JP3442121B2 - 給湯器の再出湯時における燃焼制御方法 - Google Patents

給湯器の再出湯時における燃焼制御方法

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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、再出湯時の湯温の安定
化を行う給湯器の再出湯時における燃焼制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】図11には、給湯器の一般的なシステム構
成が示されている。同図において、熱交換器2の入口側
には給水管3が接続されており、この給水管3には入水
温を検出する入水サーミスタ10と、入水量を検出する流
量センサ9とが設けられている。熱交換器2の出口側に
は給湯管4が接続され、この給湯管4の出口側には給湯
栓1が設けられている。さらに、給湯管4には水量制御
弁16と、出湯温を検出する出湯サーミスタ11とが設けら
れている。
【0003】熱交換器2の下方にはバーナ7、バーナ7
の点火を行うイグナイタ電極18、着火を検知するフレー
ムロッド電極19、および給排気を行う燃焼ファン5が配
設されており、バーナ7のガス導入口にはガスノズル6
が対向配置され、このガスノズル6に通じるガス管8に
はガス供給量を開弁量によって制御するガス比例弁13
と、管路の開閉を行うガス電磁弁12とが介設されてい
る。
【0004】この種の給湯器には制御装置14が備えられ
ており、この制御装置14にはリモコン15が接続され、こ
のリモコン15には給湯温度を設定するボタンや給湯設定
温度の表示部が設けられている。制御装置14は給湯器の
給湯動作を制御しており、図11および図10の(a),
(b)に示すように、給湯栓1が開けられると流量セン
サ9が入水量を検出して、その入水量がある一定以上
(最低作動流量以上)になったときに流量センサ9から
の信号を受けて、制御装置14は燃焼ファン5を回転させ
る。そして、燃焼ファン5の回転が所定の回転領域に入
ったときにガス電磁弁12およびガス比例弁13を開けてバ
ーナ7へガスの供給を行い、イグナイタ電極18による点
火動作を行う。フレームロッド電極19がガスの着火を検
出すると、制御装置14は出湯温度を設定温度にするよう
フィードフォワード制御を行い、ガス比例弁13の開弁量
を可変し、熱交換器2から出る湯温の安定化制御を行
う。
【0005】ガス着火後のフィードフォワード制御で
は、入水温と入水量に対応してガス量が図10の(b)の
ように徐々に増加して燃焼が行われ、出湯温はガスの着
火後直ちに上昇することなく、同図の(c)に示すよう
に、給湯栓1を開栓してから点火するまでに時間がかか
り、さらに、ガスが点着火した後、ガス燃焼による熱が
熱交換器2から熱交換器2内を通る水に伝熱するまでに
時間がかかり、結局、給湯栓1を開いてからの遅れ時間
p を過ぎてから出湯温は徐々に上昇し、給湯設定温度
に達して安定する。この湯温安定後は、フィードフォワ
ード制御とフィードバック制御の併用制御により燃焼の
制御が行われる。同図の(c)に示した出湯温の変化
は、給湯器をコールドスタートさせた場合、すなわち、
給湯器を設置して初めて給湯栓1を開栓したり、又は、
給湯燃焼停止後、例えば、10分間等の長い時間を経てか
ら再出湯を行った場合のものを示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、給湯器の使用
後、すぐに再出湯を行った場合には、図9の(a)に示
すように、給湯器内に残留する湯の温度は後沸き(熱交
換器2に保有されている熱量が熱交換器2に残留してい
る湯に伝わって湯温が上昇する現象)により、給湯設定
温度より高めの湯となっているが、給湯器内の通水によ
り冷却されて降下する。また、再出湯以降のガスの燃焼
加熱による湯温の上昇は、前記したように時間tp を過
ぎてから始まる。
【0007】このとき、燃焼加熱による湯温の上昇速度
よりも通水による湯温の冷却降下速度が速い場合には、
給湯器内に入り込む水を給湯設定温度まで高めるために
はガス火力が追いつかず、再出湯時には初めは給湯設定
温度より高めの湯が出るが、その後、給湯設定温度より
もかなり低めのアンダーシュートの湯が出るというよう
に湯温の変動があり、また、湯温の上昇速度の方が湯温
の冷却速度よりも速い場合には、設定温度よりも湯温が
高いオーバーシュートの湯が出続けるという問題があ
り、いずれの場合も、湯の使用者に不快感を与えてい
た。
【0008】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、再出湯時に湯温の
アンダーシュートやオーバーシュートを生じないように
して、気持ちよく湯の使用を行える給湯器の再出湯時に
おける燃焼制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のように構成されている。すなわち、
本発明の給湯器の再出湯時における第1の燃焼制御方法
は、給湯器のコールドスタートによる湯温の立ち上がり
特性と、再出湯開始時から湯温上昇開始までの湯温立ち
上がり特性の立ち上がり遅れ量と、燃焼停止後の通水に
よる給湯器内残留湯温の給湯設定温度以降の立ち下がり
特性と、湯温が設定温度よりも高い後沸き部分を経て給
湯設定温度に達するまでの湯温立ち下がり特性の立ち下
がり開始までの遅れ量とを少なくとも入水温と入水量と
給湯設定温度の情報に対応させて予め求めておき、給湯
器の燃焼停止後の再出湯時に前記湯温の立ち下がり遅れ
量と湯温の立ち下がり特性から得られる湯温の降下分
と、前記湯温の立ち上がり遅れ量と湯温の立ち上がり特
性から得られる湯温の上昇分との再出湯時点以降の差し
引き温度差を零にする補正ガス量を点火から着火までの
時間が予め与えた一定の標準着火時間で行われるものと
して求め、その一方で点火から着火までの着火時間を計
測し、前記標準着火時間に対して着火遅れが生じたとき
には着火遅れ分を補償する着火遅れ補償ガス量を求めて
前記補正ガス量を再出湯時の立ち上げガス量に増減補正
したものにさらに着火遅れ補償ガス量を加えて燃焼を行
い、出湯湯温が安定するまでフィードフォワード制御に
よって燃焼を行うことを特徴として構成されている。
【0010】また、本発明の第2の燃焼制御方法は、上
記標準着火時間に対して着火進みが生じたときには、湯
温立ち上がり特性の立ち上がり遅れ量が湯温立ち下がり
特性の立ち下がり遅れ量に等しくなるまで炎を保持しな
がらガス量を絞って待機し、立ち上がり遅れ量が立ち下
がり遅れ量に等しくなったときに再出湯時の立ち上げガ
ス量に前記補正ガス量を増減補正し、出湯湯温が安定す
るまでフィードフォワード制御によって燃焼することを
特徴として構成されている。
【0011】
【作用】予め与えられている入水温と入水量と給湯設定
温度との各条件に対応した湯温の立ち上がり特性と給湯
器内残留湯温の給湯設定温度以降の立ち下がり特性とを
利用して、再出湯時の前記各条件下の湯温の立ち下がり
遅れ時間を加味した湯温の立ち下がり特性による湯温の
降下分と湯温の立ち上がり遅れ時間を加味した湯温の立
ち上がり特性による湯温の上昇分との差し引き温度差が
なくなるよう補正ガス量を求め、これを再出湯時の立ち
上げガス量に増減補正して燃焼する。本発明では、さら
に、点火から着火までの着火時間を計測し、着火進みが
生じたときには、その進み時間だけ立ち上がり遅れ量
(時間)をマイナス(短く)して差し引き温度差がなく
なるよう補正ガス量を再計算して求め、補正した立ち上
げガス量を供給して燃焼を行い、着火遅れが生じたとき
には、その着火遅れ時間だけ立ち上がり遅れ量(時間)
をプラス(長く)して差し引き温度差がなくなるよう補
正ガス量を再計算して求めて補正した立ち上げガス量を
供給して燃焼を行うので、再出湯時の湯温のアンダーシ
ュートやオーバーシュートが小さく抑えられ、ほぼ給湯
設定温度を保ち、気持ちよく湯の使用が行える。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例における給湯器システムは図11に
示すものと同様であり、従来例と同一の名称部分には同
一符号を付し、その重複説明は省略する。
【0013】本実施例は、再出湯時における給湯器内残
留湯温が給湯器内通水によって冷却される湯温の立ち下
がり特性GD と、ガス燃焼によって湯温が上昇する湯温
の立ち上がり特性GP との両特性が出湯温に大きく作用
することに着目して、再出湯時にアンダーシュートやオ
ーバーシュートが生じないよう再出湯時のガス燃焼量を
制御するものである。
【0014】図9に示すように、給湯器内残留湯温の立
ち下がり特性GD は、給湯栓1が閉められ、流量センサ
9がオフとなる燃焼停止後、点火させずに再度給湯栓1
を開けた場合の給湯栓出口での温度変化を時間の経過と
ともに表したもので、この温度は、後沸きを経て給湯設
定温度まで湯温が立ち下がるまでの立ち下がり遅れ量と
しての立ち下がり遅れ時間LD が経過した後、給湯設定
温度以下に湯温が降下する。また、湯温の立ち上がり特
性GP は、給湯栓1が開き、流量センサ9がオンする再
出湯開始後、温度上昇開始時までの立ち上がり遅れ量と
しての立ち上がり遅れ時間LP を経てから湯温が上昇す
る。このような立ち下がり遅れ時間LDをもつ湯温の立
ち下がり特性GD を表す曲線と、立ち上がり遅れ時間L
P をもつ湯温の立ち上がり特性GP を表す曲線とを合成
した曲線C1 ,C2 が、再出湯時以降の湯温の変化を示
す曲線となる。ただし、ここでは説明を簡単にするた
め、LD とLP はほぼ等しかったとした場合について記
している。
【0015】曲線C1 は、湯温の立ち上がり特性GP
立ち上がり速度よりも湯温の立ち下がり特性GD の立ち
下がり速度の方が大きい場合であり、曲線C2 は、その
逆に、湯温の立ち上がり特性GP の立ち上がり速度の方
が湯温の立ち下がり特性GDの立ち下がり速度よりも大
きい場合である。一般に、再出湯前の前回の給湯燃焼が
小熱量で使用されていたときには、燃焼停止時に熱交換
器2内に保有される熱容量が小さく、この状態で、次に
出湯量の大きい再出湯燃焼が行われると、立ち上がり特
性よりも立ち下がり特性の速度が大きくなる。例えば、
前回燃焼時の設定温度と今回燃焼時の設定温度が同一で
あっても、前回、小流量、つまり、小熱量で使用してい
て、今回、出湯栓開度をさらに大きく開けられるなどし
て大流量、つまり、大熱量での出湯が要求された場合
や、熱交換器2の缶体が小さい等の理由により、立ち上
がり特性よりも立ち下がり特性の速度が速い固有の特性
を有している場合等には、湯温の立ち上がり特性GP
立ち上がり速度よりも湯温の立ち下がり特性GD の立ち
下がり速度の方が大きくなり、前記曲線C1 に示すよう
なアンダーシュートの湯が出湯する。
【0016】これに対し、再出湯前の燃焼運転が大熱量
で使用されていた後、次の再出湯時には出湯流量が小さ
い小熱量で使用されるような場合や、熱交換器2の固有
の温度特性として、立ち上がりの速度が立ち下がりの速
度よりも速い特性を有している場合等には、湯温の立ち
下がり特性GD の立ち下がり速度よりも湯温の立ち上が
り特性GP の立ち上がり速度の方が大きくなり、再出湯
時には前記C2 の曲線となり、オーバーシュートの湯が
出湯することとなる。
【0017】周知のごとく、湯温立ち下がり特性GD
その立ち下がり遅れ時間LD 、湯温の立ち上がり特性G
P とその立ち上がり遅れ時間LP は、再出湯時の入水
温、入水量、給湯設定温度等の各条件によって変化す
る。例えば、図8の(a),(b)に示すように、入水
温がT1 、給湯設定温度がTS のとき、入水量(I1
2 >I3 )の変化により、湯温の立ち下がり特性
D1,GD2,GD3と立ち下がり遅れ時間LD1,LD2,L
D3は変化する。入水量が多いほど、熱交換器2の放熱速
度は早くなるので、給湯器内残留湯温は急激に低下する
という湯温の立ち下がり特性をもち、また、熱交換器内
に保有する設定温度付近の湯は大流量によって急速に排
出されるために、立ち下がり遅れ時間は短くなる。これ
に対して、図示されてはいないが、入水量が多いほど湯
温を上昇させるのに時間を要するので、湯温が緩慢に上
昇するという湯温の立ち上がり特性をもち、大流量によ
って流量センサのON流量検出が早期に行え、点火動作
が早まることで立ち上がり遅れ時間LP は短くなる。さ
らに、点火動作時において、標準着火時間に対して着火
時間が早まれば、立ち上がり遅れ時間LP は短くなり、
逆に着火時間が遅れれば立ち上がり遅れ時間LP は長く
なる。
【0018】さらに、前回の燃焼停止後、すなわち、給
湯栓1が閉められて流量センサ9がオフとなってから、
給湯栓1が開けられて流量センサ9がオンする再出湯開
始時までの再出湯待機時間が短ければ熱交換器の放熱は
少く、逆に後沸きによって加熱されるため立ち下がり遅
れ時間は長くなるが、待機時間がさらに長くなると放熱
によって立ち下がり遅れ時間は短くなり、待機時間によ
って立ち下がり遅れ時間LD は変化する。
【0019】本実施例では、入水温、入水量、給湯設定
温度、再出湯待機時間の各種条件に対応した湯温の立ち
下がり特性GD 、立ち下がり遅れ時間LD 、湯温の立ち
上がり特性GP 、立ち上がり遅れ時間LP を実験や理論
計算によって予め求めて記憶しておき、再出湯時条件下
における立ち下がり遅れ時間LD を考慮した湯温の立ち
下がり特性GD に基づく湯温の降下分と、立ち上がり遅
れ時間LP を考慮した湯温の立ち上がり特性GP に基づ
く湯温の上昇分との差を零にするように、再出湯時の立
ち上げガス量を制御することに特徴がある。
【0020】なお、本実施例では予め関係データとして
与えておく立ち上がり遅れ時間LPは、給湯栓1が開栓
されて流量センサ9がオンした後、一定の標準着火時間
f0(図10の(b))を経てガスの燃焼着火が行われる
ことを想定して与えられている。
【0021】図1には、本発明に係る給湯器の再出湯時
における燃焼制御方法を行う補正ガス量制御部25のブロ
ック構成図が示されている。補正ガス量制御部25は制御
装置14内に形成されており、入水検出部26と、着火検出
部27と、補正ガス量設定部28と、データ格納部29と、ガ
ス比例弁駆動部30と、複数のタイマ31と、メモリ32とを
有して構成されている。
【0022】入水検出部26は、給湯栓1が開けられて、
流量センサ9からの信号が加えられたとき、所定時間タ
イマ31を動作させ、そのタイマ時間内における流量セン
サ9からの信号を測定し、これを流量換算し入水量とし
て検出する。また、入水サーミスタ10によって入水温を
検出する。さらに、入水検出部26は、燃焼停止後、すな
わち、給湯栓1が閉められて流量センサ9がオフしたと
きから、給湯栓2が開けられて流量センサ9がオンする
再出湯までの再出湯待機時間を、タイマ31の動作により
求めている。この入水検出部26で検出された入水量、入
水温、再出湯待機時間はそれぞれメモリ32に一旦記憶さ
れる。
【0023】着火検出部27では、給湯栓1が開けられて
流量センサ9がオン信号を発する再出湯開始時からフレ
ームロッド電極19によるガスへの着火確認時点までの着
火時間tf をタイマ31の動作により計測し、この着火時
間tf とメモリ32に記憶されている標準着火時間tf0
を比較し、着火遅れや進みの時間を検出する。
【0024】メモリ32には、前記したように入水検出部
26から加えられる入水温と、入水量と、再出湯待機時間
等の検出データが記憶されており、さらに、予め与えら
れる標準着火時間tf0と、リモコン15によって設定され
る給湯設定温度等が記憶されている。また、補正ガス量
設定部28で求められるグラフデータ等の一時記憶場所と
しても使用される。
【0025】データ格納部29には、入水温と、入水量
と、給湯設定温度と、再出湯待機時間の各条件に対して
の、湯温の立ち上がり特性GP と立ち下がり特性GD
示すグラフデータ、および、立ち上がり遅れ時間LP
立ち下がり遅れ時間LD が予め実験等により求められ
て、関係データとして記憶されている。
【0026】補正ガス量設定部28は、図2に示すよう
に、グラフ作成部35と、補正ガス量算出部36と、立ち下
がり遅れ時間LD と、立ち上がり遅れ時間LP の基点ず
れ補償ガス量算出部37と、立ち上げタイミング制御部38
とを有して構成されている。
【0027】グラフ作成部35では、前記再出湯時条件下
の湯温の立ち上がり特性GP 、立ち上がり遅れ時間
P 、立ち下がり特性GD 、立ち下がり遅れ時間LD
データ格納部29に記憶されている関係データから読み出
し、図3〜図6に示すようなグラフを作成する。つま
り、データ格納部29から読み出した立ち上がり遅れ時間
Pの終点を起点として湯温の立ち上がり特性GP の曲
線を描き、また、立ち下がり遅れ時間LD の終点を起点
として湯温の立ち下がり特性GD の曲線を描くことによ
りグラフが作成される。ただし、ここで用いる立ち下が
り遅れ時間LD は、記憶データに対して実際の着火時間
f と標準着火時間tf0との差を増減して求めたもので
ある。
【0028】図3に示すグラフは、立ち下がり遅れ時間
D が立ち上がり遅れ時間LP よりも大きい場合であっ
て、かつ、湯温の立ち下がり特性GD の立ち下がり速度
よりも立ち上がり特性GP の立ち上がり速度の方が速い
場合であり、このようなパターンは、再出湯前の前回の
給湯燃焼が大熱量で行われ、今回の再出湯が小流量の状
態で行われた場合等に表れる。
【0029】図4に示すグラフは、立ち下がり遅れ時間
D が立ち上がり遅れ時間LP よりも大で、湯温の立ち
下がり特性GD の立ち下がり速度が立ち上がり特性GP
の立ち上がり速度よりも速い場合で、このパターンは、
大流量使用の給湯運転が行われ、かつ、後沸きの伝熱に
よって熱交換器の全体を温度上昇させるような再出湯待
機時間に大流量の給湯使用で燃焼運転が行われた場合に
表れる。
【0030】図5に示すグラフは、立ち下がり遅れ時間
D よりも立ち上がり遅れ時間LPが大で、湯温の立ち
下がり特性GD の立ち下がり速度よりも立ち上がり特性
Pの立ち上がり速度が速い場合で、このパターンは、
再出湯前の前回の給湯運転が大熱量で使用された後、短
い待機時間の後に、小流量での再出湯運転が行われた場
合に表れる。
【0031】図6に示すグラフは、立ち下がり遅れ時間
D よりも立ち上がり遅れ時間LPが大で、湯温の立ち
下がり特性GD の立ち下がり速度の方が立ち上がり特性
Pの立ち上がり速度よりも速いときのパターンで、こ
のパターンは、再出湯前の前回の給湯燃焼が小熱量で行
われ、今回の再出湯の給湯運転が大流量で行われた場合
や、再出湯前の前回の給湯運転が短い出湯時間で行わ
れ、後沸きが少ない状態で、今回の再出湯が大流量で行
われた場合に表れる。
【0032】以上のような各パターンに対する補正動作
について説明する。例えば、図3のパターンでは入水温
度を設定温度に高めるのに要する理論ガス量であるフィ
ードフォワードガス量(F/F量)を立ち上げガス量と
して供給して燃焼させると、立ち下がり遅れ時間LD
りも立ち上がり遅れ時間LP が短いため、出湯温度は後
沸きによって設定温度よりも高い状態であるにもかかわ
らず、温度上昇を開始することにより後沸き出湯中の湯
温をさらに上昇させてしまう。さらに、立ち下がり特性
よりも立ち上がり特性の方が速いために、出湯湯温が安
定状態に至るまでは設定温度よりも高い温度の出湯が継
続することになってしまう。
【0033】そこで、まず、LD とLP の基点ずれ補償
ガス量算出部37では、記憶されている関係データからL
D とLP を読み出す。次に、与えられている標準着火時
間tf0に対し、実際の着火時間tf がΔtだけ速い時に
は、着火確認後Δtの時間だけLP 時間を減少させ、今
回のLP として求め、逆にΔtだけ着火確認が遅れた場
合には、Δtの時間だけLP 時間を増加させて今回のL
P を求める。
【0034】そして、読み出したLD と、ここで求めた
今回のLP を比較し、図3のように立ち下がり遅れ時間
D が立ち上がり遅れ時間LP よりも大きい(長い)場
合には、その差分時間(t=LD −LP )だけバーナ7
の火炎を維持するのに必要最小限のガス量の値を補正ガ
ス量算出部36を介してガス比例弁駆動部30に加えること
で、最小燃焼状態で待機させる。差分時間(t)を経過
して、つまり、LD =LP +tとなった時点で、補正ガ
ス量算出部36による立ち下がり特性GD と立ち上がり特
性GP との補正ガス量演算に移る。
【0035】補正ガス量算出部36には演算回路が形成さ
れており、グラフ作成部35で作成した湯温の立ち下がり
特性GD による湯温の降下分と、湯温の立ち上がり特性
Pによる湯温の上昇分との差を零にする増減のガス量
を求める。図3では、立ち下がり特性GD より立ち上が
り特性GP の方が大きい(速い)ので、補正されたガス
量はF/F100 %のガス量よりもΔGだけ減じられた値
となる。つまり、この補正が行われることにより、設定
温度=出湯温度=GD +GP ′=GD +(GP−ΔGの
温度降下分)となるような立ち上がり特性GP ′を得る
補正ガス量が補正ガス量算出部36によって演算される。
【0036】以上の操作により、ガス比例弁駆動部30は
着火確認後、絞りガス量GMIN を差分時間tだけ供給し
てバーナ火炎を保持し、LD =LP +tに達したとき
に、フィードフォワード量100 %のガス量F/Fから補
正ガス量ΔGを差し引いた立ち上げガス量を、比例弁13
の開弁量を制御してバーナ7に加える。この結果、湯温
の立ち上がり特性はGP からGP ′に移行し、立ち下が
り特性GD の湯温降下分と立ち上がり特性GP ′の湯温
の上昇分とが等しくなり、ガス量補正後の出湯湯温の温
度特性は実線で示すGD +GP ′となり、湯温の立ち下
がり遅れ時間LDの経過後はオーバーシュートやアンダ
ーシュートのない、ほぼ設定温度の安定した湯が得られ
る。
【0037】図4に示すパターンでは、湯温の立ち上が
り特性GP の立ち上がり速度よりも湯温の立ち下がり特
性GD の立ち下がり速度が大きい(速い)ため、ガス量
補正前の湯温の温度特性GD +GP は立ち下がり遅れ時
間LD の経過後、LD とLPの時間差分のオーバーシュ
ートが表れ、それ以降は湯温の立ち下がりの降下分が湯
温の立ち上がりの上昇分よりも大きい(速い)のでアン
ダーシュートが表れる。そこで、LP とLD の基点ずれ
補償ガス量算出部37では、前記図3のパターンと同様
に、標準着火時間tf0と実際の着火時間tf との差Δt
によって今回のLP を求め、さらに、このLP とLD
の差分時間(t=LD −LP )を求めた結果、LD の方
が大きい(長い)場合には、その時間だけ必要最小限の
ガス量の値を補正ガス量算出部36を介してガス比例弁駆
動部30に加えることで、最小燃焼状態で待機させる。差
分時間(t)を経過して、つまりLD =LP +tとなっ
た時点で、補正ガス量算出部36による立ち下がり特性G
D と立ち上がり特性GP との補正ガス量演算に移る。
【0038】補正ガス量算出部36は、湯温の立ち下がり
特性GD による湯温の降下分と、湯温の立ち上がり特性
P の湯温の上昇分との差を零にする増加分の補正ガス
量ΔGを求め、F/F(フィードフォワード)100 %の
ガス量に対して、ガス量を増加補正されて立ち上げガス
量が供給駆動される結果、湯温の立ち上がり特性GP
P ′に移行し、出湯湯温の温度特性GD +GP ′は、
実線で示すようにアンダーシュートやオーバーシュート
のほとんどない安定した出湯となる。
【0039】図5に示すパターンでは、記憶データより
読み出したLD とLP のデータが既にLD <LP の関
係、すなわち、立ち下がり遅れ時間LD の方が立ち上が
り遅れ時間LP よりも小さい(短い)ために、湯温の立
ち上がりが間に合わずにアンダーシュートを生じるが、
その後の立ち下がり特性GD と立ち上がり特性GP では
立ち下がり特性の方が遅いために、F/F100 %でのガ
ス量供給では、ある安定時間までの間オーバーシュート
になってしまう。ここで、さらに、着火遅れ時間Δtが
発生するとアンダーシュートはさらに大きくなり、図
3,4で説明したようなGD +GP ′の補正を行っても
Δtの遅れを取り戻すことが困難となり、やはり、安定
状態までは幾分かのアンダーシュートが継続することと
なる。このため、このアンダーシュートを短時間で修復
し、その後、F/F×100 %のガス量に対する補正操作
によって湯温を安定させる。そこで、まず、LD とLP
の基点ずれ補償ガス量算出部37では、前述のように、L
D とLP を読み出すとともに着火遅れ時間Δtを含んだ
形でのLP を求める。その結果として、立ち下がり遅れ
時間LD の方が立ち上がり遅れ時間LP よりも短くな
り、t=LP −LD が基点ずれ補償ガス量算出部37より
算出される。
【0040】これとは別に、グラフ作成部35では、立ち
下がり遅れ時間LD に続く立ち下がり特性GD が作成さ
れており、先に基点ずれ補償ガス量算出部37で求めたL
P の時間の立ち下がり温度が、設定温度に対してどれだ
け低下しているかを補正ガス量算出部36で求める。同時
に、この温度差を零にするための必要熱量(必要ガス
量)をΔG1 とする。ΔG1 は補正ガス量として瞬時に
供給するのが望ましいが、通常、最大燃焼能力によって
制御されるため、上限値GMAX と時間ΔYの面積で代替
設定されることになる。そして、F/F100 %ガス量か
ら、立ち上がり特性GP が立ち下がり特性GD よりも速
いことによって求められる補正ガス量ΔGを差し引いた
ものに、この立ち上がり遅れ補償ガス量ΔG1 を加え、
さらに、GMAX の制限を受けることによって再度代替設
定されるΔY′を求め、ガス比例弁駆動部30の駆動によ
り、立ち上げガス量としてバーナに供給される。これに
より、湯温の立ち上がり特性は、GP からGP ′に移行
し、再出湯時の湯温の温度特性GD +GP ′はアンダー
シュートを短時間に終了して設定温度に安定するという
湯温変化の少い特性となる。
【0041】図6に示すパターンのものは、図5で説明
した如く、最終的なLP を基点ずれ補償ガス量算出部37
で求めるとともに、グラフ作成部35で作成したLD に続
くGD のグラフからLP における補正ガス量ΔG1 およ
びGMAX によって制限されるために、代替設定されるΔ
Yを補正ガス量算出部36で求める。そして、F/F×10
0 %ガス量から立ち下がり特性GD が立ち上がり特性G
P よりも速いことによって求められる補正ガス量ΔGを
加えたものに、この立ち上がり遅れ補償ガス量をΔG1
を加え、さらにGMAX の制限を受けることによって再度
代替設定されるΔY′を求め、これをガス比例弁駆動部
30の駆動により立ち上げガス量としてバーナに供給され
る。これにより、湯温の立ち上がり特性GD +GP ′は
アンダーシュートを短時間に終了して、設定温度に安定
するという湯温変化の少い特性となる。
【0042】次に、本実施例の具体的な動作を図7に示
すフローチャートを用いて簡単に説明する。給湯器の電
源をオンした後、給湯栓1が開栓されて流量センサ9が
オンしたことを確認し、コールドスタートとして、ステ
ップ101 と102 でガスの点着火を行い、入水温と入水量
に応じた通常のフィードバック制御によるガス量の制御
と燃焼制御が行われる。
【0043】次に、ステップ103 で給湯栓1が閉められ
たか否か、すなわち、流量センサ9の信号がオフか否か
を判断し、オフでない場合はステップ101 に戻り通常の
ガスの燃焼動作を継続する。流量センサ9がオフすると
ステップ104 でガスの燃焼動作が停止され、再出湯待機
時間を計測するためのタイマ31を動作させる。
【0044】次に、ステップ105 で給湯栓1が開けられ
て流量センサ9がオンとなり、再出湯が確認されると、
前記再出湯待機時間計測用のタイマ31により再出湯待機
時間を計測する。ステップ106 で、再出湯待機時間が10
分以内であるか否かを判断し、10分を越えている場合は
ステップ101 に戻り、コールドスタート時の燃焼を行
う。再出湯待機時間が10分以内であれば、ステップ107
〜116 に示すような再出湯時のガス量を補正する動作が
行われる。
【0045】ステップ107 では、着火検出部27にてフレ
ームロッド電極19によりガスの着火が行われたか否かを
判断し、否の場合はガスが着火されるまで待機し、ガス
の着火が確認されるとステップ108 で、着火時間計測用
のタイマ31により着火時間tf を計測する。
【0046】次に、ステップ109 で、入水温や入水量等
の再出湯時の条件を検出する。ステップ110 では補正ガ
ス量設定部28において、予めデータ格納部29に記憶され
ているこれら条件下の湯温の立ち上がり特性GP 、立ち
上がり遅れ時間LP 、湯温の立ち下がり特性GD 、立ち
下がり遅れ時間LD を読み出す。また、着火時間tf
基準着火時間tf0とを比較し、着火遅れや着火進みの時
間を検出する。
【0047】ステップ111 では、LD とLP の基点ずれ
量をtf0とtf より演算して設定し、ステップ111 ′で
は、立ち下がり特性GD による湯温の降下分と立ち上が
り特性GP による湯温の上昇分との差を零にする増減の
補正ガス量ΔGが求められる。ステップ112 では、着火
時の立ち上げガス量に補正ガス量を増減補正してガスの
立ち上げが行われるが、LD <LP のときにはさらに着
火遅れ補償ガス量が補償されて立ち上げられ、LD >L
P のときにはガス量を絞ってLD =LP になるまで待機
して補正ガス量により増減補正されたガスの立ち上げが
行われ、その補正された立ち上げガス量がバーナ7に供
給されるようガス比例弁13の開弁量が制御され、バーナ
7でガス燃焼が行われる。
【0048】次に、ステップ113 では、出湯温度が給湯
設定温度となっているか否かを判断し、否であれば湯温
が設定温度に安定するまで待つ。ステップ113 で出湯温
度が給湯設定温度となってほぼ安定していれば、ステッ
プ114 で補正ガス量制御動作を終了し、ステップ115 で
出湯温度を給湯設定温度にする通常の制御による燃焼動
作に移行する。
【0049】この制御によるガスの燃焼動作は、ステッ
プ116 で給湯栓1が閉められて流量センサ9がオフする
まで続けられ、流量センサ9がオフするとステップ104
に戻り燃焼停止が行われて、次の再出湯に備えて待機す
る。
【0050】本実施例によれば、入水温や入水量等の検
出データに応じた湯温の立ち上がり特性GP 、立ち下が
り特性GD 、立ち上がり遅れ時間LP 、立ち下がり遅れ
時間LD が逐次関係データを用いて求められ、立ち下が
り特性GD による湯温の降下分と、立ち上がり特性GP
の温度上昇分との差を零にする増減の補正ガス量ΔGが
求められ、さらに、立ち上がりの遅れや進みを検出し、
立ち上がり遅れが生じたときには、その遅れによる燃焼
量の不足分を立ち上がり遅れ補償ガス量ΔG1として補
償し、立ち上がり進みが生じたときには、着火確認後直
ちにガスを立ち上げずに、ガス量を絞ってLD =LP
なるまで待機してガスを立ち上げるように制御したの
で、再出湯時の立ち下がり遅れ時間LD 以降の湯温のア
ンダーシュートやオーバーシュートは殆どなくなり、設
定温度の安定した湯温の湯を出湯させることができる。
【0051】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
となく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実
施例では、コールドスタート時を再出湯待機時間が10分
以上の場合に設定したが、この数値に限定されるもので
はなく、給湯器の大きさやその他の条件により可変され
るものである。
【0052】また、上記実施例では、入水量、入水温、
給湯設定温度等の条件を設定し、各条件の湯温の立ち上
がり特性GP 、立ち上がり遅れ時間LP 、湯温の立ち下
がり特性GD 、立ち下がり遅れ時間LD を関係データと
してデータ格納部29に記憶したが、前記各条件に加えて
周囲温度や給湯燃焼停止直前の前回燃焼量等の条件も加
味するとより正確な補正ガス量が求められる。
【0053】さらに、上記実施例の図3および図4のパ
ターンでは、立ち上がり進みが生じることを前提として
説明したが、これらのパターンで立ち上がり遅れが生じ
たときには、図5および図6のパターンの場合と同様
に、立ち上がり遅れガス量を求めてこれを補償すること
となる。また、図5および図6のパターンでは、立ち上
がり遅れが生じることを前提として説明したが、これら
のパターンで立ち上がり進みが生じたときには、図3お
よび図4のパターンと同様に、LD =LP に達するまで
ガス量を絞って火炎を保持し、LD =LP に達したとき
に補正された立ち上げガス量を立ち上げることとなる。
【0054】さらに、上記実施例では、湯温の立ち上が
り特性GP や立ち下がり特性GD は時間をスケール単位
として与え、また、これら各特性GP ,GD の立ち上が
り遅れ量や、立ち下がり遅れ量や、再出湯時の立ち上げ
ガス量や、補正ガス量の供給、標準着火時間や、着火の
遅れや進みも、時間をスケール単位として与えて湯温の
安定化制御を行ったが、これらを、時間の代わりに流量
センサ9によって検出される入水水量をスケール単位と
して与えて、湯温の安定化制御を行うようにしてもよ
い。給湯器の流量センサ設置部分の流路断面積は既知の
値として得られており、入水の積算流量を流速で割ると
時間の値となり、したがって、時間と入水流量とは互い
に密接な関連関係となり、時間のスケール単位を入水水
量のスケール単位に置き換えることができ、前記本実施
例の動作を、入水水量をスケール単位として行うことが
できる。このように、本発明は、時間をスケール単位と
したもの以外に、入水水量をスケール単位とした燃焼制
御方法においても適用されるものである。
【0055】さらに、上記実施例では、補正したフィー
ドフォワード操作を出湯サーミスタによる湯温の安定度
によって終了させることにしているが、これは流量セン
サオンから積算される全通水量の所定積算量や、流量セ
ンサオンからの経過時間や、GP ′の操作量がF/F×
100 %に所定量近づくまでとしてもよい。
【0056】
【発明の効果】本発明は、入水温、入水量、給湯設定温
度等の各条件に対応した湯温の立ち上がり特性と湯温の
立ち下がり特性の関係データを用いて、再出湯時におけ
る上記各条件下の湯温の立ち下がり特性と湯温の立ち上
がり特性による湯温の温度差を零にする補正ガス量を求
め、さらにその一方で、着火時間の遅れや進みを検出
し、立ち上がり遅れが生じたときにはその立ち上がり遅
れに起因する燃焼量の不足分を立ち上がり遅れ補償ガス
量として求めてこれを補償し、立ち上がりに進みが生じ
たときには直ちに立ち上げガス量を立ち上げることな
く、標準着火時間に達するまでガス量を絞って待機し、
標準着火時間になったときに前記補正された立ち上げガ
ス量を供給するように構成したものであるから、湯温の
立ち下がり遅れ時間以降のアンダーシュートやオーバー
シュートを殆どなくすことができ、これにより、湯温変
動の極めて少ないほぼ設定温度の安定した湯を出湯する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給湯器の再出湯時における燃焼制
御方法を行う一実施例のブロック構成図である。
【図2】補正ガス量設定部の詳細な構成を示すブロック
図である。
【図3】湯温の立ち下がり遅れ時間LD が立ち上がり遅
れ時間LP よりも大で、立ち下がり特性GD の立ち下が
り速度よりも立ち上がり特性GP の立ち上がり速度の方
が大きく、かつ、立ち上がり進み状態のパターンにおけ
る湯温安定化制御の説明図である。
【図4】湯温の立ち下がり遅れ時間LD が立ち上がり遅
れ時間LP よりも大で、湯温の立ち下がり特性GD の立
ち下がり速度が立ち上がり特性GP の立ち上がり速度よ
りも大きく、かつ、立ち上がり進みが生じたパターンに
おける湯温安定化制御の説明図である。
【図5】湯温の立ち下がり遅れ時間LD よりも立ち上が
り遅れ時間LP が大で、湯温の立ち上がり特性GP の立
ち上がり速度が立ち下がり特性GD の立ち下がり速度よ
りも大きく、立ち上がり遅れがあるパターンにおける湯
温の安定化制御の説明図である。
【図6】湯温の立ち下がり遅れ時間LD よりも立ち上が
り遅れ時間LP が大で、湯温の立ち下がり特性GD の立
ち下がり速度の方が立ち上がり特性GP の立ち上がり速
度よりも大きく、立ち上がり遅れがあるパターンにおけ
る湯温の安定化制御の説明図である。
【図7】本実施例の具体的な動作を示すフローチャート
である。
【図8】入水量の変化による湯温の立ち下がり特性の変
化を示すグラフである。
【図9】従来の再出湯時の出湯温の変化を示すグラフで
ある。
【図10】給湯器のコールドスタート時の燃焼動作を示す
グラフである。
【図11】給湯器のシステム構成図である。
【符号の説明】
D 湯温の立ち下がり特性 GP 湯温の立ち上がり特性 LD 立ち下がり遅れ時間 LP 立ち上がり遅れ時間 ΔG 補正ガス量 ΔG1 着火遅れ補償ガス量
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−99503(JP,A) 特開 平2−21156(JP,A) 特開 平1−219415(JP,A) 特開 平1−114616(JP,A) 特開 平6−129633(JP,A) 実開 昭63−104839(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24H 1/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給湯器のコールドスタートによる湯温の
    立ち上がり特性と、再出湯開始時から湯温上昇開始まで
    の湯温立ち上がり特性の立ち上がり遅れ量と、燃焼停止
    後の通水による給湯器内残留湯温の給湯設定温度以降の
    立ち下がり特性と、湯温が設定温度よりも高い後沸き部
    分を経て給湯設定温度に達するまでの湯温立ち下がり特
    性の立ち下がり開始までの遅れ量とを少なくとも入水温
    と入水量と給湯設定温度の情報に対応させて予め求めて
    おき、給湯器の燃焼停止後の再出湯時に前記湯温の立ち
    下がり遅れ量と湯温の立ち下がり特性から得られる湯温
    の降下分と、前記湯温の立ち上がり遅れ量と湯温の立ち
    上がり特性から得られる湯温の上昇分との再出湯時点以
    降の差し引き温度差を零にする補正ガス量を点火から着
    火までの時間が予め与えた一定の標準着火時間で行われ
    るものとして求め、その一方で点火から着火までの着火
    時間を計測し、前記標準着火時間に対して着火遅れが生
    じたときには着火遅れ分を補償する着火遅れ補償ガス量
    を求めて前記補正ガス量を再出湯時の立ち上げガス量に
    増減補正したものにさらに着火遅れ補償ガス量を加えて
    燃焼を行い、湯温安定までフィードフォワード制御によ
    って燃焼する給湯器の再出湯時における燃焼制御方法。
  2. 【請求項2】 給湯器のコールドスタートによる湯温の
    立ち上がり特性と、再出湯開始時から湯温上昇開始まで
    の湯温立ち上がり特性の立ち上がり遅れ量と、燃焼停止
    後の通水による給湯器内残留湯温の給湯設定温度以降の
    立ち下がり特性と、湯温が設定温度よりも高い後沸き部
    分を経て給湯設定温度に達するまでの湯温立ち下がり特
    性の立ち下がり開始までの遅れ量とを少なくとも入水温
    と入水量と給湯設定温度の情報に対応させて予め求めて
    おき、給湯器の燃焼停止後の再出湯時に前記湯温の立ち
    下がり遅れ量と湯温の立ち下がり特性から得られる湯温
    の降下分と、前記湯温の立ち上がり遅れ量と湯温の立ち
    上がり特性から得られる湯温の上昇分との再出湯時点以
    降の差し引き温度差を零にする補正ガス量を点火から着
    火までの時間が予め与えた一定の標準着火時間で行われ
    るものとして求め、その一方で点火から着火までの着火
    時間を計測し、前記標準着火時間に対して着火進みが生
    じたときには湯温立ち上がり特性の立ち上がり遅れ量が
    湯温立ち下がり特性の立ち下がり遅れ量に等しくなるま
    で炎を保持しながらガス量を絞って待機し、立ち上がり
    遅れ量が立ち下がり遅れ量に等しくなったときに再出湯
    時の立ち上げガス量に前記補正ガス量を増減補正し、出
    湯湯温が安定するまでフィードフォワード制御によって
    燃焼する給湯器の再出湯時における燃焼制御方法。
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