JP3441301B2 - 受信装置および同期捕捉回路 - Google Patents

受信装置および同期捕捉回路

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JP3441301B2 JP18071996A JP18071996A JP3441301B2 JP 3441301 B2 JP3441301 B2 JP 3441301B2 JP 18071996 A JP18071996 A JP 18071996A JP 18071996 A JP18071996 A JP 18071996A JP 3441301 B2 JP3441301 B2 JP 3441301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スペクトラム直
接拡散信号受信装置およびこの受信装置に用いられる同
期捕捉回路に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、スペクトラム直接拡散信
号受信装置は、受信したスペクトラム拡散信号から逆拡
散に必要な位相補正量と搬送波の周波数偏差の補正量と
を検出する同期捕捉回路を備えている。以下、図面を参
照して、従来の同期捕捉回路について説明する。図7
は、従来の同期捕捉回路の構成を示す図である。
【0003】図示しない受信装置の受信部にて受信され
A/D変換器にてディジタル信号に変換されたスペクト
ラム拡散信号は、スペクトラム拡散信号データy(nT
s )となり、FFT回路71に入力される。なお、nは
任意定数で、Ts は上記A/D変換器のサンプリング周
期である。
【0004】FFT回路71は、上記スペクトラム拡散
信号データy(nTs )に対して、N(自然数)点の高
速フーリエ変換を施して、上記データを時間領域の信号
から周波数領域の拡散信号系列{Yk }(k=0,1,2,…,N
-1)に変換し、相関検出部72に入力する。ここで、拡
散信号Yk は、次式で示される。
【0005】
【数1】
【0006】相関検出部72は、畳み込み演算器(CO
NV)721〜72Lからなる(LTs が拡散符号の周
期となる定数)。各畳み込み演算器721〜72Lに
は、それぞれ対応する拡散符号系列{Pk (i) }(i=0,
1,2,…,L-1)と、拡散信号系列{Yk }とが入力され
る。
【0007】上記拡散符号系列{Pk (i) }は、拡散信
号位相iTs を有する拡散符号信号p{(n−i)Ts
}に対して図示しないFFT回路により、N点の高速
フーリエ変換を施し、周波数領域の信号系列に変換した
ものである。以下に拡散符号Pk (i) 、Pk (0) を示
す。
【0008】
【数2】
【0009】畳み込み演算器721〜72Lは、拡散符
号系列{Pk (i) }と拡散信号系列{Yk }とを周波数
領域で畳み込み演算して、拡散信号系列{Yk }と拡散
符号系列{Pk (i) }との相関値Xk (i) を求める。
【0010】したがって、相関検出部72は、互いに位
相がTs ずつ異なる拡散符号系列{Pk (i) }と拡散信
号系列{Yk }との相関値Xk (i) を求めることにな
る。この様子を図8に示す。このようにして求められる
L個の畳み込み演算結果(相関値Xk (i) )は、例えば
図8のように示され、以下の式に示すようになる。
【0011】
【数3】
【0012】そして、相関値Xk (i) は、各々対応する
自乗回路731〜73Lに入力されて自乗され、各々対
応する加算器(Σ)741〜74Lに入力される。加算
器741〜74Lは、各々対応する自乗回路731〜7
3Lにてパワー変換された相関値Xk (i) をそれぞれM
個加算することにより、y(nTs )からy((n+M
N)Ts )までのスペクトラム拡散信号データに対する
相関値の平均化を行なう。この相関値の平均化結果は最
大値選択回路75に入力される。
【0013】最大値選択回路75は、加算器741〜7
4Lからの相関値の平均化結果のうち、最大のものを選
択する。そして、選択した平均化結果に基づいて拡散信
号の位相補正量と搬送波の周波数偏差の補正量を求め
る。
【0014】ここで、図8の場合を例にすると、i=2
の場合が相関値が最も大きいため、最大値選択回路75
は、上記の場合の位相から拡散信号の位相補正量を求め
る。また、搬送波の周波数偏差の補正量は、i=2の場
合の相関値が最大を示す周波数f2 と基準周波数fs と
の差df から求める。
【0015】以上のようにして求められたスペクトラム
拡散信号の位相補正量と搬送波の周波数偏差の補正量
は、図示しない後段の周波数補正回路および逆拡散演算
回路に入力される。
【0016】ところで、上記構成による従来の同期捕捉
回路では、スペクトラム拡散信号データおよび拡散符号
信号を周波数領域で畳み込み演算するために、周波数領
域に変換するためのFFT回路を必要とする。しかし、
上記FFT回路は、その演算が複雑で回路規模が大きい
ため、この回路を用いた同期捕捉回路は回路構成が複雑
となってしまうという問題があった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の受信装置の同期
捕捉回路は、FFT回路を用いているため、回路構成が
複雑で回路規模が大きいという問題があった。この発明
は上記の問題を解決すべくなされたもので、迅速かつ高
精度に同期補足を行え、FFT回路を用いた同期捕捉回
路よりも回路構成が簡単でなおかつ回路規模も小さい同
期捕捉回路を提供することを目的とする。またこの発明
は、迅速かつ高精度に同期補足を行え、回路構成が簡単
でなおかつ回路規模も小さい受信装置を提供することを
目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係わる受信装置は、スペクトラム直接
拡散信号を受信し、これに拡散符号を乗算することによ
り所望のデータを得る受信装置において、受信したスペ
クトラム直接拡散信号と、周波数が互いに異なる複数の
拡散符号信号との相関値を、複数の拡散符号信号につい
て並行して検出する相関検出手段と、この相関検出手段
にて検出した相関値をそれぞれ複数サンプルに亘って監
視し、最も大きい相関値が得られた拡散符号信号のサン
プルの位相と周波数とを検出する同期検出手段と、この
同期検出手段が検出した周波数に基づいて受信したスペ
クトラム直接拡散信号の搬送波の周波数偏差を検出し、
この検出した周波数偏差に基づいて受信したスペクトラ
ム直接拡散信号の周波数補正を行なう周波数補正手段
と、同期検出手段が検出したサンプルの位相に基づいて
受信したスペクトラム直接拡散信号と拡散符号信号との
位相誤差を検出し、この検出した位相誤差に基づいて周
波数補正手段にて周波数補正されたスペクトラム直接拡
散信号の位相と拡散符号信号の位相とを合わせて乗算す
ることにより逆拡散を行なう逆拡散手段とを具備して構
成するようにした。
【0019】上記構成の受信装置では、受信したスペク
トラム直接拡散信号と、周波数が互いに異なる複数の拡
散符号信号との相関値を、複数の拡散符号信号について
並行して検出し、この検出した相関値をそれぞれ複数サ
ンプルに亘って監視して、これらの相関値のうち最も大
きな相関値が得られた拡散符号信号のサンプルの位相と
周波数とを検出する。そして、この検出した周波数に基
づいて受信したスペクトラム直接拡散信号の搬送波の周
波数偏差の補正を行なうとともに、上記検出した位相に
基づいて適正な位相で逆拡散を行なうようにしている。
【0020】したがって、上記構成の受信装置によれ
ば、迅速かつ高精度に同期補足を行え、高速フーリエ変
換を行なう手段を備えなくても、搬送波周波数の周波数
偏移を検出して補正し、なおかつ適正な位相の拡散符号
信号で逆拡散を行なうことができる。上記の目的を達成
するために、この発明に係わる同期捕捉回路は、受信し
たスペクトラム直接拡散信号に所定の拡散符号を乗算す
ることにより逆拡散を行ない、所望のデータを得る受信
装置に用いられ、受信したスペクトラム直接拡散信号の
搬送波周波数の偏移と、逆拡散時に用いる拡散符号の適
正な位相とを検出する同期捕捉回路において、受信した
スペクトラム直接拡散信号と、周波数が互いに異なる複
数の拡散符号信号との相関値を、複数の拡散符号信号に
ついて並行して検出する相関検出手段と、この相関検出
手段にて検出した相関値をそれぞれ複数サンプルに亘っ
て監視し、最も大きい相関値が得られた拡散符号信号の
サンプルの位相と周波数とを検出する同期検出手段と、
この同期検出手段が検出した周波数に基づいて、スペク
トラム直接拡散信号の搬送波の周波数偏差を検出する周
波数偏差検出手段と、同期検出手段が検出したサンプル
の位相に基づいて、受信したスペクトラム直接拡散信号
と拡散符号信号との位相誤差を検出する位相誤差検出手
段とを具備して構成するようにした。
【0021】上記構成の同期捕捉回路では、受信したス
ペクトラム直接拡散信号と、周波数が互いに異なる複数
の拡散符号信号との相関値を、複数の拡散符号信号につ
いて並行して検出し、この検出した相関値をそれぞれ複
数サンプルに亘って監視して、これらの相関値のうち最
も大きな相関値が得られた拡散符号信号のサンプルの位
相と周波数とを検出する。そして、この検出した周波数
に基づいて受信したスペクトラム直接拡散信号の搬送波
の周波数偏差を検出するとともに、上記検出した位相に
基づいて受信したスペクトラム直接拡散信号と拡散符号
信号との位相誤差を検出するようにしている。
【0022】したがって、上記構成の同期捕捉回路によ
れば、迅速かつ高精度に同期補足を行え、高速フーリエ
変換を行なう手段を備えなくても、受信したスペクトラ
ム直接拡散信号の搬送波の周波数偏差と、逆拡散時に必
要な拡散符号信号の位相誤差とを検出することができ
る。このため、迅速かつ高精度に同期補足を行え、回路
構成が簡単でなおかつ回路規模も小さくてすみ回路設計
が容易となるため、装置の小型化や製造コストの縮小に
寄与することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の一実施形態について説明する。図1は、この発明に係
わる同期捕捉回路を備えたスペクトラム直接拡散信号受
信装置の構成を示すものである。
【0024】図示しない送信装置から送られたスペクト
ラム拡散信号は、アンテナ1で受信され周波数変換器2
に入力される。この周波数変換器2は、ローカル信号発
生器3で生成された上記スペクトラム拡散信号の搬送波
周波数と同じ周波数のローカル信号が入力され、このロ
ーカル信号と上記スペクトラム拡散信号とを乗算するこ
とにより、上記スペクトラム拡散信号を搬送波の周波数
帯域からベースバンド帯域の信号に周波数変換する。
【0025】このようにして周波数変換されたスペクト
ラム拡散信号は、ローパスフィルタ4にて高周波帯域の
不要な成分がろ波されたのち、A/D変換器(A/D)
5に入力される。
【0026】A/D変換器5では、上記ろ波されたスペ
クトラム拡散信号をサンプリング周期Ts で標本化およ
び量子化を行ない、アナログ信号からディジタル信号に
変換する。
【0027】このようにしてディジタル変換されたスペ
クトラム拡散信号は、メモリ(MEM)6に一時的に蓄
えられたのち、スペクトラム拡散信号データy(nTs
)として順次同期捕捉回路7および周波数補正回路8
に入力される。同期捕捉回路7は、例えばマッチドフィ
ルタを用いて構成される。
【0028】以下、図2および図3を参照して同期捕捉
回路7について説明する。図2は、同期捕捉回路7の構
成を示す図である。メモリ6より入力されるスペクトラ
ム拡散信号データy(nTs )は、相関検出部21のN
(自然数)個のマッチドフィルタ(MF)211〜21
Nに入力される。なお、各マッチドフィルタ211〜2
1Nのフィルタ係数は、周波数がkω0 /Nずつ異なる
拡散符号信号pi (k) (i=0,1,2,…,L-1. k=0,1,2,…,N
-1)を乗算する回路と等価になるように与えられる。以
下に、拡散符号信号pi (k)を示す。
【0029】
【数4】
【0030】マッチドフィルタ211〜21Nは、図3
に示すように構成され、スペクトラム拡散信号データy
(nTs )を実部のデータRe[y(nTs )]と虚部
データIm[y(nTs )]とに分け、各々のデータに
ついてフィルタリングを行なう。
【0031】実部のデータRe[y(nTs )]の処理
系は、乗算器(Ai(k))311〜31Lと、遅延器(T
s)321〜32lと、加算器331〜33lとからな
る。また、虚部のデータIm[y(nTs )]の処理系
は、乗算器341〜34L(Bi(k))と、遅延器(T
s)351〜35lと、加算器361〜36lとからな
る。なお、LはLTs が拡散符号の周期となる定数で、
lはl=L−1である。
【0032】実部のデータRe[y(nTs )]の処理
系では、メモリ回路6から入力されたスペクトラム拡散
信号データy(nTs )のうち、実部のデータRe[y
(nTs )]が、乗算器311および遅延器321に入
力される。
【0033】遅延器321,322,…,32lは,こ
の順序で直列に接続され、各遅延器とも入力データをT
s だけ遅延させ、それぞれ遅延結果を対応する乗算器3
12,313,…,31Lに入力する。そして、乗算器
311,312,…,31Lは、それぞれ後述するA0
(k),A1(k),…,AL-1(k)をそれぞれ乗算係数として
有し、入力データに対して各々設定される上記係数Ai
(k)を乗算する。そして、これらの乗算結果は、加算器
331〜33lによって加算され、この加算結果はRe
[xi (k) ]として出力される。
【0034】一方、虚部のデータIm[y(nTs )]
の処理系では、メモリ回路6から入力されたスペクトラ
ム拡散信号データy(nTs )のうち、虚部のデータI
m[y(nTs )]が、乗算器341および遅延器35
1に入力される。
【0035】遅延器351,352,…,35lは,こ
の順序で直列に接続され、各遅延器とも入力データをT
s だけ遅延させ、それぞれ遅延結果を対応する乗算器3
42,343,…,34Lに入力する。そして、乗算器
341,342,…,34Lは、それぞれ後述するB0
(k),B1(k),…,BL-1(k)をそれぞれ乗算係数として
有し、入力データに対して各々設定される上記係数Bi
(k)を乗算する。そして、これらの乗算結果は、加算器
361〜36lによって加算され、この加算結果はIm
[xi (k) ]として出力される。
【0036】なお、乗算器311〜31Lの係数Ai(k)
および乗算器341〜34Lの係数Bi(k)は、前述した
ようにマッチドフィルタ211〜21N毎に周波数がk
ω0/Nずつ異なる拡散符号信号pi (k) を実現するよ
うに与えられるもので、上記拡散符号信号pi (k) にオ
イラーの公式を適用することにより、それぞれ以下に示
すように実部、虚部の係数として求められる。
【0037】
【数5】
【0038】以上のようにして求められたRe[xi
(k) ]およびIm[xi (k) ]より、相関を示すxi
(k) が求まる。マッチドフィルタ211〜21Nにて求
められたN個の相関値xi (k) は、平均化処理部22の
各々対応する自乗回路221〜22Nに入力されて自乗
されたのち、各々対応する加算器(Σ)231〜23N
に入力される。
【0039】加算器231〜23Nは、各々対応する自
乗回路221〜22Nにてパワー変換された相関値xi
(k) をそれぞれM個加算することにより、y(nTs )
からy((n+ML)Ts )までのスペクトラム拡散信
号データに対する相関値の平均化を行なう。この相関値
の平均化結果(以下、相関平均値と称する)は、最大値
選択回路23に入力される。
【0040】最大値選択回路23は、図4に示すよう
に、最大値検出器411〜41Nからなる最大値検出部
41と、最大値出力パス検出回路42と、補正信号発生
回路43とから構成される。
【0041】最大値検出器411〜41Nは、それぞれ
対応する加算器231〜23Nから上記相関平均値が入
力される。そして、最大値検出器411〜41Nは、例
えば図5に示すようなLサンプル分の上記相関平均値を
それぞれ監視し、Lサンプル中の相関平均値の最大値c
(k) と、この値をとるサンプルの位置i(k) とを検出
し、この検出結果を最大値出力パス検出回路42に入力
する。
【0042】最大値出力パス検出回路42は、最大値検
出器411〜41Nにて検出した最大値c(0) 〜c
(N-1) の中で、最も大きい最大値をとるパスを検出す
る。ここで、仮にk=1のパスが最も大きい最大値をと
ったとすると、最大値出力パス検出回路42は、上記パ
スの情報(k=1)と、そのパスで最大値をとったサン
プルの位置i(1) の情報とを補正信号発生回路43に入
力する。
【0043】補正信号発生回路43は、上記検出したパ
ス情報(k=1)に基づいて搬送波の周波数偏差の補正
量を求めるとともに、上記位置の情報(i(1) )と基準
位相is とのズレdi に基づいて拡散信号の位相補正量
を求める。ここで求められた搬送波の周波数偏差の補正
量情報は、周波数補正回路8に入力され、一方、拡散信
号の位相補正量情報は逆拡散回路9に入力される。
【0044】周波数補正回路8では、メモリ6からの拡
散信号データに対して、上記搬送波周波数偏差の補正量
情報に基づく周波数補正を行なう。ここで周波数補正さ
れた拡散信号データは、逆拡散回路9に入力される。
【0045】逆拡散回路9では、上記位相補正量情報に
基づいて、周波数補正回路8にて周波数補正された拡散
信号データと拡散符号信号との位相を合わせて乗算する
ことにより拡散信号データの逆拡散処理を行ない、復号
データを得る。
【0046】以上のように、上記構成の同期捕捉回路で
は、互いに異なる周波数の拡散符号信号を乗算する回路
と等価になるようにフィルタ係数が設定された複数のマ
ッチドフィルタ211〜21Nを用いて、各マッチドフ
ィルタ211〜21Nに設定される周波数と拡散信号デ
ータとの相関を求める。そして、この相関値をそれぞれ
複数サンプルに亘って監視し、最も大きい値が得られる
(最も周波数が合っている)パスの情報から搬送波の周
波数偏差の補正量を求めるとともに、上記パスの相関値
が最も大きくなったサンプルの位置情報(位相情報)か
ら拡散信号の位相補正量を求めるようにしている。
【0047】したがって、上記構成の同期捕捉回路によ
れば、FFT回路を用いなくても、搬送波の周波数偏差
の補正量と拡散信号の位相補正量とを求めることができ
るため、回路構成が簡単でなおかつ回路規模も小さくて
すむ。
【0048】尚、この発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。例えば、上記実施の形態では、互いに
異なる周波数の拡散符号信号と拡散信号データとの相関
を調べるために、相関検出部21にマッチドフィルタ2
11〜21Nを用いたが、これに代わり図6に示すよう
な相関検出部畳み込み演算器(CONV)611〜61
Nを用いてもよい。
【0049】この畳み込み演算器611〜61Nは、そ
れぞれ予め設定した周波数の異なる拡散符号系列{pi
(k) }が入力され、この拡散符号系列と拡散信号データ
とを畳み込み演算するものである。
【0050】このような畳み込み演算器611〜61N
を相関検出部21に用いても、マッチドフィルタ211
〜21Nを用いた場合と同様にして、搬送波の周波数偏
差の補正量と拡散信号の位相補正量とを求めることがで
きFFT回路を必要としないため、同様の効果を奏す
る。その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の
変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでも
ない。
【0051】
【発明の効果】以上述べたように、この発明では、受信
したスペクトラム直接拡散信号と、周波数が互いに異な
る複数の拡散符号信号との相関値を、複数の拡散符号信
号について並行して検出し、この検出した相関値をそれ
ぞれ複数サンプルに亘って監視する。そして、これらの
相関値のうち最も大きな相関値が得られた拡散符号信号
のサンプルの位相と周波数とに基づいて、受信したスペ
クトラム直接拡散信号の搬送波の周波数偏差補正を行な
うとともに、上記検出した位相に基づいて適正な位相で
逆拡散を行なうようにしている。
【0052】したがって、この発明によれば、迅速かつ
高精度に同期補足を行え、高速フーリエ変換を行なう手
段を備えなくても、搬送波周波数の周波数偏移を検出し
て補正し、なおかつ適正な位相の拡散符号信号で逆拡散
を行なうことができるため、回路構成が簡単でなおかつ
回路規模も小さく回路設計が容易となり、装置の小型化
や製造コストの縮小に寄与することが可能な受信装置を
提供することができる。
【0053】また、この発明では、受信したスペクトラ
ム直接拡散信号と、周波数が互いに異なる複数の拡散符
号信号との相関値を、複数の拡散符号信号について並行
して検出し、この検出した相関値をそれぞれ複数サンプ
ルに亘って監視する。そして、これらの相関値のうち最
も大きな相関値が得られた拡散符号信号のサンプルの位
相と周波数とに基づいて、受信したスペクトラム直接拡
散信号の搬送波の周波数偏差を検出するとともに、上記
検出した位相に基づいて、受信したスペクトラム直接拡
散信号と拡散符号信号との位相誤差を検出するようにし
ている。
【0054】したがって、この発明によれば、迅速かつ
高精度に同期補足を行え、高速フーリエ変換を行なう手
段を備えなくても、搬送波周波数の周波数偏移と、逆拡
散時に必要な拡散符号信号の位相誤差とを検出すること
ができるため、回路構成が簡単でなおかつ回路規模も小
さく回路設計が容易となり、装置の小型化や製造コスト
の縮小に寄与することが可能な同期捕捉回路を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる同期捕捉回路を備えたスペク
トラム直接拡散信号受信装置の構成を示す回路ブロック
図。
【図2】図1に示した同期捕捉回路の構成を示す回路ブ
ロック図。
【図3】図2に示したマッチドフィルタの構成を示す回
路ブロック図。
【図4】図2に示した最大値選択回路の構成を示す回路
ブロック図。
【図5】図1に示した同期捕捉回路における複数の異な
る周波数の拡散符号信号と拡散信号データとの相関検出
を説明するための図。
【図6】図1に示した同期捕捉回路の他の構成を示す回
路ブロック図。
【図7】FFT回路を用いた従来の同期捕捉回路の構成
を示す回路ブロック図。
【図8】図7に示した従来の同期捕捉回路における複数
の異なる位相の拡散符号信号と拡散信号データとの相関
検出を説明するための図。
【符号の説明】
1…アンテナ 2…周波数変換器 3…ローカル信号発生器 4…ローパスフィルタ 5…A/D変換器(A/D) 6…メモリ(MEM) 7…同期捕捉回路 8…周波数補正回路 9…逆拡散回路 21…相関検出部 211〜21N…マッチドフィルタ(MF) 22…平均化処理部 221〜22N…自乗回路 231〜23N…加算器(Σ) 23…最大値選択回路 311〜31L,341〜34L…乗算器 321〜32l,351〜35l…遅延器(Ts) 331〜33l,361〜36l…加算器 41…最大値検出部 411〜41N…最大値検出器 42…最大値出力パス検出回路 43…補正信号発生回路 611〜61N…畳み込み演算器(CONV)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−8780(JP,A) 特開 平7−66760(JP,A) 特開 平3−248651(JP,A) 斉藤 佳子 外2名,「ディジタル移 動通信における周波数オフセット推定方 法の一検討」,1996年電子情報通信学会 総合大会講演論文集,1996年 3月11 日,通信1,p.453,B−453 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 13/00 - 13/06 H04B 1/69 - 1/713 H04L 7/00 - 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトラム直接拡散信号を受信し、こ
    れに拡散符号を乗算することにより所望のデータを得る
    受信装置において、 前記受信したスペクトラム直接拡散信号と、周波数が互
    いに異なる複数の拡散符号信号との相関値を、前記複数
    の拡散符号信号について並行して検出する相関検出手段
    と、 この相関検出手段にて検出した相関値をそれぞれ複数サ
    ンプルに亘って監視し、最も大きい相関値が得られた拡
    散符号信号のサンプルの位相と周波数とを検出する同期
    検出手段と、 この同期検出手段が検出した周波数に基づいて前記受信
    したスペクトラム直接拡散信号の搬送波の周波数偏差を
    検出し、この検出した周波数偏差に基づいて前記受信し
    たスペクトラム直接拡散信号の周波数補正を行なう周波
    数補正手段と、 前記同期検出手段が検出したサンプルの位相に基づいて
    前記受信したスペクトラム直接拡散信号と前記拡散符号
    信号との位相誤差を検出し、この検出した位相誤差に基
    づいて前記周波数補正手段にて周波数補正されたスペク
    トラム直接拡散信号の位相と前記拡散符号信号の位相と
    を合わせて乗算することにより逆拡散を行なう逆拡散手
    段とを具備することを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 受信したスペクトラム直接拡散信号に所
    定の拡散符号を乗算することにより逆拡散を行ない、所
    望のデータを得る受信装置に用いられ、前記受信したス
    ペクトラム直接拡散信号の搬送波周波数の偏移と、前記
    逆拡散時に用いる拡散符号の適正な位相とを検出する同
    期捕捉回路において、 前記受信したスペクトラム直接拡散信号と、周波数が互
    いに異なる複数の拡散符号信号との相関値を、前記複数
    の拡散符号信号について並行して検出する相関検出手段
    と、 この相関検出手段にて検出した相関値をそれぞれ複数サ
    ンプルに亘って監視し、最も大きい相関値が得られた拡
    散符号信号のサンプルの位相と周波数とを検出する同期
    検出手段と、 この同期検出手段が検出した周波数に基づいて、前記ス
    ペクトラム直接拡散信 号の搬送波の周波数偏差を検出す
    る周波数偏差検出手段と、 前記同期検出手段が検出したサンプルの位相に基づい
    て、前記受信したスペクトラム直接拡散信号と前記拡散
    符号信号との位相誤差を検出する位相誤差検出手段とを
    具備することを特徴とする同期捕捉回路。
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