JP3440523B2 - 車両の振動制御装置 - Google Patents

車両の振動制御装置

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JP3440523B2 JP34803593A JP34803593A JP3440523B2 JP 3440523 B2 JP3440523 B2 JP 3440523B2 JP 34803593 A JP34803593 A JP 34803593A JP 34803593 A JP34803593 A JP 34803593A JP 3440523 B2 JP3440523 B2 JP 3440523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の振動制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】車両においては、振動の干渉作用を利用
して振動低減を行なうものが種々提案され、車室内の騒
音振動の低減を行なうものについては既に実用化された
ものものある。この干渉を利用した振動低減の1つとし
て、乗心地向上のためにシ−トの振動を低減することが
考えられている。
【0003】特開平3−219139号公報の第22図
には、車体とシ−トとの間に低減用振動を出力するため
のアクチュエ−タを架設し、車体の振動とシ−トの振動
とを比較して、車体とシ−トとの共振を防止するものが
開示されている。また、この公報の第23図には、ばね
下重量とばね上重量との間にアクチュエ−タを架設し
て、ばね下重量の振動がばね上重量に伝達されるのを抑
制するものも開示されている。さらに、この公報には、
加振源の振動を示すリファレンス信号に基づいて低減用
振動を生成する一方、振動低減が要求される部材の振動
を示すエラ−信号が小さくなるように上記低減用振動を
最適化する適応制御が開示されている。
【0004】特開平4−129847号公報には、シ−
トに着座する人間の特性(内蔵ゲイン)に基づいて、シ
−トの振動制御を行なうものが開示されている。
【0005】上記シ−トの制御は、つまるところ乗心地
改善となるが、この乗心地改善のために、走行中におけ
る路面からの入力を加振源とする振動を低減するように
サスペンション制御することも提案されている。例え
ば、アクティブサスペンションにおいては、車体に作用
する上下方向加速度が小さくなるようにサスペンション
ダンパの減衰力を制御したり、車高調整用シリンダ装置
の内部液圧を制御することも行なわれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、振動の干渉
を利用して振動低減を行なう場合、低減用振動を出力す
るアクチュエ−タが設けられることになる。そして、シ
−トの振動を低減する場合は、シ−トを車体との間にア
クチュエ−タが架設されることになる。しかしながら、
シ−ト、特に運転席用以外のシ−トは、乗員が着座され
ていない場合も多いものとなる。このような乗員が着座
していないシ−トに対して振動低減の制御を行なうこと
は、アクチュエ−タに無駄な仕事をさせてしまうことに
なる。特に、低減用振動を出力するアクチュエ−タはか
なりの動力を要するので、アクチュエ−タを無駄に作動
させることは燃費の悪化にもつながることになる。
【0007】一方、車体の各種機器類のうち、振動発生
源つまり加振源となるものは、1つに限らず複数有する
ものである。この加振源として代表的なものはエンジン
があり、また走行中路面からの入力を受けるばね下重量
がある。このような複数の加振源からの振動を効果的に
低減するため、各加振源毎に振動制御の制御系を構成す
ることが考えられる。しかしながら、この場合は、各制
御系での間での制御の干渉、つまり各制御系で要求され
る複数の低減用振動の干渉によって、振動低減の効果が
十分得られないことが考えられる。
【0008】本発明の目的は、複数の加振源からの振動
を効果的に低減できるようにした車両の振動制御装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明(請求項1に係る発明)は次のように構成し
てある。すなわち、車両における複数の加振源に応じて
設定され、アクチュエ−タからの低減用振動の出力を制
御する複数の振動制御手段と、車両の走行状態を検出す
る走行状態検出手段と、前記走行状態検出手段により検
出される車両の走行状態に応じて、前記複数の振動制御
手段のうちいずれか1つの振動制御手段を作動させる切
換手段と、を備え、前記複数の加振源が、路面からの入
力を受けるばね下重量と、エンジンとの2種類とされ、
前記振動制御手段が、前記ばね下重量の振動に起因する
振動が低減されるように制御する第1振動制御手段と、
エンジンの振動に起因する振動が低減されるように制御
する第2振動制御手段とされ、前記アクチュエ−タが、
車体とシ−トとの間に架設された第1アクチュエ−タ
と、エンジンと車体との間に架設された第2アクチュエ
−タとから構成され、前記第1振動制御手段が前記第1
アクチュエ−タを制御し、前記第2振動制御手段が前記
第2アクチュエ−タを制御し、前記走行状態検出手段
が、車速が所定車速以下か否かを検出するものとして設
定され、前記走行状態検出手段により車両が走行中であ
ることが検出されたときは、前記第1振動制御手段のみ
が作動され、前記走行状態検出手段により車両が停車中
であることが検出されたときは、前記第2振動制御手段
のみが作動される、ことを特徴とする車両の振動制御装
置とした構成としてある。
【0010】前記構成を前提とした好ましい態様は、特
許請求の範囲における請求項2以下に記載の通りであ
る。
【0011】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、複
数の加振源からの振動を低減するのに、車両の走行状態
に応じてもっとも問題となる加振源からの振動低減の制
御を実行させるようにして、複数の振動制御手段間での
制御の干渉を防止しつつ、振動を効果的に低減すること
ができる。
【0012】また、複数の加振源が、路面からの入力を
受けるばね下重量と、エンジンとの2種類とされ、振動
制御手段が、ばね下重量の振動に起因する振動が低減さ
れるように制御する第1振動制御手段と、エンジンの振
動に起因する振動が低減されるように制御する第2振動
制御手段とされていることから、加振源として代表的な
エンジン振動とばね下重量の振動とを効果的に低減する
ことができる。
【0013】さらに、アクチュエ−タが、車体とシ−ト
との間に架設された第1アクチュエ−タと、エンジンと
車体との間に架設された第2アクチュエ−タとから構成
され、第1振動制御手段が第1アクチュエ−タを制御
し、第2振動制御手段が第2アクチュエ−タを制御する
ことから、アクチュエ−タを、加振源や振動低減が要求
される対象物に応じた好ましい態様として設定して、振
動を効果的に防止する上で好ましいものとなる。
【0014】さらにまた、走行状態検出手段が、車速が
所定車速以下か否かを検出するものとして設定され、走
行状態検出手段により車両が走行中であることが検出さ
れたときは、第1振動制御手段のみが作動され、走行状
態検出手段により車両が停車中であることが検出された
ときは、第2振動制御手段のみが作動されることから、
ばね下重量の振動が問題とならない一方、アイドル時の
エンジン振動が問題となる停車中は、エンジン振動を低
減する制御を行なって、車体の振動を十分に低減するこ
とができる。また、走行中は、エンジン回転数が高くな
って振動がさほど乗員に不快感を与えない高周波域へ移
行する一方、ばね下重量は路面からの入力を受けて大き
く振動されることになるが、このような走行中はばね下
重量の振動に起因するシ−トの振動を低減するような制
御を行なって、シ−トの振動を十分に低減することがで
きる。
【0015】請求項2に記載された発明によれば、乗員
が着座していることを乗員検出手段により検出されたと
きにのみ、当該乗員が着座されているシ−トに対する振
動低減の制御が実行されるので、乗員が着座されていな
いシ−トに対して無駄な振動低減の制御を行なわなくて
すむことになる。
【0016】請求項3に記載したような構成とすること
により、乗員検出手段を第1アクチュエ−タにより兼用
させて、コスト低減の上で好ましいものとなる。
【0017】請求項4に記載したような構成とすること
により、第1アクチュエ−タから低減用振動を出力した
ときに、乗員が着座しているときとそうでないときと
で、振動検出手段で検出される振動に相違を生じるの
で、この相違に基づいて乗員の有無を知ることができ
る。
【0018】請求項5に記載したような構成とすること
により、圧電素子は外力つまり乗員の体重に応じた電圧
を出力するので、この第1アクチュエ−タからの出力電
圧をみることにより、乗員の有無を知ることができる。
【0019】
【実施例】以下本発明の実施例を添付した図面に基づい
て説明する。路面からの入力に起因するシ−ト振動低減(図1〜図
3) 図1において、1は車体、2はばね下重量、3はシ−ト
であり、シ−ト3はシ−トクッション3aとシ−トバッ
ク3bとから構成されている。車体1とシ−ト3との間
には、低減用振動を出力するアクチュエ−タ4が架設さ
れている。図1中5は、シ−ト3を弾性体とみたときの
ばね系を示すもので、5aはそのスプリング、5bはそ
のダンパを示す。なお、シ−ト3は、通常シ−トレ−ル
を介して車体1に取付けられるものであるが、このシ−
トレ−ルと車体1との間にアクチュエ−タ4を架設する
場合は、シ−トレ−ルと車体1との間に、アクチュエ−
タ4と直列にあるいは並列にゴム等の弾性体を介在させ
てもよい(アクチュエ−タ4によりシ−トが振動可能な
ようにシ−ト3を車体に対して保持させる)。
【0020】アクチュエ−タ4は、低減用振動を出力し
得るものであれば適宜のものを採択し得るが、実施例で
は、圧電素子を積層してなる積層型圧電アクチュエ−タ
(商品名ピエゾスタック−NTK社製)を用いてある。
そして、アクチュエ−タ4は、圧電素子を上下方向に積
層した配設位置関係となるようにして、シ−トクッショ
ン3aと車体1との間に架設されている。
【0021】ばね下重量2と車体1とは、サスペンショ
ン装置6により連結されているが、そのサスペンション
ばねが符号6aで示され、サスペンションダンパが符号
6bで示される。
【0022】なお、図1は、助手席用を示してあるが、
この他、運転席、後席も同じように構成されており、ア
クチュエ−タ4を利用した図1に示す車体とシ−トとの
組付関係は、車両の乗車定員に応じた組数だけ設けられ
ている。また、後述する制御ユニットU1等を含む振動
制御系を、各シ−ト毎に個々独立して設けることもでき
るが、制御ユニットU1を各シ−ト間で共通にすること
もできる。
【0023】図1中U1は、後述する適応制御を行なう
ための制御ユニットである。この制御ユニットU1に対
しては、2つのセンサS1、S2からの信号が入力され
る一方、制御ユニットU1からは、アクチュエ−タ4に
対して所定の低減用振動に対応した制御信号が出力され
る。センサS1は、ばね下重量2の振動をリファレンス
信号として検出するものである。このリファレンス信号
としては、例えば、ばね下重量2の変位、変位速度(例
えば変位を微分して得る)、加速度(例えば変位速度を
微分して得る)、ばね下重量2に加わる外部入力(例え
ばサスペンションの車体取付部への入力や、サスペンシ
ョンダンパ等のピストンロッドに作用する応力等)、あ
るいはサスペンションダンパ6bの内部圧力のいずれか
1つとすることができる。
【0024】上記リファレンス信号としての変位、変位
速度、加速度、外部入力としては、上下方向あるいは前
後方向のいずれでもよいが、一般には、乗員に対して不
快の度合が大きい上下方向を選択するのが好ましい。た
だし、振動態様によっては、前後方向の振動を大きく不
快と感じる場合もあるので、このときは前後方向につい
てのものを検出するようにしてもよい。
【0025】乗員が強く不快に感じかつ路面からの入力
でもっとも問題となるのは、通常上下方向の振動とな
る。したがって、上下方向の振動を上下方向加速度とし
て検出するセンサをばね下重量2設けて、この上下方向
加速度をリファレンス信号とするのが好ましい。この場
合、上下方向加速度のうち、最終的に車体1に入力され
る上下方向加速度がシ−ト3を振動させることになるの
で、ばね下重量2に作用する上下方向加速度のうち、車
体1に直接入力される上下方向加速度を検出するように
センサ(S1)を配設するのが好ましい。より具体的に
は、通常、サスペンションダンパ6bのシリンダがばね
下重量2に連結され、ピストン(ピストンロッド)が車
体1に連結されるので、このピストン(例えばピストン
ロッドの上端)に対して上下方向加速度を検出するセン
サを設ければよい。特に、ピストンにセンサS1を設け
たときは、ピストンとシリンダとの間でのフリクション
に起因して生じる第2共振振動(通常は16〜18HZ
付近)を低減する場合のリファレンス信号とする上で好
ましいものとなる。
【0026】シ−ト3の振動つまりエラ−信号を検出す
るセンサS2は、各シ−ト毎に設けられて、シ−ト3の
うち特に車体1からの振動を受け易いシ−トクッション
3aに内蔵することができる。この場合、センサS2
は、リファレンス信号についての前述した説明から明ら
かなように、上下方向加速度を検出するものが好まし
い。また、図1破線で示すように、センサS2をシ−ト
バック3bに設けることもできる。この場合、シ−トバ
ック3bは通常傾斜した姿勢で使用されるので、上下方
向振動のみならず、前後方向振動を検出する上でも好ま
しいものとなる。また、場合によっては、乗員は前後方
向加速度を強く不快に感じるので、センサS2はもっぱ
ら前後方向加速度を検出するようにその配設位置を選択
してもよく、この場合シ−トクッション3aに前後方向
加速度検出用のセンサS2を取付けることもできる。
【0027】制御ユニットU1は、図2に示すように、
その内部構成が大別して、デジタル式の適応フィルタ2
1と、伝達関数設定ブロック(ステップ)22と、収束
係数設定ブロック23と、フィルタ係数書換えブロック
24とで構成される。制御ユニットU1は、基本的に
は、センサS1からのリファレンス信号に基づいて低減
用振動を生成して、センサS2で検出されるエラ−信号
が小さくなるように当該低減用振動が最適化される。こ
の低減用振動の最適化は、適応フィルタ21の係数を逐
次書換えることにより行なわれ、この書換えば、伝達関
数設定ブロック22と収束係数設定ブロック23とから
の信号に基づいて、フィルタ係数書換えブロック24に
よって行なわれる。
【0028】伝達関数設定ブロック22は、低減用振動
を出力するアクチュエ−タ4とエラ−信号を検出するセ
ンサS2との間での伝達特性(遅延特性)を勘案した低
減用振動の最適化のためであり、収束係数設定ブロック
23は、所定のきざみ幅でエラ−信号を低減させるため
のものである。なお、制御ユニットU1による最適化の
制御そのものは、従来から知られている最適化の制御と
同じように行なわれるので、これ以上の詳細な説明は省
略する。なお、最適化のための適応アルゴリズムとして
は、一般的な最少2乗法を適用することができる。ま
た、図3には、適応制御を行なうフロ−チャ−トを示し
てあるが、P5(ステップ5)での制御信号が、低減用
振動に相当するものである。
【0029】このような最適化の制御によって、シ−ト
3の振動が低減される。このとき、リファレンス信号
は、ばね下重量2に入力される路面入力をほぼ直接的に
示すものとるので、ノイズの影響がなく、かつ応答性の
点でも優れたものとなるので、シ−ト3の振動を十分に
低減して、乗心地を十分向上させることができる。
【0030】前述した振動低減の制御は、乗員が着座し
ているシ−ト3に対してのみ行なわれ、乗員が着座して
いないシ−ト3に対しては振動低減の制御が行なわれな
いものとなる(乗員が着座されていないシ−ト3用のア
クチュエ−タ4が休止)。
【0031】図4は、シ−ト3に対する乗員の有無に応
じた振動低減制御の実行、休止の切換制御(アクチュエ
−タ4の作動と休止との切換制御)を示すフロ−チャ−
トである。この図4において、P11において、イグニ
ッションスイッチがONであるか否かが判別されるが、
このP11の判別でNOのときは、そのままP11の判
別が繰返されて、振動低減の制御は開始されない。
【0032】P11の判別でYESのときは、P12に
おいて振動低減の制御が禁止された後、P13におい
て、乗員の有無が判定される。P13の判別により、乗
員が検出されたときは、P14において振動低減の制御
が実行される。P14の後は、P15において、イグニ
ッションスイッチがOFFであるか否かが判別され、こ
のP15の判別でNOのときはP14に戻って振動低減
の制御が継続される。P15の判別でYESのときは、
振動低減の制御が終了された後、P11へ戻る。P13
の判別でNOのときは、P12へ移行して、振動低減の
制御が禁止されることになる。
【0033】前記P13の乗員検出は、例えば次のよう
にして行なうことができる。第1に、乗員検出用のセン
サを各シ−ト3毎に別途設けることである。この乗員検
出センサは、例えばシ−トクッション3aに内蔵して、
乗員の体重を受けたときに作動される重量感知式のもの
や、発光素子と受光素子とを利用したもの等、従来既知
の適宜形式のものを用いることができる。
【0034】乗員検出の好ましい態様は、アクチュエ−
タ4を利用して行なうことである。この場合、圧電素子
からなるアクチュエ−タ4は、外力に応じた電圧を出力
するので、このアクチュエ−タ4からの出力電圧をみる
ことにより、乗員の有無をしることができる(乗員の大
きな体重を受けたときに大きな出力電圧を発生する)。
【0035】アクチュエ−タ4を利用した乗員検出の別
の手法は、センサS2を利用することである。すなわ
ち、アクチュエ−タ4から所定の低減用振動を出力した
とき、乗員の有無に応じてセンサS2での検出信号が相
違するので、この検出信号をみることにより、乗員の有
無をしることができる。
【0036】他の実施例(図5〜図7) 図5〜図7は、前記実施例で説明したようなばね下重量
を加振源とする振動低減制御に加えて、エンジン振動に
起因した振動低減制御をも行なうようにした場合を示す
ものであり、前記実施例と同一構成要素には同一符号を
付してその説明は省略する。
【0037】図5において、車体1には、シ−ト3の前
方においてエンジン31が塔載されている。エンジン3
1は、後述するアクチュエ−タ32B(エンジンマウン
ト部材)を介して車体1に連結されている。また、図5
において、UEはエンジン31の制御ユニットで、燃料
噴射時期や点火時期等を制御するものとなっており、こ
のため、エンジン回転数信号やエンジン負荷信号等が入
力される。
【0038】振動低減のための制御ユニットとしては、
シ−トの振動低減用となる制御ユニットU1の他、エン
ジン31の振動低減用の制御ユニットU2が設けられ、
さらに、この制御ユニットU1とU2とのどちらで制御
を実行させるかの切換えを行なうための制御ユニットU
Mが設けられている。この制御ユニットUMには、車両
の走行状態としての車速を検出するセンサS4からの車
速信号が入力される。
【0039】また、制御ユニットU2に対しては、制御
ユニットUEからリファレンス信号(実施例ではエンジ
ン回転数信号)が入力されると共に、センサS3からの
エラ−信号(実施例では車体の上下方向加速度)入力さ
れる。なお、制御ユニットU2用のリファレンス信号と
しては、エンジン回転数信号の代りに、例えば、エンジ
ン(本体)に作用する外力(例えば上下方向加速度や前
後方向加速度さらには曲げ応力等)を用いることができ
る。制御ユニットU2による制御も、最適化制御とされ
て、エンジン31の振動低減制御(エンジン振動に起因
する車体振動防止の制御)が行なわれる。
【0040】図5に用いられるアクチュエ−タ32Bの
一例が、図6に示される。この図6において、アクチュ
エ−タ32Bは、上ケ−ス41と下ケ−ス42と筒状の
ゴム等からなる弾性部材43とを有する。上ケ−ス41
と下ケ−ス42とは弾性部材43を介して連結され、上
ケ−ス41がエンジン31に固定される一方、下ケ−ス
42が車体1に固定される。
【0041】上ケ−ス41と弾性部材43との間には上
ベロ−ス44が挟持され、下ケ−ス42と弾性部材43
との間には仕切板45が挟持されている。これにより、
弾性部材43とベロ−ス44と仕切板45との間には、
主液室46が画成される。また、下ケ−ス42と仕切板
45との間には下ベロ−ス47が介在され、これにより
仕切板45と下ベロ−ス47との間には副液室48が画
成され、また下ベロ−ス47と下ケ−ス42との間には
ガス室49が画成されている。そして、仕切板45に
は、2つの液室46と48とを連通するオリフィス50
が形成されている。
【0042】上ベロ−ス44の上面には、可動鉄心51
が固定され、この可動鉄心を取り巻くようにコイル52
が配設されている。これにより、コイル52に対して制
御ユニットU2から低減用振動に応じた制御信号を出力
することにより、上ベロ−ス44が振動される。上ベロ
−ス44の振動に起因して、主液式46の容積変化が行
なわれて、エンジン振動が車体へ伝達されるのが抑制さ
れる。そして、上ベロ−ス44の振動に起因して2つの
液室46と48との間で油液が生き来することにより、
オリフィス50によって減衰力が発生される。なお、可
動鉄心45をピストン形式としてもよく、この場合は上
ベロ−ス44を、当該ピストンを摺動案内する剛性に優
れたガイド部材として構成すればよい。
【0043】図7のフロ−チャ−トは、制御ユニットU
Mの制御内容を示すものである。この図7において、P
21において、現在停車中であるか否かが判別される。
停車中であるか否かは、車速が零のときに停車中である
と判定することもできるが、センサS4の検出精度をも
勘案して、ばね下重量2の振動が事実上問題とならない
低車速領域(例えば10km/h)を停車中であると判
定することができる。
【0044】P21の判別でYESのときは、P22に
おいて制御ユニットU1によるシ−トの振動低減制御が
禁止され、P23において、制御ユニットU2によるエ
ンジン振動低減の制御が実行される。逆に、P21の判
別でNOのときのとき、つまり走行中は、P24におい
て制御ユニットU2によるエンジン振動低減制御が禁止
され、P25において制御ユニットU1によるシ−トの
振動低減制御が実行される。
【0045】なお、制御ユニットU1による制御実行と
制御ユニットU2による制御実行との切換ハンチングを
防止するために、例えば、車速が20km/h以上にな
ったときに制御ユニットU2による制御からU1による
制御へと切換を行ない、車速が10km/h以下になっ
たときに制御ユニットU1による制御からU2による制
御へと切換えを行なうようにしてもよい。
【0046】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず例えば次のような場合をも含むものであ
る。 (1)適応制御においては、エラ−信号を用いなくてもよ
い(図2に示す適応フィルタ21が固定フィルタ)。 (2)振動低減制御は、制御ユニットU1、U2共に、適
応制御に代えて、フィ−ドバック制御であってもよい。
また、フィ−ドバック制御と適応制御との両方を行なう
こともできるが、この場合、フィ−ドバック制御によっ
て振動レベルを全体的に低減させ、適応制御によってあ
る所定周波数域の振動レベルを低減するように設定する
のが好ましい。この所定周波数域としては、制御ユニッ
トU1については、ばね下重量2の共振振動のうち、も
っとも低次となる第1共振振動(通常は10〜13H
Z)あるいは次に高次となる第2共振振動(通常は16
〜19HZ)のいずれか一方あるいは両方とすることが
できる。また、制御ユニットU2の場合には、所定周波
数域としては、アイドル回転数に相当する周波数域に設
定すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す全体系統図。
【図2】振動低減制御の制御系を示す図。
【図3】適応制御の制御手順を示すフロ−チャ−ト。
【図4】乗員の有無に応じた制御の実行と不実行とを切
換える制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図5】本発明の他の実施例を示す全体系統図。
【図6】図5に用いられたエンジン用アクチュエ−タの
詳細を示す断面図。
【図7】図5に示す制御ユニットU1による制御とU2
による制御との切換えを行なう制御例を示すフロ−チャ
−ト。
【符号の説明】
1:車体 2:ばね下重量 3:シ−ト 4:アクチュエ−タ(シ−ト用) 6:サスペンション装置 31:エンジン 32B:アクチュエ−タ(エンジン用) U1:制御ユニット(シ−トの振動低減用) U2:制御ユニット(エンジンの振動低減用) UM:制御ユニット(制御態様切換用) S1:センサ(リファレンス信号用) S2:センサ(エラ−信号用) S3:センサ(エラ−信号用) S4:センサ(車速=走行状態)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72 F16F 15/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両における複数の加振源に応じて設定さ
    れ、アクチュエ−タからの低減用振動の出力を制御する
    複数の振動制御手段と、 車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、 前記走行状態検出手段により検出される車両の走行状態
    に応じて、前記複数の振動制御手段のうちいずれか1つ
    の振動制御手段を作動させる切換手段と、 を備え、 前記複数の加振源が、路面からの入力を受けるばね下重
    量と、エンジンとの2種類とされ、 前記振動制御手段が、前記ばね下重量の振動に起因する
    振動が低減されるように制御する第1振動制御手段と、
    エンジンの振動に起因する振動が低減されるように制御
    する第2振動制御手段とされ、 前記アクチュエ−タが、車体とシ−トとの間に架設され
    た第1アクチュエ−タと、エンジンと車体との間に架設
    された第2アクチュエ−タとから構成され、 前記第1振動制御手段が前記第1アクチュエ−タを制御
    し、 前記第2振動制御手段が前記第2アクチュエ−タを制御
    し、 前記走行状態検出手段が、車速が所定車速以下か否かを
    検出するものとして設定され、 前記走行状態検出手段により車両が走行中であることが
    検出されたときは、前記第1振動制御手段のみが作動さ
    れ、 前記走行状態検出手段により車両が停車中であることが
    検出されたときは、前記第2振動制御手段のみが作動さ
    れる、 ことを特徴とする車両の振動制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、シ−トに乗員が着座していることを検出する乗員検出手
    段が備えられ、 前記第1振動制御手段が、前記乗員検出手段によりシ−
    トに乗員が着座されて いることが検出されたことを条件
    として、前記第1アクチュエ−タから低減用振動を出力
    させてシ−トの振動を低減させる制御を行なうように設
    定されている、ことを特徴とする車両の振動制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記第1アクチュエ−タが、前記乗員検出手段を兼用し
    ている、 ことを特徴とする車両の振動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記シ−トの振動を検出する振動検出手段をさらに備
    え、 前記乗員検出手段が、前記第1アクチュエ−タを作動さ
    せたときの前記振動検出手段の出力状態に応じて乗員の
    有無を検出するように設定されている、 ことを特徴とする車両の振動制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3において、 前記第1アクチュエ−タが圧電素子により構成され、 前記乗員検出手段が、前記第1アクチュエ−タからの電
    圧信号に応じて乗員の有無を検出するように設定されて
    いる、 ことを特徴とする車両の振動制御装置。
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