JP3472997B2 - 多電極プローブにおける電極部の製法 - Google Patents

多電極プローブにおける電極部の製法

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JP3472997B2 JP07411595A JP7411595A JP3472997B2 JP 3472997 B2 JP3472997 B2 JP 3472997B2 JP 07411595 A JP07411595 A JP 07411595A JP 7411595 A JP7411595 A JP 7411595A JP 3472997 B2 JP3472997 B2 JP 3472997B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばWPW(Wolff-
Parkinson-White )症候群、発作性上室性頻脈等の副伝
導路性不整脈及び心房粗動,細動および心室頻拍等の異
所性刺激による不整脈等の頻脈性不整脈治療等の際に、
先立って行われる電気生理学的検査に使用する多電極プ
ローブにおける電極部の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の検査は、複数の電極をカ
テーテルの先端部周辺に設け、カテーテルを測定装置に
接続したリード線と連係して行われているが、右冠状動
脈が走行している右心側の三尖弁輪部への多電極カテー
テル(プローブ)の挿入ができないため、心室内より一
点ずつ場所を移動しながら計測せざるを得ず、検査時間
が長くなるという課題があった。このようなカテーテル
の外径が太くなるためカテーテルの多電極化ができない
ことを克服せんと本願発明者(大内輝彦)は特開平6−
335460号公報において開示されているように、カ
テーテル(プローブ)の外径の増大を抑え電極の数を増
やすことができ、検査時間を短縮でき、使用するプロー
ブの本数を少なくする多電極プローブを開発した。この
多電極プローブは、図12及び図13に示すように、生
体内に挿入する多電極プローブ1の芯材2に複数の信号
線3をコイル状に捲回し、この信号線3は、図13に示
したように、炭素鋼線4上に銅箔層4Aと金メッキ層4
Bとを形成し、この金メッキ層4Bの上に絶縁被覆層4
Cを設けてなり、前記芯材2にコイル状に捲回された複
数の信号線3のそれぞれに、前記絶縁被覆層4Cを剥離
してなる電極部5を有するものである。そして、本願発
明の課題となる電極部6は、図14乃至図16に示すよ
うに、12本のリード線7を基体部2Aの軸線方向に沿
って這わせ、電極設定部分で、そのリード線7の絶縁被
覆層4C(絶縁層)を剥離する。その絶縁被覆層4Cが
剥離された部分8を図15に示すように一条巻き付け、
その後再び基体部(芯材)2Aの外周に直線上に這わせ
ることにより、ある程度の幅を持った電極を有する多電
極プローブが形成される。この操作をリード線7の本数
分だけ繰り返すことにより、所望の電極間隔を有する多
電極プローブを構成することができるものである。ま
た、この従来技術の他の例は、リード線(導線)7を必
要とする本数だけ図17に示すように平行に並べて、フ
ラットケーブルを形成し、電極を必要とする部分に対し
てレーザ加工等を施して、ケーブルの絶縁被覆層4Cを
剥離して電極部9を形成して、このフラットケーブルを
基体部2Aに対して角度を設けて巻き付けるものであ
り、さらに、必要に応じて、リング状の電極をこの絶縁
被覆層4Cが剥離された部分に溶接等で電気的に接着す
ることにより、ある程度の幅を持った電極部分を形成す
ることができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図14乃至
図16に示された従来例では、リード線7を基体部2A
の軸線方向に沿って間隔をおいて這わせる構造をとるた
め、間隔を置く分だけ基体部2Aである芯材の径が太く
ならざるを得ないこと、芯材とリード線7との接着のた
めの接着手段と接着工程が余計にかかること、各リード
線7の絶縁剥離した部分8のみをコイル巻きして、その
端末を再び基体部2Aの直線上に這わせるように製作す
ることは接着手段や位置ずれ防止手段を必要とするなど
困難であること、また、リード線7を基体部2Aにコイ
ル巻きした場合でも、電極相当部分をさらにコイル巻き
することは製法上、困難であることが発生してきた。
【0004】そこで本発明はこれらの従来技術の諸課題
を克服し、多電極プローブの細径化及び低肉厚化を保持
しつつ製作上安定して、低コスト化の図れる多電極プロ
ーブにおける電極部の製法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の多電極プローブにおける電極部の製法は以下
の様な構成を備える。すなわち、本発明の請求項1の多
電極プローブにおける電極部の製法においては、導体か
らなる芯線に絶縁被覆部を設けてなる信号線を複数並べ
た帯状平行線からなる信号線群を、生体内に挿入する多
電極プローブの芯材の表面に螺旋状に捲回し、前記各信
号線に設けた電極部が所定間隔で配置されている多電極
プローブにおける電極部の製法において、前記信号線群
の前記帯状平行線を、前記芯材に螺旋状に捲回する前
に、予め、この帯状平行線を構成する信号線の端末部の
絶縁被覆部を所定長さだけ剥離して電極部を形成し、棒
状又は筒状の前記芯材の外周表面に帯状平行線を螺旋状
に巻き付けて長尺母材を形成した後、前記絶縁被覆部を
剥離した信号線の端末部を長尺母材の外周表面に略密
着して所定巻数の整列巻きをすることにより電極部を
成するものである。
【0006】また、本発明の請求項2の多電極プローブ
における電極部の製法においては、導体からなる芯線に
絶縁被覆部を設けてなる信号線を複数並べた帯状平行線
からなる信号線群を、生体内に挿入する多電極プローブ
の芯材の表面に螺旋状に捲回し、前記各信号線に設けた
電極部が所定間隔で配置されている多電極プローブにお
ける電極部の製法において、棒状又は筒状の前記芯材の
外周表面に前記信号線群の前記帯状平行線を螺旋状に巻
き付けて長尺母材を形成し、電極部とすべき信号線の端
末部を前記絶縁被覆部を有したままの状態で長尺母材の
外周表面に略密着して所定巻数の整列巻きをした後、整
列巻き局部の絶縁被覆部を剥離して電極部を形成するも
のである。
【0007】
【作用】上記請求項1の構成では、プローブを、長尺母
材の径に信号線の径の2倍値を加えた小さい直径に形成
することができ、製品外径の細径化と構造のシンプル化
が図られ、電極材料費の削減及び電極とリード線である
信号線との接合工程の削減が可能となる。また、長尺母
材の形成後に剥離端末部を整列巻きして電極部を作るた
め、電極部の位置決めを容易にできるとともに、その剥
離端末部の整列巻き幅により、所望の幅の電極部を形成
することができる。
【0008】上記請求項2の構成では、別個の電極部材
を用いないで電極部を形成するため、製品外径の細径化
と構造のシンプル化が図られ、電極材料費の削減及び電
極とリード線である信号線との接合工程の削減が可能と
なる。また、長尺母材の外周表面に信号線の端末部を密
着して所定巻数の整列巻きをするため、X線撮影による
電極部の造影性が向上する。さらに電極部となる端末部
を整列巻きした後、絶縁被覆部を剥離して電極部を形成
するため、電極部位置を正確に形成することができる。
【0009】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の好適な実
施例を詳細に説明する。図1乃至図9は本発明の第1実
施例を示し、図1は本発明の信号線11の断面図を示し、
この信号線11は後述するプローブの芯材の表面に螺旋状
に捲回されるものである。前記信号線11は、φ0.02
5mmの金線からなる芯線12に着色絶縁被覆層(絶縁層)
13を形成し、この着色絶縁被覆層13上に融着層14を形成
した径φ0.04mmの細線のものが用いられる。前記絶
縁被覆層13を着色するのは、プローブの先端側の電極部
と基端側の外部出力端子の色配列を検査して誤配線の防
止を図るためである。この着色は、例えば赤,青,緑,
黒,橙の5色の色分けを各信号線11に施す。前記融着層
14はアルコール可溶であって、透明であるため着色絶縁
被覆層13の視認に妨げとならず、その材質は例えば6ナ
イロンと66ナイロンの共重合体又はポリビニールブチ
ラールなどが用いられ、これらの融着材を溶剤たるアル
コール塗布又は加熱して接着剤の作用をなさしめて各信
号線11間を密接に接着するものである。前記着色絶縁被
覆層13と融着層14とを施した信号線11を、図2に示すよ
うに、前述した5色の信号線11を一ユニットとして4配
列して20極分の信号線11を帯状平行線15に加工する。
この帯状平行線15の加工は各色の信号線11を捲回した各
ボビン(図示略)より各色の素線を前記5色の基本色ユ
ニットに4配列した20極の信号線11を集合部(図示
略)に集束するとともに融着層14を加熱またはアルコー
ル塗布により溶融して各信号線11間を接着し、帯状かつ
平行線状をなす帯状平行線15を形成する。
【0010】次に、前記帯状平行線15のフォーミングを
行う。このフォーミングには、例えば図3に示すよう
に、作業シート16が用られ、この作業シート16は一定幅
の開口部17を有し、その作業シート16上に前記帯状平行
線15を該開口部17とほぼ平行に配置し、その帯状平行線
15を図示しない粘着テープにより固定し、前記作業用シ
ート16には、製作するプローブの電極位置に対応して所
定間隔で案内ピン18を立設し、これら案内ピン18は各信
号線11に対応して設けられている。そして帯状平行線15
をなす複数の信号線11の端末の接着部分である融着層14
相互を切り離しながら、各信号線11を前記案内ピン18を
介して前記開口部17側に引き回し、その先端を粘着テー
プ等により前記作業シート16に固定する。この状態で各
信号線11の端末部11Tは開口部17において平行に配置さ
れる。そして各信号線11の長さが等しい帯状平行線15を
用いる場合は、各端末部11Tの先端を切断して切り揃え
る。また、他の製作工程の実施例として図4及び図5で
示すように、前記帯状平行線15となる信号線11を5色で
4配列して20本電極の信号線11,11…群を作る際、予
め多電極プローブ1本分の長さに該当する部分におい
て、各信号線11は、後の電極部23に該当する箇所をその
電極部23に必要な長さだけ隣接する信号線11に接着せず
にフリーな状態、つまり平行線ではない状態で加工した
後、図5で示すように、帯状平行線15を多電極プローブ
1本分の長さ毎に定尺切断し、さらに帯状平行線15を構
成する20本の信号線11の端末部11Tの先端を各電極部
23箇所に対応して段差状に切断する。このように製作す
ることにより、帯状平行線15をなす複数の信号線11の端
末部11Tの接着部分切り離しと、各信号線11の端末部11
Tの切り揃えが不要となる。
【0011】このようにして帯状平行線15のフォーミン
グを行い、該帯状平行線15を作業シート16に固定したま
まレーザー剥離装置(図示せず)より信号線11の端末部
11Tの剥離を行う。そのレーザー剥離装置は、エキシマ
レーザーを照射するものであって、そのエキシマレーザ
ー光が前記開口部17の長さ方向に沿って直線的に走行
し、このレーザー光の照射により、各信号線11の端末部
11Tの前記着色絶縁被覆層13及び融着層14が、前記開口
部17の幅寸法に対応して剥離されて所定長さだけ芯線12
が露出し、この芯線12の露出部分が後述する電極部23と
なり、また、前記開口部17の図示下方に位置する信号線
11の端末部11Tの先端に所定長さで前記着色絶縁被覆層
13及び融着層14を有する余長部11Yが形成される。尚、
この場合、作業シート16には開口部17が形成されている
ため、エキシマレーザーを作業シート16の表裏両面から
照射して着色絶縁被覆層13及び融着層14を全周除去する
ことができる。エキシマレーザーは、励起状態の原子
(又は分子)と基底状態の原子(又は分子)が重合し生
成された励起分子の状態の分子が、基底状態に落ちると
きに放出される光を利用したレーザーであって、剥離
性、装置の安定性及び出力を考慮してArF,KrFが
望ましい。また、このようなレーザー照射などの熱的剥
離によらず、剥離剤を用いて前記着色絶縁被覆層13及び
融着層14を剥離するようにしてもよい。さらに図3にお
いては1ユニットを構成する5本の信号線11からなる帯
状平行線15を図示して説明したが4ユニット、すなわち
20本からなる帯状平行線15を用いて同様な加工を施し
てもよく、また5本の信号線11からなる1ユニットによ
り加工を行った場合は、個々の加工後に4ユニットを並
べてアルコール塗布或いは加熱により融着層14を介して
接着一体化し、4ユニットを一体とした帯状平行線15を
形成する。
【0012】このようにして信号線11の電極部23となる
端末部11Tの着色絶縁被覆層13及び融着層14を所定長さ
で剥離した後、次に20本の信号線11からなる帯状平行
線15を、前記端末部11Tの他端に位置する基端側からプ
ローブ20の径φ0.32mmの芯材21にコイル状に捲回す
る。この螺旋(コイル状)巻き工程及び装置は、特開平
6−335460号公報の図6に示すような捲回装置で
巻き付けられる。すなわち、図示を省略して説明すれ
ば、棒状の前記芯材21の両端を、芯材21の軸方向に回転
可能なチャックにより固定し、前記信号線11を、例えば
20本平行に束ねた帯状平行線15にして、巻線ガイドを
通して、巻き始めチャックに固定する。この巻き始めチ
ャックは、芯材21を固定するためのチャックに固定され
ており、芯材21の回転に合わせて回転するものである。
巻線ガイドは、ガイド送り(螺子棒)の回転により前記
芯材21の端末側から先端側に向って軸線方向に軸送りさ
れ、この状態で帯状平行線15を芯材21に巻き付けるため
には、芯材21を回転させ、芯材21に対する帯状平行線15
の巻き付け位置の移動に同期してガイド送りを回転させ
て巻線ガイドを移動する。この巻線ガイドの移動量は芯
材21の直径と帯状平行線15の幅とにより設定され、ま
た、芯材21の先端側においては、帯状平行線15はそれぞ
れ電極部23となる信号線11の端末部11Tが、他の信号線
11と接着されない状態で設けられているため、1本目の
端末部11Tまで捲回した後は、この端末部11Tを有する
信号線11を除いて19本が一体となった帯状平行線15を
芯材21に捲回し、18本,17本,…2本となった帯状
平行線15を、さらには1本となった信号線11を、順次芯
材21の先端側に向かって密コイル状に捲回する。この場
合、捲回するに連れて19本,18本…となる帯状平行
線15の幅に対応して前記巻線ガイドの移動量を調節す
る。このようにして芯材21上に帯状平行線15を捲回した
長尺母材22を形成し、図6に示すように、前記長尺母材
22に20本のフリーな端末部11Tが該長尺母材22の長さ
方向に所定の間隔で設けられ、それら端末部11Tを、図
7及び図8に示すように、前記長尺母材22の外周に密着
させながら単層の整列巻きを行い、その余長部11Yを長
尺母材22に図示しない接着剤などにより接着固定し、或
いは余長部11Yの外周には融着層14が設けられているた
め、この融着層14と長尺母材22に捲回した帯状平行線15
の信号線11の融着層14とをアルコール塗布あるいは加熱
により接着し、その端末部11Tの露出した芯線12により
電極部23を形成する。そして前記長尺母材22の直径がφ
0.43mm、前記電極部23の外径がφ0.48mmの多電
極プローブ20が形成される。
【0013】上述したように、本実施例によれば、導体
からなる芯線12に絶縁被覆層13を設けてなる信号線11を
複数並べて帯状平行線15を形成し、この帯状平行線15を
芯材21の表面に螺旋状に捲回し、各信号線11の末端部11
Tに電極部23を設ける多電極プローブ20の製造方法であ
って、帯状平行線15の信号線11の末端部11Tを段差状に
切断し、これら信号線11の末端部11Tの絶縁被覆層13を
除去し、芯材21の表面に捲回した帯状平行線15の外周に
絶縁被覆層13を除去した端末部11Tを略密着巻きして電
極部23を形成する多電極プローブ20における電極部の製
法であり、請求項1に対応して、導体からなる芯線12に
絶縁被覆部たる絶縁被覆層13を設けてなる信号線11を複
数並べた帯状平行線15からなる信号線11,11…群を、生
体内に挿入する多電極プローブの芯材21の表面に螺旋状
に捲回し、各信号線11に設ける電極部23が所定間隔で配
置されている多電極プローブ20における電極部23の製法
において、信号線11,11…群の帯状平行線15を、芯材21
に螺旋状に捲回する前に、予め、この帯状平行線15を構
成する信号線11の端末部11Tの絶縁被覆層13を所定長さ
だけ剥離して電極部23を形成し、棒状又は筒状の芯材21
の外周表面に帯状平行線15を螺旋状に巻き付けて長尺母
材22を形成した後、絶縁被覆層13を剥離した信号線11の
端末部11Tを、長尺母材22の外周表面に略密着して所定
巻数の整列巻きをすることにより電極部23を形成するか
ら、多電極プローブ20を、長尺母材22の径に信号線11の
径の2倍値を加えた小さい直径に形成することができ、
製品外径の細径化と構造のシンプル化が図られ、電極材
料費の削減及び電極とリード線である信号線11との接合
工程の削減が可能となる。また、長尺母材22の形成後に
剥離端末部11Tを整列巻きして電極部23を作るため、電
極部23の位置決めを容易にできるとともに、その剥離端
末部11Tの整列巻き幅により、所望の幅の電極部23を形
成することができる。
【0014】また、さらに詳細に説明すると、帯状平行
線15を構成する信号線11の絶縁被覆層13を剥離した端末
部11Tを、長尺母材22の外周表面に密着巻きすることに
より、密着巻きした部分の任意断面における外径は、長
尺母材22の径に信号線11の径の2倍値を加えた径となる
ため、製品の細径及び低肉厚化に大きく貢献する。さら
に長尺母材22の長さ方向における電極部23の幅は、整列
巻きの巻数により信号線11の芯線12の整数倍の範囲で容
易に可変が可能であり、芯線12そのものの直径を変更す
ることにより、前記電極部23幅のさらなる微調整が可能
となる。しかも断面円形の信号線11を密着巻きすること
により、製品の長さ方向断面で見た場合、図8に示した
ように、長尺母材22と電極部23との境界部Kは信号線11
の直径により一義的に決定される円弧状を呈するため、
構造的に人体血管内への挿入時に鋭利な段差による血管
内壁を傷付ける虞が無くなる。また、電極部23を構成す
る芯線12が長尺母材22上に積層巻きされるため、X線撮
影時の電極部23の造影性が向上し、血管内における電極
部23位置の確認を容易に行うことができる。しかも別体
の金属製電極を使用しないため、製品外径の細径化及び
構造のシンプル化が図られると共に、金属製電極を用い
ないことによる材料費の軽減、さらには該金属電極とリ
ード線たる信号線11との接合工程が不要になるため、製
作コストの低減が図られる。
【0015】また、実施例上の効果として、信号線11の
絶縁に着色された絶縁被覆層13を用いると共に、帯状平
行線15を構成する複数の信号線11は、各色毎の着色絶縁
層13により被覆されているので、信号線11の電極部23の
色配列が外部出力電極の色配列と順序が入れかわったり
した場合は途中で誤配線、例えば配線が入れ替わってい
ることなどが直ちに発見でき、誤配線の防止を図ること
ができ、さらに信号線11を帯状平行線15に形成し、個々
に着色加工を施した複数本(前記実施例では5本)の信
号線11を基本色(前記実施例の5色)ユニットとし、該
ユニットを繰り返し配列することにより、基本色の整数
倍の多本数の信号線11から成る帯状平行線15を有する多
電極プローブ20を得ることができる。また、複数本の信
号線11を各々接着した帯状平行線15を、棒状体又は筒状
体の芯材21外周表面に密着させながら螺旋状(コイル
状)に巻き付けることにより、芯材21の三次元方向の多
方向曲げに対しても従来はバラバラになりがちであった
信号線11も帯状平行線15の信号線11を有する多電極プロ
ーブ20は芯材21と一体となって変形するので、曲げに対
する柔軟性を損なわない。さらに、また、この帯状平行
線15は、各々の信号線15が接着されて形成されているた
め、信号線単体に比べて屈曲、引張等の変形応力に対し
て強く、且つ芯材21に密着させながらコイル(螺旋)巻
きした場合の個々の信号線11の巻き緩みやそれに応じた
螺旋巻き外径の変動を防止することができる。また、信
号線11の数が多くなっても一ユニットの平行線15として
取り扱うことができるので、製造工程上のハンドリング
性に優れる。また、帯状平行線15の加工工程において、
長尺(多電極プローブ1本分の長さ×N倍)の帯状平行
線15を連続的に加工し、その後、多電極プローブ20の1
本分の所定長さの切断しろを基準に切断することによ
り、大量かつ安価に帯状平行線15を得ることができる。
【0016】図10は本発明の第2実施例を示し、上記
第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説
明を省略して詳述すると、この例では第1実施例と同様
に、前記芯線12の外周に着色絶縁被覆層13を形成し、こ
の着色絶縁被覆層13の上にアルコール可溶融着層14を形
成して信号線11単体を形成し、さらに5色分けした信号
線11が4配列された帯状平行線15を形成し、次にこの帯
状平行線15の端末側の信号線11の接着部分である融着層
14相互を切り離し、各信号線11の端末部11Tの先端を各
電極部23A箇所に対応して段差状に切断するフォーミン
グまでは、第1実施例と同様に行う。尚、第1実施例に
おいて図4及び図5で説明したように、帯状平行線15を
なす複数の信号線11の端末部11Tの接着部分切り離しを
行ってもよい。尚、この例では接着部分を切り離した端
末部11Tの長さを第1実施例より長く形成しておく。
【0017】次に各信号線11の端末部11Tが相互に分離
されてフリーとなり、かつ各信号線11の長さを電極部23
A箇所に対応して異なる段差状に切断した帯状平行線15
を、この例では第1実施例で説明した端末部11Tの着色
絶縁被覆層13及び融着層14の剥離を行うことなく、芯材
21の外周表面に第1実施例と同様に螺旋状に捲回して長
尺母材22を形成し、この長尺母材22に、20本のフリー
で着色絶縁被覆層13と融着層14とを有する端末部11T
が、該長尺母材22の長さ方向に所定の間隔で設けられ
る。それら端末部11Tを、前記長尺母材22の外周に密着
させながら好ましくは二層以上の多層、すなわち積層で
整列巻きを行い、その先端を長尺母材22に図示しない接
着剤などにより接着固定し、或いは長尺母材22の外周に
密着巻きした信号線11には融着層14が設けられているた
め、この融着層14と長尺母材22に捲回した帯状平行線15
の信号線11の融着層14とをアルコール塗布あるいは加熱
により接着し、この後、その整列巻きされた最上層の信
号線11にエキシマレーザーを照射し、表面側の着色絶縁
被覆層13と融着層14とを剥離して電極部23Aを形成す
る。この場合着色絶縁被覆層13と融着層14との剥離は、
レーザー照射などの熱的剥離によらず、剥離剤を用いて
行うこともできる。そして前記長尺母材22の直径がφ
0.43mm、前記電極部23Aの外径がφ0.56mmの多
電極プローブ20が形成される。
【0018】上述したように、本実施例によれば、長尺
母材22の外周に信号線11の端部側を多層に密着巻きし、
この多層に密着巻きした最外周側の信号線11の絶縁被覆
層13を除去して電極部23Aを形成することを特徴とする
多電極プローブ20における電極部の製法であり、請求項
2に対応して、棒状又は筒状の芯材21の外周表面に信号
線11,11…群の帯状平行線15を螺旋状に巻き付けて長尺
母材22を形成し、電極部23Aとすべき信号線11の端末部
11Tを絶縁被覆層13を有したままの状態で長尺母材22の
外周表面に略密着して所定巻数の整列巻きをした後、整
列巻き局部の絶縁被覆層13を剥離して電極部23Aを形成
するから、別個の電極部材を用いないで電極部23Aを形
成するため、製品外径の細径化と構造のシンプル化が図
られ、電極材料費の削減及び電極とリード線である信号
線11との接合工程の削減が可能となる。また、長尺母材
22の外周表面に信号線11の端末部11Tを密着して所定巻
数の整列巻きをするため、X線撮影による電極部23Aの
造影性が向上する。さらに電極部23Aとなる端末部11T
を整列巻きした後、絶縁被覆層13を剥離して電極部23A
を形成するため、電極部位置を正確に形成することがで
きる。しかも、積層巻きした最上層の絶縁層23Aを剥離
するため、レーザーなどを用いても下部層の信号線11に
より長尺母材22の信号線11の絶縁被覆層13が保護され、
あるいは剥離剤などを用いる場合でも、該剥離剤によっ
て長尺母材22の信号線11の絶縁被覆層13が冒されること
がない。また、さらに詳細に説明すると、電極部23Aと
なる端末部は密着巻きを上下方向に積み重ねた多層積層
巻きとすることにより、密着巻き部、つまり電極部23A
箇所の体積を増し、X線撮影時の造影性の向上を図るこ
とができる。
【0019】図11は本発明の第3実施例を示し、上記
第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説
明を省略して詳述すると、この例では長尺母材22の芯材
21Aに筒状のものを用いており、前記芯材21Aの内部に
は流路31が形成され、この流路31の基端と先端とには注
入口31Tと吐出口31Hとが形成され、図9に示したよう
にプローブ20の基端側の前記注入口31Tから抗血栓剤な
どの薬液を注入し、先端の前記吐出口31Hから血管内に
注入することができる。尚、図11の矢印が薬液の注入
方向を示している。
【0020】尚、本発明の実施例は上述したものに限定
されるものでなく、たとえば、同一色の着色絶縁被覆層
を用いて帯状平行線を形成してもよい。また、第2実施
例においては長尺母材22外周に二層に末端部11Tを巻き
付けた例を示したが、一層、あるいは三層以上でもよ
い。さらに信号線群における信号線の本数は複数であれ
ばよい。また電極数に対応した本数の着色層を形成した
信号線を、各々融着層を融解して接着して筒状の芯材の
内側に束状あるいは中空螺旋き状に通す構造の多電極プ
ローブにも適用されるのは当然である。
【0021】
【発明の効果】本発明は、導体からなる芯線に絶縁被覆
部を設けてなる信号線を複数並べた帯状平行線からなる
信号線群を、生体内に挿入する多電極プローブの芯材の
表面に螺旋状に捲回し、前記各信号線に設けた電極部が
所定間隔で配置されている多電極プローブにおける電極
部の製法において、前記信号線群の前記帯状平行線を、
前記芯材に螺旋状に捲回する前に、予め、この帯状平行
線を構成する信号線の端末部の絶縁被覆部を所定長さだ
け剥離して電極部を形成し、棒状又は筒状の前記芯材の
外周表面に帯状平行線を螺旋状に巻き付けて長尺母材を
形成した後、前記絶縁被覆部を剥離した信号線の端末部
長尺母材の外周表面に略密着して所定巻数の整列巻
きをすることにより電極部を形成するため、多電極プロ
ーブの細径化及び低肉厚化を保持しつつ製作上安定し
て、低コスト化の図れる多電極プローブにおける電極部
の製法を提供することができる。
【0022】また、本発明は、導体からなる芯線に絶縁
被覆部を設けてなる信号線を複数並べた帯状平行線から
なる信号線群を、生体内に挿入する多電極プローブの芯
材の表面に螺旋状に捲回し、前記各信号線に設けた電極
部が所定間隔で配置されている多電極プローブにおける
電極部の製法において、棒状又は筒状の前記芯材の外周
表面に前記信号線群の前記帯状平行線を螺旋状に巻き付
けて長尺母材を形成し、電極部とすべき信号線の端末部
を前記絶縁被覆部を有したままの状態で長尺母材の外周
表面に略密着して所定巻数の整列巻きをした後、整列巻
き局部の絶縁被覆部を剥離して電極部を形成するため、
多電極プローブの細径化及び低肉厚化を保持しつつ製作
上安定して、低コスト化の図れる多電極プローブにおけ
る電極部の製法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す信号線の断面図であ
る。
【図2】本発明の第1実施例を示す20極の帯状平行線
からなる4ユニット信号線群を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す一部を拡大した帯状
平行線を作業シートに固定した状態の断面図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す多電極プローブ1本
分の長さのN倍長の帯状平行線の連続加工状態を示す斜
視図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す図4の定尺切断後を
示す斜視図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す長尺母材に信号線の
端末部を巻く前の側面図である。
【図7】本発明の第1実施例を示す電極部形成後の側面
図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す電極部箇所の断面図
である。
【図9】本発明の第1実施例を示す多電極プローブの全
体側面図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す電極箇所の断面図
である。
【図11】本発明の第3実施例を示す電極箇所の断面図
である。
【図12】従来例を示す多電極プローブの要部の斜視図
である。
【図13】従来例を示す信号線の構造を示す一部切欠斜
視図である。
【図14】従来例を示す多電極プローブの断面図であ
る。
【図15】従来例を示す多電極プローブの外観図であ
る。
【図16】従来例を示す多電極プローブの各リード線の
配列を示す模式図である。
【図17】従来例を示す多電極プローブの信号線の形状
を示す図である。
【符号の説明】
11 信号線 12 芯線(信号線の芯線) 13 絶縁被覆層(絶縁被覆部) 14 融着層 15 帯状平行線 21 21A 芯材(プローブの芯材) 22 長尺母材 23 23A 電極部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−335460(JP,A) 特表 平10−510731(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体からなる芯線に絶縁被覆部を設けて
    なる信号線を複数並べた帯状平行線からなる信号線群
    を、生体内に挿入する多電極プローブの芯材の表面に螺
    旋状に捲回し、前記各信号線に設けた電極部が所定間隔
    で配置されている多電極プローブにおける電極部の製法
    において、前記信号線群の前記帯状平行線を、前記芯材
    に螺旋状に捲回する前に、予め、この帯状平行線を構成
    する信号線の端末部の絶縁被覆部を所定長さだけ剥離し
    電極部を形成し、棒状又は筒状の前記芯材の外周表面
    に帯状平行線を螺旋状に巻き付けて長尺母材を形成した
    後、前記絶縁被覆部を剥離した信号線の端末部を長尺
    母材の外周表面に略密着して所定巻数の整列巻きをする
    ことにより電極部を形成することを特徴とする多電極プ
    ローブにおける電極部の製法。
  2. 【請求項2】 導体からなる芯線に絶縁被覆部を設けて
    なる信号線を複数並べた帯状平行線からなる信号線群
    を、生体内に挿入する多電極プローブの芯材の表面に螺
    旋状に捲回し、前記各信号線に設けた電極部が所定間隔
    で配置されている多電極プローブにおける電極部の製法
    において、棒状又は筒状の前記芯材の外周表面に前記信
    号線群の前記帯状平行線を螺旋状に巻き付けて長尺母材
    を形成し、電極部とすべき信号線の端末部を前記絶縁被
    覆部を有したままの状態で長尺母材の外周表面に略密着
    して所定巻数の整列巻きをした後、整列巻き局部の絶縁
    被覆部を剥離して電極部を形成することを特徴とする多
    電極プローブにおける電極部の製法。
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