JP3439749B2 - 発光デバイス - Google Patents

発光デバイス

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JP3439749B2
JP3439749B2 JP2001249861A JP2001249861A JP3439749B2 JP 3439749 B2 JP3439749 B2 JP 3439749B2 JP 2001249861 A JP2001249861 A JP 2001249861A JP 2001249861 A JP2001249861 A JP 2001249861A JP 3439749 B2 JP3439749 B2 JP 3439749B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光デバイスおよ
び平面ディスプレイ用バックライトに関し、特に、希ガ
ス放電を用いた発光デバイスおよび平面ディスプレイ用
バックライトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地球環境保護における観点から、
有害物質の使用規制または使用禁止の動きが活発化して
いる。その動きのひとつとして、蛍光灯の無水銀化が挙
げられる。水銀は、蛍光灯の中で紫外線を放射し、蛍光
体を発光させるという、極めて重要な役割を担っている
が、一方、水銀は生物の体内に蓄積され害を及ぼす危険
性を持ち合わせている。現在、水銀に替わる紫外放射材
料として、最も有望視されているのは、クリプトン、キ
セノンなどの希ガスである。その中でも最も蛍光体を発
光させる励起効率の高いものとして、キセノンが広く用
いられている。
【0003】キセノンは、図18に示すように、電子の
衝突などによって励起されて、共鳴線準位(8.45e
V)からの147nmの放射を生じ、そして、準安定状
態準位(8.3eV)から3体衝突を経て生成されたエ
キシマ分子からの172nmの放射を生じる。この14
7nm、172nmの放射効率を高めるために、様々な
放電形態が研究されているが、現在最も高い放射効率が
報告されているのは、誘電体バリア放電を用いたもので
ある。
【0004】誘電体バリア放電とは、誘電体を介して行
われる放電のことで、多数の微小放電が発生し、それぞ
れの微小放電は瞬時に終了するという特徴を有してい
る。誘電体バリア放電では、放電が瞬時に終了するの
で、共鳴線準位に励起された電子は、再び上の高準位帯
に励起されることなく、効率良く147nmまたは17
2nmを放射する。
【0005】一方、誘電体バリア放電以外の放電では、
放電が瞬時に終了せず、長時間持続する放電となるた
め、電子密度が過剰となってしまう。その結果、共鳴線
準位に励起された電子は、図18に示すように、再び上
の高準位帯に励起されてしまい、その後、近赤外光また
は可視光を放射する。近赤外光は蛍光体の発光にはほと
んど寄与せず、可視光は発光効率が極めて低いため、こ
れらの放射が生じると、発光効率が低下することにな
る。
【0006】従来、誘電体バリア放電を用いた発光デバ
イスは、電極の配置から、大きく2種類に分類すること
ができる。1つは、片方の基板上のみに複数の電極を持
ち、その面上で放電を起こす面放電タイプの発光デバイ
スである(例えば、特開平6−231731号公報、特
開平11−31480号公報参照)。もう1つは、両方
の基板上にそれぞれ1つ以上の電極を持ち、対向する2
枚の基板上の電極間で放電を起こす対向放電タイプの発
光デバイスである(例えば、特開平8−22805号公
報、特開平8−287869号公報参照)。図16およ
び図17を参照しながら、それぞれの放電タイプの発光
デバイスを説明する。
【0007】図16は、面放電タイプの発光デバイスの
断面を模式的に示している。図示した発光デバイスは、
ソーダライムガラスなどからなる背面基板11(厚さ3
mm程度)と、背面基板11に対向して設けられた前面
基板21(厚さ3mm程度)と、背面基板11と前面基
板21との間に位置する外枠71(背面基板11と前面
基板21の間隔は1〜10mm)とから構成された放電
容器3を有している。背面基板11の表面には、複数の
線状電極4a(電極幅0.2〜2mm、電極間隔5〜1
5mm)が形成されており、さらに線状電極4aを覆う
ように、ガラスなどからなる誘電体層130(厚さ50
〜500μm)が形成され、誘電体層130表面には、
蛍光体などからなる発光層52が形成されている。一
方、前面基板21の表面には、発光層52のみが形成さ
れている。放電容器3は、背面基板11と前面基板21
と外枠71とによって密閉されており、放電容器3の内
部には、希ガス101(例えばキセノン)が1〜100
kPa程度の圧力で封入されている。
【0008】次に、図16に示した発光デバイスの動作
を説明する。まず、隣り合う複数の線状電極4aに対し
て、正弦波またはパルス状の500〜3000V程度の
電圧を印加すると、誘電体層130が分極し、各線状電
極4a間に電界が生じる。そして、この電界がキセノン
の放電開始電界を上回った時、微小放電が開始され、こ
の時、微小放電によって誘電体層130の表面に電荷が
蓄積されていく。この蓄積された電荷による内部電界
と、誘電体層130の分極による逆向きの外部電界との
合成電界が放電維持電界を下回った時、微小放電は終了
する。この微小放電の持続時間は非常に短く、放電終了
直後には、まだ微小放電の発生していない場所で、次の
微小放電が開始される。この微小放電の繰り返しによっ
て、放電プラズマ12aは一様に広がる。微小放電によ
って生じる放電プラズマ12aは、同図に示すように湾
曲している。これらの微小放電の発生が一通り終わる
と、放電は完全に停止する。
【0009】次いで、線状電極4aに逆向きの電圧が印
加され、誘電体層130の表面に蓄積された電荷による
電界と、電極印加電圧によりギャップ間に生じた電界の
和が、放電開始電圧を超えると、再び放電が開始される。
このように、電極印加電圧の印加方向が変わるたび
に、放電の開始、休止が繰り返される。放電プラズマ1
2aによって発せられた紫外光(不図示)は、背面基板
11および前面基板21に設けられた発光層52によっ
て可視光(不図示)に変換され、放電容器3の外へ導か
れることになる。
【0010】図17は、対向放電タイプの発光デバイス
の断面を模式的に示している。図示した発光デバイス
は、ソーダライムガラスなどからなる背面基板12(厚
さ3mm程度)と、背面基板12に対向して設けられた
前面基板22(厚さ3mm程度)と、背面基板12と前
面基板22との間に位置する外枠72(背面基板12と
前面基板22の間隔は1〜10mm)とから構成された
放電容器4を有している。背面基板12および前面基板
22には、電極4bおよび4c(電極幅0.2〜2m
m、電極間隔5〜15mm)がそれぞれ形成されてお
り、電極4bおよび4cを覆うように背面基板12およ
び前面基板22の上に、誘電体層131(厚さ50〜5
00μm)が形成されており、その上には発光層53が
形成されている。この構成においては、発光層53から
の可視光を遮らないよう、電極面積を小さくするため
に、前面基板22上の電極4cとして、例えば、ストラ
イプ状の電極が用いられたり、酸化インジウム錫などの
透明電極が用いられたりされている。放電容器4は、図
16に示した面放電タイプと同様に、背面基板12と前
面基板22と外枠72とによって密閉されており、放電
容器4の内部には、希ガス102(例えばキセノン)が
1〜100kPa程度の圧力で封入されている。
【0011】図17に示した発光デバイスの動作は、図
16に示した発光デバイスの動作と基本的に同様であ
る。図17に示した発光デバイスの動作を簡単に説明す
ると、対向する電極4bと電極4cとの間に正弦波ある
いはパルス状の500〜3000V程度の電圧を印加す
ると、放電容器4の中に複数の放電プラズマ12bが生
じる。その時、放電プラズマ12bから発せられた紫外
光(不図示)は、背面基板12および前面基板22に設
けられた発光層53で可視光(不図示)に変換されて、
放電容器4の外へ導かれる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図17に示した対向放
電タイプの発光デバイスには、以下に説明するように主
に3つの問題点がある。
【0013】1つ目は、液晶バックライトなどの薄型の
発光デバイスを目指す場合、電極間距離を長くできない
点である。一般に、放電ギャップが短いと、発光効率が
低下することが経験的に知られている。これは、電極付
近の発光効率が低いためだと考えられる。対向放電タイ
プで薄型の発光デバイスを構成した場合には、電極間距
離が短くなり、すなわち、放電ギャップが短くなるた
め、発光効率が低下することとなる。なお、プラズマ・
ディスプレイ・パネルの発光効率が数lm/Wから上が
らないのも、放電ギャップが数百マイクロメートルと短
いことが1つの要因であると考えられている。
【0014】2つ目は、光取り出し面に電極が形成され
ている点である。発光デバイスの前面から光を取り出し
たい場合、前面ガラス基板22に形成された電極4cが
金属などの非透光性材料から構成されているときには、
発光層53からの光の一部分は、電極4cに散乱または
吸収され、発光面輝度が低下してしまう。電極4cの散
乱または吸収による発光面輝度の低下を防止するために
は、電極面積を小さくすることが考えられるが、電極面
積を小さくすると、輝度低下を招き、そして電極の抵抗
値も増大してしまう。たとえ、電極4cを透光性材料か
ら構成しても、電極の透過率を上げるためには、膜厚を
薄くする必要があり、そうすると電気抵抗が上がってし
まう。
【0015】3つ目は、蛍光体の劣化が大きい点であ
る。図17から理解できるように、対向放電タイプの発
光デバイスは、放電プラズマ12b中のイオンが発光層
53(蛍光体層)へ直接衝突する構造となっている。こ
のイオンの蛍光体への衝突は、蛍光体を劣化させ、大幅
な輝度低下を招く。この蛍光体の劣化は、対向放電タイ
プの最大の問題点であり、類似した構造を持つのDCタ
イプのプラズマ・ディスプレイ・パネルにおいても、こ
の問題点を解決すべく様々な研究が行われている。
【0016】次に、図16に示した面放電タイプの発光
デバイスにおける問題点を説明する。 まず、面放電タ
イプの発光デバイスは、対向放電タイプのものと異な
り、放電ギャップを容易に大きくすることができる。し
かし、放電ギャップが大きくなると同時に始動電圧も上
昇することになるため、放電ギャップは、始動電圧が高
くなり過ぎない範囲で押さえられることになる。
【0017】また、面放電タイプの発光デバイスでは、
対向放電タイプのものと異なり、全ての電極4aが背面
基板11に設けられているため、電極の散乱または吸収
による発光面輝度の低下は生じない。そして、電極は片
方の基板のみに形成されているので、蛍光体へのダメー
ジも半分にすることができる。しかし、面放電タイプの
最大の問題点は、例えば、特表2000−500916
号公報中において記載されているように、放電プラズマ
12aが基板表面からの影響を受けやすいことである。
これは、図16から理解できるように、放電プラズマ1
2aが背面基板11の近くを通るためである。以下に、
放電プラズマ12aが基板表面から受ける影響を説明す
る。
【0018】放電プラズマ中の電子とイオンの一部は、
拡散により基板方向へと進んでいく。一般に電子の速度
はイオンの速度よりも速いため、普通の状態では電子が
イオンよりも多く基板表面に到着する。その結果、基板
表面の電子は、表面付近で負の電界を形成し、後続の電
子を追い返す働きをする。この負の電界は電子を減速す
る一方でイオンを引き寄せ、最終的には、表面に到達す
る電子電流とイオン電流が等しくなるまで増大する。こ
のようなメカニズムは両極性拡散と呼ばれる(参照:
「プラズマ基礎工学」、著者;堤井信力、出版社;内田
老鶴圃)。面放電タイプの場合において、放電プラズマ
と基板との距離が小さくなれば、基板表面での電子とイ
オンの再結合による損失割合は増加する。そして、放電
プラズマの伝導度を保持させるために、再供給される電
子とイオンの数も増加し、放電プラズマ中の電子とイオ
ンの密度は増大する。上述したように、電子密度が過剰
となると、キセノンガスの共鳴線準位からの再励起が活
発となり、発光効率の低下を招くことになる(図18参
照)。また、電子密度の増加は、電界強度の不均一性を
生み出し、放電を不安定にさせる要因にもなる。
【0019】さらに、対向放電タイプと面放電タイプと
の両方の発光デバイスに共通する問題点として、発光デ
バイスの製造プロセスにおいて、多くの高温プロセスが
必要であるという点が挙げられる。いずれのタイプの発
光デバイスを作製する場合でも、電極形成、誘電体層形
成、発光層形成、封着および排気と合計5回、最大60
0℃近くの高温プロセスが必要であり、これらの高温に
耐え得るためには、熱的歪みが小さく、厚さの厚いガラ
ス基板を使用する必要があった。
【0020】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、従来技術よりも優れた特性を
有する発光デバイスを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明による発光デバイ
スは、内部に放電空間を有する放電容器と、前記放電空
間中に設けられ、それぞれの周囲が誘電体構造体によっ
て覆われており、交番電圧が印加される複数の電極とを
備え、前記複数の電極のうちの両端に位置する電極の面
積は、前記両端以外に位置する電極の面積の半分であ
【0022】前記誘電体構造体のうち、前記放電容器に
よって支持されている部分以外の部分は、前記放電容器
から離されていることが好ましい。
【0023】ある実施形態において、前記誘電体構造体
は、ガラス管であり、前記複数の電極のそれぞれは、前
記放電空間に露出しないように前記ガラス管の管内に配
置され、且つ、前記放電容器外まで延ばされている。
【0024】
【0025】本発明による他の発光デバイスは、内部に
放電空間を有する放電容器と、前記放電空間中に設けら
れ、それぞれの周囲が誘電体構造体によって覆われてお
り、交番電圧が印加される複数の電極とを備え、前記複
数の電極のそれぞれは、前記誘電体構造体の長手方向
沿って2以上に分離された構造を有する。
【0026】前記放電容器は、少なくとも一部に透光性
の部分を有しており、前記放電容器の内面の少なくとも
一部には、発光層が設けられていることが好ましい。
【0027】ある実施形態では、前記放電容器は、対向
する前面基板と背面基板とから構成されており、前記複
数の電極は、それぞれ等間隔となるように、且つ、前記
前面基板または前記背面基板と平行となるように平面状
に配置されている。
【0028】前記放電容器には、前記誘電体構造体の一
部を収納して前記誘電体構造体を支持する溝部が設けら
れていることが好ましい。
【0029】前記複数の電極は、電源の高圧側に接続さ
れた電極と、接地側に接続された電極とが交互となるよ
うに配置されていることが好ましい。
【0030】ある実施形態では、互いに接触している前
記誘電体構造体を含み、当該互いに接触している誘電体
構造体によって周囲が覆われた電極は同電位にされ、当
該同電位とされた電極は、前記電源の高圧側に接続され
た電極または接地側に接続された電極を構成する。
【0031】
【0032】ある実施形態では、前記複数の電極のそれ
ぞれは、1つの誘電体構造体によって周囲が覆われてお
り、前記両端以外に位置する各電極の面積はほぼ等し
い。
【0033】ある実施形態では、前記両端に位置する電
極は、1つの誘電体構造体によって周囲が覆われた電極
であり、前記両端以外に位置する前記電極は、互いに接
触している2つの誘電体構造体によって周囲が覆われた
2つの電極から構成されており、前記2つの電極の電極
面積の和は、前記両端に位置する電極の面積の二倍であ
る。
【0034】前記複数の電極のそれぞれの電極の表面の
少なくとも一部は、前記誘電体構造体と密着しているこ
とが好ましい。
【0035】
【0036】
【発明の実施の形態】本願発明者は、従来の対向放電タ
イプおよび面放電タイプの発光デバイスの問題点を解決
することができる新たなタイプの発光デバイスの可能性
を探求し、鋭意研究した結果、そのような新たなタイプ
の発光デバイスを完成させた。すなわち、従来の対向放
電タイプにおける電極間距離を長くできない点、光取り
出し面に電極が形成されている点、および蛍光体の劣化
が大きい点の問題点を解消し、従来の面放電タイプにお
ける放電プラズマが基板表面からの影響を受けやすい点
の問題点を解消する新たなタイプの発光デバイスを実現
することができた。
【0037】本発明による発光デバイスは、放電容器内
部の放電空間中に設けられ、それぞれの周囲が誘電体構
造体によって覆われている複数の電極を有している。す
なわち、従来技術のいずれのタイプの構成とも異なり、
電極は放電空間中に設けられており、その電極の周囲に
誘電体が形成されている構成を有している。電極が放電
空間中に設けられているため、光取り出し面に電極を形
成する必要がなく、そして基板の大きさや基板間隔に依
存せずに電極間距離を任意に設定でき、さらに、基板表
面からの放電プラズマへの影響を軽減することができ
る。加えて、放電空間中に設けられた電極間で放電を行
えばよいため、蛍光体の劣化の問題も回避することがで
きる。また、電極の周囲は誘電体構造体によって覆われ
ているため、高い発光効率が得ることが可能な誘電体バ
リア放電を行うことができ、そして電極が放電空間内に
露出しないようにすることができる。
【0038】放電容器との支持部分を除いて放電容器か
ら離されているように誘電体構造体を配置すれば、放電
容器(基板)の影響をより効果的に低減させることが可
能となる。誘電体構造体としては、例えばガラス管を用
いればよく、ガラス管の管内に電極(例えばAlからな
る線状電極)を配置するようにすればよい。電極内部が
空洞である構造やメッシュ状の構造を有する電極を用い
れば、電極と誘電体構造体(例えば、ガラス管)との熱
膨張係数の差異によって生じる破壊・亀裂を効果的に防
止することができる。
【0039】希ガスを用いた発光デバイスの場合には、
放電空間に発光物質として希ガスを少なくとも封入すれ
ばよく、放電容器の少なくとも一部に透光性の部分を設
け、放電容器の内面の少なくとも一部に発光層を設けて
おけば、希ガスによる紫外光を可視光として外部に取り
出すようにすることができる。放電容器に水銀を封入し
なければ、地球環境保護の観点から好ましい発光デバイ
スを提供することができる。
【0040】以下、図面を参照しながら、本発明による
実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施形
態に限定されない。 (実施形態1)図1(a)および(b)ならびに図2を
参照しながら、本発明による実施形態1にかかる発光デ
バイスを説明する。図1(a)は、本実施形態の発光デ
バイスの鉛直方向の断面を模式的に示しており、図1
(b)は、本実施形態の発光デバイスの水平方向の断面
を模式的に示している。図2は、本実施形態の発光デバ
イスに含まれる外枠の構成を模式的に示している。
【0041】図1(a)および(b)に示した発光デバ
イスは、内部に放電空間100を有する放電容器1と、
放電空間100中に設けられ、それぞれの周囲が誘電体
構造体30によって覆われている複数の電極40とを有
している。複数の電極40には交番電圧が印加されるこ
とになる。本実施形態においては、放電容器1は、対向
する前面基板20と背面基板10とから構成されてお
り、前面基板20と背面基板10とによって挟まれた空
間が放電空間100となる。前面基板20および背面基
板10の厚さは、それぞれ、例えば、2.8mmおよび
2.8mmであり、基板間隔は4.8mmである。放電
空間100には、発光物質となる希ガス(例えば、キセ
ノン)が封入されており、発光デバイスの点灯時には、
電極40間に希ガスの放電プラズマ120が発生するこ
とになる。本実施形態では、発光物質としてキセノンを
13.3kPa封入している。
【0042】前面基板20および背面基板10はそれぞ
れ透光性のソーダライムガラスから構成されており、前
面基板20および背面基板10のそれぞれの上(放電容
器1の内側表面)には、蛍光体からなる発光層50が形
成されている。放電容器1の内側表面に発光層50が設
けられていることによって、放電プラズマ120から発
せられた紫外光を可視光に変換して取り出すことができ
る。発光層50を構成する蛍光体としては、例えば、プ
ラズマ・ディスプレイ・パネル用蛍光体を用いることが
できる。
【0043】前面基板20と背面基板10との間には、
基板同士の間隔を規定するスペーサ6が設けられてお
り、スペーサ6の外側に位置する背面基板10周辺部に
は、長方形の外枠70が配置されている。図2に示すよ
うに、外枠70は、誘電体構造体30を通す溝(図中、
U字型の溝)が複数設けられており、この溝を用いて、
内部に電極40を含む誘電体構造体30を収納して支持
することができる。本実施形態においては、誘電体構造
体30用の各溝は、同じ高さ、同じ大きさで等間隔に設
けられている。なお、放電容器1の側面には、希ガスな
どの発光物質を放電空間100内に導入するための排気
管9が設けられており、外枠70には、誘電体構造体3
0を通す溝とともに、排気管9を通すための溝も形成さ
れている。外枠70と、前面基板20および背面基板1
0とは、低融点ガラス8によって封着されており、これ
によって、放電空間100が密閉状態となっている。な
お、溝に代えて、開口部(貫通孔)を外枠70に設けて
もよい。
【0044】放電空間100中に設けられた複数の電極
40のそれぞれは、放電空間100に露出しないように
誘電体構造30の内部に配置されており、そして、放電
容器1の外まで延ばされている。本実施形態における複
数の電極40のそれぞれは、内部が空洞の構造を有して
いる。内部が空洞の電極構造は、アルミニウム箔を筒状
にした構成によって実現することができる。内部が空洞
の電極構造にすることによって、発光デバイスの点灯時
において、電極40と誘電体構造体30との熱膨張係数
(熱膨張率)の差異により発生する誘電体構造体30の
クラック(破壊・亀裂)を防止することが可能となる。
【0045】誘電体構造体30にクラックが発生した場
合、封入された希ガスがリークしてしまい、放電容器1
の点灯ができなくなってしまう。一般に電極40の熱膨
張率は誘電体30の熱膨張率よりも大きいので、点灯時
に電極40の温度が上昇すると、誘電体構造体30には
大きな応力が加わり、これが、クラックが生じる原因と
なる。電極40の内部を空洞にした場合には、誘電体構
造体30への応力を最小限にすることができ、放電容器
1の耐久性を向上させることができる。また、図3に示
すように、電極40がメッシュ状の構造を有する場合で
あったとしても、同様の効果が得られる。なお、電極4
0の内部、またはメッシュの隙間が、金属よりも熱膨張
率の低い絶縁体で満たされていたとしても、同様の効果
が得られる。
【0046】なお、本実施形態では、発光デバイスの製
造時に誘電体構造体30に応力が加わり難いように、1
つの誘電体構造体30につき1箇所(一端)で誘電体構
造体30の支持を行っている。すなわち、両端で支持し
た場合、発光デバイスの製造プロセスにおいては誘電体
構造体30が熱膨張している時に誘電体構造体30を放
電容器1に固着するため、誘電体構造体30が室温に戻
ると、誘電体構造体30は両端から引っ張り応力を受け
ることになり、このような応力が加わらないよう一端で
の支持を行っている。ただし、誘電体構造体30を構成
する材料を選定することなどによって、誘電体構造体3
0にそれほど応力が加わらないようにした構成の場合に
は、1つの誘電体構造体30につき2箇所(両端)で支
持をするようにしてもよい。
【0047】放電空間100中の複数の電極40は、そ
れぞれ等間隔となるように配置され、そして、前面基板
20または背面基板10と平行となるように平面状に配
置されている。このように配置することによって、各電
極40間の電界強度を一定にすることができるととも
に、電極40と前面基板20または背面基板10との距
離を一定にして、各電極間の電子密度の分布を一定にす
ることができ、その結果、より均一な発光面を得ること
ができる。また、複数の電極40を平面状に配置するこ
とによって、薄型の発光デバイスにすることでき、液晶
表示装置(液晶表示パネル)のような平面ディスプレイ
のバックライトとして好適に使用することができる。な
お、複数の電極40のそれぞれを平面状に配置した場
合、複数の電極40のそれぞれを例えば段違いに配置し
た場合と比較すると、電極40の陰が出やすくなるが、
実際には、発光層50による散乱が起こるために、電極
40の陰の影響が緩和された状態の光が放電容器1から
取り出されることになる。
【0048】電極40の周囲を覆う誘電体構造体30
は、細長い形状を有しており、例えば、誘電体からなる
管である。本実施形態では、誘電体構造体30として、
ソーダライムガラスからなるガラス管(例えば、外径
2.8mm、内径1.6mm)を用いている。ガラス管
(誘電体構造体)30のうち、放電容器1によって支持
されている部分(例えば、外枠70の溝部)以外の部分
(例えば、ガラス管外周が放電空間100に露出してい
る部分)は、放電容器1から離されて放電空間100中
に設けられている。ガラス管外周が放電空間100に露
出している部分の長さは、例えば50mm程度である。
ガラス管30もまた、電極40と同様に、各管が等間隔
となるように配置され、そして前面基板20または背面
基板10と平行となるように平面状に配置されている。
本実施形態では、ガラス管30同士の間隔は10mmで
あり、ガラス管30と前面基板20との間隔は例えば1
mmであり、そしてガラス管30と背面基板10との間
隔は1mmである。また、本実施形態では、電極40と
ガラス管(誘電体構造体)30との間に空気が介在する
ことによって不要な放電(例えば、オゾンが発生するよ
うな放電)が生じることを防ぐために、内部が空洞の電
極(筒状のアルミニウム電極)40の外面は、ガラス管
30の内面と隙間なく接着した構成にされている。
【0049】各電極40は、放電容器1外まで延ばされ
た部分において、点灯用電源110と接続されており、
1つのガラス管30内に形成された1つの電極40は、
同電位(例えば、高圧電位または接地電位のいずれかの
電位)にされる。図1(a)に示すように、本実施形態
においては、基板全体に渡って放電プラズマ120を発
生させて均一な発光面を得るために、各電極40は、点
灯用電源110の高圧側と接地側とが交互になるように
点灯用電源110に電気的に接続されている。点灯用電
源110から各電極40には、例えば、周波数30kH
z、パルス幅10μsec、2000Vo−pの交流パ
ルスが印加されることになる。
【0050】本実施形態では、図1に示すように、複数
の電極40のうちの両端に位置する電極の面積は、両端
以外に位置する電極(中央部分に位置する電極)の面積
の半分にしている。本実施形態の構成においては電極4
0の外面とガラス管30の内面とを密着させるため、換
言すると、両側に位置するガラス管30内に設けられた
電極40のガラス管30との接触面積は、その他の電極
40のガラス管30との接触面積の半分にされている。
このような構成にした場合、複数の電極40の全ての電
極間で放電を行うことができ、より均一な発光面を得る
ことができる。両端の電極面積を半分にした構成の場合
に全ての電極間で放電できることは、本願発明者が実験
的に確認している。このことについて以下にさらに説明
する。
【0051】まず、複数の電極40の電極面積を全て同
じにした構成の場合、一対の電極間での放電が起こりや
すいことを本願発明者は実験的に確認した。すなわち、
全ての電極の電極面積が等しい場合、図1に示した構成
においては、図中の左から1番目と2番目、3番目と4
番目、そして5番目と6番目の電極間での放電が起こり
やすいが、左から2番目と3番目、4番目と5番目の電
極間では、放電が全く起こらないか、弱い放電しか起こ
らない。
【0052】これに対して、両端の電極面積を半分にし
た構成の場合、全ての電極間においても、すなわち、図
中の左から1〜6番目の電極の隣接する電極間のいずれ
においても良好に放電できることが実験的に確認され
た。このようになる理由は、両端の電極面積を半分にし
た場合、いずれの電極も、隣接する電極に対して、中央
の電極の面積(S)の半分の電極面積(S/2)にて放
電を行うことができるようになるためと推論している。
一方、電極40の電極面積を全て同じにした場合には、
一対の電極間で電極面積Sにて放電を行う方が、全ての
電極間で放電するよりも、安定な放電となるからと推論
している。
【0053】次に、本実施形態にかかる発光デバイスの
動作を説明する。
【0054】まず、それぞれが点灯用電源110の高圧
側または接地側のいずれかに電気的に接続された複数の
電極40に交番電圧(例えば、交流パルス電圧)を印加
すると、ガラス管30を構成する誘電体が分極し、複数
の電極40間に電界が生じる。この電界が封入されたキ
セノンガスの放電開始電界を上回った時、微小放電が開
始される。この時、微小放電によって誘電体の表面に電
荷が蓄積されていく。この蓄積された電荷による内部電
界と、誘電体の分極による逆向きの外部電界との合成電
界が放電維持電界を下回った時、微小放電は終了する。
【0055】微小放電の持続時間は非常に短いため、放
電終了直後には、まだ微小放電の発生していない場所
で、次の微小放電が開始される。この微小放電の繰り返
しによって、放電プラズマ120が複数の電極40の間
で一様に広がる。放電プラズマ120が一様に広がるこ
とは本願発明者によって確認されている。微小放電の発
生が一通り終わると、放電は完全に停止する。
【0056】次に、複数の電極40に対して逆向きの電
圧が印加され、誘電体30の表面に蓄積された電荷によ
る電界と、電極印加電圧により電極40間に生じた電界
の和が、放電開始電圧を超えると、再び放電が開始する。
このように、電極印加電圧の印加方向が変わるたび
に、放電の開始、休止が繰り返される。
【0057】放電プラズマ120から発せられた紫外光
は、背面基板10および前面基板20上の発光層50で
可視光に変換され、この可視光は放電容器1の外へ導か
れる。このような動作により、本実施形態の発光デバイ
スは、10,000(cd/m2)以上の輝度を示し、
非常に高輝度・高効率かつ均一な白色の発光面を実現す
る。
【0058】本実施形態において電極40に交番電圧を
印加して発光デバイスを点灯させる理由を、図4を参照
しながら説明する。
【0059】図4(a)に示すように、電極40間に交
番電圧を印加した場合には、電極40間で均一な放電プ
ラズマ120を発生させることができる。また、本実施
形態の発光デバイスにおいては、全ての電極40が誘電
体構造体(ガラス管)30によって覆われているため、
放電時のイオンから全ての電極40を保護することがで
き、電極40の長寿命化を図ることができる。
【0060】一方、図4(b)に示すように、交番電圧
でなく直流(DC)にて発光デバイスを点灯させた場
合、次のような問題が生じる。直流で点灯させた場合
(例えば、単極のパルス点灯の場合)、放電柱(放電プ
ラズマ)120が陰極40’から陽極40へと扇形状に
広がるため、陰極40’付近の放電柱が疎となり、その
結果、陰極近傍の発光層の輝度が低くなってしまう。つ
まり、交番電圧の場合と比較して、輝度ムラが大きくな
ってしまう。また、直流で点灯させる場合には、図4
(b)に示した構成のように陰極を裸電極40’として
構成することができるが、このような構成にした場合に
は、放電時において裸電極40’にイオンが直接衝突す
るために、電極がスパッタリングされ、その結果、電極
の短寿命化を招いてしまう。また、スパッタリングによ
って電極に凹凸ができるため、放電の不均一性が広がる
こととなる。さらに、飛散した電極が発光層表面に付着
するという問題も生じる。図1に示した構成において交
番電圧で点灯を行えば、このような問題を回避すること
ができる。
【0061】本実施形態の発光デバイスでは、それぞれ
誘電体構造体30によって覆われた複数の電極40が放
電空間100中に設けられているので、従来技術と異な
り、光取り出し面に電極を形成する必要がない。その結
果、高輝度で均一な発光面を得ることができる。また、
誘電体構造体30は細長い形状を有しているので、背面
基板10上の発光層50からの発光が誘電体30によっ
て遮られる影響についても最小限にすることができる。
【0062】さらに、複数の電極40が放電空間100
中に設けられているので、前面基板20および背面基板
10の大きさや基板間隔に依存せずに、始動電圧が高く
なり過ぎない範囲で、電極40の間隔を大きくすること
ができる。また、複数の電極40が放電空間100中に
設けられているため、放電プラズマ120を前面基板2
0および背面基板10から離すことができ、電子密度の
過剰な増加を抑制することができる。その結果、発光効
率が高く安定した放電を得ることができる。加えて、放
電プラズマ120中のイオンが発光層50(蛍光体層)
へ直接衝突することがないため、発光層50の蛍光体が
劣化しにくくすることができ、その結果、長時間に渡っ
て高輝度を持続することができる。
【0063】このように本実施形態によれば、従来技術
よりも優れた特性を示す発光デバイスを提供することが
できる。
【0064】また、本実施形態の発光デバイスを大画面
の平面ディスプレイ用のバックライトとして用いる場合
には、図5に示すように、外枠70の両側から誘電体構
造体(ガラス管)30および電極40を延ばして放電空
間100内に位置づけるようにした構成にしてもよい。
外枠70の両側からガラス管30を延ばして、ガラス管
30の一端を支持する構成であれば、外枠70の片側か
ら長いガラス管30を延ばしてガラス管30の一端を支
持する構成よりも、外枠70の支持部においてガラス管
30に加わる応力を軽減することができるからである。
すなわち、1本の長いガラス管30でなく、その半分の
長さのガラス管30を2本を用いた構成にすれば、ガラ
ス管30の自重によって支持部に加わる応力を大きく減
らすことができ、その結果、ガラス管30が破損する可
能性を軽減することができる。
【0065】さらに、図5に示した構成を改変して、図
6に示すように、高圧側の電極40を一方の側から延ば
し、接地側の電極40を他方の側から延ばすようにして
もよい。このようにすれば、図5に示した構成の効果に
加えて、電極40と点灯用電源110との配線を簡略化
することができる。そして、異なる極性の配線が離れて
配置されるため、電流のリークが生じるのを防ぐことも
できる。
【0066】また、図1、図5および図6に示した構成
において、放電空間100内に位置しているガラス管3
0の例えば先端部の下に、その先端部を支える台(不図
示)を設け、その台でガラス管30の先端部を支えて、
ガラス管30の支持部に加わる応力を緩和するような構
成にしてもよい。ガラス管30の先端部と台とを固定し
ないようにすれば、製造工程時にガラス管30に熱収縮
が起こっても、ガラス管30に引っ張り応力が加わらな
いようにすることができ、ガラス管30の破損を防止す
ることができる。
【0067】次に、本実施形態にかかる発光デバイスの
製造方法について説明する。
【0068】まず、透光性のソーダライムガラスからな
る背面基板10(厚さ2.8mm)および前面基板20
(厚さ2.8mm)を用意した後、背面基板10および
前面基板20上に発光層50を形成する。発光層50の
形成は次のようにして行えばよい。
【0069】最初に、分散媒としてのビヒクル(例え
ば、α−テレピネオール+25wt%のアクリル系樹
脂)中に、RGB3色のプラズマ・ディスプレイ・パネ
ル用蛍光体を充分に分散させる。RGB3色のプラズマ
・ディスプレイ・パネル用蛍光体としては、例えば、5
90nm、610nm、630nm付近に発光の中心波
長を持つユーロピウム付活酸化イットリウムガドリニウ
ムほう酸塩蛍光体、515nm付近に発光の中心波長を
持つマグネシウム付活アルミン酸蛍光体、455nm付
近に発光の中心波長を持つユーロピウム付活アルミン酸
バリウムマグネシウム蛍光体を用いることができる。次
に、ビヒクル中に分散させた蛍光体をスクリーン印刷に
よって基板上に印刷し、均一な蛍光体の層を形成する。
次に、この層を充分に乾燥させた後、450℃の雰囲気
温度で加熱焼成することによって、ビヒクルを焼成、飛
散させて、背面基板10および前面基板20の表面に固
着した発光層50を得る。
【0070】次に、基板同士の間隔を決定するために、
例えば、図1(b)に示すように、ソーダライムガラス
からなる厚さ4.8mmのスペーサ6を背面基板10周
辺部に配置し、さらに外側に長方形の外枠70(長辺長
さ90mm、短辺長さ64mm、高さ3.8mm)を配
置する。外枠70は、ソーダライムガラスから構成され
ており、図2に示したように、外枠70には、誘電体構
造体(ガラス管)30と排気管9とが通るためのU字型
の溝が複数設けられている。誘電体構造体30用の複数
の溝は、同じ高さ、同じ大きさで等間隔に設けられてい
る。
【0071】次に、例えば、ソーダライムガラスなどか
らなる外径2.8mm、内径1.6mmの管状の複数の
誘電体構造体(ガラス管)30と、同じくソーダライム
ガラスなどからなる排気管9とを外枠70の所定の溝に
それぞれ配置する。複数の誘電体30同士の間隔は、例
えば、10mmとし、放電容器1内に位置している部分
のガラス管30の長さが例えば50mmとなるようにす
る。
【0072】次に、封着材料である低融点ガラス8(例
えば、旭硝子株式会社製)と樹脂分散媒(例えば、東京
応化工業株式会社製のビークルCなど)とから低融点ガ
ラスペーストを作製した後、その低融点ガラスペースト
をディスペンサーなどによって外枠70の上部に均一に
吐出し、さらに、誘電体30および排気管9が配置され
た外枠70の溝を埋めるように吐出する。次いで、低融
点ガラスペーストの厚さと背面基板10の高さとの合計
の高さが、スペーサ6の高さよりも数mm程度高くなる
まで吐出・乾燥を繰り返す。その後、外枠70と背面基
板10とが接している外側の部分に沿って、低融点ガラ
スペーストを吐出・乾燥させる。 次に、上記の外枠7
0を備えた背面基板10と、発光層50が形成された前
面基板20とを貼り合わせ、次いで、耐熱性の金具でし
っかりと固定する。次に、これを450℃の雰囲気温度
で加熱焼成することによって、低融点ガラスペースト中
の鉛ガラス粉末を融解させ、樹脂分散媒を焼成、飛散さ
せる。このようにして、低融点ガラス8によって背面基
板10と前面基板20とがスペーサ6の厚みの間隔で封
着される。以上の工程によって、背面基板10、前面基
板20、外枠70が一体に固着され放電容器1が得られ
る。
【0073】次に、排気管9を真空ポンプ(不図示)と
接続し、350℃の雰囲気中で放電容器1の中の不純ガ
スを排気する。次いで、雰囲気を室温に戻した後、例え
ばキセノン単体からなる希ガスを13.3kPa封入す
る。その後、排気管9をバーナーなどを用いて封止し、
不必要な部分を取り除く。
【0074】次に、例えば、アルミニウム箔からなる電
極40を筒状にして、その筒状電極を誘電体構造体30
の内側表面に隙間なく接着する。この時、複数の誘電体
構造体30のうち、両側に位置する誘電体30内側表面
には、隣に誘電体構造体30が配置されている方向へ半
面だけ電極40を接着する。このようにして本実施形態
における発光デバイスが得られる。
【0075】得られた発光デバイスの各電極40は、点
灯用電源110の高圧側と接地側に交互に接続され、例
えば、周波数30kHz、パルス幅10μsec、20
00Vo−pの交流パルスを点灯用電源110から各電
極40に印加すれば、発光デバイスを点灯させることが
できる。
【0076】本実施形態にかかる製造方法では、発光層
形成、封着、排気と計3回、そして最大450℃の高温
プロセスのみを実行すればよいため、従来技術と比較し
て、製造プロセスを大幅に簡素化することができること
とに加えて、厚さの厚いガラス基板を使用することが必
要とされなくなる。さらには、背面基板10および前面
基板20の熱的歪みを抑制することができる。また、本
実施形態の製造プロセスでは、放電容器1への希ガス封
入後、つまり、熱プロセスが終了した後に電極40を設
けることができるため、電極40が熱で酸化されること
なく、それゆえに、抵抗率の低い電極にすることができ
る。 (実施形態2)図7を参照しながら、本発明による実施
形態2にかかる発光デバイスを説明する。図7は、本実
施形態にかかる発光デバイスにおける複数の電極41の
断面構造(背面基板10に直角な方向の断面構造)を模
式的に示している。
【0077】本実施形態にかかる発光デバイスは、誘電
体構造体(ガラス管)31の長手方向に沿って2以上に
分離された構造の電極41を有している点において、上
記実施形態1の発光デバイスと異なる。図7に示した構
成において、誘電体構造体31は、上記実施形態1の誘
電体構造体30と同じ構造を有しており、そして、放電
プラズマ121は、上記実施形態1の放電プラズマ12
0と同様の機構によって発生する。なお、本実施形態お
よび後述する実施形態においては説明の簡潔化を図るた
め、実施形態1と異なる点を主に説明し、実施形態1と
同様の点の説明は省略または簡略化する。
【0078】図7に示すように、本実施形態における電
極41は、誘電体構造体(ガラス管)31の長手方向に
沿って2以上に分離された構造を有している。図7に示
した電極41は、上記実施形態1の電極40の上部と下
部とが欠けた構造を有しており、ガラス管31の軸方向
に沿って延びた2つの部分(左側部分と右側部分)を持
ち、当該2つの部分は、隣接するガラス管31内に位置
している電極41の2つの部分と対向している。すなわ
ち、背面基板10(または前面基板20)と平行な方向
に、複数の電極41のそれぞれの2つの部分が配列され
ている。電極41における左側部分と右側部分との間隔
(上部および下部の隙間)は、例えば、1.5mm程度
である。なお、上記実施形態1の電極40と同様に、電
極41の左側部分および右側部分の外面は、ガラス管3
1の内面と密着している。
【0079】本実施形態の発光デバイスは、図7に示し
た構成の電極41を有しているので、誘電体構造体31
の両側から、均一な放電プラズマ121を生じさせるこ
とができるとともに、基板垂直方向への可視光の進行が
電極41によって妨げられないようにすることができる
ので、発光面への電極41の影を押さえることができ
る。このような理由から、均整度の極めて高い発光面を
得ることができる。
【0080】なお、上記効果の他にも、勿論、実施形態
1と同様の効果を得ることができる。 (実施形態3)図8を参照しながら、本発明による実施
形態3にかかる発光デバイスを説明する。図8は、本実
施形態にかかる発光デバイスにおける複数の誘電体構造
体32の断面構造(背面基板10に直角な方向の断面構
造)を模式的に示している。なお、両端付近の誘電体構
造体32を示しており、その他の誘電体構造体は省略し
ている。
【0081】本実施形態にかかる発光デバイスは、両端
以外の中央に位置する誘電体構造体32が互いに接触し
た構成を有している点において、上記実施形態1の発光
デバイスと異なる。図8に示した構成において、誘電体
構造体32および電極42は、上記実施形態1の誘電体
構造体30および電極40と同じ構造を有しており、そ
して、放電プラズマ122は、上記実施形態1の放電プ
ラズマ120と同様の機構によって発生する。
【0082】図8に示すように、本実施形態における発
光デバイスは、両端以外の中央に位置する誘電体構造体
32が基板平行方向において互いに接触した構成を有し
ている。換言すると、両端に位置する電極42は、1つ
の誘電体構造体32内に設けられており、中央部分に位
置する電極42は、互いに接触した2つの誘電体構造体
32のそれぞれの内部に電極42が1つずつ設けられて
いる。中央部分の電極は2本が一組となっているため、
中央部分に位置する電極(2つの電極)42の電極面積
の和は、両端に位置する電極42の電極面積の二倍とな
っている。2本の誘電体構造体32は、必ずしも密着さ
せる必要はなく、軽く接触させる程度もよく、また、わ
ずかな隙間があいていてもよい。
【0083】電極42は、中央部分の2本一組の電極が
同電位となるように点灯用電源111に電気的に接続さ
れており、そして、距離をおいて配置された隣接する電
極42または2本一組の電極42に、逆の電位が印加さ
れるように点灯用電源111と電極42とは電気的に接
続されている。すなわち、電源の高圧側に接続された電
極と、接地側に接続された電極とが交互となるように配
列されている。なお、誘電体構造体32内面と電極42
との接触面積は、すべての誘電体構造体32において等
しくされている。
【0084】本実施形態の発光デバイスは、両端以外の
中央に位置する誘電体構造体32が互いに接触した構成
を有しているので、中央部分に位置する電極(2本1組
の電極)42の電極面積の和が、両端に位置する電極4
2の電極面積の二倍となっている。このため、誘電体構
造体32内面と電極42との接触面積が全て同じ誘電体
構造体32を用いた構成にて、上記実施形態1と同様
に、すべての電極間で放電プラズマ122を発生させる
ことができる。その結果、より均一な発光面を得ること
ができる。
【0085】本実施形態の発光デバイスは、同じ構造の
誘電体構造体32および電極42を用いることができる
ため、上記実施形態1の発光デバイスよりも、すべての
電極間で放電プラズマ122を発生させることができる
発光デバイスを簡便に作製することができる。なお、本
実施形態では、2本の誘電体構造体32を基板と平行な
方向に密着させた構成にしたが、その他の方向、例え
ば、基板と垂直の方向に密着させた構成であっても、中
央部分に位置する電極42の電極面積の和が両端に位置
する電極42の電極面積の二倍となる構成にすることが
できるので、同様の効果を得ることができる。
【0086】なお、上記効果の他にも、勿論、実施形態
1と同様の効果を得ることができる。 (実施形態4)次に、本発明による実施形態4にかかる
発光デバイスを説明する。本実施形態の発光デバイス
は、上記実施形態1にかかる発光デバイスの誘電体構造
体30の外側表面の少なくとも一部に、可視光を反射す
る材料(例えば、酸化マグネシウムなど)がコーティン
グされている点において、上記実施形態1の発光デバイ
スと異なる。他の点においては、上記実施形態1と同様
であるため説明を省略する。
【0087】誘電体構造体表面に酸化マグネシウムをコ
ーティングするには、例えば、次のようにすればよい。
まず、微粒子の酸化マグネシウムに対して、分散媒とし
て酢酸ブチルとバインダーとしてエチルセルロースとを
それぞれ加え、次いで、これらの混合物をよく攪拌した
後、その混合物を誘電体構造体の表面に塗布する。次
に、塗布した混合物を充分に乾燥させた後、それを45
0〜550℃で焼成することによって、分散媒、バイン
ダーそれぞれを焼成、飛散させると、誘電体表面に固着
した酸化マグネシウムが得られる。
【0088】本実施形態では、誘電体構造体の外側表面
の少なくとも一部に、可視光を反射する材料(例えば、
酸化マグネシウムなど)がコーティングされているの
で、発光層50からの可視発光は、誘電体構造体にほと
んど吸収されることなく、基板の外へ導かれる。その結
果、さらなる高輝度化を実現することができる。
【0089】なお、上記効果の他にも、勿論、実施形態
1と同様の効果を得ることができる。 (実施形態5)次に、本発明による実施形態5にかかる
発光デバイスを説明する。本実施形態の発光デバイス
は、上記実施形態1にかかる発光デバイスの誘電体構造
体30の外側表面の少なくとも一部に、紫外光を反射す
る材料(例えば、酸化アルミニウム)がコーティングさ
れている点において、上記実施形態1の発光デバイスと
異なる。他の点においては、上記実施形態1と同様であ
るため説明を省略する。
【0090】なお、誘電体構造体表面に酸化アルミニウ
ムをコーティングするには、例えば、上記実施形態4で
使用した微粒子の酸化マグネシウムに代えて、微粒子の
酸化アルミニウムを使用すればよい。
【0091】本実施形態では、誘電体構造体の外側表面
の少なくとも一部に、紫外光を反射する材料がコーティ
ングされているので、封入ガスの放電によって発生した
紫外線は、誘電体構造体にほとんど吸収されることな
く、発光層へ到達し、可視光に変換されることになり、
さらなる高輝度化を実現することができる。なお、上記
効果の他にも、勿論、実施形態1と同様の効果を得るこ
とができる。
【0092】また、上述した実施形態4および5におけ
る可視光反射材および紫外光反射材を組み合わせること
も可能である。可視光反射材および紫外光反射材のそれ
ぞれを誘電体表面の異なる場所に設ける場合、それぞれ
を重ねて層にする場合、それぞれの粉末を混合して層に
する場合など、誘電体表面のいかなる場所にどのような
順番で設けた場合でも、上述した効果が得られる。 (実施形態6)次に、本発明による実施形態6にかかる
発光デバイスを説明する。本実施形態の発光デバイス
は、上記実施形態1にかかる発光デバイスの電極40を
透光性にした点において、上記実施形態1の発光デバイ
スと異なる。他の点においては、上記実施形態1と同様
であるため説明を省略する。
【0093】本実施形態の構成によって、発光面に電極
40の影が映ることを防止し、その結果、より均一な発
光面を得ることができる。誘電体構造体30が、例えば
ソーダライムガラスからなる場合に本実施形態の透光性
の電極が用いられれば、極めて高い可視光透過率が達成
される。なお、この効果の他にも、実施形態1と同様の
効果も得ることができる。透光性の電極を構成する材料
としては、低抵抗および高可視光透過率の観点から、例
えばインジウム酸化錫(ITO)を用いることができ
る。
【0094】インジウム酸化錫からなる電極を誘電体構
造体の内面に形成する方法を次に説明する。この作業
は、基板の封着後では困難なため、基板の封着前に行
う。まず、ディップコート用のインジウム酸化錫溶液
(例えば、高純度化学製 ITO−05C)を用意し、
その溶液中に誘電体構造体を沈める。次に、電極の軸
(電極の長手方向)が鉛直方向になるように、溶液に沈
めた誘電体構造体を一定の速度で引き上げ、その後、誘
電体構造体の外表面に付着した溶液を充分拭き取る。最
後に、その誘電体構造体を充分乾燥させた後、550℃
程度で焼成すると、内面にインジウム酸化錫膜が形成さ
れた誘電体構造体が完成する。 (実施形態7)図9を参照しながら、本発明による実施
形態7にかかる発光デバイスを説明する。図9は、本実
施形態にかかる発光デバイスにおける複数の誘電体構造
体33の断面構造(背面基板10に直角な方向の断面構
造)を模式的に示している。
【0095】本実施形態の発光デバイスは、上記実施形
態1にかかる発光デバイスの誘電体構造体30に少なく
とも1つの平面部を設けた点において、上記実施形態1
の発光デバイスと異なる。他の点においては、上記実施
形態1と同様であるため説明を省略する。
【0096】本実施形態の発光デバイスは、少なくとも
1つの平面部設けられた誘電体構造体33を有している
ので、さらに安定した高効率の放電を得ることが可能と
なる。すなわち、このような構造にすると、放電容器の
厚み方向の電界分布が一様となるため、封入ガスに最適
なエネルギーを注入することができ、その結果、安定し
た高効率の放電を得ることができる。この平面部は、必
ずしも誘電体の全体に延びている必要はなく、いずれか
の箇所に平面部を設けた構成にしてもよい。
【0097】なお、上記効果の他にも、勿論、実施形態
1と同様の効果を得ることができる。 (実施形態8)図10から図14を参照しながら、本発
明による実施形態8にかかる発光デバイスを説明する。
図10から図14は、それぞれ、誘電体構造体と電極と
の構成(背面基板10に平行な方向の断面構成)を模式
的に示している。
【0098】図10に示した構成の発光デバイスは、誘
電体構造体34の外側表面に周期的に凹凸が設けられて
いる点において、上記実施形態1の発光デバイスと異な
る。誘電体構造体34の外側表面に周期的に凹凸が設け
られていることによって、均一な放電が生じにくい条件
下においても、安定した均一な放電を得ることができ
る。この均一な放電が生じにくい条件下には、例えば、
放電が拡散しにくいキセノンなどの希ガスを単体で高圧
にて封入した場合がある。
【0099】均一な放電が生じにくい条件下において
は、一対の誘電体構造体に注目した場合、電圧印加時に
生じた放電は一様に広がることなく、1本の線状に収縮
したままとなる。この状態では、発光面も一様に発光せ
ずに線状に発光し、さらに、電流密度が急激に上昇する
ことによって、誘電体構造体が損傷する危険性も高くな
る。
【0100】このような問題を回避するために、図10
に示すように、誘電体構造体の肉厚の厚さ分布を軸方向
(長手方向)に周期的に設ける。図10に示した構成に
することによって、電界強度の強弱が軸方向へ周期的に
分布し、肉厚の薄い、電界強度の強い部分で放電が生じ
るので、結果的に、軸方向へ周期的に放電が生じること
になる。図10に示した例では、一対の誘電体構造体の
両方とも、肉厚を変化させた誘電体構造体34の構成に
することによって、放電の両端部で肉厚を変化された構
造を用いている。一方、図11に示す例のように、放電
の片側端部だけで肉厚を変化された構造を用いても、同
様の効果を得ることができる。
【0101】また、図12に示すように、誘電体構造体
36の外側表面に周期的な凹凸を設けずに、螺旋状の電
極46を設けた構成、または図13に示すように、周期
的に蛇行させた電極47の構成によっても、上記の場合
と同様に、安定した均一な放電を得ることができる。電
極間距離の分布を軸方向へ周期的につくることによっ
て、電極間距離が小さくて電界強度が強い部分で放電を
生じさせることができ、その結果、軸方向へ周期的に放
電を生じさせることができる。なお、螺旋状または周期
的に蛇行した電極を用いる場合においても、上記の場合
の場合と同様に、放電の両端部で用いる構成と、放電の
片側端部だけで用いる構成とが考えられるが、いずれの
場合も効果を得ることができる。
【0102】さらに、図14に示すように、電極48の
形状に応じて、誘電体構造体の形状を変化させても、同
様の効果を得ることができる。図14に示した構成で
は、蛇行した電極48の形状に対応させて、誘電体構造
体38の形状を蛇行させている。
【0103】なお、上記効果の他にも、勿論、実施形態
1と同様の効果を得ることができる。 (実施形態9)図15を参照しながら、本発明による実
施形態9にかかる発光デバイスを説明する。図15は、
本実施形態にかかる発光デバイスの構成(放電容器2の
径方向における断面構造)を模式的に示している。
【0104】本実施形態の発光デバイスは、放電容器が
平面状ではなく、円筒状である点が上記実施形態1の発
光デバイスと異なる。円筒状の放電容器2は、透光性の
材料(例えば、ソーダライムガラスなど)から構成され
ており、放電容器2の内側表面には、上記実施形態1と
同様に、蛍光体などからなる発光層51が設けられてい
る。放電容器2内部には、ソーダライムガラスなどから
なる管状の複数の誘電体39が、放電容器2内側表面か
ら距離を保って、等間隔で配置されており、管状の複数
の誘電体39は、放電容器2の両端で保持されている。
【0105】放電容器2内部には、上記実施形態1と同
様に、キセノンなどの希ガスが封入されており、誘電体
39内部のアルミニウム箔などからなる電極49に、交
番電圧またはパルス電圧を印加すると、上記実施形態1
と同様の原理で、可視発光を得ることができる。このよ
うな構成から、高輝度で均一な円筒状の発光デバイスが
得られる。なお、本実施形態においても、上記実施形態
1と同様の効果を得ることができる。 (他の実施形態)上記実施形態1から10において、透
光性の放電容器として、背面基板10および前面基板2
0を低融点ガラス8で封着した構成、または、円筒状の
ソーダライムガラスを用いた構成のもので説明したが、
その他の形状、例えば球状のガラスなどを用いても同様
に実施可能である。また、前面基板あるいは背面基板の
両方をソーダライムガラスから構成したが、両方の基板
とも透光性である必要はなく、どちらか一方が透光性で
あればよい。さらに両方の基板は、大気圧に耐え得る材
料あるいは構造であればよいため、その他の材料、例え
ば、透光性セラミックス、透光性樹脂などを用いても同
様に実施可能である。透光性樹脂を用いた構成の場合に
は、耐久性に優れるもの(例えば、耐熱性に優れ、紫外
線等によって劣化しないもの)を用いることが望まし
く、そのような特性を付与するために機能性フィルム
を、別途、透過性樹脂に設けたりしてもよい。
【0106】また、上記実施形態において、発光層50
(または51)として、プラズマ・ディスプレイ・パネ
ル用蛍光体を用いた例で説明したが、これに限定されな
い。放電容器内部(放電空間100)に封入された希ガ
スが放電した時に、発生する紫外光の波長域に励起帯を
持つ、その他の発光物質を用いた場合でも、同様に実施
可能である。また、異なる発光波長を持つ、発光物質を
複数種類混合して用いた場合でも、同様に実施可能であ
る。
【0107】さらに、上記実施形態において、背面基板
10および前面基板20の上に発光層50をに形成する
ためにスクリーン印刷を用いたが、これに限らず、その
他の方法、例えばディップ法を用いても同様に実施可能
である。
【0108】なお、上記実施形態において、封着時にス
ペーサ6と外枠70を用いたが、スペーサー6を用いず
に外枠70をスペーサとして機能させることも可能であ
る。
【0109】また、上記実施形態において、封入する希
ガスにキセノンの単体を13.3kPaにて用いたが、
その他のガス圧あるいは、その他のガス、例えばクリプ
トン、ヘリウムなどの希ガス、または2種類以上の希ガ
スの混合ガス、あるいは少なくとも1種類の希ガスに少
なくとも1種類のヨウ素、塩素などのハロゲンとを混合
した混合ガスを用いても同様に実施可能である。
【0110】また、上記実施形態において、電極40か
ら49にアルミニウム箔を用いた例で説明したが、これ
に限定されず、例えば、中空のアルミニウム棒を用いて
も良い。また、電極を構成する材料は、アルミニウムに
限定されず、例えば銅または鉄などの他の金属を用いて
もよい。
【0111】また、上記実施形態において、複数の誘電
体30から39が、同一平面に平行に等間隔に配置され
た例で説明したが、その他の配置、例えば誘電体の間隔
がそれぞれ異なっていたり、段違いであったり、交差し
ていたり、いかなる配置、または、誘電体がいかなる形
状であっても、同様に実施可能である。
【0112】なお、上記実施形態において、印加電圧に
30kHzの交流パルス電圧を用いた例で説明したが、
その他の周波数、または片方の電極が接地されていて
も、同様に実施可能である。
【0113】なお、上記実施形態において、放電容器
1、2の外側に反射材を用いない例で説明したが、光の
取り出し方向が決まっている場合、放電容器1、2の外
側表面に金属などの反射材を設けても、同様に実施可能
である。
【0114】また、上記実施形態において、発光層5
0、51を用いた例で説明したが、これに限定されず、
発光層を用いずに、放電容器1、2を弗化マグネシウム
などの紫外光透過材で構成した場合も、紫外光を放射さ
せることのできる発光デバイスとして、同様に実施可能
である。
【0115】
【発明の効果】本発明の発光デバイスは、放電空間中に
設けられ、それぞれの周囲が誘電体構造体によって覆わ
れている複数の電極を備えているため、従来技術よりも
優れた特性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明による実施形態1にかかる発
光デバイスの鉛直方向の断面図であり、(b)は、その
水平方向の断面図である。
【図2】実施形態1における外枠70の外観を示す斜視
図である。
【図3】実施形態1における電極40の改変例を示す断
面図である。
【図4】(a)は、交番電圧を印加した場合の電極40
間に生じる放電柱120を模式的に示しており、(b)
は、直流(AC)を印加した場合の放電柱120を模式
的に示している。
【図5】実施形態1にかかる発光デバイスの改変例にお
ける水平方向の断面図である。
【図6】実施形態1にかかる発光デバイスの改変例にお
ける水平方向の断面図である。
【図7】実施形態2における電極41の断面図である。
【図8】実施形態3における誘電体構造体32および電
極42の構成を示す断面図である。
【図9】実施形態7における誘電体構造体33および電
極43の構成を示す断面図である。
【図10】実施形態8における誘電体構造体34および
電極44の構成を示す図である。
【図11】実施形態8における誘電体構造体35および
電極45の構成を示す図である。
【図12】実施形態8における誘電体構造体36および
電極46の構成を示す図である。
【図13】実施形態8における誘電体構造体37および
電極47の構成を示す図である。
【図14】実施形態8における誘電体構造体38および
電極48の構成を示す図である。
【図15】実施形態9にかかる発光デバイスの構成を示
す斜視図である。
【図16】従来の面放電タイプの発光デバイスの断面構
造を示す図である。
【図17】従来の対向放電タイプの発光デバイスの断面
構造を示す図である。
【図18】キセノンのエネルギー準位を説明するための
図である。
【符号の説明】
1, 2 放電容器 10 背面基板 20 前面基板 30,31,32,33,34,35 誘電体構造体
(ガラス管) 36,37,38,39 誘電体構造体(ガラス管) 40,41,42,43,44,45,46,47,4
8,49 電極 50,51 発光層 6 スペーサ 70,71,72 外枠 8 低融点ガラス 9 排気管 100 放電空間 110,111 点灯用電源 120,121,122,123,124,125 放
電プラズマ 126,127,128,129 放電プラズマ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 65/00 G02F 1/13357 G09F 9/00 336

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に放電空間を有する放電容器と、 前記放電空間中に設けられ、それぞれの周囲が誘電体構
    造体によって覆われており、交番電圧が印加される複数
    の電極とを備え 前記複数の電極のうちの両端に位置する電極の面積は、
    前記両端以外に位置する電極の面積の半分である、 発光
    デバイス。
  2. 【請求項2】 前記複数の電極における1個の電極につ
    き、1つの誘電体構造体が電極の周囲を覆っており、前
    記両端以外に位置する各電極の面積はほぼ等しい、請求
    に記載の発光デバイス。
  3. 【請求項3】 前記両端に位置する電極は、1つの誘電
    体構造体によって電極の周囲が覆われた電極であり、 前記両端以外に位置する前記電極は、1つの誘電体構造
    体によって電極の周囲が覆われた電極の当該誘電体構造
    体が互いに接触した構成を有する2つの電極であり、前
    記2つの電極の電極面積の和は、前記両端に位置する電
    極の面積の二倍である、請求項に記載の発光デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 内部に放電空間を有する放電容器と、 前記放電空間中に設けられ、それぞれの周囲が誘電体構
    造体によって覆われており、交番電圧が印加される複数
    の電極と を備え、 前記複数の電極のそれぞれは、前記誘電体構造体の長手
    方向に沿って2以上に分離された構造を有する、発光デ
    バイス。
  5. 【請求項5】 前記誘電体構造体のうち、前記放電容器
    によって支持されている部分以外の部分は、前記放電容
    器から離されている、請求項に記載の発光デバイス。
  6. 【請求項6】 前記誘電体構造体は、ガラス管であり、 前記複数の電極のそれぞれは、前記放電空間に露出しな
    いように前記ガラス管の管内に配置され、且つ、前記放
    電容器外まで延ばされている、請求項またはに記載
    の発光デバイス。
  7. 【請求項7】 前記放電容器は、少なくとも一部に透光
    性の部分を有しており、 前記放電容器の内面の少なくとも一部には、発光層が設
    けられている、請求項から6の何れか一つに記載の発
    光デバイス。
  8. 【請求項8】 前記放電容器は、対向する前面基板と背
    面基板とから構成されており、 前記複数の電極は、それぞれ等間隔となるように、且
    つ、前記前面基板または前記背面基板と平行となるよう
    に平面状に配置されている、請求項から7の何れか一
    つに記載の発光デバイス。
  9. 【請求項9】 前記放電容器には、前記誘電体構造体の
    一部を収納して前記誘電体構造体を支持する溝部が設け
    られている、請求項から8の何れか一つに記載の発光
    デバイス。
  10. 【請求項10】 前記複数の電極は、電源の高圧側に接
    続された電極と、接地側に接続された電極とが交互とな
    るように配置されている、請求項から9の何れか一つ
    に記載の発光デバイス。
  11. 【請求項11】 互いに接触している前記誘電体構造体
    を含み、当該互いに接触している誘電体構造体によって
    周囲が覆われた電極は同電位にされ、当該同電位とされ
    た電極は、前記電源の高圧側に接続された電極または接
    地側に接続された電極を構成する、請求項10に記載の
    発光デバイス。
  12. 【請求項12】 前記複数の電極のそれぞれの電極の表
    面の少なくとも一部は、前記誘電体構造体と密着してい
    る、請求項1から11の何れか一つに記載の発光デバイ
    ス。
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