JP3436285B2 - 多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法 - Google Patents

多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法

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JP3436285B2 JP07411795A JP7411795A JP3436285B2 JP 3436285 B2 JP3436285 B2 JP 3436285B2 JP 07411795 A JP07411795 A JP 07411795A JP 7411795 A JP7411795 A JP 7411795A JP 3436285 B2 JP3436285 B2 JP 3436285B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばWPW(Wolff-
Parkinson-White )症候群、発作性上室性頻脈等の副伝
導路性不整脈及び心房粗動,細動および心室頻拍等の異
所性刺激による不整脈等の頻脈性不整脈治療等の際に、
先立って行われる電気生理学的検査に使用する多電極プ
ローブにおける長尺母材の被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、頻脈性不整脈治療に先立って行わ
れる電気生理学的検査は、1つ或いは2〜10個の電極を
先端部周辺に設け、中空のカテーテル内にリード線を伸
ばし、測定装置に接続するように構成された心臓カテー
テルを複数本使用して行われている。例えば、WPW症
候群のような副伝導路性不整脈では、心臓弁輪部に存在
する副伝導路位置を特定することが必要となる。左心側
の計測は太い冠状静脈洞が僧帽弁輪部を走行しているた
め、多電極カテーテルを挿入し比較的容易に計測するこ
とができるが、右心側の三尖弁輪部には右冠状動脈が走
行しているため、従来のカテーテルは太く、右冠状動脈
の血管内に挿入することが困難であり、心室内より1点
ずつ場所を移動しながら計測せざるを得ず、非常に手間
のかかる検査となり、1回の検査に数時間を要してい
た。このような従来の検査方法の問題点すなわち、少な
い電極のカテーテルで検査を行うため、副伝導路等の診
断部位を見つけるのに時間がかかること、電極数が少な
いため広範囲を測定するためには、電極間の距離を長く
せざるをえず、副伝導路部位を正確に求めることが困難
であったこと、従来のカテーテルで電極の数を増やそう
とすると、信号を伝達させるための信号線の数が増加し
てカテーテルの外径が太くなるため右心側の検査は難し
いこと、信号線の先端に電極が取り付けられるような構
成であるため、その信号線と電極との接続工程が煩雑と
なり、カテーテルの多電極化ができないこと等の課題を
解決しようとする手段が特開平6−335460号公報
で本願発明者(大内輝彦)らにより提案されている。こ
の従来例は図22で示すようにNi−Ti合金のPTC
A(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplast
y) ガイドワイヤをテーパ加工した棒状の芯材1に信号
線である細径線2を12条でコイル状に捲回している。こ
の12本の細径線(信号線)2は、図23で示すように芯
材を炭素鋼線3とし、その表面にインピーダンスを下げ
るための銅箔層4及び金メッキ層5及びポリエステル等
の樹脂による絶縁層6がクラッド構造で被覆されている
ので、それぞれ独立した12本の心腔内電位信号伝達線
(信号線)として作用する。また芯材がTi−Ni合
金,Cu−Zn合金及びNi−Al合金等の超弾性合金
(形状記憶合金)製芯材に細径線(信号線)を捲回して
長尺母材を形成する例も開示されている。そして、この
長尺母材では前記芯材1に捲回された状態で12本の細径
線(信号線)2の一部分の絶縁層6をほぼ1周分剥離し
て、その内側に金メッキ層5を露出させてその導電性の
部分を心内電極7として使用するか、この剥離部分にリ
ング状の電極(図示略)を取り付けて、電極面積を広く
取るようにしている。
【0003】ところでこのようにしてリング状の電極を
設ける場合では、長尺母材と電極との間に外径差が生じ
るため、血管挿入時に段差により血管内壁を傷付ける虞
や、細径線2は個々に被覆されてはいるものの、血管挿
入前の扱いによってその被覆が剥がれて断線、或いは変
形を生じる等の虞がある。そこで長尺母材に設ける複数
の細径線2を保護する方法として、樹脂材料チューブに
より長尺母材を被覆するチューブ被覆法や、押出し成形
により長尺母材を被覆する押出し被覆法等が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記チューブ被覆法に
おいては、使用する市販のチューブは、その内,外径が
ある程度規格化されているため、種々の径の長尺母材を
使用するプローブにおいては選択の自由度が低いという
問題がある。また、実際の製法において、予め所定長に
切断したチューブを長尺母材の端部より挿入する際、挿
入動作をスムーズに行うため及び母材外径表面の損傷を
防止するために、前記チューブ内径と長尺母材外径との
間で所定のクリアランスが必要となり、このクリアラン
スを確保するには、前記チューブの内径精度及び真円
度、さらには長尺母材の外径寸法の厳密な管理が必要と
なる。さらにチューブの真円度を保持するためには、該
チューブが必要最低限の剛性を備えていないと困難であ
り、さらには使用するチューブは、ある程度の肉厚を備
える必要があるが、前記剛性と肉厚を有するチューブを
使用すると、プローブの製品特性として必要とされる高
柔軟性及び高屈曲性の面から不利となり、しかも厚肉に
するにはチューブの外径をある程度太くする必要があ
り、製品の細径化に不利になるという問題があった。
【0005】一方、上記押出し被覆法においては、製法
上、被覆層に偏心が生じ易く、薄手皮膜を形成する場
合、その薄肉部にて長尺母材外面が露出する虞があるた
め、ある程度の肉厚を確保する必要が生じ、製品の細径
化には不向きであった。また、押出し成形時の長尺母材
をその長さ方向に引っ張るため、長尺母材の表面に引張
力が加わり、信号線(細径線)等を長尺母材の外周に設
けたものでは該信号線が破損する虞もある。さらに押出
し成型時の初期段階で、装置の条件設定あるいは条件が
安定するまでの間に一定時間を必要とし、その間の長尺
母材が無駄となって破棄しなければならないという問題
もある。さらには、上述したリング状の電極を設けるも
のでは、押出し被覆後、電極形成位置の被覆を剥ぐ、或
いは被覆に孔を開けて、電極と接合するリード線を引き
出すという作業が必要になるため、電極接合作業の手間
が大になるという問題があった。
【0006】そこで本発明はこれらの従来技術の諸課題
を克服し、多電極プローブの外径寸法を抑えると共に、
製作が容易な多電極プローブにおける長尺母材の被覆方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法
は以下の様な構成を備える。
【0008】すなわち、本発明の請求項1の多電極プロ
ーブにおける長尺母材の被覆方法においては、複数の信
号線を有する長尺母材の外周に複数の電極部を設けると
共に、前記長尺母材の外周に被覆層を形成する多電極プ
ローブにおける長尺母材の被覆方法において、前記長尺
母材を被覆層成形用型内に配置し、前記長尺母材と成形
用型との間に前記電極取付箇所を除いて充填空間を形成
し、この充填空間に熱可塑性樹脂を射出成形法により射
出して被覆層を形成した後、前記電極取付箇所に前記電
極部を取り付けるように構成したものである。
【0009】また、本発明の請求項2の多電極プローブ
における長尺母材の被覆方法においては、複数の信号線
を有する長尺母材の外周に複数の電極部を設けると共
に、前記長尺母材の外周に被覆層を形成する多電極プロ
ーブにおける長尺母材の被覆方法において、前記複数の
電極部を設けた長尺母材を被覆層成形用型内に配置し、
前記長尺母材と前記成形用型との間の充填空間に熱可塑
性樹脂を射出成形法により射出して被覆層を形成するよ
うに構成したものである。
【0010】
【作用】上記請求項1の構成では、射出成形により被覆
層を形成するため、高い寸法精度で被覆層を形成でき、
被覆層の薄肉化及び均一化が図れる。また、電極取付箇
所を除いて被覆層を形成するため、電極部の取付け作業
が容易となる。
【0011】上記請求項2の構成では、射出成形により
被覆層を形成するため、高い寸法精度で被覆層を形成で
き、被覆層の薄肉化及び均一化が図れる。また、電極部
を取付けた後、被覆層の射出成形を行うため、該被覆層
と電極部との一体化が図れる。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。図1乃至図13は本発明の第1
実施例を示し、図1は本発明の信号線11の断面図を示
し、この信号線11は後述するプローブの芯材の表面に螺
旋状に捲回されるものである。前記信号線11は、φ0.
025mmの金線からなる芯線12に着色絶縁被覆層(絶縁
層)13を形成し、この着色絶縁被覆層13上に融着層14を
形成した径φ0.04mmの導体たる細線のものが用いら
れる。前記絶縁被覆層13を着色するのは、プローブの先
端側の電極部と基端側の外部出力端子の色配列を検査し
て誤配線の防止を図るためである。この着色は、例えば
赤,青,緑,黒,橙の5色の色分けを各信号線11に施
す。前記融着層14はアルコール可溶であって、透明であ
るため着色絶縁被覆層13の視認に妨げとならず、その材
質は例えば6ナイロンと66ナイロンの共重合体又はポ
リビニールブチラールなどが用いられ、これらの融着材
を溶剤たるアルコール塗布又は加熱して接着剤の作用を
なさしめて各信号線11間を密接に接着するものである。
前記着色絶縁被覆層13と融着層14とを施した信号線11
を、図2に示すように、前述した5色の信号線11を一ユ
ニットとして4配列して20極分の信号線11を帯状平行
線15に加工する。この帯状平行線15の加工は各色の信号
線11を捲回した各ボビン(図示略)より各色の信号線11
を前記5色の基本色ユニットに4配列した20極の信号
線11を集合部(図示略)に集束するとともに融着層14を
加熱またはアルコール塗布により溶融して各信号線11間
を接着し、帯状かつ平行線状をなす帯状平行線15を形成
する。
【0013】次に、前記帯状平行線15のフォーミングを
行う。このフォーミングには、図3に示すように、帯状
平行線15を構成する20本の信号線11の接続端末11Tを
各電極部23に対応して段差状に切断し、その接続端末11
Tの着色絶縁被覆層13及び融着層14の剥離を行う。
【0014】上述したように帯状平行線15をプローブ1
本分の長さに切断するとともに、電極部23に対応して各
接続端末11Tを信号線11個々に長さが異なる段差状に切
断した後、前記接続端末11Tを電極部23に接続するため
に、前記着色絶縁被覆層13及び融着層14の剥離を行い、
この剥離は、レーザーによる熱的剥離や、剥離剤を用い
る方法などが用いられ、レーザーによる方法に用いるに
好適なレーザー剥離装置としては、エキシマレーザーを
照射するものがある。このエキシマレーザーは、励起状
態の原子(又は分子)と基底状態の原子(又は分子)が
重合し生成された励起分子の状態の分子が、基底状態に
落ちるときに放出される光を利用したレーザーであっ
て、剥離性、装置の安定性及び出力を考慮してArF,
KrFが望ましい。また、このようなレーザー照射など
の熱的剥離によらず、剥離剤を用いて前記着色絶縁被覆
層13及び融着層14を剥離するようにしてもよい。
【0015】このようにして電極部23と接続する接続端
末11Tの着色絶縁被覆層13及び融着層14を所定長さで剥
離した後、次に20本の信号線11からなる帯状平行線15
を、前記接続端末11Tの他端に位置する基端側からプロ
ーブ20の芯材21にコイル状に捲回する。この芯材21に
は、ウレタン被覆をしたNi−Ti合金線などからなり
径がφ0.32mmのものを用いる。この螺旋(コイル
状)巻き工程及び装置は、特開平6−335460号公
報の図6に示すような捲回装置で巻き付けられる。すな
わち、図示を省略して説明すれば、棒状の前記芯材21の
両端を、芯材21の軸方向に回転可能なチャックにより固
定し、前記信号線11を、例えば20本平行に束ねた帯状
平行線15にして、巻線ガイドを通して巻き始めチャック
に固定する。この巻き始めチャックは、芯材21を固定す
るためのチャックに固定されており、芯材21の回転に合
わせて回転するものである。巻線ガイドは、ガイド送り
(螺子棒)の回転により前記芯材21の端末側から先端側
に向って軸線方向に軸送りされ、この状態で帯状平行線
15を芯材21に巻き付けるためには、芯材21を回転させ、
芯材21に対する帯状平行線15の巻き付け位置の移動に同
期してガイド送りを回転させて巻線ガイドを移動する。
この巻線ガイドの移動量は芯材21の直径と帯状平行線15
の幅とにより設定され、また、芯材21の先端側において
は、帯状平行線15は、それぞれ電極部23と接続する接続
端末11Tが、他の信号線11と接着されない状態で設けら
れているため、1本目の接続端末11Tまで捲回した後
は、この接続端末11Tを有する信号線11を除いて19本
が一体となった帯状平行線15を芯材21に捲回し、18
本,17本,…2本となった帯状平行線15を、さらには
1本となった信号線11を、順次芯材21の先端側に向かっ
て同一ピッチPでコイル状に捲回する。このようにして
芯材21上に帯状平行線15を捲回した長尺母材22を形成
し、図4に示すように、前記長尺母材22に20本のフリ
ーな接続端末11Tが長尺母材22の長さ方向に所定の間隔
で形成される。
【0016】また、前記長尺母材22に複数の金属製電極
部23が所定間隔で設けられると共に、該長尺母材22は前
記電極部23の電極取付箇所24を除いて後述する被覆層に
より保護被覆される。図5乃至図8は射出成形に用いる
被覆層成形用型26を示し、その成形用型26は相互に型開
き及び型締め可能な上金型27及び下金型28を備え、前記
成形用型26には、前記取付箇所24間隔に対応して形成さ
れた大径充填空間29と、これら大径充填空間29の長さ方
向両側に形成された小径充填空間30と、これら小径充填
空間30,30間に形成され前記長尺母材22の径にほぼ等し
い同径空間31とが並んで形成されている。さらに前記成
形用型26の一方の金型である下金型28には、前記同径空
間31に直交して該同径空間31の長さ方向略中央に連通す
る溝部32が形成され、この溝部32の幅は前記同径空間31
の長さ寸法より小さく形成されている。さらにまた前記
上,下金型27,28の境目には前記各大径充填空間29に対
応してサイドゲート33及びサイドガスベント34が該大径
充填空間29に直交して設けられている。
【0017】次に前記成形用型26内に前記長尺母材22の
先端側を配置するとともに、図5及び図6に示すよう
に、各接続端部11Tを溝部32内に配置して型締めを行
う。この状態で同径空間31と長尺母材22とがほぼ同径で
あるため、溶融した熱可塑性樹脂(以下、樹脂という)
36が前記溝部32に侵入することがない。前記樹脂36とし
ては、ポリエチレンやナイロンなどの高柔軟性熱可塑性
樹脂を用いる。型締めした後、各サイドゲート33から図
7に示すように、溶融した樹脂36を射出すると、前記サ
イドゲート33と対向するサイドガスベント34からガス抜
きが行われ、充填空間29,30並びにサイドゲート33及び
サイドガスベント34に樹脂36が充填され、図8に示すよ
うに被覆層38を形成する。また射出する樹脂36は、直
径、長さ、電極部23の数など、プローブ20の種類毎に1
本1本異なる色に着色したものを用い、すなわち同一種
類のプローブ20には同一色の樹脂36を使用し、異なる種
類のプローブ20にはそれと異なる色の樹脂36を使用する
ことも可能である。
【0018】このようにして成形用型26内に樹脂36を射
出し、型開きを行い、図9に示すように、電極取付箇所
24を除いて外面に樹脂36による被覆層38を形成した長尺
母材22が得られ、その被覆層38には前記径小充填空間30
に倣って取付段部39が形成される。また前記サイドゲー
ト33及びサイドガスベント34に充填した樹脂36により形
成されたゲート片33A及びベント片34Aは、被覆層38か
ら切断などにより除去する。
【0019】このようにして前記長尺母材22に被覆層38
を形成した後、次に前記電極部23の取付けを行う。この
電極部23は、図10に示すように、ステンレスなどから
なるU型板片41をプレス加工により形成し、このU型板
片41の内面に前記接続端末11Tを熱圧着或いは溶着など
により電気的に接続した後、図11及び図12に示すよ
うに、その両端を前記取付段部39,39に巻き付けるよう
にして加締めて略円筒状をなす電極部23を形成する。
【0020】上述したように、本実施例によれば、複数
の信号線11を有する長尺母材22の外周に複数の電極部23
を設けると共に、長尺母材22の外周に被覆層38を形成す
る多電極プローブにおける長尺母材22の被覆方法におい
て、長尺母材22を被覆層成形用型26内に配置し、長尺母
材22と成形用型26との間に電極取付箇所24を除いて大径
充填空間29を形成し、この充填空間29に樹脂36を射出成
形法により射出して被覆層38を形成した後、電極取付箇
所24に電極部23を取り付けるものであるから、射出成形
により被覆層38を形成するため、高い寸法精度で被覆層
38を形成でき、被覆層38の薄肉化及び均一化が図れ、ま
た、電極取付箇所24を除いて被覆層38を形成するため、
電極部23の取付け作業が容易となる。
【0021】また、さらに実施例上の効果などを詳細に
説明すると、ポリエチレンやナイロン等の高柔軟性熱可
塑性樹脂36を用いることにより、高柔軟性及び高屈曲性
を得ることができ、また、大径充填空間29の直径、つま
り成形用型26の彫り込み内径と長尺母材22の外径とのク
リアランスを樹脂36が均等に充填される範囲内で最小限
に薄くすることにより、製品の高柔軟性及び高屈曲性を
得ることができる。さらに成形用型26の彫り込み形状、
つまり充填空間29,30の内面と長尺母材22の外径とのク
リアランスを長尺母材22の長さ方向に対して局部的かつ
連続的に変化させることにより、被覆層38の肉厚を該長
さ方向に対して任意に可変することが可能となり、これ
により、例えば射出成形後の電極部23の加締め工程を考
慮して電極部23の受部たる取付段部39を形成することが
可能となる。また、被覆層38の成形後に電極部23を形成
する本実施例では、接続端部11Tを予め成形用型26のダ
ミーの彫り込み部たる溝部32へ退避させておき、射出成
形することにより、後の電極部23との接合を容易に行う
ことができる。また、射出成形手法において、長尺母材
22の中心軸方向(長手方向)に対して直角方向をなすサ
イドゲート33から樹脂36を流し込み、それと相反する側
のサイドガスベント34からガスを抜くようにし、両者の
配置位置と寸法(幅×肉厚)及び射出成形条件の最適制
御により、ガスベント34側へも樹脂36を流し込むように
し、これにより、ウエルドなどの成形不良の防止、更に
は被覆層38の長尺母材22に対する偏肉を防止することが
可能となる。また、信号線11の絶縁に着色された絶縁被
覆層13を用いると共に、帯状平行線15を構成する複数の
信号線11は、各色毎の着色絶縁層13により被覆されてい
るので、信号線11の電極部23の色配列が外部出力電極の
色配列と順序が入れかわったりした場合は途中で直ちに
発見でき、誤配線の防止を図ることができる。さらに信
号線11を帯状平行線15に形成し、個々に着色加工を施し
た複数本(前記実施例では5本)の信号線11を基本色
(前記実施例の5色)ユニットとし、該ユニットを繰り
返し配列することにより、基本色の整数倍の多本数の信
号線11から成る帯状平行線15を有する多電極プローブ20
を得ることができる。また、複数本の信号線11を各々接
着した帯状平行線15を、棒状体又は筒状体の芯材21外周
表面に密着させながら螺旋状(コイル状)に巻き付ける
ことにより、芯材21の三次元方向の多方向曲げに対して
も従来はバラバラになりがちであった信号線11も帯状平
行線15の信号線11を有する多電極プローブ20は芯材21と
一体となって変形するので、曲げに対する柔軟性を損な
わない。さらに、また、この帯状平行線15は、各々の信
号線11が接着されて形成されているため、信号線単体に
比べて屈曲、引張等の変形応力に対して強く、且つ芯材
21に密着させながらコイル(螺旋)巻きした場合の個々
の信号線11の巻き緩みやそれに応じた螺旋巻き外径の変
動を防止することができる。また、信号線11の数が多く
なっても一ユニットの平行線15として取り扱うことがで
きるので、製造工程上のハンドリング性に優れる。さら
に同一種類のプローブ20には同一色の樹脂36を使用し、
異なる種類のプローブ20にはそれと異なる色の樹脂36を
使用することにより、製品の型式識別性を付与すること
ができ、その色により使用するプローブ20の取り違いを
防止できる。
【0022】図14乃至図19は本発明の第2実施例を
示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、そ
の詳細な説明を省略して詳述すると、この例では樹脂36
の射出成形前に、長尺母材22に電極部を取り付けておく
方法であり、上記第1実施例で図4に示した長尺母材22
の全長に、保護線材51を前記帯状平行線15の巻きと逆方
向の螺旋状に巻装する。前記保護線材51には、図17乃
至図19に示すものなどが用いられ、図17ではテトロ
ンヤーン(登録商標)からなる保護線材51を示し、この
テトロンヤーン(登録商標)は、テトロン(登録商標)
からなる糸52を軽く集束させた長繊維フィラメントの束
であって、その断面が容易に潰れるものであり、また、
図18にはテトロンなどの撚り糸53からなる保護線材51
Aを示し、図19には柔軟性を有するテトロンなどの単
繊維54からなる保護線材51Bを示している。また、本実
施例では、略円筒状をなす電極部23Aを用い、この電極
部23Aは、ステンレス或いはプラチナ等からなる外径φ
0.8mm,内径φ0.55mm,長さ1mm程度の円筒体で
あり、その円筒長手方向に段差部23Bを形成し、この段
差部23Bの高さHは前記信号線11の芯線12の径、すなわ
ち接続端部11Tの径より大きく形成され、さらにその段
差部23Bの他側には面取部23Cが形成されている。
【0023】そして前記長尺母材22への電極部23Aの挿
入にあたっては、前記保護線材51が押し潰されてその断
面が元の断面より偏平となり、電極部23Aが長尺母材22
に直接接触することなく挿入することができると共に、
電極部23Aの内面と長尺母材22の外面とのクリアランス
より太い保護線材51を用いて、該保護線材51が押し潰さ
れることにより、電極部23A内面と長尺母材22外面との
隙間を周方向均等に設定することができる。また電極部
23Aを長尺母材22の所定位置に接着などにより固定する
と共に、前記段差部23Bの外周に前記接続端部11Tを熱
圧着あるいは溶着などにより電気的に接続する。
【0024】次に前記長尺母材22を前記上金型27及び下
金型28からなる成形用型26に配置し、この成形用型26は
図15に示すように、長さ方向全長に渡って直径の等し
い円筒型の充填空間29Aを有し、この充填空間29Aの内
径は前記電極部23Aの外径と同一に設定され、また、隣
合う電極部23A間等の充填空間29Aに第1実施例と同様
にそれぞれサイドゲート33及びサイドガスベント34が接
続されている。
【0025】射出成形にあたっては、型締めした後、各
サイドゲート33から第1実施例の図7に示したと同様に
して、溶融した樹脂36を射出すると、前記サイドゲート
33と対向するサイドガスベント34からガス抜きが行わ
れ、充填空間29,30並びにサイドゲート33及びサイドガ
スベント34に樹脂36が充填され、更にこの例では、電極
部23Aの内面と長尺母材22の外面との隙間に樹脂36が充
填され、図16に示すように被覆層38が成形される。こ
の場合、射出した樹脂36は、前記段差部23Bの外面に回
り込み、該段差部23Bが被覆層38により覆われ、この被
覆層38により前記接続端末11Tが被覆され、一方、段差
部23B以外の電極部23Aの外面と充填空間29Aの内面と
の間には隙間がないため、前記段差部23B以外の電極部
23Aが露出したプローブ20が形成される。そして型開き
後に前記ゲート片33A及びベント片34Aを、被覆層38か
ら切断などにより除去する。
【0026】上述したように、本実施例によれば、複数
の信号線11を有する長尺母材22の外周に複数の円筒状電
極部23Aを設けると共に、長尺母材22の外周に被覆層38
を形成する多電極プローブ20における長尺母材の被覆方
法において、複数の電極部23Aを設けた長尺母材22を被
覆層成形用型26内に配置し、長尺母材22と成形用型26と
の間の充填空間29Aに樹脂36を射出成形法により射出し
て被覆層38を形成するものであるから、射出成形により
被覆層38を形成するため、高い寸法精度で被覆層38を形
成でき、被覆層38の薄肉化及び均一化が図れ、また、電
極部23Aを取付けた後、被覆層38の射出成形を行うた
め、該被覆層38と電極部23Aとの一体化を図ることがで
きる。さらに射出成形法である点で第1実施例と同様な
作用,効果を奏する。
【0027】また、さらに実施例上の効果などを詳細に
説明すると、成形用型26に電極部23Aの形状に即した充
填空間29Aを形成することにより、電極部23Aを取付け
後の長尺母材22に被覆層38を成形することが可能とな
り、工程順序の自由度が増す。また、長尺母材22の外周
に保護線材51などを巻き付けることにより、電極部23A
と長尺母材22の帯状平行線15との絶縁を図ることがで
き、さらに電極部23Aに限らず、リード部22Aを含む長
尺母材22の帯状平行線15の全長に保護線材51などを密に
巻き付けることにより、絶縁隔離に必要な距離確保及び
長尺母材22の露出防止を図ることができる。
【0028】図20及び図21は本発明の第3実施例を
示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その
詳細な説明を省略して詳述すると、この例では長尺母材
22Aの芯材21Aに筒状のものを用いており、前記芯材21
Aの内部には流路61が形成され、この流路61の基端と先
端とには注入口61Tと吐出口61Hとが形成され、図21
に示したようにプローブ20の基端側の前記注入口61Tか
ら抗血栓剤などの薬液を注入し、先端の前記吐出口61H
から血管内に注入することができる。尚、図20の矢印
が薬液の注入方向を示している。
【0029】尚、本発明の実施例は上述したものに限定
されるものでなく本発明の要旨の範囲内において各種変
形実施が可能である。
【0030】
【発明の効果】本発明は、複数の信号線を有する長尺母
材の外周に複数の電極部を設けると共に、前記長尺母材
の外周に被覆層を形成する多電極プローブにおける長尺
母材の被覆方法において、前記長尺母材を被覆層成形用
型内に配置し、前記長尺母材と成形用型との間に前記電
極取付箇所を除いて充填空間を形成し、この充填空間に
熱可塑性樹脂を射出成形法により射出して被覆層を形成
した後、前記電極取付箇所に前記電極部を取り付けるよ
うに構成したものであり、多電極プローブの外径寸法を
抑えると共に、製作が容易な多電極プローブにおける長
尺母材の被覆方法を提供することができる。
【0031】また、本発明は、複数の信号線を有する長
尺母材の外周に複数の電極部を設けると共に、前記長尺
母材の外周に被覆層を形成する多電極プローブにおける
長尺母材の被覆方法において、前記複数の電極部を設け
た長尺母材を被覆層成形用型内に配置し、前記長尺母材
と前記成形用型との間の充填空間に熱可塑性樹脂を射出
成形法により射出して被覆層を形成するように構成した
ものであり、多電極プローブの外径寸法を抑えると共
に、製作が容易な多電極プローブにおける長尺母材の被
覆方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す信号線の断面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例を示す20極の帯状平行線
からなる4ユニット信号線群を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す帯状平行線の信号線
を段差状に切断した後の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す長尺母材に帯状平行
線を巻き付けた状態の側面図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す長尺母材を成形用型
内に配置した状態の断面図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す図5のY−Y線断面
図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す成形用型及び成形用
型から長尺母材を取り出した状態の断面図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す樹脂射出後の長尺母
材の断面図である。
【図9】本発明の第1実施例を示す射出成形後の長尺母
材の斜視図である。
【図10】本発明の第1実施例を示す電極部の取付工程
の断面図である。
【図11】本発明の第1実施例を示す電極部の断面図で
ある。
【図12】本発明の第1実施例を示す電極部取付後のプ
ローブ先端側の断面図である。
【図13】本発明の第1実施例を示すプローブの全体側
面図である。
【図14】本発明の第2実施例を示す複数の電極部を設
けた長尺母材の斜視図である。
【図15】本発明の第2実施例を示す長尺母材を成形用
型内に配置した状態の断面図である。
【図16】本発明の第2実施例を示す樹脂射出後の長尺
母材の断面図である。
【図17】本発明の第2実施例を示すヤーンからなる保
護線材の拡大断面図である。
【図18】本発明の第2実施例を示す撚り糸からなる保
護線材の拡大断面図である。
【図19】本発明の第2実施例を示す単繊維からなる保
護線材の拡大断面図である。
【図20】本発明に第3実施例を示す複数の電極部を設
けた長尺母材の斜視図である。
【図21】本発明に第3実施例を示すプローブの全体側
面図である。
【図22】従来例を示す多電極プローブの要部の斜視図
である。
【図23】従来例を示す信号線の構造を示す一部切欠斜
視図である。
【符号の説明】 11 信号線 22 長尺母材 23 23A 電極部 24 電極取付箇所 26 成形用型 29 大径充填空間(充填空間) 29A 充填空間 36 熱可塑性樹脂 38 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大内 輝彦 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−335460(JP,A) 特開 平5−317431(JP,A) 特開 昭64−20841(JP,A) 実開 昭57−128805(JP,U) 特表 平8−504333(JP,A) 特表 平10−510731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号線を有する長尺母材の外周に
    複数の電極部を設けると共に、前記長尺母材の外周に被
    覆層を形成する多電極プローブにおける長尺母材の被覆
    方法において、前記長尺母材を被覆層成形用型内に配置
    し、前記長尺母材と成形用型との間に前記電極取付箇所
    を除いて充填空間を形成し、この充填空間に熱可塑性樹
    脂を射出成形法により射出して被覆層を形成した後、前
    記電極取付箇所に前記電極部を取り付けるように構成し
    たことを特徴とする多電極プローブにおける長尺母材の
    被覆方法。
  2. 【請求項2】 複数の信号線を有する長尺母材の外周に
    複数の電極部を設けると共に、前記長尺母材の外周に被
    覆層を形成する多電極プローブにおける長尺母材の被覆
    方法において、前記複数の電極部を設けた長尺母材を被
    覆層成形用型内に配置し、前記長尺母材と前記成形用型
    との間の充填空間に熱可塑性樹脂を射出成形法により射
    出して被覆層を形成するように構成したことを特徴とす
    る多電極プローブにおける長尺母材の被覆方法。
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