JP3442198B2 - グロメット - Google Patents

グロメット

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JP3442198B2 JP17623595A JP17623595A JP3442198B2 JP 3442198 B2 JP3442198 B2 JP 3442198B2 JP 17623595 A JP17623595 A JP 17623595A JP 17623595 A JP17623595 A JP 17623595A JP 3442198 B2 JP3442198 B2 JP 3442198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パネル等に設けら
れたパネル穴をシールするグロメットに関し、詳しくは
パネル穴近傍のパネル面に接触してシール性を確保する
防水シール部を備えたグロメットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車等の車体パネルのパネル
穴に装着されるグロメットに関しては、例えば、実開昭
63ー63914号公報等に開示されているような2部
品構成のものが種々知られている。図8に示すように従
来のグロメット51は、グロメット本体52とロック部
材53とから構成されている。さらに詳しくは、ゴム等
の軟質弾性材からなるグロメット本体52には円板状の
基板54と、この基板54の後面にワイヤハーネス5を
水密的に支持するハーネス支持筒6が蛇腹部7を介して
同軸上に設けられている。
【0003】また、基板54の内周面には環状凹溝58
が設けられていると共に、グロメット本体52の前端面
にはリップ状の外環側の防水シール部55と内環側の防
水シール部56が同軸上に設けられている。さらに、基
板54の後面にはグロメット51をパネル15のパネル
穴16に装着するための複数の凹状の押圧部9が設けら
れている。
【0004】次に、硬質樹脂等の硬質弾性体からなるロ
ック部材53には、環状凹溝58内に嵌合するリング板
状のフランジ24と、このフランジ24の内径部から前
側に向けて立設された円筒状の周壁25が一体的に設け
られている。また、この周壁25の内端にはパネル穴1
6のバーリング先端部17に係止される複数の係止爪2
6が外方向に向けて設けられている。この係止爪26の
後端には、パネル穴16のバーリング先端部17から外
側に逸脱しないようにストッパ27が後方に立設されて
いる。なお、この係止爪26の数とグロメット本体52
側の押圧部9の数は一致するように設けられている。
【0005】上記構成のグロメット51の組み立てにお
いては、ロック部材53のフランジ24がグロメット本
体52の環状凹溝58内に前方から嵌め込まれる。この
とき、押圧部9が後方から見て係止爪26に一致するよ
うに嵌め込まれることによってグロメット51が組み立
てられる。次に、このグロメット51がパネル15のパ
ネル穴16の後方から押圧部9が押されて押し込まれる
と、係止爪26は一旦軸心側に撓んだ後、図9に示すよ
うに外側に拡がってバーリング先端部17に係止され
る。このとき、ストッパ27がパネル穴16の軸心側に
引っかかるため係止爪26の後端がバーリング先端部1
7から逸脱することはない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のグロメット51では、図9に示したようにパネル穴
16のバーリング高さHにバラ付きがあると共に、防水
シール部55,56の有効撓み範囲としてのラップ量A
には限度がある。したがって、図10に示したようにバ
ーリング高さHが高くなるとパネル15に強く当たり過
ぎて防水能力が低下すると共に、防水シール部55,5
6が基板4の前端面に押圧されるからグロメット51の
パネル穴16への挿入力Wが過大になるという問題があ
る。また、図11に示すようにパネル穴16のバーリン
グ高さHが低いと、防水シール部55,56の防水機能
が低下するばかりでなく挿入時に防水シール部55,5
6の捲れ等によりシール性が確保できないという問題が
ある。
【0007】本発明の目的は、上記課題に鑑みてなされ
たものであり、バーリング高さにバラ付きがあるパネル
穴に対して好適な防水性が確保されると共に、パネル穴
への良好な挿入性を確保することができるグロメットを
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、円
板状の基板外面にワイヤハーネスを水密的に支持するハ
ーネス支持筒を同軸に設けると共に、基板の内周面には
同軸に環状凹溝と適数の防水シール部を備えた軟質弾性
材からなるグロメット本体と、環状凹溝に嵌合するリン
グ板状のフランジを有し、該フランジの内径部に立設さ
れた周壁の前端部にパネル穴のバーリング先端部に係止
される複数の係止爪が設けられた硬質弾性材からなるロ
ック部材とから構成されたグロメットにおいて、少なく
とも1つの防水シール部が基板の前端面に垂設されたリ
ング状の接続壁と、該接続壁の前端に一体的に設けられ
た断面円形状のリング部とから構成され、前記断面円形
状のリング部の断面中央位置が前記接続壁より外方に設
定されていることを特徴とするグロメットによって達成
することができる。
【0009】
【0010】また上記目的は、防水シール部と基板の前
端面との間に複数の補強リブが設けられていることによ
って達成することができる。
【0011】さらに上記目的は、基板の前端面に断面円
形状のリング部を備えた防水シール部とリップ状の防水
シール部とが同軸上に併設されていることによって達成
することができる。
【0012】
【作 用】本発明に係わる上記構成のグロメットにおい
ては、少なくとも1つの防水シール部が基板の前端面に
垂設されたリング状の接続壁と、該接続壁の前端に一体
的に設けられた断面円形状のリング部とから構成されて
いる。したがって、グロメットがパネル穴に押圧された
ときに防水シール部の断面円形状のリング部がパネル面
に線接触することでシール性を確保することができる。
また、パネル穴への挿入作業中に防水シール部が内側に
捲られても接触状態は変わらない。よって、パネル穴の
バーリング高さにバラ付きが有ってもパネル面との接触
状態は常に線接触であるため均一的な防水性を確保する
ことができる。さらに、パネル穴への挿入作業時に円形
断面リング部が回転するため低挿入力で挿入することが
でき、作業効率を向上させることができる。
【0013】また、防水シール部の断面円形状のリング
部の断面中心位置が接続壁より外方に設定されているの
で、グロメットがパネル穴に挿入されるとき、断面円形
状のリング部が必ず外側に回転することになる。したが
って、低挿入力で確実に挿入させることができるので作
業効率の向上と相まってグロメットの信頼性を一層向上
させることができる。
【0014】また、防水シール部と基板の前端面との間
に複数の補強リブが設けられているので、グロメットが
パネル穴に挿入されるとき、接続壁前端の座屈位置を安
定化させると共に、断面円形状のリング部が回転してパ
ネルとの接触力が強化される。 したがって、グロメッ
トの防水性が向上することで、グロメットの信頼性を一
層向上させることができる。
【0015】さらに、基板の前端面に断面円形状のリン
グ部を備えた防水シール部とリップ状の防水シール部と
が同軸上に併設されているので、ラップ量が大きくかつ
内側に捲られても防水性が確保できると共に、ラップ量
は小さいが低接触力で防水性が確保できるリップ状の防
水シール部とが互いに補い合うので一層信頼性の高いグ
ロメットを得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明のグロメットの実施
の形態を図1乃至図7に基づいて詳細に説明する。図1
は本発明のグロメットに係る周辺構造を説明する断面
図、図2は図1における防水シール部周りの部分拡大断
面図、図3および図4は図2における作動説明図、図5
本発明のグロメットの一実施の形態例を示す防水シー
ル部の部分拡大断面図、図6および図7は図5における
防水シール部の変形例を示す部分断面図である。
【0017】図1に示すようにグロメット1は、グロメ
ット本体2とロック部材3とから構成されている。さら
に詳しくは、ゴム等の軟質弾性材からなるグロメット本
体2には円板状の基板4と、この基板4後面にワイヤハ
ーネス5を水密的に支持するハーネス支持筒6が蛇腹部
7を介して同軸上に設けられている。また、基板4の内
周面には同軸に環状凹溝8が設けられていると共に、グ
ロメット本体2の前端面には1個の防水シール部10が
設けられている。
【0018】この防水シール部10は、基板4の前端面
に前方へ垂設され、前記ハーネス支持筒6の軸線方向に
対して直角方向の横断面リング状の接続壁11の前端
、前記軸線方向に沿った縦断面円形状のリング部12
が設けられたOリング状の防水シール部である。また、
この防水シール部の内側面と基板4の前端面との間に適
数の補強リブ13が設けられている。さらに、基板4の
外面にはグロメット1をパネル15のパネル穴16に装
着するための複数の凹状の押圧部9が設けられている。
【0019】また、硬質樹脂等の硬質弾性体からなるロ
ック部材3は、環状凹溝8内に嵌入するリング板状のフ
ランジ24と、このフランジ24の内径部から前方へ円
筒状の周壁25が立設されている。また、この周壁25
の前端にはパネル穴16のバーリング先端部17に係止
される複数の係止爪26が外方向に向けて設けられてお
り、後端にはパネル穴16のバーリング先端部17から
外側に逸脱しないようにストッパ27が立設されてい
る。なお、この係止爪26の数は押圧部9の数と一致す
るように設けられている。
【0020】上述した構成のグロメットにおいては、先
ずグロメット本体2の環状凹溝8に前方からロック部材
3のフランジ24を嵌入させて一体的に組み立てられ
る。そして、図2に示すようにグロメット1は、パネル
穴16に押圧部9を押すことで押圧され、係止爪26が
バーリング先端部17を乗り越えてパネル穴16に係止
されるものである。このとき、断面円形状のリング部1
2は、パネル穴16近傍のパネル15面に線接触した状
態にあり確実に防水性を確保している。
【0021】また、バーリング高さHにバラ付きがあっ
ても防水シール部10には断面円形状のリング部12が
あるので確実にパネル15に線接触すると共に、接続壁
11の座屈と補強リブ13の変形によって適度にパネル
15面を押圧するので防水性が低下することはない。
【0022】また、図3に示したようにバーリング高さ
Hが高い場合、グロメット1がパネル孔5に挿入される
ときのグロメット1の押し込み量は大きくなる。しか
し、接続壁11が薄いので補強リブ13が不連続的に設
けられていても挿入力Wが小さくて済む。このとき、断
面円形状のリング部12と接続壁11との付け根部分が
座屈すると共に、補強リブ13が拡張されることで断面
円形状のリング部12がパネル15面上を回転するよう
にして外側方向に変位する。したがって、さらに低挿入
力で挿入できるので作業に支障をきたすことがなく作業
効率の向上を図ることができる。
【0023】また、図4に示すようにグロメット1がパ
ネル穴16に挿入されるとき、断面円形状のリング部
2が内側に押し込まれて捲れ状態になっても、リング部
12は常にパネル15面に線接触していることになる。
したがって、確実に防水性を確保することができ、信頼
性の高いグロメットを得ることができる。
【0024】図5に示すように本発明のグロメットの一
実施の形態を示す防水シール部10は、断面円形状のリ
ング部12の中心位置が接続壁11の外壁面より外方に
距離Bだけ偏って設定されている。したがって、グロメ
ット1がパネル15に押圧されたときに断面円形状のリ
ング部12が必ず外方へ変位するので補強リブ13の変
形と共に、防水シール部10は好適な押圧力でパネル1
5面に押圧される。よって、確実に防水性が確保される
ことで、一層信頼性の高いグロメットを得ることができ
る。
【0025】また、図6に示すように外環側のOリング
状の防水シール部10aの他に内環側にもOリング状の
防水シール部10bが設けられている場合には、万一ど
ちらかの一方の防水シール部が異物をかみ込んで捲れ上
がった場合でも他方の防水シール部が防水機能を保持す
るので一層信頼性の高いグロメットを得ることができ
る。なお、この防水シール部は、例えばパネル15面と
の接触圧を接続壁11の厚さや補強リブ13の数などで
調整することができるので、設計的自由度が大きいとい
う長所がある。
【0026】さらに、図7に示すように防水シール部と
して、外環側にリップ状の防水シール部14と、内環側
にOリング状の防水シール部10が併設されている。こ
の場合には、ラップ量が大きくかつ内側に捲られても防
水機能が確保できるOリング状の防水シール部10の長
所と、ラップ量は小さいが低接触力で防水機能を確保で
きるリップ状の防水シール部14の長所とが互いに補い
合うことで一層信頼性の高いグロメットを得ることがで
きる。
【0027】なお、本発明は上述した実施の形態に限定
されるものでなく、適宜な変更を行うことにより他の態
様でも実施することができる。例えば、本実施の形態で
は補助リブ13はOリング状の防水シール部10の内側
だけに設けられていたが、外側にも併設されて差し支え
ない。この場合、断面円形状のリング部12が内側に捲
れてもパネル15面に対して適宜な接触圧を与えて防水
機能を向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明のグロメット
によれば、少なくとも1つの防水シール部が基板の前端
面に垂設されたリング状の接続壁と、該接続壁の前端に
一体的に設けられた断面円形状のリング部とから構成さ
れている。したがって、パネル穴への挿入作業時に断面
円形状のリング部が回転するようにして外側方向に変位
するので、パネル穴のバーリング高さにバラ付きがあっ
てもパネル面とは常に線接触しており防水シール部の防
水性を確実に確保すると共に、低挿入力による挿入作業
が可能となり作業効率を向上させることができる。
【0029】また、防水シール部の断面円形状のリング
部の断面中心位置が接続壁より外方に設定されているの
で、グロメットがパネル穴に挿入されるとき、断面円形
状のリング部が必ず外側方向に回転するようにして変位
する。したがって、低挿入力で確実に挿入できることと
相まって作業性および信頼性の高いグロメットを得るこ
とができる。
【0030】また、防水シール部と基板の前端面との間
に複数の補強リブが設けられているので、グロメットが
パネル穴に挿入されるとき、接続壁と断面円形状のリン
グ部との接続部分に座屈位置を設定することができる。
したがって、断面円形状のリング部の変位移動を安定化
させることができると共に、断面円形状のリング部が変
位したときにパネル面との接触力が強化されるので防水
性を向上させることができる。よって、一層信頼性の高
いグロメットを得ることができる。
【0031】さらに、基板の前端面に断面円形状のリン
グ部を備えた防水シール部とリップ状の防水シール部と
が同軸上に併設されている。したがって、ラップ量が大
きくかつ内側に捲られても防水機能を確保できるOリン
グ状の防水シール部の長所と、ラップ量は小さいが低接
触力で防水機能を確保できるリップ状の防水シール部の
長所とが互いに補い合うので一層信頼性の高いグロメッ
トを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグロメットに係る周辺構造を説明する
断面図である。
【図2】図1における防水シール部周りの部分拡大断面
図である。
【図3】図1におけるバーリング高さが高い場合の作動
説明図である。
【図4】図1におけるリング部が内側に捲れた場合を示
す作動説明図である。
【図5】本発明のグロメットの一実施の形態例を示す防
水シール部の部分拡大断面図である。
【図6】図5における防水シール部の別の変形例を示す
部分断面図である。
【図7】図5における防水シール部の更に別の変形例を
示す部分断面図である。
【図8】従来のグロメットの一例を示す組立図である。
【図9】図8における防水シール部周りの部分拡大断面
図である。
【図10】図9における作動説明図である。
【図11】図9における他の作動説明図である。
【符号の説明】
1 グロメット 2 グロメット本体 3 ロック部材 4 基板 5 ワイヤハーネス 6 ハーネス支持筒 8 環状凹溝 10 Oリング状の防水シール部 11 接続壁 12 断面円形状のリング部 13 補強リブ 14 リップ状の防水シール部 16 パネル穴 17 バーリング先端部 24 フランジ 25 周壁 26 係止爪 27 ストッパ A ラップ量 H バーリング高さ W 挿入力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 17/58 H02G 3/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円板状の基板外面にワイヤハーネスを水
    密的に支持するハーネス支持筒を同軸に設けると共に、
    前記基板の内周面には同軸に環状凹溝と適数の防水シー
    ル部を備えた軟質弾性材からなるグロメット本体と、前
    記環状凹溝に嵌合するリング板状のフランジを有し、該
    フランジの内径部に立設された周壁の前端部にパネル穴
    のバーリング先端部に係止される複数の係止爪が設けら
    れた硬質弾性材からなるロック部材とから構成されたグ
    ロメットにおいて、 少なくとも1つの前記防水シール部が前記基板の前端面
    に垂設されたリング状の接続壁と、該接続壁の前端に一
    体的に設けられた断面円形状のリング部とから構成さ
    、前記断面円形状のリング部の断面中央位置が前記接
    続壁より外方に設定されていることを特徴とするグロメ
    ット。
  2. 【請求項2】 前記防水シール部と前記基板の前端面と
    の間に複数の補強リブが設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載のグロメット。
  3. 【請求項3】 前記基板の前端面に前記断面円形状のリ
    ング部を備えた防水シール部とリップ状の防水シール部
    とが同軸上に併設されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載のグロメット。
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