JP3438459B2 - フィルムカートリッジ装填式カメラ - Google Patents

フィルムカートリッジ装填式カメラ

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JP3438459B2
JP3438459B2 JP04074196A JP4074196A JP3438459B2 JP 3438459 B2 JP3438459 B2 JP 3438459B2 JP 04074196 A JP04074196 A JP 04074196A JP 4074196 A JP4074196 A JP 4074196A JP 3438459 B2 JP3438459 B2 JP 3438459B2
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滋 和田
育志 中村
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Advanced
Photo System(以下、新写真システムとい
う。)に対応したフィルムカートリッジ装填式カメラに
係り、特に一方端面にフィルム装填口を有し、内側面に
フィルムカートリッジのイジェクト機構を備えた円筒状
のカートリッジ装填室を有するフィルムカートリッジ装
填式カメラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルムが完全に収納されたフィ
ルムカートリッジの外形形状と略同一の円筒状の内形形
状を有し、かつ、一方端面にカートリッジ装填口を有す
るカートリッジ装填室を備えたフィルムカートリッジ装
填式カメラにおいては、カートリッジ装填室に装填され
たフィルムカートリッジを容易に取り出せるようにする
ためのイジェクト機構が提案されている。
【0003】例えば、特開平4−1624号公報には、
カートリッジ装填口を閉塞するカートリッジ蓋に保持さ
れ、この開閉動作に連動するアームと、このアームと係
合し、上記カートリッジ蓋の途中までの開操作に連動し
て装填されたフィルムカートリッジをカートリッジ装填
口の方向に移動させ、更なるカートリッジ蓋の開操作が
行われることによりアームとの係合が外れ、カートリッ
ジ装填室の底面へと自重により復帰する取出しレバーと
からなるイジェクト機構が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平4−162
4号公報に示されるイジェクト機構は、カートリッジ蓋
に、先端に一対の係合ピンが形成されたアームを回動可
能に突設する一方、円筒状のカートリッジ装填室が形成
されたハウジングの当該カートリッジ装填室内に、一方
端に上記アームの係合ピンに係合する爪部が形成された
一対のレバーの他方端を連結し、この連結部にカートリ
ッジ当接部が形成してなるU字型の取出しレバーを、カ
ートリッジ装填室の軸方向に移動可能かつ自重でカート
リッジ装填室の底面に復帰可能に設ける構造になってい
るので、イジェクト機構のハウジング側の構成要素の組
立てが困難である。
【0005】また、上記従来のイジェクト機構は、アー
ムと取出しレバーとが連結されておらず、カートリッジ
蓋の開動作の一定期間でのみアームが取出しレバーに係
合して取出しレバーをカートリッジ装填口側に移動させ
る構造になっているので、例えばアームと取出しレバー
との係合不良等による故障が発生する可能性があり、か
かる場合の取出しレバーの補修もしくは交換等の修理に
おいてもカートリッジ装填室からの取出しレバーの取外
し作業は、カートリッジ装填口から行わなければなら
ず、その作業性は組立の作業性よりも困難である。
【0006】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であり、組立の容易なイジェクト機構を有するカートリ
ッジ装填式カメラを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、一方端にカー
トリッジ装填口を有するカートリッジ装填室と、カメラ
本体に回動可能に設けられ、上記カートリッジ装填口を
閉塞するカートリッジ蓋と、上記カートリッジ装填室の
内側面にこの枚側面に沿って移動可能に設けられ、装填
されたフィルムカートリッジに係合されるイジェクト爪
を、上記カートリッジ蓋に回動可能に支持されたレバー
部材により当該カートリッジ蓋の開動作に連動してカー
トリッジ装填口側に移動させて上記フィルムカートリッ
ジのイジェクトを行うイジェクト手段とを備えたフィル
ムカートリッジ装填式カメラであって、上記カートリッ
ジ装填室は、上記イジェクト手段が一体的に構成された
上記カートリッジ装填室の一部側面の側壁を構成する第
1のハウジング部材と上記装填室の他の側面の側壁を構
成する第2のハウジング部材とを組み合わせて構成され
ているものである(請求項1)。
【0008】上記構成によれば、第1のハウジング部材
と第2のハウジング部材とを組み合わせることによりカ
ートリッジ装填室が構成される。また、第1のハウジン
グ部材のカートリッジ装填室の内側面を構成する側壁に
はイジェクト爪と上記カートリッジ蓋の開動作に連動し
てこのイジェクト爪をカートリッジ装填口側に移動させ
るレバー部材とが装填室の内側面に沿って移動可能に設
けられており、第1のハウジング部材と第2のハウジン
グ部材とを結合してなるハウジングをカメラ本体内に収
納し、上記レバー部材の基端部をカメラ本体のカートリ
ッジ装填口に回動可能に設けられたカートリッジ蓋の支
持部に回動可能に連結してイジェクト機構が構成され
る。
【0009】また、本発明によれば、上記フィルムカー
トリッジ装填式カメラにおいて、上記レバー部材は、基
端部に係合ピンを有し、カートリッジ蓋に突設され、中
間に狭隘部を有する係合溝が形成された支持部材の当該
係合溝に上記係合ピンを圧入して上記支持部材に回動可
能に連結されているものである(請求項2)。
【0010】上記構成によれば、レバー部材の基端部
は、第1のハウジング部材と第2のハウジング部材とを
結合してなるハウジングをカメラ本体内に収納した後、
係合ピンを狭隘部に抗して係合溝に圧入し、カートリッ
ジ蓋の支持部材に回動可能に連結される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係るフィルムカートリッ
ジ装填式カメラについて、図を用いて説明する。
【0012】まず、本カメラに適用される新写真システ
ム用フィルムについて簡単に説明する。図1は、新写真
システム用フィルムのフィルムカートリッジを上面側か
ら見た斜視図、図2は新写真システム用フィルムのフィ
ルムカートリッジを下面側から見た斜視図である。
【0013】新写真システム用フィルムは、フィルム引
出口501に遮光扉502が設けられたフィルムカート
リッジKTを備え、カートリッジ内にフィルムFが完全
に収納されるようになっている。従って、新写真システ
ム用フィルムを用いたカメラでは新写真システム用フィ
ルムがセットされると、フィルムカートリッジKTから
フィルムFを押し出して巻上スプールに巻き付けるとと
もに、1コマ目の撮影位置までフィルムFを給送して撮
影可能状態にするための、いわゆるフィルムローディン
グ機構が設けられている。
【0014】フィルムカートリッジKTは円筒状をな
し、軸に平行な側面にフィルム引出部503が突設さ
れ、このフィルム引出部503の先端側面に上記フィル
ム引出口501が設けられている。
【0015】遮光扉502は回転式扉で、フィルムカー
トリッジKTの上面510及び下面512であってフィ
ルム引出部503の先端部に設けられたキーホール50
4に所定形状のキーを差し込み、このキーを回転させる
ことにより開閉が行われるようになっている。なお、後
述するように、カメラのカートリッジ装填室には遮光扉
502の開閉用のキーが設けられており、カートリッジ
装填室にフィルムカートリッジKTを収納すると、上記
キーホール504に開閉用のキーが嵌入し、このキーに
設けられた所定形状の傾斜面によってロック解除が行わ
れ、キーを回転させることで遮光扉502が開くように
なっている。
【0016】フィルムカートリッジKTの上面510及
び下面512の軸中心にはそれぞれフィルムFの押出し
及び巻戻しを行うためのスプール505,506が回動
可能に設けられ、上面側のスプール505にはカートリ
ッジKTに収納されているフィルムFに関する情報(フ
ィルム枚数、ISO感度、カラー/白黒、ネガ/ポジ等
の情報。以下、フィルム情報という。)がバーコードで
記録されたコード板507が一体回転可能に固着され、
下面側のスプール505にはカートリッジ下面512の
スプール506の回りに穿設されたフィルムFの種類
(未露光フィルム、露光済フィルム、一部露光済フィル
ム及び現像済フィルム等の種類)の情報(以下、カート
リッジ情報という。)を示す4個のマーク508を指示
するための白色の指示板509が一体回転可能に固着さ
れている。なお、スプール505,506はフィルムカ
ートリッジKTのカートリッジ室内の中心軸上に設けら
れたスプール軸の両端部に形成され、一体回転する。
【0017】カートリッジ上面510の周縁部適所には
切欠部511が設けられ、この切欠部511からコード
板507に形成されたバーコードが読取可能になってい
る。カメラのカートリッジ装填室の上記切欠部511に
対向する位置にはフォトリフレクタ(図略)が設けられ
ており、カートリッジ装填室にフィルムカートリッジK
Tが収納されると、フォトリフレクタによりコード板5
07のバーコードを読み取って収納されたフィルムカー
トリッジKTに収納されたフィルムFの種類が識別され
るようになっている。
【0018】一方、カートリッジ下面512に穿設され
たマーク508はフィルムカートリッジKTに収納され
たフィルムFの種類を撮影者が視認するためのもので、
いずれかのマーク508の位置に指示板509が位置す
ることによりそのマーク508の色が白色に変化してフ
ィルムFの種類がわかるようになっている。なお、
「○」印は未露光フィルム、「×」印は露光済フィル
ム、「□」印は現像済フィルム、半月印は一部露光済フ
ィルムをそれぞれ示している。また、コード板507及
び指示板509はスプール505と一体回転する。この
とき、スプール505に設けられているキー溝505′
に対して指示板509及びコードバン507のバーコー
ドの基準エッジの相対位置が規定されているため、スプ
ール505を回転させてフィルム装填時のバーコードの
位置を読み取ることによりフィルムFの種類を判別する
ことができる。
【0019】図3は、新写真システム用フィルムの構造
を示す図である。フィルムカートリッジKTに収納され
たフィルムFは先頭からリーダ部513、露光部514
及びエンド部515の3つの領域を有している。リーダ
部513はフィルムカートリッジKTからフィルムFを
押し出すためのリード部分である。露光部514は所定
枚数の写真が所定のピッチで撮影される領域である。エ
ンド部515は露光部514をフィルムカートリッジK
Tから所定寸法以上押し出すためにフィルムFの後端に
設けられた未露光領域である。
【0020】なお、以下の説明では便宜上、フィルムF
の長手方向を横方向、フィルムの幅方向を縦方向とい
う。
【0021】フィルムFの押出方向に対して左側縁部
(図3において、上側の側縁部)の先端適所には、切欠
516が設けられている。また、左側縁部に側縁に沿っ
て複数個の矩形状の孔(以下、パーフォレーションとい
う。)517〜519が穿設されている。パーフォレー
ション517はリーダ部513の終端位置を示すもの
で、リーダ部513の後端部の所定位置に設けられてい
る。また、パーフォレーション518,519は各コマ
Kの前端部及び後端部の所定位置にそれぞれ設けられ、
各コマKの露光領域の前端位置と後端位置とを示すもの
である。
【0022】また、フィルムFの押出方向に対する右側
縁部(図3において、下側の側縁部)であって各コマK
の対応位置には磁気記録部520が設けられ、この磁気
記録部520に各コマKに写し込まれた写真に関する情
報、例えば撮影日、撮影画面(縦向き/横向き)、露出
制御値、撮影倍率等の情報が記録可能になっている。
【0023】上記切欠516及びパーフォレーション5
17〜519は、図4に示すように、フィルムFの給送
を案内する上側のガイド部38上に設けられたフォトイ
ンターラプタPI1,PI2により検出され、この検出
信号を用いてフィルムFのローディング、巻上げ、巻戻
し等の給送制御が行われる。
【0024】なお、図4は、カメラ本体1内に設けられ
たカートリッジ装填室11、露光枠37及びフィルム巻
取室17等の位置関係を示す図で、カメラの背面側から
見た図である。
【0025】カートリッジ装填室11はカメラの背面側
から見てカメラ本体1の右側部に設けられ、フィルム巻
取室17はカメラ本体1の左側部に設けられ、これらカ
ートリッジ装填室11とフィルム巻取室17との間に上
記露光枠37が設けられている。露光枠37は横長の枠
体で、カメラ本体1の略中央に設けられた撮影レンズ系
の光軸に対向する位置に各コマKの露光領域と略同一サ
イズの露光窓39が設けられている。また、露光枠37
の長手方向の両側部にはフィルムカートリッジKTから
押し出されたフィルムFを案内するガイド部38,3
8′が設けられ、上側のガイド部38であって露光窓3
9の左右両端部に対向する適所に上記フォトインターラ
プタPI1,PI2が設けられている。
【0026】フィルムカートリッジKTから押し出され
たフィルムFが露光枠37上を移動すると、切欠516
及びパーフォレーション517〜519がフォトインタ
ーラプタPI1,PI2の光路を横切り、これにより切
欠516及びパーフォレーション517〜519が検出
される。
【0027】図5及び図6は、本発明に係るフィルムカ
ートリッジ装填式カメラの外観を示す図で、図5は正面
図、図6は底面図である。
【0028】カメラ本体1の正面略中央に撮影レンズ系
2が設けられ、この撮影レンズ系2の上部にAF測距部
3とファインダ光学系4とが設けられている。また、カ
メラ本体1の正面右端上部に内蔵フラッシュ5が設けら
れ、正面左端部にグリップ部6が設けられ、上面左端部
のグリップ部6の上方位置にレリーズボタン7が設けら
れている。
【0029】カメラ本体1内の左端部には電池収納室1
2とカートリッジ装填室11とが設けられ、電源電池は
カメラ本体1の左側端に設けられた着脱可能な電池蓋9
を取り外して電池収納室12に収納され、フィルムカー
トリッジKTはカメラ本体1の下面のカートリッジ装填
口43(図7参照)に開閉可能に設けられたカートリッ
ジ蓋8を開いてカートリッジ装填室11に収納されるよ
うになっている(図6参照)。
【0030】本カメラは、後述するように、1個のモー
タの駆動力によりフィルムFのローディング、巻上げ、
巻戻し等のフィルム給送に関する駆動と遮光扉502の
開閉及びカートリッジ蓋8のロック解除の駆動とを行う
ようになされている。カートリッジ蓋8のロック解除も
モータ駆動にしているのは、誤ってフィルムFがフィル
ムカートリッジKTから引き出された状態でフィルムカ
ートリッジKTのイジェクト動作が行われないように、
フィルムFのフィルムカートリッジKTへの収納及びカ
ートリッジ蓋8のロック解除の一連の動作をカメラ側で
自動制御するためである。このため、カメラ本体1の下
面適所にロック解除を指示するためのロック解除ボタン
10が設けられている。
【0031】また、カートリッジ蓋8の外側面(外部に
露出する面)の適所にフィルムカートリッジKTの下面
側のスプール506に嵌入装着されるフォーク24(図
7参照)を外部から駆動するための丸孔13が穿設さ
れ、カメラ本体1の下面の略中央適所に後述するギヤ列
からなる第2の駆動力伝達機構200(図7参照)のギ
ヤの噛合を解除するための角孔14が穿設されている。
【0032】上記丸孔13及び角孔14は、フィルムカ
ートリッジKTからフィルムFが引き出された状態でモ
ータ駆動によるフィルム給送系に異常が生じたとき、外
部からフォーク24を回転させてフィルムFをフィルム
カートリッジKTに収納するための窓で、それぞれシー
ト部材15,16により被覆され、通常は外部から見え
ないようになっている。なお、異常時のフォーク24の
外部駆動については後述する。
【0033】図7は、本発明に係るフィルムカートリッ
ジ装填式カメラの内部構成の概要を示す要部縦断面図
で、カメラの正面側から見た図である。また、図8は、
本発明に係るフィルムカートリッジ装填式カメラの内部
構成の概要を示す要部横断面図で、カメラの上面側から
見た図である。
【0034】カメラ本体1内にはカメラ正面から見て撮
影レンズ系2の左端部に電池収納室12とカートリッジ
装填室11とが配置され、右端部に円筒状のフィルム巻
取室17が配置されている。
【0035】上記電池収納室12、カートリッジ装填室
11及びフィルム巻取室17は、図9に示すハウジング
31により一体的に形成され、このハウジング31のカ
ートリッジ装填室11とフィルム巻取室17とを連結す
る凹部32に撮影レンズ系2のユニットが収納配置さ
れ、フィルム巻取室17の中心軸上に穿設された丸孔3
3,33′に貫通させて巻取スプール18が回転可能に
配置される。巻取スプール18の周面にはフィルムFを
摩擦力で固定するための摩擦部材18Aが設けられてい
る。
【0036】また、ハウジング31は、電池収納室12
とカートリッジ装填室11の後面側の側壁とを構成する
第1ハウジング部材31A(図8及び図9で斜線で示す
部材)と、カートリッジ装填室11、撮影レンズ系2の
ユニット配設用凹部32及びフィルム巻取室17とを構
成する第2ハウジング部材31Bとからなり、第1ハウ
ジング部材31Aと第2ハウジング部材31Bとを組み
合わせてハウジング31のカートリッジ装填室11が構
成されるようになっている。
【0037】このようにハウジング31を第1ハウジン
グ部材31Aと第2ハウジング部材31Bとに分割して
いるのは、カートリッジ装填室11にイジェクト機構3
00を設ける必要上、その組立性を考慮したものであ
る。後述するように、第1ハウジング部材31Aにはフ
ィルムカートリッジKTのイジェクト機構300とカー
トリッジ蓋8のロック機構400とが一体的に設けら
れ、イジェクト機構300及びロック機構400は第1
ハウジング部材31Aにユニット化されている。このイ
ジェクト機構300及びロック機構400の構造及び動
作の詳細は後述する。
【0038】なお、図9において、丸孔34には第2ハ
ウジング部材31Bの上側からフォーク22が回動自在
に嵌入装着され、丸孔35には第2ハウジング部材31
Bの上側から遮光扉502の開閉用のキーが回動自在に
嵌入装着され、丸孔36,36′には後述する伝達軸2
0が貫通させて配設されるようになっている。
【0039】図8において、電池収納室12はカメラの
上面から見てカメラ後面の右隅部に設けられ、カートリ
ッジ装填室11は電池収納室12の左斜め前方位置に設
けられている。
【0040】電池収納室12及びカートリッジ装填室1
1が配置される部分にはカートリッジ蓋8のロック機構
400、フィルム給送用の駆動モータM及び撮影レンズ
駆動用の駆動モータ(図略)が設けられ、カートリッジ
装填室11の上部には駆動モータMの駆動力をフィルム
カートリッジKTのスプール505を回転するためのフ
ォーク22や巻取スプール18等に伝達するための第1
の駆動力伝達機構100が設けられている。
【0041】ロック機構400は、カートリッジ蓋8が
カートリッジ装填口43の閉塞位置に回動したとき、カ
ートリッジ蓋8に突設された被係合部83の係合孔84
にロックレバー407の係合爪412を嵌入してカート
リッジ蓋8をロックするものである。なお、ロック機構
400の詳細については後述する。
【0042】カートリッジ装填室11はフィルムカート
リッジKTの外形形状と略同一の室内形状を有し、カー
トリッジ装填口43と反対側の端面11a(以下、底面
11aという。)のフィルムカートリッジKTのスプー
ル505に対向する位置にこのスプール505に嵌入装
着されるフォーク22が回動可能に設けられている。フ
ォーク22の基端部にはフォークギヤ23が設けられ、
このフォークギヤ23に駆動モータMの駆動力を第1の
駆動力伝達機構100を介して伝達することによりフィ
ルム巻戻し及びフィルムローディングにおけるフィルム
Fの押出しが行われる。
【0043】一方、カートリッジ蓋8に設けられたフォ
ーク24の基端部にもフォークギヤ25が設けられ、こ
のフォークギヤ25には丸孔13に臨む面にギヤ形状の
キー溝27が穿設されたギヤ26が噛合されている。ギ
ヤ26はフィルム給送系の異常時における外部駆動用の
ギヤで、上記キー溝27に丸孔13から図略の所定形状
のギヤを嵌入し、このギヤを手動もしくはモータにより
回転駆動することでフォーク24を回転することができ
るようになっている。
【0044】第1の駆動力伝達機構100と第2の駆動
力伝達機構200とは、図10に示すように、カートリ
ッジ装填室11の中心軸と平行に立直して設けられた伝
達軸20で連結され、駆動モータMの駆動力が第1の駆
動力伝達機構100及び伝達軸20を介して第2の駆動
力伝達機構200に伝達されるようになっている。
【0045】伝達軸20は、カートリッジ装填室11の
フィルム押出口501に相当する側壁と撮影レンズ系2
の鏡胴とで挟まれた隙間部分に設けられている(図8参
照)。この配設位置は、図7に示すように、伝達軸20
がカートリッジ蓋8で覆われる位置で、この隙間部分を
有効利用することにより第1の駆動力伝達機構100と
第2の駆動力伝達機構200との連結を無理なく達成す
るとともに、第1の駆動力伝達機構100、伝達軸20
及び第2の駆動力伝達機構200とで構成される駆動力
伝達機構のカメラの横方向に延びる伝達経路を可及的短
くしてカメラ本体の横方向寸法の短縮化を図っている。
【0046】第2の駆動力伝達機構200は互いに噛合
する3個のギヤ201,202,203とこのギヤ20
3の軸205に一体回転可能に取り付けられ、巻取スプ
ール18の基端部に設けられたスプールギヤ19に噛合
されたギヤ204とから構成されている。ギヤ201に
は伝達軸20の下端に固着されたギヤ21が噛合してお
り、第1の駆動力伝達機構100から伝達軸20を介し
て伝達された回転力はギヤ201〜204のギヤ列から
なる第2の駆動力伝達機構200及びスプールギヤ19
により巻取スプール18に伝達される。
【0047】また、ギヤ202はその回転軸202aが
カメラの前後方向(図10、矢印A1方向)に僅かに移
動可能になされている。フィルムカートリッジKTから
フィルムFが引き出された状態でフィルム給送系に異常
が生じたときは、図11に示すように、シート部材1
5,16を除去して丸孔13及び角孔14を露出させ、
角孔14からギヤ202の回転軸202aを矢印A2方
向に移動させてギヤ202のギヤ201及びギヤ203
への噛合を外した後、この状態で丸孔13からフォーク
24を外部駆動することによりフィルムFをフィルムカ
ートリッジKTに収納することができる。
【0048】なお、軸202aが前後方向に移動される
のではなく、引き抜き可能な構成とすれば、軸202a
を角穴14を通して引き抜いてギヤ202を前後方向に
ずらすことによりギヤ201とギヤ202又はギヤ20
2とギヤ203の噛合を外すことができる。
【0049】なお、図12に示すように、ギヤ202を
遊星ギヤで構成し、角孔14からキャリア206を反時
計回り(図中、矢印A3方向)に回動させてギヤ202
のギヤ203への噛合を外すようにしてもよい。また、
図13に示すように、第1の駆動力伝達機構100にフ
ォークギヤ23に噛合させて外部駆動用のギヤ28を設
けるとともに、カメラ本体1の上面適所に丸孔13に相
当する丸孔29を設け、カメラ本体1の上面側からギヤ
28を介してフォークギヤ23を外部駆動するようにし
てもよい。
【0050】また、本実施の形態では、丸孔13及び角
孔14にシート部材15,16を設けているが、これに
限定されるものではなく、例えば上記孔を覆う開閉扉等
を設けてもよい。
【0051】次に、第1の駆動力伝達機構100につい
て説明する。図14〜図16は第1の駆動力伝達機構の
構造を示すもので、図14はカメラの正面側から見た斜
視要部図、図15はカメラの背面側から見た要部斜視
図、図16はカメラの上面側から見た要部平面図であ
る。なお、図14では遮光扉の開閉及びカートリッジ蓋
のロック解除に関する機構は省略している。
【0052】第1の駆動力伝達機構100は、主として
駆動モータMの駆動力をフォークギヤ23に伝達してフ
ィルムFの巻戻しを行うための第1の遊星ギヤ装置10
1(以下、巻戻遊星ギヤ装置101という。)、駆動モ
ータMの駆動力を伝達軸20に伝達してフィルム巻上げ
及びフィルムローディングにおけるフィルムFの巻き上
げを行うための第2の遊星ギヤ装置102(以下、巻上
遊星ギヤ装置102という。)、駆動モータMの駆動力
をフォークギヤ23に伝達してフィルムローディングに
おけるフィルムFの押し出しを行うための第3の遊星ギ
ヤ装置103(以下、スラスト遊星ギヤ装置103とい
う。)、駆動モータMの駆動力の伝達方向を切り換える
ためのカム機構104、カートリッジ蓋8のロック解除
及びフィルムカートリッジKTの遮光扉502の開閉を
行うためのクランク機構105及び駆動モータMの駆動
力をクランク機構105に伝達する扉開閉遊星ギヤ装置
106から構成されている。
【0053】また、第1の駆動力伝達機構100は各構
成部材を支持板167上に配設してユニット化されてい
る。
【0054】カム機構104は、巻戻遊星ギヤ装置10
1、巻上遊星ギヤ装置102、スラスト遊星ギヤ装置1
03及び扉開閉遊星ギヤ装置106の各遊星ギヤ11
2,118,123,130の対応する所定のギヤへの
噛合関係を、フィルム巻戻し、フィルム巻上げ、フィル
ムローディング及カートリッジ蓋8のロック解除(以
下、単にロック解除という。)の各駆動モードに応じて
切換制御するものである。
【0055】カム機構104は、円盤状のカムギヤ13
8と、周面に2種類のカム面140が2段に形成され、
カムギヤ138より僅かに径の小さい円盤状のカム13
9とからなり、カム139はカムギヤ138の上面中心
に形成された図略の回転軸に図略の一方向クラッチを介
して連結されている。また、本実施の形態では、カム機
構104は、図16に示すように、その回転中心Oをフ
ォークギヤ23の回転中心O′より僅かにカメラの前面
側に偏心させて設けているが、もちろん両者を一致させ
てもよい。
【0056】支持板167を貫通して設けられるフォー
ク22は、この支持板167とフォークギヤ23の上部
に配設される図略の第2の支持板とにより挾持されて回
動自在に支持され、カム機構104は上記第2の支持板
の上面の所定位置に配設されている。
【0057】カム139は、カムギヤ138がカメラの
上面側から見て時計回りに回転するとき、カムギヤ13
8と一体回転してカム面140が回転移動し、カムギヤ
138が反時計回りに回転するとき、空回りしてカム面
140の設定位置が保持される。
【0058】なお、カム機構104による駆動モータM
の駆動力の伝達方向の切換制御の詳細は後述する。
【0059】巻戻遊星ギヤ装置101は、太陽ギヤ10
9、この太陽ギヤ109の上面に同軸に設けられた減速
ギヤ110、太陽ギヤ109に噛合している遊星ギヤ1
12及び太陽ギヤ109の軸111と遊星ギヤ112の
軸113とに回動可能に連結されたキャリア114から
構成され、フィルム巻戻しの駆動モード(以下、巻戻し
モードという。)において駆動モータMの駆動力をモー
タギヤ107、太陽ギヤ109及び遊星ギヤ112を介
してフォークギヤ23に伝達する。
【0060】巻戻遊星ギヤ装置101はカムギヤ138
の回りであってこのカムギヤ138と駆動モータMの軸
108に固着されたモータギヤ107との間(図16に
おいて、カムギヤ138の斜め左下方向の位置)に、太
陽ギヤ109と減速ギヤ110とをそれぞれモータギヤ
107とカムギヤ138とに噛合させて配設されてい
る。
【0061】キャリア114は、その屈曲部114aに
高さ方向の段差が設けられた「く」の字形の形状を成
し、屈曲部114aの上段位置にカム139側に突出さ
せて下段側のカム面140a(以下、第1カム面140
aという。)に当接する当接片115が形成されてい
る。この当接片115は遊星ギヤ112の公転運動を規
制するものである。
【0062】図14に示すように、モータギヤ107、
太陽ギヤ109、遊星ギヤ112及びフォークギヤ23
は同一の高さ位置にあり、駆動モータMの正回転の駆動
力がモータギヤ107を介して巻戻遊星ギヤ装置101
に伝達されると、遊星ギヤ112はフォークギヤ23と
噛合するべく太陽ギヤ109の回りを反時計回りに公転
するようになるが、当接片115がカム139の第1カ
ム面140aに当接するので、キャリア114の反時計
回りの回転運動が規制され、これにより遊星ギヤ112
の公転運動が規制される。
【0063】一方、第1カム面140aには、後述する
ように周方向の所定の位置にカム溝141が形成されて
おり、このカム溝141に当接片115が対向する区間
(以下、フィルム巻戻区間という。)にカム139が設
定されると、駆動モードは巻戻しモードとなる(図14
参照)。
【0064】カム139の設定位置(以下、カム位置と
いう。)がフィルム巻戻区間になければ、キャリア11
4の反時計回りの回転運動が規制され、遊星ギヤ112
とフォークギヤ23とは連結されないので、駆動モータ
Mの駆動力はフォークギヤ23には伝達されないが、カ
ム位置がフィルム巻戻区間にあれば、キャリア114の
反時計回りの回転運動の規制が解除され、遊星ギヤ11
2とフォークギヤ23とが連結されて駆動モータMの駆
動力がフォークギヤ23に伝達される。
【0065】巻上遊星ギヤ装置102はカムギヤ138
の回りであって前面側から見てこのカムギヤ138の右
横の位置に設けられ、スラスト遊星ギヤ装置103はカ
ムギヤ138の回りであって前面側から見てこのカムギ
ヤ138の斜め右下方向の位置に設けられている(図1
6参照)。
【0066】巻上遊星ギヤ装置102は、伝達軸20に
固着された太陽ギヤ116、この太陽ギヤ116に噛合
している遊星ギヤ118及び太陽ギヤ116の軸117
と遊星ギヤ118の軸119とに回動可能に連結された
キャリア120から構成され、フィルム巻上げの駆動モ
ード(以下、巻上げモードという。)及びフィルムロー
ディングの駆動モード(以下、ローディングモードとい
う。)においてカムギヤ138に伝達されている駆動モ
ータMの遊星ギヤ118、太陽ギヤ116、伝達軸20
及び第2の駆動力伝達機構200を介して巻取スプール
18に伝達する。
【0067】キャリア120の遊星ギヤ118側の端部
にカム139側に突出させて上段側のカム面140b
(以下、第2カム面140bという。)に当接する当接
片121が形成されている。
【0068】また、スラスト遊星ギヤ装置103は、伝
達軸20の太陽ギヤ116の下部に固着された太陽ギヤ
122、この太陽ギヤ122に噛合している遊星ギヤ1
23、軸124と遊星ギヤ123の軸125とに回動可
能に連結されたキャリア126及びねじりコイルバネ1
29から構成されている。なお、軸124は遊星ギヤ1
12の公転中心で、遊星ギヤ123と遊星ギヤ112と
の間の適所に設けられている。
【0069】キャリア126のカム139に臨む側面適
所には上方に立ち上げて先端がカム139の第1カム面
140aに当接するL字状の当接片127が形成されて
いる。ねじりコイルバネ129は、遊星ギヤ118及び
遊星ギヤ123をカムギヤ138及びフォークギヤ23
側に付勢するもので、軸117のキャリア120と太陽
ギヤ116との間に取り付けられている。ねじりコイル
バネ129の一方端はキャリア120の適所に形成され
た係止部128に固定され、他方端はキャリア126の
当接片127の立上げ部127aに圧接されている。
【0070】なお、巻上遊星ギヤ装置102の太陽ギヤ
116及びスラスト遊星ギヤ装置103の太陽ギヤ12
2は伝達軸20に同軸に固着されるので、両太陽ギヤ1
16,122は一体形成された2段ギヤで構成されてい
る。本実施の形態では、太陽ギヤ116,122を2段
ギヤで構成しているが、太陽ギヤ116と太陽ギヤ12
2とを同一のギヤで共有するようにしてもよい。
【0071】このように、巻上遊星ギヤ装置102及び
スラスト遊星ギヤ装置103の太陽ギヤ116,122
を同軸に配置することにより第1の駆動力伝達機構10
0がよりコンパクトに構成できている。
【0072】すなわち、太陽ギヤ122を太陽ギヤ11
6と同軸に構成しない場合は、カムギヤ138に伝達さ
れた駆動モータMの駆動力を巻上遊星ギヤ装置102を
経由しないでスラスト遊星ギヤ装置103の太陽ギヤ1
22に伝達する必要があり、しかもローディングモード
ではフォークギヤ23の回転方向が巻戻しモードの場合
と逆になるので、カムギヤ138と太陽ギヤ122間に
駆動力伝達用のギヤを少なくとも1個、介在させてカム
ギヤ138に伝達された駆動力を太陽ギヤ122に伝達
する必要があるので、太陽ギヤ122と駆動力伝達用の
ギヤとを太陽ギヤ116と異なる位置に設けなければな
らず、第1の駆動力伝達機構100のギヤ構成が複雑か
つ大型化することになるが、太陽ギヤ116,122を
同軸もくしは同一ギヤで構成することによりギヤ数及び
ギヤの配置位置の大幅な削減を達成している。
【0073】スラスト遊星ギヤ装置103は、ローディ
ングモードにおいてカムギヤ138に伝達されている駆
動モータMの駆動力を巻上遊星ギヤ装置102、太陽ギ
ヤ122及び遊星ギヤ123を介して巻取フォークギヤ
23に伝達する。
【0074】当接片121は遊星ギヤ118の公転運動
を規制するものであり、当接片127は遊星ギヤ123
のフォークギヤ23側への回転移動を規制するものであ
る。
【0075】図14に示すように、スラスト遊星ギヤ装
置103はフォークギヤ23と同一の高さ位置に設けら
れ、巻上遊星ギヤ装置102はカムギヤ138と同一の
高さ位置に設けられている。キャリア120及びキャリ
ア126にはねじりコイルバネ129によりそれぞれ軸
117と軸124との回りに反時計回りの回転力が付与
されているので、遊星ギヤ118はカムギヤ138と噛
合するべく太陽ギヤ116の回りを反時計回りに公転
し、遊星ギヤ123はフォークギヤ23と噛合するべく
太陽ギヤ122と噛合した状態で軸124の回りを反時
計回りに回転するが、当接片121及び当接片127は
それぞれカム139の第2カム面140bと第1カム面
140aとに当接するので、キャリア120及びキャリ
ア126の反時計回りの回転運動が規制され、これによ
り遊星ギヤ118の公転運動及び遊星ギヤ123のフォ
ークギヤ23側への回動が規制される。
【0076】第2カム面140bには、後述するように
第1カム面140aに形成されたカム溝141と重複す
る周方向の所定の位置に2個のカム溝142,143が
形成されており、カム位置がこのカム溝143に当接片
121が対向する区間(以下、フィルム巻上区間とい
う。)又はカム溝142に当接片121が対向し、か
つ、カム溝142に当接片127が対向する区間(以
下、ローディング区間という。)に設定されると、駆動
モードは巻上げモード又はローディングモードとなる。
【0077】カム位置がフィルム巻上区間又はローディ
ング区間になければ、キャリア120の反時計回りの回
転運動が規制され、遊星ギヤ118とカムギヤ138と
は連結されないので、駆動モータMの駆動力は巻取スプ
ール18には伝達されないが、カム位置がフィルム巻上
区間又はローディング区間にあれば、キャリア120の
反時計回りの回転運動の規制が解除され、遊星ギヤ11
8とカムギヤ138とが連結されて駆動モータMの駆動
力が巻取スプール18に伝達される。
【0078】一方、カム位置がローディング区間になけ
れば、キャリア126の回動が規制され、遊星ギヤ12
3とフォークギヤ23とは連結されないので、駆動モー
タMの駆動力はフォークギヤ23に伝達されないが、カ
ム位置がローディング区間にあれば、キャリア126の
回動の規制が解除され、遊星ギヤ123とフォークギヤ
23とが連結されて駆動モータMの駆動力はフォークギ
ヤ23に伝達される。
【0079】クランク機構105は、短冊形状のクラン
クレバー149と円盤状のクランク板146及びクラン
クギヤ145とからなり、第1の駆動力伝達機構100
の後面側の端部に設けられている。
【0080】クランクレバー149はカメラ本体1の左
右方向に往復動可能に設けられ、その往動動作(図16
の矢印A4で示す左方向移動)により、第1の駆動力伝
達機構100の後面側の一方端部(図16において、左
上隅部)に回転可能に設けられたロック解除レバー40
1を回転させてカートリッジ蓋8のロック解除を行うと
ともに、クランクレバー149の往復動動作により第1
の駆動力伝達機構100の後面側の他方端部(図16に
おいて、右上隅部)に回転可能に設けられた遮光扉開閉
キー154を回転させて遮光扉502の開閉を行うもの
である。
【0081】クランクレバー149の左端部には先窄ま
りのテーパを形成してなる当接部150が形成され、右
端部の前面側の側縁には横長の凹部152を形成して係
合部153,153′が形成されている。支持板167
のフィルムカートリッジKTのキーホール504に対向
する位置には遮光扉開閉キー154が遮光扉502を完
全に開く位置(以下、開位置という。)と完全に閉じる
位置(以下、閉位置という。)とに回動可能に設けられ
ている。
【0082】遮光扉開閉キー154は、図15に示すよ
うに、上面側に鍔部155が形成された円盤状の基部1
56の下面中央にキーホール504に嵌入される所定形
状のキー部157が突設され、鍔部155の上面中央に
軸158が突設されている。鍔部155の上面適所には
軸158から径方向に延びる当接部159が突設され、
この当接部159の径方向の先端に鍔部155の周面よ
り外方向に突出して当接片160が設けられている。こ
の当接片160は、支持板167の適所に互いに所定角
度(図では略90°)開いて突設されたストッパー16
1,161′に当接して遮光扉開閉キー154の回動範
囲を開位置と閉位置との範囲に規制するものである。な
お、ストッパー161は開位置に対応し、ストッパー1
61′は閉位置に対応している。
【0083】また、鍔部155の上面であって当接部1
59の反対側の周縁部に上記クランクレバー149の係
合部153,153′が係合される係合ピン162が上
方に突設されている。更に軸158の中間位置に径方向
に湾曲させて腕163が突設され、この腕163の先端
上面にピン164が軸158と平行に突設されている。
そして、このピン164と支持板167の適所に突設さ
れたピン165との間にねじりコイルバネ166の両端
がそれぞれ回転可能に支持され、このねじりコイルバネ
166により遮光扉開閉キー154に回転力が付与され
ている。
【0084】従って、フィルムカートリッジKTが収納
された状態では遮光扉開閉キー154はねじりコイルバ
ネ166のバネ力により当接部159がストッパー16
1に当接する位置(開位置)までに保持されている。
【0085】一方、遮光扉502の開閉及びカートリッ
ジ蓋8のロック解除を行なうモード(以下、扉開閉モー
ドという。)において、クランクレバー149の往復動
動作が行われると、クランクレバー149の移動動作に
伴い係合部153が遮光扉開閉キー154の係合ピン1
62に係合して遮光扉開閉キー154を閉位置まで逆回
転させ、これにより遮光扉502が閉塞される。なお、
クランクレバー149が待機位置から所定量以上移動す
ると、ねじりコイルバネ166のバネ力は遮光扉開閉キ
ー154に反時計方向の回転力を付与するように作用
し、これにより遮光扉開閉キー154は閉位置に固定さ
れ、遮光扉502の閉塞状態が保持される。
【0086】遮光扉502が完全に閉塞した後、クラン
クレバー149の移動により当接部150がロック解除
レバー401の被当接部404に当接してロック解除レ
バー401を軸406の回りに反時計方向に回転させ、
これによりカートリッジ蓋8のロック機構400が解除
される。
【0087】なお、フィルムカートリッジKTをカート
リッジ装填室11から取り出す際の遮光扉502の閉塞
動作及びカートリッジ蓋8のロック機構400のロック
解除動作の詳細については後述する。
【0088】クランクギヤ145及びクランク板146
は図略の第2の支持板を貫通して回転可能に支持された
軸148の上端と下端とにそれぞれ固着され、クランク
ギヤ145の回転によりクランク板146が一体回転す
るように成っている。また、クランク板146の下面の
周縁部にはクランクピン147が下方向に突設され、こ
のクランクピン147はクランクレバー149の左端部
適所に穿設された丸孔151に遊嵌されている。クラン
クギヤ145が回転すると、クランク板146が一体回
転し、これによりクランクピン147が軸148の回り
を回転してクランクレバー149が左右方向に移動す
る。
【0089】扉開閉遊星ギヤ装置106は、2段ギヤか
らなる遊星ギヤ130、この遊星ギヤ130を所定の軸
134の回りに回転移動可能に支持するキャリア131
及びこのキャリア131に時計方向の回転の付勢力を付
与するねじりコイルバネ136により構成され、扉開閉
モードにおいてカムギヤ138に伝達された駆動モータ
Mの駆動力を遊星ギヤ130を介してクランクギヤ14
5に伝達する。
【0090】扉開閉遊星ギヤ装置106は、カムギヤ1
38の回りであって前面側から見てカムギヤ138の左
横位置に、遊星ギヤ130の上段側のギヤ130b(以
下、第2遊星ギヤ130bという。)をクランクギヤ1
45に噛合させて設けられている(図16参照)。
【0091】キャリア131は軸134と遊星ギヤ13
0の軸135とに回動可能に支持され、キャリア131
のカム139に臨む側面適所には下方に屈曲させて先端
がカム139の第1カム面140aに当接するL字状の
当接片132が形成され、キャリア131のカム139
に臨む側面と反対側の側面適所には係止部133が形成
されている。ねじりコイルバネ136の一方端は上記係
止部133に固定され、他方端は図略の支持板に設けら
れたピン137に固定されている。
【0092】当接片132は遊星ギヤ130の軸134
の回りのカムギヤ138側への回転移動を規制するもの
である。図15に示すように、遊星ギヤ130は下段側
のギヤ130a(以下、第1遊星ギヤ130aとい
う。)がカムギヤ138と同一の高さ位置となる位置に
設けられ、キャリア131にはねじりコイルバネ136
により軸134の回りに時計方向の回転の回転力が付与
されているので、遊星ギヤ130はカムギヤ138と噛
合するべく軸134の回りに回動するが、当接片132
がカム139の第1カム面140aに当接するので、キ
ャリア131の時計回りの回転運動が規制され、これに
より遊星ギヤ130のカムギヤ138側への回動が規制
される。
【0093】従って、カム位置が第1カム面140aの
カム溝141に当接片132が対向する区間(以下、扉
開閉区間という。)になければ、キャリア131の時計
回りの回動が規制され、遊星ギヤ130とカムギヤ13
8とは連結されないので、駆動モータMの駆動力はクラ
ンクギヤ145には伝達されないが、カム位置が扉開閉
区間にあれば、キャリア131の回動規制が解除され、
第1遊星ギヤ130aとカムギヤ138とが連結され、
駆動モータMの駆動力は遊星ギヤ130を介してクラン
クギヤ145に伝達される。
【0094】次に、第1の駆動力伝達機構100におけ
る駆動モータMの駆動力の伝達制御について説明する。
【0095】図17は、カム139の回転位置と上述し
たフィルム巻戻区間、フィルム巻上区間、ローディング
区間及び扉開閉区間との関係を示す図である。
【0096】同図において、XY軸は、Y軸が撮影レン
ズ系2の光軸と平行となるようにカム139の回転中心
Oに設けた直交座標である。角度区間〜はそれぞれ
フィルム巻上区間、扉開閉区間、フィルム巻戻区間及び
ローディング区間に対応するカム139の回転位置であ
る。同図から明らかなように、フィルム巻上区間、扉開
閉区間、フィルム巻戻区間及びローディング区間の各区
間に対応する各角度区間〜はそれぞれ第1象限〜第
4象限に分散させて設けられている。これは駆動力伝達
切換の確実性を考慮したものである。
【0097】カム139の回転基準を第2カム面140
bに形成されたカム溝142とカム溝143とを区切る
凸部144とすると、この凸部144が上記角度区間
〜内に入るようにカム139の角度を制御すること
で、駆動モータMの駆動力の伝達方向の切り換えが行わ
れる。なお、矢印A5方向はカム位置を切り換えるため
のカム139の回転方向である。
【0098】図18はカム位置をフィルム巻上区間に
セットしたときの各当接片115,121,127,1
32のカム面140への当接位置を示す図であり、図1
9はカム位置を扉開閉区間にセットしたときの各当接
片115,121,127,132のカム面140への
当接位置を示す図である。また、図20はカム位置をフ
ィルム巻戻区間にセットしたときの各当接片115,
121,127,132のカム面140への当接位置を
示す図であり、図21はカム位置をローディング区間
にセットしたときの各当接片115,121,127,
132のカム面140への当接位置を示す図である。
【0099】上記のように当接片115,127,13
2が第1カム面140aのカム溝142に対向し、当接
片121が第2カム面140bのカム溝143に対向す
ると、遊星ギヤ112及び遊星ギヤ123はフォークギ
ヤ23に噛合し、遊星ギヤ112及び第1遊星ギヤ13
0aはカムギヤ138に噛合するから、噛合状態を
「○」、非噛合状態を「×」で表すと、カム139の各
カム位置における巻戻遊星ギヤ装置101、巻上遊星ギ
ヤ装置102、スラスト遊星ギヤ装置103及び扉開閉
遊星ギヤ装置106の各遊星ギヤ112,118,12
3,130aの噛合状態は、下表1のようになってい
る。
【0100】
【表1】
【0101】図22〜図25はそれぞれ巻上げモード、
ローディングモード、巻戻しモード及び扉開閉モードの
際の第1の駆動力伝達機構100における駆動モータM
の駆動力の伝達方向を示す図である。
【0102】図22〜図25において、太線の矢印は駆
動モータMの駆動力の伝達方向を示し、細線の矢印は各
ギヤの回転方向を示し、白抜き線の矢印はフィルムFの
移動方向を示している。
【0103】フィルムFの給送に関係する駆動は駆動モ
ータMを時計方向に回転して行われ、カム139のカム
位置の切換えは駆動モータMを反時計方向に回転して行
われる。
【0104】巻上げモードにおいては、図22に示すよ
うに、駆動モータMの駆動力がモータギヤ107、太陽
ギヤ109、減速ギヤ110、カムギヤ138、巻上遊
星ギヤ装置102、伝達軸20、第2の駆動力伝達機構
200及びスプールギヤ19を介して巻取スプール18
に伝達され、これにより巻取スプール18が時計回りに
回転してフィルムFが巻き上げられる。駆動モータMの
駆動力は巻戻遊星ギヤ装置101及びスラスト遊星ギヤ
装置103にも伝達されるが、遊星ギヤ112及び遊星
ギヤ123はフォークギヤ23には噛合してないので、
フォーク22は空回りし、巻取スプール18によるフィ
ルムFの巻上方向移動に従動して回転する。
【0105】ローディングモードにおいては、図23に
示すように、駆動モータMの駆動力がモータギヤ10
7、太陽ギヤ109、減速ギヤ110、カムギヤ13
8、巻上遊星ギヤ装置102、スラスト遊星ギヤ装置1
03及びフォークギヤ23を介してフォーク22に伝達
され、これによりフォーク22が時計回りに回転してフ
ィルムFはフィルムカートリッジKTから押し出され
る。また、駆動モータMの駆動力がモータギヤ107、
太陽ギヤ109、減速ギヤ110、カムギヤ138、巻
上遊星ギヤ装置102、伝達軸20、第2の駆動力伝達
機構200及びスプールギヤ19を介して巻取スプール
18に伝達され、これにより巻取スプール18が時計回
りに回転してこの巻取スプール18に押し出されたフィ
ルムFが巻き取られる。
【0106】巻戻しモードにおいては、図24に示すよ
うに、駆動モータMの駆動力がモータギヤ107、巻戻
遊星ギヤ装置101及びフォークギヤ23を介してフォ
ーク22に伝達され、これによりフォーク22が反時計
回りに回転してフィルムFは巻き戻される。遊星ギヤ1
18はカムギヤ138に噛合してないので、カムギヤ1
38に伝達された駆動モータMの駆動力は巻取スプール
18には伝達されず、巻取スプール18はフォーク22
によるフィルムFの巻戻方向移動に従動して逆回転す
る。
【0107】扉開閉モードにおいては、図25に示すよ
うに、駆動モータMの駆動力はモータギヤ107、太陽
ギヤ109、減速ギヤ110、カムギヤ138、遊星ギ
ヤ130及びクランクギヤ145を介してクランク板1
46に伝達され、このクランク板146の時計回りの回
転によりクランクレバー149が移動して、後述するフ
ィルム巻戻終了後のフィルムカートリッジKTの遮光扉
502の開閉及びカートリッジ蓋8の扉開閉の一連動作
が行われる。
【0108】上記のように、カートリッジ装填室11の
底面11aの室外部に第1の駆動力伝達機構100を設
けるとともに、撮影レンズ系2の下部に第1の駆動力伝
達機構100に伝達軸20で連結された第2の駆動力伝
達機構200を設け、カートリッジ装填室11の外周部
に設けられたフィルム給送用の駆動モータMの駆動力を
第1の駆動力伝達機構100を介してフォーク22に伝
達するとともに、第1駆動力伝達機構100、伝達軸2
0及び第2の駆動力伝達機構200を介して巻取スプー
ル18に伝達するようにしているので、フィルム給送用
の駆動系がコンパクトになっている。
【0109】特に第1の駆動力伝達機構100は、フォ
ークギヤ23に対して同軸もしくは偏心位置にカム13
9が同軸に連結されたカムギヤ138を配設するととも
に、このカムギヤ138の回りに、巻戻しモードにおい
て駆動モータMの駆動力をフォークギヤ23に伝達する
巻戻遊星ギヤ装置101、巻上げモード及びローディン
グモードにおいてカムギヤに伝達された駆動モータMの
駆動力を伝達軸20に伝達する巻上遊星ギヤ装置10
2、ローディングモードにおいて伝達軸20に伝達され
た駆動モータMの駆動力をフォークギヤ23に伝達する
スラスト遊星ギヤ装置103、遮光扉502の開閉とカ
ートリッジ蓋8の扉開閉とを行うクランク機構105及
び扉開閉モードにおいてカムギヤに伝達された駆動モー
タMの駆動力をクランクギヤ145に伝達する扉開閉遊
星ギヤ装置106を配設し、カム139のカム位置を切
り換えることで、各駆動モードにおける遊星ギヤ装置1
01〜103,106の各遊星ギヤ112,118,1
23,130の連結を切換制御するようにしているの
で、カートリッジ装填室11の底面11aの室外部に小
型かつコンパクトに構成することができ、カメラ全体の
小型化に寄与することとなっている。
【0110】次に、扉開閉モードにおける遮光扉502
の開閉動作及びカートリッジ蓋8の扉開閉動作について
説明する。
【0111】図26は、扉開閉モードにおけるクランク
レバー149、遮光扉開閉キー154及びロック解除レ
バー401の各部材の動きを示すもので、(a)は遮光
扉開閉キー154が開の状態(待機状態)を示す図、
(b)はクランクレバー149による遮光扉開閉キー1
54の位置切換え開始時の状態を示す図、(c)は遮光
扉開閉キー154が開位置から閉位置に切り換えられる
途中の状態を示す図、(d)はクランクレバー149が
ロック解除レバー401に当接する直前の状態を示す
図、(e)はクランクレバー149による扉開閉動作が
完了した状態を示す図、(f)は遮光扉開閉キー154
が閉の状態(待機状態)を示す図である。
【0112】扉開閉ボタン10が操作されると、駆動モ
ータMを逆回転させてカム139のカム位置が扉開閉区
間に設定された後、駆動モータMを所定の回転数だけ
時計回りに回転させ、この駆動力をクランクギヤ145
に伝達してクランクレバー149の往復動が行われる。
【0113】クランクギヤ145は駆動モータMの駆動
力により時計回りに約半回転し、これによりクランクレ
バー149が遮光扉502が開状態における所定の待機
位置(以下、開待機位置という。)から遮光扉502が
閉状態における所定の待機位置(以下、閉待機位置とい
う。)まで移動する。なお、上記開待機位置は、クラン
クレバー149の下死点を越えた所定の位置であり、上
記閉待機位置は、クランクレバー149の上死点を越え
た所定の位置である。
【0114】クランクレバー149が開待機位置にある
ときは、クランクレバー149は係合部153′が遮光
扉開閉キー154の軸158よりねじりコイルバネ16
6側となる位置(図26において軸158に対して右側
位置。以下、右側位置という。)に設定されているの
で、遮光扉開閉キー154は係合ピン162が軸158
よりロック解除レバー401側となる位置(図26にお
いて軸158に対して左側位置。以下、左側位置とい
う。)に回動することはない。
【0115】この状態では遮光扉開閉キー154のピン
164は軸158からピン165の方向に引いた線分S
1対して必ず右側に位置し、ねじりコイルバネ166の
付勢力は遮光扉開閉キー154に対し時計回りの回転力
F1として作用するので、遮光扉開閉キー154は当接
片160がストッパー161に当接する開位置に保持さ
れている(図26(a)参照)。
【0116】クランクギヤ145の回転によりクランク
レバー149が所定量だけ移動すると、係合部153が
係合ピン162に係合し(図26(b)参照)、更にク
ランクレバー149の移動に応じて遮光扉開閉キー15
4が開閉位置切換ポイントまで反時計方向に回動される
と(図26(c)参照)、遮光扉開閉キー154は開位
置に切換設定される。すなわち、クランクレバー149
の移動に伴い係合ピン162が線分S1を越える位置
(以下、開閉位置切換ポイントという。)まで遮光扉開
閉キー154が回動すると、ねじりコイルバネ166の
バネ力は遮光扉開閉キー154に対し反時計回りの回転
力F1′として作用するようになるので、遮光扉開閉キ
ー154はねじりコイルバネ166のバネ力により当接
片160がストッパー161′に当接する閉位置まで一
気に逆回転され、この閉位置に保持される(図26
(d)参照)。
【0117】なお、遮光扉開閉キー154が開閉位置切
換ポイントまで回動した時点ではクランクレバー149
の当接部150はロック解除レバー401の被当接部4
04には当接していないので、カートリッジ蓋8の扉開
閉は行われていない。
【0118】クランクレバー149の移動は遮光扉開閉
キー154の位置切換後も継続され、クランク板146
が上死点近傍の所定位置に達すると、当接部150がロ
ック解除レバー401の被当接部404に当接し、カー
トリッジ蓋8の扉開閉動作が開始される(図26(d)
参照)。そして、クランク板146が上死点を越えて回
転すると、これによりロック解除レバー401が軸40
6を中心に反時計回りに扉開閉位置まで回転してロック
機構400の扉開閉が行われる(図26(e)参照)。
【0119】この後、クランクレバー149が開待機位
置まで移動すると、駆動モータMの駆動が停止され、遮
光扉502の閉塞及びカートリッジ蓋8の扉開閉の一連
の動作は完了する(図26(f)参照)。
【0120】なお、遮光扉開閉キー154がねじりコイ
ルバネ166により開位置から閉位置に切り換えられる
と、クランクレバー149の移動における係合ピン16
2の目的は達成されるので、この後は係合ピン162は
凹部152の係合部153から外れ、クランクレバー1
49の移動に応じて凹部152を係合部153側に摺動
するだけとなる。
【0121】また、フィルムカートリッジKTをカート
リッジ装填室11に装填した際の遮光扉502の開放
は、駆動モータMの駆動力によりクランクギヤ145を
時計回りに回転させ、クランクレバー149を閉待機位
置から開待機位置まで移動させて行なわれる。
【0122】すなわち、クランクレバー149が閉待機
位置から開待機位置側に所定量、移動すると、係合部1
53′が係合ピン162に係合し、更なるクランクレバ
ー149の移動に応じて遮光扉開閉キー154が開閉位
置切換ポイントまで時計方向に回動されると、ねじりコ
イルバネ166のバネ力の方向が時計回りの回転力F1
に反転し、遮光扉開閉キー154はねじりコイルバネ1
66のバネ力により当接片160がストッパー161に
当接する開位置まで一気に回転され、これにより遮光扉
502が開放される。
【0123】上記のように、本実施の形態では、クラン
クレバー149の開待機位置から閉待機位置までの移動
区間を2つの区間に分け、前半区間で遮光扉開閉キー1
54を開閉位置切換ポイントまで回動させて遮光扉50
2の閉塞を完全に行い、後半区間でロック解除レバー4
01を扉開閉位置まで回動させてロック機構400の解
除を行うようにしているので、遮光扉502の閉塞動作
とロック機構400の解除動作との間に所要のタイムラ
グが確実に確保され、遮光扉502の完全閉塞後にロッ
ク機構400を解除してフィルムカートリッジKTの取
出しを可能にする一連のフィルムイジェクトの制御を確
実に行うことができる。
【0124】また、遮光扉開閉キー154の開位置及び
閉位置をストッパー161,161′で規定し、ねじり
コイルバネ166のバネ力により遮光扉開閉キー154
の位置切換及び切換後の保持を行うようにしているの
で、遮光扉502の開閉動作を高精度で行うことができ
る。また、遮光扉502の閉塞のためにクランクレバー
149に要するストロークは、遮光扉開閉キー154を
開閉位置切換ポイントまで回動させる分だけなので、比
較的短いストロークで遮光扉502の開閉及びロック機
構の扉開閉の一連の動作を行うことができ、クランク機
構のコンパクト化が可能になっている。
【0125】ところで、フィルムローディングにおい
て、フィルムカートリッジKTからフィルムFを押し出
し、フィルムFの先頭コマを露光位置まで給送した時に
確実にフィルムFが巻取スプール18に巻き付いている
状態にするにはフォーク22によるフィルムFの送出速
度を巻取スプール18によるフィルムFの巻取速度より
十分に遅く(略2倍程度)する必要があるが、本実施の
形態では、駆動モータMの駆動力をフォーク22と巻取
スプール18とに伝達し、しかも駆動モータMから巻取
スプール18までの伝達経路が駆動モータMからフォー
ク22までの伝達経路に比して長いので、第1の駆動力
伝達機構100におけるフォーク22に対する減速比が
比較的大きく、このためフィルムFの送出速度が遅くな
り、フィルムローディングの迅速処理が困難となる。
【0126】そこで、ローディング処理を可及的迅速に
行うため、フィルムFの先端が巻取スプール18とフィ
ルム押え40に確実に挟み込まれた時点で駆動モードを
ローディングモードから巻上げモードに切換え、先頭コ
マを露光位置まで給送するようにしている。
【0127】図27はフィルム給送の制御系のブロック
図であり、図28は上記ローディング処理のシーケンス
を示すフローチャートである。また、図29〜図31
は、フィルムローディングにおけるフィルムFの送出位
置を示す図で、図29はフィルムFの先端がフォトイン
ターラプタPI2の検出位置まで押し出された状態を示
す図、図30は先頭コマKの前端位値を示すパーフォレ
ーション518がフォトインターラプタPI1の検出位
置まで押し出された状態を示す図、図31は先頭コマK
の前端位値を示すパーフォレーション518がフォトイ
ンターラプタPI2の検出位置まで押し出された状態を
示す図である。
【0128】フィルム給送の制御系は、CPU170、
カム位置検出センサ171、フォトインターラプタPI
1,PI2、モータドライバ172及び駆動モータMか
ら構成されている。カム位置検出センサ171はカム1
39のカム位置を検出するもので、例えばカム139の
上部に対向配置されたコード板とカム139の上面に突
設され、このコード板に圧接された3本のブラシとから
なるエンコーダで構成されている。
【0129】カム位置検出センサ171からは各ブラシ
から検出される検出信号(等価的にスイッチのON/O
FF信号)がパラレルに出力され、これによりカム位置
は3ビットのデジタル信号(a1,a2,a3)、例え
ばフィルム巻上区間、ローディング区間、フィルム巻戻
区間及び扉開閉区間の各カム位置に対して(0,0,
1)、(0,1,0)、(0,1,1)、(1,0,
0)の3ビット信号で表されるようになっている。
【0130】CPU170はマイクロコンピュータから
なるフィルム給送系の駆動制御装置である。CPU17
0は、カム位置検出センサ171からの検出信号に基づ
いてカム139のカム位置の切換制御を行い、フォトイ
ンターラプタPI1,PI2の検出信号に基づきフィル
ムFの給送開始及び給送停止を制御する。
【0131】モータドライバ172はCPU170から
の制御信号に基づいて駆動モータMの駆動を制御するも
のである。駆動モータMは、例えばステッピングモータ
からなり、モータドライバ172は駆動モータMに出力
される駆動パルスを制御して回転方向、回転量、回転速
度等の各駆動パラメータを制御する。
【0132】カートリッジ装填室11にフィルムカート
リッジKTが装填され、カートリッジ蓋8のロック後、
コード坂507のバーコードの読取りが行われると、図
28に示すフローチャートに従ってCPU170により
自動的にローディング処理が行われる。
【0133】まず、カム139のカム位置を変更すべく
駆動モータMが逆回転され(#1)、カム位置がローデ
ィング区間に入ると(#2でYES)、駆動モータM
の駆動が停止される(#3)。続いて、駆動モータMが
正回転され(#4)、ローディングモードによりフィル
ムカートリッジKTからフィルムFが押し出される。フ
ィルムFの押し出しは、フォトインターラプタPI2に
よりフィルムFの先端が検出され(図29参照)、か
つ、フォトインターラプタPI1によりパーフォレーシ
ョン517が検出されるまで行われ(#5,#6のルー
プ)、パーフォレーション517が検出されると(#6
でYES、図30参照)、駆動モータMの駆動が停止さ
れ、ローディングモードによるモータ駆動は終了する。
【0134】続いて、カム139のカム位置を変更すべ
く駆動モータMが逆回転され(#8)、カム位置が巻上
区間に入ると(#9でYES)、駆動モータMの駆動
が停止され(#10)、巻上げモードによるモータ駆動
が開始される。すなわち、駆動モータMが正回転され
(#11)、フィルムFが高速で巻き上げられる。そし
て、フォトインターラプタPI2により先頭コマに対す
るパーフォレーション518が検出されると(#12で
YES、図31参照)、駆動モータMの駆動が停止され
(#13)、ローディング処理は終了する。
【0135】上記フローチャートにおいて、フォトイン
ターラプタPI1によりパーフォレーション517が検
出された時点でローディングモードから巻上げモードに
切り換えているのは、この時点でフィルムFの先端が巻
取スプール18に完全に巻き付けられた状態(フィルム
Fがフィルム押え40により巻取スプール18に圧接さ
れた状態)になり、巻取スプール18の巻取力のみでフ
ィルムFの給送が可能になると考えられるからである。
【0136】このように、ローディング処理において
は、フィルムFの先端が巻取スプール18とフィルム押
え40に完全に挟み込まれた後、駆動モードをローディ
ングモードから巻上げモードに切換え、巻取スプール1
8によるフィルムFの巻上げ動作のみでフィルムFの給
送を行うようにしているので、1個の駆動モータMと第
1及び第2の駆動力伝達機構100,200とでフィル
ムローディングを行うようにした場合にもローディング
処理の効率低下を抑制することができる。
【0137】また、フィルムFの先端には切欠516が
形成されているが、この切欠516は、図3に示すよう
に、パーフォレーション517〜519の略中間の位置
に達する切欠きの深さdを有しており、切欠516がフ
ォトインターラプタPI1で検出されたり、されなかっ
たりすることがある。このため、切欠516が必ずフォ
トインターラプタPI1で検出されることを前提とした
フィルム給送制御では、切欠516が検出されなかった
場合、パーフォレーション517を切欠516と誤って
検出されることになり、切欠516はフォトインターラ
プタPI1で検出されないことを前提としたフィルム給
送制御では、切欠516が検出された場合、切欠516
をパーフォレーション517と誤って検出されることに
なり、ローディング処理において先頭コマの撮影領域を
所定の露光位置に正確に給送することが困難となる。
【0138】従って、フォトインターラプタPI2でフ
ィルムFの先端を検出した後は、フォトインターラプタ
PI1がパーフォレーション517を検出するまでフォ
トインターラプタPI2ではフィルムFを検出せず、フ
ォトインターラプタPI1が上記パーフォレーション5
17を検出した後、再びフォトインターラプタPI2で
フィルムFの検出を開始していれば、次にフォトインタ
ーラプタPI2がフィルム無しを検出したときは必ず上
記パーフォレーション517を検出したことになり、フ
ォトインターラプタPI1,PI2による不安定な切欠
516の検出信号を排除することができる。
【0139】なお、上記フローチャートでは、フォトイ
ンターラプタPI1によりパーフォレーション517が
検出されたとき、駆動モードの切換を行なうようにして
いるが、フィルムFの先端がフィルム押え40と巻取ス
プール18間にニップされたとき、駆動モードの切換を
行なうようにしてもよい。この場合、フィルム押え40
と摩擦部材18A間でのフィルム先端のニップ検出は、
例えばフィルム押え40及び巻取スプール18の周面に
設けられた摩擦部材18Aを導電部材で構成するととも
に、フィルム押え40と摩擦部材18A間に電源を供給
し、図27の仮想線で示すように、フィルム押え40と
摩擦部材18A間にフィルムFがニップされることによ
るフィルム押え40と摩擦部材18A間の非導通状態を
CPU170で検出することにより行なうことができ
る。
【0140】この方法では、フィルムFの先端が巻取ス
プール18に完全に巻き付けられた後の最も早いタイミ
ングで駆動モードの切換えが行なわれるので、より迅速
にローディング処理を行なうことがてきる。
【0141】次に、フィルムカートリッジKTのイジェ
クト機構300及びカートリッジ蓋8のロック機構40
0について説明する。
【0142】図32は、フィルムカートリッジKTのイ
ジェクト機構300及びカートリッジ蓋8のロック機構
400を示す斜視図である。フィルムカートリッジKT
のイジェクト機構300は、第1ハウジング部材31A
(図8,図9参照)のカートリッジ装填室11の後面側
の側面を構成する平板部41の外側面に設けられ、カー
トリッジ蓋8のロック機構400は、第1ハウジング部
材31Aの電池収納室12の一部側壁を構成する平板部
42の外側面に設けられている。なお、図32において
は、作図上、第1ハウジング部材31Aは省略してい
る。
【0143】まず、フィルムカートリッジKTのイジェ
クト機構300の構造について説明する。
【0144】カートリッジ蓋8は、横長長方形の一方短
辺の角部を除去してなる五角形の板状をなし、他方の短
辺の両角部にカートリッジ蓋8を回動可能に支持するヒ
ンジ部81,81′が形成されている。カートリッジ蓋
8の内側面の略中央に盤状の基台82が突設され、この
基台82の略中央に上記フォーク24が突設されてい
る。フォーク24は基台82内に設けられたコイルバネ
30により突出する方向に付勢されている(図7参
照)。
【0145】また、基台82の先端部(カートリッジ蓋
8の先端側に面した端部)にカートリッジ蓋8をロック
するための被係合部83が突設されている。被係合部8
3は中央に矩形状の係合孔84が穿設された突片で構成
されている。また、カートリッジ蓋8の内側面であって
基台82のヒンジ部81′を臨む角部に近接する適所に
イジェクトフックレバー301を回動可能に支持する支
持部85が突設されている。
【0146】支持部85は、図33に示すように、略中
央に係合孔86が穿設されるとともに、一方の側縁適所
にこの係合孔86に延びるV溝87が穿設された矩形状
の突片からなる。イジェクトフックレバー301は、そ
の基端部に軸302が突設され、この軸302をV溝8
7から係合孔86に嵌入することによりカートリッジ蓋
8に回動自在に連結されている。なお、係合孔86とV
溝87との境目は軸302の直径より幅寸法の小さい狭
隘部分となっているので、係合孔86に嵌入された軸3
02は容易に係合孔86から離脱することはない。
【0147】上記のように、軸302をV溝87を介し
て係合孔86に嵌入する連結構造としているので、ハウ
ジング31に所要の構成部材を取り付けた後、このハウ
ジング31をカメラ本体1に収納し、最後に第1ハウジ
ング部材31Aに取り付けられたイジェクトフックレバ
ー301とカメラ本体1に取り付けられたカートリッジ
蓋8とを連結することにより本カメラを簡単に組み立て
ることができるようになっている。
【0148】イジェクトフックレバー301は、カート
リッジ蓋8の開動作に連動してカートリッジ装填室11
内に完全に装填されたフィルムカートリッジKTの下端
部をカートリッジ装填口43から突出させ、フィルムカ
ートリッジKTをイジェクトするものである。イジェク
トフックレバー301はS字状を成し、先端にフック3
03が形成され、更にこのフック303の先端内側面
(カートリッジ装填口43に臨む側面)には後述するイ
ジェクト連動レバー313のレバー部314に当接する
当接部303aが形成され、フック303の先端外側面
(カートリッジ装填室11の底面11aに臨む側面)に
は後述する当接片311に当接する当接部303bが形
成されている。
【0149】また、イジェクトフックレバー301の先
端部にはカメラの後面側に突出させてガイドピン304
が設けられている。このガイドピン304は、第1ハウ
ジング部材31Aの平板部41に取り付けられたガイド
板305のガイド溝306に遊嵌されている。ガイド溝
306はカメラの前面側から見て左側に湾曲した弓形の
形状をなし、イジェクトフックレバー301のフック3
03はこのガイド溝306によりカートリッジ蓋8の開
閉動作に連動してイジェクト連動レバー313に近接す
るように案内される。
【0150】ガイド板305と第1ハウジング部材31
Aの平板部41との間であってカメラの前面側から見て
ガイド板305の左端部に対向する位置にフィルムカー
トリッジKTのイジェクトを行うイジェクトレバー30
7が上下動可能に設けられている。
【0151】イジェクトレバー307は、フィルムカー
トリッジKTがカートリッジ装填室11内に完全に装填
し得る位置(図32に示す状態。以下、装填位置とい
う。)とフィルムカートリッジKTの一部がカートリッ
ジ装填口43から突出する位置(図32において下降さ
せた状態。以下、イジェクト位置という。)とを上下動
するようになっている。
【0152】イジェクトレバー307は短冊形の長方形
状を成し、上端にカートリッジ装填室11内に突出させ
てイジェクト爪308が形成され、カメラの前面側から
見て左側縁の上下両端部にカートリッジ装填室11側に
突出させて一対のガイド片309,309′が形成さ
れ、更に同左側縁のガイド片309の下部に後面側に突
出させて突片310が形成されている。ガイド片30
9,309′は平板部41に設けられた上下方向に延び
る図略のガイド溝に嵌入されており、イジェクトレバー
307の上下動のガイドを行う。
【0153】また、カメラの前面側から見てイジェクト
レバー307の右側縁の略中央と下部とに後面側に突出
させて当接片311と突片312とが形成され、イジェ
クトレバー307のガイド板305に対向する面の下端
部適所にイジェクト連動レバー313が回動可能に設け
られている。
【0154】当接片311は、カートリッジ蓋8の閉動
作においてフック303の当接部303bが当接する部
分で、カートリッジ蓋8の閉動作に連動してイジェクト
位置にあるイジェクトレバー307を装填位置に切換設
定するためのものである。
【0155】イジェクト連動レバー313は、カートリ
ッジ蓋8の開動作においてフック303の当接部303
aが当接する部材で、カートリッジ蓋8の開動作に連動
して装填位置にあるイジェクトレバー307をイジェク
ト位置に切換設定するためのものである。イジェクト連
動レバー313は、当接部303aが当接するレバー部
314とフック部315とを有し、このフック部315
と上記突片310との間に引張コイルバネ316が張架
されている。この引張コイルバネ316は、イジェクト
連動レバー313にカメラの前面側から見て時計回りの
回転力を付与するものである。
【0156】突片312はレバー部314の当り部で、
引張コイルバネ316によるイジェクト連動レバー31
3の回動を規制してレバー部314を水平に保持するも
のである。
【0157】また、イジェクトレバー307のガイド板
305に対向する面の上端部適所にピン317が突設さ
れ、このピン317と平板部41適所に突設されたピン
319とにねじりコイルバネ318の両端がそれぞれ回
動可能に支持されている。このねじりコイルバネ318
はイジェクトレバー307の位置切換を行うための駆動
力を付与するものである。
【0158】次に、カートリッジ蓋8のロック機構40
0の構造について説明する。ロック機構400は、ロッ
ク解除レバー401、ロックレバー407、ロック解除
保持レバー416及びねじりコイルバネ423から構成
されている。
【0159】ロック解除レバー401はロックレバー4
07のロック解除動作を行わせる部材である。ロック解
除レバー401は盤状の基部402の周縁適所に表面側
に突出させて被当接部404が形成され、この被当接部
404の形成位置と反対側の周縁適所に裏面側に突出さ
せてレバー部405が形成されている。レバー部405
は中間位置を外方向に直角に屈曲してなるL字状の部材
で、基部402と平行な先端部レバー部405aは先端
がロックレバー407の当り部411を臨むように湾曲
している。基部402の中心には孔403が穿設され、
ロック解除レバー401は支持板167に設けられた軸
406(図16参照)に孔403を嵌入させて水平面内
に回動可能に支持されている。
【0160】ロックレバー407はカートリッジ蓋8の
ロックを行う部材である。ロックレバー407は板部材
からなり、ロックレバー本体408の略中央に孔409
が穿設されている。また、ロックレバー407は、第1
ハウジング部材31Aの平板部42の外側面適所に突設
された軸410を孔409に嵌合させて回動可能に支持
されている。
【0161】ロックレバー407の上端及び下端にはロ
ックレバー本体408の一部をカメラの前面側に切り起
こして長方形状の当り部411と係合爪412とが形成
されている。係合爪412はカートリッジ蓋8に設けら
れた被係合部83の係合孔84に係合してカートリッジ
蓋8のロックを行うものである。
【0162】また、上記係合爪412の上方位置であっ
てロックレバー本体408の右側の側縁(カートリッジ
装填室11側の側縁)適所にロックレバー本体408の
一部を切り欠いて被係合部413が形成されている。こ
の被係合部413は、後述するロック解除保持レバー4
16の係合部422を係合させて保持するものである。
また、ロックレバー本体408の右側の側縁であって被
係合部413から係合爪412に延びる部分は後述する
ロック解除保持レバー416の係止部422に当接する
当接部414となっている。
【0163】更に上記係合爪412の上方位置であって
ロックレバー本体408の左側の側縁適所にロックレバ
ー本体408の一部を切り起こして係止部415が形成
されている。この係止部415はねじりコイルバネ42
3の一方端を支持するものである。
【0164】ロック解除保持レバー416はロック解除
時にカートリッジ蓋8をカートリッジ装填室11から僅
かに開かせるとともに、ロックレバー407のロック解
除状態を保持するものである。ロック解除保持レバー4
16も板部材から成り、保持レバー本体417の略中央
に長手方向に延びる一対の長穴418,418′が穿設
されている。ロック解除保持レバー416は、第1ハウ
ジング部材31Aの平板部42の外側面の下部に上下動
可能に設けられている。上記長穴418,418′には
平板部42の外側面適所に突設された一対のガイドピン
420,420′がそれぞれ遊嵌され、これによりロッ
ク解除保持レバー416の上下動が案内されるようにな
っている。
【0165】保持レバー本体417の下端の右隅部には
保持レバー本体417の一部を切り起こして当接部41
9が形成されている。また、保持レバー本体417の左
側の側縁適所には保持レバー本体417の一部を切り起
こして係止部422が形成されている。この係止部42
2はねじりコイルバネ423の他方端を支持する支持部
材を構成するとともに、ロックレバー407をロック解
除位置に保持する保持部材を構成するものである。
【0166】ロックレバー407の係止部415とロッ
ク解除保持レバー416の係止部422とにはねじりコ
イルバネ423の両端がそれぞれ係止され、このねじり
コイルバネ423のバネ力によりロックレバー407に
反時計回り(図32の矢印A6方向)の回転力が付与さ
れるとともに、ロック解除保持レバー416に下方向
(図32の矢印A7方向)の付勢力が付与されている。
【0167】次に、図34〜図42を用いてフィルムカ
ートリッジKTのイジェクト機構及びカートリッジ蓋8
のロック機構の動作を説明する。
【0168】まず、フィルムカートリッジ装填時におけ
るイジェクト機構とロック機構の動作について説明す
る。
【0169】図34〜図39は、フィルムカートリッジ
装填動作におけるイジェクト機構及びロック機構の各構
成要素の動作を示すもので、カメラの前面側から見た要
部構成図である。
【0170】図34はフィルムカートリッジKTを自重
によりカートリッジ装填室11に装填した状態を示す図
であり、図35はフィルムカートリッジKTをカートリ
ッジ装填室11内に押し込んでいる途中の状態を示す図
であり、図36はフィルムカートリッジKTをカートリ
ッジ装填室11内に完全に押し込んだ状態を示す図であ
り、図37はカートリッジ蓋8の閉塞動作中の状態を示
す図であり、図38はカートリッジ蓋8のロック直前の
状態を示す図であり、図39はカートリッジ蓋8のロッ
ク後の状態を示す図である。
【0171】なお、フィルムカートリッジKTの装填及
びイジェクトは、通常、カートリッジ蓋8を上側に開い
て行われることから、図34〜図39はカメラ本体1の
下面が図面の上側になるように描いている。また、以下
の動作説明では、便宜上、各図における上方向移動を上
昇動作とし、右回りの回転を時計回りの回転とする。
【0172】フィルム未装填時においては、イジェクト
レバー307はイジェクト位置に上昇し、ロックレバー
407はロック解除位置に設定されている(図34の状
態参照)。
【0173】ねじりコイルバネ318の一方端を支持す
るピン319を通る水平方向の線分をS2とすると、ね
じりコイルバネ318の他方端を支持するピン317は
線分S2より上方位置にあり、ねじりコイルバネ318
のバネ力はピン319に対し斜め右上方向(図中、矢印
F2の方向)に作用するので、イジェクトレバー307
はこのバネ力によりイジェクト位置に保持されている。
【0174】また、ロックレバー407の係止部415
にはねじりコイルバネ423のバネ力が斜め左上方向
(図中、矢印F3の方向)に作用するので、ロックレバ
ー407は軸410を中心に反時計回りに回転するが、
ロックレバー407の当接部414がロック解除保持レ
バー416の係止部422に当接してその回転が規制さ
れるので、ロックレバー407はこの回転規制位置(図
34に示す位置。以下、ロック解除位置という。)に保
持されている。
【0175】また、ロック解除保持レバー416の係止
部422にはねじりコイルバネ423のバネ力が斜め右
上方向(図中、矢印F4の方向)に作用するので、ロッ
ク解除保持レバー416は上昇するが、ガイドピン42
0,420′が長穴418,418′の下端に当接して
その上昇移動が規制されるので、ロック解除保持レバー
416はこの上昇規制位置(図34に示す位置。以下、
ロック解除保持位置という。)に保持されている。
【0176】フィルムカートリッジKTのカートリッジ
装填室11への装填は、フィルムカートリッジKTを自
重によりカートリッジ装填室11に装填した後、カート
リッジ装填口43から突出しているカートリッジ下面5
12を指で押し下げることにより行われる。
【0177】フィルムカートリッジKTがカートリッジ
装填室11に装填されたときは、フィルムカートリッジ
KTはカートリッジ上面510がイジェクトレバー30
7のイジェクト爪308に当接するまで自重で下降す
る。イジェクトレバー307はねじりコイルバネ318
によりイジェクト位置に保持されているので、フィルム
カートリッジKTはカートリッジ装填室11内に完全に
装填されることはなく、フィルムカートリッジKTの一
部がカートリッジ装填口43から所定の高さだけ突出し
た状態となっている(図34参照)。
【0178】この後、フィルムカートリッジKTがねじ
りコイルバネ318のバネ力に抗して、イジェクトレバ
ー307のピン319が線分S2を僅かに越える位置ま
で押し下げられると(図35参照)、ピン319に付与
されるねじりコイルバネ318のバネ力は斜め右下方向
に反転し、イジェクトレバー307はねじりコイルバネ
318のバネ力により装填位置まで自動的に下降され、
フィルムカートリッジKTのカートリッジ装填室11へ
の装填は完了する(図36の状態)。
【0179】続いて、カートリッジ蓋8を時計回りに回
動させてカートリッジ装填口43の閉塞動作を行うと、
カートリッジ蓋8の回動に連動してイジェクトフックレ
バー301のフック303がガイド溝306に沿って下
方移動する。カートリッジ蓋8か所定の角度だけ回動す
ると、フック303の当接部303bがイジェクト連動
レバー313のレバー部314に当接するが(図37参
照)、カートリッジ蓋8が引張コイルバネ316のバネ
力に抗して更に係合孔84の先端がロック解除保持レバ
ー416の当接部419に接触するまで回動されると、
イジェクト連動レバー313が反時計回りに回動してレ
バー部314がフック303の移動経路上から退避さ
れ、フック303はレバー部314と突片311との間
に移動する(図38参照)。
【0180】そして、ロック解除保持レバー416に付
与されたねじりコイルバネ423のバネ力に抗して更に
カートリッジ蓋8をカメラ本体1の下面と面一になるま
で回動させると、カートリッジ蓋8の被係合部83に押
されてロック解除保持レバー416が下降移動する一
方、この下降移動により当接部414の係止部422へ
の当接状態が解除されてねじりコイルバネ423のバネ
力によりロックレバー407が反時計回りに回動し、下
降してくる被係合部83の係合孔84に係合爪412が
嵌入してカートリッジ蓋8は自動的にロックされる。
【0181】また、被係合部83に押されて下降したロ
ック解除保持レバー416の係合部422はロックレバ
ー407の被係合部413に係合し、これによりロック
解除保持レバー416の上昇移動が規制されてロック状
態が保持される(図39参照)。
【0182】なお、上記説明では、フィルムカートリッ
ジKTをイジェクト位置から装填位置まで押し下げて装
填する場合について説明したが、フィルムカートリッジ
KTを自重によりカートリッジ装填室11に装填した
後、カートリッジ蓋8の閉動作を行なってもフィルムカ
ートリッジKTをカートリッジ装填室11に装填させる
ことができる。
【0183】すなわち、カートリッジ蓋8の閉動作に連
動してイジェクトフックレバー301のフック303が
下降すると、このフック303の当接部303bがイジ
ェクトレバー307の突片311に当接し、イジェクト
レバー307がフック303に押されて装填位置に下降
され、これによりフィルムカートリッジKTがカートリ
ッジ装填室11内に装填される。
【0184】次に、フィルムカートリッジKTのイジェ
クトにおけるイジェクト機構及びロック機構の動作につ
いて説明する。
【0185】図40〜図42は、フィルムカートリッジ
KTのイジェクト動作におけるイジェクト機構及びロッ
ク機構の各構成要素の動作を示すもので、カメラの前面
側から見た図である。
【0186】図40はカートリッジ蓋8のロック解除直
後の状態を示す図であり、図41はフィルムカートリッ
ジKTのイジェクト直前の状態を示す図であり、図42
はフィルムカートリッジKTのイジェクト後の状態を示
す図である。なお、図40〜図42もカメラ本体1の下
面が図面の上側になるように描いている。
【0187】フィルムカートリッジKTのイジェクト動
作は、上述したように駆動モータMの駆動力によりカー
トリッジ蓋8のロック状態を解除することにより行われ
る。
【0188】すなわち、駆動モータMの駆動力によりク
ランク板146を回動させてクランクレバー149を移
動させると、クランクレバー149の当接部150がロ
ック解除レバー401の被当接部404に当接してロッ
ク解除レバー401が回動され、これによりそのレバー
部405がロックレバー407の当り部411に当接し
てロックレバー407がねじりコイルバネ423のバネ
力に抗して時計回りに回動される。
【0189】このロックレバー407の回動動作により
係合爪412がカートリッジ蓋8の係合孔84から離脱
するとともに、係合部422の被係合部413への係合
が解除され、ロック解除保持レバー416がねじりコイ
ルバネ423のバネ力により上昇する。このロック解除
保持レバー416の上昇動作により当接部419がカー
トリッジ蓋8の被係合部83に当接し、カートリッジ蓋
8の先端部が上方に押し上げられてカートリッジ蓋8は
開放可能状態となる(図40参照)。
【0190】この状態から指でカートリッジ蓋8の先端
を上方に押し上げると、カートリッジ蓋8が反時計回り
に回動してカートリッジ装填口43が開口する。このと
き、カートリッジ蓋8の回動動作に連動してイジェクト
フックレバー301のフック303がガイド溝306に
沿って上昇し、カートリッジ蓋8が所定量だけ回動する
と、フック303がイジェクト連動レバー313のレバ
ー部314に係合する。
【0191】レバー部314はイジェクトレバー307
の突片312により時計回りの回動が規制されているの
で、イジェクトレバー307はこのフック303の上昇
移動によりねじりコイルバネ318のバネ力に抗して上
昇する。そして、イジェクトレバー307のピン319
が線分S2を僅かに越える上方位置までイジェクトレバ
ー307が押し上げられると(図41参照)、ピン31
9に付与されるねじりコイルバネ318のバネ力は斜め
右上方向に反転し、イジェクトレバー307はねじりコ
イルバネ318のバネ力によりイジェクト位置まで自動
的に上昇され、フィルムカートリッジKTのイジェクト
動作が完了する(図42参照)。
【0192】この後、フィルムカートリッジKTは、図
42の仮想線で示すように、カートリッジ蓋8を完全に
開き、カートリッジ装填口43から引き抜くことでカー
トリッジ装填室11から取り出される。
【0193】上記のように、カートリッジ装置室11の
内側面に、係合爪308を当接してフィルムカートリッ
ジKTのイジェクトを行うイジェクトレバー307をそ
の内側面に沿ってイジェクト位置と装填位置間を移動可
能に設けるとともに、上記イジェクトレバー307の移
動範囲の中間位置で付勢方向が反転するねじりコイルバ
ネ318の付勢力によりイジェクトレバー307を上記
イジェクト位置若しくは上記装填位置に保持させる一
方、イジェクトレバー307に突出位置から退避可能に
イジェクト連動レバー313を突設し、また、このイジ
ェクト連動レバー313に接離するように略弓形のガイ
ド溝306が形成されたガイド板305を設けるととも
に、基端部が上記カートリッジ蓋8に回動可能に支持さ
れ、先端部に形成されたフック303が上記ガイド溝3
06に摺動可能に支持されたイジェクトフックレバー3
01を設け、カートリッジ蓋8の開動作に連動してカー
トリッジ装填口43側に移動するイジェクトフックレバ
ー301のフック303をレイジェクト連動バー313
に当椄してイジェクトレバー307をねじりコイルバネ
318の付勢方向の切換位置まで移動させた後、反転し
たねじりコイルバネ318のバネ力でイジェクトレバー
307をイジェクト位置に移動させるようにしているの
で、カートリッジ蓋8の開動作により確実かつ安定して
フィルムカートリッジKTをカートリッジ装填室11か
らイジェクトすることができる。
【0194】また、カートリッジ蓋8の開動作に連動し
たイジェクトフックレバー301のフック303の移動
経路は略弓形でカートリッジ蓋8の開閉区間の中間位置
で上記フック303がイジェクトレバー307のイジェ
クト連動レバー313に当接するようにしているので、
装填時にフィルムカートリッジKTをカートリッジ装填
室11内に挿入してイジェクトレバー307を移動させ
てもこれに連動してカートリッジ蓋8が閉動作を行うこ
とがなく、フィルムカートリッジKTの装填時に操作者
が指詰め等の事故を起こすことがない。従って、容易か
つ安全にカートリッジ装填作業を行なうことできる。
【0195】更に、フック303のカートリッジ装填室
11の奥側への移動ではイジェクト連動レバー313を
フック303の移動経路から退避可能にし、フック30
3がイジェクト連動レバー313に最近接する短区間で
速やかにイジェクト連動レバー313を通過するように
しているので、可及的に短いイジェクトフックレバー3
1のストロークで確実にイジェクト連動レバー313を
突出位置に復帰させることができる。
【0196】ところで、上記ロック機構400は、ロッ
クレバー407を垂直面内に回動させることにより係合
爪412を略水平方向(カメラ本体の横方向)に直線的
に移動させてカートリッジ蓋8の係合孔84に係合させ
るようにしていたが、係合爪412を垂直方向(カメラ
本体の高さ方向)に設けた回転軸の回りに回動してカー
トリッジ蓋8の係合孔84に係合させるようにしてもよ
い。
【0197】図43は、ロック機構の第2の実施の形態
を示す要部斜視図である。同図に示すロック機構は、ロ
ック解除レバー430、ロックレバー436、ロック解
除保持レバー449、ねじりコイルバネ448及び引張
コイルバネ456から構成されている。
【0198】ロック解除レバー430は短冊状の板部材
からなり、解除レバー本体431の基端部に支持部43
2が形成されるとともに、基端部適所に上方向に突出さ
せてクランクレバー149の当接部150が当接する被
当接部433が形成され、先端部に解除レバー本体43
1の先端を下方向に屈曲して係合部434が形成されて
いる。支持部432には孔435が穿設され、ロック解
除レバー430は図略の支持板に設けられた軸406に
孔435を嵌入して回動可能に支持されている。
【0199】ロックレバー436も短冊状の板部材から
なり、ロックレバー本体437の上端部に支持部438
と被係合部439と係止部440とが形成され、下端部
に支持部442と係合爪443とが形成されている。支
持部438及び支持部442はそれぞれ両端を同一方向
に直角に屈曲して形成され、屈曲部近傍に孔441,4
44が穿設されている。被係合部439はロックレバー
本体437の一方側縁の上部適所に支持部438と反端
側に突出させた突片で構成され、この被係合部439に
ロック解除レバー430の係合部434が係合してい
る。また、係止部440は被係合部439の下部にこの
被係合部439と平行な突片で構成され、この係止部4
40にねじりコイルバネ448の一方端が係止されてい
る。なお、ねじりコイルバネ448の他方端は図略のハ
ウジングに固定されている。
【0200】係合爪443は、支持部442の一方側縁
に凹部445を形成してなる鉤形を成し、この係合爪4
43をカートリッジ蓋8の係合孔84に嵌入してカート
リッジ蓋8のロックが行われるようになっている。
【0201】ロックレバー436は、ハウジングに垂直
方向に設けられた一対の軸446,447をそれぞれ孔
441,444に嵌入させて回動可能に支持されてい
る。ロックレバー本体437にはねじりコイルバネ44
8によりカメラの上側から見て時計回り(図中、A8方
向)の回転力が付与されており、これによりロックレバ
ー本体437は係合爪443がカートリッジ蓋8をロッ
クする方向に回動する一方、係合爪443がカートリッ
ジ蓋8の係合孔84に嵌入する位置(以下、ロック位置
という。)まで回動すると、ロック解除レバー430の
係合部434が被係合部439に係合してその回動動作
が規制され、これによりロックレバー436がロック位
置に保持されるようになっている。
【0202】ロック解除保持レバー449も短冊状の板
部材から成り、保持レバー本体450の一方側部の上部
適所に引張コイルバネ456の一方端を支持する支持部
451が設けられ、中間位置に引張コイルバネ456の
他方端を支持する支持突片452が貫通される孔453
が穿設されている。支持突片452は図略のハウジング
に設けられ、支持部451と支持突片452間に張設さ
れた引張コイルバネ456の収縮力により保持レバー本
体450が下方向に付勢されている。
【0203】保持レバー本体450の下端には先端をL
字状に屈曲してロック解除保持用の突片454が形成さ
れ、更にこの突片454の上方位置に保持レバー本体4
50の一方側縁から突出させた突片に折曲加工を施して
カートリッジ蓋8の被係合部83の先端に当接する当接
片455が形成されている。突片454は、ロックレバ
ー本体437が反時計回り(図中、A8と反対の方向)
に回動されると、支持部442の凹部445に嵌入して
係合爪443がカートリッジ蓋8の係合孔84に係合し
ない位置(以下、ロック解除位置という。)にロックレ
バー本体437を保持する作用を行う。また、当接片4
55はロック解除時にカートリッジ蓋8の被係合部83
に当接してカートリッジ蓋8を開方向に押し出す作用を
行う。
【0204】図44は、第2の実施形態に係るロック機
構の動作を示す図で、(a)はロック状態を示す図、
(b)はロック解除が完了した状態を示す図、(c)は
ロック解除の保持状態を示す図である。なお、図44
(a)〜(c)の各図において、上段はロック解除レバ
ー449の回動状態を示し、下段は係合爪443の回動
状態を示している。
【0205】カートリッジ蓋8のロック状態(図44
(a)の状態)からクランクレバー149を往動させて
ロック解除レバー430をカメラの上から見て反時計回
り(図44、矢印A9の方向)に回動させると、これに
連動してロックレバー436が反時計回りに回動し、こ
れにより係合爪443がカートリッジ蓋8の係合孔84
から離脱してロック解除が行われる(図44(b)の状
態)。ロックレバー436がロック解除位置まで回動す
ると、ロック解除保持レバー449が引張コイルバネ4
56により下降され、カートリッジ蓋8は被係合部83
の先端に当接した当接片455に押されて開方向に回動
する一方、突片454が支持部442の凹部445に嵌
入してこのロック解除状態が保持される(図44(c)
の状態)。
【0206】逆にロック解除状態(図44(c)の状
態)からカートリッジ蓋8の閉塞動作を行い、被係合部
83の先端がロック解除保持レバー449の当接片45
5に当接した状態で、更にカートリッジ蓋8が引張コイ
ルバネ456のバネ力に抗してカートリッジ装填室11
側に押し込まれると、ロック解除保持レバー449が上
昇し、突片454によるロックレバー本体437の時計
回りの回動規制が解除されるので、係合爪443が被係
合部83の係合孔84に嵌入してカートリッジ蓋8のロ
ックが行われる(図44(a)の状態)。
【0207】ロックレバー本体437はねじりコイルバ
ネ448による時計回りの付勢力とロック解除レバー4
30による回動規制とによりロック位置に保持され、こ
れによりカートリッジ蓋8のロック状態が保持される。
【0208】ロック機構の第1の実施の形態は、係合爪
443を直線的に移動させているので、係合爪443の
移動範囲分の幅寸法を要する反面、ロック機構の厚みは
薄くできる利点がある。このため、第1の実施の形態で
示したように、電池収納室12と駆動モータMとの隙間
のように狭い空間にロック機構400を構成することが
できる。
【0209】一方、ロック機構の第2の実施の形態は、
係合爪443を回動させているので、係合爪443の回
動範囲分の厚み寸法は要するが、ロック機構400の幅
寸法が小さく、コンパクトになる利点がある。このた
め、第2の実施の形態で示したように、カメラ本体側面
の角部のスペースを有効利用して配設することができ
る。
【0210】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
一方端にカートリッジ装填口を有し、かつ、内側面に、
装填されたフィルムカートリッジに係合させたイジェク
ト爪をカートリッジ蓋に回動可能に設けられたレバー部
材によりこのカートリッジ蓋の開動作に連動してカート
リッジ装填口側に移動させてフィルムカートリッジのイ
ジェクトを行うイジェクト手段が設けられたカートリッ
ジ装填室を有するフィルムカートリッジ装填式カメラで
あって、上記カートリッジ装填室を、上記イジェクト手
段が一体的に構成された上記カートリッジ装填室の一部
側面の側壁を構成する第1のハウジング部材と上記装填
室の他の側面の側壁を構成する第2のハウジング部材と
を組み合わせて構成するようにしたので、イジェクト手
段及びこのイジェクト手段を備えたカートリッジ装填室
を簡単に組み立てることができる。
【0211】また、上記レバー部材を、基端部に係合ピ
ンを有し、上記カートリッジ蓋に突設され、中間に狭隘
部を有する係合溝が形成された支持部材の当該係合溝に
上記係合ピンを圧入して上記支持部材に回動可能に連結
するようにしたので、カメラ本体にカートリッジ装填室
が構成されたハウジングを収納した後、このハウジング
のカートリッジ装填室内に設けられたレバー部材とカメ
ラ本体に設けられるカートリッジ蓋との連結が容易にな
り、カメラの組立性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】新写真システム用フィルムのフィルムカートリ
ッジを上面側から見た斜視図である。
【図2】新写真システム用フィルムのフィルムカートリ
ッジを下面側から見た斜視図である。
【図3】新写真システム用フィルムの構造を示す図であ
る。
【図4】カメラ本体内に設けられたカートリッジ装填
室、露光枠及びフィルム巻取室等の位置関係を示す図で
ある。
【図5】本発明に係るフィルムカートリッジ装填式カメ
ラの外観を示す正面図である。
【図6】本発明に係るフィルムカートリッジ装填式カメ
ラの外観を示す底面図である。
【図7】本発明に係るフィルムカートリッジ装填式カメ
ラの内部構成の概要を示す要部縦断面図である。
【図8】本発明に係るフィルムカートリッジ装填式カメ
ラの内部構成の概要を示す要部横断面図である。
【図9】カートリッジ装填室、撮影レンズ系及びフィル
ム巻取室を構成するためのハウジングの基本構造を示す
斜視図である。
【図10】本発明に係るフィルムカートリッジ装填式カ
メラのフィルム給送系に関する駆動系の基本構成を示す
斜視図である。
【図11】第2の駆動力伝達機構のギヤ連結の解除方法
を示すカメラの底面図である。
【図12】第2の駆動力伝達機構のギヤ連結の解除方法
の第2の実施の形態を示すカメラの底面図である。
【図13】フォークギヤを外部駆動可能にした第1の駆
動力伝達機構の構成を示すカメラの要部上面図である。
【図14】カメラの正面側から見た第1の駆動力伝達機
構の構造を示す要部斜視図である。
【図15】カメラの背面側から見た第1の駆動力伝達機
構の構造を示す要部斜視図である。
【図16】第1の駆動力伝達機構の構造を示す要部平面
図である。
【図17】カムの回転位置とフィルム巻戻区間、フィル
ム巻上区間、ローディング区間及び扉開閉区間との関係
を示す図である。
【図18】カムをフィルム巻上区間にセットしたときの
各当接片のカム面への当接位置を示す図である。
【図19】カムを扉開閉区間にセットしたときの各当接
片のカム面への当接位置を示す図である。
【図20】カムをフィルム巻戻区間にセットしたときの
各当接片のカム面への当接位置を示す図である
【図21】カムをローディング区間にセットしたときの
各当接片のカム面への当接位置を示す図である。
【図22】フィルム巻上げの際の第1の駆動力伝達機構
における駆動モータの駆動力の伝達を示す図である。
【図23】フィルムローディングの際の第1の駆動力伝
達機構における駆動モータの駆動力の伝達を示す図であ
る。
【図24】フィルム巻戻しの際の第1の駆動力伝達機構
における駆動モータの駆動力の伝達を示す図である。
【図25】扉開閉の際の第1の駆動力伝達機構における
駆動モータの駆動力の伝達を示す図である。
【図26】扉開閉モードにおけるクランクレバー、遮光
扉開閉キー及びロック解除レバーの各部材の動きを示す
もので、(a)は遮光扉開閉キーが開の状態(待機状
態)を示す図、(b)はクランクレバーによる遮光扉開
閉キーの位置切換え開始時の状態を示す図、(c)は遮
光扉開閉キーが開位置から閉位置に切り換えられる途中
の状態示す図、(d)はクランクレバーがロック解除レ
バーに当接する直前の状態を示す図、(e)はクランク
レバーによるロック解除動作が完了した状態を示す図、
(f)は遮光扉開閉キーが閉の状態(待機状態)を示す
図である。
【図27】フィルム給送の制御系のブロック図である。
【図28】ローディング処理のシーケンスを示すフロー
チャートである。
【図29】フィルムの先端がフォトインターラプタPI
2の検出位置まで送り出された状態を示す図である。
【図30】先頭コマの前端位値を示すパーフォレーショ
ンがフォトインターラプタPI1の検出位置まで送り出
された状態を示す図である。
【図31】先頭コマの前端位値を示すパーフォレーショ
ンがフォトインターラプタPI2の検出位置まで送り出
された状態を示す図である。
【図32】フィルムカートリッジのイジェクト機構及び
カートリッジ蓋のロック機構を示す斜視図である。
【図33】カートリッジ蓋とイジェクトフックレバーと
の連結構造を示す図である。
【図34】フィルムカートリッジを自重によりカートリ
ッジ装填室に装填した状態を示す図である。
【図35】フィルムカートリッジをカートリッジ装填室
内に押し込んでいる途中の状態を示す図である。
【図36】フィルムカートリッジをカートリッジ装填室
内に完全に押し込んだ状態を示す図である。
【図37】カートリッジ装填室のカートリッジ蓋を閉塞
動作中の状態を示す図である。
【図38】カートリッジ装填室のカートリッジ蓋のロッ
ク直前の状態を示す図である。
【図39】カートリッジ装填室のカートリッジ蓋のロッ
ク後の状態を示す図である。
【図40】カートリッジ装填室のカートリッジ蓋のロッ
ク解除直後の状態を示す図である。
【図41】フィルムカートリッジのイジェクト直前の状
態を示す図である。
【図42】フィルムカートリッジのイジェクト後の状態
を示す図である。
【図43】ロック機構の第2の実施の形態を示す要部斜
視図である。
【図44】第2の実施の形態に係るロック機構の動作を
示す図で、(a)はロック状態を示す図、(b)はロッ
ク解除が完了した状態を示す図、(c)はロック解除の
保持状態を示す図である。
【符号の説明】
1 カメラ本体 2 撮影レンズ系 3 AF測距部 4 ファインダ光学系 5 内蔵フラッシュ 6 グリップ部 7 レリーズボタン 8 カートリッジ蓋 9 電池蓋 10 ロック解除ボタン 11 カートリッジ装填室 12 電池収納室 13,29 丸孔 14 角孔 15,16 シート部材 17 フィルム巻取室 18 巻取スプール 19 スプールギヤ 20 伝達軸 21,26,28 ギヤ 22,24 フォーク 23,25 フォークギヤ 27 キー溝 30 コイルバネ 31 ハウジング 31A 第1ハウジング部材 31B 第2ハウジング部材 32 凹部 37 露光枠 39 露光窓 41,42 平板部 43 カートリッジ装填口 83 被係合部 84,86 係合孔 85 支持部(支持部材) 87 V溝(係合溝) 100 第1の駆動力伝達機構 101 巻戻遊星ギヤ装置 102 巻上遊星ギヤ装置 103 スラスト遊星ギヤ装置 104 カム機構 105 クランク機構 106 扉開閉遊星ギヤ装置 107 モータギヤ 109,116,122 太陽ギヤ 110 減速ギヤ 112,118,123,130 遊星ギヤ 114,120,126,131,206 キャリア 115,121,127,132 当接片 129,136,166,318,423,448 ね
じりコイルバネ 138 カムギヤ 139 カム 140 カム面 141〜143 カム溝 150,445 凹部 145 クランクギヤ 146 クランク板 147 クランクピン 149 クランクレバー 150,414,419 当接部 153,153′,421 係合部 154 遮光扉開閉キー 157 キー部 160,455 当接片 161,161′ ストッパー 162 係合ピン 170 CPU 171 カム位置検出センサ 172 モータドライバ 200 第2の駆動力伝達機構 201〜204 ギヤ 300 イジェクト機構(イジェクト手段) 301 イジェクトフックレバー(レバー部材) 302 軸(係合ピン) 303 フック 304 ガイドピン 305 ガイド板 306 ガイド溝 307 イジェクトレバー 308 イジェクト爪 313 イジェクト連動レバー 316,456 引張コイルバネ 400 ロック機構 401,430 ロック解除レバー 404,433 被当接部 405 レバー部 407,436 ロックレバー 408,437 ロックレバー本体 411 当り部 412,443 係合爪 413 被係合部 416,449 ロック解除保持レバー 417,450 保持レバー本体 431 解除レバー本体 439 被係合部 454 突片 502 遮光扉 504,504′ キーホール 505,506 スプール 513 リーダ部 514 露光部 515 エンド部 516 切欠 517〜519 孔(パーフォレーション) 520 磁気記録部 E 電源電池 F フィルム K コマ KT フィルムカートリッジ M 駆動モータ PI1,PI2 フォトインターラプタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−56233(JP,A) 特開 平7−310735(JP,A) 特開 平4−1624(JP,A) 実開 平4−59833(JP,U) 実開 昭52−159627(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 17/00 - 17/02 G03B 17/26 - 17/34 G03B 17/38 - 17/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方端にカートリッジ装填口を有するカ
    ートリッジ装填室と、カメラ本体に回動可能に設けら
    れ、上記カートリッジ装填口を閉塞するカートリッジ蓋
    と、上記カートリッジ装填室の内側面にこの内側面に沿
    って移動可能に設けられ、装填されたフィルムカートリ
    ッジに係合されるイジェクト爪を、上記カートリッジ蓋
    に回動可能に支持されたレバー部材により当該カートリ
    ッジ蓋の開動作に連動してカートリッジ装填口側に移動
    させて上記フィルムカートリッジのイジェクトを行うイ
    ジェクト手段とを備えたフィルムカートリッジ装填式カ
    メラであって、上記カートリッジ装填室は、上記イジェ
    クト手段が一体的に構成された上記カートリッジ装填室
    の一部側面の側壁を構成する第1のハウジング部材と上
    記装填室の他の側面の側壁を構成する第2のハウジング
    部材とを組み合わせて構成されていることを特徴とする
    フィルムカートリッジ装填式カメラ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフィルムカートリッジ装
    填式カメラにおいて、上記レバー部材は、基端部に係合
    ピンを有し、カートリッジ蓋に突設され、中間に狭隘部
    を有する係合溝が形成された支持部材の当該係合溝に上
    記係合ピンを圧入して上記支持部材に回動可能に連結さ
    れていることを特徴とするフィルムカートリッジ装填式
    カメラ。
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