JP3437123B2 - イオン交換膜型電解槽及び電解方法 - Google Patents

イオン交換膜型電解槽及び電解方法

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン交換膜型電
解槽および電解方法に関し、更に詳しくは、ガス拡散陰
極を使用したイオン交換膜型食塩電解槽および食塩電解
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業の基礎資材である苛性ソーダ、塩素
は、食塩水の電気分解によって製造されるが、その製造
の際には大量の電力が使用されている。そのため食塩水
の電気分解方法については、過去において精力的な省エ
ネルギーをする努力が行われ、大幅な省エネルギーが図
られた。将来に向けては更に大幅な省エネルギーが期待
できる酸素陰極食塩電解法が検討されている。酸素陰極
を使用するこの方法においては、食塩と酸素と水から、
苛性ソーダ水溶液と塩素ガスを得ることができる。
【0003】酸素陰極食塩電解槽は通常3室法で構成さ
れる。陽イオン交換膜とガス拡散陰極とによって、陽極
室、陰極液室、ガス室に区画される。陽極室には陽極が
配置され、そこに飽和塩水を供給する。陽イオン交換膜
とガス拡散陰極に挟まれた狭い陰極液室には、下部から
希薄な苛性ソーダ液を供給する。ガス室は、上部から酸
素含有ガスを供給する。飽和塩水を電気分解すると、陽
極室では塩素ガスと濃度の低下した塩水が得られる。陰
極液室では、生成した苛性ソーダが混入して高濃度化し
た苛性ソーダ液が得られる。その結果、陰極液室上部か
らは高濃度化した苛性ソーダ液を排出し、ガス室下部出
口からは、未反応の酸素を含有するガスを排出する。こ
の電解方法では水素は得られないが、苛性ソーダと塩素
を従来のイオン交換膜法に比べ約1V低い2V前後の電
圧で得ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ガス拡散陰極において
は、水分と酸素を消費して苛性ソーダを生成する。ガス
室には酸素含有ガスを通常上から下方向に流し、ガス拡
散陰極内へ酸素を拡散供給させる必要がある。拡散を促
進するため、ガス室は流路を狭め、さらに邪魔物等を配
置してガスの流れを乱流化する。乱流化によりガス流に
は圧力損失が発生し、上部ほど圧力は高くなる。一方、
ガス拡散陰極を介して陰極液室では苛性ソーダを上昇流
で流す。結局、電極上部ではガス側が加圧、液側は常圧
となるのに対し、電極下部ではガス側が常圧、液側は水
頭により加圧となる。このように、電極上下で圧力差が
生じることになる。この圧力差は、ガス拡散陰極の固定
作用に影響し、固定位置を変位させかねない。ガス室の
圧力損失が大きくなると、ガス拡散陰極の変位の度合い
は大きくなり、固定自体も不能にすることになる。した
がってガス室の圧力損失はできるだけ小さくすることが
望まれる。乱流化を促進すると圧力損失は増大しがちで
ある。
【0005】また、ガス室には次のような別の問題点も
存在する。ガス拡散陰極は液不透過性の材質を使ってい
る。しかし、ガス拡散陰極に破損事故等が生じれば苛性
ソーダ液がガス室に漏れ込むこともありうる。ガス室は
酸素雰囲気下にあってかつ湿度が高い。すなわち腐食性
の環境下にある。ここに苛性ソーダ水溶液が漏れ込むと
腐食は一層起こりやすくなる。そのため、ガス室の材料
は全てに銀メッキ等を施し、防食化を図るのが通例であ
る。ガス室は、内部のガス流を乱流化するため、ガス室
充填物を配置するが、防食化にあたってはこれらにもメ
ッキを施す。したがってこうした充填物の配置は、メッ
キコストを増大する。ガス室内はできるだけシンプルで
あることが求められていた。そこで本発明は、ガス室の
ガス流の圧力損失を低下させ、ガス拡散陰極中に吸収さ
れる酸素の物質移動効果を高め、製作が容易で、防食の
ためのメッキコストを大幅に低減する電解槽及び電解方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、構造がシン
プルでかつ電極への酸素供給を促進できる構造を鋭意探
求した結果、下記の手段で上記課題を解決した。 (1)陽イオン交換膜とガス拡散陰極とによって、陽極
室、陰極液室、ガス室に区画されたイオン交換膜型電解
槽において、前記ガス拡散陰極の裏側にあるガス室の
板に突起物を形成し、前記突起物の頂点がガス拡散陰極
に接触または結合しており、その配置がガス流に対して
直角方向に列をなし、列毎にずらせて配置したことを特
徴とするイオン交換膜型電解槽。 (2)前記突起物は、形状が円錐状、またはガスの流れ
方向に延びる凸条状であることを特徴とする前記(1)
記載のイオン交換膜型電解槽。 (3)前記突起物が、背板をプレスすることにより形成
されたことを特徴とする前記(1)又は(2)記載のイ
オン交換膜型電解槽。 (4)前記突起物の配置は、ガス流に対して直角方向に
一定のピッチの列をなし、各列がガス流に対して直角方
向にその突起物のピッチの1/2の大きさで互いにずれ
ていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記
載のイオン交換膜型電解槽。 (5)陽イオン交換膜とガス拡散陰極とによって、陽極
室、陰極液室、ガス室に区画されたイオン交換膜型電解
槽を用いる電解方法において、前記ガス拡散陰極の裏側
にあるガス室背板に突起物を形成し、前記突起物の頂点
がガス拡散陰極に接触または結合しており、その配置が
ガス流に対して直角方向に列をなし、列毎にずらせて配
置したイオン交換膜型電解槽を使用し、酸素含有ガスを
垂直方向に流すことを特徴とする電解方法。
【0007】
【発明の実施の形態】まず、本発明による3室型の電解
槽について説明する。液不透過型のガス拡散陰極を使用
し、陰極液室とガス室が完全に分離された形式の電解槽
を3室型と呼ぶことにする。図1に3室型電解槽の断面
図を示す。箱形の電解槽1内に陽イオン交換樹脂膜2を
立設して内部を陰極側と陽極側とに仕切り、陽極側を陽
極室3とし、その中に陽極4を設けているている。陰極
側には、反応層とガス拡散層とを積層したガス拡散陰極
5を設けている。ガス拡散陰極5は、陽イオン交換樹脂
膜2に平行に設け、陽イオン交換樹脂膜2の側に反応層
側を向け、陰極側を2室に仕切って陽イオン交換樹脂膜
2との間に陰極液室6を設け、反対側をガス室7として
いる。
【0008】ガス室7の周壁を形成し、ガス拡散層側が
対面しているガス室7の背板8には、水平方向に飛び出
る円錐形の複数の突起物9を設け、突起物9の頂点10
をガス拡散陰極5に到達させている。陽極室3は陽極液
供給口11と陽極液排出口12を有し、陰極液室6は、
下端に陰極液供給口13を有し、上端に陰極液排出口1
4を有している。ガス室7は上部にガス供給口15を有
し、下部にガス排出口16を有している。ガス拡散陰極
5においては、陰極液室6側から水分が、反対面のガス
室7の側から酸素含有ガスが供給され、ガス拡散陰極5
の反応点において苛性ソーダの生成反応が進行する。ガ
ス拡散陰極5のガス室7側はガス拡散層と呼ばれ、相対
的に疎水性であり、ガスは拡散し易く、液は透過できな
い。反応層で高濃度の苛性ソーダ水溶液が生成し、生成
した苛性ソーダ水溶液は濃度勾配に従って液内部側へ拡
散する。ガス拡散陰極5の陰極液室6側は反応層と呼ば
れ、相対的に親水性である。
【0009】電解槽1では、物質移動の促進は非常に重
要である。特に、酸素の供給が重要である。酸素源とし
て酸素濃度90%以上の濃縮空気を使用したとしても、
ガス拡散層には反応層側から水蒸気が拡散してくる。酸
素ガスはこうした水蒸気の流れに抗して拡散していかな
ければ反応は進行しない。気体とガス拡散陰極5の界面
における物質移動を促進することが重要である。図2
は、電解槽陰極枠17で囲んだガス拡散陰極5と、ガス
室背板8から飛び出る突起物9を陽イオン交換樹脂膜2
の側から透視した部分破断図である。本実施態様ではガ
ス室7内の背板8に、突起物9を千鳥状に配置し、ガス
拡散陰極5中への酸素の拡散を促進する。
【0010】図3は、図2のガス室背板8から飛び出る
突起物列のaa’線上の部分断面図である。ガス室7の
背板8から飛び出る円錐形の突起物9の一つ一つは、底
辺の直径2A(Aは図4に示すように、突起物9の底辺
の半径である)が数mmないし10mm、高さFが0.
5ないし5mmである。形状は円錐状、椀状、コニーデ
状等であり、頂点10はできるだけ点に近いこと、精々
数mmの円錐台形であることが望ましい。頂点10の平面
部を広くすると頂点10に接するガス拡散陰極2の表面
の多くを塞ぎ、ガス拡散陰極2の中への酸素拡散を妨げ
ることになるので望ましくない。円錐状の突起物9の配
置が非常に重要である。ガス流に対して直角方向に列を
なし、各列は互いにずれていることが必要である。列内
における間隔C(図4)は2Aないし4Aが適当であ
る。列間距離はCを目安とする。ずれはC/2が最適で
ある。正三角形配置はもっとも好ましい例である。この
ような形状の突起物9は背板8の上に貼り付けてもよい
が、背板8をプレス成形するのが最も簡単である。金属
Ni板はこのような成形が容易である。
【0011】図5〜7には円錐状突起物を凸条状突起物
に変形した例を示した。図5は、ガス拡散陰極と背板に
設けた凸条状突起物とを透視した部分破断図である。ま
た、図6は図5のbb′線での断面図である。図7は凸
条状突起物の配置を示す図である。稜線18はガス室7
内のガスの流れ方向に並行であることが望ましい。稜線
18の長さEは幅2Aの5倍程度までに抑えることが望
ましい。長すぎると物質移動促進の効果が劣ることにな
る。この場合の配置に関しては円錐の場合に準ずる。背
板は防食のために銀メッキを施して使用する。
【0012】次に本発明の突起の働きについて述べる。
図2、図5に矢印線で示したとおり、ガス流は突起列の
間を流下するが、次の列はずれて配置されているため、
次の列の突起にかならず衝突することになる。かくして
酸素流は激しく攪拌され、結果として物質移動を促進す
る。従来、このような働きを持つものとして、金網、ス
ポンジ状金属等からなるガス室充填材が使用されたこと
がある。しかし、金網、スポンジ状金属も物質移動促進
効果は大きいが、流れに伴う圧力損失が大きいという欠
点があった。そもそも、前述したように、ガス拡散陰極
5には液柱に基づく圧力が作用しているが、上下で圧力
差は10kPa以上に達する。ガス室7中のガス流は、
陰極液の流れに対抗して流すため、ガス室7の圧力損失
はその圧力差を拡大する方向に作用する。また通常は液
圧の方が大きいために電極はガス室7の側へ押し付けら
れているが、ガス拡散陰極5の上部においては液圧が小
さいためガス室7の側からガス拡散陰極5を押し出す方
向に作用しかねない。その場合、ガス拡散陰極5の剥
離、給電体との剥離による給電不良等を招くことにな
る。
【0013】本実施態様が示す突起を備えたガス室7
は、圧力損失が小さいという特徴をもつ。ガス室7の構
造も単純であるという効果もある。圧力損失は小さく、
かつ物質移動を促進するという効果もある。本実施態様
が紹介する突起物9の構造はもう一つの特長を備えてい
る。ガス室7は非常に腐食しやすい雰囲気にあるが、苛
性ソーダの漏れ込みも起こり得、その場合には腐食性は
一層深刻になる。陰極液室6、ガス室7にはNi材料が
使用されることが多いが、このような条件下では腐食が
進行し、そのためAgメッキを施すのが通例である。A
gメッキのコストは高く、表面積に比例することにな
り、金網等を使用すると極めて不利であった。本実施態
様によるガス室7の構造は単純なため、表面積が小さく
この点でも有利である。
【0014】以上3室型電解槽について説明したが、2
室型の電解槽についてもまったく同様な効果を発揮す
る。2室型電解槽においては陽イオン交換樹脂膜2によ
って陽極室と陰極室に区分され、陰極室内にガス拡散陰
極を配置する。3室型同様、ガス拡散陰極と陽イオン交
換樹脂膜の間には苛性ソーダ水溶液が保持され、通電が
可能になっているが、ガス拡散陰極は液透過性であるた
めに陰極液室とガス室の間に境がなく、液は一体の室内
として行き来ができる。従って生成した苛性ソーダは、
ガス室内を酸素ガスとともに流下することになる。しか
しながら、ガス拡散陰極の表面は疎水性が高く作られて
いるために、液が電極の裏面を覆い酸素の拡散を妨害す
ることはない。2室法においても3室法の場合と同様、
ガス室の機能としては酸素拡散の促進が必要である。な
おAgメッキによる防食の観点では2室の場合、上記の
説明のとおり腐食性は一層高く、効果は大きいといえ
る。
【0015】本実施態様の突起は、導電性の素材で形成
すれば、給電体としても作用する。一般的にガス拡散陰
極がフッ素樹脂を使用し、導電性は劣る場合が多い。そ
のため電極自身を給電体に使用するのは不利であり、電
極各点へ給電するのが有利である。本実施態様の突起
は、その給電点として作用する。突起物は防食のために
Agメッキされる場合が多いが、Agは導電性の点でも
優れた作用を発揮する。突起点は電極自身と接触または
結合していることが望ましい。
【0016】次に運転方法について述べる。酸素含有ガ
スは酸素濃縮ガスを使用するのが望ましい。特に90%
以上であることが望ましい。PSA装置は濃縮設備とし
てもっとも望ましい設備の例であり、94%程度の濃縮
酸素を容易に得ることができる。酸素濃縮ガスは上部か
ら下部へ向けて下降流で流す。必要流量は通電量から計
算することができ、過剰に流す必要がある。ワンパス方
式と循環方式の両方が可能である。循環方式では流量が
多くなり、各電極ユニットに酸素ガスを均一に導入する
観点からは好ましいが、流量が多いため圧力損失は大き
くなるという不利点もある。本実施態様のガス室7の構
造は圧力損失が小さく、ガス循環を行う場合には特に有
用である。導入する酸素含有ガスは、予め電解槽1の運
転温度に加熱してから導入するのが好ましい。冷たい場
合、電解槽1を冷却して電圧を高めることになり兼ねな
い。また2室法の場合、酸素と同時に水分を供給する必
要がある。水分は加熱された液状水分、ミスト状水分、
水蒸気等の形態で使用される。
【0017】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0018】(実施例1)有効面積が幅10cm、高さ
60cmの3室型電解槽を使用した。Agメッキを施し
たスポンジNiを芯材とし、PTFE粉末、カーボン粉
末を混練充填して作成されたガス拡散陰極を使用した。
ガス拡散層と反応層との2層構造からなり、反応層には
Ag微粒子触媒が担持されている。芯材は給電体として
も働く。Ni板製ガス室背板、ガス拡散陰極、旭化成製
イオン交換膜アシプレックス4203、DSA(TM)
と呼ばれるメッシュ状陽極の順に重ねて電解槽を構成し
た。背板とガス拡散陰極の間隔は1mm、ガス拡散陰極
とイオン交換膜との間隔は1mm、イオン交換膜と陽極
の間隔は0mmとした。背板にはプレスによってガス拡
散陰極側へ円錐状の突起を規則的に設けた。突起高さF
は1mm、底面の直径2Aは10mmとした。水平方向
に間隔5mm(つまりピッチ15mm)、高さ方向次列
は7.5mmずらせ(D)、列間ピッチBは14mmで
配列した。正三角形配列である。背板にはAgメッキを
施した。ガス拡散陰極を背板にホットプレスにより結合
させた。
【0019】ガス室には上部からPSA濃縮酸素(94
%)を酸素基準で0.75Nリットル/min(必要理
論量の1.2倍)、温度87℃に加熱して導入した。中
間の陰極液室には下部より約31%の苛性ソーダを50
ミリリットル/minの割合で導入した。陽極室には飽
和塩水を導入した。電解槽全体を87℃に温度調節しな
がら電流180Aを通電し電解を行った。電流密度は3
kA/m2 である。定常状態に達した後の陽極液濃度は
210g/リットル、生成苛性ソーダ濃度は33.0%
であった。槽電圧は2.03V、苛性ソーダ生成電流効
率は96%、ガス室圧力損失は水柱10mmであった。
【0020】(実施例2)実施例1の電解槽を使用し
て、酸素導入量のみを変えて実験した。そのときの性能
を第1表に示す。
【0021】
【表1】
【0022】(実施例3)背板の構造を変えた点を除い
ては実施例1と同様な実験を行った。背板にはプレスに
よってガス拡散陰極側へ図4の凸条状の突起を規則的に
設けた。突起高さは1mm、底面の短径2Aは10m
m、長径E+2Aは30mmとした。水平方向に間隔5
mm(つまりピッチ15mm)、次列は7.5mmずら
せ(D)、列間ピッチBは34mmで配列した。背板に
はAgメッキを施した。槽電圧は2.04V、苛性ソー
ダ生成電流効率は96%、ガス室圧力損失は水柱9mm
であった。 (比較例1)ガス室の構造を除いては実施例1と同様に
電解槽を構成した。ガス室は厚みを2mmとし、Ni製
平滑化エキスパンドメタル(厚み1mm、横ピッチ8m
m、縦ピッチ4mm)を2枚重ねて使用した。全体にA
gメッキを施した。槽電圧は2.03V、苛性ソーダ生
成電流効率は96%、ガス室圧力損失は水柱120mm
であった。
【0023】
【発明の効果】本発明は、上記のような構成でなるか
ら、ガス室のガス流の圧力損失を低下させ、ガス拡散陰
極中に吸収される酸素の物質移動効果を高め、製作が容
易で、防食のためのメッキコストを大幅に低減する電解
槽を提供できる。突起物として円錐状突起を設ければ、
シンプルなガス室構造を採用することによって、ガス室
通過圧力損失を低下させ、物質移動促進効果を高め、製
作が容易で、防食のためのメッキコストを大幅に低減す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の3室型電解槽の断面図である。
【図2】ガス拡散陰極と背板に設けた円錐状突起物とを
透視した部分破断図である。
【図3】突起物列の、図2のaa’線上の部分断面図で
ある。
【図4】円錐状の突起物の配置を示す図である。
【図5】ガス拡散陰極と背板に設けた凸条状突起物とを
透視した部分破断図である。
【図6】凸条状突起物列の、図5のbb’線上の部分断
面図である。
【図7】凸条状突起物の配置を示す図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2 陽イオン交換樹脂膜 3 陽極室 4 陽極 5 ガス拡散陰極 6 陰極液室 7 ガス室 8 背板 9 突起物 10 頂点 11 陽極液供給口 12 陽極液排出口 13 陰極液供給口 14 陰極液排出口 15 ガス供給口 16 ガス排出口 17 電解槽陰極枠 18 稜線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎木 幸治 大阪府豊中市北条町4丁目6番1−815 号 (72)発明者 坂田 昭博 東京都港区西新橋一丁目14番1号 東亞 合成株式会社内 (72)発明者 相川 洋明 東京都千代田区霞が関三丁目2番5号 三井化学株式会社内 (72)発明者 片山 真二 岡山県玉野市東高崎24丁目6号 クロリ ンエンジニアズ株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−81986(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽イオン交換膜とガス拡散陰極とによっ
    て、陽極室、陰極液室、ガス室に区画されたイオン交換
    膜型電解槽において、前記ガス拡散陰極の裏側にあるガ
    ス室の背板に突起物を形成し、前記突起物の頂点がガス
    拡散陰極に接触または結合しており、その配置がガス流
    に対して直角方向に列をなし、列毎にずらせて配置した
    ことを特徴とするイオン交換膜型電解槽。
  2. 【請求項2】 前記突起物は、形状が円錐状、またはガ
    スの流れ方向に延びる凸条状であることを特徴とする請
    求項1記載のイオン交換膜型電解槽。
  3. 【請求項3】 前記突起物が、背板をプレスすることに
    より形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載のイオン交換膜型電解槽。
  4. 【請求項4】 前記突起物の配置は、ガス流に対して直
    角方向に一定のピッチの列をなし、各列がガス流に対し
    て直角方向にその突起物のピッチの1/2の大きさで互
    いにずれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項記載のイオン交換膜型電解槽。
  5. 【請求項5】 陽イオン交換膜とガス拡散陰極とによっ
    て、陽極室、陰極液室、ガス室に区画されたイオン交換
    膜型電解槽を用いる電解方法において、前記ガス拡散陰
    極の裏側にあるガス室背板に突起物を形成し、前記突起
    物の頂点がガス拡散陰極に接触または結合しており、そ
    の配置がガス流に対して直角方向に列をなし、列毎にず
    らせて配置したイオン交換膜型電解槽を使用し、酸素含
    有ガスを垂直方向に流すことを特徴とする電解方法。
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