JP3438716B2 - 超音波流量計測装置 - Google Patents

超音波流量計測装置

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JP3438716B2
JP3438716B2 JP2000347791A JP2000347791A JP3438716B2 JP 3438716 B2 JP3438716 B2 JP 3438716B2 JP 2000347791 A JP2000347791 A JP 2000347791A JP 2000347791 A JP2000347791 A JP 2000347791A JP 3438716 B2 JP3438716 B2 JP 3438716B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体や液体の流量
や流速の計測を行う超音波流量計測装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来この種の流量計測装置には、例えば
特開平9−189591号公報に示す超音波式が知られ
ており、図13に示すように流体を一方から他方に流す
配管1の中心線を挟んで対向し、かつ中心線に対して所
定角度を有する周面に上流側の超音波送受信器2aと下
流側の超音波送受信器2bとを対向して設けるととも
に、配管1の流体吸入口3に配管1と同一方向の向き
に、平行に配列された複数の細管4aから構成した整流
体4を設けている。そして、配管1を流れる流体の流速
を超音波送受信器2a、2b間で超音波を送受信して伝
搬時間差から計測し、配管1の断面積より流量を算出し
ている。このとき、配管1に入る流れは整流体4を構成
する細管4aによりその流れ方向を配管1と同一方向に
規制して、計測部での流線の傾きを低減したり渦の発生
を抑制して流れの乱れの境界面での超音波の反射や屈折
による超音波の受信レベルの変動を低減して測定精度の
低下を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の構
成では、整流体と超音波伝搬路が離れて設置されるとと
もに整流体との距離が超音波送受信器2a側と超音波送
受信器2b側とで大きく異なるため整流体を通過した流
れの発達状態に差異を生じて、計測流路に直交する横断
面での平均流速と計測流路に斜交する超音波送受信器2
a、2b間の計測断面での平均流速に違いを生じ、真の
流量を算出するためには計測値に対して流量に応じた補
正係数が必要になる。この補正係数は、層流から乱流に
移行する流量域では大きく変化するため、計測断面での
流速測定に僅かな誤差があっても補正係数により誤差が
拡大されて測定精度が低下するという課題があつた。
【0004】本発明は上記課題を解決するもので、流量
計測範囲の全域にわたり補正係数の変化を小さくして計
測精度を高めることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、被計測流体が流れる計測流路と、計測流路
の上流側および下流側に設けた導入部および導出部と、
前記計測流路の中心部分に設けられ前記計測流路を超音
波が横切って伝搬する超音波送受信器と、前記計測流路
の速度分布を非対称化して流速最大値の発生位置を計測
流路の中心から一方に偏らせる非対称流れ促進手段と、
導入部に設けられ微細な流通口を有する偏流抑制体と、
前記超音波送受信器間で超音波の送受信を行いその送受
信信号に基づいて流量を算出する流量演算手段とを備え
たものである。
【0006】上記発明によれば、速度分布が凸型となる
層流域では流速の最大値を偏らせて流速の遅いところを
多くして計測することにより補正係数を大きくし、速度
分布が比較的に平坦となる乱流域では流速の最大値とあ
まり違わない流速域を計測することで従来とあまり変わ
らない補正係数として層流域と乱流域との補正係数の差
を少なくし、流量計測範囲の全域にわたり補正係数の変
化を小さくして平坦化することができ、補正係数による
誤差の拡大が防止されて計測精度を高めることができ
る。また、偏流抑制体を設けることで流れの上流側の流
路形状や配管形状に関わらず安定した流れを計測流路に
供給することで、非対称化した速度分布を安定化できる
とともに超音波送受信器間の流れの乱れを低減でき計測
精度の向上と計測可能な流量の上限値の向上ができる。
また、流れの上流側の流路形状や配管形状に関わらず安
定した計測が実現でき、計測装置の設置の自由度を向上
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、被計測流体が流れる計
測流路と、計測流路の上流側および下流側に設けた導入
部および導出部と、前記計測流路の中心部分に設けられ
前記計測流路を超音波が横切って伝搬する超音波送受信
器と、前記計測流路の速度分布を非対称化して流速最大
値の発生位置を計測流路の中心から一方に偏らせる非対
称流れ促進手段と、導入部に設けられ微細な流通口を有
する偏流抑制体と、前記超音波送受信器間で超音波の送
受信を行いその送受信信号に基づいて流量を算出する流
量演算手段とを備えたものである。
【0008】そして、速度分布が凸型となる層流域では
流速の最大値を偏らせて流速の遅いところを多くして計
測することにより補正係数を大きくし、速度分布が比較
的に平坦となる乱流域では流速の最大値とあまり違わな
い流速域を計測することで従来とあまり変わらない補正
係数として層流域と乱流域との補正係数の差を少なく
し、流量計測範囲の全域にわたり補正係数の変化を小さ
くして平坦化することができ、補正係数による誤差の拡
大が防止されて計測精度を高めることができる。また、
流れの上流側の流路形状や配管形状に関わらず安定した
流れを計測流路に供給することで、非対称化した速度分
布を安定化できるとともに超音波送受信器間の流れの乱
れを低減でき計測精度の向上と計測可能な流量の上限値
の向上ができる。また、流れの上流側の流路形状や配管
形状に関わらず安定した計測が実現でき、計測装置の設
置の自由度を向上できる。
【0009】また、本発明は、偏流抑制体を計測流路の
導出部にも設けたものである。そして、順方向および逆
方向いずれの方向の流れに対しても流れの上流側の流路
形状や配管形状に関わらず安定した流れを計測流路に供
給することで、非対称化した速度分布を安定化できると
ともに超音波送受信器間の流れの乱れを低減でき流れに
脈動がある場合でも計測精度の向上と計測可能な流量の
上限値の向上ができる。また、流れの上流側の流路形状
や配管形状に関わらず安定した計測が実現でき、計測装
置の設置の自由度を向上できる。
【0010】また、本発明は、非対称流れ促進手段を導
入部と計測流路とを連結した屈曲部と、計測流路の入口
側に設けた段差部あるいは計測流路の入口側の一方の端
部と他方の端部の形状を異ならせた異形状部とにより構
成したものである。そして、屈曲部での遠心力の作用に
より屈曲部の外周面側に流れを偏らせて速度分布を非対
称化させるとともに段差部による最大流速位置の偏りを
維持する流量の上限値の拡大あるいは異形状部による最
大流速位置の偏りの拡大により速度分布の非対称化が促
進でき、屈曲部と段差部あるいは異形状部による相互作
用により補正係数の流量変化特性の平坦性を向上でき計
測精度を高めることができる。さらに段差部の大きさや
異形状部の形状の違いの差を変えることで計測範囲の異
なる仕様へ展開でき、多仕様化への適応性が高くなるた
め生産性を向上することができる。
【0011】また、本発明は、非対称流れ促進手段を導
入部と計測流路および導出部と計測流路とを連結した上
流側および下流側の屈曲部と、計測流路の入口側および
出口側に設けた段差部あるいは計測流路の入口側および
出口側の一方の端部と他方の端部の形状を異ならせた上
流側および下流側の異形状部とにより構成したものであ
る。そして、順方向および逆方向いずれの方向の流れに
対しても屈曲部での遠心力の作用により屈曲部の外周面
側に流れを偏らせて速度分布を非対称化させるとともに
段差部による最大流速位置の偏りを維持する流量の上限
値の拡大あるいは異形状部による最大流速位置の偏りの
拡大により速度分布の非対称化が促進でき、屈曲部と段
差部あるいは異形状部による相互作用により順方向と逆
方向を繰り返す脈動流に対しても順方向流れ時と同様に
補正係数の流量変化特性の平坦性を向上でき計測精度を
高めることができる。また、段差部の大きさや異形状部
の形状の違いの差を変えることで計測範囲の異なる仕様
へ展開でき、多仕様化への適応性が高くなるため生産性
を向上することができ、さらに計測流路に対して入口、
出口となる導入部、導出部を屈曲させて配置することに
より、幅を小さくして小型化でき設置性を高めることが
できる。
【0012】また、本発明は、超音波送受信器を計測流
路の中心から偏芯させて配置したものである。そして、
超音波送受信器の偏芯位置を、層流状態で流れる低流速
域における補正係数の値が乱流域の値に近い値になるよ
うに最適に偏芯させて設定でき、補正係数の平坦性を向
上できるとともに、補正係数の変化が平坦な領域を低流
速側に拡大できる。
【0013】また、本発明の超音波送受信器は、計測流
路よりも小さい超音波放出面を設けたものである。そし
て、超音波送受信器をいくらか偏芯させて配置しても超
音波を有効に超音波伝搬路へ放出でき、超音波の送受信
感度の低下を防止しS/Nを高めた計測により計測精度
を向上できる。さらに、偏芯自由度が拡大でき、計測流
路の代表部分の領域に超音波を伝搬させて計測すること
で補正係数の平坦性を向上できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0015】(実施例1) 図1および図2は本発明の実施例1を示す超音波流量計
測装置の縦断面図および横断面図である。図において、
5は流路壁6に囲まれた計測流路であり、7および8は
互いに対向するように流路壁6に取付けた上流側および
下流側の超音波送受信器である。上流側の超音波送受信
器7と下流側の超音波送受信器8は計測流路5の幅W方
向を横切るように距離Lを隔てるとともに計測流路5の
流体の流動方向に対して角度θ傾けて設置され、計測流
路5の高さH方向に対して高さのほぼ中心に設置されて
いる。9a、9bは超音波送受信器7、8を計測流路5
に臨ませる上流側および下流側の開口穴である。10は
対向する超音波送受信器7および8間で送信された超音
波が直接相手側に伝搬する超音波伝搬路(二点鎖線で領
域を示す)である。
【0016】11は計測流路5の上流側に設け被計測流
体の入口となる導入部であり、12は計測流路5の下流
側に設け被計測流体の出口となる導出部である。13は
計測流路5と導入部11とを連結する上流側の屈曲部で
あり、屈曲部13は計測流路5の高さH方向に屈曲して
いる。14は計測流路5と導出部12とを連結する下流
側の屈曲部であり、屈曲部14は計測流路5の高さH方
向に屈曲している。15は導入部11から流入して導出
部12から流出する順方向流れ時での計測流路5の高さ
H方向の速度分布Sを高さ中心に対して非対称化させて
高さH方向の流速の最大値の発生位置Tを高さ中心から
一方に偏らせる非対称流れ促進手段である。
【0017】ここでは、非対称流れ促進手段15は上流
側の屈曲部13と、計測流路5の入口側の高さH方向に
設けた段差部16と、計測流路5の入口側の高さH方向
の一方の端部17と他方の端部18の形状を異ならせて
形成した異形状部19で形成されている。また、段差部
16は上流側の屈曲部13の外周面13a側に設けられ
る。さらに、異形状部19は計測流路5の入口側の高さ
H方向の一方の端部17を先端にコーナーRを設けない
階段状とし、他方の端部18は曲率を有し高さ方向に滑
らかに断面が変化する滑らか形状としている。
【0018】20は非対称流れ促進手段15と超音波伝
搬路10との間に設けた流れ安定手段であり、計測流路
5の断面を分割して流れ方向を整える格子状の方向規制
部20aと流速変動を低減するメッシュなどの網状体で
形成した変動抑制部20bを備えている。流れ安定手段
20は非対称流れ促進手段15により非対称化した速度
分布を保持させるとともに、流れ方向や速度変動を整え
て超音波伝搬路10に流れを送り込むものである。21
は超音波送受信器7、8に接続され超音波の送受信をさ
せる計測制御部22と、計測制御部22での信号を基に
流速を計算し流量を算出する演算部23を備えた流量演
算手段である。
【0019】24は開口穴9a、9bに設けた開口穴整
流体であり、この開口穴整流体24は超音波が通過でき
る微細な超音波通過口24aを持つメッシュなどの網状
体、微細多孔板、不織布などで形成し、開口穴9a、9
b内への被計測流体の流れ込みを低減するとともに計測
流路5に突出しないように流路壁6に沿って面一に配置
することで開口穴9a、9bの窪みによる計測流路5内
の流れの乱れを低減している。25は上流側の屈曲部1
3の入口側の導入部11に設けた偏流抑制体であり、こ
の偏流抑制体25は微細な流通口26を多数有するとと
もに導入部11に流入する流速分布に偏りがある場合に
流速分布を均等化して計測流路5に被計測流体を供給す
る。
【0020】27は屈曲部13の上流側に接続され導入
部11に開口する接続口28を有する弁ブロックであ
り、この弁ブロック27には弁座29に対向する弁体3
0を有する開閉弁31が設けられている。32は弁座2
9の上流側に設けられ被計測流体が流入する流体入口で
ある。33は弁体30を弁座29の方向に付勢するスプ
リングであり、34は弁体30を開成あるいは閉成させ
るべく駆動するソレノイドやモータなどの駆動部であ
る。
【0021】次に、この超音波流量計測装置の動作につ
いて説明する。弁ブロック27の流体入口32から弁座
29を経由して導入部11から流入した被計測流体は、
計測流路5の入口側に設けられた非対称流れ促進手段1
5により計測流路5の高さH方向の速度分布が高さ中央
に対して略対称ではなく非対称形をした形状となって計
測流路5の超音波伝搬路10を流れる。すなわち、計測
流路5の流れが層流域あるいは層流から乱流に変わりつ
つある遷移域では、図1の速度分布Sで示すように壁面
から遠ざかるにつれて順次速度が大きくなる放物線状の
凸型であり最大流速の発生位置Tが高さの中央付近より
わずかに一方側(図面下方)に偏っている。
【0022】これに対して計測流路5を流れる流量が多
くなり乱流域になると、図3(乱流域の速度分布を示す
超音波流量計測装置の縦断面図)の速度分布Rで示すよ
うに高さ方向の速度変化は少なくなり比較的平坦な高原
状であるが最大流速の発生位置Uは高さの中央付近より
一方側(図面下方)に偏っている。非対称流れ促進手段
15により生じた非対称化された速度分布は、流れ安定
手段20により流れ方向を整えられるとともに速度変動
を安定化されて超音波伝搬路10に達するまでその速度
分布形状を保持させるものである。
【0023】次に超音波による流量計測動作を説明す
る。計測流路5では、高さ方向の速度分布を非対称化し
た流れに対して計測制御部22の作用により超音波送受
信器7、8間で計測流路5の流路断面の幅Wを横切るよ
うにして超音波の送受が行われる。すなわち、上流側の
超音波送受信器7から発せられた超音波が下流側の超音
波送受信器8で受信されるまでの伝搬時間T1を計測す
る。また一方、下流側の超音波送受信器8から発せられ
た超音波が上流側の超音波送受信器7で受信されるまで
の伝搬時間T2を計測する。
【0024】このようにして測定された伝搬時間T1お
よびT2を基に、以下の演算式により演算部23で流量
が算出される。いま、計測流路5の流動方向の被計測流
体の流速Vと超音波伝搬路10とのなす角度をθとし、
超音波送受信器7、8間の距離をL、被測定流体の音速
をCとすると、流速Vは以下の式にて算出される。
【0025】T1=L/(C+Vcosθ) T2=L/(C−Vcosθ) T1の逆数からT2の逆数を引き算する式より音速Cを
消去して V=(L/2cosθ)((1/T1)−(1/T2)) θおよびLは既知なのでT1およびT2の値より流速V
が算出できる。いま、空気の流量を計ることを考え、角
度θ=45度、距離L=70mm、音速C=340m/
s、流速V=8m/sを想定すると、T1=2.0×1
0-4秒、T2=2.1×10-4秒であり、瞬時計測がで
きる。
【0026】ところが、ここで求めた流速Vは計測流路
5を斜めに横切る超音波伝搬路10で計測したものであ
り、超音波伝搬路10で計測した平均流速は断面位置に
より流れの発達状態が違うとともに高さH方向の断面で
は流路全域を計測していないため計測流路5に直交する
横断面全域から求めた平均流速とに差を生じる。しか
も、超音波伝搬路10内の超音波の強度分布は超音波送
受信器7、8の中心軸側である中央が強くなる特性を持
つため、超音波伝搬路10内の高さ方向の中心部を主体
に計測することになる。
【0027】このため、補正係数を加えて流量を算出
し、計測流路5の流れ方向に直交する横断面積Sより、
流量Qは Q=KVS ここで、Kは横断面積Sにおける流速分布を考慮した補
正係数である。
【0028】このようにして演算部23で流量を求める
ことができる。
【0029】特に、非対称流れ促進手段15が無い場合
では、層流域では放物線状の凸型となった最大流速部が
超音波伝搬路10内の高さ方向の中央部に位置するた
め、補正係数は乱流域に比べてかなり小さい値となる。
従って、図4(非対称流れ促進手段が無い場合の補正係
数の特性図)に示すように層流域から乱流域に移行する
遷移域において補正係数が大きく変化し、計測流量に誤
差ΔQmの発生により補正係数がΔK1と大きく変わる
ことにより誤差が拡大される。この誤差は流体の温度変
化あるいは流体の組成割合の変化などにより動粘性係数
が変わり、レイノルズ数の違いにより流れ状態の違いに
より発生したりする。特に、都市ガス、LPG(液化石
油ガス)等の流量を計測する場合では、季節あるいは地
域の違いによるガス組成の変化が考えられる場合は考慮
する必要がある。
【0030】図5は計測流路5の入口側に非対称流れ促
進手段15を設置した場合の補正係数の流量変化特性を
示したものであり、計測流路5の高さ方向の速度分布を
中心より一方に偏らせることにより、高さ方向の速度分
布が凸型となる層流域では流速の最大値を偏らせて流速
の遅いところを多くして計測することにより補正係数を
大きくし、高さ方向の速度分布が比較的に平坦となる乱
流域では流速の最大値とあまり違わない流速域を計測す
ることで従来とあまり変わらない補正係数として層流域
と乱流域との補正係数の差を少なくでき、流速の大きい
本来乱流域の補正係数との差が小さくでき、層流から乱
流へ移行する遷移域でも補正係数の変化は小さく、補正
係数の平坦化がなされる。
【0031】従って、計測流量に誤差ΔQmを生じても
補正係数の変化はΔK2(K2<K1)と十分小さくで
き、計測精度を高めた計測ができる。温度変化あるいは
流体の組成変化が有る場合は補正係数の平坦化は有効で
あり、特に組成変化および温度変化が考えられる都市ガ
ス、LPGなどの燃料ガスの流量を計測する場合はより
一層精度を高めた計測が実現できる。
【0032】このように、高さ方向の速度分布が凸型と
なる層流域では流速の最大値を偏らせて流速の遅いとこ
ろを多くして計測することにより補正係数を大きくし、
高さ方向の速度分布が比較的に平坦となる乱流域では流
速の最大値とあまり違わない流速域を計測することで従
来とあまり変わらない補正係数として層流域と乱流域と
の補正係数の差を少なくして流量計測範囲の全域にわた
り補正係数の変化を小さくでき、補正係数による誤差の
拡大が防止されて計測精度を高めることができる。ま
た、流体の動粘性係数の変化によりレイノルズ数が変化
しても補正係数の変化が小さいので計測精度が維持さ
れ、流体温度変化や流体成分変化に対して強い計測装置
を実現でき、実用性を高めることができる。
【0033】また、非対称流れ促進手段15は導入部1
1と計測流路5とを計測流路5の高さ方向に屈曲する屈
曲部13を介して連結することで形成することにより、
屈曲部13での遠心力の作用により屈曲部13の外周面
13a側の計測流路5の流路壁6aに流れを偏らせて高
さ方向の速度分布の非対称化させる。そして、補正係数
の流量変化特性を平坦化することができ、計測流路に対
して入口、出口となる導入部、導出部を屈曲させて配置
することにより、幅を小さくして小型化でき設置性を高
めることができる。
【0034】また、非対称流れ促進手段15は計測流路
5の入口側の高さ方向に設けた段差部16で形成するこ
とにより、段差により流れに縮流を発生させて流速分布
を偏らせるとともに、段差の大きさの調整により図3に
示した乱流域での計測流路15の高さ方向の最大流速位
置の偏りを維持する流量の上限値を変えることができ、
段差を大きくすることにより流量係数を平坦化できる流
量の上限値を高められ、計測範囲の要求仕様に応じて段
差の大きさを設定できる。このため広い計測範囲に対し
て補正係数の流量変化特性の平坦化に適応でき、計測範
囲の異なる仕様への適応性を高めることができ生産性を
向上できる。
【0035】また、非対称流れ促進手段15は計測流路
5の入口側の高さ方向の一方の端部17と他方の端部1
8の形状を異ならせて形成した異形状部19とすること
により、図中の上下の両端部の形状を大きく変えること
で計測流路5の高さ方向での最大流速位置の偏りを大き
くでき、補正係数の流量変化特性の平坦性を促進して計
測精度を向上できる。
【0036】従って、非対称流れ促進手段15は導入部
11と計測流路5とを計測流路5の高さ方向に屈曲させ
て連結した屈曲部13と、計測流路5の入口側の高さ方
向に設けた段差部16あるいは計測流路5の入口側の高
さ方向の一方の端部と他方の端部の形状を異ならせた異
形状部19とを有したものである。そして、屈曲部13
での遠心力の作用により屈曲部13の外周面13a側に
流れを偏らせて高さ方向の速度分布の非対称化させると
ともに段差部16による最大流速位置の偏りを維持する
流量の上限値を拡大できたり、あるいは異形状部19に
よる最大流速位置の偏りの拡大により高さ方向の速度分
布の非対称化が促進でき、屈曲部13と段差部16ある
いは異形状部19による相互作用により補正係数の流量
変化特性の平坦性を向上でき計測精度を高めることがで
きる。さらに段差部16の大きさや異形状部19の形状
の違いの差を変えることで計測範囲の異なる仕様へ展開
でき、多仕様化への適応性が高くなるため生産性を向上
することができる。
【0037】図6は下流側の開口穴9bに設けた開口穴
整流体24の他の実施例を示す。ここでは幅W高さHの
矩形断面の計測流路5に対して、開口穴9a、9bは計
測流路5の流れ方向(図中矢印で示す)に対してほぼ直
交する方向を一辺35aとし、流れ方向にほぼ平行な方
向を他辺35bとする矩形の開口形状を持つとともに、
計測流路5の取付姿勢は被測定流体の流動方向をほぼ水
平とし、開口穴9a、9bが設けられる壁面をほぼ垂直
方向になるように設置されている。この計測流路5の設
置姿勢に対して、下流側の開口穴9bに設けた開口穴整
流体24は水平に対して傾きαを有する傾斜網目部36
で形成して水平に配置される網目の部分がないようにし
ている。しかも、下流側の開口穴9bに設けた開口穴整
流体24の開口寸法は上流側の開口穴9aに設けた開口
穴整流体24の開口寸法より小さくして計測流路5に対
して鋭角をなして開口する下流側の開口穴9bへの被計
測流体の流入抑制効果を高めてるとともに、計測流路5
に対して鈍角をなして開口する上流側の開口穴9aに設
けた開口穴整流体24の開口寸法は下流側の開口穴9b
に設けた開口穴整流体24より大きくすることで超音波
の透過率を高め、感度を高めた超音波の送受信を可能に
して計測精度を一層向上できるとともに、超音波の伝搬
損失を低減して超音波送受信器への駆動入力の低減がで
き、電池等の容量の限られた電源でも長期間にわたる使
用が可能になり耐久性を向上できる。
【0038】さらに、被測定流体がダストなど微細な粉
末状の異物を含んだまま流動を続けた場合、特に下流側
の開口穴9bは流れ方向に対して鋭角で開口するため開
口穴への流入が生じ易く開口穴整流体24にダストなど
微細な粉末状の異物が付着し易くなる。しかし、下流側
の開口穴9bに設けた開口穴整流体24は水平に対して
傾いた傾斜網目部36で形成されているため、付着した
微細な粉末状の異物は傾斜に沿って滑り落ちることが促
進される。従って、付着した微細な粉末状の異物が堆積
による開口穴整流体24の目詰まりが防止でき、超音波
の通過が確保されて安定した流速、流量の計測を持続で
きる。
【0039】このように、開口穴整流体24は微細な超
音波通過口24aを有するとともに超音波通過口24a
の開口寸法あるいは開口形状を上流側と下流側の開口穴
整流体24で異ならせたものであり、開口穴9a、9b
への被計測流体の流入抑制効果を高めることで感度を高
めた超音波の送受信を可能にして計測精度を一層向上で
きるとともに、ダストなどに対する耐久信頼性を向上で
きる。
【0040】また、上流側の開口穴に設けた開口穴整流
体の開口寸法は下流側の開口穴に設けた開口穴整流体の
開口寸法よりも大きくしたものである。そして、超音波
の伝搬損失を低減でき超音波送受信器の駆動入力を削減
して低入力化でき、電池等の容量の限られた電源でも長
期間にわたる使用が可能になり耐久性を向上できる。
【0041】図7は導入部11の平面図であり、偏流抑
制体25は導入部11の全域に配置したもので、28a
は開閉弁31を図1のように図面の左右方向に配置し接
続口28を紙面左側に設けた場合での接続口28の第一
の開口位置(二点鎖線で示す)であり、28bは開閉弁
31を図1の紙面表裏方向に配置し接続口28を紙面裏
面側に設けた場合での接続口28の第二の開口位置(二
点鎖線で示す)を示している。これらの第一の開口位置
28aと第二の開口位置28bがどちらも導入部11に
配置できるように、導入部11の断面積Saは幅W、高
さHの矩形で示す計測流路5の断面積Sb(図8参照)
よりも大きな(Sa>Sb)断面として、偏流抑制体2
5の設置面積を大きくしている。このため、偏流抑制体
25による被測定流体の圧力損失を小さくできるととも
に、弁ブロック27の種々の配置構成に対して第一およ
び第二の開口位置28a、28bが導入部11に対して
偏りが有っても偏流抑制体25の微細な流通口26によ
り流れ分布を均等化して計測流路5に流入させることが
でき、非対称流れ促進手段15により高さ方向の速度分
布を安定して非対称化できる。従って、超音波送受信器
7、8間の流れの乱れを低減でき計測精度の向上と計測
可能な流量の上限値の向上ができるとともに、弁ブロッ
ク27などの計測流路5の上流側の流路形状や配管形状
が異なっていても計測精度を確保できるため設置の自由
度を向上できる。
【0042】さらに、図8に示すように偏流抑制体25
に設けた微細な開口を持つ流通口26の開口寸法Taは
流れ安定手段20の変動抑制部20bの微細な開口の流
通口20cの開口寸法Tbより小さく(Ta<Tb)し
ている。このため、流れの脈動や流速分布の偏りに対す
る均等化の作用は偏流抑制体26の方が流れ安定手段2
0よりも強くでき、偏流抑制体26を設けることで計測
流路5に対してより一層安定した流れを供給できる。
【0043】従って、上流側の流体が流入する接続口2
8を導入部11に対して偏って配置せざるを得ない場合
でも計測流路5へは一層均等に流体を流入させることで
精度を高めた計測ができるとともに、流入する流体に脈
動があっても計測流路5には脈動を低減した流れを供給
でき、脈動流に対しても計測精度を向上できる。また、
偏流抑制体25の流通口26を流れ安定手段20の変動
抑制部20bの流通口20cより小さい開口寸法とする
ことで、ゴミ、ダストなどの異物の計測流路5への侵入
を低減させ計測動作を確実にして信頼性を高めることが
できる。さらに、偏流抑制体25の断面積Saを計測流
路5の断面積Sbよりも大きくすることで、被測定流体
の圧力損失を低減できるとともに異物が偏流抑制体25
に付着しても計測特性の低下を防止できる。
【0044】このように、流れの上流側の流路形状や配
管形状に関わらず安定した流れを計測流路に供給するこ
とで、非対称化した高さ方向の速度分布を安定化できる
とともに超音波送受信器間の流れの乱れを低減でき計測
精度の向上と計測可能な流量の上限値の向上ができる。
また、流れの上流側の流路形状や配管形状に関わらず安
定した計測が実現でき、計測装置の設置の自由度を向上
できる。
【0045】以上において、計測流路5の流路の断面は
幅W、高さHの矩形の場合で説明したが、矩形のコーナ
ー部に僅かなRを設けた略矩形や、台形、円形あるいは
楕円などの断面形状であっても良いのは言うまでもな
い。また、屈曲部は計測流路の高さ方向でかつ直角に曲
がる例を示したが、必ずしも直角に曲がる必要は無く曲
がりにより流体に遠心力が作用する程度の角度であれば
良く、さらに屈曲部は計測流路の幅方向にも傾きを持っ
ていても良いのは言うまでもない。
【0046】(実施例2) 図9は本発明の実施例2を示す超音波流量計測装置の縦
断面図である。図9において、図1〜図8の実施例と同
一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省略
し、異なるところを中心に説明する。
【0047】15aは導出部12から流入して導入部1
1から流出する逆方向流れ時での計測流路5の高さH方
向の速度分布を高さ中心に対して非対称化させて高さH
方向の流速の最大値の発生位置を高さ中心から一方に偏
らせる非対称流れ促進手段である。ここでは、非対称流
れ促進手段15aは下流側の屈曲部14と、計測流路5
の出口側の高さH方向に設けた段差部16aと、計測流
路5の出口側の高さH方向の一方の端部17aと他方の
端部18aの形状を異ならせて形成した異形状部19a
で形成されている。また、段差部16aは下流側の屈曲
部14の外周面14a側に設けられる。さらに、異形状
部19aは計測流路5の出口側の高さH方向の一方の端
部17aを先端にコーナーRを設けない階段状とし、他
方の端部18aは曲率を有し高さ方向に滑らかに断面が
変化する滑らか形状としている。25aは下流側の屈曲
部14の出口側の導出部12に設けた偏流抑制体であ
り、この偏流抑制体25aは微細な流通口26aを多数
有するとともに導出部12から逆流する流速分布に偏り
がある場合に流速分布を均等化して計測流路5に被計測
流体を供給する。そして、下流側に設けた非対称流れ促
進手段15aにより計測流路5内の高さ方向の速度分布
を非対称化して順方向流れの場合と同様に層流域から乱
流域にわたり補正係数の平坦化を行う。
【0048】このように、計測流路5の上流側および下
流側の両側に非対称流れ促進手段15、15aを設ける
ことで、順方向流れ、逆方向流れのいずれの場合におい
て補正係数の平坦化による計測精度の向上ができるとと
もに、流れ方向が順逆を繰り返す脈動流れにおいても計
測流量の補正係数による誤差の拡大を防止できる。温度
変化あるいは流体の組成変化が有る場合は補正係数の平
坦化は有効であり、特に組成変化および温度変化が考え
られる都市ガス、LPGなどの燃料ガスの流量を計測す
る場合はより一層精度を高めた計測が実現できる。
【0049】さらに、近隣に配管接続された都市ガス、
LPGなどを燃料とするレシプロエンジンが運転される
などにより被計測流体の圧力脈動が発生し、圧力脈動に
より流れ方向が短時間に順逆を繰り返す場合など、被計
測流体に圧力脈動が生じる場合でも補正係数による誤差
の拡大を防止して計測精度を高めることができる。ま
た、開口穴整流体24を設けることで開口穴での渦の発
生強度が低減できるとともに開口穴9a、9bの窪みに
よる計測流路の流れの乱れを防止できるため、順逆両方
向の流れに対して流量計測範囲の上限値を高めることが
できる。
【0050】このように、被計測流体が流れる計測流路
5と、計測流路5の上流側および下流側に設けた導入部
11および導出部12と、計測流路5の幅方向を超音波
が横切って伝搬するように設けた少なくとも一対の超音
波送受信器7、8と、超音波送受信器7、8を計測流路
5に臨ませる開口穴9a、9bと、開口穴9a、9bと
計測流路5との間に設け開口穴9a、9bへの被計測流
体の流れ込みおよび計測流路5内の流れの乱れを低減す
る開口穴整流体24と、順方向および逆方向の両方向の
流れに対して計測流路5の高さ方向の速度分布を非対称
化して高さ方向の流速最大値の発生位置を高さ中心から
一方に偏らせる非対称流れ促進手段15、15aを備え
ているので、順方向および逆方向のいずれの方向の流れ
に対しても、層流域と乱流域との補正係数の差を少なく
して流量計測範囲の全域にわたり補正係数の変化を小さ
くして平坦化することができ、順方向と逆方向を繰り返
す脈動流に対しても順方向流れ時と同様に補正係数によ
る誤差の拡大が防止されて計測精度を高めることができ
る。
【0051】また、開口穴整流体24を設けることで開
口穴9a、9bでの渦の発生強度が低減できるとともに
開口穴9a、9bの窪みによる計測流路5内の流れの乱
れを防止できるため、順逆両方向の流れに対して流量計
測範囲の上限値を高めることができる。さらに、流体の
動粘性係数の変化によりレイノルズ数が変化しても補正
係数の変化が小さいので計測精度が維持され、流体温度
変化や流体成分変化に対して強い計測装置を実現でき、
実用性を高めることができる。
【0052】また、非対称流れ促進手段15、15aは
導入部11と計測流路5および導出部12と計測流路5
とを計測流路5の高さ方向に屈曲させて連結した上流側
および下流側の屈曲部13、14と、計測流路5の入口
側および出口側の高さ方向に設けた上流側および下流側
の段差部16、16aあるいは計測流路5の入口側およ
び出口側の高さ方向の一方の端部と他方の端部の形状を
異ならせた上流側および下流側の異形状部19、19a
とを有しているので、順方向および逆方向いずれの方向
の流れに対しても屈曲部13、14での遠心力の作用に
より屈曲部13、14の外周面側13a、14aに流れ
を偏らせて高さ方向の速度分布の非対称化させるととも
に段差部16、16aによる最大流速位置の偏りを維持
する流量の上限値の拡大あるいは異形状部19、19a
による最大流速位置の偏りの拡大により高さ方向の速度
分布の非対称化が促進でき、屈曲部13、14と段差部
16、16aあるいは異形状部19、19aによる相互
作用により順方向と逆方向を繰り返す脈動流に対しても
順方向流れ時と同様に補正係数の流量変化特性の平坦性
を向上でき計測精度を高めることができる。
【0053】また、段差部16、16aの大きさや異形
状部19、19aの形状の違いの差を変えることで計測
範囲の異なる仕様へ展開でき、多仕様化への適応性が高
くなるため生産性を向上することができ、さらに計測流
路5に対して入口、出口となる導入部11、導出部12
を屈曲させて配置することにより、幅を小さくして小型
化でき設置性を高めることができる。
【0054】また、導入部11および導出部12に微細
な流通口26、26aを有する偏流抑制体25、25a
を設けているので、順方向および逆方向いずれの方向の
流れに対しても流れの上流側あるいは下流側の流路形状
や配管形状に関わらず安定した流れを計測流路5に供給
することで、非対称流れ促進手段15、15aにより高
さ方向の速度分布を非対称化してかつ安定化できるとと
もに、超音波送受信器間の流れの乱れを低減でき流れに
脈動がある場合でも計測精度の向上と計測可能な流量の
上限値の向上ができる。また、流れの上流側の流路形状
や配管形状に関わらず安定した計測が実現でき、計測装
置の設置の自由度を向上できる。
【0055】図10は異形状部の他の実施例を示したも
ので、異形状部19、19aは計測流路5の入口側およ
び出口側の高さ方向の一方の端部17、17aと他方の
端部18、18aの流れ方向の位置をΔX、ΔXaずら
して形成したものであり、順逆いずれの方向の流れでも
計測流路5の高さ方向の流入端部の位置が異なるため高
さ方向の最大流速位置の偏りを一層大きくでき、層流域
となる低流量時の補正係数の増大と乱流域となる大流量
時の補正係数の低減により補正係数の平坦性を向上でき
る。なお、ここでは一方の端部17、17aを階段状と
し他方の端部18、18aには曲率を設けた場合を示し
たが、どちらの端部17、17a、18、18aも共に
階段状としても良く、またどちらの端部17、17a、
18、18aも共に曲率を設けたても良いのは言うまで
もない。
【0056】なお、流れ安定手段20を計測流路5の上
流側だけでなく計測流路5の下流側にも設けることで、
逆方向流れ時の高さ方向の速度分布の非対称性をより安
定化でき、逆流時での補正係数の平坦性を向上できるの
は言うまでもない。
【0057】(実施例3) 図11は本発明の実施例3を示す超音波流量計測装置の
断面図である。図11において、図1〜図10の実施例
と同一部材、同一機能は同一符号を付し詳細な説明は省
略し、異なるところを中心に説明する。
【0058】37は超音波送受信器7、8の中心軸であ
る送受信軸であり、この送受信軸37は計測流路5の中
心軸である計測流路軸38に対して図面下方にΔYだけ
偏芯させて配置している。ここで、超音波送受信器7、
8はその送受信軸37の偏芯方向を、速度分布Rで示す
ように最大流速の発生位置Uが存在する図面下方の方向
としたものである。図面下方の方向に最大流速の発生位
置Uが存在するのは、順方向の流れでは計測流路5の入
口側の屈曲部13による遠心力作用により流れが外周面
13a側に偏り、逆方向の流れでは計測流路5の出口側
の屈曲部14による遠心力作用により流れが外周面14
a側に偏るためであり、さらに外周面13a、14a側
に設けた段差部16、16aと外周面13a、14a側
を階段状にした異形状部19、19aによってその流れ
の偏りが大きくなるとともに大流量時でも流れの偏りが
維持されている。
【0059】図12は超音波送受信器7と計測流路5の
取付部の高さ関係を示した断面図である。図12におい
て、39はその内部に設けた圧電体40を気密に収納す
るケース、41はケース39の外壁面に固定された音響
整合層、42はケース39と接合した封止体、43は封
止体42に設けた端子、44は圧電体40と端子43と
を接続するリード線、45は支持部46を挟み込むよう
に保持し流路壁6に気密にかつ防振して取付ける振動伝
達抑止体、47は振動伝達抑止体45が流路壁6から脱
落しないように押さえる固定体である。ここで、超音波
送受信器7は計測流路5の高さ方向に対して偏芯して配
置されるとともに、超音波を被計測流体中に放出する音
響整合層41の超音波放出面48は計測流路5の高さ寸
法Hよりも小さくしている。なお、下流側の超音波送受
信器8についても同様であるので説明は省略する。
【0060】次に被計測流体が順方向に流れる場合の動
作を説明する。超音波送受信器7、8は計測流路5の高
さ方向の中心から偏芯させることにより速度分布形状が
凸型となる低流速の層流域においては超音波伝搬路10
の高さ中心を最大流速値の発生位置から遠ざかるため補
正係数の値は大きくなり、大流量時の乱流域の値に近づ
くように超音波送受信器7、8の高さ方向の偏芯位置を
設定して補正係数の変化が平坦な領域を低流速側である
低流量域に拡大できる。また、超音波送受信器7、8の
偏芯方向は高さ方向速度分布において最大値が存在する
方向とすることで、流速分布形状が凸型となる層流域や
遷移域では最大流速値の位置と壁面との間の流速変化を
より急峻にでき、超音波送受信器7、8の高さ位置を僅
かに調節することにより補正係数の値を容易に変化させ
て低流量側へ補正係数の変化が平坦な領域を拡大するこ
とができる。
【0061】さらに、大流量側では流速の大きいところ
を計測して補正係数の値を小さくなるようにして大流量
側と低流量側の補正係数値の差を低減して平坦性を向上
でき、低流量域から大流量域の幅広い流量域に対して補
正係数の変化を平坦化できる。また、超音波送受信器
7、8は計測流路5の高さ方向の中心から屈曲部13、
14の外周面13a、14a側に偏芯させて配置するこ
とで、屈曲部13、14での遠心力の作用により順方向
流れでは屈曲部13の外周面13a側への流れの偏りは
流量が増大するほど促進でき、逆方向流れでは屈曲部1
4の外周面14a側への流れの偏りは流量が増大するほ
ど促進でき、いずれの方向に流れても高さ方向に偏芯さ
せた超音波伝搬路10に流速の大きい領域の割合を高め
て大流量域での補正係数を小さくでき、しかもより一層
大きい流量値において補正係数値を低減でき、より広い
計測範囲にわたり補正係数の平坦性を一層向上できる。
さらに、超音波送受信器7、8を高さ方向に偏芯させる
ことにより補正係数の平坦性が一層向上しているので、
流れ方向が短時間のうちに順逆と方向が変化する脈動時
でも補正係数による誤差の拡大が防止されて計測精度を
一層向上できる。
【0062】また、超音波送受信器7、8は計測流路5
の高さ寸法Hよりも小さい超音波放出面48を設けたも
ので、超音波送受信器7、8を多少偏芯させても超音波
放出面48が流路壁6に隠されないように計測流路5に
対して設置できるため、超音波を有効に超音波伝搬路1
0へ放出でき、超音波の送受信感度の低下を防止するこ
とでS/Nを高めた超音波の送受信により計測精度を向
上できる。さらに、超音波送受信器7、8の送受信感度
が低下しない偏芯域が拡大できて偏芯の自由度が大きく
できるため、計測流路の高さ方向の代表部分の領域に超
音波を伝搬させて計測することができ、補正係数の平坦
性を向上できる。
【0063】このように、超音波送受信器は計測流路の
高さ方向の中心から偏芯させて配置したものである。そ
して、超音波送受信器の高さ方向の偏芯位置を、層流状
態で流れる低流速域における補正係数の値が乱流域の値
に近い値になるように最適に偏芯させて設定でき、補正
係数の変化が平坦な領域を低流速側に拡大できるととも
に流れ方向が変化する脈動流れ時における計測制度を一
層向上できる。
【0064】また、超音波送受信器は計測流路の高さ寸
法よりも小さい超音波放出面を設けたものである。そし
て、計測流路の高さ方向に超音波送受信器をいくらか偏
芯させて配置しても超音波を有効に超音波伝搬路へ放出
でき、超音波の送受信感度の低下を防止しS/Nを高め
た計測により計測精度を向上できる。さらに、偏芯自由
度が拡大でき、計測流路の高さ方向の代表部分の領域に
超音波を伝搬させて計測することで補正係数の平坦性を
向上できる。
【0065】なお、超音波送受信器の偏芯方向は高さ方
向速度分布において最大値が存在する方向とすることに
より、最大流速値を示す高さ位置と計測流路の壁面との
間でより急峻な流速変化が得られるため、超音波送受信
器の高さ位置の変化による補正係数の調節が容易にで
き、補正係数の変化が平坦な領域を低流量側により一層
拡大できるとともに、乱流となる大流量側では流速の大
きいところを計測することで補正係数の値を低下させて
大流量側と低流量側の補正係数値の差を小さくして平坦
性の向上がなされ、幅広い流量域に対して補正係数の変
化を平坦化して脈動流に対する計測精度を向上できる。
【0066】また、超音波送受信器は計測流路の高さ方
向の中心から屈曲部の外周面側に偏芯させて配置するこ
とにより、屈曲部での遠心力の作用により屈曲部の外周
側への流れの偏りは流量が増大するほど促進できるため
に大流量域での補正係数を小さくでき、小流量域での補
正係数との差を縮小して広い計測範囲にわたり補正係数
の平坦性を向上できる。
【0067】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
超音波流量計測装置によれば、次の効果が得られる。
【0068】本発明は、被計測流体が流れる計測流路
と、計測流路の上流側および下流側に設けた導入部およ
び導出部と、前記計測流路の中心部分に設けられ前記計
測流路を超音波が横切って伝搬する超音波送受信器と、
前記計測流路の速度分布を非対称化して流速最大値の発
生位置を計測流路の中心から一方に偏らせる非対称流れ
促進手段と、導入部に設けられ微細な流通口を有する偏
流抑制体と、前記超音波送受信器間で超音波の送受信を
行いその送受信信号に基づいて流量を算出する流量演算
手段とを備えているので、速度分布が凸型となる層流域
では流速の最大値を偏らせて流速の遅いところを多くし
て計測することにより補正係数を大きくし、速度分布が
比較的に平坦となる乱流域では流速の最大値とあまり違
わない流速域を計測することで従来とあまり変わらない
補正係数として層流域と乱流域との補正係数の差を少な
くし、流量計測範囲の全域にわたり補正係数の変化を小
さくして平坦化することができ、補正係数による誤差の
拡大が防止されて計測精度を高めることができる。
た、流れの上流側の流路形状や配管形状に関わらず安定
した流れを計測流路に供給することで、非対称化した速
度分布を安定化できると ともに超音波送受信器間の流れ
の乱れを低減でき計測精度の向上と計測可能な流量の上
限値の向上ができる。また、流れの上流側の流路形状や
配管形状に関わらず安定した計測が実現でき、計測装置
の設置の自由度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の超音波流量計測装置の縦断
面図
【図2】同装置の横断面図
【図3】同装置の乱流域の速度分布を示す縦断面図
【図4】同装置において非対称流れ促進手段が無い場合
の補正係数の特性図
【図5】同装置において非対称流れ促進手段が有る場合
の補正係数の特性図
【図6】同装置において開口穴整流体の実施例を示す部
分断面図
【図7】同装置において偏流抑制体の実施例を示す導入
部の平面図
【図8】同装置において流れ安定手段の変動抑制部を示
す断面図
【図9】本発明の実施例2の超音波流量計測装置の縦断
面図
【図10】同装置の異常形状部を変えた場合の縦断面図
【図11】本発明の実施例3の超音波流量計測装置の縦
断面図
【図12】同装置における超音波送受信器部の縦断面図
【図13】従来の超音波流量計測装置の構成図
【符号の説明】
5 計測流路 7、8 超音波送受信器 9a、9b 開口穴 11 導入部 12 導出部 13、14 屈曲部 15、15a 非対称流れ促進手段 16、16a 段差部 19、19a 異形状部 21 流量演算手段 48 超音波放出面

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被計測流体が流れる計測流路と、計測流
    路の上流側および下流側に設けた導入部および導出部
    と、前記計測流路の中心部分に設けられ前記計測流路を
    超音波が横切って伝搬する超音波送受信器と、前記計測
    流路の速度分布を非対称化して流速最大値の発生位置を
    計測流路の中心から一方に偏らせる非対称流れ促進手段
    と、導入部に設けられ微細な流通口を有する偏流抑制体
    と、前記超音波送受信器間で超音波の送受信を行いその
    送受信信号に基づいて流量を算出する流量演算手段とを
    備えた超音波流量計測装置。
  2. 【請求項2】 偏流抑制体を導出部に設けた請求項1記
    載の超音波流量計測装置。
  3. 【請求項3】 非対称流れ促進手段を導入部と計測流路
    とを連結した屈曲部と、計測流路の入口側に設けた段差
    部あるいは計測流路の入口側の一方の端部と他方の端部
    の形状を異ならせた異形状部とにより構成した請求項1
    記載の超音波流量計測装置。
  4. 【請求項4】 非対称流れ促進手段導入部と計測流路
    および導出部と計測流路とを連結した屈曲部と、計測流
    路の入口側及び出口側に設けた段差部あるいは計測流路
    の入口側及び出口側の一方の端部と他方の端部の形状を
    異ならせた異形状部とにより構成した請求項1記載の
    音波流量計測装置。
  5. 【請求項5】 超音波送受信器を計測流路の中心から偏
    芯させて配置した請求項1から4のいずれか1項に記載
    超音波流量計測装置。
  6. 【請求項6】 超音波送受信器は計測流路よりも小さい
    超音波放出面を設けた請求項1から5のいずれか1項に
    記載の超音波流量計測装置。
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