JP3437786B2 - 回転電機およびその製造方法 - Google Patents

回転電機およびその製造方法

Info

Publication number
JP3437786B2
JP3437786B2 JP10241399A JP10241399A JP3437786B2 JP 3437786 B2 JP3437786 B2 JP 3437786B2 JP 10241399 A JP10241399 A JP 10241399A JP 10241399 A JP10241399 A JP 10241399A JP 3437786 B2 JP3437786 B2 JP 3437786B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surface portion
commutator
bent
armature coil
varistor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10241399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000139061A (ja
Inventor
正明 清水
研二 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP10241399A priority Critical patent/JP3437786B2/ja
Publication of JP2000139061A publication Critical patent/JP2000139061A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3437786B2 publication Critical patent/JP3437786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor Or Generator Current Collectors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の作動時
に生ずるノイズを消去するのに用いられるサージ吸収素
子が整流子に取り付けられて形成された回転電機に関す
る。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】モータ
装置や、発電機などの回転電機には、回転子に設けた整
流子と、固定子に設けたブラシとを介し、回転子側と固
定子側とを電気的に接続する構成のものがあり、このよ
うな回転電機の代表的なものとしては、直流発電機や直
流モータ等がある。
【0003】このような回転電機の作動時に、整流子と
ブラシとの間に発生する火花放電は、回転電機の機能上
および周囲の電子機器の動作上好ましくない電気ノイズ
を発生させ、しかも整流子やブラシの消耗を早めその耐
久性を劣化させる原因となる。そこで、従来から上記の
ような火花放電の発生を抑制するために、整流子の部分
に、例えばリング状のバリスタなどのサージ吸収素子を
取り付けることが行われていた。
【0004】図10(A)(B)には、従来の直流モー
タ回転子構造の一例が示されている。この回転子は、回
転軸110の周囲に取り付け固定された電機子コア12
2と、この電機子コア122に巻装された電機子コイル
120と、回転軸110に取り付け固定された整流子1
14と、サージ吸収素子であるバリスタ116とを含ん
で構成される。
【0005】整流子114は、図10(A)に示すよう
に、回転軸110に取り付けられた3個の整流子片11
4aから構成され、各整流子片114aの一端側には、
電機子コイル120と接続されたライザ118が放射状
に突設されている。そして、このライザ118には、サ
ージ吸収素子であるリング状のバリスタ116および電
機子コイル120が半田付け接続されている。
【0006】図11(A)(B)には、それらの一部と
して図10(A)(B)にあるバリスタ116の斜視図
が示され、このバリスタ116の外周面には、整流子片
114aの数と同数(ここでは3個)の電極130aが
設けられている。そして、このバリスタ116の、各電
極130aに、各整流子片114aから延設されたライ
ザ118を半田付けすることで、バリスタ116と整流
子片114aとの電気的な接続を行なうと共に、バリス
タ116がライザ118に機械的に取付け固定される構
造となっている。なお、ライザ118と電機子コイル1
20の巻線との半田付け接続は、バリスタ116の取付
に先立って行われる。
【0007】前述したように、従来バリスタ116の各
電極130aと各ライザ118との半田付けによる取付
けにおいては、予めバリスタ116に各ライザ118に
対応した複数の電極130aを形成していたため、各ラ
イザ118に対しバリスタ116の各電極130aを位
置合わせしてからでないと両者を半田付けにより固定す
ることはできず、これが、バリスタ組付作業を自動化す
るに際しての問題となっていた。
【0008】また、バリスタ116の電極面130a
と、ライザ118との接続時に、図11(C)の矢印a
のように、半田140がライザから整流子のブラシ摺動
面114bに流入する不具合が生じる。なぜならば、通
常モータは、図11(C)の矢印A方向が下方となり、
矢印Bの方向が上方を向いた状態で配置されるためであ
る。さらに、半田フラックスが整流子のブラシ摺動面に
飛び散るといった不具合もある。
【0009】加えて、実開平6-13375号、実開平6-77475
号、特開平7-327345号等のような提案もなされている。
【0010】しかしながら、実開平6-77475号では、バ
リスタの外周面にライザを接続する方式でないため、バ
リスタの各電極がバリスタ裏面側の隠れた位置に形成さ
れ、位置合わせに際しての視認性が悪く、これがバリス
タ組付のための作業性を低下させ、自動化を妨げる大き
な問題となり、しかも、製造される回転子のコスト上昇
の原因にもなる。
【0011】また、特開平7-327345号では、巻線とライ
ザの接続をフュージングにより実施し、ライザの他の部
分はバリスタリングにかしめられる構成である。このた
め、フュージングによりかしめられたライザとバリスタ
電極とが対面する位置に来ないので、半田を盛って電気
接続するといった熟練作業を必要とする。また、ライザ
は、巻線と電気接続する必要があり、バリスタ接続の信
頼性が低下する。
【0012】さらに、実開平6-13375号では、半径方向
に延びる端子は、U字状に屈曲形成されているが、バリ
スタを締め付けるように形成されているので、半田付け
は行われない。また、このU字状の屈曲部分には、組立
工程においてわざわざ屈曲しなければならず、工数が増
える。
【0013】本発明は、上記した技術の課題を解決する
ためになされたものであり、その目的とするところは、
サージ吸収素子の整流子への取付け作業を容易かつ自動
化可能とし、さらには接続の作業性および信頼性を向上
させることのできる回転電機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明に係る回
転電機は、回転軸と、前記回転軸の周囲に固着される複
数の整流子片を含んで形成される整流子と、前記整流子
に導通接続される電機子コイルと、前記整流子の外周を
囲んで位置し、外周面に電極を有するリング形状のサー
ジ吸収素子と、を有する回転電機であって、前記整流子
片は、前記回転軸に固着される複数の整流子片本体と、
前記整流子片本体より放射状に延在して、前記サージ吸
収素子が載置される載置部と、前記載置部より延在形成
され、前記電機子コイルの巻線が導通接続される結線部
と、を有し、前記結線部は、前記載置部の先端部が屈曲
され、前記サージ吸収素子の外周面の前記電極と近接し
て対向し、前記電極と導通接続されている第1の屈曲面
部と、前記第1の屈曲面部より断面略U字状に屈曲され
て形成され、前記第1の屈曲面部との間にて前記電機子
コイルの巻線を狭持する第2の屈曲面部と、を含み、前
記第1の屈曲面部は、第1屈曲面部本体と、前記第1屈
曲面部本体から延在する第1導入突起と、を有し、前記
第1導入突起は、前記第1屈曲面部本体が前記載置部か
ら延在する方向とほぼ逆方向に延在することを特徴とす
る。
【0015】本発明にあっては、各整流子片の結線部
が、サージ吸収素子の外周面の電極と近接して対向する
ように形成されている。したがって、複数の整流子片を
回転軸に固着して整流子を形成した後に、サージ吸収素
子を各整流子片の載置部に載置して整流子に取付ける際
に、サージ吸収素子の外周を各結線部に内接させること
によって、整流子片の結線部によりサージ吸収素子を精
度良く位置決めすることができる。そのため、サージ吸
収素子に形成された電極と整流子片の結線部との間の位
置合わせ作業を必要とすることなく、サージ吸収素子を
所定位置に載置することができる。これは、取付け作業
の容易化、および組立自動化を図る上で極めて有効なも
のとなる。また、電機子の機械的バランスが良い回転電
気が得られる。
【0016】また、各整流子片の結線部がサージ吸収素
子の外周面の電極と近接して対向するように形成されて
いることによって、結線部とサージ吸収素子との半田付
け接続、および、結線部と電機子コイルの巻線との半田
付け接続を、ほぼ同一の部分でほぼ同時に行うことが可
能となるため、半田付け接続の作業効率や信頼性が向上
する。
【0017】また、この半田付け作業は、整流子の側方
よりできるので、狭い範囲に半田ごてをいれる必要はな
く、半田付作業エリアの視認性が高く、半田付箇所を目
視しながら、容易かつ確実に半田付け作業を進めること
ができる。
【0018】さらに、サージ吸収素子の外周面に形成さ
れた電極と、整流子片の結線部とが近接して対向してい
るため、結線部を回転遠心力に対するストッパーとして
機能させることができ、サージ吸収素子を強固に固定で
きる。また、載置部の長さを短くできるため、回転電機
の小型化が図れる。
【0019】
【0020】また、結線部の断面をU字状に形成するこ
とで、半田付け接続する際には、その領域に半田が保持
され、整流子の摺動面に半田が流入する可能性が大幅に
低減される。
【0021】しかも、第1の屈曲面部とサージ吸収素子
の電極が近接して対向し、かつ、第1の屈曲面部と第2
の屈曲面部との間に電機子コイルの巻線が接続されてい
るので、半田付け接続する際には、第1の屈曲面部とサ
ージ吸収素子の半田付け接続部分と、第1および第2の
屈曲面部を備える結線部と電機子コイルの巻線との半田
付け接続部分とが近接する。したがって、それらの半田
付け接続をほぼ同時にでき、作業効率や接続信頼性が向
上する。
【0022】
【0023】本発明によれば、結線部より回転軸に近い
位置から延びる電機子コイルの巻線を、結線部にからげ
始める際に、第1導入突起によって電機子コイルの巻線
が回転軸側にずれることが防止されるため、電機子コイ
ルの巻線が結線部からずれてしまったり、弛んだりする
ことを防ぐことができると共に、第1の屈曲面部と第2
の屈曲面部の境界領域に電機子コイルの巻線を導いて結
線することができる。
【0024】() 本発明に係る回転電機は、回転軸
と、前記回転軸の周囲に固着される複数の整流子片を含
んで形成される整流子と、前記整流子に導通接続される
電機子コイルと、前記整流子の外周を囲んで位置し、外
周面に電極を有するリング形状のサージ吸収素子と、を
有する回転電機であって、前記整流子片は、前記回転軸
に固着される複数の整流子片本体と、前記整流子片本体
より放射状に延在して、前記サージ吸収素子が載置され
る載置部と、前記載置部より延在形成され、前記電機子
コイルの巻線が導通接続される結線部と、を有し、前記
結線部は、前記載置部の先端部が屈曲され、前記サージ
吸収素子の外周面の前記電極と近接して対向し、前記電
極と導通接続されている第1の屈曲面部と、前記第1の
屈曲面部より断面略U字状に屈曲されて形成され、前記
第1の屈曲面部との間にて前記電機子コイルの巻線を狭
持する第2の屈曲面部と、を含み、前記第2の屈曲面部
は、第2屈曲面部本体と、前記第2屈曲面部本体から延
在する第2導入突起と、を有し、前記第2導入突起は、
前記第1屈曲面部本体が前記載置部から延在する方向と
ほぼ同方向に延在し、端部に近づくにつれて前記回転軸
から離れるように傾斜していることを特徴とする。
【0025】本発明によれば、電機子コイルの巻線を絡
げる位置が回転軸から遠い方向に幾分ずれてしまった場
合でも、端部に近づくにつれて回転軸から離れるように
傾斜した第2導入突起によって電機子コイルの巻線が第
1の屈曲面部と第2の屈曲面部の境界領域に導かれるた
め、電機子コイルの巻線を結線部の所定位置に、比較的
容易に結線することができる。
【0026】() 本発明に係る回転電機は、前記結
線部は、前記第1の屈曲面部と前記第2の屈曲面部との
間の屈曲部をくびれさせて形成した導入溝を有すること
を特徴とする。
【0027】本発明によれば、電機子コイルの巻線を導
入溝の位置に位置決めして、絡げることが可能となるた
め、電機子コイルの巻線を結線部の所定位置に容易に結
線することができる。
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0037】1. <第1実施形態> 1.1 全体構成 本発明の回転電機の一例であるモータ装置の概要を示す
正面図および側面図を、図1(A)および図1(B)に
示す。
【0038】本例のモータ装置1は、回転軸10の周囲
に取り付け固定された電機子コア32と、この電機子コ
ア32に巻装された電機子コイル30と、回転軸10に
取り付け固定された整流子14と、リング形状のサージ
吸収素子であるバリスタ16とを含んで構成される。
【0039】整流子14は、図1(A)に示すように、
回転軸10に筒状の絶縁材12を介して、取り付けられ
た複数例えば3個の整流子片14aから構成される。
【0040】各整流子片14aの一端側には、電機子コ
イル30と接続された載置部としてのライザ部20が放
射状に突設されている。そして、このライザ部20に
は、サージ吸収素子であるリング状のバリスタ16およ
び電機子コイル30が半田付け接続されている。
【0041】図3(C)には、図1(A)(B)に示し
たバリスタ16が斜視図として示され、このバリスタ1
6の外周面には、整流子片14aの数と同数(ここでは
3個)の個別電極40aが設けられている。そして、こ
のバリスタ16の、各個別電極40aに、各整流子片1
4aから延設されたライザ部20を半田付けすること
で、バリスタ16と整流子片14aとの電気的な接続を
行なうと共に、バリスタ16がライザ部20に機械的に
取付け固定される構造となっている。なお、ライザ部2
0と電機子コイル30の巻線との結線は、バリスタ16
の取付に先立って行われる。
【0042】バリスタ16は、図2に示したようにドー
ナツ形のリング形状に形成されている。そして、このリ
ング形状をしたバリスタ16は、その断面が各長方形状
に形成され、図2に示すように、外周面16a、内周面
16b、および両端面16c,16cを持っている。
【0043】バリスタ16の外周面16aには、その全
周にわたってリング電極40が被覆形成されている。こ
のリング電極40は、例えば、銀電極を外周面16aの
全周に被覆することによって形成される。なお、この被
覆領域は外周面16aの全域であっても良いし、あるい
は帯状域であっても良い。このリング電極40は、最終
的には、図3(C)に示すように、ライザ20部とライ
ザ部20のそれぞれの間で部分的に切断除去し、リング
電極40を、3個の切断分離部42で互いに電気的に絶
縁された3個の個別電極40aに分離する。これによ
り、3個のライザ20は、バリスタ16上に形成された
3個の個別電極40aとそれぞれ独立に半田付接続され
る。
【0044】1.2 整流子片について 整流子片14aは、図2に示すように、円弧状に形成さ
れてモータ装置回転時にブラシ(図示せず)と摺動する
整流子片本体15と、整流子片本体15からモータ装置
回転軸と交差する方向(回転軸10と略90度直交する
r方向)に延設されて、バリスタ16が端面16cの接
する状態で載置される舌片状のライザ部20と、ライザ
部20の延設端部であって、バリスタ16の外周面16
aと対向するように屈曲して形成され、電機子コイル3
0の巻線が導通接続される結線部23と、を有する。
【0045】即ち、ライザ部20は、整流子片本体15
の一部を略90度に屈曲した屈曲部21と、この屈曲部
21より延設してバリスタ16の端面16cを載置する
端面載置部22とを含んで構成される。
【0046】結線部23は、ライザ部20の載置部22
の延設方向(r)に対し屈曲部24にて略90度の方向
(z)に曲げることで、バリスタ16の外周面に設けら
れたリング電極40と対向するように形成された第1の
屈曲面部25と、第1の屈曲面部25より屈曲部26を
介して断面略U字状に屈曲された第2の屈曲面部27と
を備えている。
【0047】これによって、断面略U字状の第1の屈曲
面部25と第2の屈曲面部27との間の屈曲部26の近
傍領域に電機子コイル30の巻線を結線し、第1の屈曲
面部25と第2の屈曲面部27とをかしめてフュージン
グすることで、巻線を狭持しつつU字状の部分はつぶ
れ、つぶれた第1の屈曲面部25および第2の屈曲面部
27は、整流子片本体15の外周面とほぼ平行に近接対
向して位置することとなる。これにより、図2に示すよ
うに、バリスタ16の大きさは、外周面16aまでの外
径が第1の屈曲面部25より僅かに小さく、内周面16
bまでの内径が整流子片本体15の外周面より大きいリ
ング形状であるため、バリスタ16が挿入できる空間が
確保される。
【0048】1.3 製造方法について 次に、本例のバリスタ16を、整流子片14に組み付け
て回転電機を製造する方法について図2、図3(A)〜
(C)を用いて説明する。
【0049】先ず、図3(A)に示すように、断面略U
字状の第1の屈曲面部25と第2の屈曲面部27との間
の屈曲部26の近傍領域に電機子コイル30の巻線30
aを結線する。
【0050】そして、図3(B)に示すように、第1の
屈曲面部25と第2の屈曲面部27とをかしめてフュー
ジングすることで、巻線30aを狭持しつつU字状の部
分はつぶれ、つぶれた第1の屈曲面部25および第2の
屈曲面部27は、整流子片本体15の周面とほぼ平行に
対向して位置することとなる。
【0051】次いで、図2に示すように、回転軸10の
一端側から、バリスタ16のドーナツ穴16dに回転軸
10を挿入するようにして、バリスタ16を回転軸10
の一端側から整流子14のライザ部20の載置部22に
載る位置まで移動させる。この移動は、同時に、バリス
タ16の外周面16aがそれぞれの結線部23に内接す
るように行われ、この状態でそれぞれの結線部23はバ
リスタ16の外周面16aに近接して対向するように形
成されているため、バリスタ16は整流子14とほぼ同
心に配置されることとなる。これにより、結線部23の
第1の屈曲面部25と、バリスタ16のリング電極40
が略対向配置される。
【0052】このような位置を保ちながら、図3(C)
に示すように、相対向する第1の屈曲面部25と、バリ
スタ16のリング電極40との間の隙間Sに半田を流し
込み、半田付け接合を得る。これによって、バリスタ1
6上のリング電極40と各整流子片14aのライザ部2
0とを電気的に接続するとともに、機械的に固定する。
このとき同時に巻線30aも結線部23に半田接続す
る。
【0053】なお、リング電極40はバリスタ16の外
周面16aの全周にわたって形成されているため、前述
の電気的および機械的接続の作業時において、バリスタ
16の回転位置を結線部23に対して位置合わせするこ
となく、バリスタ16のリング電極40と各ライザ部2
0の結線部23と対向させることができる。しかも、リ
ング電極40はバリスタ16の外周面16aに設けてあ
るため、半田付け作業エリアの視認性が高く、半田付け
の箇所を目視しながら容易に半田付け作業を進めること
ができる。
【0054】次に、図3(C)に示したように、バリス
タ16のリング電極40を、結線部23に対向する部分
と他の結線部結線部23に対向する部分のそれぞれの間
で部分的に切断除去し、リング電極40を、3個の切断
分離部42によって互いに電気的に絶縁された3個の個
別電極40aに分離する。これにより、3個の結線部2
3は、バリスタ16上に形成された3個の個別電極40
aとそれぞれ独立に半田付け接続された状態となる。
【0055】なお、切断除去は、リング電極40の電気
的導通がこの部分で絶たれる方法であればどのような方
法でもよく、例えば、グラインダによってリング電極4
0の一部を削り取ってもよく、あるいは、レーザによっ
てリング電極40の一部を取り除いてもよい。
【0056】このような方法によって、バリスタ16を
整流子14に取り付け、図4に示したような回転子を形
成することができる。
【0057】1.4 第1実施形態の作用効果 以上のように、本実施形態によれば、バリスタの位置が
整流子のライザ部および結線部により決定されるため、
位置決め作業を要さない。このため、組立自動化を図る
上で極めて有効なものとなる。また、位置決めが確実に
行われることになるため、電機子の機械的バランスが良
いモータ装置を組み立てることができる。
【0058】また、整流子の側方より半田付け作業がで
きるので、狭い範囲に半田ごてを入れる必要はなく、半
田付け作業エリアの視認性が高く、半田付け箇所を目視
しながら容易に半田付け作業を進めることができる。さ
らに、半田付けする部分同士が近接しているため、半田
付け部として余分な長さを必要としない。
【0059】さらに、バリスタ16の外周面16aに形
成されたリング電極40(個別電極40a)と、各整流
子片14aの結線部23とが近接して対向しているた
め、結線部23を回転遠心力に対するストッパーとして
機能させることができ、バリスタ16を強固に固定でき
る。また、ライザ部20の長さを短くできるため、モー
タ装置1の小型化を図ることができる。
【0060】しかも、第1の屈曲面部25とリング電極
40が対面し、かつ、第1の屈曲面部25と第2の屈曲
面部27との間に巻線が接続されているので、結線部2
3とバリスタ16との半田付け接続、および、電機子コ
イル30の巻線と結線部23との半田付け接続をほぼ同
一の部分でほぼ同時に行うことが可能となるため、半田
付け接続の作業効率や信頼性が向上する。
【0061】1.5 第1実施形態の変形例 1.5.1 整流子片の結線部の形状は、図5(A)に
示すような形状であってもよい。すなわち、上記実施形
態では図2に示すように、結線部23のU字形状端面が
回転軸方向(Z方向)を向く構成としていたのに対し
て、図5(A)に示した整流子片50の結線部52は、
U字形状端面がZ軸と交差する方向Vに向く形状として
形成されている。このような形状の結線部52を持つ整
流子片50を用いた場合で、上記実施形態と同様の作用
効果を得ることができる。
【0062】1.5.2 また、整流子片の結線部の形
状は、図5(B)に示すような形状であってもよい。こ
の整流子片60は、結線部62が略Z字形状の端面を持
つ形状とし、第3の屈曲面部64を形成して、略Z字形
状の端面がZ軸と交差する方向Vに向く形状として形成
されている。このように形成しても、上記実施形態と同
様の作用効果が得られる。
【0063】2. <第2実施形態> 第2実施形態は、各整流子片の結線部が第1実施形態と
は異なる。それ以外の点は、第1実施形態と同様である
ので、その説明を省略する。また、図面において対応す
る部分には第1実施形態と同一の符号を付す。
【0064】2.1 整流子片 図6〜図9は、本実施形態の整流子片70を示す図であ
り、図6は斜視図、図7は整流子片70を折り曲げ形成
する前の展開図、図8は平面図、図9は正面図である。
【0065】これらの図に示すように、本実施形態の整
流子片70は、第1実施形態における整流子片14aと
同様に、整流子片本体15と、載置部としてのライザ部
20と、結線部とを備えている。
【0066】なお、結線部71は第1および第2の屈曲
面部72,76を備えている点では、第1実施形態と同
様である。しかし、本実施形態における結線部71は、
第1の屈曲面部72が、第1屈曲面部本体73と、第1
屈曲面部本体73から延在する第1導入突起74とを備
えて形成されている。そして、第1導入突起74は、第
1屈曲面部本体73がライザ部20から延在する方向と
ほぼ逆方向に延在している。
【0067】このように、本実施形態に係る結線部71
の第1の屈曲面部72は、第1屈曲面部本体73がライ
ザ部20から延在する方向とほぼ逆方向に延在する第1
導入突起74を備えているため、結線部71より回転軸
10に近い位置から延びる電機子コイル30の巻線30
aを、図6に示すように結線部71にからげ始める際
に、巻線30aが回転軸側にずれることが第1導入突起
74によって防止される。したがって、電機子コイル3
0の巻線30aが結線部71からずれてしまったり、弛
んだりすることを防ぐことができると共に、第1の屈曲
面部72と第2屈曲面部76の境界領域に電機子コイル
30の巻線30aを導いて結線することができる。
【0068】さらに、本実施形態においては、第2の屈
曲面部76は、第2屈曲面部本体77と、第2屈曲面部
本体77から延在する第2導入突起78とを備えて形成
されている。第2導入突起78は、第1屈曲面部本体7
3がライザ部20から延在する方向とほぼ同方向に延在
し、端部に近づくにつれて回転軸10から離れるように
傾斜して形成されている。
【0069】このため、電機子コイル30の巻線30a
を絡げる位置が回転軸10から遠い方向に幾分ずれてし
まった場合でも、回転軸10から離れる方向に傾斜した
第2導入突起78によって第1の屈曲面部72と第2の
屈曲面部76の境界領域に巻線30aが導かれるため、
電機子コイル30の巻線30aを結線部71の所定位置
に結線することができる。
【0070】そして、結線部71は、第1の屈曲面部7
2と第2の屈曲面部76との間の屈曲部26をくびれさ
せて形成した導入溝79を備えて形成されている。した
がって、電機子コイル30の巻線30aを導入溝79の
位置に位置決めして、絡げることが可能となるため、電
機子コイル30の巻線30aを結線部71の所定位置
に、比較的容易に結線することができる。
【0071】また、本実施形態の整流子片70は、図7
に示した展開図から明らかなように、一枚の金属材料を
切り出し、折り曲げて形成することができる。
【0072】2.2 第1実施形態の変形例 2.2.1 上記においては、第1の屈曲面部72が、
第1屈曲面部本体73がライザ部20から延在する方向
とほぼ逆方向に延在する第1導入突起74を備えている
例を示した。しかし、第1の屈曲面部72は、さらに、
第1屈曲面部本体73がライザ部20から延在する方向
とほぼ同方向に延在し、端部に近づくにつれて回転軸に
近く位置する突起部を備えていてもよい。これによっ
て、電機子コイル30の巻線30aを絡げる位置が回転
軸10に近い方向に幾分ずれてしまった場合でも、端部
に近づくにつれて回転軸10に近く位置する突起部によ
って第1の屈曲面部72と第2の屈曲面部76の境界領
域に巻線30aが導かれるため、電機子コイル30の巻
線30aを結線部71の所定位置に結線することができ
る。
【0073】3. <変形例> なお、本発明は前述した各実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の要旨の範囲内または特許請求の範囲の
均等範囲内で各種の変形実施が可能である。
【0074】3.1 例えば、サージ吸収素子はバリス
タに限らず、サージ電圧を抑制することができる素子で
あればよい。
【0075】3.2 また、上述の各実施形態において
は、サージ吸収素子として断面長方形のバリスタ16を
用い、その外周面16aにリング電極40を設けた。し
かしサージ吸収用素子の断面形状は、長方形状に限らな
いため、サージ吸収素子が他の断面形状の場合には、そ
の断面形状に合わせた外周面の位置にリング電極を形成
すればよい。
【0076】3.3 また、本発明の整流子はモータ装
置に用いられるものに限らず、回転電機例えば発電幾に
用いられるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)および(B)は、第1実施形態に係るモ
ータ装置の回転子の概要を示す正面図および側面図であ
る。
【図2】図1のモータ装置におけるバリスタの取付状態
を概略的に示す分解斜視図である。
【図3】(A)、(B)、および(C)は、バリスタの
取付け工程を概略的に示す説明図である。
【図4】図1に示した回転子の概略斜視図である。
【図5】(A)および(B)は、第1実施形態の整流子
片の変形例を示す概略斜視図である。
【図6】第2実施形態の整流子片を示す斜視図である。
【図7】図6に示した整流子片が折り曲げ形成される前
の状態を示す展開図である。
【図8】第2実施形態の整流子片を示す平面図である。
【図9】第2実施形態の整流子片を示す正面図である。
【図10】(A)および(B)は、従来の回転電機の回
転子の一例を概略的に示す正面図と側面図である。
【図11】図10の回転電機のバリスタとライザの取付
け工程を概略的に示す図であり、(A)および(B)は
斜視図であり、(C)は断面図である。
【符号の説明】
10 回転軸 14 整流子 14a、50、60、70 整流子片 15 整流子片本体 16 バリスタ(サージ吸収素子) 16a 外周面 20 ライザ部(載置部) 23、52、62、71 結線部 25、72 第1の屈曲面部 27、76 第2の屈曲面部 30 電機子コイル 30a 巻線 40 リング電極 40a 個別電極 73 第1屈曲面部本体 74 第1導入突起 77 第2屈曲面部本体 78 第2導入突起 79 導入溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 13/00 - 13/14 H01R 39/00 - 39/64

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と、 前記回転軸の周囲に固着される複数の整流子片を含んで
    形成される整流子と、 前記整流子に導通接続される電機子コイルと、 前記整流子の外周を囲んで位置し、外周面に電極を有す
    るリング形状のサージ吸収素子と、 を有する回転電機であって、 前記整流子片は、 前記回転軸に固着される複数の整流子片本体と、 前記整流子片本体より放射状に延在して、前記サージ吸
    収素子が載置される載置部と、 前記載置部より延在形成され、前記電機子コイルの巻線
    が導通接続される結線部と、 を有し、 前記結線部は、前記載置部の先端部が屈曲され、前記サ
    ージ吸収素子の外周面の前記電極と近接して対向し、前
    記電極と導通接続されている第1の屈曲面部と、 前記第1の屈曲面部より断面略U字状に屈曲されて形成
    され、前記第1の屈曲面部との間にて前記電機子コイル
    の巻線を狭持する第2の屈曲面部と、を含み、 前記第1の屈曲面部は、第1屈曲面部本体と、前記第1
    屈曲面部本体から延在する第1導入突起と、を有し、 前記第1導入突起は、前記第1屈曲面部本体が前記載置
    部から延在する方向とほぼ逆方向に延在する ことを特徴
    とする回転電機。
  2. 【請求項2】 回転軸と、 前記回転軸の周囲に固着される複数の整流子片を含んで
    形成される整流子と、 前記整流子に導通接続される電機子コイルと、 前記整流子の外周を囲んで位置し、外周面に電極を有す
    るリング形状のサージ吸収素子と、 を有する回転電機であって、 前記整流子片は、 前記回転軸に固着される複数の整流子片本体と、 前記整流子片本体より放射状に延在して、前記サージ吸
    収素子が載置される載置部と、 前記載置部より延在形成され、前記電機子コイルの巻線
    が導通接続される結線部と、 を有し、 前記結線部は、前記載置部の先端部が屈曲され、前記サ
    ージ吸収素子の外周面の前記電極と近接して対向し、前
    記電極と導通接続されている第1の屈曲面部と、 前記第1の屈曲面部より断面略U字状に屈曲されて形成
    され、前記第1の屈曲面部との間にて前記電機子コイル
    の巻線を狭持する第2の屈曲面部と、 を含み、 前記第2の屈曲面部は、第2屈曲面部本体と、前記第2
    屈曲面部本体から延在する第2導入突起と、を有し、 前記第2導入突起は、前記第1屈曲面部本体が前記載置
    部から延在する方向とほぼ同方向に延在し、端部に近づ
    くにつれて前記回転軸から離れるように傾斜しているこ
    とを特徴とする回転電機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2のいずれかにおいて、 前記結線部は、前記第1の屈曲面部と前記第2の屈曲面
    部との間の屈曲部をくびれさせて形成した導入溝を有す
    ることを特徴とする回転電機。
JP10241399A 1998-08-24 1999-04-09 回転電機およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3437786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10241399A JP3437786B2 (ja) 1998-08-24 1999-04-09 回転電機およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-253247 1998-08-24
JP25324798 1998-08-24
JP10241399A JP3437786B2 (ja) 1998-08-24 1999-04-09 回転電機およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000139061A JP2000139061A (ja) 2000-05-16
JP3437786B2 true JP3437786B2 (ja) 2003-08-18

Family

ID=26443131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10241399A Expired - Fee Related JP3437786B2 (ja) 1998-08-24 1999-04-09 回転電機およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3437786B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5434817B2 (ja) * 2010-06-24 2014-03-05 株式会社デンソー 整流子電動機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000139061A (ja) 2000-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0818873B1 (en) A miniature motor
EP0863602B1 (en) A rotor for an electric motor
JP2009112193A (ja) 電気モータの整流子
JP6581378B2 (ja) 電気モータ
CN113809862B (zh) 配电部件
JP2003116247A (ja) 小型モータ及びその製造方法
US6944933B2 (en) Manufacturing method of a rotor of small motors
EP1009087B1 (en) Miniature electric motor
JP3437786B2 (ja) 回転電機およびその製造方法
JPH09308203A (ja) ブラシ付き直流電動機
US6611077B2 (en) Motor having a commutator
JP2000232746A (ja) 圧縮機用電動機の固定子および電動圧縮機
JPH11136901A (ja) 小型モータおよび小型モータの製造方法ならびにその製造方法に使用するスポット溶接機
JP3913998B2 (ja) 小型モータの回転子及びその製造方法
US20080203847A1 (en) Planar commutator, rotor and direct current electric motor
US20020121836A1 (en) End shield for a commutator machine and a method for producing such an end shield
JP5738084B2 (ja) 整流子、整流子を備えた回転子及び、整流子を備えた回転子の製造方法
JP4568075B2 (ja) ブラシ付き小形モータ
JP4428639B2 (ja) モータ
JP4105024B2 (ja) 直流電動機及びこの直流電動機を用いた燃料ポンプ
JP3626867B2 (ja) 振動モータの回転部材
JP3497292B2 (ja) バリスタを備えた整流子及びその製造方法
JP2022142804A (ja) コンデンサ付き整流子を有する直流モータ及びその製法
JP2004229438A (ja) ブラシ付き小形モータ
JPH10225039A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030311

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030520

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090606

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090606

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100606

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110606

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120606

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130606

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140606

Year of fee payment: 11

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees