィン2を有するフィン部3、円周
方向に開放された円筒部4とを数段組み合わせた構造と
なっている。このダルメージ部では、フィン部3に送り
込まれた樹脂は、何条かに分かれているフィン2によっ
て分割され、フィン2間に形成される溝1内で旋回しな
がら先端へと押し出され、フィン部3の出口で合流した
樹脂は、円筒部4でスクリュの回転に伴い、剪断作用を
受けて円周方向に引き延ばされ、次いで更に後段のフィ
ン2によって分割されるという複合的作用を受けながら
混練される。従来レベルの容量での押し出しでは、この
ダルメージはかなりの混練効果を有するが、大容量の処
理をしようとするとき、この部分を通過する樹脂の滞留
時間が小さくなり、混練不良が生じてしまう。
【0003】大容量の処理をする場合でも、必要とされ
る均質性を持つ押出物を得ることができる装置として、
図15に示すミキシングエレメントが提案されている
(特開昭62−167025号公報)。これはスクリュ
6の外周とシリンダ7の内面に装着、固定されたスリー
ブ8の内周にフィン2,10を夫々複数個形成すると共
に、スクリュ側のフィン2とシリンダ側のフィン10を
軸方向に交互に配置した構造を持つものであり、ダルメ
ージでの混練作用に加え樹脂が夫々のフィン間を通過す
る際、両フィン間の間隙δ1 ,δ2 を持つ部分で軸の直
角方向に強い剪断作用を与えて混練効果を高めるもので
ある。なお、このシリンダ側の内面にフィンを形成した
前記の従来技術では、シリンダ側にフィンを形成した部
分11では、同部のスクリュ外周面は円柱形状であり、
スクリュ側にフィンを形成した部分3では、同部シリン
ダの円周面は円筒形状であり、スクリュ6、シリンダ7
の長手方向各断面では、スクリュ6、シリンダ7の何れ
か一方にフィンを形成した構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の図15に示すス
クリュ6の外周及びシリンダ7の内面に装着、固定され
たスリーブ8の内周に複数個のフィン2,10を形成
し、かつこのフィン部3,11を多段に組み合わせた構
造の混練機構(以後フィン付スクリュ、フィン付シリン
ダ混練機構と呼ぶ)では、シリンダ7に設けたフィン1
0の頂部16の内接円の直径は、当該部より上流側のス
クリュ6の外径より小さく、かつ内面にフィンを形成し
たスリーブ8はシリンダ7に固定されている。従ってス
クリュ抜出し時スリーブ8は固定を解除され、スクリュ
6と共に抜出されることが必要となる。また図15に示
すシリンダ15の内径を上流側のシリンダ7の内径より
も大径に加工し、その内部にスリーブ8が装着された構
造の場合、スクリュ6と共にシリンダ7からスリーブ8
が抜出された後のスペースにスクリュ6に付着している
溶融樹脂が落下付着するため、スクリュ6を再挿入後シ
リンダの大径加工部にスリーブ8を装着する際、この大
径部シリンダ15の内面の十分な清掃が必要となる。ま
た本構造の場合、スリーブ8はシリンダ7に固定されて
おり、スクリュが前後進する射出成形機では、スクリュ
が前後進するとスリーブ内周に設けたフィン10とスク
リュ外周に設けたフィン2或いはスクリュのフライト1
8が接触するため本混練機構を利用することができな
い。またスリーブ8を装着するために内面を大径化した
シリンダ15は、上流のシリンダ7よりも薄肉となって
強度が低下し、この部分の樹脂圧力を高くすることがで
きない。この内面を大径化したシリンダ部15の強度
は、シリンダの外径を他の部分よりも大きくする等の手
段により高めることができるが、この場合はシリンダの
内、外径を他の部分と異なる加工をすることが必要とな
り、装置加工コストが大きくなる欠点があった。
【0005】一方前記混練機構の上流側のフルフライト
部スクリュ溝の深さ方向で中央部分の樹脂は、この混練
機構部に入っても、フィン溝中央を流れる確率が大であ
り、溝深さ方向(フィン高さ方向)での位置の転換を受
け難いこと、また溝中央部の樹脂の流速は早いため、滞
留時間がシリンダ壁面、スクリュ壁面を流れる樹脂に比
較して短いことにより、大容量で押出す場合には混練が
不十分になり、押出物に斑が発生したり、温度の均一性
が不良となってしまう。なお、フィン付スクリュ、フィ
ン付シリンダ部では樹脂の輸送能力が小さく、樹脂は主
に圧力流によって流れており、溝中央部の流速が最も早
いこと、また円周方向に配列されたフィン2,10間に
形成される溝内で、スクリュの回転と共に循環流れは発
生するが、溝中央付近の流れは殆どこの循環流の影響を
受けず、溝長手方向にほぼフィン2,10に平行に進む
ことは理論上類推できる。本発明は前記従来の諸問題を
解決するために提案されたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため本発明は、単軸
押出機、射出成形機の長手方向の一部又は複数の部分に
おいてスクリュの外周とシリンダの内周にフィンを夫々
複数個形成すると共に、前記スクリュ側のフィンとシリ
ンダ側のフィンを軸方向に交互に配置した単軸可塑化装
置において、スクリュ側に設けたフィン頂部の外接円
は、当該部より上流側、即ちスクリュ基部側のスクリュ
外径より小さい直径を持ち、かつシリンダ側に設けたフ
ィン頂部の内接円は、当該部より上流側、即ち上流側の
溝底で形成される円の直径より小さい直径を持ち、かつ
シリンダ側のフィンを内面に持つ部材は、長手方向に同
一径を持つシリンダ内部に挿入され、シリンダ内径より
僅かに小さい寸法の外径を持つ円筒状構造としてなるも
のであり、また単軸押出機、射出成形機の長手方向の一
部又は複数の部分においてスクリュの外周とシリンダの
内周にフィンを夫々複数個形成すると共に、前記スクリ
ュ側のフィンとシリンダ側のフィンを軸方向に交互に配
置した単軸可塑化装置において、長手方向の一部の部分
では、スクリュ側とシリンダ側の双方にフィンが形成さ
れ、前記スクリュ側のフィンと前記シリンダ側のフィン
の頂部が半径方向にクリアランスを有している構造を持
ち、また他の一部分ではスクリュ側かシリンダ側の一方
にのみ、円周方向に配列したフィンを持つようにしてな
るもので、これらを課題解決のための手段とするもので
ある。
【0007】
【作用】請求項1の発明では、内面にフィンを形成し、
シリンダの内径より小さい寸法の外径を持つフィン付円
筒リングは、スクリュに設置したフィン部と軸方向の相
対的位置を大きく変えることなく、シリンダ内で軸方向
に移動可能となる。本構造とした場合、必然的にフィン
を形成したスクリュ軸径d1 は小径となり、上流側スク
リュ軸径d2 の部分からの流入する熱量を小さく抑える
ことができる。従来技術のようにフィンを形成した部分
のスクリュの軸径が大きい場合、フィン付スクリュ、フ
ィン付シリンダ混練機構部で十分な混練を行なっても、
上流側スクリュから流入する熱量が大きいため、フィン
形成スクリュ部の温度は上流部スクリュ温度に大きく影
響され、ひいてはスクリュ出口での樹脂温度の均質性を
損なうこととなる。特にスクリュ回転数が高い条件で
は、上流部のスクリュ温度が高くなる傾向になり、スク
リュ壁面を通過する樹脂温度が上昇するが、本発明の場
合フィンを形成したスクリュ部は小径のため上流部スク
リュと断熱に近い状態にあり、この部分のスクリュ温度
は混合されながら流れる樹脂温度とほぼ等しい温度とな
るため、スクリュ出口の樹脂温度分布もより小さくな
る。
【0008】また請求項2の発明によると、軸方向同一
断面に、スクリュ側、シリンダ側に夫々フィンを形成し
た構造の軸断面内の樹脂の循環の状態を図10の矢印で
示した。またシリンダ側のみにフィンを持つ構造、スク
リュ側のみにフィンを持つ構造では、溝内を循環する樹
脂はシリンダ或いは円筒リングの内壁とスクリュ外壁間
で形成される流路を1つの渦を形成して流れ、流路中央
部の樹脂はこの断面に垂直な軸方向に流れるのみで、循
環流の速度は極めて小さいのに対し、図10の場合に
は、半径方向に2つの溝が形成され、これが相対的に円
周方向に移動するため、流路中央部を流れる樹脂は、ス
クリュ側或いはシリンダ側のフィン頂部で分断されて2
つの渦を形成し、スクリュ壁或いはシリンダ壁付近の流
れとなって循環することとなり、流路中央の樹脂の断面
内での位置的転換が可能となる。
【0009】
【実施例】以下本発明を図面の実施例について説明する
と、図1〜図4は本発明の第1実施例を示す。先ず図1
は本発明に係る実施例の高混練ミキシングエレメントを
先端部に設置した押出機を示す。そしてその先端部のス
クリュ6の外周と、シリンダ7の内面に装着され、シリ
ンダ7の内径より僅かに小さい外径を持つ円筒リング1
3の内周には、複数個のフィン2,10が夫々形成され
ており、これらフィン2と10は軸方向に交互に配置さ
れている。図2は図1のA〜A断面、図3は図1のB〜
B断面図である。本図ではスクリュ側のフィン2の数
と、シリンダ側のフィン10の数は同一であるが、両者
の組み立てが可能であれば、両者のフィンの数は異なっ
ていてもよい。
【0010】図4は射出成形機の先端部に本発明の構造
を適用した場合の側断面図であり、スクリュ6が軸方向
に移動すると共に、内面にフィンを持つ円筒リング13
は、スクリュ側のフィン2、シリンダ側のフィン10の
軸方向の相対的位置を大きく変えることなく移動でき
る。即ち、円筒リング13はスクリュ6とスクリュチッ
プ14の間に、長手方向の隙間δ1 を持って挟み込まれ
た形でセットされる。従って円筒リング13は、スクリ
と共に後退、前進を繰り返すことができる。なお、
円筒リング13の内周面のフィン10と、スクリュ外周
面のフィン2間の長手方向のクリアランスδ2はδ1
りも大きい寸法とすることが必要である。なお、図示し
ていないが本発明の場合、内面にフィン10を形成した
円筒リング13の外径は、シリンダ7の内径より僅かに
小さくしてあるため、シリンダどの部分、即ちスク
リュ長手方向のどの部分にでも設置することができ、フ
ルフライト形状、フィン付スクリュ、フィン付シリンダ
混練部を押し出す目的、材料、用途に応じて交互に組み
合わせた可塑化装置とすることも可能である。
【0011】次に図5〜図9について本発明の他の実施
例を説明すると、この実施例はスクリュ6側或いはシリ
ンダ7側の何れか一方に、フィン2,10を形成した部
分と、スクリュ6側、シリンダ7側の双方にフィンを形
成した部分α部を組み合わせて構成した1実施例であ
る。この本発明の実施例における構成部分では、流路中
央を流れる樹脂を混合する作用は顕著であるが、軸方向
長さを長くとる必要があり、また比較的短い長さで、ス
クリュ側、シリンダ側のフィン間で生ずる軸断面方向の
強い剪断が得られる従来例の構造を組み合わせ、バラン
スのよい混練作用を持たせようとしたものである。図9
はスクリュ側、シリンダ側のフィンの高さを共に連続的
に変化させたものであり、α部が本発明による部分であ
る。なお、本発明の前記他の実施例の場合には、スクリ
ュ6の前後進と共に、内周面にフィン10を形成した円
筒リング13が軸方向に移動可能とした例を示したが、
シリンダ側に形成されるフィンは、図15の従来例に見
られる固定スリーブ8のような構造、或いはシリンダ内
面に直接フィンを加工したものでも、全く同一の作用、
効果を持つ。
【0012】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明による
と、シリンダに特別の加工を施すことなく、低コストで
製造でき、しかもスクリュの抜出し、掃除が容易で、か
つ熱的、物質的に均一に混合できる高混練ミキシングエ
レメントを提供でき、また混練機構は射出成形機にも利
用できる。更にスクリュ長手方向に通常のフルフライト
スクリュの間に複数個所設置することも可能である。ま
た本発明のミキシングエレメントを一部に採用した押出
機、射出成形機では、大容量処理の場合でも温度斑のな
い、物質的に均一な押出物を得ることができる。
【0013】また請求項2における本発明によると、ス
クリュ側、シリンダ側のスクリュの回転に伴って相対的
位置が変化する溝内で循環流が生じ、流路中央部の樹脂
は滞留時間の比較的大きいスクリュ壁付近、円筒リング
の壁付近へと置換される。この作用と、スクリュ、シリ
ンダ側のフィンの頂部或いは半径方向の側面間で受ける
強い剪断作用により、樹脂は熱的にも、物質的にも均一
となって押し出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す高混練ミキシングエ
レメントを押出機先端に設置した状態の側断面図であ
る。
【図2】図1のA〜A断面図である。
【図3】図1のB〜B断面図である。
【図4】図1の高混練ミキシングエレメントを射出成形
機先端に設置した状態の側断面図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す高混練ミキシングエ
レメントを押出機先端に設置した状態の側断面図であ
る。
【図6】図5のC〜C又はE〜E断面図である。
【図7】図5のD〜D又はG〜G断面図である。
【図8】図5のF〜F断面図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す側断面図である。
【図10】図5及び図9におけるF〜F断面部の作用の
説明図である。
【図11】図5及び図9におけるD〜D又はG〜G断面
部の作用の説明図である。
【図12】図5及び図9におけるC〜C又はE〜E断面
部の作用の説明図である。
【図13】従来のダルメージ形スクリュの側面図であ
る。
【図14】図13のH〜H断面図である。
【図15】従来のフィン付スクリュとフィン付シリンダ
の組合せ機構の側断面図である。
【図16】図15のI〜I断面図である。
【図17】図15のJ〜J断面図である。
【符号の説明】
2 スクリュ側のフィン 3 スクリュ側のフィン形成部 6 スクリュ 7 シリンダ 9 シリンダ側の溝 10 シリンダ側のフィン 11 シリンダ側のフィン形成部 13 内周面にフィンを形成した円筒リング 14 スクリュチップ 15 内径が大シリンダ部 18 スクリュのフライト 19 スクリュ溝底
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29C 47/64 B29C 47/64 47/66 47/66 (56)参考文献 特開 昭54−40864(JP,A) 特開 昭57−110429(JP,A) 特開 昭62−167025(JP,A) 特公 昭44−4574(JP,B1) 特公 昭52−46984(JP,B2) 特公 昭57−39217(JP,B2) 実公 昭52−8818(JP,Y2) 実公 昭56−21549(JP,Y2) 実公 昭61−34029(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01F 7/00 - 7/32 B29B 7/00 - 7/94 B29C 45/00 - 45/84 B29C 47/00 - 47/96

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単軸押出機、射出成形機の長手方向の一
    部又は複数の部分においてスクリュの外周とシリンダの
    内周にフィンを夫々複数個形成すると共に、前記スクリ
    ュ側のフィンとシリンダ側のフィンを軸方向に交互に配
    置した単軸可塑化装置において、スクリュ側に設けたフ
    ィン頂部の外接円は、当該部より上流側、即ちスクリュ
    基部側のスクリュ外径より小さい直径を持ち、かつシリ
    ンダ側に設けたフィン頂部の内接円は、当該部より上流
    側、即ち上流側の溝底で形成される円の直径より小さい
    直径を持ち、かつシリンダ側のフィンを内面に持つ部材
    は、長手方向に同一径を持つシリンダ内部に挿入され、
    シリンダ内径より僅かに小さい寸法の外径を持つ円筒状
    構造としたことを特徴とする高混練ミキシングエレメン
    ト。
  2. 【請求項2】 単軸押出機、射出成形機の長手方向の一
    部又は複数の部分においてスクリュの外周とシリンダの
    内周にフィンを夫々複数個形成すると共に、前記スクリ
    ュ側のフィンと前記シリンダ側のフィンを軸方向に交互
    に配置した単軸可塑化装置において、長手方向の一部の
    部分では、スクリュ側とシリンダ側の双方にフィンが形
    成され、前記スクリュ側のフィンと前記シリンダ側のフ
    ィンの頂部が半径方向にクリアランスを有している構造
    を持ち、また他の一部分ではスクリュ側かシリンダ側の
    一方にのみ、円周方向に配列したフィンを持つことを特
    徴とする高混練ミキシングエレメント。
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CN113799347B (zh) * 2021-08-18 2023-09-05 昆山德镁嘉精密机械有限公司 一种可防止逆流的注塑机用螺杆结构

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