JP3438029B2 - 体液中の脂質量を調節するために枇杷核エキスを含有する医薬組成物 - Google Patents

体液中の脂質量を調節するために枇杷核エキスを含有する医薬組成物

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JP3438029B2
JP3438029B2 JP2000372557A JP2000372557A JP3438029B2 JP 3438029 B2 JP3438029 B2 JP 3438029B2 JP 2000372557 A JP2000372557 A JP 2000372557A JP 2000372557 A JP2000372557 A JP 2000372557A JP 3438029 B2 JP3438029 B2 JP 3438029B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体液中の脂質量を
調節するための医薬組成物に関し、特に、枇杷核エキス
を含有する血液中の脂質量を調節するための医薬組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高脂血症が虚血性心疾患の発症に
大きく関与することが、多くの疫学的調査により報告さ
れている。高脂血症とは、一般に、1)高中性脂肪血症
と、2)高脂質血症とを表す。例えば、表現型による分
類法として、正常以上に増加している血漿脂質成分の種
類によって、高コレステロール血症、高トリグリセリド
血症、高中性脂肪血症、高リン脂質血症などがある。一
方、虚血性心疾患とは、狭心症と心筋梗塞をまとめて呼
ぶ。
【0003】このような高脂血症と虚血性心疾患との関
係から、特に、高コレステロール血症性心疾患の関連性
は、明らかとなっており、いかに血中のコレステロール
の増大を抑制し、狭心症や心筋梗塞の発症を防止するか
が重要視されている。そのため、多くの高脂血症用薬の
開発が行われている。
【0004】一方では、動物、植物等の天然物質から抽
出した特定の成分を有するエキスが、様々な有効作用を
有することが知られている。特に、動物、植物等の天然
物質から抽出したエキスの中では、魚油抽出物及び大豆
抽出物は、高脂血症に有効であることが知られている。
天然物質は、一般に腸管吸収に優れ、副作用がなく、人
体に対する安全性が高いという特徴がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高脂血
症を抑制するための有用な薬剤(物質)は、未だ見出され
ていないのが現状である。
【0006】ところで、このような高脂血症に有効なエ
キスは、漢方エキス製剤として柴胡剤、八味地黄丸、加
味逍遥散及び当帰芍薬散等が知られている。しかし、本
邦において通常果樹として広く植栽されているバラ科植
物の一種である枇杷の種子(枇杷核)に、漢方エキスに優
る有効な作用があることは知られていない。したがっ
て、枇杷核から、何らかの方法により有効成分を抽出し
て、該有効成分を利用することにより脂肪量を低減する
ことができれば、高脂血症、ひいては、虚血性心疾患に
有効な治療薬となる。しかし、このような高脂血症に有
効なエキスは、ほとんど知られていない。
【0007】そこで、本発明は、高脂血症を抑制し得る
有益な医薬組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは、各
種植物の種子由来エキスを鋭意研究し、特に、枇杷核か
ら抽出した枇杷核エキスに着目し、該エキスの高脂血症
抑制作用について検討した結果、本発明の医薬組成物を
見出すに至った。
【0009】本発明の医薬組成物は、枇杷核エキスを含
有することを特徴とする。
【0010】また、本発明の医薬組成物の好ましい態様
としては、体液が血液であることを特徴とする。
【0011】また、本発明の医薬組成物の好ましい態様
としては、枇杷核エキスを粉砕して得た粉砕物を、エタ
ノール、メタノール、水、へキサンからなる群から選択
される少なくとも1種の溶媒に浸漬して、上清を分取し
て前記枇杷核エキスを得たことを特徴とする。
【0012】また、本発明の医薬組成物の好ましい態様
としては、枇杷核エキスが、リノール酸、リノレン酸、
β-シトステロール、β−シトステロール-3-O-モノグリ
コシド、アミグダリン、ベンズアルデヒド、マンデニト
リル、安息香酸からなる群からなる少なくとも1種を含
有することを特徴とする。
【0013】また、本発明の医薬組成物の好ましい態様
としては、枇杷核エキスが、β-シトステロール、β−
シトステロール-3-O-モノグリコシドを含有することを
特徴とする。
【0014】また、本発明の医薬組成物の好ましい態様
としては、枇杷核エキスが、さらにリノール酸を含有す
ることを特徴とする。
【0015】また、本発明の医薬組成物の好ましい態様
としては、枇杷核エキスが、さらにリノレン酸を含有す
ることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の医薬組成物は、枇杷核エ
キスを含有する。枇杷核エキスは、枇杷の種子由来のエ
キスである。本発明に適用する枇杷核エキスは、枇杷の
種子由来である限り、全ての枇杷核エキスを対象とす
る。
【0017】本発明の枇杷核エキスが有効に作用するの
は、体液中の脂質であり、特に血中の脂質である。した
がって、本明細書において主として血中の脂質について
説明するが、本発明は、これに限定される意図ではな
い。
【0018】枇杷核エキスの調製方法 まず、図1を用いて、枇杷核エキスの調製方法について
説明する。図1は、枇杷核エキスの調製方法を示す図で
ある。枇杷核を準備する。枇杷核は、必要に応じて洗浄
し、乾燥する。乾燥は十分に行なうのが好ましい。後の
粉砕を均質に行なうためである。
【0019】次に、枇杷核を粉砕する。粉砕の方法は特
に限定されず、ボールミル、ハンマーミル、ローラーミ
ル、ロッドミル、サンプルミル、スタンプミル、ディス
インテグレーター、乳鉢、冷却装置付きブレンダーなど
の公知の粉砕機を用いることができる。なお、粉砕時に
おける発熱により、枇杷核医薬組成物の分解等が発生す
ることも考えられることより、冷却装置付きブレンダー
が好ましい。
【0020】枇杷核を粉砕し粉砕物を得た後、各種溶媒
に前記粉砕物を浸漬する。この場合の溶媒は、特に限定
されず、所望とする効果に対応して適宜溶媒を設定する
ことができる。例えば、溶媒としては、エタノール、メ
タノール、水、へキサン、酢酸エチル、クロロホルム、
アセトンなどの極性、非極性溶媒を問わず挙げることが
できる。細胞膜透過性が高い枇杷核エキスを得ることが
できるという観点から、好ましくは、メタノール、エタ
ノール、水等である。
【0021】浸漬は、緩やかな攪拌下で行なうことがで
きる。各種溶媒に前記粉砕物を浸漬して各種溶液を得
る。各種溶液について、溶液の状態に応じて攪拌を行
い、場合によりそのまま溶液を放置しても良い。攪拌す
る場合には、特に限定されないが5〜10日間攪拌を持続
させることができる。
【0022】その後、上清を分取することにより枇杷核
エキスを得ることができる。必要に応じて、上清を蒸発
乾固する。蒸発乾固は、エバポレータを用いて、55℃
〜80℃の温浴上で行なうことができる。蒸発乾固する
ことにより、枇杷核エキスを長期間保存することができ
る。
【0023】枇杷核エキスの成分 枇杷核中に含まれる成分は、枇杷核を極性の異なる溶媒
を用いて抽出することにより、その物性により振り分け
られる。したがって、使用した溶媒により、枇杷核エキ
スの成分の種類及び含有量は異なる。
【0024】図2は、各種枇杷核エキスの成分を調べる
ために、各種溶媒を用いて抽出した枇杷核エキスの薄層
クロマトグラム(TLC)を示す。
【0025】この薄層クロマトグラムによれば、溶媒が
水であるエキス(以下、水エキスという。)は、原点にの
みスポットが認められ、したがって、タンパク質、糖
類、アミグダリン等の極性の高い化合物を含有すると考
えられる。
【0026】また、溶媒が70%エタノールであるエキス
(以下、70%エタノールエキスという。)、及び溶媒がメ
タノールであるエキス(以下、メタノールエキスとい
う。)は、薄層クロマトグラムにおいて原点のスポット
が水エキスに比較して小さく、タンパク質、糖類、アミ
グダリン等の極性の高い化合物が少ないと考えられる。
70%エタノールエキス及びメタノールエキスにおいて
は、薄層クロマトグラムにてRf値が0.63を示す化合物は
リノレン酸、Rf値が0.53を示す化合物は、β−シトステ
ロール、Rf値が0.41を示す化合物はリノール酸、Rf値が
0.25を示す化合物はβ−シトステロールモノグリコサイ
ドであることが、構造解析により判断することができ
る。したがって、本発明の枇杷核エキスは、これらの化
合物の少なくとも1種を含む。
【0027】また、溶媒がヘキサンであるエキス(以
下、へキサンエキス)は、薄層クロマトグラムにてRf値
が0.71以上の化合物が確認され、極性の低い化合物を多
く含むと考えられる。(前回の出願内容を引用します。)
【0028】更に、核磁気共鳴法(NMR)、質量分析法
(MS)紫外吸収スペクトル法(IR)等を用いて成分分析
を行った。その結果、少なくともリノール酸、リノレン
酸、β−シトステロール、β−シトステロール3−0−モ
ノグリコシド、アミグダリン、ベンゾアルデヒド、マン
デニトリル及び安息香酸の8種類の有効成分及びプロリ
ン類似化合物が確認された。
【0029】したがって、本発明の枇杷核エキスを含有
する医薬組成物は、上記8種類の有効成分のうち少なく
とも1種を含む。本発明の枇杷核エキスを含有する医薬
組成物は、好ましくは、β−シトステロール、及びβ−
シトステロール−3−0−モノグリコシドを含有する。β
―シトステロール及びβ−シトステロール−3−0−モノ
グリコシドは、高脂血症改善作用を直接的に有するから
である。本発明の枇杷核エキスを含有する医薬組成物
は、βシトステロール及びβ−シトステロール−3−0−
モノグリコシドのほか、さらにリノール酸、及び/又は
リノレン酸を含むことが好ましい。リノール酸及びリノ
レン酸は、コレステロール溶解作用を有するからであ
る。
【0030】有効量 本発明による医薬組成物は、有効的な量の枇杷核エキ
ス、及び適当な投与形態の形で調製される。
【0031】本発明の医薬組成物における枇杷核エキス
の投与量は、投与対象患者の病態及びその重篤度、投薬
形態、選択した投与経路及び1日当たりの投与回数等に
より変更することができる。
【0032】本発明の医薬組成物における枇杷核エキス
の投与量は、ラットにおいては少なくとも375mg/kg/日
となる量であり、ヒトにおいては感受性の相違等によ
り、更に低い量であることが好ましい。ヒトにおける薬
物に対する感受性は、ラットにおける薬物に対する感受
性の薬10倍程度と推定される。したがって、60kgの成人
に対して、2〜3g/日、好ましくは、2.25g/日となる。
【0033】また、投与形態は、経口剤(タブレット、
カプセル、被膜タブレット、顆粒、溶液、シロップ)、
直腸投与用坐剤、注射等を挙げることができる。投与対
象患者は、慢性疾患の場合が多く、長期投与の必要性、
連用の容易性という観点から、好ましくは、経口剤であ
る。
【0034】投与形態には、従来の他の成分、例えば、
安定保存剤、甘味料、着色剤、芳香料などを含むことが
できる。
【0035】急性毒性試験 Carter.J.H.らは、枇杷核エキスの含有成分であるア
ミグダリンの毒性について検討し、ラットにおけるアミ
グダリンの致死量は、600mgであると報告している(Cart
er.J.H.,Mclefferty, M.A.,Goldeman,F.,Biochem.
Pharamacol.29、301(1980))。
【0036】枇杷核エキスの致死量は、そのアミグダリ
ン含量(7.4%)より、8060mg/kgと推定できる。
【0037】
【実施例】以下では本発明の一実施例を説明するが、本
発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではな
い。また、本発明の趣旨を逸脱することなく、本発明を
適宜変更して実施することが可能である。
【0038】枇杷核エキスの調製方法 枇杷核は、高知県果樹試験場にて採取した種子を日干し
により十分に乾燥させたものを用いた。枇杷核エキス
は、冷却装置付ブレンダーにて粉砕(1,000rp
m)した枇杷核(1,050g)を倍量の70%エタノ
ール(2,100ml)に浸漬、攪拌器にて常時攪拌
(300rpm)し、浸漬後7日に上清を分取し、エバ
ボレータにて70℃の温浴で蒸発乾固し、製した。な
お、エキスの収量は、70%エタノールエキス10.4g(抽出
率1.0%)であった
【0039】成分分析 枇杷核エキスの高脂血症予防及び治療効果を検討する為
に、まず、枇杷核エキスに含有される有効成分について
調べた。即ち、枇杷核エキスを調整(図1)し、溶媒間分
画法、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、分子ふる
いカラムクロマトグラフィー及び薄層クロマトグラフィ
ー(TLC)を用いて成分分画を行い、8種類の成分を単
離した。これらの化合物について高速液体クロマトグラ
フィ(HPLC)、TLC等を用いた標品との比較、及び
核磁気共鳴法(NMR)、質量分析法(MS)、赤外吸収ス
ペクトル法(IR)等を用いた機器分析により構造決定を
行った。その結果、枇杷核エキスは、β−シトステロー
ル、β−シトステロール−3−0−モノグリコシド、リノ
ール酸、リノレン酸、アミグダリン、ベンズアルデヒ
ド、マンデニトリル及び安息香酸を含有することが判明
した。以下に、その同定結果を示す。測定条件等につい
ては、以下の通りである。
【0040】β−シトステロール β−シトステロールは、枇杷核エキスより単離し、TL
C、EI-MS、1HNMR(CDCl2)スペクトルにおいて標品のデ
ータを比較同定した。 TLC展開溶媒 CHCl3:MeOH:H2O(8:2:0.2)Rf値0.71 HR-EI-MS C29H30Oとして、理論値 414.378、 実測値41
4.387 HNMR(δ、ピリジン−d5)141.0(s、1C)121.9(d、
1C)102.6(d、1C)、56.9(d、1C)、56.4(d、1C)、
50.5(d、1C)、46.2(d、1C)、42.6(s、1C)、40.
0(t、1C)、39.4(t、1C)、37.6(t、1C)、37.0
(s、1C)、36.4(d、1C)、34.3(t、1C)、32.24
(t、1C)、32.15(d、1C)、32.15(d、1C)、30.3(t、1
C)、29.6(d、1C)、28.6(t、1C)、26.6(t、1C)、24.6
(t、1C)、23.5(t、1C)、21.4(t、1C)、20.0(q、1
C)、19.5(q、1C)、19.3(q、1C)、19.1(q、1C)、
12.2(q、1C)、12.0(q、1C) IR(KBr,cm−1)3420
【0041】β−シトステロール−3−0−モノグリコサ
イド β−シトステロール−3−0−モノグリコサイドは、枇杷
核エキスより単離、HNMR(δ、CDCl3)及び13C−NM
R(δ、ピリジン−d5)スペクトルにおいて標品のデー
タと比較同定した。 HNMR(δ、ピリジン−d5)5.6−3.8(m)2.8−0.6
(m)13 C−NMR(δ、ピリジン−d5)141.0(s、1C)、121.9
(d、1C)、102.6(d、1C)78.6(d、1C)、78.4(d、1
C)、78.3(d、1C)、75.3(d、1C)、71.8(d、1
C)、62.9(t,1C)、56.9(d、1C)、56.4(d、1C)、5
0.5(d、1C)、46.2(d、1C)、42.6(s、1C)、40.0
(t、1C)、39.4(t、1C)、37.6(t、1C)、37.0(s、
1C)、36.4(d、1C)、34.3(t、1C)、32.24(t、1
C)、32.15(d、1C)、30.3(t、1C)、29.6(d、1
C)、28.6(t、1C)、26.6(t、1C)、24.6(t、1
C)、23.5(t、1C)、21.4(t、1C)、20.0(q、1C)、
19.5(q、1C)、19.3(q、1C)、19.1(q、1C)、12.0
(q、1C)、12.9(q、1C)
【0042】安息香酸 安息香酸は、枇杷核エキスより単離し、IR、HR-EI-MS、
1HNMR(CDCl3)及びHR-EI-MSスペクトルにおいて標品
のデータと比較同定した。 IR(KBr、cm−1)3432、3072、1687、1602 H1NMR(δ、CDCl3)8.15−8.10(m、2H)7.66−7.60
(m。1H)7.52−7.46(m、2H) 13C-NMR(δ、CDCl3)171.2(s、1C)、133.8(d、1
C)、130.2(d、2C)、129.2(s、1C)、128.5(d、2
C) HR-Ei-MS CHO2として、理論値 122.043、 実測値1
22.036
【0043】リノール酸及びリノレン酸 リノール酸及びリノレン酸は、枇杷核エキスをHPLCに付
し、標品と比較同定した。枇杷核エキスのHPLCクロマト
において、リノール酸及びリノレン酸の標品と同一のリ
テンションタイムを示すピークが認められた。 リノール酸及びリノレン酸のHPLCの測定条件 装置 日立D6000型高速液体クロマトグラフ 検出 240nm カラム YMC Pack ODS-AQ 150×6.6mm I.D. 測定温度 30℃ 移動相 アセトニトリル:水:酢酸(8:2:0.1) 流速 0.7ml/min リテンションタイム リノレン酸 9.98分 リノール酸 14.09分
【0044】アミグダリン、ベンズアルデヒド及びマン
デニトリル アミグダリン、ベンズアルデヒド及びマンデニトリル
は、枇杷核エキスをHPLCに付し、標品と比較同定した。
【0045】枇杷核エキスのHPLCクロマトにおいて、ア
ミグダリン、ベンズアルデヒド及びマンデニトリルの標
品と同一のリテンションタイムを示すピークが認められ
た。 アミグダリンのHPLCの測定条件 装置 日立D6000型高速液体クロマトグラフ 検出 UV242nm カラム YMC Pack ODA-AQ 150×6.6mm I.D。 測定温度 30℃ 移動相 アセトニトリル:水(1:4) 流速 1ml/min リテンションタイム:5.15分
【0046】ベンズアルデヒドのHPLCの測定条件 装置 日立D6000型高速液体クロマトグラフ 検出 UV280nm カラム YMC Pack ODS−AQ150×6.6mm I.D. 測定温度 30℃ 移動相 アセトニトリル:2%酢酸(2:1) 流速 1ml/min リテンションタイム:4.05分
【0047】マンデニトリルのHPLCの測定条件 装置 日立D6000型高速液体クロマトグラフ 検出 280nm カラム YMC Pack ODS-AQ 150×6.6mm I.D. 測定温度 30℃ 移動相 メタノール:水(7:3) 流速 1ml/min リテンションタイム:4.98分 枇杷核エキスより単離した化合物を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1正常家兎の血中脂質量の影響 正常家兎への投与は、日本白色種雄性家兎(1.8-2kg)を1
週間予備飼育した後、健常家兎につき1群6羽として、
普通飼料・飲料水投与群、普通飼料・枇杷核エキス投与
群の2群に分け、4週間投与を行った。
【0050】各家兎の耳静脈より、投与開始後、1週、2
週、3週及び4週にそれぞれ採血を行い血清を採取し
た。これらの血清について、VISIONアナライザー
(ダイナポット(製))を用い、GOT値、GPT値、総コレス
テロール値、LDLコレステロール値、HDLコレステロー
ル、中性脂肪値(トリグリセライド値)等の生化学検査値
を調べた。各検査値は、6羽の兎から得た値の平均値と
標準誤差で示し、各検査値の枇杷核エキス投与群と対象
群との差について、studentのt検定により5%の危険
率で有意差検定を行った。結果を図3に示す。
【0051】図3の結果から明らかなように、正常家兎
に枇杷核エキスを投与した場合、枇杷核エキスを投与し
ない場合と比較して、動脈硬化を促進させる要因となっ
ている血清総コレステロール値及びLDLコレステロー
ル値は、低値を示した。
【0052】実施例2コレステロール含有飼料投与家兎の血中脂質量の影響 実施例1と同様に枇杷核エキスを調製した。コレステロ
ール含有飼料投与家兎への投与は、予備飼育後の家兎を
1群6羽として、1%コレステロール含有飼料(清水実
験材料(株)製)・飲料水投与群及び1%コレステロール
含有飼料・枇杷核エキス投与群の2群に分け、4週間投
与を行った。なお、1%コレステロール含有飼料の投与
量は、1日75g(コレステロールとして37.5〜41.7mg/k
g)とした。
【0053】実施例1と同様に、生化学検査値を測定し
た。結果を図4に示す。図4の結果から明らかなよう
に、コレステロール含有飼料投与家兎に枇杷核エキスを
投与した場合、枇杷核エキスを投与しない場合と比較し
て、動脈硬化を促進させる要因となっている血清総コレ
ステロール値及びLDLコレステロール値は、低値を示
した。
【0054】実施例3高脂血症家兎の血中脂質量の影響 実施例1と同様に枇杷核エキスを調製した。まず、予備
飼育後の家兎を用いて、1%コレステロール含有飼料・
飲料水を3週間投与して、高脂血症家兎を作成した。な
お、1%コレステロール含有飼料の投与量は、1日75g
(コレステロールとして37.5〜41.7mg/kg)とした。これ
らの家兎について、投与飼料を1%コレステロール含有
飼料から普通飼料に変更した後、1群6羽として、普通飼
料・飲料水投与、普通飼料・枇杷核エキス投与群に分
け、4週間投与を行った。
【0055】実施例1と同様に、生化学検査値を測定し
た。結果を図5に示す。図5の結果から明らかなよう
に、高脂血症家兎に枇杷核エキスを投与した場合、枇杷
核エキスを投与しない場合と比較して、動脈硬化を促進
させる要因となっている血清総コレステロール値及びL
DLコレステロール値は、低値を示した。
【0056】実施例4高脂血症家兎の血中脂質量の影響 高脂血症家兎を、1%コレステロール含有飼料・飲料水
を4週間投与して作成した以外、実施例3と同様に枇杷核
エキスの投与を行った。
【0057】実施例1と同様に、生化学的検査値を測定
した。結果を図6に示す。図6の結果から明らかなよう
に、高脂血症家兎に枇杷核エキスを投与した場合、枇杷
核エキスを投与しない場合と比較して、動脈硬化を促進
させる要因となっている血清総コレステロール値及びL
DLコレステロール値は、低値を示した。
【0058】
【発明の効果】本発明の医薬組成物は、血中の脂質量、
特に血清総コレステロール値及びLDLコレステロール値
を効果的に低下させるという有利な効果を有する。
【0059】本発明の医薬組成物は、天然成分由来であ
るため、腸管吸収に優れ、副作用がなく、安全性が高い
という有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、枇杷核エキスの調製方法を示す図で
ある。
【図2】 図2は、各種溶媒を用いて抽出した枇杷核エ
キスの薄層クロマトグラムを示す図である。
【図3】 図3は、正常家兎の生物学的検査値を(GOT、G
PT、総コレステロール値、LDLコレステロール値、HDLコ
レステロール値、トリグリセライド値)を調べた結果を
示す図である。
【図4】 図4は、1%コレステロール含有飼料投与家
兎の生化学的検査値を調べた結果を示す図である。
【図5】 図5は、高脂血症家兎の生化学的検査値を調
べた結果を示す図である。
【図6】 図6は、高脂血症家兎の生化学的検査値を調
べた結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 31/275 A61K 31/275 31/575 31/575 31/7034 31/7034 31/704 31/704 A61P 3/06 A61P 3/06 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 35/78 A61K 31/11 A61K 31/19 A61K 31/201 A61K 31/202 A61K 31/275 A61K 31/575 A61K 31/7034 A61K 31/704

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液中の脂質量を低下させるために、有
    効量の枇杷核エキスを含有する医薬組成物。
  2. 【請求項2】 体液が、血液である請求項1記載の医薬
    組成物。
  3. 【請求項3】 枇杷核エキスを粉砕して得た粉砕物を、
    エタノール、メタノール、水、へキサンからなる群から
    選択される少なくとも1種の溶媒に浸漬して、上清を分
    取して前記枇杷核エキスを得たことを特徴とする請求項
    1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 枇杷核エキスが、リノール酸、リノレン
    酸、β-シトステロール、β−シトステロール-3-O-モノ
    グリコシド、アミグダリン、ベンズアルデヒド、マンデ
    ニトリル、安息香酸を含有することを特徴とする請求項
    1〜3項にいずれか1項に記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 前記体液中の脂質が、総コレステロー
    ル、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪
    からなる群から選択される少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項に記載の医薬組
    成物。
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