JP3230326B2 - カメラ - Google Patents

カメラ

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JP3230326B2
JP3230326B2 JP08051393A JP8051393A JP3230326B2 JP 3230326 B2 JP3230326 B2 JP 3230326B2 JP 08051393 A JP08051393 A JP 08051393A JP 8051393 A JP8051393 A JP 8051393A JP 3230326 B2 JP3230326 B2 JP 3230326B2
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cartridge
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lid
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章 船橋
道広 岩田
滋 和田
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ミノルタ株式会社
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  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)
  • Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラの中にフィルム
カートリッジが装填されていてカートリッジ室の蓋をあ
けるとフィルムを誤って露光してしまう場合に、蓋が開
くのを防止するためのロック機構を備えたカメラに係
り、特に、いわゆるスラストタイプのカートリッジを使
用してカートリッジ室の蓋ロック機構を有するカメラに
関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】例えば、特開昭55−46
732号公報及び特開昭54−128732号公報に、
カートリッジ室の蓋を誤って開くのを防止するための蓋
ロック機構が開示されている。前者に開示されたロック
機構では、フィルム巻き上げ用のスプール軸の一部に小
径部を形成するとともに、先端がこの小径部を押圧する
ように付勢されたレバーを設け、フィルムをレバーの先
端と小径部の間を通してスプール軸に巻き付けたときに
生じるレバーの傾動に連動して蓋の開閉機構をロックす
るようにしている。また、後者に開示されたロック機構
では、フィルムの装填を検知するセンサ等を設け、フィ
ルムの検知時に、マグネット等を用いて蓋の開閉機構を
ロックするようにしている。
【0003】しかし、前者のロック機構では、スプール
軸にフィルムを巻き付けたとき、フィルムがレバーの先
端で小径部の外周面の方へ押さえ付けられるので、フィ
ルムの曲げ強さにばらつきがあると、場合によってはフ
ィルムが湾曲し、蓋が正しくロックされない虞がある。
しかも、フィルムをレバーで押すために、フィルムに傷
が付いたり、撮影駒に十分な平面度が得られない虞があ
る。また、後者のロック機構では、蓋をロックするため
にマグネット等の専用のアクチュエータを用いているの
で、コストアップやカメラの大型化などといった問題が
生じる。
【0004】ところで、従来より、カメラに装填してい
ないときにはフィルムをケース内に先端のリーダー部ま
で全て巻き込んでいて、装填後にカメラ側のフィルム給
送機構でフィルムをカートリッジ内から送り出してスプ
ール軸に巻き付けるようにした、いわゆるスラストタイ
プのカートリッジが提案されている。このスラストタイ
プのカートリッジを使用するカメラでは、カートリッジ
をカートリッジ室に対してカートリッジスプールの軸方
向へ出し入れできるので、カートリッジ室の蓋を比較的
小さくしてカメラ本体の上面もしくは下面に設けること
ができる。このタイプのカメラでは、フィルムがカート
リッジから引き出されているときにユーザーがカートリ
ッジ室の蓋をあけてカートリッジを無理に取り出そうと
すると、フィルムを露光してしまうだけでなく、フィル
ムが破れ、破れたフィルムがカメラ内に残ってしまう虞
がある。その場合、カートリッジ室の蓋が小さいため
に、破れたフィルムを使用者が取り出すことは困難であ
り、修理が必要な場合も生じる。
【0005】また、このスラストタイプのカートリッジ
で、カートリッジスプールと一体的に回転する指標を設
けるとともに、未撮影や撮影済みなどの表示マークをカ
ートリッジケースに設け、フィルムの巻き戻し時にカー
トリッジスプールの停止位置を制御することによってフ
ィルムの使用状態を表示するものが提案されている(た
とえば、特開平3−267933号公報参照)が、この
ように構成されたカートリッジでは、指標の位置合わせ
が完了する前にカートリッジが取り出されると、適切な
表示が行なわれないことになるので、それを防止するた
めにも、カートリッジ室の蓋が不必要に開かないように
することが好ましい。もし位置合わせが終わる前にカー
トリッジが取り出されると、カートリッジ側で間違った
使用状態が表示されることになり、例えば1度使用した
フィルムを再度装填したときに、誤って二重露光してし
まうという問題が生じる虞がある。
【0006】このように、スラストタイプのカートリッ
ジを用いるカメラでは、特に、カートリッジ室の蓋が不
必要に開かないようにすることが望まれる。したがっ
て、本発明の解決すべき技術的課題は、スラストタイプ
のカートリッジを使用するカメラにおいて、フィルムが
カートリッジケースから引き出されているときに、蓋が
開くのを確実に防止でき、しかもカメラの大型化やコス
トアップを防止できるロック機構を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の技術的課題を解決
するため、本発明に係るカメラのカートリッジ室蓋ロッ
ク機構は以下のように構成されたことを特徴としてい
る。
【0008】すなわち、このカメラは、フィルムの使用
状態を示す表示部材を備えたフィルムカートリッジを収
容するカートリッジ室と、上記カートリッジ室を開閉す
る蓋とを備え、上記カートリッジ室に収容されたフィル
ムカートリッジのスプールを所定回転位置に停止させる
ことによって上記表示部材にフィルムの使用状態を表示
させる機構を備えたカメラであって、上記スプールを回
転させるための駆動力を出力する駆動源と、上記スプー
ルを回転させる駆動部材と、上記駆動源から上記駆動部
材へ駆動力を伝達する伝達機構と、記蓋の開放を禁止
するロック解除禁止位置と上記蓋の開放を許容するロッ
ク解除許容位置との間で可動であるように設けられ、上
記伝達機構が所定位置に作動するときこれにともなって
ロック解除許容位置に移動するロック部材と、フィルム
がフィルムカートリッジに巻き戻された後、上記伝達機
構と上記駆動部材を介して上記スプールを所定位置まで
回転させることによって上記表示部材にフィルムの使用
状態の表示を行わせ、表示が完了した後、上記伝達機構
によって上記ロック部材を上記ロック解除許容位置に移
動させるよう各部の動作を制御する制御手段とを備えた
ことを特徴としている。また、上記伝達機構は、上記駆
動力の伝達を接続する第1状態伝達を切断する第2状
態との間で可動であるように構成され、上記ロック部材
は、上記伝達機構に連動するように設けられ、上記伝達
機構が第1状態に作動するとき上記ロック解除禁止位置
に、上記伝達機構が第2状態に作動するとき上記ロック
解除許容位置に移動するようにされているのが好まし
い。さらに、上記伝達機構は、所定範囲内で相対回転可
能であるとともに、上記所定範囲を超えて回転されると
き一体的に回転する第1部材と第2部材とを含み、上記
ロック部材は、上記第1部材と第2部材との相対回動に
よって、上記ロック解除禁止位置と上記ロック解除許容
位置とに移動するようにされているのが好ましい。また
上記ロック部材は、上記第1部材と第2部材が上記所定
範囲の両端位置にあるときロック位置にあり、上記第1
部材と第2部材が上記所定範囲の中間位置にあるときロ
ック解除位置にあるのが好ましい。また本発明の別のカ
メラは、フィルムの使用状態を示す表示部材を備えたフ
ィルムカートリッジを収容するカートリッジ室と、上記
カートリッジ室を開閉する蓋とを備え、上記カートリッ
ジ室に収容されたフィルムカートリッジのスプールを所
定回転位置に停止させることによって上記表示部材にフ
ィルムの使用状態を表示させる機構を備えたカメラであ
って、上記蓋の開放を禁止するロック解除禁止位置と上
記蓋の開放を許容するロック解除許容位置とに移動する
ロック部材と、フィルムがフィルムカートリッジに巻き
戻された後、上記スプールを所定位置まで回転させるこ
とによって上記表示部材によってフィルムの使用状態の
表示を行わせ、上記表示部材による表示が完了した後、
上記ロック部材を上記ロック解除許容位置に移動させる
よう各部の動作を制御する制御手段とを備えたことを特
徴としている。
【0009】
【作用・効果】上記構成においては、フィルムの巻き戻
しとフィルムの使用状態の表示を行うためにフィルムカ
ートリッジのスプールを回転させる駆動力の伝達機構の
作動に基づいて蓋のロックとロック解除が制御され、カ
ートリッジの装填後、巻き戻し完了まで、蓋はロックさ
れた状態に止どまる。そして、巻き戻し完了後、フィル
ムの使用状態の表示完了後にカートリッジ室の蓋のロッ
ク解除が許容されるので、フィルムが完全に巻き戻さ
れ、全ての動作が完了してはじめて蓋の開放が可能とな
る。
【0010】一方、巻き戻しが完了してカートリッジで
のフィルム使用状態の表示設定が完了した場合に、第1
部材と第2部材とが相対可動範囲内となるように駆動源
の動作が制御されるので、ロック部材がロック解除位置
となり、蓋の開閉を行うことができる。
【0011】このように、上記構成によれば、専用のア
クチュエータを用いなくても、蓋を開く必要のある場合
以外は確実にカートリッジ室の蓋をロックできるから、
カメラが大型化したりコストアップしたりすることな
く、誤操作によるフィルムの露光を防止できる。また、
カートリッジ側でフィルムの使用状態がセットされるま
ではカートリッジを取り出すことができないので、一度
使用したカートリッジを再度装填した場合に、二重露光
してしまうという問題が発生するのを防止できる。
【0012】
【実施例】以下に、図1から図10に示した本発明の第
1実施例に係るカメラについて詳細に説明する。
【0013】このカメラで使用するカートリッジ1は、
カートリッジ室に装填されていないときにはフィルムを
カートリッジケース内に先端のリーダー部まで全て巻き
込んで収納し、カートリッジ室内に装填したときに、カ
メラ内に設けられたフィルム給送機構によりフィルムを
カートリッジケースから送り出してスプール軸に巻き付
ける、いわゆるスラストタイプのカートリッジである。
また、収納しているフィルムが未撮影、全駒撮影済み、
あるいは途中の駒まで撮影済みのいずれであるかをカー
トリッジ単体のときに表すため、図示していないがこの
カートリッジ1のケースにはその三種類の表示マーク
が、カートリッジスプールには指標が設けられており、
巻き戻し時のカートリッジスプールの停止位置をフィル
ム給送機構で制御してフィルムの使用状態を表示するよ
うになっている。
【0014】図1はこのカメラの斜視図、図2は底面図
を示している。このカメラでは、カートリッジ1は、カ
メラを正面(撮影レンズ2側)から見て左下のコーナー部
分に設けられた蓋3をあけたところに設けられているカ
ートリッジ室に対し、カートリッジスプールの軸方向へ
出し入れするようになっている。カートリッジ室の蓋3
は、その隣に操作部材として設けられた開閉レバー4が
図の位置(第1位置)にあるときに閉じた状態に保持さ
れ、この位置から右方向へスライドさせた位置(第2位
置)で開くことができるようになっている。また、開閉
レバー4を第2位置に向かって操作すると、操作検知ス
イッチ5を構成する左側の接片が右側の接片に押し付け
られて、そのときに発生する電気信号がカメラの制御に
用いられる。なお、図中の符号6はファインダー及び測
光・測距ユニット、7はフラッシュを示している。
【0015】本実施例のカートリッジ室蓋3のロック機
構は、フィルム給送機構の動作に連動してカートリッジ
室の蓋3を開閉規制するようになっている。そこで、図
3〜図7を用いて、フィルム給送機構について説明す
る。
【0016】図3はフィルムの給送機構とカートリッジ
室蓋3のロック機構を蓋3のロック状態で示す要部断面
図、図4はフィルム給送機構をフィルム巻き上げ状態で
示す底面図、図5はフィルム給送機構と蓋3のロック機
構を蓋3のロック解除状態で示す要部断面図、図6はフ
ィルム給送機構をフィルム巻き戻し状態で示す底面図で
ある。
【0017】フィルムの給送機構は、モータMと、この
モータMの回転をカートリッジスプールに噛み合うフォ
ーク11とフィルム巻き上げ用のスプール軸12とに伝
達するギヤ列とから構成されている。モータMの回転
は、まずこのギヤ列内のギヤ10に入力され、そこで分
岐されてフォーク11とスプール軸12に伝えられる。
【0018】スプール軸12側では、まず、ギヤ10に
図の右側から噛合する太陽ギヤ13が設けられている。
この太陽ギヤ13の回転軸(不図示)には遊星キャリア1
4が揺動可能に保持されている。遊星キャリア14は太
陽ギヤ13と噛合する遊星ギヤ15を摩擦伝動機構を介
して保持しており、太陽ギヤ13の回転方向に応じて、
遊星ギヤ15が、スプール軸12と一体的に回転するス
プールギヤ16に噛合する位置と離反する位置とを取り
得るようになっている。なお、遊星ギヤ15がスプール
ギヤ16から離れる方向へ遊星キャリア14が揺動する
場合の動作範囲の限度は、カメラボディ側に設けられた
不図示のストッパーによって定められている。
【0019】一方、ギヤ10に対して図の左側から噛合
しているのはギヤ17(第1制御部材)である(図3)。ギ
ヤ17と同軸上には、このギヤ17に対して所定範囲内
で相対回転可能なギヤ18(第2制御部材)が配置されて
いる。また、その同軸上には、さらに、ギヤ17,18
に対して軸方向へ可動に構成されたロック部材19が設
けられていて、これらのギヤ17,18とロック部材1
9とによりロックギヤ20が構成されている。ギヤ18
は、ギヤ17がギヤ18との相対可動範囲を越えて回転
したときに回転して、ギヤ21に回転を伝達するように
なっている。つまり、ギヤ17がロックギヤ20の入力
ギヤ、ギヤ18が出力ギヤとして構成されている。
【0020】ギヤ21の回転軸(不図示)には、L字形の
遊星キャリア22が揺動可能に保持されている。遊星キ
ャリア22は、太陽ギヤ21と噛合する2個の遊星ギヤ
23,24をそれぞれ摩擦伝動機構を介して保持してお
り、太陽ギヤ21の回転方向に応じて、この遊星ギヤ2
3,24のいずれか一方がギヤ25と噛合するようにな
っている。ギヤ25は、カメラ内を上下に延びる軸26
の下端部に固定されており、その上端部には、フォーク
11に一体的に形成されたフォークギヤ11aと噛合す
るギヤ27が固定されている。
【0021】図3及び図5に示すように、カートリッジ
室の蓋3は、カメラのボディに設けられた軸28によ
り、開閉可能に保持されている。この蓋3は、係止凹部
3aを有しており、開閉レバー4は、この係止凹部3aと
係脱可能な係止端部4aを有している。また、開閉レバ
ー4は、スプリング29によって、係止端部4aがカー
トリッジ室の開口部の側端面から突出する方向、つまり
図の左側へ向かって付勢されており、蓋3を閉じて係止
端部4aが係止凹部3aに係止したときに、その閉状態が
保持されるようになっている。一方、開閉レバー4を図
の右方向へスライド操作すると、係止端部4aが係止凹
部3aから外れ、カートリッジ室の蓋3を開くことがで
きる。なお、蓋3の開閉を検知するため、カートリッジ
室には検出部が蓋3の開閉に伴って動く検知スイッチ3
0が設けられている。
【0022】開閉レバー4は、フィルム給送機構の動作
に伴ってギヤ17,18の相対関係が変化することによ
って、その位置が規制されるようになっている。そこ
で、次にロックギヤ20の構成と動作について、図7及
び図8を用いて詳細に説明する。
【0023】図7は、ロックギヤ20の分解斜視図、図
8(a),(b),(c)は、それぞれロックギヤ20の動作状態
を示す斜視図である。入力ギヤ17は、その中心に大略
円形の貫通穴17aを有し、この貫通穴17aにロック部
材19が嵌合している。入力ギヤ17及びロック部材1
9は、それぞれ、互いに係合するキー状の突起17b及
びキー溝19aを有し、ロック部材19が、入力ギヤ1
7に対して軸方向へのみ移動することができるようにな
っている。ロック部材19は中心に軸受け穴19bを有
し、この軸受け穴19bが、出力ギヤ18と一体的に形
成された軸18aと回転可能に嵌合している。
【0024】入力ギヤ17と出力ギヤ18の対向面には
互いに相手側へ向かって突出する突起17c,18b(回転
伝達手段)が形成され、両突起17c,18b同士が当接し
ない範囲内でのみ、入力ギヤ17と出力ギヤ18とが相
対的に回転可能になっている。一方、出力ギヤ18の下
面には傾斜面からなるカム面18cが形成され、ロック
部材19には、両ギヤ17,18の相対回転時にこのカ
ム面18cに従動するカムフォロアとして作用するピン
19cが形成されている。ロック部材19は、カメラへ
の組み付け時にスプリング31(図5)によって上方へ付
勢され、カムフォロア19cが常時カム面18cと当接す
るようになっている。カム面18cは、入力ギヤ17と
出力ギヤ18の両突起17c,18b同士が当接したと
き、つまり相対回転可能な範囲の両端となったときに、
ロック部材19が最も下降し、その範囲のちょうど真ん
中となったときにロック部材19が最も上昇して入力ギ
ヤ17内に入るように形成されている。
【0025】このロック手段の動きについて簡単に説明
する。まず、図8(b)のように両ギヤ17,18が相対可
動範囲の中間にあるときにモータMの回転が入力ギヤ1
7に伝達されると、フォーク11に噛み合ったカートリ
ッジスプールが出力ギヤ18の駆動負荷となっているた
めに、最初は出力ギヤ18が停止したまま、入力ギヤ1
7だけが出力ギヤ18に対する相対可動範囲内で回転す
る。そうすると、ロック部材19が入力ギヤ17と一緒
に回転するので、カム面18cとカムフォロアピン19c
との作用によりロック部材19が下降する(図8(a),
(c))。このため、ロック部材19が開閉レバー4のスラ
イド操作を禁止する位置まで進み、蓋3の開閉が禁止さ
れる。両突起17c,18bの端面同士が当接した後は、
ロック部材19が最も下がった状態を保って入力ギヤ1
7と出力ギヤ18とが一体的に回転することになる。
【0026】一方、入力ギヤ17が図8(a),(c)の位置
から逆方向へ回転するとロック部材19は上昇し、その
相対回転範囲の中間で、入力ギヤ17の中に収納された
状態となる(図8(b))。カートリッジ1の装填前、ロッ
ク手段20はこの状態に設定されており、ロック部材1
9が開閉レバー4から退避しているので、このときには
蓋3を操作することができる。
【0027】このカメラにおける蓋ロック機構に関連す
る部分の概略の回路構成を、図9のブロック図に示して
いる。図において、CPUはカメラの動作を制御するマ
イクロコンピュータ、S1は図2に符号5で示した開閉
レバー操作検知スイッチ、S2は図3,図5に符号30
で示したカートリッジ室蓋開閉検知スイッチ、ENはフ
ォーク11の位置を検知するためのフォーク位置検知エ
ンコーダ、S3はフィルムの途中巻き戻しスイッチ、P
Iはフィルム給送モータの回転量を検出するためのフォ
トインタラプタ(このフォトインタラプタはフィルム給
送モータの回転数に対応したパルス信号を発し、それを
マイコンCPUでカウントしてモータの回転量を検出す
るようになっている)、S4はカートリッジ装填検知ス
イッチ、DRはフィルム給送モータMのドライバーであ
る。
【0028】次に、本実施例のカメラの動作を、図10
に示したフローチャートを用いて説明する。まず、ステ
ップ#001,#002で蓋が開かれてカートリッジが
装填されると、ステップ#003で、カートリッジ室蓋
開閉検知スイッチS2がオンになるとき、つまり、蓋3
が閉じられるときを待つ。蓋3が閉じられたと判断する
と、ステップ#004でモータMが正転を開始する。こ
のとき、ギヤ10は図4に示すようにカメラの底面から
見て時計回り方向へ回転し、これに伴ってロック部材1
9が入力ギヤ17の中から下降して、開閉レバー4のス
ライド操作が禁止される(図3)。
【0029】モータMの回転をさらに続けて、両突起1
7c,18bの端面同士が当接すると、出力ギヤ18が入
力ギヤ17とともに回転する。したがって、それ以降
は、モータMの回転がこの出力ギヤ18から太陽ギヤ2
1、遊星ギヤ23、ギヤ25,27及びフォークギヤ1
1aを介してカートリッジスプールに伝達され、スプー
ルが図4の反時計回り方向へ回転してフィルムがカート
リッジ1内からフィルム巻き上げ用スプール軸12側へ
送り出される。なお、モータからの駆動力による回転速
度は、フォークギヤ11aの方がスプールギヤ16より
も低速となるように定められている。したがって、フィ
ルムがスプール軸12に巻き付いた後は、フィルムがス
プール軸から引っ張られて、フォーク11がモータ駆動
時よりも高速で回転するので、ギヤ23がギヤ25では
ねられて、この部分での動力伝達が遮断されることにな
る。
【0030】ステップ#004でモータMが正転を開始
した後、次に、ステップ#005で途中巻き戻しスイッ
チS3が操作されたかどうかが判別される。この操作が
行なわれていなければ、ステップ#006で、レリーズ
スイッチの操作があったときに、撮影動作、つまり、測
光、測距、シャッター制御の各動作が行なわれる。この
ステップ#006での一駒撮影動作が終了すると、次の
ステップ#007においてフィルムが一駒巻き上げられ
る。さらに、ステップ#008においてその時点でフィ
ルムが最終駒まで撮影完了したかどうかを判別した後、
最終駒まで達していないとき場合はステップ#005へ
戻る。このため、一駒撮影する毎に、最終駒に達したか
どうか、そして途中巻き戻しの操作があったかどうかが
判別されることになる。
【0031】一方、ステップ#005での判別の結果、
途中巻き戻しスイッチS3の操作が確認された場合は、
ステップ#009においてモータMを逆転させてフィル
ムの巻き戻しを開始する。そして、フィルムをカートリ
ッジケース内に完全に巻き込んだ後、ステップ#010
においてフォークエンコーダENからの出力信号を検出
して、カートリッジスプールの停止位置が途中取り出し
表示に対応した位置となったときにモータMを停止させ
る。また、ステップ#008での判別の結果、フィルム
が全駒撮影完了したと判断した場合は、ステップ#01
1においてモータMを逆転させてフィルムの巻き戻しを
開始する。この場合には、フィルムをカートリッジケー
ス内に完全に巻き込んだ後、ステップ#012で、フォ
ークエンコーダENからの出力信号を検出して、カート
リッジスプールの停止位置が撮影済み表示に対応した位
置となったときにモータMを停止させる。
【0032】このようにしてカートリッジスプールの停
止位置を制御した後、ステップ#013では、ロック部
材19が入力ギヤ17の中に収納されるまで、つまり、
入力ギヤ17が出力ギヤ18に対してその相対可動範囲
の約半分だけ回転するまでモータMを正転させる。この
とき、出力ギヤ18は、フォーク11及びそれに噛み合
ったカートリッジスプールが駆動負荷となっていて回転
しないから、ロック部材19が上昇して開閉レバー4の
スライド操作の規制が解除されることになる。したがっ
て、ステップ#014及び#015において、蓋3を開
いてカートリッジを取り出すことができる。
【0033】このように、本実施例では、フィルムの給
送機構中に設けた入力ギヤ17と出力ギヤ18の相対可
動範囲の両端で開閉レバー4の操作を禁止し、その可動
範囲の両端よりも内側で開閉レバー4の操作を可能とす
るとともに、フィルムがカートリッジから引き出されて
いるときには入力ギヤ17が出力ギヤ18に対して可動
範囲の両端位置となるようにフィルム給送モータMを制
御しているので、専用のアクチュエータを用いることな
く、カートリッジ室の蓋3のロックを行うことができ
る。したがって、開閉レバー4の誤操作によるフィルム
の誤露光を防止でき、しかも、カートリッジ1の使用状
態表示が正しく行なわれないままカートリッジ1が取り
出されるのを防止できる。
【0034】次に、図11から図21に示した第2実施
例に係るロック機構を備えたカメラについて説明する。
このカメラも、第1実施例と同様、スラストタイプのカ
ートリッジを使用するカメラであり、ロック機構がフィ
ルム給送機構の動きに連動するようになっている。
【0035】図11は、このカメラのフィルム給送系の
概略構成を示すブロック図である。図示するように、フ
ィルム給送モータMの出力は減速系101に伝達された
後、フィルム巻き上げ用のスプール軸102へはワンウ
ェイクラッチ103とスプールギヤ102aを介して伝
達され、スプール軸102が一方向へのみ回転駆動され
るようになっている。また、モータMの出力は、カート
リッジスプールと噛み合うフォーク104へは、遊星ク
ラッチ105と、蓋のロックが必要な場合に蓋開閉操作
レバー106の操作を禁止する制御手段107とを介し
て伝達され、モータMの回転方向に応じてフォーク10
4が正逆回転するようになっている。
【0036】図12には、このフィルム給送系のうち、
遊星クラッチ105からフォーク104の間の構成を詳
細に示している。遊星クラッチ105は、太陽ギヤ11
0と、太陽ギヤ110の回転軸110aに揺動可能に支
持されたL字形の遊星キャリア111と、それぞれ太陽
ギヤ110に噛合するように遊星キャリア111の先端
2箇所に摩擦伝動機構を介して保持された2個の遊星ギ
ヤ112,113と、太陽ギヤ110の回転方向に応じ
て遊星ギヤ112,113のいずれか一方が噛み合うギ
ヤ114とから構成されている。
【0037】ギヤ114と噛合しているのは、第1制御
部材115に形成された入力ギヤ115aであり、この
第1制御部材115と、出力ギヤ116aを有する第2
制御部材116とでロックギヤ117(図11の符号1
07に相当する)が構成されている。第1制御部材11
5と第2制御部材116は、一定の範囲内では相対的に
回転できるように構成されている。そのために、第1制
御部材115は、第2制御部材116の軸受け穴116
bに嵌入する軸115bを有し、この軸115bには径方
向に相対する位置2箇所にキー状の突起115cが形成
され、軸受け穴116bには、この突起115cが一定の
範囲内で回転できる溝116cが形成されている。ま
た、第1制御部材115及び第2制御部材116には、
それぞれ円板状の制御部115d及び116dが形成さ
れ、両制御部115d,116dには、それぞれ、第1制
御部材115が第2制御部材116に対して相対可動範
囲のちょうど中間に位置しているときに互いに重なる制
御溝(カム手段)115e,116eが形成されている。
【0038】118,119は、両制御溝115e,11
6eが重なったときに先端がその中に入りこむようにス
プリング125で付勢された従動レバー(カムフォロア)
であり、両溝115e,116eの位置がずれているとき
には先端が溝から外れて制御部115d,116dの外周
面と接触するようになっている。従動レバー118,1
19は共に軸120に固定され、互いに一体的に回転す
るようになっている。また、この従動レバー118,1
19の先端が制御溝115e,116eの中に入ったとき
にオンとなるロック検知スイッチ121が、下側の従動
レバー118の近傍に設けられている。
【0039】軸120には、図では上方に分離して示し
た制御レバー(ロック部材)122が固定されており、こ
の制御レバー122が従動レバー118,119と一体
的に回転するようになっている。この制御レバー122
は先端に爪122aを有し、蓋開閉操作レバー106
は、この爪122aと係合する突起106aを有してい
る。蓋開閉操作レバー106とカートリッジ室蓋(不図
示)は、互いに係脱可能な係合爪106b,123を有
し、制御レバー122の爪122aが操作レバー106
の突起106aと係合しているときに、カートリッジ室
の蓋を閉じた状態に保持することができるようになって
いる。なお、操作レバー106は、スプリング124に
より、係合爪106b,123が係合した状態に保持され
る方向へ付勢されている。
【0040】一方、出力ギヤ116aはギヤ126と噛
合し、このギヤ126がフォーク104に一体的に形成
されたフォークギヤ104aと噛合している。フォーク
ギヤ104aはボス104bを有し、このボス104bに
は、その停止位置を制御するためにエンコーダ127が
設けられている。エンコーダ127は、2枚の接片12
7aと、ボス104aの外周面の所定位置に固着された導
板127bとから構成されている。フォーク104の停
止位置制御は、このエンコーダ127により検出した基
準位置に対してモータMの回転量を例えばパルス数で制
御する方法などにより行うことができる。
【0041】図13は、このカメラの回路構成を示すブ
ロック図である。図示するように、このカメラでは、全
体的な制御を行う制御回路であるマイクロコンピュータ
CPUに、以下のような回路、装置及びスイッチが接続
されている。まず、LMは、被写体の輝度を測定する測
光回路、SCは測光回路LMにより測定した被写体輝度
に応じてシャッターSHの開閉を行うシャッタ制御回
路、LCはレンズ駆動モータM1を駆動することにより
撮影レンズのピント合わせを行うレンズ駆動制御回路、
MCは給送モータM2(図11ではMで示している)の回
転制御を行うモータ回路、AFは被写体までの距離を測
定する測距回路である。
【0042】また、S0は電源スイッチ、S1は測光・
測距スイッチ、S2はレリーズスイッチ、S3はカート
リッジ室の蓋の開閉を検知する蓋検知スイッチ、S4は
フォーク位置スイッチ(エンコーダ127に相当する)、
S5は蓋ロック検知スイッチである。TCはタイマー回
路、PRはフィルムの位置をパーフォレーションの通過
により検知するようにアパーチュアの側方に配置された
フォトリフレクタ、PIは給送モータM2の回転数をマ
イコンCPUで検出するためにモータM2の回転量に対
応した数のパルス信号を発するフォトインタラプタであ
る。
【0043】次に、このカメラの動作について、図14
から図19に示したフローチャートと図20から図22
に示したロック機構の動作状態図を用いて説明する。各
フローチャートにおいて、図14はカメラのメインシー
ケンスを、図15はフィルムのイニシャルローディング
動作を、図16,図17はフィルムの一駒巻き上げ動作
を、図18,図19はフィルムの巻き戻し動作を示して
いる。なお、図20から図22の動作状態図は、機構の
動作を分かりやすく示すため、各部の配置、形状を図1
2に示した斜視図とは若干異なった状態で表している。
【0044】まず、電源スイッチS0がオンになるとメ
インシーケンスがスタートし、ステップ#101で、そ
の時点で既にカートリッジからフィルムが出た状態にな
っているかどうか、つまりフィルムが既にスプール軸に
巻き付けられていると見なせるかどうかの判別が、例え
ばフォトリフレクタPRからの出力信号などに基づいて
行なわれる。フィルムがカートリッジから出ていない場
合には、その時点でカートリッジが新たに装填されたと
見なし、ステップ#102において、図15に詳細を示
したフィルムのイニシャルローディングの動作を実行し
て未撮影駒を撮影位置(アパーチュアの位置)にセットし
た後、ステップ#103で測光・測距スイッチS1がオ
ンとなるのを待つ。逆にフィルムが既にカートリッジか
ら出ている場合には、イニシャルローディングのシーケ
ンスを飛ばして測光・測距スイッチS1がオンとなるの
を待つ。
【0045】この測光・測距スイッチS1がオンになる
と、測光と測距とがそれぞれステップ#104と#10
5とで行なわれ、次いでステップ#106でレリーズス
イッチS2がオンとなるのを待つ。そして、レリーズス
イッチS2がオンになったと判断されると、先の測光デ
ータと測距データに基づいて、ステップ#107と#1
08とでレンズ制御とシャッター制御とが行なわれ、フ
ィルムの露光が行なわれる。逆にレリーズスイッチS2
がオンにならない場合には、測光データと測距データと
をリセットし、ステップ#103に戻って再び測光・測
距スイッチS1がオンとなるのを待つ。つまり、シャッ
ターレリーズ時には、レリーズスイッチS2の操作直前
の測光・測距データが使用されるようになっている。
【0046】一方、ステップ#108のシャッター制御
が完了すると、ステップ#109で、直前に撮影した駒
が最終駒であったかどうかを判別する。最終駒ではなか
った場合は図16,図17に示した一駒巻き上げのシー
ケンスをステップ#110で実行し、次の未撮影駒をア
パーチュアの位置にセットして再び測光・測距スイッチ
S1がオンとなるのを待つ。逆に最終駒であった場合に
は、図18,図19に詳細を示した巻き戻しのシーケン
スをステップ#111で実行してフィルムをカートリッ
ジ内に巻き取ってから、動作を終了する。
【0047】次に、このメインシーケンスのステップ#
102で実行されるイニシャルロードについて、図15
を用いて説明する。このシーケンスに入ると、まずステ
ップ#121で、カートリッジ室の蓋検知スイッチS3
の出力信号の変化により、蓋が開いた状態から閉じられ
るのを待つ。蓋が閉じられると、ステップ#122,#
123でタイマー回路TCのタイマーを一旦リセットし
てからスタートさせ、同時にステップ#124において
給送モータM2を正転させる。
【0048】給送モータM2が回転する前には、第1制
御部材115のキー状突起115cは、図20(a)に示す
ように、第2制御部材116の溝116cのちょうど中
間に位置していて両制御部115d,116dの制御溝1
15e,116eが互いに重なっており、スプリング12
5の付勢力を受けて、従動レバー118,119の先端
が制御溝115e,116eの中に入り込んでいる。その
ため、この状態では制御レバー122の爪122aが操
作レバー106の突起106aから離れているので、操
作レバー106を操作してカートリッジ室の蓋を開くこ
とができる。
【0049】これに対して、モータMが正転を始める
と、フォーク104が出力ギヤ116aの駆動負荷とな
っているので、キー状突起115cが溝116cの端面1
16fと当接するまでは、第2制御部材116が停止し
たまま第1制御部材115のみが回転する。そのため、
第1制御部材115の制御溝115eが第2制御部材1
16の制御溝116eから離れて行くので、従動レバー
118,119の先端が制御溝115e,116eから外れ
て行き、同時に制御レバー122の爪122aが開閉操
作レバー106の突起106aの方へ接近して行く(図2
0(b))。そして、図20(c)に示すように第1制御部材
115のキー状突起115cが第2制御部材116の溝
116cの端面116fと当接した後は、第1制御部材1
15と第2制御部材116はこの相対関係を保ちながら
同時に回転するので、開閉レバー106の操作が禁止さ
れた状態でフォーク104が回転し、フィルムが送られ
て行く。
【0050】このときのフィルムの移動は、例えばフォ
トリフレクタPRからの出力信号をチェックすることな
どによりモニターされており、もしフィルムが移動中で
あることを検出できないまま所定時間が経過すると、モ
ータMが停止して警告が発される(ステップ#125,#
127,#128)。一方、ステップ#126でフィルム
の通過を確認すると、ステップ#129,#130でタ
イマを再度リセットしてからスタートさせ、ステップ#
132,#133で、装填されたフィルムの第1駒をフ
ォトリフレクタPRからの信号により検出する。タイマ
ーの設定時間内にステップ#133で第1駒が検出され
ると、ステップ#136,#137でタイマーとモータ
とを停止させる。逆にフィルムの第1駒が検出されない
のにタイマーの設定時間が経過したとステップ#131
で判断したときは、ステップ#134,#135でモー
タが停止して、警告が発される。
【0051】このようにしてイニシャルローディングが
完了した後、一駒目の撮影を行なうと、次に行なわれる
動作は、図16,図17のフローチャートに示すフィル
ムの一駒巻き上げであるが、ここで、その説明の前に、
フィルム巻き上げ時のスプールギヤ102aとフォーク
ギヤ104a(図11)の回転速度の関係について述べ
る。このカメラではカートリッジを装填したときにフィ
ルムがカートリッジケースから送り出されるようになっ
ているから、フィルムの送り出し速度がスプール軸10
2の巻き上げ速度よりも速いとフィルムをスプール軸1
02にしっかりと巻き付けることができない。そこで、
このカメラでは、イニシャルローディング時のスプール
軸102へのフィルムの巻き付きを保障するために、ス
プール軸102の巻き上げ速度がフィルムを送り出すフ
ォーク104の回転速度よりも速くなるようにギヤ比が
設定されている。このことを前提として、一駒巻き上げ
時の機構の動きについて図16、図17を用いて説明す
る。
【0052】まず、ステップ#141,#142で、タ
イマー回路のタイマーを一旦リセットした後スタートさ
せ、同時にステップ#143で給送モータM2を正転さ
せる。そうすると、図21(a)に示すように、第2制御
部材116はまず図20(c)の関係を保ったまま回転を
開始するが、その後、スプール軸102から引っ張られ
るフォーク104に伴って回転する出力ギヤ116の速
度がモータ駆動による入力ギヤ115の回転速度を上回
り、溝116eと溝115eの相対関係が逆転して行く
(図21(b)〜(c))。
【0053】ステップ#144,#145では、フォト
リフレクタPRの位置で所定時間内に、フィルムが、あ
るパーフォレーションから次のパーフォレーションまで
移動したかどうかが検出される。このとき、所定時間が
経過してもフィルムの移動が検出されない場合にはステ
ップ#146,#147でモータM2を停止させて警告
を発する。これに対してステップ#148で次の駒を検
出すると、ステップ#149でタイマーを停止させた
後、ステップ#150で蓋ロック検知スイッチS5の状
態をチェックすることによりカートリッジ室の蓋がロッ
クされた状態となっているかどうかの判別が行なわれ
る。このときロック状態となっていれば、ステップ#1
51,#152でモータとタイマーとが停止する。
【0054】一方、ステップ#150での判別の結果、
蓋がロック状態でない、つまり入力ギヤ115と出力ギ
ヤ116が図21(b)に示す相対関係で停止していると
判断すると、モータM2を止めずに、ステップ#153
においてモータ回転数をカウントするカウンターをリセ
ット/スタートし、さらにステップ#154においてタ
イマーのリセット/スタートを行なう。そして、ステッ
プ#155,#156,#157で、所定の時間内にモー
タが予め定めた回転数だけ回転したかどうかを判別し、
そのことを確認したうえでステップ#158,#159
でモータとカウンターを停止する。逆にモータが所定の
回転数だけ回転する前に設定時間が経過したときは、以
上の発生と判断して、ステップ#160,#161で、
モータM2を停止させるとともに警告を発する。
【0055】ステップ#158,#159でモータとカ
ウンターとが停止したとき、機構は図21(c)に示す状
態であり、蓋はロックされているが、フィルムは、撮影
すべき次の駒がカメラのアパーチュアを通り過ぎた状態
となっている。そこで、ステップ#162〜#166
で、モータM2を所定時間だけ逆転するように起動する
とともに、フィルムの次駒が撮影位置にセットできたこ
とを確認したときに、ステップ#167,#168でモ
ータM2とタイマーを停止させる。このときの機構の状
態を図21(d)に示している。もしフィルムの次駒が撮
影位置とならないのに設定時間が経過したときは、ステ
ップ#169,#170において、モータが停止し、警
告が発される。
【0056】なお、フィルムを一駒巻き上げたときに図
21(b)のように蓋のロックが解除された状態でモータ
Mが停止することは殆どなく、通常は蓋がロックされた
状態で停止するのであるが、ロック解除状態で停止する
可能性も皆無ではないので、それに対する安全策として
#153以降のステップを実行するようにしている。ま
た、フィルムを一旦アパーチュアよりも先まで進めてか
らフィルムを逆に戻すように動作させているが、フィル
ムを戻すときにはギヤ115aの方がギヤ116aよりも
速く回り、溝115eと116eとの相対関係は変化しな
いので、蓋3のロックが解除されることはない。
【0057】フィルムの巻き戻しは図18と図19に示
したフローチャートに従って行なわれる。まず、ステッ
プ#171,#172でタイマー回路TCのタイマーを
一旦リセットしたうえでスタートさせ、同時にステップ
#173において給送モータM2を逆転させる(図22
(a))。ステップ#174,#175では、ステップ#1
73でのモータM2の通電開始から、フィルムの先端が
フォトリフレクタPRの位置を過ぎるまでの時間をモニ
ターしており、フィルムの移動に所定以上の時間が経過
すると、ステップ#176,#177でモータM2を停
止して警告を発する。一方、この所定時間内にフィルム
の先端がフォトリフレクタPRの位置を過ぎるまでは、
ステップ#178でパーフォレーションの通過を繰り返
し検出する。つまり、この時間内であればパーフォレー
ションが通過するたびにステップ#179,#190で
タイマーのリセット/スタートを繰り返し、各パーフォ
レーションが所定時間内に通過していることを確認しな
がら、最終的にフィルムの先端が通過するのを待つこと
になる。
【0058】ステップ#175での判別の結果、フィル
ムの先端がフォトリフレクタPRの位置を過ぎたと判断
した場合、カートリッジスプールをフィルムの使用状態
に応じた所定の位置で止めるために以下の動作が実行さ
れる。すなわち、ステップ#181でタイマをリセット
するとともに、ステップ#182でフィルムをカートリ
ッジ内に完全に巻き込むのに必要な所定時間を設定し、
ステップ#183でこの設定時間が経過するのを待つ。
そして、この時間が過ぎたことを確認してから、ステッ
プ#184で再度タイマーをリセットするとともに、ス
テップ#185でカートリッジスプールが1回転するの
に必要な時間をセットする。そして、ステップ#18
6,#187でタイムアップ前にフォークが正しい位置
で停止しているかどうかをフォーク位置スイッチS4の
信号から判別する。
【0059】正しい位置となっていれば、ステップ#1
88,#189でタイマーとモータM2を停止させたう
えでステップ#190でモータM2を逆転させ、ステッ
プ#191でカートリッジ室の蓋のロックが解除された
ことをロック検知スイッチS5の信号により確認してか
ら、ステップ#192でモータを停止させて動作を終了
する。なお、ステップ#186で、フォークが正しい位
置になっていると判断されないのに設定時間が経過した
ことを検知すると、ステップ#193,#194でモー
タM2を停止させて警告を発する。
【0060】以上説明したように、本実施例でも、フィ
ルムの給送系に設けた入力ギヤと出力ギヤとを一定の範
囲内では相対的に回転可能に構成し、この間の相対動作
を利用してカートリッジ室の開閉規制を行うようにして
いるので、専用のアクチュエータを用いることなく、必
要なときにだけカートリッジ室の蓋をロックでき、誤操
作によるフィルムの無駄な露光を防止できる。また、カ
ートリッジにおける使用状態の表示が行なわれないまま
カートリッジが取り出されることも防止できる。
【0061】また、上記各実施例のように、カメラに装
填されていないときにフィルムをケース内に先端のリー
ダー部まで巻き込むようにしたスラストタイプのカート
リッジを用いるカメラでは、フィルムがカートリッジか
ら引き出されている状態でカートリッジ室の蓋をあけ
て、使用者がカートリッジを無理に取り出そうとした場
合にはフィルムが破れる虞があるが、上記各実施例の機
構を用いれば、このフィルムの破損を未然に防止でき
る。
【0062】さらに、上記実施例では、フィルムが未撮
影であるか撮影済みであるかを区別するために、カート
リッジスプールと一体的に回転する指標を設けるととも
に、この指標に対応する未撮影や撮影済みなどの表示を
カートリッジケースに設け、カートリッジスプールの停
止位置を制御することによってカートリッジの使用状態
を表示するカートリッジを、指標の位置合わせが完了し
た後でなければ取り出せないようにしているので、カー
トリッジでの表示ミスが生じることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係るカートリッジ室蓋
ロック機構を備えたカメラの斜視図である。
【図2】 このカメラの底面図である。
【図3】 この蓋ロック機構を蓋が閉じた状態で示す断
面図である。
【図4】 フィルム巻き上げ時の給送機構を示す底面図
である。
【図5】 蓋ロック機構を蓋が開いた状態で示す断面図
である。
【図6】 フィルム巻き戻し時の給送機構を示す底面図
である。
【図7】 ロックギヤの分解斜視図である。
【図8】 (a)図〜(c)図は、それぞれ、ロックギヤの動
作状態を示す斜視図である。
【図9】 このカメラの蓋ロック機構に関する部分の概
略回路構成を示すブロック図である。
【図10】 このカメラの主な動作を示すフローチャー
トである。
【図11】 第2実施例に係るロック機構を備えたカメ
ラのフィルム給送系を示すブロック図である。
【図12】 フィルム給送系とロック機構の要部を示す
斜視図である。
【図13】 このカメラの概略回路構成を示すブロック
図である。
【図14】 このカメラのメインシーケンスを示すフロ
ーチャートである。
【図15】 イニシャルローディング動作を示すフロー
チャートである。
【図16】 フィルムの一駒巻き上げ動作を示すフロー
チャートである。
【図17】 フィルムの一駒巻き上げ動作を示すフロー
チャートである。
【図18】 フィルムの巻き戻し動作を示すフローチャ
ートである。
【図19】 フィルムの巻き戻し動作を示すフローチャ
ートである。
【図20】 イニシャルローディング時のロック機構の
動作を示す図である。
【図21】 フィルムの一駒巻き上げ時のロック機構の
動作を示す図である。
【図22】 フィルム巻き戻し時のロック機構の動作を
示す図である。
【符号の説明】
1 カートリッジ 3 蓋 4 開閉レバー(開閉操作部材) 5 開閉レバ
ー操作検知スイッチ 10〜27 フィルム給送機構 11 フォー
ク 17 入力ギヤ(第1制御部材) 17c,18b
突起(回転伝達手段) 18 出力ギヤ(第2制御部材) 18c カム
手段 19 ロック部材 19c カム
フォロア 20 ロックギヤ 30 蓋開閉
検知スイッチ 101〜105 フィルム給送機構 106 開閉
レバー(開閉操作部材) 115 第1制御部材 115a 入
力ギヤ 116 第2制御部材 116a 出
力ギヤ 115c,116c 回転伝達手段 115e,1
16e カム手段 118,119 カムフォロア 122 ロ
ック部材 M フィルム給送モータ CPU マイ
コン(制御手段)
フロントページの続き (72)発明者 和田 滋 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13 号大阪国際ビル ミノルタカメラ株式会 社内 (56)参考文献 特開 平2−248940(JP,A) 特開 平6−222544(JP,A) 実開 昭57−139940(JP,U) 実開 平5−27736(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 17/02 G03B 17/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルムの使用状態を示す表示部材を備
    えたフィルムカートリッジを収容するカートリッジ室
    と、上記カートリッジ室を開閉する蓋とを備え、上記カ
    ートリッジ室に収容されたフィルムカートリッジのスプ
    ールを所定回転位置に停止させることによって上記表示
    部材にフィルムの使用状態を表示させる機構を備えたカ
    メラにおいて、 上記スプールを回転させるための駆動力を出力する駆動
    源と、 上記スプールを回転させる駆動部材と、 上記駆動源から上記駆動部材へ駆動力を伝達する伝達機
    構と、 記蓋の開放を禁止するロック解除禁止位置と上記蓋の
    開放を許容するロック解除許容位置との間で可動である
    ように設けられ、上記伝達機構が所定位置に作動すると
    きこれにともなってロック解除許容位置に移動するロッ
    ク部材と、 フィルムがフィルムカートリッジに巻き戻された後、上
    記伝達機構と上記駆動部材を介して上記スプールを所定
    位置まで回転させることによって上記表示部材にフィル
    ムの使用状態の表示を行わせ、表示が完了した後、上記
    伝達機構によって上記ロック部材を上記ロック解除許容
    位置に移動させるよう各部の動作を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 上記伝達機構は、上記駆動力の伝達を接
    続する第1状態伝達を切断する第2状態との間で可動
    であるように構成され、 上記ロック部材は、上記伝達機構に連動するように設け
    られ、上記伝達機構が第1状態に作動するとき上記ロッ
    ク解除禁止位置に、上記伝達機構が第2状態に作動する
    とき上記ロック解除許容位置に移動することを特徴とす
    る、請求項1に記載のカメラ。
  3. 【請求項3】 上記伝達機構は、所定範囲内で相対回転
    可能であるとともに、上記所定範囲を超えて回転される
    とき一体的に回転する第1部材と第2部材とを含み、 上記ロック部材は、上記第1部材と第2部材との相対回
    動によって、上記ロック解除禁止位置と上記ロック解除
    許容位置とに移動することを特徴とする、請求項2に記
    載のカメラ。
  4. 【請求項4】 上記ロック部材は、上記第1部材と第2
    部材が上記所定範囲の両端位置にあるときロック位置に
    あり、上記第1部材と第2部材が上記所定範囲の中間位
    置にあるときロック解除位置にあることを特徴とする、
    請求項3に記載のカメラ。
  5. 【請求項5】 フィルムの使用状態を示す表示部材を備
    えたフィルムカートリッジを収容するカートリッジ室
    と、上記カートリッジ室を開閉する蓋とを備え、上記カ
    ートリッジ室に収容されたフィルムカートリッジのスプ
    ールを所定回転位置に停止させることによって上記表示
    部材にフィルムの使用状態を表示させる機構を備えたカ
    メラにおいて、 上記蓋の開放を禁止するロック解除禁止位置と上記蓋の
    開放を許容するロック解除許容位置とに移動するロック
    部材と、 フィルムがフィルムカートリッジに巻き戻された後、上
    記スプールを所定位置まで回転させることによって上記
    表示部材によってフィルムの使用状態の表示を行わせ、
    上記表示部材による表示が完了した後、上記ロック部材
    を上記ロック解除許容位置に移動させるよう各部の動作
    を制御する制御手段とを備えたことを特徴とするカメ
    ラ。
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