JP3438113B2 - 既設トンネルの改修工事方法 - Google Patents
既設トンネルの改修工事方法Info
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Description
やトンネル内アーチ部ないし側壁部の補修工事を行うい
わゆる改修工事方法に関するものである。特に、改修工
事期間中も車両通行を停止することなく工事のできる工
事方法に関するものである。
法としてPCL工法(PRECASTCONCRETE
LINING)がある。この工法の特徴は、拡幅すべ
き既設トンネルのアーチ部分および側壁部分を掘削排除
するとともに、トンネル入口側のレール上に、アーチ部
分を組み立てるためのエレクターを搭載した運搬台車を
設置し、この運搬台車のエレクターに、プレキャストコ
ンクリート版からなるアーチ状のパネル、つまり二次覆
工として機能するパネルを据付け、その状態で運搬台車
をトンネル内に誘導するとともに、台車上の前記エレク
レータを作動して前記パネルをトンネル内のアーチ部に
一体的に取り付け、パネルと地山との間には裏込めモル
タルを充填し、固定させる工法である。いわゆるPC版
による一種のパネル工法である。したがって、工期の短
縮に貢献する工法として評価されている。
工法による場合は、工期期間中の車両の通行は全面的に
停止される。さらに、パネルを組み立てるためのエレク
ターを装備したきわめて大掛かりな専用機械を配備する
必要があるなどの問題点があった。
ある。したがって、一時的とは言え、その使用を全面的
に停止することは、大きな経済的損失となる。そこで、
この経済的損失を排除する趣旨から車両の通行を許容し
ながら、しかも安全面を充分に確保できる拡幅や補修等
の改修工事のできる工事方法の開発が要請されていた。
この発明は、このような要請に応える手段としての既設
トンネル改修工事方法を提供することを目的とするもの
である。
る手段として、この発明は車両の運行休止時間帯内に次
のような手順方法による作業工程を踏むことにより、車
両の運行を規制することなく、つまり車両の通行を全面
ストップすることなく、既設トンネルの拡幅ないし補修
のための改修工事を行うようにしたことにある。 (1)まず、拡幅ないし補修すべき既設トンネルの地山
を補強する手段として、側壁部ないしアーチ部にロック
ボルトを打設した。すなわち拡幅ないし補修すべき既設
トンネルの側壁部ないしアーチ部の地山に対しロックボ
ルトによる補強施工を行った。 (2)補強施工が終了したところで、側壁部ないしアー
チ部を拡幅ないし補修幅に応じて掘削し、掘削ズリをト
ンネル外に搬出した。すなわち、既設トンネルの側壁部
ないしアーチ部を拡幅領域ないし補修領域に応じて掘削
するとともに、掘削ズリの搬出作業を行った。 (3)掘削と掘削ズリの搬出作業が終了すると、一定の
ピッチをもって支保工を建て込んだ。具体的には、0.
8〜1.5メートル間隔をもって支保工を建て込んだ。 (4)支保工の建て込みが終了すると、支保工の外周と
地山との間隙部にエアーフェンスによる褄板からなる仕
切りを着脱自在に取り付けた。また前記拡幅ないし補修
のために掘削した切羽部には、切羽部の崩落を防止する
手段として、エアチューブからなる切羽防護工を施し
た。 (5)ついで、前記エアーフェンスによる褄板からなる
仕切りと、切羽防護工の取り付け作業が終了すると、支
保工間にメッシュ筋を介装させるとともに、支保工間に
作業員1人で容易に持ち抱かえることのできるようにあ
らかじめ成形された長方形のPC版を組み込んだ。具体
的には高強度コンクリート版を支保工間に掛けわたす要
領で順次挿入し、側壁部ないしアーチ部または側壁部お
よびアーチ部の全周を前記高強度コンクリート版で構成
するようにした。すなわちPC版を覆工兼型枠として組
み込んだ。そして、さらに未掘削部における既設アーチ
部には、既設アーチ部、すなわち既設二次覆工の剥離崩
落を防止する手段としてのプロテクターを取り付けた。 (6)前記PC版の組み込みとプロテクターの取り付け
作業が終了すると、PC版にあらかじめ埋設してあるソ
ケットに、裏込めモルタルの注入ホースを接続し、この
注入ホースを介して高強度コンクリート版の裏面と地山
との間隙にモルタルを注入充填した。つまり高強度コン
クリート版とモルタル層からなる二次覆工を形成した。
以上説明したように車両の運行休止時間帯内に、前記一
連の作業を1サイクルとし、既設トンネルの入口側から
トンネルの出口側へ向けて順次繰り返し、既設トンネル
全長の改修工事を行うようにしたことにある。つまりサ
イクルとサイクルとの間に列車を通行させ、改修工事期
間中における列車の通過を停止させることなく工事がで
きるようにしたことにある。
タイムを短縮する狙いとして、前記アーチ部ないし側壁
部の掘削とズリの搬出作業と、支保工の建て方作業と、
支保工の外周と地山との間隙部にエアーフェンスによる
褄板からなる仕切りの取り付けと、前記掘削した切羽部
に対する切羽防護工の取り付けとを行う作業工程を次の
ような手順で行うようにした。
け掘削して支保工を建てた。そして、この支保工の外周
と地山の間隙部に掘削によって形成される新しいアーチ
部、つまり新しいグランドアーチ部に崩落防止のブロッ
キング手段を取り付けた。そののち、さらに1ピッチ分
の掘削を行って支保工を建てた。ついで、この支保工、
つまり2本目の支保工の外周と地山との間隙部に前記エ
アーフェンスによる褄板からなる仕切りと、切羽防護工
の取り付けとを行うようにした。
ては、前記裏込めモルタルの注入充填作業前に、アーチ
部および側壁部の地山側に沿って、つまり切削面に沿っ
て、かつ一定の間隔を設けてドレン配管を付設した。そ
して、その付設後に裏込めモルタルを注入充填して湧水
をトンネル路床の側溝へ誘導排出させるようにした。
は、以上説明した手順に基づいて施工するようにしたの
で、あらかじめ改修線における列車の通過時刻等から施
工作業の許容時間帯を設定しておく。具体的には、夜間
最終列車の通過後、始発列車の通過時刻までの時間帯に
対応できる工事区間を設定した。そして、前記(1)〜
(6)の1サイクルの作業工程をその時間帯に完了さ
せ、使用重機類をトンネル内から退避させるようにし
た。その結果、工事期間中の車両の運行を停止すること
なく所望の改修工事を行うことができた。
と、支保工の建て方作業と、エアーフェンスによる褄板
からなる仕切りの取り付けと、さらに切羽防護工の取り
付けとを行う作業工程において、まず支保工の建て方間
隔の1ピッチ分だけ掘削して支保工を建て、この支保工
の外周と地山との間隙部に掘削によって形成される新し
いグランドアーチ部に崩落防止のブロッキング手段を取
り付けたのち、さらに1ピッチ分の掘削を行って支保工
を建て、この支保工の外周と地山との間隙部に前記エア
ーフェンスによる褄板からなる仕切りと、切羽防護工の
取り付け作業を行う手順によると、高強度コンクリート
版と地山との間隙部に対する裏込めモルタルの注入充填
作業を前後支保工間の2ピッチ分、つまり2スパン間に
同時に行うことができる。その結果、一連の作業手順の
サイクルタイムを短縮することができた。つまり限られ
た施工可能な時間帯、すなわち車両の運行休止時間帯に
おいて、より効率的な改修工事を行うことができた。
例に基づいて具体的に説明する。なお、この実施例にお
いては、煉瓦構造の二次覆工からなる既設トンネルにお
けるアーチ部分の拡幅工事に適用した場合に基づいて説
明する。ちなみに図13は、拡幅工事後におけるトンネ
ル断面構造を示す一部斜視図で、100は、煉瓦構造の
既設二次覆工である。また、1は改修のためのに設定し
た支保工、2は高強度コンクリート版2aからなる新規
拡幅されたアーチ部を構成する二次覆工で、3は裏込め
モルタル層を示し、4は地山の補強に打設したロックボ
ルトである。
る重機類を当該拡幅改修路線のトンネル内に配備した状
態を示す。なお、図面上における重機類の配置順序は特
に指定したものではない。次に、これら重機類の役割分
担の概略を説明すると、まず上段左からAはロードヘッ
ダである。拡幅すべきアーチ部の掘削作業を分担するも
のである。ついでBはキャリヤダンプで、ロードヘッダ
Aによって掘削された掘削ズリをトンネル外へ搬送する
ものである。Cはキャリヤダンプで、主として支保工の
建て方作業および支保工間に高強度コンクリート版2a
を組み込んだり、裏込めモルタルの注入作業を行う場合
に利用する一種の高所作業車としての役割を分担するも
のである。Dは裏込めモルタルの充填ポンプ、Eは、こ
の充填ポンプDへ裏込めモルタルを供給するモルタル供
給装置としての役割を分担するミキサー車である。この
ミキサー車Eはトンネルの外に設置されたモルタル製造
プラント(図示せず)から適時裏込みモルタルをトンネ
ル内へ搬入する運搬車としての役割を持つ。
ける超急速硬化セメント、具体的には超速硬プレミック
スコンクリートの吹付装置である。湧水や地割れ等の発
生時に対応するもので、いわゆる工事現場における緊急
対策作業車である。Gは油圧式ホイールジャンボで、ア
ーチ部ないし側壁部の補強手段としてのロックボルト4
の打設作業等を分担する穿孔機を搭載したものである。
Hは、モルタルポンプを装備し、前記ロックボルト4の
定着作業や支保工1や二次覆工となる高強度コンクリー
ト版2aのトンネル内への搬入作業等を分担する運搬車
である。なお、これらの重機類はいずれも改修作業時以
外はトンネル外に設置された退避場所に待機し、常に所
望の作業工程の開始に速やかに対応できるようスタンバ
イされている。
と、まず、図2は前記図1で示した油圧式ホイールジャ
ンボGによってアーチ部および側壁部の地山5に補強手
段としてのロックボルト4の打ち込み作業を終了した時
点の断面図である。つまりロックボルト4による補強施
工の作業工程の終了時を示す。
の拡幅領域を掘削する作業工程を示す断面図である。な
お、先に説明したように、この実施例ではアーチ部分の
みを拡幅する関係上、図示の通り掘削領域はアーチ部分
に限定される。
幅掘削作業後のアーチ部に支保工1の建て込みと、建て
込みの終った支保工1(1)間に、覆工兼型枠として機
能する高強度コンクリート版2aの組み込み作業を終了
した時点のトンネル断面図である。支保工1としては、
H型鋼を曲げ加工して得られたものを使用した。また、
実施例では、トンネルの長手方向に対し、1.2メート
ルピッチで建て方した。
1および支保工1と地山5との間隙部6にエアーフェン
ス7による褄板8からなる仕切りを取り付けた作業工程
を示すアーチ部の縦断面図である。エアーフェンス7と
して実施例ではゴムホース状のものに、コンプレッサー
(図示せず)を介して圧縮空気(7Kg/cm2 )を充
填し膨らませた構成とした。そして、その外側(図示に
おいては右側)に止め金具9を介して褄板8を着脱自在
に取り付け、エアーフェンス7による褄板8からなる仕
切り構造とした。すなわち止め金具9を支保工1のフラ
ンジ1aにクランプさせ、エアーフェンス7による褄板
8からなる着脱自在な仕切り構造とした。
なる仕切りは、二次覆工となる高強度コンクリート版2
aの裏面と地山5との間隙6に裏込めモルタル層3を充
填した際、そのモルタル層3の漏れ止め防止としての役
割を分担するものである。なお、図示における符号16
は、モルタルの注入確認孔で、その役割は後述する。
おける切羽部の崩落を防止する切羽防護工10の施工断
面図である。その構成は、図示のように最先端側(図示
で右側)に位置する支保工1と、その1つ手前の支保工
1との下面に、H型鋼を用いて構成した逆L字状のエア
ーチューブ固定ブラケット11を取り付けた。そして、
このエアーチューブ固定ブラケット11の先端部(図示
で右側)に設けた水平板11aと切羽部、つまり掘削切
羽面からなる円弧状の掘削面との間にエアーバッグ12
を当てて、切羽防護工10とした。なお、エアーバッグ
12に対するエアーの注入は、前記エアーフェンス7の
場合と同様である。
り付け部より先端側、すなわち拡幅のための切削作業を
未だ施していない、つまり既設の煉瓦構造からなる旧二
次覆工の剥離崩落を防止するためのプロテクター13の
取り付け施工を示す断面図である。構造としては、地山
保護のため先に施工したロックボルト4に、サスペンシ
ョンロッド4aを接続し、このサスペンションロッド4
aを利用してプロテクター13を懸吊させた構成とし
た。なお、プロタテクター13は合成樹脂製のコルゲー
ト板を用い、アーチ部分、つまりトンネルの天井に相当
する全周領域をこのプロテクター13で覆う構成とし
た。
も、図7で示したプロテクター13も、その役割は、い
ずれも列車通過時はもちろん、施工作業時において、ア
ーチ部分からの地山5や旧二次覆工部分の崩落事故を未
然に防止するためのものである。図8は、プロテクター
13の取り付け作業を終了したトンネルの断面図であ
る。
1間に組み込んだ高強度コンクリート版2aは、熱硬化
性メラミン樹脂をセメント・微粒シリカ・特殊添加材配
合した組成物に混入し、これを熱処理して得た特殊なプ
レキャストコンクリート版を採用した。しかも、その形
状は長さが約120cm、厚さ5cm、幅約20cm,
重量約25kgで、作業員1人によって容易に持ち運び
が可能に成形したPC版とした。つまり、建て方された
支保工1および1のそれぞれ前後フランジ部1aおよび
1a(図5および図6参照)間に1人の作業員によって
容易に組み込み、アーチ状の二次覆工2として迅速に構
築できるPC版2aとした。
ート版2aの支保工1および1間への組み込み作業を容
易にするため、PC版2aに治具として設けた取付金具
2cおよび2cの一例を示す平面図(A)と正面図
(B)である。図示のようにコンクリート版2aの長手
方向両端部より中央に、それぞれアンカーボルト2b,
2bを介して細長い板状を呈する取付金具2cおよび2
cを保持させた。そして、この取付金具2cおよび2c
と、コンクリート版2aの端部との間に支保工1のフラ
ンジ1aおよび1a(図6参照)を挿入させて固定させ
るようにした。その結果、作業員1人によって迅速に、
しかも効率的に組み付け作業ができるようになった。
強度コンクリート版2aには、あらかじめ裏込めモルタ
ルの注入用ソケットを埋め込んでおき、前記要領で支保
工1および1間に組み込んだのち、この注入用ソケット
を利用して裏込みコンクリートの注入充填作業を行うよ
うにした。また、前記高強度コンクリート版2aの組み
込み作業は、図1で説明したようにキャリヤダンプCを
利用して行った。
においては、アーチ部の最頂部に空隙が残りやすいもの
である。そのため実施例では、この空隙の発生を排除す
る手段として、前記図5および図10で示すように、仕
切りを形成するエアーフェンス7による褄板8からなる
仕切りの頂部に、あらかじめ2インチ程度の注入確認孔
16を設け、注入用ソケットからモルタルを注入したと
き、この確認孔16から連続的にモルタルがリークする
のを確認し、注入作業を完了するという方法をとった。
ムモルタルと呼ばれている特殊軽量モルタルを使用し
た。すなわち流動性が高く、注入・充填性が得られ、か
つ適度の粘性と、粒子の分散性が高く、しかも分離しに
くく、その上モルタルグランチング材としての付着性に
優れたモルタルを使用した。
保工1および1間の裏込めモルタルの注入充填作業に先
立ち、各スパン間には、メッシュ筋を介装し、そののち
に裏込めモルタルを注入充填した。つまりメッシュ鉄筋
で補強された裏込めモルタル層とし、その強度および付
着性を高めるようにした。
5の配管例を示す改修トンネル断面図で、地山5と裏込
めモルタル層3との間に付設し、側壁部を沿ってトンネ
ル路床の側溝(図示せず)に集水誘導される構成とし
た。図12は、図11のX−X線拡大断面図である。さ
らに図13は、冒頭において説明したように拡幅改修工
事完了後のトンネル断面構造を示す一部破断斜視図であ
る。
ンネルの側壁側およびアーチ部の地山を補強するロック
ボルトの打設作業から、高強度コンクリート版の裏面と
地山との間隙部内へのモルタル注入充填までの一連のサ
イクルタイムを短縮するために採った掘削作業と、エア
ーフェンス7による褄板8からなる仕切りの取り付け作
業の他の実施例を工程順に示すものである。 まず(A)は、支保工1の建て方間隔Pの1ピッチ分
だけを掘削し、次の支保工1の建て方を行ったところを
示す。 (B)は、前記建て方の終った支保工1の外周と地山
5と間隙部6に、前記掘削によって形成された新しいア
ーチ部、つまりグランドアーチ部の崩落防止手段として
ブロッキング手段17を取り付け、さらに1ピッチ分の
掘削を行って次位の支保工1(図において右側)の建て
方作業を終ったところを示す。なお、ブロッキング手段
17としては、ホース状を呈する袋体を支保工1の外周
と地山5との間隙部6に介装し、ついで、この袋体にモ
ルタルを注入充填して膨らませ、グランドアーチ部の崩
落防止手段とした。 (C)は、前記建て方の終った右側の支保工1の外周
と地山5との間隙部6にエアーフェンス7による褄板8
からなる仕切りを取り付けた状態を示す。
1、1間に先に説明した要領で高強度コンクリート版2
aおよび2a(仮想線で示す)を組み付けると、左右2
ピッチ間隔(2P)への裏込めモルタルの注入充填が可
能となる。その結果、前記一連のサイクルタイムが短縮
され限られた時間帯において、より効率的な改修作業を
行うことができるようになった。
工事方法は、以上実施例をとおして説明したような手順
により、拡幅なり補修工事を行うものであるため、次の
ような効果を発揮することができる。 (1)工事期間中においての車両通行を停止する必要が
ない。つまり、あらかじめ施工区間を車両の通過しない
時間帯に対応して施工区間を設定する。すなわち、車両
が通過しない時間帯の範囲内で施工作業のできる施工区
間を設定しておく。さらに具体的に言えば、車両が通過
しない時間帯の範囲内で施工できる支保工スパンの数を
設定し、掘削作業から支保工の建て方、コンクリート版
の組み込みによる覆工板の構築と、さらには裏込めモル
タルの注入充填という一連の作業を行えば、車両通行に
支配されることなく施工することができる。 (2)また、この発明による施工方法においては、従来
のPCL工法において見られたような専用の大型機械を
要しないこと、施工作業の重要な部分である高強度コン
クリート版の組み込みが小人数の作業員によって容易に
実施でき、しかも、1スパンごとにエアーフェンスによ
る褄板からなる仕切施工を行って裏込めモルタルの注入
充填作業を行うようになっているため、1スパン1スパ
ンを確実に、かつ安全な作業環境のもとで改修すること
ができる。 (3)なお、掘削作業時、支保工の1本置きにブロッキ
ング手段を設けて2スパン分を掘削すると、モルタルの
注入充填が2スパン分1度に施工でき工事のサイクルタ
イムの短縮可能となる。その上、掘削切羽部の防護工は
もとより、未施工領域におけるアーチ部の崩落事故の防
止対策もその分少なくてすむ。その結果、鉄道網として
の重要な役割を中断させることなく、つまり限られた車
両の運行休止時間帯を利用して安全で、しかも効率的で
迅速な施工工事が展開できる。
ネルのアーチ部分の拡幅工事を行う場合の使用重機類の
配備例を示すトンネル断面図である。
トンネル断面図である。
ンネル断面図である。
クリート版の組み込み作業工程が終了した時点のトンネ
ル断面図である。
ンスによる褄板の取り付け作業工程を示す縦断面図であ
る。
としてのプロテクター取り付け施工部の構造を示す断面
図である。
ル断面図である。
ト版の平面図、(B)は、その正面図である。
ネル頂部の縦断正面図である。
改修トンネルの断面図である。
一部破断斜視図である。
建て方作業と、支保工の外周と地山との間隙部にエアー
フェンスによる褄板からなる仕切りの取り付け作業の手
順を示す他の実施例の工程図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 既設トンネルの拡幅ないし補修を行う改
修工事方法であって、次の作業工程からなることを特徴
とする。 (1)拡幅ないし補修すべき既設トンネルの側壁部ない
しアーチ部の地山を補強する手段としてロックボルトを
打設する作業工程と、(2)拡幅ないし補修すべき側壁
部ないしアーチ部のそれぞれを拡幅ないし補修領域に応
じて掘削する作業と、掘削ズリの搬出作業とを行う作業
工程と、(3)掘削部に一定のピッチをもって支保工の
建て方を行う作業工程と、(4)支保工の外周と地山と
の間隙部にエアーフェンスによる褄板からなる仕切りの
取り付けと、前記掘削した切羽部に対する切羽防護工の
取り付けとを行う作業工程と、(5)支保工間における
側壁部ないしアーチ部に覆工兼型枠として機能する高強
度コンクリート版の組み込みと、未掘削部における既設
アーチ部の崩落を防止するプロテクターの取り付けとを
行う作業工程と、(6)高強度コンクリート版の裏面と
地山との間隙に裏込めモルタルを注入充填し、高強度コ
ンクリート版とモルタル層からなる二次覆工を形成する
作業工程と、(7)上記(1)から(6)の作業工程を
1サイクルとし、改修すべき既設トンネルの入口側から
出口側に向けて順次繰り返し施工することを特徴とする
既設トンネルの改修工事方法。 - 【請求項2】 前記アーチ部ないし側壁部の掘削作業と
支保工の建て方作業と、支保工の外周と地山との間隙部
にエアーフェンスによる褄板からなる仕切りの取り付け
と、前記掘削した切羽部に対する切羽防護工の取り付け
とを行う作業工程において、 まず、支保工の建て方間隔の1ピッチ分だけ掘削して支
保工を建て、この支保工の外周と地山との間隙部に掘削
したアーチ部の崩落防止のブロッキング手段を取り付け
たのち、さらに1ピッチ分の掘削を行い支保工を建て、
この支保工の外周と地山との間隙部に前記エアーフェン
スによる褄板からなる仕切りと、切羽防護工の取り付け
とを行うことを特徴とする請求項1記載の既設トンネル
の改修工事方法。 - 【請求項3】 前記アーチ部ないし側壁部の掘削面には
湧水用のドレン配管をトンネル内側溝に向けて付設した
ことを特徴とする請求項1記載の既設トンネルの改修工
事方法。 - 【請求項4】 裏込めモルタルの注入充填層には、メッ
シュ筋を埋設介在させたことを特徴とする請求項1記載
の既設トンネルの改修工事方法。
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