JP3441984B2 - 漏洩電流測定用クランプテスタ - Google Patents
漏洩電流測定用クランプテスタInfo
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Description
となく活線の状態で回路の漏洩電流を測定するリークク
ランプテスタに関し、特に残留電流の影響と外部電流に
よる磁界の影響を低減するためのコイルの巻線方式およ
び電流検出回路の改善に関するものである。
理について説明する。コイル2をN2回巻回した円環状
のコア内に被測定電流Iの流れる電線を配置したとき、
電流Iによってコイル2にφの磁束が鎖交したとする。
Mは、 M=N2(φ/I) で定義される。コイル2に誘導される起電力eは、 e=−MdI/dt である。電流iは次の通りである。 i=e/Z=−(M/Z)dI/dt ここに、Zはコイル2のインピーダンス
クタンスをL、電流IはI=Asinωtであるとす
る。Z=R+jωLであるが、ωL≫RであればRは無
視できるので電流iは、次式のようになる。 i≒−(M/jωL)dI/dt=−(M/jωL)Aωcosωt =−(M/jL)Acosωt
iはコア1のμ0μsにはよらずIに比例した量となり、
これにより被測定電流Iを測定することができる。これ
がクランプテスタで電流を検出できる原理である。
る。電流が逆方向に流れる一対の電線(他端に負荷LD
が接続されている)L1,L2をクランプテスタで同時に
クランプし、上記原理でコア1と鎖交する電流量を測定
する。一対の電線L1,L2に流れる電流(I1,I2)の
量が同じであれば、コア1と鎖交する電流は0になる
が、線路のどこかに漏れ電流があった場合にはその漏れ
電流量irが検出できる。
な特性が要求される。 (1) クランプテスタで電線をクランプした際にその一対
の電線が、常にクランプに対して同一の位置にくるとは
限らない。クランプのコア内の電流の位置が異なると、
本来なら打ち消しあって検出されないはずの電流が検出
されてしまうことがある。これを残留電流と呼ぶが、リ
ーククランプテスタではこのような残留電流が少ないこ
とが重要である。
ならない電流量が1mA程度と非常に小さいため、外部
に大きな電流(例えば100A程度の大電流)が流れて
いる場合にはその電流の影響を受けて、クランプのコア
と鎖交する電流がゼロであるにも関わらず電流値が検出
されることがある。このため、徴小電流を検出するリー
ククランプにおいては外部電流の影響を除去することが
重要である。
気回路の非対称性に関連するので、非対称性を何らかの
形で補正する必要がある。例えば、特開平9−2693
37号「分割型漏れ電流測定器」には上記(1) に着目し
て残留電流の誤差を改善する技術が開示されている。
対のコア20A,20Bの端面を対向させて円環状と
し、その端面近傍にそれぞれコイル(A,B,C,D)
を配設し、端面近傍の各コイル対の直列接続出力をそれ
ぞれアンプ21,23で増幅すると共に位相調整手段2
2,24により位相調整し、その2つの位相調整出力を
加算器25で加算する。加算器25の出力は計器26で
表示される。
位相、ゲインが調整可能になっており、この調整により
コア分割面の磁気的結合バランスがとれた状態と同様の
状態を得ることができ、残留電流を小さくすることがで
きる。
うな電流測定器においては次のような課題があった。
に対して1対の利得調整手段と1対の位相調整手段およ
び加算回路を必要としている。また、リーククランプテ
スタでは、実際に線路に流れている電流を検出するため
に、微少電流のみならず、大電流を測定するレンジを持
つことが多いので、ダイナミックレンジを確保するため
には上記の各回路のほかに別の大電流用の回路も必要に
なり、回路規模が大きくなるという間題点がある。この
ような回路規模の大きさがリーククランプテスタの小型
化と低価格化の障害になっていた。
ので、回路規模を大きくすることなく、容易にクランプ
の磁気回路の非対称性を補正することができ、また測定
電流のダイナミックレンジも大きく確保できるようにし
た漏洩電流測定用クランプテスタを実現することにあ
る。
るために、請求項1の発明では、コイルを巻回した分離
可能な環状のコアを有し、活線の状態で回路の漏洩電流
を測定することができるように構成された漏洩電流測定
用クランプテスタであって、前記環状のコアのそれぞれ
に巻回した実質上2個ずつのコイルを直列または並列に
接続した2組のコイルと、前記コアの磁気回路の非対称
性を補正するために抵抗を用いた回路により前記2組の
コイルの出力電流のアンバランスを調整すると共に、被
測定電流の電流測定レンジに応じて前記2組のコイルの
各出力電流の信号振幅をそれぞれ制限する回路およびこ
の回路の2つの出力電流を加算しその加算値に対応する
電圧を出力する加算回路を備え、この加算回路より被測
定電流に対応した電圧が得られるように構成したことを
特徴とする。
することなく、容易にコアの磁気回路の非対称性を補正
でき、また測定電流のダイナミックレンジも大きく確保
できる。
の各コイルは、請求項2のように、各コアごとに巻回さ
れた2個のコイルを直列接続するか、またはコアの分割
面を挟んで対向して巻回された2個のコイルを直列接続
するか、またはコアの分割面を挟んで対向して巻回され
たコイルを並列接続するかのいずれかである。また、請
求項3のように、信号振幅をそれぞれ制限する回路は、
抵抗の切替えにより信号振幅を制限すると共に抵抗の切
替えを被測定電流のレンジの切替えと連動させる構成と
することができる。
説明する。図1は本発明に係るクランプテスタの一実施
例を示す構成図である。コア1a、lbにはそれぞれ2
組の巻線(以下巻線をコイルという)2a,2bと2
c、2dが施されている。コイル2a、2bの端子は間
に半固定抵抗3aを挟んでこの2つのコイルによる検出
電流が加算されるように直列に接続されている。
半固定抵抗3bも同様に接続されている。コイル2bと
コイル2dの半固定抵抗に接続されていない方の端子は
それぞれ半固定抵抗7bと固定抵抗7aを介して加算器
8の構成要素である演算増幅器8aの反転入力に接続さ
れている。
4aを介して、また固定抵抗5b,5aとスイッチ6
a,6bとを介して、それぞれ図示のようにゼロ電位に
接続されている。半固定抵抗9は加算器8の全体のゲイ
ンを決めるための帰還抵抗である。加算器8の出力は出
力端子10に導かれている。
る。漏洩電流等の微小電流を測定する際にはスイッチ6
a,6bを開いておき、加算器8の入力が短絡しないよ
うにする。
について述べる。被測定電流がコア1a,1bの内部
(空間部分)にあれば、コイル2a,2b,2c,2d
にはすべて同相の電流が流れるので、それらの加算出力
が出力端子10に現れる。規定の被測定電流に対して出
力が規定の値になるように半固定抵抗9を調整する。
のコイルには同一振幅の電流出力が現れ、コイル2aと
2dは同相、コイル2b,2cも同相、コイル2aと2
bは逆相、コイル2cと2dにも逆相の電流が流れるの
で、加算器出力はゼロになるはずである。
bの非対称などによりそれぞれの出力の振幅は異なる。
そこで、半固定抵抗3a,3bを用いてそれぞれの出力
のアンバランスを調整して、出力がゼロになるように調
整する。さらにここで調整しきれないアンバランスは半
固定抵抗4a,4bおよび加算器の入力抵抗7bで調整
する。一般的に、上記のようにして外部電流による影響
を低滅すれば、残留電流誤差も少なくなる。
5a,5bに接続されたスイッチ6a,6bを閉じるこ
とにより、加算器8に入力される信号振幅が制限され同
一回路で大電流の測定も可能となる。なお、ここでは短
絡抵抗5a,5bと6a,6bはそれぞ1回路しか図示
していないが必要な電流レンジに応じて複数の組合わせ
を持つように構成してもよい。そして、電流測定レンジ
の切替えに連動して抵抗値が切替えられるようにすると
便利である。
ある。図1と異なるところは、コイルの接続方式にあ
る。本実施例では、コイル2aと2bを抵抗3を介して
直列接続し、コイル2aと2bの他端から電流が出力さ
れるようにしている。なお、半固定抵抗3の摺動接点は
接地され、コイル出力のアンバランスが調整できるよう
になっている。このような構成によっても、図1の場合
と同様に外部電流の影響を防ぎ、残留電流を除去でき
る。
イル2a,2dを半固定抵抗3aを介して接続し、他方
のコイル2b,2cも同様に半固定抵抗3bを介してそ
れぞれ接続する。半固定抵抗3a,3bの摺動接点は半
固定抵抗3cを介して接続されている。なお、半固定抵
抗3cの摺動接点は接地されている。そして、コイル2
a,2dの共通接続点と、コイル2b,2cの共通接続
点からの各出力電流が加算器側に入力される。
様に外部電流の影響を防ぐと共に残留電流を除去するこ
とができる。
例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎな
い。したがって本発明は、上記実施例に限定されること
なく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、
変形をも含むものである。
ような効果がある。 (1) 従来例において用いたような振幅調整回路や位相調
整回路を用いないで、容易に、クランプの磁気回路の非
対称性を補正し、また測定電流のダイナミックレンジも
大きく確保することができる。 (2) 簡単な構成により高性能な漏洩電流用クランプテス
タが実現でき、小型化と低価格化が可能になる。
構成図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】コイルを巻回した分離可能な環状のコアを
有し、活線の状態で回路の漏洩電流を測定することがで
きるように構成された漏洩電流測定用クランプテスタで
あって、 前記環状のコアのそれぞれに巻回した実質上2個ずつの
コイルを直列または並列に接続した2組のコイルと、 前記コアの磁気回路の非対称性を補正するために抵抗を
用いた回路により前記2組のコイルの出力電流のアンバ
ランスを調整すると共に、被測定電流の電流測定レンジ
に応じて前記2組のコイルの各出力電流の信号振幅をそ
れぞれ制限する回路およびこの回路の2つの出力電流を
加算しその加算値に対応する電圧を出力する加算回路を
備え、この加算回路より被測定電流に対応した電圧が得
られるように構成したことを 特徴とする漏洩電流測定用
クランプテスタ。 - 【請求項2】請求項1記載の漏洩電流測定用クランプテ
スタにおいて、 前記2組の各コイルは、 各コアごとに巻回された2個のコイルを直列接続する
か、またはコアの分割端面を挟んで対向して巻回された
2個のコイルを直列接続するか、またはコアの分割端面
を挟んで対向して巻回されたコイルを並列接続してなる
ことを特徴とする 漏洩電流測定用クランプテスタ。 - 【請求項3】請求項1または2記載の漏洩電流測定用ク
ランプテスタにおいて、 前記電流測定レンジに応じて前記2組のコイルの各出力
電流の信号振幅をそれぞれ制限する回路は、抵抗の切替
えにより信号振幅を制限すると共に抵抗の切替えを被測
定電流のレンジの切替えと連動させるように構成したこ
とを特徴とする 漏洩電流測定用クランプテスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30865598A JP3441984B2 (ja) | 1998-10-29 | 1998-10-29 | 漏洩電流測定用クランプテスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30865598A JP3441984B2 (ja) | 1998-10-29 | 1998-10-29 | 漏洩電流測定用クランプテスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000131343A JP2000131343A (ja) | 2000-05-12 |
JP3441984B2 true JP3441984B2 (ja) | 2003-09-02 |
Family
ID=17983699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30865598A Expired - Lifetime JP3441984B2 (ja) | 1998-10-29 | 1998-10-29 | 漏洩電流測定用クランプテスタ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3441984B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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---|---|---|---|---|
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JP6362414B2 (ja) * | 2014-05-22 | 2018-07-25 | 日置電機株式会社 | 電流センサおよび測定装置 |
WO2024135413A1 (ja) * | 2022-12-19 | 2024-06-27 | 日置電機株式会社 | 電流センサ及び測定装置 |
-
1998
- 1998-10-29 JP JP30865598A patent/JP3441984B2/ja not_active Expired - Lifetime
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